JP5240831B2 - ポンプ用タペット - Google Patents

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Description

この発明は、ポンプ用タペットに関するものであり、特に、ころ軸受を含むポンプ用タペットに関するものである。
自動車等のエンジンには、高圧で燃料を噴射する高圧ポンプが備えられているものがある。高圧ポンプは、カムが設けられたカムシャフトの回転運動をポンプ用プランジャーの往復直線運動に変換し、ポンプ用プランジャーの往復直線運動によりガスを送り込んで高圧室内で高圧化し、燃料室内に噴射して燃料を供給している。高圧ポンプの構成部材として、カムシャフトの回転運動を往復直線運動としてポンプ用プランジャーに伝達するポンプ用タペットがある。ポンプ用タペットには、カムとの接触部の形状等により、ころを含むころ入りタペットやきのこ形タペット等、複数の種類がある。
ここで、ころ軸受を含むポンプ用タペットに関する技術が、DE 10 2005 047 234 A1(特許文献1)に開示されている。図20は、特許文献1に示すポンプ用タペットの断面図である。図20を参照して、特許文献1に示すローラプッシュロッド101としてのタペットは、プッシュロッドハウジング102と、これに固定されニードルで支承されたプッシュロッドローラ103(ころ軸受)とを有している。ローラプッシュロッド101が、時計回りに回転するカム軸104の3段カム105により駆動される。これと共にローラプッシュロッド101はプッシュロッドガイド孔106の中で図20中の矢印XXで示す軸方向に案内され、燃料高圧ポンプ(図示せず)のポンププランジャー107を駆動している。
プッシュロッドローラ103は、3段カム105と当接する外輪108と、外輪108の内径側に配置されるシャフト109と、外輪108およびシャフト109の間に配置される複数のニードルころ110とを含む。プッシュロッドローラ103は、総ころ形式、すなわち、外輪108およびシャフト109の間に複数のニードルころ110のみが配置された形式である。
DE 10 2005 047 234 A1
昨今の高圧ポンプには、短時間で燃料を高圧化することが要求される。このような短時間での高圧化の要求に応じるため、ポンプ用タペットの構成部材であるころ軸受には、高速化、すなわち、高回転に耐えうることが要求される。ここで、特許文献1に記載された総ころ形式の軸受では、高速回転時において、軸受内におけるころの位置が安定せず、ころのスキューが発生してしまう。このころのスキューにより、ころがころ軸受を横方向、すなわち、図20の紙面表裏方向となるシャフト109の軸方向に押す形となる。このようなころ軸受の横走りにより、ころ軸受とハウジングとの間でころ軸受の端部が潤滑不良になったり、ころ軸受が摩耗してしまう虞がある。また、高速回転時においては、ころ軸受の通油性が不十分となってしまう虞もある。
この発明の目的は、高速回転時におけるころ軸受の潤滑不良、およびころ軸受の摩耗の虞の少ないポンプ用タペットを提供することである。
この発明に係るポンプ用タペットは、カムが設けられたカムシャフトの回転運動を往復直線運動としてポンプ用プランジャーに伝達し、ポンプ用プランジャーと共に往復直線運動を行なう。ポンプ用タペットは、シャフトと、シャフトの外径側に配置され、シャフト上に回転可能に支持されたころ軸受と、シャフトおよびころ軸受を収容するケースとを含む。ころ軸受は、カムと当接する外輪と、外輪とシャフトとの間に配置される複数のころと、複数のころを保持する保持器とを備える。保持器の軸方向の長さは、外輪の軸方向の長さよりも長い。
このように構成することにより、ポンプ用タペットの構成部材であるころ軸受において、高速回転時におけるころ軸受内でのころの位置を保持器によって安定させることができる。そうすると、ころのスキューを抑制して、ころ軸受の横走りを防止することができる。また、保持器の軸方向の長さは、外輪の軸方向の長さよりも長いため、ころ軸受の外部から保持器の内部への潤滑油の流入、および保持器の内部からころ軸受の外部への潤滑油の流出が容易になり、ころ軸受の通油性を向上させることができる。したがって、高速回転時におけるころ軸受の潤滑不良、およびころ軸受の摩耗の虞を低減することができる。
好ましくは、保持器は、一対の環状部と、ころを収容するポケットを形成するように一対の環状部を連結する複数の柱部とを備える。このような保持器は、一対の環状部および複数の柱部によって形成されたポケット内にころを収容して保持することができるため、高速回転時におけるころ軸受内でのころの位置をより確実に安定させることができる。
さらに好ましくは、ころおよびシャフトの少なくとも一方は、窒素富化層を有し、かつ、オーステナイト結晶粒度の粒度番号が10番を超え、かつ、残留オーステナイト量が11体積%以上25体積%以下であって、かつ、窒素含有量が0.1重量%以上0.5重量%以下である。
ころ軸受が保持器を備えることにより、総ころ形式の軸受と比較して軸受のころ収容数は少なくなる。しかし、このように構成することにより、長寿命化を図ることができる。なお、このようなころおよびシャフトは、後述する製造方法により製造することができる。
上記のオーステナイト結晶粒度は、JISに規定されている通常の方法で求めてもよいし、上記結晶粒度番号に対応する平均粒径を切片法により求めて換算してもよい。なお、オーステナイト結晶粒は、窒素富化層が存在する表層部でも、それより内側の内部でも変化しない。したがって、上記の結晶粒度番号の範囲の対象となる位置は、表層部および内部とする。ここで、オーステナイト結晶粒とは、焼入加熱中に相変態したオーステナイトの結晶粒のことであり、これは、冷却によりマルテンサイトに変態した後も、過去の履歴として残存しているものをいう。
残留オーステナイト量は、研削後に転動面の表層50μmにおける値であって、例えば、X線回折法によるマルテンサイトα(211)と残留オーステナイトγ(220)との回折強度の比較で測定することができる。その他、オーステナイト相が非磁性体であり、フェライト相が強磁性体であることを利用して、磁気天秤などにより磁化力を求めることによっても測定できる。その他、市販の測定装置を用いて簡単に測定することができる。
窒素富化層は、表層に形成された窒素含有量を増加した層であって、例えば、浸炭窒化、窒化、浸窒などの処理によって形成することができる。窒素富化層の窒素含有量は、研削後の転動面の表層50μmにおける値であって、例えば、EPMA(Electron Probe Micro―Analysis:波長分散型X線マイクロアナライザ)で測定することができる。
また、シャフトは、窒素富化層を有し、かつ、オーステナイト結晶粒度の粒度番号が11番を超え、かつ、残留オーステナイト量が10体積%以上50体積%以下であり、ころは、窒素富化層を有し、かつ、オーステナイト結晶粒度の粒度番号が10番を超え、かつ、残留オーステナイト量が11体積%以上25体積%以下であるようにしてもよい。このように構成することによっても、軸受の長寿命化を図ることができる。なお、このようなシャフトについても、後述する製造方法により製造することができる。
また、ころには、浸炭窒化処理が施されていてもよい。このように構成することによっても、軸受の長寿命化を図ることができる。
さらに好ましくは、保持器には、その表面から内方側に凹んだ油溝が設けられている。こうすることにより、ころ軸受内における通油性を向上して、保持器の摩耗等の低減を図ることができる。
保持器は、外径案内であって、保持器の外径面に、油溝が設けられるようにしてもよい。こうすることにより、保持器と外輪とを接触させて、保持器の径方向の位置を安定させることができる。また、保持器の内径面とシャフトの外径面の通油性を向上させると共に保持器の外径面と外輪の内径面との間の潤滑性を向上させ、保持器と外輪との摩耗を抑制することができる。したがって、保持器、ころ、外輪およびシャフトの長寿命化を図ることができる。
また、保持器は、内径案内であって、保持器の内径面に、油溝が設けられるようにしてもよい。こうすることにより、保持器とシャフトとを接触させて、保持器の径方向の位置を安定させることができる。また、保持器の外径面と外輪の内径面の通油性を向上させると共に保持器の内径面とシャフトの外径面との間の潤滑性を向上させ、保持器とシャフトとの摩耗を抑制することができる。したがって、保持器、ころ、外輪およびシャフトの長寿命化を図ることができる。
さらに保持器は、樹脂製であっても良い。このような保持器は、比較的軽量であるため、ポンプ用タペット全体の重量を軽減することができ、ポンプ用タペットを効率的に往復直線運動させることができる。また、このような樹脂製の保持器は、射出成形等により容易に大量生産を行うことができるので、安価に製造することができる。
さらに好ましくは、ころ軸受のころピッチ円上におけるころの充填率は、50%以上90%以下である。ころの充填率を50%以上とすることにより、ころ軸受の負荷容量を確保し、軸受寿命を長くすることができる。また、ころの充填率を90%以下とすることにより、ころ間に位置する柱部の周方向の長さを確保して、柱部の強度を確保することができる。
また、上記したころ軸受の負荷容量の確保および柱部の強度確保の観点から、柱部の周方向の最短部の長さは、ころの径の0.15倍以上0.5倍以下とすることが好ましい。
さらに好ましくは、ポケットの周方向両側に位置する柱部の側壁面とポケットに収容されたころとの周方向のすき間の寸法は、20〜200μmである。こうすることにより、ポケット内におけるころのスキューを防止すると共に、柱部の側壁面ところの転動面との距離を適切にして、ころの安定した転動を確保することができる。
さらに好ましくは、外輪の外径面には、微小の凹形状のくぼみが複数設けられており、くぼみが設けられた表面の表面粗さパラメータRyni(基準長毎最大高さの平均値)は、0.8〜2.3μmの範囲内である。外輪とカムとは、互いに回転しながら接触するが、このように構成することにより、希薄潤滑下であっても、外輪およびカムの外径面における油膜切れを防止することができる。したがって、外輪およびカムの異常摩耗を防止し、長寿命化を図ることができる。
この発明に係るポンプ用タペットによると、ポンプ用タペットの構成部材であるころ軸受において、高速回転時におけるころ軸受内でのころの位置を保持器によって安定させることができる。そうすると、ころのスキューを抑制して、ころ軸受の横走りを防止することができる。また、保持器の軸方向の長さは、外輪の軸方向の長さよりも長いため、ころ軸受の外部から保持器の内部への潤滑油の流入、および保持器の内部からころ軸受の外部への潤滑油の流出が容易になり、ころ軸受の通油性を向上させることができる。したがって、高速回転時におけるころ軸受の潤滑不良、およびころ軸受の摩耗の虞を低減することができる。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態に係るポンプ用タペット(以下、単に「タペット」という)を含む高圧ポンプの一部を示す断面図である。図2および図3は、図1に示す高圧ポンプに含まれるタペットの断面図である。図4は、図2および図3に示すタペットの概略斜視図である。図5は、図4に示すタペットを、図4中の矢印Vの方向から見た図である。図6は、図4に示すタペットを、図4中の矢印VIの方向から見た図である。図7は、図4に示すタペットを、図4中の矢印VIIの方向から見た図である。図8は、図4に示すタペットを図4中の矢印VIIIの方向から見た図である。なお、図2は、図5中に示すII−II断面に相当し、図3は、図6中に示すIII−III断面に相当する。なお、以下に示す図において、理解の容易の観点から、ころの断面のハッチングの図示を省略している。
図1〜図8を参照して、まず、この発明の一実施形態に係るタペットを含む高圧ポンプの構成について説明する。この発明の一実施形態に係るタペットを含む高圧ポンプ11は、カム12aがその外径側に設けられており、図1中の矢印Aの方向に回転運動を行なうカムシャフト12と、カム12aと当接し、カムシャフト12の回転運動を往復直線運動としてポンプ用プランジャー13(以下、単に「プランジャー」という)に伝達すると共に往復直線運動を行なうタペット21と、タペット21に当接して往復直線運動を行なう棒状部材としてのプランジャー13と、プランジャー13の往復直線運動に応じてガスを送り込み高圧化させる高圧室(図示せず)と、タペット21と当接し、プランジャー13を内方側に配置するようにして設けられたバネ14と、タペット21、プランジャー13およびバネ14を収容するハウジング15とを含む。
タペット21、プランジャー13およびバネ14は、ハウジング15に設けられた開口孔16内に収容されるようにして配置される。タペット21は、開口孔16の内径面16aで、図1中の上下方向、すなわち、図1中の矢印Iの方向またはその逆の方向に案内される。
カムシャフト12とタペット21とは、カム12aの外径面12bと、タペット21に含まれるころ軸受31に備えられる外輪32の外径面32aとが当接するように配置される。プランジャー13の一方端部13aは、タペット21に含まれるケース23に設けられた中間底23cと当接するように配置される。バネ14は、その一方端部14aが中間底23cの下方側に設けられたバネ座17と当接するように配置される。
バネ14は下方向、すなわち、図1中の矢印Iで示す方向と逆の方向に弾性力を有する。タペット21は、バネ14の弾性力によりプランジャー13を介して、上方向、すなわち、図1中の矢印Iで示す方向に付勢されている。
カムシャフト12の回転運動、バネ14の付勢、および開口孔16の内径面16aの案内等により、タペット21およびプランジャー13は、上下方向、すなわち、図1中の矢印Iの方向またはその逆の方向に往復直線運動を行なう。ここでいう往復直線運動は、図1中の矢印Iの方向またはその逆の方向への運動である。タペット21は、多少傾きながらも、図1中の矢印Iの方向またはその逆の方向への往復直線運動を行なう。カムシャフト12が高速で回転すると、このタペット21およびプランジャー13の往復直線運動の速度も速くなる。
高圧室は、プランジャー13の図示しない他方端部側に配置される。プランジャー13の往復直線運動により、高圧室内に供給された燃料の高圧化を図ることができる。
次に、この発明の一実施形態に係るタペット21の構成について説明する。タペット21は、シャフト22と、シャフト22の外径側に配置され、シャフト22上に回転可能に支持されたころ軸受31と、シャフト22およびころ軸受31を収容するケース23とを含む。
ケース23は、円筒状の周壁23aと、上下方向の空間を仕切るように周壁23aの内径面23bの途中位置に設けられた中間底23cとを含む。ケース23のうち、中間底23cの部分が、プランジャー13と当接する。周壁23aおよび中間底23cは、所定の肉厚を有する。
周壁23aの一方端側には、シャフト22を支持する一対の支持孔23d、23eが設けられている。この一対の支持孔23d、23eにシャフト22を挿入するようにして、シャフト22を配置する。シャフト22の外径側には、ころ軸受31が配置される。このようにして、ケース23は、中間底23cから周壁23aの一方端側に向かう空間23fで、シャフト22およびころ軸受31を収容する。
中間底23cから周壁23aの他方端側に向かう空間23gには、プランジャー13の一部が収容される。具体的には、プランジャー13の一方端部13aが中間底23cの径方向の中央部分に当接するようにして配置され、プランジャー13の一方端部13aが収容される。なお、バネ14の一方端部14aについても、空間23g内に収容される。
中間底23cには、その厚み方向に貫通する4つの油孔25が設けられている(図7および図8参照)。4つの油孔25は、プランジャー13の一方端部13aと中間底23cとの当接部分を避けるようにして設けられている。この油孔25を利用して、空間23fおよび空間23g間において、タペット21に供給される潤滑油を通油させることができる。
ケース23には、周壁23aの外径面23hから内径面23bまで貫通する貫通孔23iが設けられている。この貫通孔23iには、位置決めピン24が嵌合されている。位置決めピン24は、円筒状の部材である。位置決めピン24は、貫通孔23iへの嵌合時に、その一部が外径面23hから突出するように構成されている。ハウジング15の開口孔16の内径面16aには、内径面16aから凹むように図1中の矢印Iの方向に延びる凹溝16bが設けられている。タペット21の開口孔16への収容時には、位置決めピン24の突出した部分を、この凹溝16bに嵌合させる。これにより、開口孔16内におけるケース23、引いてはタペット21の周方向の位置決めを行なう。これにより、開口孔16内におけるタペット21の周方向への回転を防止することができる。
次に、タペット21に含まれるころ軸受31の構成について説明する。図9は、図2中の二点鎖線のIXで示す部分の拡大図である。図9中の一点鎖線で、ころピッチ円31aを示している。図10は、図9に示す矢印Xの方向からころ軸受31の一部を見た図である。図11は、ころ軸受31の一部を示す断面図であり、図9中のXI−XI断面である。図1〜図11を参照して、ころ軸受31は、外輪32と、外輪32とシャフト22との間に配置される複数のころ33と、複数のころ33を保持する保持器34とを備える。
保持器34は、一対の環状部34a、34bと、ころ33を収容するポケット34cを形成するように一対の環状部34a、34bを連結する複数の柱部34dとを含む。柱部34dは、軸方向、すなわち、図9で示す断面において、紙面表裏方向に真直ぐに延びる形状である。
保持器34は、ころ33と同様に、外輪32とシャフト22との間に配置される。複数のころ33は、保持器34に設けられた各ポケット34cにそれぞれ収容され、保持される。保持器34は、外径案内、すなわち、保持器34の外径側に配置される外輪32の内径面32bと保持器34の外径面34eとが径方向で接触するよう構成されている。また、保持器34には、外径面34eからその内方側に凹むように油溝34fが設けられている。油溝34fは、柱部34dの中央に設けられており、周方向に延びる形状である。
また、保持器34の軸方向の長さは、外輪32の軸方向の長さよりも長く構成されている。具体的には、図3を参照して、保持器34の軸方向の長さ、すなわち、保持器34の軸方向両側に位置する端面34i間の距離をZとし、外輪32の軸方向の長さ、すなわち、外輪32の軸方向両側に位置する端面32c間の距離をZとすると、Z>Zである。なお、図3においては、理解の容易の観点からZとZの差を大きく誇張して図示している。
カムシャフト12の回転運動により、ころ軸受31の構成部材である外輪32およびころ33も回転する。カムシャフト12が高速で回転すると、ころ33の回転も速くなる。ここで、タペット21の構成部材であるころ軸受31において、高速回転時におけるころ軸受31内でのころ33の位置を保持器34によって安定させることができる。そうすると、ころ33のスキューを抑制して、ころ軸受31の横走りを防止することができる。また、保持器34の軸方向の長さは、外輪32の軸方向の長さよりも長いため、ころ軸受31の外部から保持器34の内部への潤滑油の流入、および保持器34の内部からころ軸受31の外部への潤滑油の流出が容易になり、ころ軸受31の通油性を向上させることができる。したがって、高速回転時におけるころ軸受31の潤滑不良、およびころ軸受31の摩耗の虞の少なくすることができる。
また、このような高圧ポンプ11は、高速回転時におけるころ軸受31の潤滑不良、およびころ軸受31の摩耗の虞を少なくすることができるタペット21を含むため、短時間でより安定して燃料を高圧化することができる。
ここで、保持器34は、外径案内であって、保持器34の外径面34eに、その表面から内方側に凹んだ油溝34fが設けられているため、保持器34と外輪32とを接触させて、保持器34の径方向の位置を安定させることができる。また、保持器34の内径面34gとシャフト22の外径面22aの通油性を向上させると共に保持器34の外径面34eと外輪32の内径面32bとの間の潤滑性を向上させ、保持器34と外輪32との摩耗を抑制することができる。したがって、保持器34、ころ33、外輪32およびシャフト22の長寿命化を図ることができる。なお、油溝は、軸方向に傾きを持って延びるように設けてもよいし、湾曲して延びるように設けてもよい。また、油溝は、複数設けられていてもよい。
なお、保持器34は、内径案内であって、保持器34の内径面34gに、油溝が設けられるようにしてもよい。こうすることにより、保持器34とシャフト22とを接触させて、保持器34の径方向の位置を安定させることができる。また、保持器34の外径面34eと外輪32の内径面32bの通油性を向上させると共に保持器34の内径面34gとシャフト22の外径面22aとの間の潤滑性を向上させ、保持器34とシャフト22との摩耗を抑制することができる。したがって、保持器34、ころ33、外輪32およびシャフト22の長寿命化を図ることができる。
ころ軸受31に備えられる保持器34については、樹脂製にしても良い。こうすることにより、保持器34自体を軽量にすることができ、総じてタペット21の重量を軽くすることができる。したがって、往復直線運動に要する力、ここでは、タペット21の上下方向の動きに要する力を軽減することができる。また、保持器34を樹脂製とすると、射出成形等により製造することが可能であるため、大量生産が容易となり、安価に製造することができる。保持器34の材質としては、例えば、ナイロン66やナイロン46、ポリフェニレンスルフィド(PPS)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等が挙げられる。なお、必要に応じて、樹脂に炭素繊維やガラス繊維、カーボンブラック等を充填することにしてもよい。
ころ軸受31のころ33の充填率については、ころピッチ円31a上において、50%〜90%とするよう構成することが好ましい。50%よりも少ないと、ころ軸受31の負荷容量が小さくなりすぎる虞があるためである。また、90%よりも多くなると、ポケット34c間に位置する柱部34dの周方向の長さが短くなりすぎ、柱部34dの強度が十分に得られない虞があるためである。
また、上記のころ軸受31の負荷容量の確保および柱部34dの強度確保の観点から、柱部34dの周方向の最短部の長さは、ころ33の径の0.15倍以上0.5倍以下とすることが好ましい。ここでは、柱部34dの周方向の最短部は、柱部34dの内径側に位置する。
なお、ポケット34cの周方向両側に位置する柱部34dの側壁面34hとポケット34cに収容されたころ33との周方向のすき間の寸法は、20〜200μmとすることが好ましい。具体的には、図10を参照して、ころ33の径をLとし、ポケット34cの周方向の長さ、すなわち、ポケット34cの周方向両側に位置する柱部34dの側壁面34h同士の間隔をLとすると、L−Lを20〜200μmとするようにする。こうすることにより、ポケット34c内におけるころ33のスキューを防止すると共に、柱部34dの側壁面34hところ33の転動面33aとの距離を適切にして、ころ33の安定した転動を確保することができる。なお、図10において、ポケット34cに収容されたころ33と柱部34dの側壁面34hとのすき間の寸法については、理解の容易の観点から、誇張して大きく図示している。
なお、上記したタペットを構成するころおよびシャフトは、鋼製部材、例えば、SUJ2やSCM420(いずれもJIS規格)等を鍛造、切削等することにより製造される。
ここで、タペットを構成するころおよびシャフトのうち、少なくとも一方の部材に対して、これから説明する低温二次焼入法の熱処理を施すことにより、ころおよびシャフトのうち、少なくとも一方の部材の窒素富化層のオーステナイト結晶粒の粒度番号が10番を超える範囲にあり、かつ、残留オーステナイト量が11体積%以上25体積%以下となり、かつ、窒素含有量が0.1重量%以上0.5重量%以下とすることができる。
ころ軸受が保持器を備えることにより、総ころ形式の軸受と比較してころ軸受のころ収容数は少なくなる。しかし、タペットを構成するころおよびシャフトのうち、少なくとも一方の部材を上記した構成とすることにより、ころおよびシャフトの少なくとも一方の疲労寿命を向上させて、軸受の長寿命化を図ることができる。
次に、ころおよびシャフトの少なくとも一方の部材に行う浸炭窒化処理を含む熱処理について説明する。図12は、上記した構成の部材を得るための二段階の熱処理方法の一例を説明する図である。また、図13は、図12に示す二段階の熱処理方法の変形例を説明する図である。図12は、一次焼入および二次焼入を行う方法を示す熱処理パターンであり、図13は、焼入途中で材料をA変態点温度以下に冷却し、その後、再加熱して最終的に焼入する方法を示す熱処理パターンである。いずれも、上記した部材を得ることができる。これらの図において、処理Tでは鋼の素地に炭素や窒素を拡散させまた炭素の溶け込みを十分に行った後、A変態点以下に冷却する。次に、図中の処理Tにおいて、処理Tよりも低温に再加熱し、そこから油焼入を施す。なお、上記した図12および図13に示す熱処理方法を、総称して二段階熱処理と呼ぶ。
上記の熱処理は普通焼入、すなわち浸炭窒化処理に引き続いてそのまま1回焼入するよりも、表層部分を浸炭窒化しつつ、割れ強度を向上させ、経年寸法変化率を減少することができる。上記の熱処理方法によれば、オーステナイト結晶粒の粒径を従来の2分の1以下となるミクロ組織を得ることができる。上記の熱処理を受けた部材は、転動疲労特性が長寿命であり、割れ強度を向上させ、経年寸法変化率も減少させることができる。
図14および図15は部材のミクロ組織、特にオーステナイト粒を示す図である。図14は上記した熱処理方法を施した部材であり、図15は従来の部材である。すなわち、上記した図13に示す熱処理パターンを適用した軸受鋼のオーステナイト結晶粒度を図14に示す。なお、比較のため、従来の熱処理方法による軸受鋼のオーステナイト結晶粒度を図15に示す。また、図16および図17は、上記した図14および図15を図解したオーステナイト結晶粒界を示す図である。これらオーステナイト結晶粒度を示す組織より、従来のオーステナイト粒径はJIS規格の粒度番号で10番以下の番号であり、また上記した二段階熱処理方法によれば12番の細粒を得ることができる。
このように、上記した二段階熱処理を行うことにより、ころおよびシャフトの少なくとも一方の部材の疲労寿命を向上させて、軸受の耐荷重性を向上させることができる。
なお、ころおよびシャフトの双方に上記したいずれかの熱処理を施し、上記した構成を備えるようにしてもよい。
また、シャフトは、窒素富化層を有し、かつ、オーステナイト結晶粒度の粒度番号が11番を超え、かつ、残留オーステナイト量が10体積%以上50体積%以下とするよう構成してもよい。このように構成することによっても、軸受の耐荷重性を向上させることができる。なお、このような構成の部材は、A変態点以上で浸炭窒化処理を行った後、A変態点よりも低い温度で60分以上180分以下の時間保持し、その後、高周波焼入を行って製造される。
図18は、この場合における部材の製造工程の概略を示す図である。図19は、上記した構成の部材を得るための熱処理方法の一例を説明する図である。図18および図19を参照して、まず、部材に対してA変態点以上の温度で浸炭窒化処理を行なう(図18(A))。次に、部材を浸炭窒化した後、A変態点よりも低い温度に冷却し、この温度で60分以上180分以下の時間、温度保持する(図18(B))。その後、高周波焼入を行い(図18(C))、焼戻を行なう(図18(D))。このようにして熱処理を行って、部材を製造する。このような工程で製造された部材は、上記した構成、すなわち、窒素富化層を有し、かつ、オーステナイト結晶粒度の粒度番号が11番を超え、かつ、残留オーステナイト量が10体積%以上50体積%以下である。このように構成することによっても、軸受の長寿命化を図ることができる。
また、ころに、浸炭窒化処理を施すようにしてもよい。こうすることによっても、軸受の長寿命化を図ることができる。
なお、上記の実施の形態において、外輪の外径面に、微小の凹形状のくぼみを複数設けることとしてもよい。外輪とカムとは、互いに回転しながら接触するが、このように構成することにより、希薄潤滑下であっても、外輪およびカムの外径面における油膜切れを防止することができる。したがって、外輪およびカムの異常摩耗を防止し、長寿命化を図ることができる。
ここで、くぼみが設けられた表面の表面粗さパラメータRyni(基準長毎最大高さの平均値)は、0.8〜2.3μmの範囲内とすることが好ましい。表面粗さパラメータRyniとは、基準長毎最大高さの平均値、すなわち、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の山頂線と谷底線との間隔を粗さ曲線の縦倍率の方向に測定した値である(ISO4287:1997)。
また、くぼみが設けられた表面の表面粗さパラメータSk(粗さ曲線の歪み度)を、−1.6以下としてもよい。表面粗さパラメータSk値をこのような範囲に規定することにより、いわゆる潤滑油を溜める凹状部分を有効な範囲に規定することができ、形成される油膜の厚みを確保し、適切に油膜を形成することができる。ここで、表面粗さパラメータSk値とは、粗さ曲線の歪み度(スキューネス)を指し(ISO4287:1997)、凹凸分布の非対称性を知る目安の統計量であり、ガウス分布のような対称な分布ではSk値は0に近くなり、凹凸の凸部を削除した場合は負、逆の場合は正の値をとることになる。
また、くぼみが設けられた表面の表面粗さパラメータRymax(基準長毎最大高さの最大値)を、0.4〜1.0μmの範囲内としてもよい。表面粗さパラメータRymaxとは、基準長毎最大高さの最大値である(ISO4287:1997)。表面粗さパラメータRymaxをこのような範囲に規定することによっても、適切に油膜を形成することができる。
また、くぼみが設けられた表面の表面粗さパラメータRqni(自乗平均平方根粗さ)を、0.13〜0.5μmの範囲内としてもよい。表面粗さパラメータRqniとは、粗さ中心線から粗さ曲線までの高さの偏差の自乗を測定長さの区間で積分し、その区間で平均した値の平方根である(ISO4287:1997)。
また、くぼみが設けられた表面のくぼみの面積率は、5〜20%の範囲内としてもよい。くぼみの面積率は、外径面に微小凹形状のくぼみを設けた場合、外径面全体の面積に示すくぼみの面積の割合を意味する。全体に対するくぼみの面積率をこのように規定することによっても、潤滑性が良好となる面積の範囲を規定することができ、長寿命を図ることができる。
なお、上記の実施の形態においては、保持器は、一対の環状部と、複数の柱部とを含むこととしたが、これに限らず、一体型ではなく複数の部材に分割されており、ころの間に配置される間座型の保持器であってもよい。
また、上記の実施の形態において、柱部は、軸方向に真直ぐに延びる形状としたが、これに限らず、柱部が径方向に折曲げられていてもよく、例えば、V型保持器やM型保持器のような形状であってもよい。さらに、柱部の側壁面に、ころの径方向の脱落を防止するころ止め部を設けることとしてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明に係るタペットは、自動車等のエンジンに燃料を供給する高圧ポンプに含まれ、自動車用部品として、有効に利用される。
この発明の一実施形態に係るタペットを含む高圧ポンプの一部を示す断面図である。 図1に示す高圧ポンプに含まれるタペットの断面図である。 図1に示す高圧ポンプに含まれるタペットの断面図である。 図2および図3に示すタペットの斜視図である。 図4に示すタペットを、図4中の矢印Vの方向から見た図である。 図4に示すタペットを、図4中の矢印VIの方向から見た図である。 図4に示すタペットを、図4中の矢印VIIの方向から見た図である。 図4に示すタペットを、図4中の矢印VIIIの方向から見た図である。 図2に示すタペットのIXで示す部分の拡大図である。 図2に示すタペットに含まれるころ軸受の一部を、図9中の矢印Xの方向から見た図である。 図2に示すタペットに含まれるころ軸受の一部の断面図であり、図9中のXI−XI断面で切断した図である。 二段階の熱処理方法を説明する図である。 二段階の熱処理方法の変形例を説明する図である。 図12に示す熱処理パターンを適用したタペット構成部材におけるミクロ組織、特にオーステナイト粒を示す図である。 従来のタペット構成部材におけるミクロ組織、特にオーステナイト粒を示す図である。 図14に示すミクロ組織の模式図であり、図解したオーステナイト粒界を示す。 図15に示すミクロ組織の模式図であり、図解したオーステナイト粒界を示す。 高周波焼入を含む部材の製造工程の概略を示す図である。 高周波焼入を含む熱処理方法の一例を説明する図である。 従来におけるローラプッシュロッドとしてのタペットを示す断面図である。
符号の説明
11 高圧ポンプ、12 カムシャフト、12a カム、12b,22a,23h,32a,34e 外径面、13 プランジャー、13a,14a 端部、14 バネ、15 ハウジング、16 開口孔、16a,23b,32b,34g 内径面、16b 凹溝、17 バネ座、21 タペット、22 シャフト、23 ケース、23a 周壁、23c 中間底、23d,23e 支持孔、23f,23g 空間、23i 貫通孔、24 位置決めピン、25 油孔、31 ころ軸受、31a ころピッチ円、32 外輪、32c,34i 端面、33 ころ、33a 転動面、34 保持器、34a,34b 環状部、34c ポケット、34d 柱部、34f 油溝、34h 側壁面。

Claims (10)

  1. カムが設けられたカムシャフトの回転運動を往復直線運動としてポンプ用プランジャーに伝達し、前記ポンプ用プランジャーと共に往復直線運動を行なうポンプ用タペットであって、
    シャフトと、前記シャフトの外径側に配置され、前記シャフト上に回転可能に支持されたころ軸受と、前記シャフトおよび前記ころ軸受を収容するケースとを含み、
    前記ころ軸受は、前記カムと当接する外輪と、前記外輪と前記シャフトとの間に配置される複数のころと、前記複数のころを保持する保持器とを備え、
    前記保持器は、一対の環状部と、前記ころを収容するポケットを形成するように前記一対の環状部を連結する複数の柱部とを含み、
    前記保持器は、外径案内であり、
    前記保持器の外径面のうち、前記柱部の中央には、その表面から内方側に凹んだ油溝が設けられており、
    前記保持器の軸方向の長さは、前記外輪の軸方向の長さよりも長い、ポンプ用タペット。
  2. カムが設けられたカムシャフトの回転運動を往復直線運動としてポンプ用プランジャーに伝達し、前記ポンプ用プランジャーと共に往復直線運動を行なうポンプ用タペットであって、
    シャフトと、前記シャフトの外径側に配置され、前記シャフト上に回転可能に支持されたころ軸受と、前記シャフトおよび前記ころ軸受を収容するケースとを含み、
    前記ころ軸受は、前記カムと当接する外輪と、前記外輪と前記シャフトとの間に配置される複数のころと、前記複数のころを保持する保持器とを備え、
    前記保持器は、一対の環状部と、前記ころを収容するポケットを形成するように前記一対の環状部を連結する複数の柱部とを含み、
    前記保持器は、内径案内であり、
    前記保持器の内径面のうち、前記柱部の中央には、その表面から内方側に凹んだ油溝が設けられており、
    前記保持器の軸方向の長さは、前記外輪の軸方向の長さよりも長い、ポンプ用タペット。
  3. 前記ころおよび前記シャフトの少なくとも一方は、窒素富化層を有し、かつ、オーステナイト結晶粒度の粒度番号がJIS規格における粒度番号10番を超え、かつ、残留オーステナイト量が11体積%以上25体積%以下であって、かつ、窒素含有量が0.1重量%以上0.5重量%以下である、請求項1または2に記載のポンプ用タペット。
  4. 前記シャフトは、窒素富化層を有し、かつ、オーステナイト結晶粒度の粒度番号がJIS規格における粒度番号11番を超え、かつ、残留オーステナイト量が10体積%以上50体積%以下である、請求項1または2に記載のポンプ用タペット。
  5. 前記ころには、浸炭窒化処理が施されている、請求項1または2に記載のポンプ用タペット。
  6. 前記保持器は、樹脂製である、請求項1〜5のいずれかに記載のポンプ用タペット。
  7. 前記ころ軸受のころピッチ円上における前記ころの充填率は、50%以上90%以下である、請求項1〜6のいずれかに記載のポンプ用タペット。
  8. 前記柱部の周方向の最短部の長さは、前記ころの径の0.15倍以上0.5倍以下である、請求項1〜7のいずれかに記載のポンプ用タペット。
  9. 前記ポケットの周方向両側に位置する前記柱部の側壁面と前記ポケットに収容されたころとの周方向のすき間の寸法は、20〜200μmである、請求項1〜8のいずれかに記載のポンプ用タペット。
  10. 前記外輪の外径面には、微小の凹形状のくぼみが複数設けられており、
    くぼみが設けられた表面の表面粗さパラメータRyni(基準長毎最大高さの平均値)は、0.8〜2.3μmの範囲内である、請求項1〜9のいずれかに記載のポンプ用タペット。
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