JP5241419B2 - 瞬断監視システムおよび瞬断監視プログラム - Google Patents

瞬断監視システムおよび瞬断監視プログラム Download PDF

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Description

本発明は、光ケーブルに発生する瞬断を監視する技術に関し、特に、継続的に瞬断の発生を監視するとともに、リアルタイムでの通報を実現する瞬断監視システムおよび瞬断監視プログラムに関するものである。
近年、光ファイバー通信網は、通信・放送・交通・物流を始め、ダムの流量制御や上下水道、気象関係に至るまで、今や国民生活に欠くことのできないインフラストラクチャーとなっている。しかしながら、一旦、故障が発生してしまうと、その故障箇所や発生時刻などの特定が極めて難しく、アナログ通信時代よりもかえって復旧作業が面倒であって遅延する等の問題がある。
従来、光ケーブルに異常が無いか否かを監視する技術として、例えば、特開2000−193555号公報に記載の光ファイバ線路監視システムが知られている(特許文献1)。この光ファイバ線路監視システムは、通信網を介して光ファイバ測定手段に光ファイバ線路を測定させ、この測定によって得られた測定結果を取得して出力する移動局を具備している。
特開2000−193555号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明を含め、光パルス試験器(以下、「OTDR(Optical Time Domain Reflectometer)」という場合もある)を用いた監視システムでは、いわゆる「瞬断」を検出することができないという問題がある。ここで、「瞬断」とは、通信回線が一瞬(一般的には、1秒未満)だけ断絶される不安定な現象をいうものであり、光伝送路に限れば、凍結や振動等で機械的なひずみを受けた場合や光接続部のコネクタが弛んだ場合などの原因により発生する。また、現場作業員がコネクタを誤って引き抜いてしまい慌てて元に戻した場合等であっても、数100ミリ秒程度の瞬断が発生する。
このように瞬断は些細な原因も含めて様々な原因で生じるところ、その瞬断場所の特定ができれば、重大な断線につながるおそれのある原因を予め排除することができるであろう。また、逆に瞬断場所や原因が特定できないと、使用者からシステム自体の故障ではないかとのクレームが生じ、システムの信頼性に関わる重要な問題となる。
この点、OTDRを用いた監視システムでは、従来、OTDRから取得した波形データを監視することで異常箇所を特定するようになっている。しかし、OTDR自体が1回の測定に長い時間を要するため、短い時間間隔で測定結果を取得することは困難である。したがって、断線等のように、完全に故障してしまった場合の故障箇所は特定できるが、瞬断のように、一瞬だけ発生し直ちに回復してしまう不安定な故障は特定できないのである。
また、近年では、測定時間が比較的短いOTDRも開発されているが、測定結果を処理するコンピュータ側にも問題がある。すなわち、現在、一般的に汎用されているパーソナルコンピュータ等で採用されているOS(Operating System)は、処理をリアルタイムに実行するリアルタイムOSではない。このため、短い時間間隔で得られる膨大な監視結果を継続的に保存しながら瞬断の発生を監視し、その発生をリアルタイムに通報することは困難である。
一方、リアルタイムOSを搭載したコンピュータも存在するが、主として、機械制御用に設計された特殊なコンピュータである。このため、誰でも簡単に入手することができないし、処理速度を重視した設計になっているため、操作性が悪いという問題もある。
また、従来の監視システムでは、通常、所定の監視プログラムが管理するメモリ領域下において、監視結果の記録処理、管理者への通報処理、あるいは遠隔操作への応答処理等、監視作業に関する全ての処理が割り当てられている。このため、メモリ領域が通報処理や応答処理に忙殺されると、記録処理がおろそかになり、監視結果を取得し損ねてしまうおそれがある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、非リアルタイムOSを搭載したコンピュータであっても、OTDRから得られる膨大な測定結果を継続的に保存でき、かつ、リアルタイムで瞬断の発生を通報することができる瞬断監視システムおよび瞬断監視プログラムを提供することを目的としている。
本発明に係る瞬断監視システムおよび瞬断監視プログラムは、光ケーブルに接続された光パルス試験器を用いて前記光ケーブルに発生する瞬断を監視する瞬断監視システムであって、この瞬断監視システムとしてコンピュータを機能させる瞬断監視プログラムと、非リアルタイムオペレーティングシステムとを記憶するソフトウェア記憶部と、前記瞬断監視プログラムが管理するメモリ領域に測定条件設定テーブルおよび測定結果記録テーブルがマッピングされているとともに、前記非リアルタイムオペレーティングシステムが管理するメモリ領域に瞬断通報用テーブルがマッピングされているメモリ部と、前記光パルス試験器から瞬断が発生していない状態における基準波形データを取得する基準波形データ取得部と、前記光パルス試験器から所定の時間間隔で実測波形データを逐次取得する実測波形データ取得部と、前記基準波形データと前記実測波形データとの差分データに基づき、前記光ケーブルの損失レベルを算出する損失レベル算出部と、この損失レベル算出部が算出した前記損失レベルと、前記測定条件設定テーブルに保存された瞬断判定用閾値とを比較して瞬断の発生を判定する瞬断発生判定部と、この瞬断発生判定部が瞬断の有無を判定する度に、前記損失レベルに関する測定結果を前記測定結果記録テーブルに逐次記録する測定結果記録部と、瞬断が発生したと前記瞬断発生判定部が判定したとき、当該瞬断に関する瞬断情報を前記瞬断通報用テーブルに記録する瞬断情報記録部と、前記瞬断通報用テーブルに記録された前記瞬断情報に基づき、所定の監視端末へ瞬断の発生を通報する瞬断発生通報部とを有している。
また、本発明において、瞬断の監視を開始する前に、前記瞬断監視システムに搭載されている物理メモリの残量を取得する物理メモリ残量取得部と、この物理メモリ残量取得部が取得した物理メモリ残量が不足しているか否かを判定する物理メモリ残量判定部と、瞬断の監視を開始する前に、前記光パルス試験器から前記瞬断監視システムの性能を自己診断するための自己診断用波形データを取得する自己診断用波形データ取得部と、前記差分データのノイズ成分を除去するための複数種のノイズフィルタを用いて、前記自己診断用波形データのノイズ成分を除去するノイズ除去処理部と、前記ノイズフィルタのぞれぞれについて、前記自己診断用波形データ取得部が前記自己診断用波形データを取得するのに要した波形データ取得時間と、前記ノイズ除去処理部が前記自己診断用波形データのノイズ成分を除去するのに要したノイズ除去処理時間とを加算した測定時間を算出する測定時間算出部と、前記各測定時間のうち最短の測定時間が、前記ノイズフィルタを選択するためのノイズフィルタ選択用閾値を超えるか否かを判定する測定時間判定部と、前記物理メモリ残量が不足していると前記物理メモリ残量判定部が判定したとき、または前記最短の測定時間が前記ノイズフィルタ選択用閾値を超えていると前記測定時間判定部が判定したとき、前記測定条件設定テーブルに保存されている測定条件を変更する測定条件変更部とを有していてもよい。
さらに、本発明において、瞬断が発生したと前記瞬断発生判定部が判定したとき、監視を開始してからの瞬断回数を算出する瞬断回数算出部と、この瞬断回数算出部により算出された瞬断回数が2回以上であるか否かを判定する瞬断回数判定部と、前記瞬断回数が2回以上であると前記瞬断回数判定部が判定したとき、今回の瞬断発生地点が前回の瞬断発生地点と同一であるか否かを判定する瞬断発生地点判定部と、今回の瞬断発生地点と前回の瞬断発生地点とが同一であると前記瞬断発生地点判定部が判定したとき、当該瞬断が持続している瞬断持続時間を算出する瞬断持続時間算出部と、この瞬断持続時間算出部により算出された瞬断持続時間が前記ノイズフィルタ選択用閾値を超えているか否かを判定する瞬断持続時間判定部と、前記瞬断持続時間が前記ノイズフィルタ選択用閾値を超えていると前記瞬断持続時間判定部が判定したとき、より高次のノイズフィルタに変更するノイズフィルタ変更部とを有していてもよい。
本発明によれば、非リアルタイムOSを搭載したコンピュータであっても、OTDRから得られる膨大な測定結果を継続的に保存でき、かつ、リアルタイムで瞬断の発生を通報することができる。
以下、本発明に係る瞬断監視システムおよび瞬断監視プログラムの実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態の瞬断監視システム1を含む瞬断監視通報ネットワークシステムの全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の瞬断監視システム1は、監視対象となる光ケーブル21の端部に設けられた光パルス試験器(OTDR)2と接続されており、所定のネットワークを介して監視端末3と通信可能に構成されている。
光パルス試験器2は、光ファイバーの一端から光パルスを入射した後、光ファイバー中のレイリー散乱で戻ってくる後方散乱光を受光し、その光の位置と強度の時間的変化を波形データとして取得するものである。本実施形態において、光パルス試験器2は、瞬断監視システム1によって、その動作が制御されるように構成されている。また、本実施形態では、一回の測定に要する時間が約0.2秒程度の光パルス試験器2を使用するが、これに限られるものではない。
監視端末3は、瞬断監視システム1から通報を受けたり、瞬断監視システム1を遠隔操作するための端末である。本実施形態において、監視端末3は、パーソナルコンピュータや携帯電話等から構成されており、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して瞬断監視システム1と通信可能に接続されている。
また、本実施形態において、監視端末3は、瞬断の発生時に作業者へ警告を知らせるための警告手段4と、後述する測定条件や通報条件等を入力する入力手段5とを有している。警告手段4は、例えば、警告表示画面を表示するディスプレイ、警告音を発するスピーカ、あるいは警告時に点灯する警告ランプ等で構成される。また、入力手段5としては、マウスやキーボード等で構成される。
以上において、本実施形態の瞬断監視システム1は、光パルス試験器2から所定の時間間隔で波形データを逐次取得して記録するとともに、この波形データに基づいて瞬断の発生を検出し、その検出結果を監視端末3へ通報するようになっている。
以下、本実施形態の瞬断監視システム1について詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態の瞬断監視システム1は、主として、瞬断の発生時に警告を発する警告手段4と、後述する測定条件等を入力する入力手段5と、本実施形態の瞬断監視プログラム1aや各種のデータ等を記憶する記憶手段6と、これら各構成手段を制御するとともに各種のデータを取得して演算処理を実行する演算処理手段7とから構成されている。
以下、各構成手段についてより詳細に説明する。警告手段4は、瞬断の発生時に作業者へ警告を発するものである。本実施形態において、警告手段4は、監視端末3が有する警告手段4と同様、警告表示画面を表示するディスプレイ、警告音を発するスピーカ、あるいは警告時に点灯する警告ランプ等で構成される。また、入力手段5としては、マウスやキーボード等で構成される。
記憶手段6は、ハードディスク、フラッシュメモリ、およびRAM(Random Access Memory)等から構成されており、図1に示すように、主として、ソフトウェア記憶部61と、メモリ部62とを有している。
ソフトウェア記憶部61には、本実施形態の瞬断監視プログラム1aと、瞬断監視システム1の基本ソフトウェアとしての非リアルタイムオペレーティングシステム1b(以下、「非リアルタイムOS」という)とがインストールされている。そして、演算処理手段7が、瞬断監視プログラム1aを非リアルタイムOS1b上で実行することにより、コンピュータを本実施形態の瞬断監視システム1として機能させるようになっている。
なお、本実施形態において、非リアルタイムOS1bとは、Windows(登録商標)等のように、オフィスオートメーションを志向する全てのオペレーティングシステムを含む概念である。すなわち、処理をリアルタイムに実行することを重視し、そのための機能を実装したリアルタイムOSを除く全てのOSを含む。
一方、メモリ部62は、図2に示すように、主として、瞬断監視プログラム1aが管理するメモリ領域と、非リアルタイムOS1bが管理するメモリ領域とを有している。そして、各メモリ領域には、後述するメモリマッピング部701によって、以下に示す各種のテーブルやバッファ領域がマッピングされるようになっている。
以下、メモリ部62の各メモリ領域についてより詳細に説明する。瞬断監視プログラム1a管理下のメモリ領域には、測定条件設定テーブル601と、ステータステーブル602と、測定結果記録テーブル603とが割り当てられている。一方、非リアルタイムOS1bが管理するメモリ領域には、瞬断通報用テーブル604と、設定変更用バッファ605と、遠隔操作用フラグ領域606とが割り当てられている。
測定条件設定テーブル601は、本実施形態の瞬断監視システム1における測定条件を設定するためのものであり、図2に示すように、監視長と、測定レンジと、監視期間と、測定波長と、分解能と、瞬断判定用閾値と、ノイズフィルタ選択用閾値と、システム異常判定用閾値と、通報条件とを保存するようになっている。
監視長は、測定対象となる光ケーブル21の全長である。また、測定レンジは、測定対象となる光ケーブル21において実際に測定する範囲であり、OTDR2側の端部からの距離で示される。本実施形態において、測定レンジは、10km、20km、50kmの三種類から選択するようになっている。但し、これらの測定レンジに限定されるものではない。また、監視期間は、瞬断監視システム1によって監視する期間である。
測定波長は、OTDR2が測定時に使用する光パルスの波長であり、本実施形態では、1310nm、1550nm、1625nm、1650nmの四種類から選択しうるようになっている。但し、これらの波長に限定されるものではない。分解能は、OTDR2が波形データを取得する際の最小単位間隔であり、OTDR2に応じて設定される。本実施形態において、測定レンジが10kmの場合、分解能は50cmであり、測定レンジが20kmおよび50kmの場合、分解能は1mである。
瞬断判定用閾値は、瞬断が発生したか否かを判定するための基準となる閾値であり、本実施形態では、2dB〜10dBの範囲で設定される。そして、後述するように、光ケーブル21における光の損失レベルが瞬断判定用閾値を超えたか否かによって、瞬断が発生したか否かを判定するようになっている。
ノイズフィルタ選択用閾値は、複数種のノイズフィルタから最適なノイズフィルタを選択するための基準となる閾値であり、本実施形態では、0.2〜1.0秒の範囲で設定される。ここで、ノイズフィルタとは、OTDR2から取得した波形データから周期の短いノイズ成分を除去するためのデジタルフィルタである。
なお、本実施形態では、ノイズフィルタとして、以下に示す四種類のノイズフィルタが予め用意されており、(1)〜(4)の順に処理時間が短くなるように設定されている。
(1)全波形データと、高次のFIR(Finite Impulse Response)フィルタとの組み合わせ
(2)全波形データと、低次のFIRフィルタとの組み合わせ
(3)一部をサンプリングした波形データと、低次のFIRフィルタとの組み合わせ
(4)ノイズフィルタを使用しない
高次のノイズフィルタは、一般的に言えば「切れが良い」ので、ノイズを漏れなく遮断するが、処理時間が長くなる。一方、低次のノイズフィルタは、「切れが悪い」ので、ノイズを遮断しきれないおそれがあるが、処理時間が短い。したがって、作業者は、使用目的に応じて過去の瞬断事故を考慮し、最適なノイズフィルタ選択用閾値を設定すればよい。これにより、後述するように、ノイズフィルタ選択用閾値を超えない範囲内で、最適なノイズフィルタが選択されるようになっている。
システム異常判定用閾値は、瞬断監視システム1に異常が発生したか否かを判定するための基準となる閾値であり、特に限定されるものではないが、本実施形態では、0.2〜1.0秒の範囲で設定される。本実施形態において、システム異常判定用閾値は、ノイズフィルタ選択用閾値よりも大きい値に設定される。そして、後述するように、OTDR2による実測時間が、システム異常判定用閾値を超えたか否かでシステム異常の発生を判定するようになっている。
通報条件は、瞬断発生時やシステム異常発生時に、その旨を通報する際の各種の条件である。本実施形態において、通報条件としては、瞬断監視システム1や監視端末3のうちどの端末へ通報すべきかという通報先と、この通報先へ通報する際の通報方法とを設定しうるようになっている。
つぎに、ステータステーブル602について説明する。このステータステーブル602は、瞬断監視システム1に関する各種の状態、および検出した瞬断に関する状態を記録するためのものであり、図2に示すように、物理メモリ残量と、測定時間と、実測時間と、瞬断回数と、瞬断持続時間と、ノイズフィルタ変更フラグとを保存する。
物理メモリ残量および測定時間は、後述する自己診断処理に使用するものである。本実施形態において、物理メモリ残量は、瞬断監視システム1に搭載されている物理メモリの空きサイズである。また、測定時間は、OTDR2が自己診断用波形データを取得するのに要した波形データ取得時間に、各ノイズフィルタがノイズを除去するのに要したノイズ除去処理時間を加算したものである。本実施形態では、上記四種類の各ノイズフィルタについて測定時間が保存される。
実測時間は、上記システム異常判定用閾値と比較されるものであり、OTDR2が実際に測定した実測波形データを取得するのに要した波形データ取得時間に、選択されているノイズフィルタがノイズを除去するのに要したノイズ除去処理時間を加算したものである。
瞬断回数および瞬断持続時間は、後述するノイズフィルタ変更処理に使用するものである。瞬断回数は、監視を開始してから瞬断が発生した回数、すなわち損失レベルが瞬断判定用閾値を超えた回数を示すものである。本実施形態において、瞬断回数は、損失レベルが瞬断判定用閾値以下の状態から当該閾値を超えた場合に1度数増加するものであり、当該閾値を超えた状態が続いても回数は増加しない。また、瞬断持続時間は、発生した瞬断が持続した時間、すなわち損失レベルが瞬断判定用閾値を超え続けた時間を示すものである。
ノイズフィルタ変更フラグは、後述するノイズフィルタ変更処理によって、ノイズフィルタが変更されたか否かをON/OFFで設定するフラグである。本実施形態において、ノイズフィルタ変更フラグは、ノイズフィルタが変更されたときにONに設定される。一方、監視測定を開始するときにOFFに設定される。
つぎに、測定結果記録テーブル603について説明する。この測定結果記録テーブル603は、本実施形態の瞬断監視システム1による測定結果を記録するためのものである。本実施形態では、瞬断監視システム1が、OTDR2から波形データを取得して損失レベルを判定する度に、図2に示すように、測定時刻と、測定レンジ内の最大損失レベルと、瞬断発生地点とがログデータとして保存される。
測定時刻は、OTDR2が波形データを測定した時刻を示すものであり、本実施形態では、「年/月/日/時/分/秒」の形式で保存される。測定レンジ内の最大損失レベルは、測定条件設定テーブル601に設定された測定レンジ内における損失レベルの最大値である。また、瞬断発生地点は、瞬断が発生した地点、すなわち、OTDR2側の端部から損失レベルが瞬断判定用閾値を初めて超えた地点までの距離である。なお、本実施形態において、損失レベルが瞬断判定用閾値を超えなかった場合、瞬断発生地点には、光ケーブル21の遠端までの距離が格納される。
一方、非リアルタイムOS1b管理下のメモリ領域に作成される瞬断通報用テーブル604は、瞬断発生時に、その瞬断に関する瞬断情報を記録するためのものであり、図2に示すように、瞬断フラグと、測定レンジ内の最大損失レベルと、瞬断発生地点とが保存される。
瞬断フラグは、瞬断の有無をON/OFFで設定するものである。本実施形態において、瞬断フラグは、瞬断が発生したと判定されたとき、すなわち損失レベルが瞬断判定用閾値を超えたと判定されたときにONに設定される。一方、一旦ONとなった瞬断フラグは、監視端末3へ瞬断を通報する際にOFFに設定される。
また、測定レンジ内の最大損失レベルおよび瞬断発生地点は、上述したように、測定結果記録テーブル603に格納されるものと同じデータである。
つぎに、設定変更用バッファ605は、監視端末3からの測定条件を変更する旨の指示を一時的に保存する領域である。また、遠隔操作用フラグ領域606は、監視端末3からの瞬断監視システム1の起動命令あるいは停止命令の有無をON/OFFで設定する領域であり、遠隔起動フラグと遠隔停止フラグとを有している。これらのフラグは、監視端末3からの命令があったときにONに設定され、当該フラグに応じて起動または停止されたときにOFFに設定される。
演算処理手段7は、CPU(Central Processing Unit)等から構成されており、記憶手段6のソフトウェア記憶部61に格納された非リアルタイムOS1b上で瞬断監視プログラム1aを実行させることにより、図3に示すように、瞬断監視プロセスと、瞬断通報プロセスとを同時に実行するようになっている。
以下、各プロセスを実行するための各構成部についてより詳細に説明する。まず、瞬断監視プロセスは、図3に示すように、主として、メモリマッピング部701と、測定条件設定部702と、基準波形データ取得部703と、実測波形データ取得部704と、損失レベル算出部705と、実測時間算出部706と、システム異常判定部707と、瞬断発生判定部708と、測定結果記録部709と、瞬断情報記録部710とを有している。また、瞬断監視プロセスには、後述するように、オプション的な機能として、自己診断機能とノイズフィルタ変更機能とが備えられている。
メモリマッピング部701は、メモリ部62が有するメモリ領域に、各種のテーブルやバッファをマッピングするものである。本実施形態において、メモリマッピング部701は、瞬断監視プログラム1aが管理するメモリ領域に、上述した測定条件設定テーブル601、ステータステーブル602および測定結果記録テーブル603をそれぞれマッピングする。また、メモリマッピング部701は、非リアルタイムOS1bが管理するメモリ領域に、上述した瞬断通報用テーブル604、設定変更用バッファ605および遠隔操作用フラグ領域606をそれぞれマッピングするようになっている。
測定条件設定部702は、作業者が入力した測定条件を測定条件設定テーブル601に設定するものである。具体的には、測定条件設定部702は、瞬断監視システム1の入力手段5から入力された測定条件を取得し、測定条件設定テーブル601に設定する。一方、監視端末3の入力手段5から遠隔操作で指示された測定条件は、一旦、設定変更用バッファ605に保存されるため、この設定変更用バッファ605から測定条件を取得し、測定条件設定テーブル601に設定する。
基準波形データ取得部703は、OTDR2から瞬断が発生していない状態における基準波形データを取得するものである。この基準波形データは、瞬断が発生したか否かを判定するための基準となる波形データである。本実施形態において、基準波形データ取得部703は、測定条件設定テーブル601に設定されている測定条件を取得し、この測定条件でOTDR2に基準波形の測定を指示することで、基準波形データを取得するようになっている。
なお、本実施形態において、正常に使用されている光ケーブル21から取得した波形データであれば、基準波形データとして使用しうる。ただし、基準波形データとして取得した波形データが、まさに瞬断が発生したときの波形データである可能性もある。このため、基準波形データ取得部703は、基準波形データを複数回取得し、瞬断が発生していない状態の波形データであることを確認した方が望ましい。
実測波形データ取得部704は、OTDR2から所定の時間間隔で実測波形データを逐次取得するものである。この実測波形データは、実際の監視測定に使用するための波形データである。本実施形態において、実測波形データ取得部704は、測定条件設定テーブル601に設定されている測定条件を取得する。そして、この測定条件に基づいてOTDR2に監視測定を指示する監視測定コマンドを所定の時間間隔でOTDR2に出力するようになっている。なお、本実施形態において、実測波形データ取得部704は、瞬断監視システム1の内蔵時計に従い、約200ミリ秒おきに監視測定コマンドを出力するように設定されている。
損失レベル算出部705は、光ケーブル21における光の損失レベルを算出するものである。本実施形態において、損失レベル算出部705は、基準波形データ取得部703が取得した基準波形データと、実測波形データ取得部704が取得した実測波形データとの差分データを算出した後、ステータステーブルに設定されているノイズフィルタ変更フラグを参照する。
このノイズフィルタ変更フラグがOFFの場合、損失レベル算出部705は、測定条件設定テーブル601に設定されているノイズフィルタ選択用閾値と、ステータステーブル602に記憶されている各ノイズフィルタの測定時間とを参照する。そして、ノイズフィルタ選択用閾値以内で、最大の測定時間を有するノイズフィルタを使用し、差分データのノイズ成分を除去することで損失レベルを算出するようになっている。
一方、ノイズフィルタ変更フラグがONの場合は、後述するノイズフィルタ変更処理によって、より高次のノイズフィルタに変更されている。このため、損失レベル算出部705は、この変更されたノイズフィルタを使用して差分データのノイズ成分を除去するようになっている。
実測時間算出部706は、監視測定開始後にOTDR2や通信ポートに発生する不具合を検出するため、監視測定する度に実測時間を逐一算出するものである。本実施形態において、実測時間算出部706は、実測波形データ取得部704がOTDR2に監視測定コマンドを出力してから実測波形データを取得するまでの波形データ取得時間と、損失レベル算出部705が差分データを算出してノイズを除去するのに要したノイズ除去処理時間とを取得する。そして、波形データ取得時間とノイズ除去処理時間とを加算することで実測時間を算出し、ステータステーブル602へ保存するようになっている。
システム異常判定部707は、瞬断監視システム1に何らかの異常が発生したか否かを判定するものである。本実施形態において、システム異常判定部707は、測定条件設定テーブル601に設定されているシステム異常判定用閾値と、ステータステーブル602に格納されている実測時間とを比較する。そして、実測時間がシステム異常判定用閾値を超えた場合、瞬断監視システム1に何らかの異常が発生したものとみなし、異常信号を瞬断通報プロセスへ出力するようになっている。
瞬断発生判定部708は、瞬断が発生したか否かを判定するものである。本実施形態において、瞬断発生判定部708は、損失レベル算出部705が算出した損失レベルと、測定条件設定テーブル601に設定されている瞬断判定用閾値とを比較する。そして、損失レベルが瞬断判定用閾値を超えた場合、瞬断が発生したものと判定するようになっている。
測定結果記録部709は、損失レベルに関する各種の測定結果を測定結果記録テーブル603へ記録するものである。本実施形態において、測定結果記録部709は、瞬断発生判定部708が瞬断の有無を判定する度に、OTDR2での測定時刻と、測定レンジ内における最大損失レベルと、瞬断発生地点とを測定結果記録テーブル603へ逐次保存するようになっている。
なお、測定レンジ内における最大損失レベルとしては、損失レベル算出部705が算出した損失レベルのうち、測定レンジ内で最大の値が保存される。また、瞬断発生地点としては、瞬断発生判定部708により瞬断が発生していないと判定された場合には、光ケーブル21の遠端までの距離が格納される。
瞬断情報記録部710は、瞬断に関する各種の瞬断情報を記録するものである。本実施形態において、瞬断情報記録部710は、瞬断発生判定部708によって瞬断が発生したと判定されたとき、当該瞬断に関する瞬断情報を瞬断通報用テーブル604に記録する。具体的には、瞬断情報記録部710は、瞬断通報用テーブル604の瞬断フラグをONに設定する。また、測定レンジ内の最大損失レベルおよび瞬断発生地点を瞬断通報用テーブル604へ保存するようになっている。
つぎに、自己診断機能の各構成部について説明する。自己診断機能は、瞬断の監視を開始する前に、瞬断監視システム1の性能を自己診断するための機能であり、物理メモリ残量取得部711と、物理メモリ残量判定部712と、自己診断用波形データ取得部713と、ノイズ除去処理部714と、測定時間算出部715と、測定時間判定部716と、測定条件変更部717とを有している。
物理メモリ残量取得部711は、瞬断監視システム1に搭載されている物理メモリの残量を取得するものである。本実施形態において、物理メモリ残量取得部711は、OSメーカーから提供されているAPI(アプリケーションプログラムインターフェース)から構成されている。例えば、OSがWindows(登録商標)の場合、Windows APIというソフトウェアがプリインストールされており、これを使用して物理メモリの空きサイズを取得するようになっている。
物理メモリ残量判定部712は、瞬断監視システム1の物理メモリ残量が、瞬断監視システム1で必要とするメモリ量を満たしているか否かを判定するものである。本実施形態において、物理メモリ残量判定部712は、物理メモリ残量取得部711が取得した物理メモリ残量の半分までを瞬断監視システム1で使用できるメモリ量として判定するようになっている。これは、OS自体が使用するメモリ量が時々刻々と変化するため、物理メモリの空きサイズに余裕をとっておくためである。また、本実施形態において、瞬断監視システム1が必要とするメモリ量は、あらかじめ瞬断監視プログラム1aで指定されている。
自己診断用波形データ取得部713は、瞬断監視システム1の性能を自己診断するための自己診断用波形データをOTDR2から取得するものである。本実施形態において、自己診断用波形データ取得部713は、瞬断の監視を開始する前に、測定条件設定テーブル601に設定されている測定条件を取得する。そして、この測定条件でOTDR2へ自己診断用波形データを取得する指示を出力するようになっている。なお、自己診断用波形データ取得部713が取得した自己診断用波形データは、自己診断処理に使用した後、廃棄される。
ノイズ除去処理部714は、瞬断監視システム1に予め用意された各ノイズフィルタを用いて、自己診断用波形データのノイズ成分を除去するものである。本実施形態において、ノイズ除去処理部714は、上述した4種類のノイズフィルタのそれぞれを用いて、自己診断用波形データ取得部713が取得した自己診断用波形データのノイズ成分を除去するようになっている。
測定時間算出部715は、各ノイズフィルタのそれぞれについて、測定時間を算出するものである。具体的には、測定時間算出部715は、自己診断用波形データ取得部713が自己診断用波形データを取得するのに要した波形データ取得時間と、各ノイズフィルタを使用した場合のそれぞれについて、ノイズ除去処理部714が自己診断用波形データのノイズ成分を除去するのに要したノイズ除去処理時間とを取得する。そして、波形データ取得時間と、各ノイズ除去処理時間とを加算することで、各ノイズフィルタについての測定時間を算出し、ステータステーブル602へ格納するようになっている。
測定時間判定部716は、各測定時間に基づき、瞬断監視システム1で要求される処理速度を満たしているか否かを判定するものである。本実施形態において、測定時間判定部716は、測定時間算出部715が算出した各測定時間をステータステーブル602から取得する。そして、各測定時間のうち最短の測定時間が、ノイズフィルタ選択用閾値を超えるか否かを判定するようになっている。最も短時間で処理可能な最低次フィルタを使用しても、その測定時間がノイズフィルタ選択用閾値を超えてしまう場合には、瞬断を監視するという目的を達成し得ないからである。
測定条件変更部717は、自己診断結果に応じて測定条件を変更するものである。本実施形態において、測定条件変更部717は、物理メモリ残量が不足していると物理メモリ残量判定部712が判定したとき、その物理メモリ残量で監視可能な監視期間を算出する。そして、測定条件設定テーブル601に設定されている監視期間を当該監視期間に変更することで、物理メモリ残量を増やすようになっている。
また、測定条件変更部717は、最短の測定時間がノイズフィルタ選択用閾値を超えていると測定時間判定部716が判定したとき、測定条件設定テーブル601に保存されているノイズフィルタ選択用閾値を大きい値に変更する。ただし、ノイズフィルタ選択用閾値は、上述したように、瞬断を監視するという観点から0.2〜1.0秒の範囲に制限されている。よって、最短の測定時間が1.0秒を超えている場合には、そのコンピュータは使用できないということになる。
なお、本実施形態において、測定条件変更部717は、監視期間やノイズフィルタ選択用閾値を変更しているが、これに限られるものではなく、他の測定条件を変更してもよい。また、本実施形態において、測定条件変更部717は、自動的に測定条件を変更しているが、この構成に限られるものではなく、作業者が手動で変更するようにしてもよい。
具体的には、物理メモリ残量が不足している場合、「物理メモリ残量が不足しています」等のメッセージを表示するとともに、監視可能な測定条件をメニュー表示し、作業者へ監視期間の短縮等を検討させるようにしてもよい。また、前記最短の測定時間がノイズフィルタ選択用閾値を超えている場合、「測定時間がかかり過ぎています」等のメッセージを表示するとともに、測定条件の変更画面をメニュー表示し、作業者へノイズフィルタ選択用閾値の変更を検討させるようにしてもよい。
つぎに、ノイズフィルタ変更機能の各構成部について説明する。ノイズフィルタ変更機能は、瞬断が発生した際に、より詳細な瞬断発生地点を特定するためにノイズフィルタを変更する機能であり、瞬断回数算出部718と、瞬断回数判定部719と、瞬断発生地点判定部720と、瞬断持続時間算出部721と、瞬断持続時間判定部722と、ノイズフィルタ変更部723とを有している。
瞬断回数算出部718は、瞬断が発生した際に、それまでに発生した瞬断の瞬断回数を算出するものである。本実施形態において、瞬断回数算出部718は、瞬断が発生したと瞬断発生判定部708が判定したとき、ステータステーブル602に記録されている瞬断回数を取得する。そして、この瞬断回数に1度数を加算することで、監視を開始してからの瞬断回数を算出するようになっている。
瞬断回数判定部719は、監視を開始してからの瞬断回数を判定するものである。本実施形態において、瞬断回数判定部719は、ステータステーブル602から瞬断回数算出部718により算出された瞬断回数を取得する。そして、この瞬断回数が2回以上であるか否かを判定するようになっている。
瞬断発生地点判定部720は、瞬断が発生した地点の同一性を判定するものである。本実施形態において、瞬断発生地点判定部720は、瞬断回数が2回以上であると瞬断回数判定部719が判定したとき、測定結果記録テーブル603から今回の瞬断発生地点と前回の瞬断発生地点とを取得する。そして、これらの地点が同一であるか否かを判定するようになっている。なお、同一性の判定に際しては、完全同一に限らず、例えば±1m程度の許容範囲を設けるようにしてもよい。
瞬断持続時間算出部721は、瞬断が持続している時間を算出するものである。本実施形態において、瞬断持続時間算出部721は、今回の瞬断発生地点と前回の瞬断発生地点とが同一であると瞬断発生地点判定部720が判定したとき、ステータステーブル602に記録されている瞬断持続時間を取得する。また、測定結果記録テーブル603から、今回の測定時刻と前回の測定時刻とを取得し、その差分時間を算出する。そして、取得した瞬断持続時間に差分時間を加算することで、瞬断持続時間を更新するようになっている。
瞬断持続時間判定部722は、瞬断持続時間の長さを判定するものである。本実施形態において、瞬断持続時間判定部722は、ステータステーブル602から瞬断持続時間算出部721により算出された瞬断持続時間を取得する。そして、この瞬断持続時間が、測定条件設定テーブル601に設定されているノイズフィルタ選択用閾値を超えているか否かを判定するようになっている。
ノイズフィルタ変更部723は、より詳細な瞬断発生地点を取得するためにノイズフィルタを変更するものである。本実施形態において、ノイズフィルタ変更部723は、瞬断持続時間がノイズフィルタ選択用閾値を超えていると瞬断持続時間判定部722が判定したとき、測定条件設定テーブル601からシステム異常判定用閾値を取得するとともに、ステータステーブル602から各ノイズフィルタの測定時間を取得する。そして、システム異常判定用閾値よりも測定時間が小さいノイズフィルタのうち、現在使用しているノイズフィルタよりも高次のノイズフィルタに変更するようになっている。なお、すでに最高次のノイズフィルタを使用している場合、ノイズフィルタは変更されない。
一方、瞬断通報プロセスは、上述した瞬断監視プロセスと同時に自動的に実行されるものであり、図3に示すように、主として、通報条件設定部724と、異常信号検出部725と、システム異常通報部726と、瞬断フラグ検出部727と、瞬断発生通報部728とを有している。
通報条件設定部724は、瞬断発生時やシステム異常発生時における通報条件を設定するものである。具体的には、通報条件設定部724は、瞬断監視システム1または監視端末3の入力手段5から入力された通報条件を取得し、この通報条件を測定条件設定テーブル601に設定するようになっている。本実施形態において、通報条件としては、通報先と、この通報先へ通報する際の通報方法とを設定しうるようになっている。
なお、通報先としては、瞬断監視システム1または監視端末3のいずれか一方のみを指定してもよく、両方を指定してもよい。また、通報方法としては、瞬断監視システム1または監視端末3に備えられている警告手段4に応じて、ディスプレイに警告表示画面を表示する方法、スピーカから警告音を発する方法、警告ランプを点灯させる方法等の通報方法を指定しうる。
異常信号検出部725は、瞬断監視プロセスのシステム異常判定部707から出力された異常信号を検出するものである。本実施形態において、異常信号検出部725は、システム異常判定部707が異常信号を出力したかどうかを常時チェックする。そして、異常信号を検出した場合、システム異常通報部726へ知らせるようになっている。
システム異常通報部726は、瞬断監視システム1に異常が発生した旨を通報するものである。本実施形態において、システム異常通報部726は、異常信号検出部725が異常信号を検出した場合、測定条件設定テーブル601に設定されている通報条件に従い、瞬断監視システム1に何らかの異常が発生した旨を瞬断監視システム1または監視端末3へ通報するようになっている。
瞬断フラグ検出部727は、瞬断通報用テーブル604に設定されている瞬断フラグを検出するものである。本実施形態において、瞬断フラグ検出部727は、数10ミリ秒に1度の頻度で瞬断通報用テーブル604にアクセスし、瞬断フラグがONに設定されているか否かを判定する。そして、瞬断フラグがONになっていた場合、瞬断発生通報部728へ通知した後、瞬断フラグをOFFに設定する。
瞬断発生通報部728は、瞬断が発生した旨を通報するものである。本実施形態において、瞬断発生通報部728は、瞬断フラグ検出部727が瞬断フラグのON状態を検出すると、測定条件設定テーブル601に設定されている通報条件に従い、瞬断が発生した旨を瞬断監視システム1または監視端末3へ通報するようになっている。
つぎに、本実施形態の瞬断監視プログラム1aによって実行される瞬断監視システム1の作用につき、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の瞬断監視システム1を用いて、光ケーブル21に発生する瞬断を監視する場合、作業者は、本実施形態の瞬断監視プログラム1aを起動させる。これにより、瞬断監視システム1では、図4に示すように、瞬断監視プロセスと、瞬断通報プロセスとが同時進行的に実行される。
図4に示すように、瞬断監視プロセスでは、まず、メモリマッピング部701が、瞬断監視プログラム1aが管理するメモリ領域に、測定条件設定テーブル601、ステータステーブル602および測定結果記録テーブル603をマッピングする。また、メモリマッピング部701は、非リアルタイムOS1bが管理するメモリ領域に、瞬断通報用テーブル604、設定変更用バッファ605および遠隔操作用フラグ領域606をマッピングする(ステップS1)。
これにより、OTDR2から得られる膨大な測定結果を継続的に保存する作業は、瞬断監視プログラム1a管理下のメモリ領域が担当する一方、瞬断通報プロセスとのインターフェースとなって瞬断の発生を通報等する作業は、非リアルタイムOS1b管理下のメモリ領域が担当することとなる。このため、非リアルタイムOS1bを搭載したコンピュータであっても、測定結果を逐次記録する作業と平行して、リアルタイムでの通報作業が実現される。
メモリ領域のマッピングが完了すると、測定条件設定部702が、瞬断監視システム1または監視端末3から入力された各種の測定条件を取得し、測定条件設定テーブル601に設定する(ステップS2)。このとき、監視端末3から遠隔操作で指示された測定条件は、一旦、設定変更用バッファ605に保存されるため、瞬断監視プログラム1a管理下のメモリ領域を使用してしまうことがない。
また、作業者は、ノイズフィルタ選択用閾値を設定するに際し、着目する瞬断の性質や過去の瞬断事故を考慮して適切な値に設定することが望ましい。具体的には、完全に断線するような瞬断に着目する場合、損失レベルが大きいため低次のノイズフィルタを使用しうる。したがって、このような場合には、ノイズフィルタ選択用閾値を小さな値に設定し、瞬断発生地点の特定よりも処理時間を優先すればよい。
一方、数デシベル程度の損失レベルの瞬断に着目する場合、損失レベルが小さいため高次のノイズフィルタを使用する必要がある。したがって、このような場合には、ノイズフィルタ選択用閾値を大きな値に設定し、処理時間よりも瞬断発生地点の詳細な特定を優先すればよい。
また、光ケーブル回線は、途中の接続点の数、接続の種類(融着接続か、コネクタ接続か)、さらには使用波長等の違いにより、正常な光ケーブル21であっても測定レンジ内の損失レベルがかなり異なる場合が多い。このため、強力なノイズフィルタを使用しなければ波形データを比較ができない場合もあり、この場合はノイズフィルタ選択用閾値やシステム異常判定用閾値を長めに設定する必要がある。一方、接続点の数が1,2箇所で、しかも融着接続の光ケーブル21の場合、強力なフィルタは必要ないため、ノイズフィルタ選択用閾値やシステム異常判定用閾値を短かめに設定してもよい。
測定条件の設定が完了すると、本実施形態では、監視測定を開始する前に、自己診断処理が実行される(ステップS3)。以下、本実施形態の自己診断処理について、図5を参照しつつ説明する。
まず、物理メモリ残量取得部711が、瞬断監視システム1に搭載されている物理メモリの残量を取得すると(ステップS31)、この物理メモリ残量がステータステーブル602に記録される(ステップS32)。
つづいて、このステップS32でステータステーブル602に記録された物理メモリ残量が、瞬断監視システム1で必要とするメモリ量を満たしているか否かを物理メモリ残量判定部712が判定する(ステップS33)。この判定の結果、物理メモリ残量が足りていると判定されたとき(ステップS33:NO)、処理はステップS35へと進む。
一方、物理メモリ残量が不足していると判定されたとき(ステップS33:YES)、測定条件変更部717が、測定条件設定テーブル601に設定されている測定条件を変更する(ステップS34)。本実施形態において、測定条件変更部717は、監視期間を短縮する。これにより、瞬断監視プログラム1aを実行するのに必要な物理メモリが確保される。
つぎに、自己診断用波形データ取得部713が、測定条件設定テーブル601に設定されている測定条件に基づき、OTDR2から自己診断用波形データを取得すると(ステップS35)、ノイズ除去処理部714が、4種類のノイズフィルタのそれぞれを用いて、自己診断用波形データのノイズ成分を除去する(ステップS36)。
そして、測定時間算出部715が、ステップS35で自己診断用波形データを取得するのに要した波形データ取得時間と、ステップS36で各ノイズフィルタがノイズ成分を除去するのに要したノイズ除去処理時間とを加算し、各ノイズフィルタについての測定時間を算出すると(ステップS37)、これら各測定時間がステータステーブル602に格納される(ステップS38)。
つづいて、ステップS38でステータステーブル602に格納された各測定時間のうち最短の測定時間が、測定条件設定テーブル601に設定されているノイズフィルタ選択用閾値を超えるか否かを測定時間判定部716が判定する(ステップS39)。この判定の結果、当該最短の測定時間がノイズフィルタ選択用閾値を超えていなければ(ステップS39:NO)、自己診断処理は終了する。
一方、当該最短の測定時間がノイズフィルタ選択用閾値を超えている場合(ステップS39:YES)、測定条件変更部717が、測定条件設定テーブル601に設定されている測定条件を変更する(ステップS40)。本実施形態において、測定条件変更部717は、ノイズフィルタ選択用閾値を大きい値に変更する。これにより、処理速度がやや遅いコンピュータであっても、瞬断の監視測定を担保する範囲内であれば、瞬断監視システム1として使用しうる。
以上の自己診断処理が終了すると、図4のフローチャート図へ戻り、基準波形データ取得部703が、測定条件設定テーブル601に設定されている測定条件に基づき、OTDR2から基準波形データを取得する(ステップS4)。これにより、瞬断が発生したか否かを判定するための基準となる波形データが得られる。
基準波形データを取得した後、瞬断監視プロセスは、以降のステップS5からステップS14までの繰り返しループ処理を起動する。まず、実測波形データ取得部704が、測定条件設定テーブル601に設定されている測定条件に基づき、極めて短い時間間隔でOTDR2から実測波形データを逐次取得する(ステップS5)。
つづいて、損失レベル算出部705が、ステップS4で取得された基準波形データと、ステップS5で取得された実測波形データとに基づき、光ケーブル21の損失レベルを算出する(ステップS6)。具体的には、図6に示すように、まず、損失レベル算出部705が、基準波形データと実測波形データとの差分データを算出する(ステップS61)。
つづいて、損失レベル算出部705は、ステータステーブル602のノイズフィルタ変更フラグを参照する(ステップS62)。そして、ノイズフィルタ変更フラグがONに設定されている場合(ステップS62:YES)、処理はステップS64へ進む。一方、ノイズフィルタ変更フラグがOFFに設定されている場合(ステップS62:NO)、損失レベル算出部705は、測定条件設定テーブル601に設定されているノイズフィルタ選択用閾値と、ステータステーブル602に記憶されている各ノイズフィルタの測定時間とに基づき、最適なノイズフィルタを選択する(ステップS63)。
なお、本実施形態において、損失レベル算出部705は、ノイズフィルタ選択用閾値以内で、最大の測定時間を有するノイズフィルタを使用する。これにより、監視する瞬断の性質に応じて設定された測定条件において、瞬断発生地点を最も詳細に特定しうるノイズフィルタが選択される。
そして、損失レベル算出部705は、ステップS63で選択したノイズフィルタまたはノイズフィルタ変更処理で変更されたノイズフィルタを使用して、ステップS61で算出した差分データのノイズ成分を除去する(ステップS64)。これにより、差分データのノイズ成分が除去されるため、瞬断を誤検出してしまうことのない損失レベルが取得される。また、変更後のノイズフィルタを使用した場合、より詳細な瞬断発生地点が特定される。
損失レベルが算出されると、図4のフローチャート図へ戻り、実測時間算出部706が、当該損失レベルの測定に要した実測時間を算出する(ステップS7)。本実施形態において、実測時間算出部706は、ステップS5で実測波形データを取得するのに要した波形データ取得時間と、ステップS6で損失レベルを算出するのに要したノイズ除去処理時間とを取得する。そして、これら波形データ取得時間とノイズ除去処理時間とを加算した実測時間を算出しステータステーブル602へ保存する。
実測時間が算出されると、システム異常判定部707が、この実測時間とシステム異常判定用閾値とを比較し、瞬断監視システム1に何らかの異常が発生したか否かを判定する(ステップS8)。この判定の結果、実測時間がシステム異常判定用閾値以下である場合(ステップS8:NO)、瞬断監視システム1は正常に稼働しているものとみなして処理はステップS10へと進む。
一方、実測時間がシステム異常判定用閾値を超えていた場合(ステップS8:YES)、瞬断監視システム1に何らかの異常が発生したものとみなし、異常信号を瞬断通報プロセスへ出力する(ステップS9)。これにより、監視測定中にOTDR2や通信ポートに何らかの障害が発生しても直ちに検出される。
瞬断監視システム1に異常がなければ、瞬断発生判定部708が、ステップS6で算出された損失レベルを瞬断判定用閾値とを比較する(ステップS10)。この比較の結果、損失レベルが瞬断判定用閾値以下であった場合(ステップS10:NO)、処理はステップS13へと進む。
一方、損失レベルが瞬断判定用閾値を超えていた場合(ステップS10:YES)、瞬断が発生したものとみなし、瞬断情報記録部710が、当該瞬断に関する瞬断情報を瞬断通報用テーブル604に記録する(ステップS11)。本実施形態において、瞬断情報記録部710は、瞬断通報用テーブル604の瞬断フラグをONに設定するとともに、測定レンジ内の最大損失レベルおよび瞬断発生地点を瞬断通報用テーブル604へ保存する。
つづいて、本実施形態では、瞬断発生地点をより詳細に特定するため、ノイズフィルタ変更処理が実行される(ステップS12)。以下、本実施形態のノイズフィルタ変更処理について、図7を参照しつつ説明する。
まず、瞬断回数算出部718が、監視測定を開始してから今回発生した瞬断までを総計した瞬断回数を算出すると(ステップS71)、瞬断回数判定部719が、その瞬断回数が2回以上であるか否かを判定する(ステップS72)。この判定の結果、瞬断回数が1回以下であれば(ステップS72:NO)、本ノイズフィルタ変更処理は終了する。
一方、瞬断回数が2回以上であると判定されたとき(ステップS72:YES)、瞬断発生地点判定部720が、今回の瞬断発生地点と前回の瞬断発生地点とが同一であるか否かを判定する(ステップS73)。この判定の結果、瞬断発生地点が異なれば(ステップS73:NO)、本ノイズフィルタ変更処理は終了する。
一方、瞬断発生地点が同一であると判定されたとき(ステップS73:YES)、瞬断持続時間算出部721が、今回発生した瞬断の瞬断持続時間を算出する(ステップS74)。そして、この瞬断持続時間がノイズフィルタ選択用閾値を超えているか否かを瞬断持続時間判定部722が判定する(ステップS75)。この判定の結果、瞬断持続時間がノイズフィルタ選択用閾値以下であれば(ステップS75:NO)、本ノイズフィルタ変更処理は終了する。
一方、瞬断持続時間がノイズフィルタ選択用閾値を超えている場合(ステップS75:YES)、ノイズフィルタ変更部723が、システム異常判定用閾値よりも測定時間が小さいノイズフィルタのうち、今回使用したノイズフィルタよりも高次のノイズフィルタに変更する(ステップS76)。これにより、同じ地点で損失レベルが発生した場合、同じ原因で瞬断が発生しているものと推定できるため、その瞬断発生地点をより詳細に特定しうるノイズフィルタが自動的に選択される。
以上のノイズフィルタ変更処理が終了すると、図4のフローチャート図へ戻り、測定結果記録部709が、各種の測定結果を測定結果記録テーブル603へ記録する(ステップS13)。これにより、監視測定する度に得られる膨大な測定結果が、確実かつ継続的に記録される。
そして、ステップS14では、瞬断監視システム1や監視端末3から停止命令が入力されたか否か、あるいは測定条件設定テーブル601に設定された監視期間が終了したか否かを判定する(ステップS14)。そして、引き続き監視測定を続行する場合(ステップS14:NO)、処理はステップS5へと戻り、上述したステップを繰り返す。一方、監視期間が終了した場合(ステップS14:YES)、瞬断監視プロセスが終了する。
つぎに、瞬断通報プロセスで実行される処理について説明する。図4に示すように、瞬断通報プロセスでは、まず、通報条件設定部724が、瞬断発生時やシステム異常発生時における通報条件を測定条件設定テーブル601に設定しておく(ステップS21)。
また、瞬断通報プロセスでは、異常信号検出部725が、瞬断監視プロセスから異常信号が出力されたかどうかを常時チェックする(ステップS22)。このチェックの結果、異常信号が検出された場合(ステップS22:YES)、システム異常通報部726が、瞬断監視システム1に何らかの異常が発生した旨を瞬断監視システム1や監視端末3へ通報し(ステップS23)、本瞬断通報プロセスを終了する。これにより、監視測定中であっても、OTDR2や通信ポートに不具合が発生した旨がリアルタイムに通報される。
一方、異常信号が検出されなければ(ステップS22:NO)、処理はステップS24へ進み、瞬断フラグ検出部727が、瞬断通報用テーブル604に設定されている瞬断フラグの状態を判定する(ステップS24)。この判定の結果、瞬断フラグがOFFであれば(ステップS24:NO)、処理はステップS27へと進む。
一方、瞬断フラグがONになっている場合(ステップS24:YES)、瞬断フラグをOFFに設定した後(ステップS25)、瞬断発生通報部728が、瞬断が発生した旨を瞬断監視システム1や監視端末3へ通報する(ステップS26)。これにより、瞬断通報プロセスでは、瞬断監視プロセスにおける測定結果の継続的な記録処理と同時進行的に、リアルタイムでの通報処理が確実に実行される。
ステップS27では、瞬断監視システム1や監視端末3の作業者から監視測定を終了する旨の指示があったかどうかを判定する。そして、終了指示がない限り(ステップS27:NO)、ステップS24へと戻り、以降の処理を繰り返す。一方、終了指示があれば(ステップS27:YES)、本瞬断通報プロセスを終了する。
以上のような本実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
1.非リアルタイムOS1bを搭載したコンピュータであっても、OTDR2から得られる膨大な測定結果を継続的に保存でき、かつ、リアルタイムで瞬断の発生を通報することができる。
2.瞬断監視システム1としての性能を自己診断し、適切な測定条件に変更することができる。
3.損失レベルのノイズ成分を除去するため、誤って瞬断の発生を検出してしまうのを防止することができる。
4.瞬断が発生した際に、瞬断発生地点をより詳細に特定しうるノイズフィルタへ自動的に変更することができる。
なお、本発明に係る瞬断監視システム1および瞬断監視プログラム1aは、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、上述した本実施形態では、瞬断監視システム1とOTDR2とが別体に構成されている例について説明したが、これに限られるものではなく、両者の機能を兼ね備えた一体的なシステムとして構成してもよい。
本発明に係る瞬断監視システムを含む全体構成の一実施形態を示すブロック図である。 本実施形態において、記憶手段のメモリ部にマッピングされているメモリ領域を示すブロック図である。 本実施形態において、演算処理手段の各構成部を示すブロック図である。 本実施形態の瞬断監視プログラムによって実行される瞬断監視プロセスおよび瞬断通報プロセスを示すフローチャート図である。 本実施形態において、自己診断処理を示すフローチャート図である。 本実施形態において、損失レベル算出処理を示すフローチャート図である。 本実施形態において、ノイズフィルタ変更処理を示すフローチャート図である。
符号の説明
1 瞬断監視システム
1a 瞬断監視プログラム
1b 非リアルタイムOS
2 光パルス試験器(OTDR)
3 監視端末
4 警告手段
5 入力手段
6 記憶手段
7 演算処理手段
21 光ケーブル
61 ソフトウェア記憶部
62 メモリ部
601 測定条件設定テーブル
602 ステータステーブル
603 測定結果記録テーブル
604 瞬断通報用テーブル
605 設定変更用バッファ
606 遠隔操作用フラグ領域
701 メモリマッピング部
702 測定条件設定部
703 基準波形データ取得部
704 実測波形データ取得部
705 損失レベル算出部
706 実測時間算出部
707 システム異常判定部
708 瞬断発生判定部
709 測定結果記録部
710 瞬断情報記録部
711 物理メモリ残量取得部
712 物理メモリ残量判定部
713 自己診断用波形データ取得部
714 ノイズ除去処理部
715 測定時間算出部
716 測定時間判定部
717 測定条件変更部
718 瞬断回数算出部
719 瞬断回数判定部
720 瞬断発生地点判定部
721 瞬断持続時間算出部
722 瞬断持続時間判定部
723 ノイズフィルタ変更部
724 通報条件設定部
725 異常信号検出部
726 システム異常通報部
727 瞬断フラグ検出部
728 瞬断発生通報部

Claims (4)

  1. 光ケーブルに接続された光パルス試験器を用いて前記光ケーブルに発生する瞬断を監視する瞬断監視システムであって、
    この瞬断監視システムとしてコンピュータを機能させる瞬断監視プログラムと、非リアルタイムオペレーティングシステムとを記憶するソフトウェア記憶部と、
    前記瞬断監視プログラムが管理するメモリ領域に測定条件設定テーブルおよび測定結果記録テーブルがマッピングされているとともに、前記非リアルタイムオペレーティングシステムが管理するメモリ領域に瞬断通報用テーブルがマッピングされているメモリ部と、
    前記光パルス試験器から瞬断が発生していない状態における基準波形データを取得する基準波形データ取得部と、
    前記光パルス試験器から所定の時間間隔で実測波形データを逐次取得する実測波形データ取得部と、
    前記基準波形データと前記実測波形データとの差分データに基づき、前記光ケーブルの損失レベルを算出する損失レベル算出部と、
    この損失レベル算出部が算出した前記損失レベルと、前記測定条件設定テーブルに保存された瞬断判定用閾値とを比較して瞬断の発生を判定する瞬断発生判定部と、
    この瞬断発生判定部が瞬断の有無を判定する度に、前記損失レベルに関する測定結果を前記測定結果記録テーブルに逐次記録する測定結果記録部と、
    瞬断が発生したと前記瞬断発生判定部が判定したとき、当該瞬断に関する瞬断情報を前記瞬断通報用テーブルに記録する瞬断情報記録部と、
    前記瞬断通報用テーブルに記録された前記瞬断情報に基づき、所定の監視端末へ瞬断の発生を通報する瞬断発生通報部と
    瞬断の監視を開始する前に、前記瞬断監視システムに搭載されている物理メモリの残量を取得する物理メモリ残量取得部と、
    この物理メモリ残量取得部が取得した物理メモリ残量が不足しているか否かを判定する物理メモリ残量判定部と、
    瞬断の監視を開始する前に、前記光パルス試験器から前記瞬断監視システムの性能を自己診断するための自己診断用波形データを取得する自己診断用波形データ取得部と、
    前記差分データのノイズ成分を除去するための複数種のノイズフィルタを用いて、前記自己診断用波形データのノイズ成分を除去するノイズ除去処理部と、
    前記ノイズフィルタのぞれぞれについて、前記自己診断用波形データ取得部が前記自己診断用波形データを取得するのに要した波形データ取得時間と、前記ノイズ除去処理部が前記自己診断用波形データのノイズ成分を除去するのに要したノイズ除去処理時間とを加算した測定時間を算出する測定時間算出部と、
    前記各測定時間のうち最短の測定時間が、前記ノイズフィルタを選択するためのノイズフィルタ選択用閾値を超えるか否かを判定する測定時間判定部と、
    前記物理メモリ残量が不足していると前記物理メモリ残量判定部が判定したとき、または前記最短の測定時間が前記ノイズフィルタ選択用閾値を超えていると前記測定時間判定部が判定したとき、前記測定条件設定テーブルに保存されている測定条件を変更する測定条件変更部と
    を有する瞬断監視システム。
  2. 請求項において、
    瞬断が発生したと前記瞬断発生判定部が判定したとき、監視を開始してからの瞬断回数を算出する瞬断回数算出部と、
    この瞬断回数算出部により算出された瞬断回数が2回以上であるか否かを判定する瞬断回数判定部と、
    前記瞬断回数が2回以上であると前記瞬断回数判定部が判定したとき、今回の瞬断発生地点が前回の瞬断発生地点と同一であるか否かを判定する瞬断発生地点判定部と、
    今回の瞬断発生地点と前回の瞬断発生地点とが同一であると前記瞬断発生地点判定部が判定したとき、当該瞬断が持続している瞬断持続時間を算出する瞬断持続時間算出部と、
    この瞬断持続時間算出部により算出された瞬断持続時間が前記ノイズフィルタ選択用閾値を超えているか否かを判定する瞬断持続時間判定部と、
    前記瞬断持続時間が前記ノイズフィルタ選択用閾値を超えていると前記瞬断持続時間判定部が判定したとき、より高次のノイズフィルタに変更するノイズフィルタ変更部と
    を有する瞬断監視システム。
  3. 光ケーブルに接続された光パルス試験器を用いて、前記光ケーブルに発生する瞬断を監視する瞬断監視プログラムであって、
    この瞬断監視プログラムと、非リアルタイムオペレーティングシステムとを記憶するソフトウェア記憶部と、
    前記瞬断監視プログラムが管理するメモリ領域に測定条件設定テーブルおよび測定結果記録テーブルがマッピングされているとともに、前記非リアルタイムオペレーティングシステムが管理するメモリ領域に瞬断通報用テーブルがマッピングされているメモリ部と、
    前記光パルス試験器から瞬断が発生していない状態における基準波形データを取得する基準波形データ取得部と、
    前記光パルス試験器から所定の時間間隔で実測波形データを逐次取得する実測波形データ取得部と、
    前記基準波形データと前記実測波形データとの差分データに基づき、前記光ケーブルの損失レベルを算出する損失レベル算出部と、
    この損失レベル算出部が算出した前記損失レベルと、前記測定条件設定テーブルに保存された瞬断判定用閾値とを比較して瞬断の発生を判定する瞬断発生判定部と、
    この瞬断発生判定部が瞬断の有無を判定する度に、前記損失レベルに関する測定結果を前記測定結果記録テーブルに逐次記録する測定結果記録部と、
    瞬断が発生したと前記瞬断発生判定部が判定したとき、当該瞬断に関する瞬断情報を前記瞬断通報用テーブルに記録する瞬断情報記録部と、
    前記瞬断通報用テーブルに記録された前記瞬断情報に基づき、所定の監視端末へ瞬断の発生を通報する瞬断発生通報部と
    瞬断の監視を開始する前に、前記瞬断監視システムに搭載されている物理メモリの残量を取得する物理メモリ残量取得部と、
    この物理メモリ残量取得部が取得した物理メモリ残量が不足しているか否かを判定する物理メモリ残量判定部と、
    瞬断の監視を開始する前に、前記光パルス試験器から前記瞬断監視システムの性能を自己診断するための自己診断用波形データを取得する自己診断用波形データ取得部と、
    前記差分データのノイズ成分を除去するための複数種のノイズフィルタを用いて、前記自己診断用波形データのノイズ成分を除去するノイズ除去処理部と、
    前記ノイズフィルタのぞれぞれについて、前記自己診断用波形データ取得部が前記自己診断用波形データを取得するのに要した波形データ取得時間と、前記ノイズ除去処理部が前記自己診断用波形データのノイズ成分を除去するのに要したノイズ除去処理時間とを加算した測定時間を算出する測定時間算出部と、
    前記各測定時間のうち最短の測定時間が、前記ノイズフィルタを選択するためのノイズフィルタ選択用閾値を超えるか否かを判定する測定時間判定部と、
    前記物理メモリ残量が不足していると前記物理メモリ残量判定部が判定したとき、または前記最短の測定時間が前記ノイズフィルタ選択用閾値を超えていると前記測定時間判定部が判定したとき、前記測定条件設定テーブルに保存されている測定条件を変更する測定条件変更部と
    してコンピュータを機能させる瞬断監視プログラム。
  4. 請求項において、
    瞬断が発生したと前記瞬断発生判定部が判定したとき、監視を開始してからの瞬断回数を算出する瞬断回数算出部と、
    この瞬断回数算出部により算出された瞬断回数が2回以上であるか否かを判定する瞬断回数判定部と、
    前記瞬断回数が2回以上であると前記瞬断回数判定部が判定したとき、前記瞬断に係る発生地点が前回の瞬断発生地点と同一であるか否かを判定する瞬断発生地点判定部と、
    前記瞬断に係る発生地点と前回の瞬断発生地点とが同一であると前記瞬断発生地点判定部が判定したとき、当該瞬断が持続している瞬断持続時間を算出する瞬断持続時間算出部と、
    この瞬断持続時間算出部により算出された瞬断持続時間が前記ノイズフィルタ選択用閾値を超えているか否かを判定する瞬断持続時間判定部と、
    前記瞬断持続時間が前記ノイズフィルタ選択用閾値を超えていると前記瞬断持続時間判定部が判定したとき、より高次のノイズフィルタに変更するノイズフィルタ変更部と
    してコンピュータを機能させる瞬断監視プログラム。
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