JP2006153461A - 核磁気共鳴計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】核磁気共鳴計測装置では、パワーアンプやコンソールと磁石間の配線の長さや配置により高周波パルスが減衰し、人手による再調整が必要になる。
【解決手段】核磁気共鳴計測装置はパルス設定器2と、高周波パルスを生成、送信する送信器3と、送信器3からの高周波パルスをサンプルに照射し、サンプルからの自由誘導減衰信号を受信するNMRプローブ9と、受信信号を検波する受信器11を備える。 プローブ9の受信信号を量子化する量子化部6をプローブ9に隣接またはその近傍に設ける。量子化部6の出力値とパルス設定部2の情報との差分を求める補正演算部5を設ける。補正演算部5の出力値をパルス発生部3−3の設定パルスPgに加算する加算部3−4を設け、該加算部の出力を出力制御部3−5−2に送出する。調整作業が短時間に行える。
【選択図】図1

Description

本発明は核磁気共鳴計測装置に関し、特にサンプルに照射する高周波信号の補正方式に関する。
近年、核磁気共鳴計測装置は分解能を高めるために磁石の高磁場化が進んでいる。これに伴い磁石が大型化し、一方、コンソールは漏洩磁場の影響を避けるために磁石本体とは距離を離して設置されることが多くなっている。コンソールと磁石の距離が離れることによって、パワーアンプとプローブを接続するケーブルの敷設距離が長くなり、コンソールと磁石が各々専用の部屋に設置されたり、複数の核磁気共鳴装置を同一場所に設置したりするとケーブルが複雑な経路となるケースが多い。
このため、プローブ入力端における高周波パルス信号の振幅は送信部やパワーアンプ等の機器入出力特性とケーブルによる信号減衰の影響を受けて、パルスシーケンスによる設定値と異なったものとなる。これに対して、特許文献1には、予め評価済みの送信部の機器入出力特性を、関数信号発生器により補正した高周波パルス信号をパワーアンプに送出する方法が開示されている。
特開平5−60849号公報
しかし、上記特許文献1の技術は送信部の一部分である可変減衰器の入出力特性のみの補正に限られ、パワーアンプ入出力特性やケーブルの減衰特性を含めたプローブ入力端における高周波パルス信号については補正が行われていない。このため、ユーザーが既知のサンプルに対して所定のパルスを設定し、これに対する周波数スペクトルが所定のスペクトルに合致するまで、パルス幅や振幅の設定値を変えて調整しなければならず、調整作業に多くの時間を要し測定の効率を低下させている。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、ユーザーが設定したパルスの設定値に対して精度の良い高周波パルスをプローブよりサンプルに照射でき、調整作業を短時間に行える核磁気共鳴計測装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、パルス設定情報に基づいて制御された高周波信号を出力する送信手段と、ケーブルを介して入力された前記高周波信号をサンプルに照射するNMRプローブを備える核磁気共鳴計測装置において、前記NMRプローブに入力する高周波信号を量子化する量子化手段と、該量子化手段の出力値と前記パルス設定情報との差分を求める補正手段と、前記送信手段における高周波信号の制御量に前記補正手段の出力値を加算する加算手段を、設けたことを特徴とする。
あるいは、前記NMRプローブに入力する高周波信号を量子化する量子化手段と、該量子化手段の出力値と前記パルス設定情報との差分を求める補正手段と、前記送信手段の出力値と前記補正手段の補正値を加算して補正された高周波信号を出力する加算手段を、設けたことを特徴とする。
また、前記量子化手段への高周波信号の入力は、前記ケーブルと前記NMRプローブの接続部または前記NMRプローブに隣接もしくはその近傍に設けられた結合手段による。
また、前記補正手段を前記送信手段側に設けると共に、前記量子化手段の出力値を前記送信手段側に送出する伝送路を設ける。
本発明の別の態様は、高周波信号の照射タイミングと振幅を規定するパルス設定値に基づいて高周波信号を送信する送信器と、前記高周波信号をNMRプローブからサンプルに照射する核磁気共鳴計測装置において、テスト用パルスシーケンスの設定を行う操作端末と、前記テスト用パルスに基づいて前記送信器から前記NMRプローブに入力する高周波信号を量子化する量子化手段と、該量子化手段の出力値と前記テスト用パルスの設定値との差分により補正値を求める補正手段と、前記テスト用パルスの設定値に前記補正値を加算する加算手段を備え、前記送信器は補正後に前記設定値に前記補正値を加算したパルスシーケンスに基いて高周波信号を送信し、前記NMRプローブから自由誘導減衰信号を受信するように構成したことを特徴とする。
本発明によれば、ユーザーが設定したパルスの設定値に基づいた高精度な高周波パルスをプローブ入力端よりサンプルに照射することができ、調整作業を短時間に行える核磁気共鳴計測装置を提供できる。
一実施例による核磁気共鳴計測装置は、静磁場を発生させる磁石と、静磁場中においてサンプルを内包するように設置してサンプルに高周波パルス信号を照射しかつ自由誘導減衰信号を受信するプローブと、高周波パルス信号の送信と自由誘導減衰信号の受信等を行うコンソールで構成される。コンソールの基本構成は、高周波パルス信号を生成して送信する送信部、この送信部の出力を増幅してプローブに送出するパワーアンプ、プローブから受信した自由誘導減衰信号の信号処理を行うRF受信部、ユーザーが測定内容に応じた各種設定や測定結果等の表示を行う操作表示端末から成る。
核磁気共鳴計測装置においては、サンプルの原子核を励起し核スピンを発生させるために原子核の共鳴周波数をユーザーが設定したパルスに応じた振幅およびパルス幅でサンプルに照射する。上記パルスの振幅とパルス幅は、原子核を励起するために与えるエネルギー量に相当する。核磁気共鳴による計測では、特定のエネルギー量を断続的にサンプルに与え、それに対してサンプルから放出される自由誘導減衰信号の周波数スペクトルを観測する。
このため、ユーザーは複数のパルスを組み合わせたパルスシーケンスを設定することにより、サンプルに対してエネルギー量を断続的に与えるようにしている。上記のエネルギー量、即ちパルスの振幅、パルス幅、およびパルス間隔は、核スピンの挙動を直接的に決定するため、ユーザーは観測目的に応じて精度良くサンプルに照射するようにパルスシーケンスを設定しなければならない。
パルスシーケンスの設定からサンプルへの高周波パルス照射に至るまでの信号の経路には、送信部、パワーアンプ等の機器が介在し、かつパワーアンプとプローブ間はケーブルで接続される。
核磁気共鳴計測装置においては、ユーザーが測定を行う際には、高周波パルス信号のパルスパターンを操作部より設定入力する。このパルスパターンは、複数のパルスを時系列に組合せて構成するものであり、一般にはパルスシーケンスと呼ばれている。パルスシーケンスを構成する個々のパルスは、測定の目的に合わせてパルス幅(立上り/立下りのタイミング)、レベル等の各パラメータが設定される。パワーアンプを介してプローブからサンプルに照射される高周波パルス信号は、パルスシーケンスによってタイミング、レベル等を規定された周波数の正弦波であり、その周波数は核種固有であり、これは共鳴周波数と呼ばれている。
本発明の第一の態様によれば、上記プローブの入力信号を量子化する量子化部は上記プローブに隣接した位置またはその近傍に設けられる。上記量子化部の出力値と上記パルス設定情報との差分を求める補正演算部を設け、該補正演算部の出力値を上記パルス設定値に加算する加算部を設け、該加算部の出力を上記送信部より送出する。
また第二の態様によれば、上記補正演算部の出力値と上記送信部の出力信号を加算する加算部を設け、該加算部の出力を前記プローブに送出する。
上記量子化部は磁気シールドして上記プローブに隣接した位置またはその近傍に設置する。上記プローブの入力信号は、該プローブに隣接した位置またはその近傍に設けた結合器を介して量子化部に入力する。また、上記量子化部の出力値は伝送路により上記補正演算部に伝播させる。
以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例である核磁気共鳴計測装置の構成を示している。核磁気共鳴計測装置は、静磁場を発生する磁石10とその内部にサンプル(図示していない)を取り囲むように設けたプローブ9と、プローブ9に対して信号を入出力するコンソール1から成る。
コンソール1においては、ユーザーが設定表示部2からパルスの設定内容(レベルと時間の情報)を入力し、これに対応したパルス設定値Spが送信器3のパルス発生部3−3に送出される。送信器3は高周波発振部3−1、中間周波発生部3−2、パルス発生部3−3、加算部3−4、高周波パルス生成部3−5で構成する。
パルス発生部3−3はパルス設定値Spに基づいたパルス幅、振幅の設定パルスPgを発生させ、加算部3−4において後述する補正値Crと設定パルスPgを加算し、高周波パルス生成部3−5に補正パルス信号Paを出力する。また、パルス発生部3−3からは量子化部6に対して設定パルスPgを発生させたことを示すタイミング信号tmを出力する。
高周波パルス生成部3−5では、同期信号tgによって設定パルスPgと同期した中間周波発振部3−2の出力する中間周波信号ifと、高周波発信部3−1が出力した高周波信号hfとを混合器3−5−1によって混合して、共鳴周波数rfを生成する。出力制御部3−5−2では、補正パルス信号Paに基づいて共鳴周波数rfの振幅とパルス幅やパルス間隔を制御して、これを高周波パルス信号Phとして出力する。
高周波パルス信号Phはパワーアンプ4によって電力増幅され、送信信号TXとして結合器7を経由して送受切替器8に入力される。なお、パワーアンプ4と送受切替器8を接続するケーブルによって信号レベルが減衰するため、プローブ入力端近傍では送信信号TXiと別称する。
送受切替器8からプローブ9に対しては送信信号TXiが印加され、その逆にプローブ9からは受信信号RXが送受切替器8に出力され、送受切替器8よりコンソール1の受信器11に送出される。即ち、送受切替器8は送信信号TXiが入力されたときには送信信号TXiをプローブに送り、送信終了後にはプローブが検出した受信信号RXを受信器11に送出する機能を有している。一般的には、ピンダイオードやリレーを用いたスイチング回路が用いられ、減衰特性が極めて低く、信号減衰は無視できるものである。
受信器11は、受信信号RXを入力し送信器3の中間周波数ifに変換した後に検波するものであるが、詳細な構成については一般的な核磁気共鳴装置に用いられているものと同様であり、本発明には直接関係ないため省略する。
結合器7は高周波トランスやホール素子などによる電流検出を行うものであり送信信号TXiの信号レベルを殆ど低下させることなく検出する。結合器7からは送信信号TXiの検出信号Sdが量子化部6に出力し、タイミング信号tmによって起動する量子化部6からは検出信号Sdを量子化したデータDqがコンソール1の補正演算部5に送出される。
補正演算部5からは送信器3の加算部3−4に対して補正値Crを出力し、設定表示部2に対して表示データCdを出力する。一方、設定表示部2からはパルス設定値Spと補正指示信号Stを補正演算部5に出力する。
また、量子化部6や結合器7はプローブ9、即ち磁石に極めて近い位置に置かれるため、強磁場の影響による精度低下や誤動作を防止するために磁気シールドすることが好適である。
核磁気共鳴計測装置の使用にあたっては、調整(補正)のために先ずテスト用パルスを送信して、プローブ9の入力端に隣接または近傍(以下、直近と称する)に設置された結合器7を通過した送信信号TXiのレベルにより補正量を求める。調整後の測定時には、パルスシーケンスに補正量を加えるように補正指示信号Stで指示し、パルスシーケンスに補正量を加えた値を送信器3から送信する。テスト用パルスには、測定用のパルスシーケンスそのものを用いれば、測定に用いられる様々なパルス幅のパルスに対しても有効な補正が可能である。
具体例として、図2に核磁気共鳴計測装置による測定フローの例を示す。なお、受信信号である自由誘導減衰信号の周波数スペクトルを観測するためのデータ採取を実測と呼び、テスト用パルスの送信からパルスシーケンスへの補正量の加算までを補正と呼び、実測と補正の一連の手順を測定と定義する。
図2において、まずサンプルをプローブにセットし(s101)、磁場調整を行う(s102)。磁場調整とは、サンプル周囲の磁場の均一化と安定化を図るための磁場微調整用コイルに流す電流を調整することである。プローブマッチング(s103)では、プローブ9と送受切替器8間のインピーダンス整合とプローブの共振周波数を調整する。パルスシーケンス設定(s104)は、設定表示部2からのパルスシーケンス入力操作であり、同様に設定表示部2から実測回数設定(s105)、補正周期設定(s106)を行う。実測回数は、実測のためのパルスシーケンス送信と自由誘導減衰信号の受信を繰返す回数である。補正周期は、測定中(実測と実測の間)にテスト用パルスを送信し補正を行う周期である。この補正周期は、長時間測定中におけるパワーアンプの入出力特性変動やケーブル敷設環境の変化による信号の変化に対応してパルスシーケンスの補正を行い、測定精度を向上させるために設定する。
テスト用パルス送信(s107)では、設定したパルスシーケンスそのものを送信し、補正演算部5が補正量Crを算出する(s108)。次に、加算部3−4が補正量Crを上記設定による設定パルスPgへ加算する(s109)。このs107〜s109のプロセスが補正である。
一方、実測のプロセスでは、s109で設定したパルスシーケンス(補正量加算済み)を送信し(s110)、プローブ9がサンプルから受信した自由誘導減衰信号を取り込んで受信データとして記憶する(s111)。
次に、実測回数がs106による補正周期の設定値に達したか否かを判定し、設定値に達した場合にはs107〜s109の補正プロセスを経てs110、s111の実測プロセスを実施する。設定値に達していない場合には実測回数判定を行う(s113)。実測回数判定では、実測回数が設定値に達したか否かを判定し、設定値に達していない場合にはs110からの実測プロセスを再実施し、設定値に達した場合には測定終了とする。
図3は、パルスシーケンスの設定から補正に至る過程を示す波形例である。ユーザーによるパルスシーケンスの設定は、様々なパルス幅のパルスを組み合わせたパルスシーケンスとなるが、ここでは説明のため単パルスで示している。複数のパルスが連続的に設定された場合においては、個々のパルスに対して単パルスと同様の補正を行えば良い。
図3において、(1)〜(7)は測定前のテスト用パルスに対する波形であり、(8)〜(9)は測定時(補正後)の波形を示している。
(1)はユーザーが設定表示部2から設定したパルス設定値Spであり、パルス幅(時間幅)をT0、振幅レベルをLSとしている。(2)は高周波パルス信号Phであり、設定値に従ってパルス幅T0、振幅レベルLSとなるように共鳴周波数の正弦波を出力する。
(3)は送信信号TXであり、(2)の信号Phの信号レベルLSに対して所定の増幅率Aを乗じたレベルLPとなっている。パワーアンプ4の入出力特性の影響を受けて立上りと立下りにおいて波形が変化している。(4)は結合器7と送受切替器8を通過したプローブ9の入力端における送信信号TXである。パワーアンプ4から結合器7までを接続するケーブルにより、信号レベルにΔL0の減衰が生じるため、送信信号TXの信号レベルLPよりも低いレベルL1となる。(5)は結合器7の検出信号Sdであり、結合器7を通過した送信信号TXiに比例して一定の減衰(減衰量B)が生じたレベルLPdとなる。送信信号TXiと検出信号Sdのレベルは比例関係にあり、レベルLPdとレベルLPも比例している。従って、減衰量ΔLdも(4)の減衰量ΔL0と比例関係にある。
(6)は量子化部6によって検出信号Sdをサンプリング周期Δtで量子化した量子化データDqであり、(5)の検出信号Sdの信号レベルL1dを情報として有する。
(7)は、補正演算部5により信号レベルLPdから(6)の量子化データDqをサンプリング周期ごとに差し引いた補正値データCrであり、信号レベルはΔLdとなる。補正値データCrの振幅は検出信号Sdに対応するもので、送信信号TXiに対する結合器7の検出比率(減衰量)Bの逆数1/Bで増幅し、かつパワーアンプの増幅率Aの逆数1/Aで減衰をかけてパルス設定値Spのレベルに換算する。なお、結合器の減衰量B、およびパワーアンプの増幅率Aは既知であり、これらは定数として補正演算部5に組み込んでおく。言うまでもなく、信号レベルが静定するまでの立上りの(パワーアンプの入出力特性による)波形の変化分の補正もなされる。
(8)は測定時に加算部3−4から高周波パルス生成部3−5に出力する補正パルス信号Paのパルス波形で、設定値の振幅LSに補正値データCrを加えた波形となる。高周波パルス生成部3−5では、(8)の補正パルス信号Paに基づいて共鳴周波数の振幅とタイミングを制御して高周波パルス信号Ph(図示せず)をパワーアンプに出力し、パワーアンプ4から送信信号TXを送信する。
パワーアンプ4では、(8)の設定パルスPgの振幅である高周波パルス信号Phを増幅するため、送信信号Txの立上り波形変化が補正されてフラットな波形となる。また、プローブ9の入力端近くに設置した結合器7を通過した送信信号TXiの振幅はケーブルにより減衰するが、設定パルスPgでケーブルの減衰分を加算しているため、(9)のように設定値LSにパワーアンプの増幅率Aをかけた振幅LPとなる。
また、(6)の量子化データDqと(7)の補正値データCrは、補正値演算部5から表示データCdとして設定表示部2に出力され、これらの情報、および両者の和である補正パルス信号Paを求めて設定表示部2の画面(図示せず)に表示することにより、ユーザーに補正の内容を提示する。
以上、述べたように本実施例によれば、パワーアンプの入出力特性による波形変化とケーブルの減衰を、プローブの入力端の近傍で検出して設定値との差分をもとに補正値を加算するため、ユーザーが所望するパルスに対して精度良くプローブから照射することが可能になる。
また、一般的に使われているパルスシーケンスをテスト用パルスとして設定表示部に予め関数として記憶しておき、ユーザーがボタンやタッチ画面等を押すことにより、上記一連のパルス送信から補正演算まで、シーケンシャルに実行させることも可能である。これにより、ユーザーは短時間に調整作業を行うことができる。
核磁気共鳴計測装置によるサンプルの測定においては、数日〜数週間程度連続でユーザーが設定したパルスシーケンスをサンプルに照射することも多い。このような長時間の測定中においては、パワーアンプの温度変化等による入出力特性の変動が考えられる。また、パワーアンプとプローブ(結合器と送受切替器経由)間を接続するケーブルのルート付近に磁性体が置かれたり、ケーブルを移動したり等の作業がなされた場合、ケーブルの減衰特性が変化することも考えられる。本発明によれば、図2のフローチャートに示すように、測定中のパルスシーケンスの間に、定期的にテスト用パルスを送信して再補正を行うことも可能である。これにより、長時間測定中のパワーアンプの入出力特性変動やケーブル敷設環境の変化による減衰特性の変化によるパルスの補正ができるため、測定精度を向上させることができる。
図4に本発明の別の実施形態を示す。図4は、図1に対して、送信器3の加算部3−4を高周波パルス生成部3−5の後段に設けた構成であり、その他の部分は図1と同様の構成となるので説明は省略する。
送信器3の出力制御部3−5−2は、共鳴周波数信号rfの出力タイミングと振幅を設定パルスPgに基づいて制御し、高周波パルス信号Phを加算部3−4に出力する。補正出力制御部3−6は、補正演算部5からの補正値データCrを取り込んで、設定パルスPgをトリガーとして補正を開始し、補正値データCrに基づいて混合器3−5−1より入力した共鳴周波数信号rfの出力タイミングと振幅を制御し、加算部3−4に補正高周波パルス信号Pbを出力する。加算部3−4では、高周波パルス信号Phと補正高周波パルス信号Pbを加算した補正済みの高周波パルス信号Ph1をパワーアンプ4に出力し、結合器7と送受切替器8を介してプローブに送信信号TXiを印加する。
以上述べたように、本実施例によれば高周波パルス生成部の後段で加算して高周波パルス信号の振幅を調整するため、高周波パルス生成部の出力ダイナミックレンジが低い素子を用いた構成においても補正が可能である。
また、量子化部6の出力する量子化データDqについては、通信インタフェース12と伝送路13、及び通信インタフェース14を介して補正演算部5に入力するようにし、この通信インタフェースにはイーサーネットなどの通信方式を用いた構成としている。このため、磁石10とコンソール9の設置位置が離れて伝送路が長くなっても、安定した情報伝達が可能である。このような通信手段を用いた構成は、図1の実施例においても適用可能であることは言うまでもない。
さらに、図1または図4において、結合器7、量子化部6、補正演算部5及び通信インタフェース12を一つに纏めた一体化構成とし、伝送路13と通信インタフェース14を介して送信器3にフィードバックさせる構成とすることもできる。この一体化構成部分を着脱自在な構成とすれば、既設の核磁気共鳴計測装置への適用が容易になる。
本発明の一実施例である核磁気共鳴計測装置の構成図。 本実施例による核磁気共鳴計測装置の補正と実測の測定フローチャート。 本実施例による補正前、補正後の各部の波形図。 本発明の別の実施例である核磁気共鳴計測装置の構成図。
符号の説明
1…コンソール、2…設定表示部、3…送信器、3−1…高周波発信部、3−2…中間周波発信部、3−3…パルス発生部、3−4…加算部、3−5…高周波パルス生成部、3−5−1…混合器、3−5−2…出力制御部、3−6…補正出力制御部、4…パワーアンプ、5…補正演算部、6…量子化部、7…結合器、9…プローブ、10…磁石、11…受信器、12,14…通信インタフェース。

Claims (7)

  1. パルス設定情報に基づいて制御された高周波信号を出力する送信手段と、ケーブルを介して入力された前記高周波信号をサンプルに照射するNMRプローブを備える核磁気共鳴計測装置において、
    前記NMRプローブに入力する高周波信号を量子化する量子化手段と、該量子化手段の出力値と前記パルス設定情報との差分を求める補正手段と、前記送信手段における高周波信号の制御量に前記補正手段の出力値を加算する加算手段を、設けたことを特徴とする核磁気共鳴計測装置。
  2. パルス設定情報に基づいて制御された高周波信号を出力する送信手段と、ケーブルを介して入力された前記高周波信号をサンプルに照射するNMRプローブを備える核磁気共鳴計測装置において、
    前記NMRプローブに入力する高周波信号を量子化する量子化手段と、該量子化手段の出力値と前記パルス設定情報との差分を求める補正手段と、前記送信手段の出力値と前記補正手段の補正値を加算して補正された高周波信号を出力する加算手段を、設けたことを特徴とする核磁気共鳴計測装置。
  3. 請求項1または2において、前記ケーブルと前記NMRプローブの接続部または前記NMRプローブに隣接もしくはその近傍に設けられた結合手段と、該結合手段の出力を前記量子化手段に入力するように構成したことを特徴とする核磁気共鳴計測装置。
  4. 請求項1または2において、前記補正手段を前記送信手段側に設けると共に、前記量子化手段の出力値を前記送信手段側に送出する伝送路を設けたことを特徴とする核磁気共鳴計測装置。
  5. 請求項1または2において、前記量子化手段は磁気シールドされて前記NMRプローブの接続部または前記NMRプローブに隣接もしくはその近傍に設置したことを特徴とする核磁気共鳴計測装置。
  6. 高周波信号の照射タイミングと振幅を規定するパルスを設定する操作端末と、該操作端末からのパルス設定値に基づいて高周波信号を送信する送信器と、前記高周波信号をNMRプローブからサンプルに照射する核磁気共鳴計測装置において、
    前記NMRプローブの入力端に印加される高周波信号を結合器または分配器を介して量子化するアナログ/ディジタル変換器と、該量子化されたデータと前記パルス設定値との差分から補正値を求める補正演算部と、前記補正値と前記送信器から出力される高周波信号とを加算する加算器を設けたことを特徴とする核磁気共鳴計測装置。
  7. 高周波信号の照射タイミングと振幅を規定するパルス設定値に基づいて高周波信号を送信する送信器と、前記高周波信号をNMRプローブからサンプルに照射する核磁気共鳴計測装置において、
    テスト用パルスやパルスシーケンスの設定を行う操作端末と、前記テスト用パルスに基づいて前記送信器から前記NMRプローブに入力する高周波信号を量子化する量子化手段と、該量子化手段の出力値と前記テスト用パルスの設定値との差分により補正値を求める補正手段と、前記テスト用パルスの設定値に前記補正値を加算する加算手段を備え、
    前記送信器は補正後に前記設定値に前記補正値を加算したパルスシーケンスに基いて高周波信号を送信し、前記NMRプローブから自由誘導減衰信号を受信するように構成したことを特徴とする核磁気共鳴計測装置。
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