JP5240239B2 - 冷凍サイクル装置の室外機 - Google Patents

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本発明は、冷凍サイクル装置を構成する室外機に関し、例えば空気調和機や給湯機などの室外機に関するものである。
近年、冷凍サイクル装置には省エネルギー化や小型化要求に対応するファンの高効率化を目的として、ファンの上流に設置された熱交換器下流での空気の風速分布より、風速の速い段の伝熱管と、風速の遅い段の伝熱管で管の径を変え、熱交換器の下流側における風速分布の均一化を図るものがある(例えば、特許文献1参照)。さらに、空気吸込みガイドとしての環状ベルマウス近傍と伝熱管の本体上下端部、及び同じく環状ベルマウス近傍と2台のファンを有する送風室内の伝熱管の本体中央部を整流ガイドで結び、ファンの吸込み流の整流化を図った構成について述べられている。
特開2001−336786号公報(第4頁、図5、図6)
特許文献1のように、伝熱管の管径を変えて熱交換器の下流側における風速分布を均一化した構成の従来の室外機では、上流側の熱交換器を通過した気流のうち、2つのファンの中間に流れる気流は、2つの吹出し口間の外壁パネルに衝突して淀み、この部分に渦を発生させていた。この渦はエネルギー損失となるだけではなく、2つのファンに向かう吸込み気流の障害となり、風量低下を引き起こす。これと共に、生じた渦と吸込み気流の干渉による乱れによって、騒音を増加させるという問題点もあった。
さらに、ベルマウス近傍と熱交換器とを結ぶ整流ガイドは、熱交換器を通った直後の気流を分割して2つのファンに導く構成である。即ち、室外機の内部が2つのファン各々に導かれる風路に分割されるので、外部から吸い込まれた空気が熱交換器を通過する付近で、片方のファンの吸引力の影響しか及ばないため、通過風量が小さくなる。また、整流ガイドが熱交換器を通った直後の気流と接触することになり、気流と整流ガイドの接触面積が広いため、摩擦抵抗が大きくなり、エネルギー損失を招くことになる。
また、複数のファンを有する室外機では、それぞれのファンに導かれる風路が同一ではなく通風抵抗が異なっていたり、ファンの送風能力が異なっていたりする場合もある。このような構成で複数のファンのそれぞれに同一の風量が流入すると、ファン電力の合計が増加するという問題点もあった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、複数のファンを有する冷凍サイクルの室外機で、風量が低下するのを防止できると共にエネルギー損失を招くのを防止して、ファンの電力を低減できる冷凍サイクル装置の室外機を得ることを目的とするものである。
本発明に係る冷凍サイクル装置の室外機は、室外機本体内に並設され、外部空気を吸い込み翼間を通過させ吹出口に導く気流を形成する少なくとも2つのファンと、前記ファンの各々の吹出口の外周を囲むように設けられ前記吹出口近傍の風路を構成するベルマウスと、前記ファンの吸込み側に設けられ吸い込まれる空気と熱交換する熱交換器と、前記室外機本体内で前記2つのファンの間に設けられ、長手方向が前記2つのファンの回転軸のそれぞれを含む平面に略垂直な方向に伸びる仕切り板と、を備え、前記仕切り板の長手方向に垂直な断面は、前記ファンを構成する前記翼の上流端と前記熱交換器との間に位置する上流側先端と、2つの前記ベルマウスのそれぞれの近傍に配置され前記ベルマウスの上流端よりも下流側に位置する2つの下流側底部と、前記上流側先端と前記下流側底部のそれぞれを接続する2つの側面部と、を有すると共に、前記2つの側面部間の距離が、前記下流側底部側よりも上流側で短い形状であって、前記熱交換器を通過した空気が、前記仕切り板の前記上流側先端で分流され、前記側面部に沿って流れてそれぞれの前記ファンに導かれるように構成されているとともに、前記仕切り板の長手方向に垂直な方向における前記2つの下流側底部間の長さが、前記仕切り板の長手方向において両端部が中央部よりも長く構成されているものである。
本発明によれば、熱交換器近傍の風量が低減することなく、2つのファンの間に気流の乱れが生じるのを抑制して、ファンに気流をスムーズに誘導でき、ファンの合計電力を低減できる冷凍サイクル装置の室外機が得られる効果がある。
また、複数のファンの通風抵抗や送風能力を考慮して、ファンのそれぞれの風量を同一または異なるようにし、ファンの合計電力を低減できる冷凍サイクル装置の室外機が得られる効果がある。
本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の室外機を示す斜視図(図1(a))及び構成図(図1(b))である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機の冷媒回路を示す構成図である。 本発明の実施の形態1に係る室外機を示す構成図である。 本発明の実施の形態1に係る室外機を示す構成図である。 本発明の実施の形態1に係る室外機を示す構成図である。 本発明の実施の形態1に係り、図5のVI−VI線における断面図である。 本発明の実施の形態1に係る仕切り板を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係り、比較例として室外機内の気流を説明する説明図である。 本発明の実施の形態1に係り、比較例として室外機内の気流を説明する説明図である。 本発明の実施の形態1に係り、室外機内の気流を説明する説明図である。 本発明の実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の室外機の内部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係り、図11のXII−XII線における断面図である。 本発明の実施の形態2に係り、抵抗係数が等しい時のファン1の風量に対する電力を示すグラフである。 本発明の実施の形態2に係り、抵抗係数が異なる時のファン1の風量に対する電力を示すグラフである。 本発明の実施の形態3に係る室外機の縦断面を示す構成図である。 本発明の実施の形態3に係り、ファン径が異なる時のファン1の風量に対する電力を示すグラフである。 本発明の実施の形態4に係る室外機の内部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態4に係る室外機の縦断面を示す構成図である。 本発明の実施の形態4に係る室外機の内部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態5に係る室外機の内部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態5に係る仕切り板を示す断面図である。 本発明の実施の形態5に係る室外機の内部を示す説明図である。 本発明の実施の形態5に係る仕切り板を示す断面図である。 本発明の実施の形態6に係る空気調和機の室外機を示す縦断面図(図24(a))、背面図(図24(b))である。 本発明の実施の形態7に係る空気調和機の室外機を示す斜視図である。 本発明の実施の形態7に係る空気調和機の室外機を示す上面図である。 本発明の実施の形態7に係る空気調和機の室外機の縦断面を示す構成図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について説明する。図1は冷凍サイクル装置として例えば空気調和機の室外機を示し、図1(a)は吹出口側から見た斜視図、図1(b)は上面から見た構成図である。ここでは、例えば空気調和機の室外機として説明するが、他の冷凍サイクル装置、例えば給湯器用の室外機も同様の構成である。
図において、9は吹出口、9aはファングリル、30は空気調和機の室外機本体である。この室外機本体30は、複数のファン例えば2個のファン5が鉛直方向に並設される構成であり、吹出口9となる開口は、安全のためにファングリル9aで覆われている。室外機本体30は、2つの側面30a、30c、前面30b、背面30d、上面30e、底面30fで構成され、側面30a、30c、及び背面30dは外部の空気を吸い込む開口を有し、前面30bは外部に空気を吹出す吹出口9となる開口を有する。内部はセパレータ3によってファン5が設置されている送風室1と圧縮機等が設置されている機械室2に分けられている。側面30aと背面30dの内側には熱交換器10がL字状に設けられている。ここで、2つのファンの回転軸22を含む平面に略垂直な方向をX方向、ファン5の並設方向をY方向、ファン5の回転軸22の方向をZ方向とする。2つのファンの回転軸22を含む平面は、Y−Z平面で表される。図1(b)における矢印は、空気の吸い込み方向及び吹出し方向を示している。図のように、空気調和機本体30内に2つのファン5が鉛直方向に並んで設けられる場合、X方向は水平方向に伸び、Y方向は鉛直方向に伸び、室内機本体30の奥行きの方向がZ方向となる。また例えば、空気調和機本体30内に2つのファン5が水平方向に並んで設けられる場合には、X方向は鉛直方向に伸び、Y方向は水平方向に伸びる。
図2は冷凍サイクル装置として例えば空気調和機の冷媒回路を示す構成図であり、圧縮機11、熱交換器10、減圧手段32、熱交換器33を順次配管で接続し、配管内には冷媒を循環させる。熱交換器10、33の周辺には、それぞれの熱交換器10、33に風を送るファン5、34が配置される。
圧縮機11で圧縮されて高温高圧になった冷媒は、熱交換器10に流入してファン5で送られた空気と熱交換した後、減圧手段32で減圧され、熱交換器33に流入する。熱交換器33ではファン34で送られた室内空気と熱交換して、室内を冷房又は除湿し、圧縮機11に循環する。各機器の制御を行う制御基板は基板箱14に格納される。ここで制御信号線は図示を省略する。
通常の空気調和機では、冷媒を逆にも循環させることができ、室内機31内の熱交換器33によって、暖房、冷房、除湿運転を行うことができる。ここで、室内に設置される室内機31は極力薄型や小型であることが要求され、室内機31には最低限必要な熱交換器33とファン34が格納される。このため、その他の部品は室外機本体30内に格納されることになる。
以下、室外機本体30の内部構成について説明する。図3はファン接触防止用のファングリル9aを取り外して正面30bから見た構成図、図4は正面パネル8も取り外して室外機本体30の内部を正面30bから見た構成図である。
送風室1には回転軸22に固定されるボス27の周りに複数、例えば3枚の翼4が取り付けられたプロペラファン5があり、背面にあるファンモータ6で回転駆動される。プロペラファン5(以下、単にファンと記す)の半径方向外側には、吹出口9の外周を囲むようにベルマウス7が室外機の正面パネル8と一体または別体として取り付けられる。このベルマウス7は吸込み側と吹出し側を区切って吹出口9近傍の風路を構成する。また、室外機の外側からベルマウス7を覆うようにファングリル9が正面パネル8に取り付けられている。ファン5の吸込み側には熱交換器10が側面30aと背面30dにかけて略L字状に設けられている。この熱交換器10は、複数のフィンが、フィンの面が略平行になるように並設され、その並設方向にフィンを貫通する伝熱管で構成され、伝熱管内を冷媒が循環する。伝熱管が室外機の側面30aと背面30dにかけて略L字状に伸び、図4に示すようにY方向に複数段の伝熱管がフィンを貫通するように構成される。
機械室2には圧縮機11と圧縮機11から熱交換器10に冷媒を通す配管12が格納される。ファン5と圧縮機11の動作を制御する基板13は基板箱14に収められた状態で機械室2に置かれるが、基板13から発生する熱を冷却するため、ヒートシンク(図示せず)やそれに風を送るダクトが取り付けられる機種もある。ここでは、ファン5が作る吸引力で基板13の表面に風を通すため、基板箱14の一部は送風室1側にせり出している構成である。
ファン5が回転すると、室外機本体30の外部から外部空気を吸い込み、側面30aまたは背面30dの熱交換器10に空気を流入して熱交換する。その後、翼4の間、さらにベルマウス7を通過して、吹出口9から室外に導かれる気流Aが発生する。また、側面30cから空気を流入し、機械室2から基板箱14を通り送風室1に吹出した後、翼4の間、ベルマウス7、吹出口9を通って室外機本体30の外に排出される気流Bが発生する。この気流の一例を図4に示す。太い実線矢印で気流Aを示し、太い点線矢印で気流Bを示す。
本実施の形態では、例えば高能力機種で用いられる室外機本体30を対象としており、大風量を得るために複数のファン5、例えばY方向に少なくとも2つのファン5a、5bが並んで装着されている。このファン5の大きさは同様とし、送風能力も同様であるとする。図5は室外機本体30の送風室1の内部を背面30dから見た構成図である。図5においては背面30d及び側面30aに設けられている熱交換器10を取り外して示す。本実施の形態では、室外機本体30内で2つのファン5a、5bの間の空間を仕切るような仕切り板15を有する。図6は図5のVI−VI線における断面図であり、2つのファン5a、5bの回転軸22a、22bのそれぞれを含むY−Z平面を示す。
Y方向に2つのファン5a、5bが設けられ、さらにファン5a、5bのそれぞれに対応する吹出口9の外周を囲むようにベルマウス7a、7bが設けられる。ベルマウス7a、7bによって吹出口9の近傍の風路が構成される。ファン5a、5bの背面にはファン5a、5bを駆動するファンモータ6a、6bが設けられ、モータ6a、6bの回転軸22a、22bにファン5が固定される。
仕切り板15は、2つのファン5a、5bの間に設けられ、長手方向がX方向、例えば水平方向に伸びる構成である。例えばプラスチックで成形された三角柱形状の仕切り板15とし、上流側先端16a、2つの下流側底部16b、16c、上流側先端16aと2つの下流側底部16b、16dのそれぞれを接続してなる側面部15c、15d、長手方向(X方向)の両端面15a、15b、2つの下流側底部16b、16cを接続する下流側底辺15eを有する。この下流側底部16b、16cは、2つのベルマウス7a、7bのそれぞれの近傍に配置され、ベルマウス7a、7bの上流端17a、17bよりも下流側、この場合は例えば正面パネル8上に位置している。
仕切り板15の長手方向(X方向)に垂直な形状は、図6に示すように、上流側先端16aを頂点とし、2つの下流側底部16b、16cを接続して底辺15eとし、2つの側面部15c、15dを二辺とする略三角形、ここでは二等辺三角形を成す。即ち、側面部15cと側面部15dの間の距離を、下流側底部16b、16cよりも上流側に向かって徐々に短くした形状で、上流側先端16aで尖っている。この上流側先端16aは、ファン5a、5bと熱交換器10の間に位置し、好ましくはファン5a、5bを構成する翼の翼上流端21a、21bと熱交換器10の下流端10aとの間に位置する。また、この仕切り板15は、下流側底辺15eで2つのベルマウス7a、7bの間の中央部分の、例えば正面パネル8に固定されている。固定方法は、例えば正面パネル8と一体に成形されていてもいいし、別体で成形して例えば接着剤等によって接着されてもいいし、数箇所でネジ止めされてもよい。
また、2つの側面部15c、15dは、それぞれファン5a、5b及び吹出口9の外周に配置されているべルマウス7a、7bの外周面に対向し、ファン5a、5bへ空気の流れる風路の一部を構成している。図7は仕切り板15の形状を背面30d側から見たX−Y平面を示す説明図である。ここで、X―Y平面において、ファン5a、5bの回転軸22a、22bの位置を、それぞれファン5a、5bの回転中心28a、28bとしている。仕切り板15の長手方向(X方向)の両端面15a、15bは、翼4の最外周の回転によって描かれる軌跡である最外周円29a、29bで、X方向に回転中心28a、28bから最も離れた付近に位置する。即ち、仕切り板15の長手方向(X方向)長さは、ファン5a、5bの径と同等とする。また、頂点である上流側先端16aは、例えば、2つのファン5a、5bの回転中心28a、28bを結ぶ直線28cに垂直で、かつ回転中心28a、28bから略等しい距離にある直線35上に位置する。従って、仕切り板15とファン5a、5bのそれぞれとの距離は同等である。
図8は比較例として仕切り板15を設けていない構成の室外機本体30の断面構成を示し、送風室1における空気の流れを説明する。実際には室外機本体30の外部から内部への空気の流れは、前述のように機械室2を通って流れる気流Bと、L字状に設けた熱交換器10の付近にある側面30a及び背面30dの開口から熱交換器10を通過して流れる気流Aがある。ここでは、この中で主な流れを構成する気流Aのうち、背面30dの開口から熱交換器10を通過する流れに注目して説明する。
背面30dから熱交換器10を通過して室外機本体30の内部に流入した空気は、2つのどちらかのファン5a、5bを通過し、ファン5a、5bで昇圧されてベルマウス7a、7bで仕切られた吹出口9を通り、室外機本体30の外に排出される。図8に示すように、2つのファン5a、5bの間の間隙40に向かって流入した空気18は、ファン5a、5bのどちらかに吸い込まれる前に、2つのベルマウス7a、7bの間を通り抜けて正面パネル8に衝突する。そして、衝突した気流は逆流して鉛直方向に軸をもつ渦19に発達し、ファン5a、5bの上流側に停滞する。発生した渦19はエネルギー損失となるだけではなく、ファン5a、5bに流入する気流の障害となるため、室外機本体30を通過する風量の低下を招く。また、乱れた流れがファン5a、5bを構成する翼表面の圧力振動を大きくして騒音も大きくなる。
本実施の形態では、2つのファン5a、5bの間に仕切り板15を設けている。図6に示すように、外部から室外機30内の2つのファン5a、5bの間に向かって流入した空気18は、熱交換器10を通過して熱交換される。そして、熱交換器10を通過した空気は、仕切り板15の上流側先端16aで分流され、側面部15c、15dに沿って流れ、側面部15c、15dの傾斜面で進む方向を徐々に変更される。そして、ファン5a、5bに導かれて吹出口9から吹出されていく。
このようにファン5a、5bの間に仕切り板15を設けたことによって、ファン5a、5bの間に渦や乱れが生じるのを防止できる。このため、風量の低下を防止でき、ファン電力を低減できる。さらに流れの乱れによる翼表面の圧力振動の増加を防止でき、騒音を低減できる。
特に、仕切り板15の断面形状を略三角形とし、下流側に位置する下流側底部16b、16cから上流側先端16aに向かって徐々に尖る形状にしたので、気流18を滑らかにファン5a、5b側に誘導することができ、吸込み気流の障害になる渦発生を抑制することができる。
図9に示す比較例では、仕切り板15の上流側先端16aを熱交換器10の下流端10aに接触するように延長した構成である。このように構成すると、気流18と仕切り板15の両側面部15c、15dとの接触面積が広く摩擦抵抗が大きくなる。これによってエネルギー損失が大きくなる。また、仕切り板15が壁のように作用し、熱交換器10の下流端10a直後に上下に風路が仕切られる。流入した空気は熱交換器10を通過後減速し、仕切り板15の上流側先端16a近傍で、上部20aまたは下部20bに流れていく。この様子を図10(a)に示す。領域Kでは、矢印36aに示すように2つのファン5a、5bのうちのどちらかの吸い込み力しか働かない。このため、領域Kでは風量が小さくなる。図10において、点線で示した円弧37はファン5a、5bの回転によって引き起こされる吸い込み力の圧力の等値線を模式的に示す。
本実施の形態では、図10(b)に示すように、仕切り板15の上流側先端16aと熱交換器10の下流端10aとが接触しない構成である。上流側先端16aは、熱交換器10の下流端10aとファン5a、5bを構成する翼上流端21a、21bとの間に位置する。このように構成することで、領域K付近では、2つのファン5a、5bの等値線が重なり合い、矢印36bに示すようにファン5a、5bの吸い込み力が互いに発揮され、約二倍の吸い込み力となる。即ち、本実施の形態に示した仕切り板15の形状及び位置は、熱交換器10で減速された気流の動力確保と気流の分配を両立させるように設定される。特に、ファン5a、5bの吸込み力が顕著になるのは、翼上流端21a、21b付近から現れ始める。従って、気流の分流作用を得るためには、仕切り板15の上流側先端16aが、図6に示すように、翼の最上流側の位置である翼上流端21a、21bと熱交換器の下流端10aの間の中間部分39と、翼上流端21a、21bの間に位置されていれば効果的である。さらには、上流側先端16aがもっと下流側に位置していてもある程度の効果はある。回転軸方向(Z方向)で少なくとも翼上流端21a、21bからベルマウス上流端17a、17bの間に側面部15c、15dが対向するように構成されていれば、熱交換器10で減速された気流の動力確保と気流の分配の両方の作用を発揮することができる。
このように、上流側先端16aと熱交換器10の下流端10aとの間に空間によって、領域Kでは両方のファン5a、5bの吸い込み力が作用して気流の動力を確保することができ、上流側先端16aで分流された空気が側面部15c、15dによってファン5a、5bに導かれる。
また、仕切り板15の下流側底辺15eは、三角柱形状の一面15eを構成し、正面パネル8に固着した構成としたが、これに限るものではない。少なくともベルマウス7a、7bの上流端17a、17bの位置よりも下流側に位置する構成であればべルマウス7a、7b間の隙間に気流が流れ込むのを防ぐことができ、この部分に渦ができたり、流れが乱れるのを抑制することができる。例えば正面パネル8に固着するのではなく、下流側底部16b、16cのそれぞれをベルマウス7a、7bの外周面(即ち反ファン側の面)に固定してもよい。
また、上流側先端16aは図6に示すように尖っていなくてもよく、丸くなっていてもよい。気流18が上流側端部16aでスムーズに分流されてファン5a、5bに向かうように誘導されればよい。
また、側面部15c、15dは、直線でなくてもよく、外側に凸状や凹状の曲線であってもよい。また、凸状と凹状とを組み合わせた波状を成していてもよい。
また、本実施の形態では図7に示すように、仕切り板15の上流側先端16aは、例えば、2つのファン5a、5bの回転中心28a、28bを結ぶ直線に略垂直で、かつ回転中心28a、28bから略等しい距離にある直線35上に位置する。そしてその長手方向(X方向)の長さは、ファン5a、5bの径と同等としている。このため、2つのファン5a、5bの間に向かって流入した気流18について、X方向のどの位置であっても、滑らかにファン5a、5bのどちらか一方側に誘導することができる。
ここで、仕切り板15の長手方向(X方向)の長さは、ファン5a、5bの径と一致していなくてもよい。ただし、一般に、ファン5a、5bを正面から見て、回転する翼4の最外周の軌跡で描かれる円29a、29bにおいて、中心に近い部分よりも外周側の方が吸い込み力は大きい。翼の形状や径の大きさにもよるが、中心から半径の約1/2よりも外周側で大きな吸い込み力が得られる。このことから、仕切り板15の長手方向(X方向)の長さは、吸い込み力が大きい部分まで長くするとよい。即ち、短くても半径の1/2程度の長さがあったほうが好ましい。また、長い場合には翼外周円29a、29bの外周端よりも長くてもよく、送風室1の端から端までの長さでもよい。
また、仕切り板15は上流側先端16aので気流を分流し、傾斜した側面部15c、15dで気流をファン5a、5bに導いている。このため、外形が同じで、中空で構成してもよい。
以上のように、室外機本体30内に並設され、外部空気を吸い込み翼間を通過させ吹出口9に導く気流を形成する少なくとも2つのファン5a、5bと、前記ファン5a、5bの各々の吹出口9の外周を囲むように設けられ前記吹出口9近傍の風路を構成するベルマウス7a、7bと、前記ファン5a、5bの吸込み側に設けられ吸い込まれる空気と熱交換する熱交換器10と、前記室外機本体30内で前記2つのファン5a、5bの間に設けられ、長手方向が前記ファンの回転軸22a、22bを含む平面(Y−Z平面)に略垂直な方向(X方向)に伸びる仕切り板15と、を備え、前記仕切り板15の長手方向(X方向)に垂直な断面は、前記ファン5a、5bを構成する前記翼の上流端21a、21bと前記熱交換器10との間に位置する上流側先端16aと、2つの前記ベルマウス7a、7bのそれぞれの近傍に配置され前記ベルマウスの上流端17a、17bよりも下流側に位置する2つの下流側底部16b、16cと、前記上流側先端16aと前記下流側底部16b、16cのそれぞれを接続する2つの側面部15c、15dと、を有すると共に、前記2つの側面部15c、15d間の距離が、前記下流側底部16b、16c側よりも上流側で短い形状であって、前記熱交換器10を通過した空気が、前記仕切り板15の前記上流側先端16aで分流され、前記側面部15c、15dに沿って流れてそれぞれの前記ファン5a、5bに導かれるように構成されていることを特徴とすることにより、ファン5a、5bの間に生じる渦を防止して室外機本体30内の空気の流れをスムーズにできると共に、仕切り板15による摩擦抵抗増加を抑制でき、高風量化及びファンの電力を低減できる冷凍サイクル装置の室外機が得られる。さらに乱れを低減できることで、低騒音化が実現できる。
また、仕切り板15の長手方向(X方向)に垂直な断面形状は、上流側先端16aを頂点とし、2つの下流側底部16b、16cを接続して底辺15eとし、前記2つの側面部15c、15dを二辺とする略三角形であることを特徴とすることにより、室外機本体30内の空気の流れをスムーズにでき、ファンの電力を低減できる冷凍サイクル装置の室外機が得られる。
実施の形態2.
図11は本発明の実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の室外機本体30の内部を示し、熱交換器10を取り除いて示す斜視図である。本実施の形態でも実施の形態1と同様、上下2つのベルマウス7a、7b間の正面パネル8に、略三角柱形状の仕切り板15を設ける。図12は、図11のXII−XII線における断面図である。図において、実施の形態1と同一符号は、同一または相当部分を示す。仕切り板15の断面形状は、上流側先端16aを頂点とし、2つの下流側底部16b、16cを接続して底辺15eとし、2つの側面部15c、15dを二辺とする略三角形を成す。さらに、上流側先端16aはX方向に伸びるように設けている。実施の形態1と同様、仕切り板15を設けることで、ベルマウス7a、7bの間に発生する渦や気流の乱れを防止し、風量が低減するのを防止できる。このため、ファンの合計電力を低減できる効果がある。
さらに、本実施の形態では、仕切り板15の長手方向(X方向)に垂直な断面形状で、上流側先端16aは、2つのファン5a、5bのうちの通風抵抗の大きい方のファン5aに近い位置に偏って配置される。即ち、上流側先端16aが上下2つのファン中心軸22a、22bを結ぶ線分の中央の位置23よりも片方のファン5aの方に偏っていることを特徴とする。
以下、ファンの風量と電力の関係について説明する。
ファンの電力(仕事)は、効率を1とすると、ファンの昇圧(△P)×風量(Q)で表わされる。室外機本体30の動作時には、搭載されたファンの昇圧と風路の圧力損失(抵抗)は釣り合っている。即ち、ファンの昇圧(△P)は室外機本体30の風路の圧力損失(△PD)と言い換えることができる。風路の圧力損失(△PD)とは、風路の途中に配置されている熱交換器10、セパレータ3、ベルマウス7、ファングリルなどを通過するために消費するエネルギー損失を表し、文献によると風速(V)の2乗に比例する。ここで、文献は、例えば初級標準テキスト 冷凍空調技術 日本冷凍空調学会 第267頁である。また、風速(V)=風量(Q)/面積(S)であるため、ファンの電力は以下のように表される。
ファンの電力=ファンの昇圧(△P)×風量(Q)
=風路の圧力損失(ΔPD)×風量(Q)
∝(風速(V))**2×風量(Q)
∝(風量(Q)/面積(S))**2×風量(Q)
∝(風量(Q))**3
上記のことからファンの電力は風量(Q)の3乗に比例する。今、2つのファン5a、5bを搭載した室外機本体30で、ファン5a、ファン5bの電力をそれぞれW1、W2、通過風量をQ1、Q2とすると、ファン全体の電力WはW1+W2となり、風量QはQ1+Q2となる。
例えば、仮に2つのファン5a、5bの合計風量Qが一定値100の場合のファンの電力Wを検討する。図13は、2つのファン5a、5bの抵抗係数が等しい時の電力を示すグラフであり、ファン1をファン5a、ファン2をファン5bとし、横軸にファン5aの風量、縦軸に電力を示す。このグラフの横軸において、ファン全体の風量を100としているので、ファン5bの風量は(100−ファン5aの風量)である。即ち、ファン5aの風量が0−100に対応し、ファン5bの風量は、100−0となる。横軸に示したファン5aの風量に対するファンの電力を点線の曲線、ファン5bの風量に対するファンの電力を一点鎖線の曲線、合計電力を実線の曲線で示す。2つのファン5a、5bの抵抗係数が同じ場合は、図13に示すように、Q1=50、Q2=50、即ちQ1及びQ2が全風量の1/2の時に合計電力Wが最小になる。ここで、抵抗係数は、通風抵抗に関連する数値であり、抵抗係数が等しいということは、2つのファン5a、5bの風路の状態が全く同じであることを意味する。
以下の式1は電力Wを示す。
Figure 0005240239
式1でk1はファン5aの比例定数、k2はファン5bの比例定数であり、この値は通風抵抗に関連するので、ここでは抵抗係数と称している。ファン5aとファン5bの抵抗係数が同じ時には、k1=k2=kと表されるので、式2のように変形できる。ここで、Q1はファン5aの風量を示し、Q2はファン5bの風量を示す。
Figure 0005240239
式2から明らかなように、電力WはQ1=Q0/2で最小値をとる。図13はこの状態を示したグラフである。
室外機本体30に複数、例えば2つのファン5a、5bを搭載した場合、例えばファン5a、5bの大きさが等しい場合でも、その周囲に設置される機器等によって、通風抵抗は異なってくる。本実施の形態では上方に基板箱14が設置されており、ファン5aが形成する風路において、障害物となっている。このため、ファン5aとファン5bの通風抵抗を比較すると、ファン5aの通風抵抗はファン5bの通風抵抗よりも大きい。式1における抵抗係数k1、k2は通風抵抗と同等であるので、抵抗係数k1>k2となる。式1において、W>0で最小値となるQ1を求めると、式3に示すようになる。
Figure 0005240239
即ち、式3の不等式で表されるように、W>0で最小となるQ1は、Q0/2よりも小さくなり、図14はこの状態を示したものである。図13と同様、横軸にファン5aの風量、縦軸に電力を示す。2つのファン5a、5bの抵抗係数が異なる時、例えばファン5aがファン5bの4倍の抵抗係数であるときの電力を示す。ここでも、ファン5aの電力を点線の曲線、ファン5bの電力を一点鎖線による曲線、合計電力を実線の曲線で示す。図に示すように、合計電力はファン5aの風量が35、ファン5bの風量が65付近で最小を示し、合計電力Wが略21程度で最小になる。2つのファン5a、5bの抵抗係数が異なる時には、ファン5aとファン5bの風量を同一にすると合計電力は増加する。合計電力の曲線からわかるように、抵抗係数が大きいファン5aの風量を減少させ、抵抗係数が小さいファン5bの風量を増加すれば、合計電力Wを小さくすることができる。
ここで、通風抵抗は、ファンを動作させることで発生する気流の通り路となる風路において、風路内の障害物、風路長さ、風路断面積、風路形状(単純・複雑)、風路壁の状態などによって差ができる。気流が通りやすい時に通風抵抗が小さく、気流が通りにくいときに通風抵抗が大きくなる。
本実施の形態に係る仕切り板15は、上流側先端16aが、2つのファン5a、5bの中央ではなく、ファン5a、5bの回転軸22a、22bを結ぶ線分の中点23よりもファン5a側に近い位置に偏るように構成される。このように仕切り板15の上流側先端16aを偏るように構成することで、熱交換器10を通過した気流は、上流側先端16a付近で分流される際、上流側先端16aがファン5a側に偏っている分だけ、ファン5aよりもファン5b側に誘導される。その結果、通風抵抗が大きいファン5aを通過する風量を減少させ、通風抵抗が小さいファン5bを通過する風量を増加させることができる。このため、ファン5a、5bの合計電力Wを小さくすることができる。
なお、上記では仕切り板15の形状として、断面が不等辺三角形としたが、これに限るものではない。例えば正三角形でも、二等辺三角形でもよい。仕切り板15の上流側先端16aの位置を、通風抵抗が大きくなるファン、ここではファン5a側に偏って配置すればよい。仕切り板15の上流側先端16aの位置に応じて、熱交換器10を通過した気流をファン5a、5bに偏って導くことができる。これを利用して、抵抗係数の小さなファン5bにより多くの風量の気流を導くことで、ファンの電力を低減できる。
仕切り板15の上流側先端16aの位置の偏り度合いは、ファン5a、5bの風路抵抗の差に応じて設定すればよい。例えば、ファン5aの風路抵抗がファン5bの風路抵抗よりも4倍大きいとしてファン5a側に上流側先端16aを配置したが、ファン5aの風路抵抗がファン5bの風路抵抗よりももっと大きい場合には、上流側先端16aの位置をもっとファン5a側に配置すればよい。
ここで、仕切り板15の長手方向(X方向)の長さやZ方向の長さに関しては、実施の形態1と同様である。また、仕切り板15の室外機本体30への固定の方法や中空構成でもよいことも、実施の形態1と同様である。
以上のように、本実施の形態によれば、仕切り板15の長手方向(X方向)に垂直な断面形状で、上流側先端16aを、2つのファン5a、5bのうちの通風抵抗の大きい方のファン5aに近い位置に偏って配置することにより、ファン5a、5bに吸い込まれる風量を偏らせることができ、ファンの合計電力を低減することができる冷凍サイクル装置の室外機が得られる。
実施の形態3.
図15は本発明の実施の形態3に係る冷凍サイクル装置の室外機本体30の縦断面を示す構成図である。本実施の形態では、室外機本体30に搭載された2つの異なるファン径を有するファン5a、5bで、例えば24a<24bとし、上側に配置するファン5aの径24aが、下側に配置するファン5bの径24bに比べて小さい。このように室外機本体30に複数のファンを搭載する場合、ファンの大きさは全て同じであるとは限らない。例えば上側のファン径24aを、下側のファン径24bに比べて小さい構成とすれば、上側のファンを軽くし、重心を下げて運転時の振動を抑制することができる。また、室外機本体30内で、ファンモータや圧縮機を動作させる基板を格納した基板箱14を配置するスペースによっては、複数のファンを全て同じ大きさにできない場合がある。
本実施の形態でも実施の形態1と同様、上下2つのベルマウス7a、7b間の正面パネル8に、略三角柱形状の仕切り板15を設ける。図において、実施の形態1と同一符号は、同一または相当部分を示す。仕切り板15の断面形状は、上流側先端16aを頂点とし、2つの下流側底部16b、16cを接続して底辺15eとし、2つの側面部15c、15dを二辺とする略三角形を成す。さらに、本実施の形態では、仕切り板15の長手方向(X方向)に垂直な断面形状で、上流側先端16aは、2つのファン5a、5bのうちの送風能力の小さい方のファン5aに近い位置に偏って配置される。即ち、上流側先端16aが上下2つのファン中心軸22a、22bを結ぶ線分の中央の位置23よりも、ファン径の小さい方のファン5aの方に偏っていることを特徴とする。
ファン径が異なる2つのファン5a、5bの電力W1、W2は、それぞれのファン径をD1、D2、回転数をN1、N2、風量をQ1、Q2とすると、式4に示す関係がある(文献:初級標準テキスト冷凍空調技術 日本冷凍空調学会発行 第270頁)。
Figure 0005240239
両式から回転数Nを消去すると、式5が成り立ち、電力Wは風量Qの3乗とファン径Dの−4乗に比例することがわかる。
Figure 0005240239
実施の形態2の式1、式2では、2つのファン5a、5bのファン径を同一としたためファン径D比の−4乗の項は省かれている。式4に基づくと、径が異なる2つのファン5a、5b(ファン5aの径D1<ファン5bの径D2とする)が同一風量で運転するとき、W1>W2となるので、ファン径が小さいファン5aの電力の方が大きくなる。
図16は、2つのファン5a、5bのファン径が異なる時の電力を示すグラフであり、横軸にファン径が大きい方のファン5bの風量、縦軸に電力を示す。このグラフの横軸において、ファン全体の風量を100としているので、ファン5aの風量は(100−ファン5bの風量)である。例えば、ファン5aのファン径を300mm、ファン5bのファン径を400mmとし、2つのファン5a、5bの合計風量を100に固定する。ここでも、ファン5aの電力を点線の曲線、ファン5bの電力を一点鎖線による曲線、合計電力を実線の曲線で示す。図に示すように、合計電力はファン5aの風量が35、ファン5bの風量が65付近で最小を示し、合計電力Wが略41程度で最小になる。2つのファン5a、5bのファン径が異なる時には、ファン5aとファン5bの風量を同一にすると合計電力は増加する。合計電力の曲線からわかるように、ファン径が大きいファン5bの風量を増加し、ファン径が小さいファン5aの風量を減らせば、合計電力Wを小さくすることができる。
本実施の形態における仕切り板15は、上流側先端16aが、2つのファン5a、5bの中央ではなく、ファン5a、5bの回転軸22a、22bを結ぶ線分の中点23よりもファン径が小さいファン5a側に近い位置に偏るように構成される。このように仕切り板15の上流側先端16aを偏るように構成することで、熱交換器10を通過した気流のうち、上流側先端16aよりも上側の気流は、上側のファン5aに誘導され、上流側先端16aよりも下側の気流は、下側のファン5aに誘導される。このように仕切り板15の上流側先端16aを偏るように構成することで、熱交換器10を通過した気流は、上流側先端16a付近で分流される際、上流側先端16aがファン5a側に偏っている分だけ、ファン5aよりもファン5b側に誘導される。その結果、ファン径が小さいファン5aを通過する風量を減少させ、ファン径が大きいファン5bを通過する風量を増加させることができる。このため、2つのファンの合計電力Wを小さくすることができる。
なお、図15の構成例とは逆に下側のファン5bのファン径が上側のファン5aのファン径よりも小さい場合は、仕切り板15の上流側先端16aをファン5bに近い位置に偏って配置するように、上下を逆に構成すれば同様の効果が得られる。
ここでは、実施の形態1、実施の形態2と同様、2つのファン5a、5bの間に仕切り板15を設けることで、ベルマウス7a、7bの間の近傍に発生する渦や気流の乱れを防止し、風量が低減するのを抑制できる。このため、使用電力を低減できる効果がある。
図16では、2つのファン5a、5bのファン径が異なる場合について説明したが、これに限るものではない。複数のファン5a、5bの送風能力が異なる場合に、同様に適用でき、送風能力の小さい方の風量を小さくすることでファン合計電力が増加するのを低減できる。
ここで、送風能力は、ファン径、翼の面積、翼枚数等で決定され、送風能力が異なるファンとは、上記のようにファン径が異なるファンを備えた場合の他に、翼面積、翼枚数などが異なると、送風能力が異なる。例えば、翼の面積が異なる場合は(D1/D2)の2乗を面積比として考え、上記と同様にして面積が大きいファンに風量を多く流すようにして全体の電力を抑制することができる。
仕切り板15の上流側先端16aの位置は、2つのファン5a、5bの送風能力を考慮して、どのくらい一方のファン側に近い位置に偏らせるかを決定すればよい。さらに加えて、実施の形態2で述べたように、ファン5a、5bの設置された風路の通風抵抗を考慮して、仕切り板15の上流側先端16aをどのくらい一方のファン側に近い位置に偏らせるかを決定すればよい。このように、仕切り板15の上流側先端16aの位置を偏らせることで、2つのファン5a、5bの風量を異なるようにでき、2つのファン5a、5bの送風能力を十分に発揮させることができる。このため、ファン電力の合計を低減できる効果がある。
例えば、通風抵抗の大きいファンの送風能力が、通風抵抗の小さいファンの送風能力よりも大きい場合には、2つのファン5a、5bの通風抵抗から考慮した風量差と送風能力から考慮した風量差とが打ち消しあうことになる。このような場合には、長手方向(X方向)に垂直な断面で、上流側先端16aを2つのファン5a、5bの回転軸22a、22bを結ぶ線分の中点23上に配置することで、ファンの合計電力を低減できることもある。
以上のように、本実施の形態によれば、仕切り板15の長手方向(X方向)に垂直な断面形状で、上流側先端16aを、2つのファン5a、5bのうちの送風能力の小さい方のファン5aに近い位置に偏って配置することにより、ファン5a、5bに吸い込まれる風量を偏らせることができ、ファンの合計電力を低減することができる冷凍サイクル装置の室外機が得られる。
実施の形態4.
図17は本発明の実施の形態4に係る冷凍サイクル装置の室外機の送風室1を背面側30dから見た斜視図である。ここで、熱交換器を取り除いて示す。また、図18は送風室1の縦断面を示す構成図であり、図18(a)は図19の点線Cにおける断面を示し、図18(b)は図19の点線Dにおける断面を示す。ここで、ファン5a、5bは、実施の形態1と同様、同じ大きさのファンとし、それぞれの配置されている風路における通風抵抗もほぼ同一とする。
仕切り板15の2つの下流側底部16b、16c間の長手方向(X方向)に垂直な方向の長さは、長手方向(X方向)の両端部、例えば両端面15a、15bで中央部よりも長く構成されている。即ち、下流側底辺15eは、例えば正面パネル8に固着され、X方向の中央部はY方向の長さが長さ25cのように短く、両端部、例えば両端面15a、15bでは長さ25dのように長い。図18(a)に示すように、X方向で上下のファン5a、5bの回転軸22a、22bを含む位置での縦断面(断面C)で最小の長さ25cとする。そして、両端側(断面D)に向かうにつれてしだいに長くし、図18(b)に示すように両端面15a、15bで最大の長さ25dとする。
このように下流側底部16b、16c間のY方向の長さを、両端部Dで中央部Cよりも長くした。このため、ベルマウス7a、7bのファン5a、5bに対向する面とは反対側の面である外周面41a、41bと仕切り板15の両側面部15c、15dとの隙間26が小さくなる。従って、仕切り板15からベルマウス7a、7bへ気流を受け渡すことができ、エネルギー損失を抑制できる。即ち、送風室1のX方向のどの位置においても、熱交換器10を通過した気流が、両側面部15c、15dに沿って流れてファン5a、5bに吸い込まれやすくなり、滑らかに吹出口9から機外に吹出される。また、送風室1のX方向のどこにおいても、ベルマウス7a、7b間の隙間で渦が発生しにくくなるため、乱れも小さくなり騒音もさらに低減される。
また、図19は本実施の形態に係る別の構成例である。図17の構成と同様、X方向の中央部分ではY方向の長さを長さ25cのように短く、両端面15a、15bでは長さ25dのように長い。さらに、仕切り板15のベルマウス7a、7bの外周面41a、41bの付近の下流側底部16b、16cは、円形のベルマウス7a、7bの外周面41a、41bに沿って湾曲する形状で構成する。上流側先端16aは、実施の形態1、実施の形態2と同様、X方向に直線状に伸びている。また、上流側先端16aと2つの下流側底部16b、16cを接続する2つの側面部15c、15dは、平面形状ではなく、曲面形状になる。
図17では、下流側底部16b、16cをそれぞれ2つの直線を組み合わせることで、隙間26を小さくしていた。これに対し、下流側底部16b、16cをベルマウス7a、7bの外周面41a、41bに沿って湾曲する形状で構成すれば、さらに隙間26を小さくできる。このため、仕切り板15からベルマウス7a、7bへ気流を受け渡すことができ、エネルギー損失を低減できる。また、外周面41a、41bに沿った下流側底部16b、16のどこにおいても、隙間26を同程度にすれば、ファン5a、5bに吸い込まれる気流がX方向で平均化され、翼間に滑らかに流れるので、翼の風切り音が低減できる。
また、実施の形態2、実施の形態3のように、複数のファン5a、5bの通風抵抗や送風能力が異なる場合について説明する。ファンの大きさや風路の通風抵抗が異なって、抵抗係数が異なる場合には、前述のように抵抗係数が大きくなるほうのファンの風量を減少させることで、ファンの合計電力を低減することができる。このため、仕切り板15の上流側先端16aをY方向に偏らせればよい。即ち、図17または図19のそれぞれにおいて、上流側先端16aを、通風抵抗が大きいファンに近い位置に偏って配置した形状とすれば、電力を低減できる。また、図17または図19のそれぞれにおいて、上流側先端16aを、送風能力が小さいファンに近い位置に偏って配置した形状とすれば、電力を低減できる。
以上のように、本実施の形態によれば、仕切り板15の2つの下流側底部16b、16c間の長手方向(X方向)に垂直な方向の長さ25cは、長手方向(X方向)の両端部15a、15bで中央部よりも長く構成されていることを特徴とすることにより、エネルギー損失を抑制でき、ファンの合計電力を低減できる冷凍サイクル装置の室外機が得られる。
また、仕切り板15の2つの下流側底部16b、16cのそれぞれは、対向するベルマウス7a、7bの外周面41a、41bに沿って湾曲する形状であることを特徴とすることにより、さらにエネルギー損失を抑制でき、ファンの合計電力を低減できる冷凍サイクル装置の室外機が得られる。
仕切り板15の長手方向(X方向)に垂直な断面形状で、上流側先端16aを、2つのファン5a、5bのうちの通風抵抗の大きい方のファンまたは送風の力の小さいファンに近い位置に偏って配置すれば、ファンの合計電力を低減できる冷凍サイクル装置の室外機が得られる。
実施の形態5.
図20は本発明の実施の形態5に係る冷凍サイクル装置の室外機の送風室1を背面側30dから見た斜視図である。ここで、熱交換器、ファンを取り除き、正面パネル8、ベルマウス7a、7b、及び正面パネル8に固定された仕切り板15を示す。また、図21は仕切り板15を示す断面図である。図21において、回転軸28近傍における断面でのベルマウス7の位置も共に示しており、仕切り板15のZ方向の下流側底部16b、16cは正面パネル8に固着しているが、少なくともベルマウス上流端17よりも下流側まで伸びた構成であればよい。
本実施の形態では、ファン5a、5bの間に設けられる仕切り板15の形状は、2つの回転軸22a、22bを含む平面に略垂直な方向であるX方向に伸び、断面形状は、半円又は半楕円形状である。気流の最も上流側に位置する上流側先端16aは、かまぼこ形状である仕切り板15の最も上流側に突出した部分になる。そして、2つのファンに対向する側面部15c、15dは、図21に示すように外側に凸形状の曲線を成している。
ここで示す冷凍サイクルの室外機本体30に搭載されている複数、例えば2つのファンの大きさは同程度であるとし、通風抵抗も同程度であるとする。このため、X−Y平面において、上流側先端16aは、ファンの回転中心28a、28bを結ぶ直線に略垂直で、回転中心28a、28bからほぼ等しい距離に位置し、両側面部15c、15dは対称形をなす。ここで、X―Y平面において、ファン5a、5bの回転軸22a、22bの位置を、それぞれファン5a、5bの回転中心28a、28bとしている。
実施の形態1〜実施の形態4では、X方向に伸びる両側面部15c、15dを平面としていた。本実施の形態では両側面部15c、15dを曲面として、上流側先端16aからベルマウス上流端17側、パネル正面8に固着する下端側底部16b、16cに向かって、曲線で構成する。
風路の一部を構成する壁面に段差や急曲がり部があると、壁面上で渦を発生させてエネルギー損失や騒音増加の原因となる。これに対し、本実施の形態では仕切り板15の両側面部15c、15dを滑らかな曲線としているため、仕切り板15の上流側先端16aからベルマウス7a、7b側へ、より滑らかに気流を受け渡しできる。このため、ファン5a、5bに気流が吸い込まれやすくなり、その結果、エネルギー損失をさらに抑制し、ファン電力の増加を防止できる。さらにスムーズな流れとすることで騒音を低減できる室外機が得られる。
図22は本実施の形態による仕切り板15の別の構成例を示すもので、実施の形態4に示したように、長手方向(X方向)の中央部でY方向に短く、両端部でY方向に長い形状である。仕切り板15の中央部における断面の形状は図21と同様であり、仕切り板15の両端面15a、15b付近における断面の形状は、図21をY方向に少し伸ばした形状である。背面側30dから見た場合には、2つの下流側底部16b、16cのそれぞれが、円形のベルマウス7a、7bの外周面41a、41bに沿って湾曲する形状である。
下流側底部16b、16cをこのように構成することで、送風室1のX方向の端部においても、ベルマウス7a、7bと仕切り板15の隙間が小さくなる。このため、送風室1のX方向のどこにおいても、熱交換器10を通過した気流が、ファン5a、5bに吸い込まれやすくなり、滑らかに機外に放出される。その結果、エネルギー損失を抑制でき、ファンの合計電力を低減できる。また、送風室1のX方向のどこにおいても、ベルマウス7a、7b間の隙間で渦が発生しにくくなるため、乱れも小さくなり騒音もさらに低減される。
複数のファンの大きさが異なる場合や、通風抵抗が異なって2つのファンの抵抗係数が異なる場合、実施の形態2に示したようにファンの風量が異なるように構成する。抵抗係数の大きなファンへの風量を少なくし、他方の抵抗係数の小さなファンへの風量を多くする。このためには、図20や図22で示した仕切り板15の長手方向(X方向)に垂直な断面の断面積を、例えば図23のように構成すればよい。即ち、上流側先端16aを、風量を少なくしたいファン、ここでは図面に向かって上側のファンに近づけるように構成する。
このように構成することで、抵抗係数の大きなファンの風量を、抵抗係数の小さなファンの風量よりも少なくでき、ファンの合計電力を低減できる。また、複数のファンで、送風能力が異なるときも同様であり、送風能力の小さいファンの風量を少なくすることで、ファンの合計電力を低減できる。
仕切り板15の上流側先端16aを、一方のファンに近づけるように構成する際、背面図で上流側先端16aが直線であるように構成してもいいし、近づけるファンのベルマウス7の外周面41a、41bに沿って湾曲するように構成してもよい。
また、仕切り板15の断面形状は図23に示すような形状に限るものではない。図22に示した構成の仕切り板15の全体を、風量を小さくしたいファンの方にずらして正面パネル8に固着しても同様の効果を得ることができる。
また、ここでは、両側面部15c、15dを外側に凸状の曲線で形成したが、外側に凹状の曲線で形成してもよい。また、凸状と凹状を組み合わせた波状としてもよい。
以上のように、本実施の形態によれば、仕切り板15の長手方向(X方向)に垂直な断面形状で、2つの側面部15c、15dのそれぞれは、曲線を成していることを特徴とすることにより、気流がスムーズに流れるので、エネルギー損失を抑制でき、ファンの合計電力を低減できる冷凍サイクル装置の室外機が得られる。
実施の形態6.
図24は本発明の実施の形態6に係る冷凍サイクル装置の室外機の送風室1を示す縦断面図(図24(a))及び背面図(図24(b))である。ここで、図24(b)に示す背面図では、熱交換器、ファンを取り除き、正面パネル8に固定された仕切り板15を示す。
実施の形態1〜実施の形態5のそれぞれでは、室外機に搭載されたファンが2つの場合について示したが、ファンを3つ以上備える構成ついて説明する。具体的には隣接するファン5a、5bとファン5b、5cの間の位置に、仕切り板15を備える。このように仕切り板15を配置すれば、ファンを3つ以上有する室外機でも、風量の低減を防止して効率を高め、合計電力を低減することができる。図24に示した構成は、実施の形態1を適用した実施例である。即ち、2つのファン5の間に、長手方向がファン5の回転軸22を含む平面(Y−Z平面)に略垂直な方向(X方向)に伸びる三角柱形状の仕切り板15を設ける。室外機内に吸い込まれ、熱交換器10で熱交換された空気を、仕切り板15の上流側先端16aによって分流し、スムーズにファン5に気流を誘導できる。このため、ベルマウス7の間の隙間に発生する渦や乱れを防止でき、ファンの合計電力を低減できる効果がある。
また、隣り合うファン5aと5b、またはファン5bと5cの通風抵抗が異なって抵抗係数が異なる構成のときには、仕切り板15の上流側先端16aの位置を抵抗係数の大きいファンに近づけることで、隣り合うファン5の風量を異なるように構成する。3つのファン5の抵抗係数がそれぞれ異なっていても、2つずつのファン5aと5b、またはファン5bと5cの互いの風量を異なるように構成すれば、全体のファンの合計電力を低減することができる。
図24に示した構成では、3つ以上のファン、例えば3つのファン5a、5b、5cを有する構成で、鉛直方向に並んで配置されている。その他の構成、例えば3つのファンが水平方向に並んで配置されている場合でも同様である。また、3つのファンが、背面側から見て回転軸の位置である回転中心が三角形を成すように配置されている場合でも同様である。また、4つのファンの回転中心が四角形を成すように配置されている場合でも同様である。2つずつの隣り合うファンに対し、2つのファン5の間に、2つの回転軸22を含む平面に略垂直な方向に伸びるように仕切り板15を設ければよい。また、隣り合うファン5の通風抵抗が異なって抵抗係数が異なる構成のときには、仕切り板15の上流側先端16aを抵抗係数の大きいファンに近い位置に偏って配置すればよい。このように構成することで、ベルマウスの間に発生する渦や気流の乱れを防止できると共に、通風抵抗の小さいファンの風量を多くすることができ、ファンの合計電力を低減できる効果がある。
複数のファン5の送風能力が異なる場合でも同様であり、2つずつの隣り合うファンに対し、その間に設けた仕切り板15の上流側先端16a送風能力の小さいファンに近い位置に偏って配置することで、送風能力の大きいファンの風量を多くすることができ、ファンの合計電力を低減できる効果がある。
以上のように、3つ以上のファンを有する構成でも、実施の形態1〜実施の形態5のそれぞれと同様の仕切り板15を設けることによって、それぞれと同様の効果を奏することができる。
実施の形態7.
実施の形態1〜実施の形態6では、室外機から吹出す風向きが水平方向の装置について説明したが、例えばビルなどの大型機種に用いられるような、室外機から吹出す風向きが鉛直方向の室外機について説明する。この室外機の場合、複数のファン5a、5bはY方向に並んで配設されている。Z方向は回転軸22a、22bの方向であり、例えば鉛直方向である。また、X方向は、回転軸22a、22bを含む平面(Y−Z平面)に垂直な方向で、例えば水平方向である。
図25は冷凍サイクル装置の室外機本体38を示す斜視図、図26は室外機本体38を示す上面図、図27は2つのファン5a、5bの回転軸を含む平面(Y−Z平面)を示す断面構成図である。図において、実施の形態1と同一符号は同一、または相当部分を示す。なお、この室外機の構成は、複数例えば2つのファン5a、5bを有し、図26の点線で示すように熱交換器10がファン5a、5bのそれぞれをコの字形に取り囲むように配置される。このため、四方の側面38a、38b、38c、38dのうち、三方の側面38a、38b、38cに熱交換器10が配置され、他方の側面38dは閉じた壁面で構成される。ここで、ファン上部に取り付けられるファングリルの図示は省略している。
2つのファン5a、5bが室外機本体38の上面に取り付けられており、ファン5a、5bのそれぞれの吹出口9の外周を囲むように設けられるベルマウス7a、7bは、上面パネル8と例えば一体に構成される。ベルマウス7a、7bは上面パネル8と別体とし、組み立て時に上面パネル8に固定してもよい。この室外機は送風室と機械室の区別は特になく、熱交換器10に冷媒を供給する配管や冷凍サイクルを構成する圧縮機11は、室外機本体38内部の空き空間に配置される。ここでは、例えば一方のファン5bの下方に配置されているとする。
室外機本体38内で、ファン5a、5bの間に、長手方向がX方向に伸びる仕切り板15を設ける。この仕切り板15は、例えば実施の形態1のように三角柱形状で、上流に向かうほど先端が尖る形状で、ベルマウス7a、7b間の上面パネル8に設置される。上流側先端16aは、Z方向で翼上流端21a、21bから熱交換器10の下流端10aの間に位置する。
本実施の形態では、実施の形態2で説明したように、例えば2つのファンの通風抵抗が異なるとする。通常、圧縮機11や配管が置かれた側のファン5bの通風抵抗の方が、ファン5aの通風抵抗と比べて大きくなる。そこで図26に示すように、仕切り板15の上流側先端16aを、通風抵抗が大きいファン5bに近い位置、即ち図に向かって右側に偏って配置すればよい。上流側先端16aは、Y方向で、2つのファン5a、5bの回転軸22a、22bの位置である回転中心28a、28b間の中央の位置23よりも右側に偏って配置する。
ファン5a、5bが回転すると、熱交換器10の設けられている3つの側面38a、38b、38cから吸い込まれる。そして、熱交換器10を通過して熱交換された空気は、矢印Eに示すようにファン5a、5bの下方を通過して上昇し、ファン5a、5bを通過して吹出口9からZ方向の上側に吹出される。
ファン5a、5bの間に流れる気流は、仕切り板15の上流側先端16aでファン5a側とファン5b側とに分流され、下流に流れる。このとき、上流側先端16aがファン5b側の近くに設けられているので、ファン5bよりもファン5aの方に多くの風量の空気が流れる。ファン5bはファン5aよりも通風抵抗が高く抵抗係数が大きい。抵抗係数の低いファン5aに多くの風量の空気が流れることで、風量が同一であるよりもファン5a、5bの合計電力は少なくてよい。このため、省エネルギー化を実現できる効果がある。
もし、ファン5aとファン5bの大きさが同一で、かつ通風抵抗が同一なら、仕切り板15の上流側先端16aを、回転中心28a、28bからほぼ等しい距離である直線上に配置すればよい。このような場合には風量が同一にすることで、ファン5a、5bの合計電力を少なくでき、さらに実施の形態1で説明したように、ベルマウス7a、7bの間に生じる渦や気流の乱れを、仕切り板15で防ぐことができる。このため、風量を大きくでき、同一風量ではファン5の電力を低減でき、省エネルギー化できる効果がある。
なお、鉛直方向から吹出す構成の室外機において、仕切り板15を実施の形態3〜6に示すように構成すれば、実施の形態3〜6で得られる効果と同様の効果を奏する。
以上のように、本実施の形態では、鉛直方向から吹出す構成の室外機においても、実施の形態1〜実施の形態6のそれぞれで示したように、仕切り板15によってファンの合計電力を低減できる冷凍サイクル装置の室外機が得られる。
なお、実施の形態1〜実施の形態7において、仕切り板15の長手方向(X方向)の両端面15a、15bは正面パネル8に垂直でなくてもよい。図1で示した側面30aの内側には熱交換器10があり、この側面30aから外気が取り込まれるため、送風室1の仕切り板15の側面30aに対向する端面、例えば仕切り板15の一方の端面15bは気流に対して垂直でないほうがよい。例えば気流がスムーズにファン5に流れるように傾斜面や曲面で構成すればよい。
また、ファン5を構成する翼の枚数は3枚に限るものではなく、3枚以上でもよい。また、熱交換器10の配置や構成も上記実施の形態のそれぞれに限るものではない。
また、実施の形態1〜実施の形態7では冷凍サイクル装置として、例えば空気調和機の室外機について説明したが、給湯機にも本発明を適用することができる。給湯機では、図2に示す冷凍サイクル装置を構成する2つの熱交換器10、33のうち、一方の温熱を供給する側の熱交換器は、給湯タンク内の水と冷媒とを熱交換する熱交換器で構成する。通常、給湯タンクは室外に別に置かれ、給湯タンク以外の機器が室外機に格納される。このような給湯機でも、他方の熱交換器はファンによって送風される空気と熱交換する構成である。このため、室外機には、複数のファンを備え、ファンによって形成される風路の途中に熱交換器が設置される。この場合にも、複数のファンの間に仕切り板を設けることで、風量の低下を防止してファン電力を低減できる。また、複数のファンの通風抵抗が異なる場合、仕切り板の上流側端部を抵抗係数の大きいファンに近づくように配置することで、ファン電力を低減できる。
1 送風室
2 機械室
3 セパレータ
4 翼
5、5a、5b ファン
6、6a、6b ファンモータ
7a、7b ベルマウス
8 正面パネル
9 吹出口
9a ファングリル
10 熱交換器
11 圧縮機
12 配管
13 基板
14 基板箱
15 仕切り板
15a、15b 端面
15c、15d 側面部
15e 底辺
16a 上流側先端
16b、16c 下流側底部
17a、17b ベルマウス上流端
21a、21b 翼上流端
22 ファン中心軸
27 ボス
30 室外機本体
32 減圧手段
33 熱交換器
38 室外機本体
41a、41b ベルマウス外周面

Claims (6)

  1. 室外機本体内に並設され、外部空気を吸い込み翼間を通過させ吹出口に導く気流を形成する少なくとも2つのファンと、前記ファンの各々の吹出口の外周を囲むように設けられ前記吹出口近傍の風路を構成するベルマウスと、前記ファンの吸込み側に設けられ吸い込まれる空気と熱交換する熱交換器と、前記室外機本体内で前記2つのファンの間に設けられ、長手方向が前記2つのファンの回転軸のそれぞれを含む平面に略垂直な方向に伸びる仕切り板と、を備え、
    前記仕切り板の長手方向に垂直な断面は、
    前記ファンを構成する前記翼の上流端と前記熱交換器との間に位置する上流側先端と、2つの前記ベルマウスのそれぞれの近傍に配置され前記ベルマウスの上流端よりも下流側に位置する2つの下流側底部と、前記上流側先端と前記下流側底部のそれぞれを接続する2つの側面部と、を有すると共に、前記2つの側面部間の距離が、前記下流側底部側よりも上流側で短い形状であって、
    前記熱交換器を通過した空気が、前記仕切り板の前記上流側先端で分流され、前記側面部に沿って流れてそれぞれの前記ファンに導かれるように構成されているとともに、
    前記仕切り板の長手方向に垂直な方向における前記2つの下流側底部間の長さが、前記仕切り板の長手方向において両端部が中央部よりも長く構成されていることを特徴とする冷凍サイクル装置の室外機。
  2. 前記仕切り板の長手方向に垂直な断面形状は、前記上流側先端を頂点とし、前記2つの下流側底部を接続して底辺とし、前記2つの側面部を二辺とする略三角形であることを特徴とする請求項1記載の冷凍サイクル装置の室外機。
  3. 前記仕切り板の長手方向に垂直な断面形状で、前記上流側先端は、2つの前記ファンのうちの通風抵抗の大きい方のファンに近い位置に偏って配置されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷凍サイクル装置の室外機。
  4. 前記仕切り板の長手方向に垂直な断面形状で、前記上流側先端は、2つの前記ファンのうちの送風能力の小さい方のファンに近い位置に偏って配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の冷凍サイクル装置の室外機。
  5. 前記仕切り板の前記2つの下流側底部のそれぞれは、対向する前記ベルマウスの外周面に沿って湾曲する形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の冷凍サイクル装置の室外機。
  6. 前記仕切り板の長手方向に垂直な断面形状で、前記2つの側面部のそれぞれは、曲線を成していることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の冷凍サイクル装置の室外機。
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