<第1実施例>
図1を参照して、携帯通信端末10は、キー入力装置22を含む。キー入力装置22によって発呼操作が行われると、CPU20は、CDMA方式に対応する無線通信回路14を制御して発呼信号を出力する。出力された発呼信号は、アンテナ12から送出され、基地局を含む移動通信網に送信される。そして、通話相手が応答操作を行うと、通話可能状態が確立される。
通話可能状態に移行した後にキー入力装置22によって通話終了操作が行われると、CPU20は、無線通信回路14を制御して、基地局を含む移動通信網に通話終了信号を送信する。通話終了信号の送信後、CPU20は、通話処理を終了する。先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、CPU20は、通話処理を終了する。また、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、CPU20は通話処理を終了する。
システム全体が起動している状態で通話相手からの発呼信号がアンテナ12によって捉えられると、無線通信回路14は、着信をCPU20に通知する。CPU20は、着信通知に記述された発信元情報をメインLCDモニタ26またはサブLCDモニタ28から出力し、図示しない着信通知用のスピーカから着信音を出力する。キー入力装置22によって応答操作が行われると、通話可能状態が確立される。
通話可能状態では、次のような処理が実行される。通話相手から送られてきた変調音声信号(高周波信号)は、アンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号は、無線通信回路14によって復調処理および復号処理を施される。これによって得られた受話音声信号は、スピーカ18から出力される。マイクロフォン16によって取り込まれた送話音声信号は、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理を施される。これによって生成された変調音声信号は、上述と同様、アンテナ12を利用して通話相手に送信される。
また、キー入力装置22によってネットワーク100とのデータ通信操作が行われると、CPU20は、アンテナ12および無線通信回路14を通してネットワーク100との通信を始める。ネットワーク100は、図示しない複数のネットワークサーバと接続されており、CPU20は、ネットワーク100を介して複数のネットワークサーバのそれぞれとデータ通信を行う。LCDドライバ24は、メインLCDモニタ26およびサブLCDモニタ28を制御し、そのデータ通信によって得られた画像や文章などを表示する。さらに、携帯通信端末10は、データ通信を行うことで、ナビゲーション機能(歩行者の経路案内)を実行することができる。
たとえば、使用者がナビゲーション機能の処理を開始して目的地を設定すると、CPU20は、GPS(Global Positioning System)制御回路40を起動する。複数のGPS衛星からそれぞれ射出された複数のGPS信号は、GPSアンテナ42によって受信され、CPU20は、その受信したGPS信号から、携帯通信端末10(使用者)の現在位置を求める。そして、CPU20は、求めた現在位置および設定された目的地を、ネットワーク100を介して、図示しないナビゲーションサーバに送信することで、現在位置から目的地までの経路案内情報を含む地図データを取得する。この取得した地図データは、RAM36に格納された後、CPU20によってメインLCDモニタ26に表示される。これによって、使用者は、メインLCDモニタ26に表示された経路案内情報を含む地図データに基づいて、設定した目的地への移動を容易に行うことができる。
図2(A)は開状態の外観を示し、図2(B)は閉状態の外観を示す図である。図2(A),図2(B)を参照して、携帯通信端末10は、各々が板状に形成されたケースC1およびケースC2を有する。ケースC1およびケースC2の厚みは略同じである。アンテナ12は、伸縮可能に構成された伸縮アンテナであり、ケースC1の上側面に突出して設けられる。なお、アンテナ12は内蔵アンテナであってもよく、ケースC1またはC2に内蔵される場合も考えられる。
図2では図示しないマイクロフォン16はケースC2に内蔵され、内蔵されたマイクロフォン16に通じる開口op2はケースC2の長さ方向一方の内側面に設けられる。同じく、図2では図示しないスピーカ18はケースC1に内蔵され、内蔵されたスピーカ18に通じる開口op1はケースC1の長さ方向一方の内側面に設けられる。つまり、使用者は、開口op1を通じてスピーカ18から出力される音を聞き、開口op2を通じてマイクロフォン16に音声を入力する。
キー入力装置22は、操作キー郡がケースC2の内側面に露出するようにケースC2に取り付けられる。メインLCDモニタ26は、モニタ画面がケースC1の内側面に露出するようにケースC1に取り付けられる。サブLCDモニタ28は、モニタ画面がケースC1の外側面に露出するようにケースC1に取り付けられる。磁気センサ30は、ケースC1に内蔵される。磁石32は、図2(B)の状態で、磁気センサ30と最も近い状態になるようにケースC2に内蔵される。
LED38は、メインLCDモニタ26に接するように、ケースC1の内側面に設けられる。ヒンジ機構Hは、ケースC2の長さ方向他方端の側面にヒンジ機構として形成される。ケースC1は長さ方向他方端の側面においてヒンジ機構Hと結合される。また、ヒンジ機構H1は、ケースC1をケースC2の上に積層した状態で、ケースC2の内側面の短辺と平行な軸AXを基準として可動させる。つまり、軸AXを基準とした回転により、ケースC1とケースC2とを開閉させる。
磁気センサ30は、図2(A)に示す状態では最小値である0を出力し、図2(B)では最大値である255を出力する。つまり、図2(A)に示す開状態では、磁気センサ3
0が最小値を出力し、図2(B)に示す閉状態では、磁気センサ30が最大値を出力する。
第1実施例で用いるLED38は5つの色の状態がある。図3はLED38の色の状態と図面上に記載されるパターンとの対応関係を示す図解図である。図3を参照して、パターンaで示す図面上の記載は無色と対応する。つまり、パターンaで示されたLED38は無色であり、発光していない状態を示す。パターンbで示す図面上の記載は緑色と対応する。つまり、パターンbで示されたLED38は、緑色に発光している状態を示す。パターンcで示す図面上の記載は赤色と対応する。つまり、パターンcで示されたLED38は、赤色に発光している状態を示す。パターンdで示す図面上の記載は黄色と対応する。つまり、パターンdで示されたLED38は、黄色に発光している状態を示す。パターンeで示す図面上の記載は橙色と対応する。つまり、パターンeで示されたLED38は、橙色に発光している状態を示す。なお、LED38は、フルカラー発光が可能であるため、緑色,赤色,黄色および橙色だけに限らず、他の様々な色を発光する。
ここで、使用者がナビゲーション機能の経路案内を使用しているときに、LED38が発光する色によって使用者の進行方向の正誤を通知し、使用者の進行方向が誤った方向に向いた場合に、そのLED38が発光する色の変化によって、進むべき方向(経路方向)を通知して、その経路方向に使用者の進行方向の向きを変えるように促す、光ガイダンスサブ機能について説明する。
図4は、メインLCDモニタ26が現在位置から或る目的地までの経路案内情報を含む地図表示し、LED38などを含むメインLCDモニタ26の周辺を示す図解図である。図4を参照して、メインLCDモニタ26が表示する地図には、その地図に対する携帯通信端末10の位置を示すオブジェクトObがさらに表示される。また、LED38は、緑色に発光しており、図面上ではパターンbで記載される。さらに、携帯通信端末10は、ケースC1の内側面が地面に対して水平な状態で、矢印Y1で示す方向が使用者の進行方向となるように、使用者によって保持される。なお、ジャイロセンサ48(図1参照)によって、携帯通信端末10が保持される状態の変化を検出し、携帯通信端末10が保持される状態と進行方向とを対応付けてもよい。
進行方向は、地磁気センサ46(図1参照)またはジャイロセンサ48(図1参照)を用いて求められる。たとえば、CPU20は、携帯通信端末10が移動していない状態であれば、地磁気センサ46によって地磁気を検出し、方向検出回路44(図1参照)によって、今後、携帯通信端末10が移動する予定の進行方向を算出することができる。たとえば、携帯通信端末10の進行方向が北を向いていれば、今後、携帯通信端末10が移動する進行方向は北となる可能性が高い。また、CPU20は、携帯通信端末10の位置が変化している状態であれば、ジャイロセンサ48によって、携帯通信端末10が進んだ進行方向を算出することができる。なお、受信したGPS信号の履歴を記録しておき、その履歴から進行方向を算出してもよい。
また、LED38が緑色(パターンb)で発光する場合は、進行方向が矢印Y2で示す経路方向と一致しており、使用者が経路方向に進んでいることを示す。つまり、使用者は、自身の進行方向が正しいことを認識することができる。なお、使用者が経路方向に進んでいる場合には、携帯通信端末10が備える図示しないバッテリの消費電力を抑えるために、LED38を発光させないようにしてもよい。
図5は、メインLCDモニタ26が現在位置から或る目的地までの経路案内情報を含む地図表示し、LED38が黄色で発光している状態を示す図解図である。図5を参照して、LED38が黄色(パターンd)で発光する場合は、携帯通信端末10の現在位置が経路内に在る状態で、使用者は矢印Y3で示す経路方向に進んでおらず、矢印Y1で示す進行方向が、経路方向に対して右に向いていることを通知している。この場合に、使用者は、矢印Y1で示す進行方向が矢印Y3で示す経路方向と一致するように、進行方向を左方向に向けると、矢印Y3で示す経路方向に進むことができる。また、使用者が進行方向を左方向に向けると、LED38が発光する色を黄色から緑色に変化させることができる。そして、使用者は、進行方向を左方向に向けることで、経路方向に進むことができる。つまり、LED38が黄色で発光する場合は、現在の進行方向に対して、経路が左方向にあることを通知している。
なお、図4,図5では、メインLCDモニタ26に経路案内情報を含む地図が表示されているが、複数の機能を同時に処理するマルチタスク機能などによって、地図を表示させずに、音楽プレイヤ機能やFMラジオ機能などの処理を示す画像などが表示されていてもよい。
図6(A),(B)は、ナビゲーション機能によって経路案内を行っている場合に、LED38が緑色および黄色以外の色で発光している状態を示す図解図である。まず、図6(A)を参照して、LED38が橙色(パターンe)で発光している場合では、LED38は、進行方向が経路方向と一致しておらず、進行方向が経路方向に対して左に向いていることを通知している。そして、使用者は、進行方向を右方向に向けると、携帯通信端末10は、LED38が発光する色を橙色から緑色に変化させる。そして、使用者は、進行方向を右方向に向けることで、経路方向に進むことができる。
次に図6(B)を参照して、LED38が赤色(パターンc)で発光している場合では、LED38は、進行方向が経路方向と一致しておらず、経路方向に対し逆方向(後ろ方向)に向いていることを通知している。そして、使用者は、進行方向を逆方向に向けると、LED38が発光する色を赤色から緑色に変化させることができる。そして、使用者は、進行方向をその進行方向とは逆の方向に向けることで、経路方向に進むことができる。つまり、LED38が、橙色で発光する場合は経路が左方向にあることを通知し、赤色で発光する場合は経路が逆方向(後ろ方向)にあることを通知している。
これによって、使用者は、ナビゲーション機能によって示された経路内に居ても、進行方向が経路方向と一致していなければ、LED38が発光する色によって、正しい進行方向(経路方向)を容易に認識し、認識した経路方向へ進むことができる。
また、携帯通信端末10を使用する使用者が、ナビゲーション機能によって指示された経路を通っていない(経路から外れた)場合についても、使用者は、LED38の発光に基づいて、自身の進行方向が正しいか否かを容易に認識することができる。具体的には、携帯通信端末10は、使用者が経路から外れると、自身の進行方向によって経路の在る方向が変化するため、経路を外れた地点とGPSアンテナ42によって受信したGPS信号から算出した自身の現在位置と自身の進行方向とから経路が在る方向を求める。そして、携帯通信端末10は、LED38を発光させることで、経路が在る方向を使用者に通知する。これによって、使用者は、通知された方向に向かうことで、経路に戻ることができる。
たとえば、経路方向が北向きである場合に、使用者が経路を外れて東側(右側)に進んでいる場合には、携帯通信端末10は経路に対して右側に外れており、進行方向は経路から遠ざかる方向に進んでいる。この場合に、LED38は赤色(パターンc)で発光する。つまり、携帯通信端末10は、経路が進行方向に対して逆の方向に在ることを使用者に通知する。つまり、使用者は、経路を外れたことを認識することができるため、進行方向を逆方向(後ろ方向)に向けることで、経路に戻ることができる。また、使用者が進行方向を逆方向に向けると、LED38が発光する色は、赤色から緑色に変化し、進行方向が経路の在る方向に向いていることを通知する。つまり、使用者は、経路が在る方向に進行方向が向いていることを認識することができる。そして、携帯通信端末10の現在位置が経路に戻れば、LED38は、経路方向を示す色で発光するため、使用者は、図4および図5で先述したとおり、経路方向に進むことができる。
これによって、使用者は、LED38が発光する色によって、進行方向が経路から外れる方向に誤っている場合,経路が在る方向に戻る場合および経路に戻ったときの経路方向が不明である場合のいずれの場合でも、自身の進行方向の正誤を容易に認識することができる。
さらに、経路を外れたとしても進行方向と経路方向が一致している場合に、携帯通信端末10は、LED38の発光によって経路の在る方向を使用者に通知する。この場合では、使用者は、経路に対して左右のどちらか位置に居ることになる。そして、使用者が経路に対して右側に居れば、経路が在る方向は左方向になるため、携帯通信端末10は、LED38を黄色(パターンd)に発光させる。これによって、使用者は、経路が自身の進行方向に対して左方向に在ることを認識することができるため、自身の進行方向を左方向に向ければ、経路が在る方向に向かうことができる。
また、使用者が経路に対して左側に居れば、経路が在る方向は右方向になるため、携帯通信端末10は、LED38を橙色(パターンe)に発光させる。これによって、使用者は、経路が自身の進行方向に対して右方向に在ることを認識することができる。よって、使用者は、自身の進行方向を右方向に向ければ、経路が在る方向に向かうことができる。
たとえば、使用者が、経路案内情報によって示された経路とは別の道順で目的地に向かえば(近道をすれば)、進行方向と経路方向が一致するときがある。このとき、使用者が、経路に対して左側に居れば、携帯通信端末10はLED38を橙色(パターンe)に発光させる。これによって、使用者は、近道などをして経路をわざと外れた場合であっても、経路が在る方向を認識することができるため、通知された方向に向かうことができれば、すぐに経路に戻ることができる。
なお、携帯通信端末10の位置が経路から外れて、所定の時間が経つと、ナビゲーションサーバからリルート情報(経路を外れた現在の携帯通信端末10の位置から目的地までの経路案内情報)が送信され、携帯通信端末10が新たな経路上に居る状態になる。また、光ガイダンスサブ機能は使用者によって、任意に設定可能であり、図示しないGUI(Graphcal User Interface)などによって設定できる。また、携帯通信端末10は、LED38の色の変化だけに限らず、LED38を点滅させて、その点滅の周期を変化させることによって、使用者に進行方向の正誤を認識させるようにしてもよい。
図7は、RAM36のメモリマップを示す図解図である。図7を参照して、RAM36のメモリマップには、プログラム記憶領域60およびデータ記憶領域62が含まれる。プログラムおよびデータの一部はフラッシュメモリ34から一度に全部または必要に応じて部分的にかつ順次敵に読みだされ、RAM36に記憶され、そしてCPU20などで処理される。なお、図7にはメモリマップの一部のみが示されており、処理に必要な他のプログラムおよびデータも記憶される。
プログラム記憶領域60は、携帯通信端末10を動作させるためのプログラムを記憶する。携帯通信端末10を動作させるためのプログラムは、ナビゲーション機能の実行処理
プログラム60aなどによって構成される。ナビゲーション機能の実行処理プログラム60aは、ナビゲーション機能によって経路案内を行う場合の処理を行うプログラムである。たとえば、経路案内が開始され、光ガイダンスサブ機能が設定されていれば、LED38を発光させる色などを決定し、光ガイダンスサブ機能が設定されていなければ、音声や画像の表示によって経路案内を行う。
なお、図示は省略するが、携帯通信端末10を動作させるためのプログラムは、通話を行うためのプログラム,ネットワークサーバとのデータ通信を制御するプログラムおよび現在時刻を表示するためのプログラムなども含む。
データ記憶領域62には、通信データバッファ62a,GPSデータバッファ62bが設けられる。また、データ記憶領域62には、画像データ62c,文字列データ62d,ジャイロデータ62e,地磁気センサデータ62fおよび経路案内データ62gが設けられる。
通信データバッファ62aは、ネットワーク100を介した複数のネットワークサーバのそれぞれとのデータ通信によって得られたデータを一時記憶するためのバッファであり、また、ナビゲーションサーバから送信される経路案内情報のデータも一時記憶される。GPSデータバッファ62bは、GPSアンテナ42が受信したGPS信号のデータが一時記憶される。
画像データ62cは、携帯通信端末10のメインLCDモニタ26およびサブLCDモニタ28に表示される画像のデータである。また、メインLCDモニタ26およびサブLCDモニタ28に表示される画像は、図示しないGUIの画像や、携帯通信端末10の待機中に表示される画像などである。文字列データ62dは、携帯通信端末10のメインLCDモニタ26およびサブLCDモニタ28に表示される文字列のデータである。メインLCDモニタ26およびサブLCDモニタ28に表示される文字列は、ひらがな,カタカナ,漢字,数字およびアルファベットなどである。
ジャイロデータ62eは、ジャイロセンサ48から得られたデータである。地磁気センサデータ62fは、地磁気センサ46のデータを方向検出回路44が処理したデータである。また、CPU20は、ジャイロデータ62eおよび地磁気センサデータ62fに基づいて進行方向を求める。
経路案内データ62gは、通信データバッファ62aに一時記憶された経路案内情報のデータが記憶される。また、CPU20は、経路案内データ62gに基づいて、現在位置から或る目的地までの経路案内情報を含む地図をメインLCDモニタ26に表示させる。
図示は省略するが、データ記憶領域62には、現在時刻を表示するためのデータや、他のデータが記憶されるとともに、携帯通信端末10の動作に必要な他のカウンタやフラグも設けられる。
具体的には、CPU20は、μITRONやSymbianなどのマルチタスクOSの制御下で、図8に示すナビゲーション機能の実行処理などを含む複数のタスクを並列的に実行する。
図8はナビゲーション機能の実行処理を示すフロー図である。図8を参照して、ステップS1では、ナビゲーションサーバから取得した地図をメインLCDモニタ26に表示し、経路案内を開始する。つまり、CPU20は、経路案内データ62gに基づいて、経路案内情報を含む地図をメインLCDモニタ26に表示し、経路案内を開始する。次のステップS3では、経路に対する現在位置を算出する。つまり、CPU20は、GPSデータバッファ62bに一時記憶されてあるGPS信号のデータから、経路案内によって示された経路に対する携帯通信端末10の現在位置を求める。次のステップS5では、進行方向を算出する。つまり、CPU20は、ジャイロデータ62eおよび地磁気センサデータ62fに基づいて、携帯通信端末10の進行方向を算出する。
次のステップS7では、光ガイダンスが設定されているか否かを判断する。つまり、光ガイダンスサブ機能が設定されているか否かを判断する。ステップS7でYESであれば、つまり光ガイダンスサブ機能が設定されていれば、ステップS9で経路上か否かを判断する。つまり、ステップS3で求めた携帯通信端末10の現在位置が経路から外れていないかを判断する。ステップS9でYESであれば、つまり携帯通信端末10の現在位置が経路から外れていなければ、ステップS11で経路方向と進行方向とが一致しているか否かを判断する。つまり、経路案内情報によって示される経路方向に対して、ステップS5で求めた携帯通信端末10の進行方向が一致しているか否かを判断する。
ステップS11でYESであれば、つまり経路案内情報によって示された経路方向と携帯通信端末10の進行方向とが一致していれば、ステップS13でLED38を図4に示すように、緑色(パターンb)に発光させて、ステップS19に進む。つまり、携帯通信端末10の進行方向が経路方向と一致しているため、携帯通信端末10は、正しい方向へ進んでいることを使用者に通知する。一方、ステップS11でNOであれば、つまり経路案内情報によって示された経路方向と携帯通信端末10の進行方向とが一致していなければ、ステップS15で経路方向を示す色でLED38を発光させて、ステップS19に進む。たとえば、携帯通信端末10の進行方向が経路方向に対して右方向に誤っていれば、携帯通信端末10は、LED38を黄色(パターンd)で発光させ、進行方向を左方向に向けるように通知する。
ここで、ステップS9でNOであれば、つまり携帯通信端末10の現在位置が経路から外れていれば、ステップS17では、現在位置および進行方向から、経路が在る方向を示す色でLED38を発光させて、ステップS19に進む。つまり、ステップS3およびステップS5の処理で得られた携帯通信端末10の現在位置および進行方向から経路が在る方向を示す色でLED38を発光させる。たとえば、経路が進行方向に対して逆の方向に有れば、CPU20はLED38を赤色(パターンc)に発光させ、経路が進行方向に対して左方向に在れば、CPU20は黄色(パターンd)に発光させ、経路が進行方向に対して右方向に在れば、CPU20は橙色(パターンe)に発光させる。
ステップS19では、経路案内を中断するか否かを判断する。たとえば、キー入力装置22に含まれる、図示しない中断キーの操作,ネットワーク100との通信途絶およびGPS信号の受信エラーなどがあれば、経路案内を中断する。ステップS19でNOであれば、つまり経路案内を中断させる状態になっていなければ、ステップS21で目的地に到着したか否かを判断する。つまり、受信したGPS信号から求めた現在位置が、或る目的地の位置と一致しているか否かを判断する。ステップS21でYESであれば、つまり現在位置が或る目的地の位置と一致していれば、ナビゲーション機能の実行処理を終了する。一方、ステップS21でNOであれば、つまり現在位置がある目的地の位置と一致していなければ、ステップS1に戻る。また、ステップS19でYESであれば、つまり経路案内を中断させる状態になっていれば、ステップS21でYESと判断された場合と同様に、ナビゲーション機能の実行処理を終了する。さらに、ステップS7でNOであれば、つまり光ガイダンスサブ機能が設定されていなければ、ステップS19に進み、ステップS9−S17の処理は行われない。
以上の説明から分かるように、携帯通信端末10は、ネットワーク100およびGPS
信号を利用して現在位置から目的地までの経路案内を行うナビゲーション機能を備える。地磁気センサ46および方向検出回路44や、ジャイロセンサ48は、携帯通信端末10(使用者)の進行方向を検出する。CPU20は、ステップS11の処理によって、進行方向とナビゲーション機能によって指示された経路方向とが一致するか否かを判断する。そして、進行方向と経路方向とが一致すれば、LED38は緑色に発光することで、進行方向が正しいことを通知する。一方、進行方向と経路方向とが一致しなければ、LED38は、赤色,黄色または橙色のいずれかで発光することで、使用者が進むべき方向を通知する。
これによって、使用者は、LED38が発光する色に基づいて、自身の進行方向が正しいか否かを容易に認識することができる。
<第2実施例>
図9に示す第2実施例では、LED38は、メインLCDモニタ26が取り付けられていない面に設けられる。また、第2実施例は、第1実施例の説明で使用した図3で示すLED38が発光する色の状態と図面上に記載されるパターンとの対応関係,図7に示すRAM36のメモリマップおよび図8に示すナビゲーション機能の実行処理は同じであるため、第2実施例では重複した説明を省略する。また、第2実施例では、図1に示すサブLCDモニタ28が、携帯通信端末10の構成に含まれていない。
図9(A),(B)を参照して、ケースC1,ケースC2,アンテナ12,キー入力装置22,メインLCDモニタ26,磁気センサ30,磁石32,開口op1,開口op2,ヒンジ機構Hおよび軸AXについては、図2(A),(B)で説明した内容と同じであるため、重複した説明は省略する。そして、LED38は、ケースC1のメインLCDモニタ26が取り付けられていない面(外側面)に設けられる。なお、LED38は、着信を使用者に通知するために使用されてもよい。
また、LED38は、携帯通信端末10の進行方向が経路方向と一致する場合に、第1実施例と同様、緑色(パターンb)に発光する。つまり、使用者は、LED38によって、自身の進行方向が正しいことを認識する。そして、LED38は、携帯通信端末10の進行方向が経路方向と異なる場合または携帯通信端末10の現在位置が経路上から外れた場合に、第1実施例と同様、黄色(パターンd),橙色(パターンe)または赤色(パターンc)で発光する。つまり、使用者は、自身の進行方向が誤っており、進むべき方向(経路方向)を認識することができる。
これによって、使用者は、経路案内情報を含む地図を見なくても、LED38の発光のみで、経路方向に進んでいるか否かを判断することができる。
なお、この第2実施例においても、図2(B)と同じようなサブLCDモニタ28を備えてもよく、図9(B)に示す閉状態では、ナビゲーション機能が実行されている旨を伝えるメッセージや、経路案内情報を含む地図がメインLCDモニタ26に表示されていることを伝えるメッセージなどが表示されてもよい。
<第3実施例>
図10(A),(B)に示す第3実施例では、ケースC1に4つのLED38を設け、携帯通信端末10が閉状態であっても、使用者にLED38の発光を認識させる。また、第3実施例では、第1実施例の説明で使用した図3で示すLED38が発光する色の状態と図面上に記載されるパターンとの対応関係および図7に示すRAM36のメモリマップは同じであるため、第3実施例では重複した説明を省略する。また、第3実施例では、第2実施例と同様、図1に示すサブLCDモニタ28が携帯通信端末10の構成に含まれていない。そして、LED38は、LED38a,LED38b,LED38cおよびLED38dの4つのLEDとしてCPU20に接続される。なお、LED38a−38dを区別する必要がない場合には、LED38と呼ぶことにする。
図10(A),(B)を参照して、ケースC1,ケースC2,アンテナ12,キー入力装置22,メインLCDモニタ26,磁気センサ30,磁石32,開口op1,開口op2,ヒンジ機構Hおよび軸AXについては、図2(A),(B)で説明した内容と同じであるため、重複した説明は省略する。LED38aは、ケースC1の長さ方向一方端の側面に設けられる。LED38bは、ケースC1の他の長さ方向一方端の側面に設けられる。LED38cは、ヒンジ機構Hに設けられる。LED38dは、ケースC1の他の長さ方向他方端の側面に設けられる。
図11は、図10(B)に示す閉状態おける、光ガイダンスサブ機能が設定されている場合のLED38のそれぞれの色の状態を示す図解図である。図11を参照して、LED38aは、緑色に発光しており、図面上ではパターンbで記載される。また、LED38b−38dは、発光していないため、図面上ではパターンaで記載される。さらに、携帯通信端末10は、ケースC1の外側が地面に対して水平な状態で、矢印Y4で示す方向が使用者の進行方向となるように、使用者によって保持される。これによって、LED38aが緑色(パターンb)で発光する場合は、進行方向が矢印Y5で示す経路方向と一致しており、使用者が正しい経路を進んでいることを示す。つまり、使用者は、自身の進行方向が正しいことを認識することができる。なお、第1実施例と同様に、ジャイロセンサ48によって、携帯通信端末10が保持される状態の変化を検出し、携帯通信端末10が保持される状態と進行方向とを対応付けてもよい。
図12は、図10(B)に示す閉状態おける、光ガイダンスサブ機能が設定されている場合のLED38のそれぞれの色の状態を示す他の図解図である。図12を参照して、LED38aが赤色(パターンc)で発光しており、LED38b,38cが発光しておらず、LED38dが緑色(パターンb)で発光している場合は、携帯通信端末10の現在位置が経路内に在る状態で、使用者は矢印Y6で示す経路方向に進んでおらず、矢印Y4で示す進行方向が経路方向に対して右に向いていることを通知していることを通知している。この場合に、使用者が矢印Y4で示す進行方向を矢印Y6で示す経路方向と一致するように、進行方向を左方向に向けると、矢印Y6で示す進行方向に進むことができる。また、使用者が進行方向を左方向に向けると、携帯通信端末10は、LED38aが発光する色を赤色から緑色に変え、LED38bを発光していない状態にする。そして、使用者は、進行方向を左方向に向けることで、正しい進行方向を認識することができる。つまり、LED38bが赤色で発光する場合は、現在の進行方向に対して、経路が左方向にあることを通知している。
また、図12に示すそれぞれのLED38の状態では、進行方向と経路方向が一致した状態で経路に対して右側の位置に外れていることを通知している場合も有り得る。この場合に、使用者が左方向に進むことが可能な曲がり角で左方向に向かうと、携帯通信端末10は、LED38aが発光する色を赤色から緑色に変え、LED38bを発光していない状態にする。つまり、自身の進行方向が経路に戻る方向を向いていることを認識することができる。
つまり、第1実施例と同様に、使用者は、LED38のそれぞれが発光する位置によって、進行方向が経路から外れる方向に誤っている場合,経路が在る方向に戻る場合および経路に戻ったときの経路方向が不明である場合のいずれの場合でも、自身の進行方向の正誤および進むべき方向を容易に認識することができる。
なお、LED38aは、使用者が正しい経路を進んでいる場合に発光させず、使用者が正しい経路を進んでいない場合のみ、赤色(パターンc)に発光するようにしてもよい。
そのため、LED38aは赤色のみの単色発光LEDを用いてもよく、LED38b−38dのそれぞれは、緑色のみの単色発光LEDを用いてもよい。
第3実施例のナビゲーション機能の実行処理は、ステップS1−S7およびステップS19−S21の処理に付いては第1実施例と同じであるため詳細な説明は省略する。また、ステップS19およびステップS11の処理の判断については第1実施例と同じであるため、詳細な説明は省略する。
図13は、図8に示すステップS7でYESと判断された場合にステップS9以降の処理でLED38a−38dの発光を制御する処理を示すフロー図である。図13を参照して、ステップS9でYESであれば、ステップS11で経路方向と進行方向が一致しているか否かを判断する。ステップS11でYESであれば、ステップS31で進行方向に位置するLED38を緑色に発光させ、図8のステップS19に進む。つまり、CPU20はLED38aを緑色(パターンb)に発光させて、使用者に進行方向が正しいことを通知する。一方、ステップS11でNOであれば、ステップS33で進行方向に位置するLED38を赤色に発光させる。つまり、CPU20は、LED38aを赤色に発光させる。次のステップS35では、経路方向に位置するLED38を緑色に発光させて、図8のステップS19に進む。たとえば、進行方向が経路方向に対して右を向いていれば、CPU20はLED38bを緑色(パターンc)に発光させ、進行方向が経路方向に対して左を向いていれば、LED38dを緑色に発光させ、進行方向が経路方向に対して逆を向いていれば、CPU20はLED38cを緑色に発光させる。
ここで、ステップS9でNOであれば、つまり携帯通信端末10の現在位置が経路から外れていれば、ステップS37で現在位置および進行方向から経路が在る方向に位置するLED38を緑色(パターンb)に発光させる。つまり、CPU20は、ステップS3およびステップS5の処理で得られた携帯通信端末10の現在位置および進行方向から、経路が在る方向のLED38を緑色(パターンb)で発光させる。たとえば、経路が進行方向に対して逆の方向に有れば、CPU20はLED38cを緑色に発光させ、経路が進行方向に対して左方向に有れば、CPU20はLED38bを緑色に発光させ、経路が進行方向に対して右方向に有れば、CPU20はLED38dを緑色に発光させ、使用者が経路に戻っていれば、CPU20はLED38aを緑色に発光させる。
次のステップS39では、経路が在る方向と進行方向とが一致しているか否かを判断する。つまり、使用者が経路に戻っているか否かを判断する。ステップS39でYESであれば、つまり使用者が経路に戻っていれば、図8のステップS19に進む。一方、ステップS39でNOであれば、つまり使用者が経路に戻っていなければ、ステップS41で進行方向に位置するLED38を赤色(パターンc)に発光させて、ステップS19に進む。つまり、CPU20は、LED38aを赤色(パターンc)で発光させる。
なお、第3実施例では、図10(A)に示す開状態であっても、使用者は、LED38が発光する色の状態を認識することができる。また、CPU20は、図10(A)に示す開状態と図10(B)に示す閉状態の状態変化を磁気センサ30および磁石32によって検出し、それぞれのLED38の発光状態を変化させることもできる。また、特開2001−156893または特開2003−338866のように、LED38およびケースC1がケースC1の主側面に対して可動する場合であっても、磁気センサ30および磁石32などで、進行方向および経路方向に対するLED38の状態変化を検出することで、LED38の状態と進行方向とを対応付けてもよい。また、LED38の数は、4つだけに限らず、5つ以上であってもよい。
さらに、第3実施例で示す図10〜図12では、アンテナ12は、内臓アンテナを用い
ることで、ケースC1またはC2に内蔵されてもよい。
<第4実施例>
図14に示す第4実施例では、4つのLED38は、メインLCDモニタ26の周囲に設けられる。また、第4実施例では、第1実施例で説明した図3で示すLED38が発光する色の状態と図面上に記載されるパターンとの対応関係,図7に示すRAM36のメモリマップおよび図8に示すナビゲーション機能の実行処理と、第3実施例の説明で使用した図13で示すLED38a−38dの発光を制御する処理については同じであるため、第4実施例では重複した説明は省略する。また、第4実施例では、第3実施例と同様に、LED38は、LED38a,LED38b,LED38cおよびLED38dの4つのLEDとしてCPU20に接続される。
図14を参照して、ケースC1,ケースC2,アンテナ12,キー入力装置22,メインLCDモニタ26,磁気センサ30,磁石32,開口op1,開口op2,ヒンジ機構Hおよび軸AXについては、図2(A),(B)で説明した内容と同じであるため、重複した説明は省略する。そして、LED38a−38dは、メインLCDモニタ26の周囲に設けられる。
また、LED38は、光ガイダンスサブ機能が設定され、ナビゲーション機能が実行される場合に、携帯通信端末10の進行方向が経路方向と一致していれば、携帯通信端末10は、図11に示したそれぞれのLED38と同様に、LED38a−38dのそれぞれを発光させる。つまり、使用者は、第3実施例と同様に、自身の進行方向が正しいことを認識する。また、携帯通信端末10の進行方向が経路方向と異なる場合または携帯通信端末10の現在位置が経路上から外れた場合に、LED38a−38dのそれぞれは、緑色(パターンb)または赤色(パターンc)で発光する。つまり、使用者は、第3実施例と同様に、進むべき方向(経路方向)を認識することができる。
なお、第1実施例〜第4実施例では、携帯通信端末10の通信方式には、CDMA方式,W‐CDMA方式,TDMA方式に限らず、PHS方式などを採用してもよいことは言うまでもない。また、LED38には、有機エレクトロルミネッセンスおよび発光ポリマーなども含まれてよい。また、ネットワークサーバを利用せずに経路案内を行うことができる携帯通信端末10が、光ガイダンスサブ機能を備えていてもよい。そして、携帯通信端末10のみに限らず、経路案内を行うことができるPDA(Personal Degital Assistant)などの携帯情報端末や、経路案内ソフトによって動作する携帯ゲーム端末などであってもよい。
さらに、上述の第1実施例〜第4実施例では、GPS信号から携帯通信端末10の現在位置を求めたが、ホットスポット(登録商標)などの通信範囲の狭い無線LAN通信ポートと携帯通信端末10との通信から現在位置を求めるようにしてもよい。つまり、携帯通信端末10の現在位置は、GPS信号の受信以外に、他の通信機器と携帯通信端末10との通信などから、求められるようにしてもよい。