JP5239780B2 - 画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像表示装置に関する。
従来から、大画面の画像を表示可能な装置の1つとしてプロジェクタが知られている。プロジェクタは、例えば照明装置、空間光変調装置、投射レンズ等を備えている。照明装置から射出された照明光は、液晶ライトバルブ等の空間光変調装置により画像を示す画像光になる。この画像光が投射レンズにより拡大投射され、直視型画像表示装置よりも容易に大画面の画像が得ることができる。このような構成のプロジェクタは、一般に装置が大型であり重いため、机上等に設置して用いられることが多い。
近年、携帯可能な程度に小型のプロジェクタに対する要望が高まっている。具体的な用途として、例えば、携帯電話や携帯情報端末(PDA)等の電子機器に小型のプロジェクタを内蔵、あるいは接続して表示を拡大する用途が考えられる。携帯型の電子機器は、携帯性を向上させる観点から表示部が小さくなっているが、小型のプロジェクタにより表示を拡大して見やすくすることができる。これにより、手軽に複数人数で同じ画像を観賞することも可能になる。
プロジェクタを小型にする技術として、特許文献1に開示されている技術が挙げられる。図11に示すように、特許文献1の投射型表示装置1000において、PC等の信号源1100から供給された電気信号は、インターフェース回路1001により画像信号と同期信号とに分離される。画像信号は、画像信号処理回路1002によりガンマ処理等がなされた後に変調回路1003に伝達される。変調回路1003は、伝達された画像信号に基づいて、レーザ光源1004から射出される光Lを変調する。レーザ光源1004から射出された光Lは、コリメート光学系1005により平行化された後、集光光学系1006により集光され、走査光学系1007を経て被投射面1200に結像する。一方、インターフェース回路1001により分離された同期信号は、タイミング生成回路1008によりタイミング信号に変換され、ミラー駆動回路1009に伝達される。ミラー駆動回路1009は、タイミング信号に基づいて、走査光学系1007を構成する水平偏向ミラー1010や垂直偏向ミラー1011等を駆動する。走査光学系1007に入射した光は、走査光学系1007によりスクリーン等の被投射面1200上を走査し、画像を描画するようになっている。
このような走査型のプロジェクタにあっては、画像形成装置や照明光学系、投射光学系の構成を簡略化あるいは省略することができ、携帯可能な程度まで装置を小型化することが可能である。しかしながら、実際に特許文献1の走査型のプロジェクタを手に持って画像を投射すると、手振れ等により画像にゆれを生じて画像品質が低下してしまう。
画像のゆれを低減する技術としては、特許文献2に開示されている技術が挙げられる。特許文献2の投射型画像表示装置は、特許文献1の投射型表示装置の構成要素に加えて、センサや制御回路、駆動部、角度可変プリズム等を有している。センサが検知した装置の姿勢変化量に基づいて、制御回路が画像のゆれの補正量を算出する。駆動部が補正量に基づいて角度可変プリズムを駆動することにより、走査光学系から射出される光の光軸が調整される。これにより、手振れによる画像のゆれを補正することができる。
特開2003−21800号公報 特開2006−138939号公報
特許文献2の技術によれば、手振れによる画像のゆれをなくすことができるが、一方で特許文献1の投射型画像表示装置に比べてスペックルノイズを生じやすくなる。これは、特許文献1、2のような走査型のプロジェクタにあっては、通常はレーザ光源が用いられており、画像が固定位置に表示されるとレーザ光の干渉パターンが視認されやすくなるためである。特許文献2の技術では、結局のところスペックルノイズにより画像品質が低下してしまい、良好な画像が得られなくなってしまう。
本発明は、前記事情に鑑み成されたものであって、画像のゆれとスペックルノイズとがともに低減された画像表示装置を提供することを目的の1つとする。
本発明の画像表示装置は、画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置の動きを検出する検出装置と、前記画像形成装置の動きによる前記画像のゆれを補正する補正装置と、前記検出装置の検出結果を示す検出信号に基づいて、所定の設定値よりも高周波の前記画像のゆれを無くすように補正するとともに前記設定値よりも低周波の前記画像のゆれを与えるように補正する補正信号を決定し、この補正信号により前記補正装置を制御する制御装置と、を含み、前記制御装置が、前記低周波の前記画像のゆれに対応する低周波信号を生成する信号生成部と、前記低周波信号を前記制御装置で決定される前記補正信号に加算する加算部と、を含んでいることを特徴とする。

このようにすれば、表示された画像は、所定の設定値よりも高周波のゆれを無くすように補正されているので、高周波のゆれにより視認者が画像を視認できなくなることが回避され、視認性の低下による画像品質の低下が防止される。
また、表示された画像は、設定値よりも低周波のゆれを与えるように補正されているので、視認者が画像を視認する上で支障がない程度の低周波のゆれが残留している。したがって、画像の視認性が確保されるとともに、画像を示す光の干渉パターンが時間的にあるいは空間的に変化するようになり、スペックルノイズが視認されなくなる。
以上のように本発明の画像表示装置によれば、画像形成装置のゆれに起因する画像のゆれによる視認性の低下と、スペックルノイズによる画像品質の低下とがともに低減され、高品質な画像が得られる。
ここでいう「低周波の前記画像のゆれを与える」ことは、表示された画像に低周波のゆれを与えることであり、画像のゆれとしては画像形成装置のゆれに起因するものであってもよいし、制御装置により付与されたものであってもよい。
また、前記制御装置が、前記低周波の前記画像のゆれに対応する低周波信号を生成する信号生成部と、前記低周波信号を前記制御装置から出力される前記補正信号に加算する加算部と、を含んでいる構成にしてもよい。
画像形成装置にゆれが付加されている場合には、前記の説明と同様の理由により、画像のゆれとスペックルノイズとがともに低減される。
画像形成装置にゆれがほとんど付加されていない場合には、高い周波数の画像のゆれがほとんど生じていないので、画像のゆれによる視認性の低下がほとんどない。このような場合に、通常であればスペックルノイズが視認されやすくなる。一方、前記の構成によれば、低周波の画像のゆれが信号生成部により付加されるのでスペックルノイズが低減される。
以上のように、前記の構成によれば画像形成装置のゆれの程度によらずに、画像のゆれによる視認性の低下と、スペックルノイズによる画像品質の低下とがともに低減される。したがって、使用状態によらずに高品質な画像が得られる画像表示装置になり、多様な使用方法に対応可能な利便性の高い画像表示装置になる。
また、前記加算部は、前記検出信号のレベルが所定の規定値以下である場合に該検出信号を前記低周波信号に置き換えるとともに、前記検出信号のレベルが前記規定値よりも大きい場合に前記低周波信号を加算せずに該検出信号を出力する構成であってもよい。
検出信号のレベルが規定値以下である場合、例えば画像形成装置のゆれがほとんど付加されていない場合には、低周波の画像のゆれが信号生成部により付加され、スペックルノイズが低減される。検出信号のレベルが規定値よりも大きい場合には、前記のような加算部が設けられていない場合と同様に、画像のゆれによる視認性の低下と、スペックルノイズとがともに低減される。
以上のように、前記の構成によれば画像形成装置のゆれの程度によらずに、画像のゆれによる視認性の低下と、スペックルノイズによる画像品質の低下とがともに低減される。したがって、使用状態によらずに高品質な画像が得られる画像表示装置になり、多様な使用方法に対応可能な利便性の高い画像表示装置になる。
また、前記制御装置が、前記画像形成装置に供給される画像信号に含まれる高域周波数成分の比率を検出するとともに前記比率が高くなるほど前記低周波信号の周波数と前記低周波信号の振幅との少なくとも一方を低く設定する高域成分検出部を含んでいる構成にしてもよい。
一般に、画像信号に含まれる高域周波数成分の比率が高くなるほど、画像における階調分布が不均一になり、平易な表現をすれば画像において微細なパターンが多くなる。すなわち、高域周波数成分の比率が高くなるほど、スペックルノイズは視認されにくくなるが、画像のゆれにより微細なパターンを追従することが難しくなり、視認性の低下が顕著になる。逆に、高域周波数成分の比率が低くなるほど、画像のゆれによる視認性の低下が生じにくくなるが、スペックルノイズが視認されやすくなる。
前記の構成によれば、高域周波数成分の比率が高くなるほど、低周波信号の周波数と低周波信号の振幅との少なくとも一方が低く設定されるので、視認者が微細なパターンを十分に追従することができ、画像のゆれによる視認性の低下がほとんど生じない。また、高域周波数成分の比率が高くなるほど、スペックルノイズが空間的に平滑化されて視認されにくくなる。したがって、周波数や振幅を低く設定しても、スペックルノイズを十分に防止することができる。
また、高域周波数成分の比率が低くなるほど、低周波信号の周波数と低周波信号の振幅との少なくとも一方が高く設定されるので、スペックルノイズを確実に防止することができる。また、高域周波数成分の比率が低くなるほど画像における微細パターンの比率が少なくなるので、周波数や振幅を高く設定しても画像ゆれによる視認性の低下がほとんど生じない。
以上のように、前記の構成によれば、高域周波数成分の比率が高い画像において画像のゆれによる視認性の低下と、スペックルノイズによる画像品質の低下とがともに防止され、かつ高域周波数成分の比率が低い画像においても画像のゆれによる視認性の低下と、スペックルノイズによる画像品質の低下とがともに防止される。
また、前記制御装置が、前記低周波の画像のゆれに対応する前記検出信号の成分のレベルを低下させて出力するハイパスフィルタと、前記ハイパスフィルタから出力された検出信号に含まれる周波数成分に対応する前記画像のゆれを補正する補正信号を算出する演算部と、を含んでいる構成にしてもよい。
ハイパスフィルタから出力された検出信号は、低周波の画像のゆれに対応する成分のレベルが低下しているので、この検出信号に含まれる成分による画像のゆれを補正すると、画像形成装置の実際のゆれに対して低周波の画像のゆれの補正量が不足する。したがって、低周波の画像のゆれが残留し、画像のゆれによる視認性の低下と、スペックルノイズによる画像品質の低下とがともに低減される。このように、前記の構成によれば画像形成装置のゆれを利用してスペックルノイズを低減することができ、装置の構成をシンプルにすることができる。
また、前記画像形成装置が、光を射出する光源部と、前記光源部から射出される光を変調する変調部と、前記変調部により変調された光を被投射面に走査する走査光学系と、を含んでおり、前記補正装置が、前記走査光学系から射出される光の光軸を前記補正信号に応じて変化させるものである構成にしてもよい。
このようにすれば、画像形成装置として走査型のプロジェクタを構成することができる。走査型のプロジェクタによれば、照明光学系や空間光変調装置、投射光学系等の構成を簡略化あるいは省略することができ、装置を小型にすることができる。
また、前記設定値が、1Hz以上2Hz以下の範囲から選択されることが好ましい。
詳しくは、[発明を実施するための最良の形態]で説明するが、設定値が1Hz以上2Hz以下の範囲から選択されていれば、スペックルノイズがほぼ確実に視認されなくなるとともに、画像のゆれに対して十分な視認性が確保される。
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。以降の説明では図面を用いて各種の構造を例示するが、構造の特徴的な部分を分かりやすく示すために、図面中の構造はその寸法や縮尺を実際の構造に対して異ならせて示す場合がある。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のプロジェクタ(画像表示装置)1の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、プロジェクタ1は、画像信号処理系(変調部)10、レーザ光源(光源部)11、リレー光学系12、走査光学系13、及び光軸調整系14を含んでいる。本実施形態では、次に説明するように、画像信号処理系10、レーザ光源11、リレー光学系12、及び走査光学系13により画像形成装置が構成されている。
PC等の信号源8から供給された電気信号は、画像信号処理系10により処理されて、レーザ光源11や走査光学系13に伝達される。レーザ光源11は電気信号に応じた光Lを射出し、光Lはリレー光学系12を経て走査光学系13に入射する。走査光学系13に入射した光Lは、走査光学系13により電気信号に応じた方向に射出された後、プロジェクタ1の装置ゆれに応じて光軸が光軸調整系14により調整され、壁やスクリーン等の被投射面9を走査する。このようにして、被投射面9に光Lにより画像が描画(形成)される。
画像信号処理系10は、インターフェース101、画像信号処理回路102、変調回路103、タイミング生成回路104、及びミラー駆動回路105を含んでいる。インターフェース101は、信号源8から画像信号や同期信号を含んだ電気信号を受け取り、この電気信号を画像信号と同期信号とに分離する。分離された画像信号は画像信号処理回路102に伝達され、分離された同期信号はタイミング生成回路104に伝達される。
タイミング生成回路104は、画像の解像度や切換速度(フレームレート)、走査方式等に応じて、画像に含まれる複数の画素に対して画素ごとの表示タイミングを示すタイミング信号を生成する。例えば、信号源8から供給される電気信号において階調等の画素データが、主走査方向(例えば水平方向)の一方に向かう走査を繰り返す走査方式用に並んでいるとする。また、走査光学系13は、主走査方向の一方に向かう走査と、他方に向かう走査とを交互に行う走査方式であるとする。このような場合には、信号源8から供給される電気信号に対して走査ごとに画素データの並びを反転させる必要がある。タイミング信号により、信号源8から供給される画像信号をプロジェクタ1の走査方式に整合した形式に変換することが可能になっている。生成されたタイミング信号は、画像信号処理回路102やミラー駆動回路105に伝達される。ミラー駆動回路105は、タイミング信号に基づいて、走査光学系13を構成する第1偏向ミラー131、第2偏向ミラー132の駆動量を走査光学系13に出力する。
画像信号処理回路102は、画像信号にガンマ処理等の各種画像処理を行うとともに、画像信号に含まれる画素データが走査される時間順次で変調回路103に伝達されるように、タイミング信号に基づいて画像信号を調整する。例えば、1フレーム分の画像に含まれる複数の画素について階調等の画素データをフレームバッファに記憶させておき、この画素データを走査される時間順次で読出して、変調回路103に伝達する。例えば、インターフェース101から受け取った画像信号において、画素データが主走査方向の一方に向かって並んでいる場合には、例えば走査線1本分に相当する複数の画素の画素データをラインメモリに記憶させておく。走査線ごとに線順次で画素データを読出すとともに、次の走査では読出す方向を反転させる。
変調回路103は、レーザ光源11から射出される光Lの強度が画素ごとの階調に対応して時間変化するように、画像信号に基づいてレーザ光源11の出力を調整する。なお、レーザ光源11は、射出する光の波長が異なる複数の半導体レーザ素子を含んでいる。変調回路103は、複数の半導体レーザ素子のそれぞれに対して出力を調整する。
本実施形態のレーザ光源11は、その詳細な構造を図示しないが、赤色光を射出する半導体レーザ素子と、緑色光を射出する半導体レーザ素子と、青色光を射出する半導体レーザ素子とを含んでいる。3つの半導体レーザ素子から射出した光は、ダイクロイックプリズム等の色合成素子により合成され、レーザ光源11から合成された光Lが射出される。
リレー光学系12は、コリメート光学系121及び集光光学系122を含んでいる。
レーザ光源11から射出された光Lは、コリメート光学系121により平行化された後に、集光光学系122により集光される。リレー光学系12に関しては、画像形成装置の構成に応じて、適宜変更することができる。例えば、光源から射出される光の平行度が極めて高い場合には、リレー光学系を簡略化、あるいは省略することもできる。また、光源から射出される光の光軸に直交する面における光束の断面形状や寸法を調整する機能(ビーム成形機能)等をリレー光学系に持たせてもよい。
走査光学系13は、入射光の光軸を被投射面において主走査方向に変化させる第1偏向ミラー131と、入射光の光軸を被投射面において副走査方向に変化させる第2偏向ミラー132とを含んでいる。例えば、主走査方向は被投射面における水平方向であり、副走査方向は被投射面において水平方向と直交する垂直方向である。例えば、第1偏向ミラー131はMEMS技術等により形成されるマイクロメカニカルミラーにより構成され、第2偏向ミラー132はガルバノミラー等により構成される。
第1偏向ミラー131は、ミラー駆動部(図示略)に駆動される。ミラー駆動部は、ミラー駆動回路105から駆動量を受け取り、所定の回転軸まわりに第1偏向ミラー131を駆動量に応じた角速度、振幅で回転させる。これにより、第1偏向ミラー131において光が入射する面の法線方向が、入射する光Lの光軸に対して変化し、この面で反射した光の光軸がタイミング信号に応じて変化する。第2偏向ミラー132は、第1偏向ミラー131と同様にミラー駆動部により駆動される。ここでは、第1偏向ミラー131が、その固有の共振周波数で動作する。主走査方向の一方に向かう走査、他方に向かう走査のいずれにおいても画像が描画される。
光軸調整系14は、センサ(検出装置)15、制御装置16、駆動部17、及び角度可変プリズム18を含んでいる。駆動部17と角度可変プリズム18とが補正装置を構成している。光軸調整系14の詳細な構成については後述するが、光軸調整系14は、概略すると以下のような機能を有している。センサ15は、画像形成装置の動きを検出し、検出結果(検出信号)を制御装置16に出力する。制御装置16は、検出信号に基づいて画像形成装置の動きによる画像のゆれを補正するのに必要な補正量を算出して、補正量を示す補正信号を駆動部17に出力する。駆動部17は、補正信号に基づいて角度可変プリズム18を駆動する。角度可変プリズム18は、補正量に応じて走査光学系13から射出された光Lの光軸を調整する。このようにして、被投射面9に形成される画像のゆれを補正することが可能になっている。
図2は、光軸調整系14の構成を示す模式図である。
センサ15は、画像形成装置のゆれ(動き)を検出するものである。本実施形態のセンサ15は、プロジェクタ1の筐体に設けられた加速度センサ等により構成されている。センサ15は、プロジェクタ1の加速度を示す検出信号を制御装置16に出力する。
加速度センサとしては、併進移動の加速度を検出するものや、回転の加速度を検出する角速度センサ等が挙げられる。センサ15を構成する加速度センサの種類や数については、プロジェクタ1の用途に応じて適宜選択することができる。例えば、独立した2つの方向、例えば主走査方向と副走査方向とに対して、それぞれの方向における併進移動の加速度を検出する2つの加速度センサによりセンサ15を構成してもよい。さらに、所定の回転方向の角速度を検出する角速度センサを3つの加速度センサに適宜追加してセンサ15を構成してもよい。また、画像形成装置のゆれの主たる方向が予測される場合には、予測される方向における併進運動の加速度のみを検出すれば、画像形成装置の動きをほぼ検出することができる。例えば、画像形成装置の動きが手振れによる場合には、画像形成装置のゆれが主として主走査方向の併進運動のみになることもありえる。この場合には、主走査方向における併進運動の加速度のみを検出すればよい。
本実施形態の制御装置16は、ハイパスフィルタ161と、演算回路162とを含んでいる。ハイパスフィルタ161は、センサ15から検出信号を受け取り、検出信号における低周波の成分のゲインを低下させて演算回路162に出力する。ハイパスフィルタ161の周波数特性については後述する。演算回路162は、ハイパスフィルタ161を経た検出信号に含まれる成分による画像のゆれを補正するように補正量を算出する。具体的には、走査光学系13から射出された光Lの光軸が、検出信号に含まれる成分に対応するゆれにより所望の方向から変化する分だけ、光Lの光軸を所望の方向に戻すように角度可変プリズム18により光軸を調整する量(補正量)を算出する。そして、演算回路162は、補正量を駆動部17が角度可変プリズム18を駆動する駆動量に換算して補正信号とし、補正信号を駆動部17に出力する。
角度可変プリズム18は、入射側平板181と射出側平板182との間に、変形部183が挟持された構造のものである。入射側平板181、射出側平板182は、いずれも透光性を有するガラス等の材質からなる。変形部183は、屈折率が1以上であり、流動性と透光性を有する材質からなる。駆動部17は、補正信号に基づいて射出側平板182が入射側平板181となす角度を変化させる。この角度変化に伴って、変形部183は、入射側平板181と射出側平板182との間を充填したままで変形する。角度可変プリズム18に入射した光Lは、射出側平板182が入射側平板181となす角度に応じて光軸が変化して射出される。
ハイパスフィルタ161の周波数特性は、以上のような光軸調整系14に関する各種構成要素の周波数特性を加味して設定されている。次に、ハイパスフィルタ161の周波数特性について説明する。
図3(a)〜(e)は、光軸調整系14に関する各種構成要素の周波数特性の一例を示す概念図であり、図3(f)は、補正量の周波数特性の一例を示す概念図である。
図3(a)〜(c)にそれぞれ示すように、センサ15、演算回路162、及び駆動部17は、それぞれ入力に対する出力のゲインが周波数依存性を有している。通常の手振れ補正システムの周波数特性は、図3(e)の比較例(図中破線)で示すように周波数全域で略均一になっている。ゲインの絶対値としては、周波数全域において手振れによる振幅が最小化するレベルに設定されている。これは、通常の手振れ補正システムは、手振れの影響を最小化する観点で設計されるためである。
一方、本実施形態では、光軸調整系14全体としてのゲインが、設定値以下の周波数領域で低下するようにハイパスフィルタ161を設けている。設定値は、画像のゆれが視認者にとって追従可能な周波数の上限値以下であって、スペックルノイズが視認されなくなる周波数の下限値以上の範囲内から選択される。
追従可能な周波数の上限値については、各種試験により知ることができ、試験結果に基づいて適宜設定しうる。例えば、画像にゆれを付与しておき、ゆれの周波数を高周波から低周波に漸次変化させる。このような画像を被験者に見せて、画像が視認可能になった周波数を調べる。多数の被験者に同様の試験を行って、試験結果に各種統計処理を行うことにより上限値が求まる。文字パターンを含んだ画像を試験に供すると、客観性を増すことができる。また、画像に含まれる高域周波数成分の比率を異ならせて試験を行うと、画像の細かさに対する追従性を調べることができる。
また、被験者の眼球運動を測定して、視認対象の変化に対する眼球運動の追従性を調査して上限値を定める手法もある。眼球運動の追従性の調査例として、「松井はどのようにして100マイルの速球を打てたか?」(公立はこだて未来大学、2004年度、システム情報科学実習II、グループ報告書;http:/www.fun.ac.jp/~sisp/old_report/pdf_files/document15_A/pdf)が挙げられる。この報告書(特に、17ページを参照)によれば、視認対象の移動(振動)が1.2〜1.4Hz程度以上になると、眼球運動が視認対象の移動(振動)に対して位相遅れを生じるようになるとしている。このことから、画像のゆれの周波数が1〜2Hz程度であれば、追従可能であると考えられる。
スペックルノイズが視認されなくなる周波数の下限値についても試験等により調査することができる。「高出力赤色半導体レーザのプロジェクション光源への応用」(平田 照二、デジタル・イメージング技術部会 講演要旨、平成19年10月12日;http://www.joem.or.jp/img/k_di_07-02/pdf)では、振幅1mm、周波数1〜2Hz程度のゆれを付与すると、スペックルノイズが視認されないレベルまで低下するとされている。このことから、画像のゆれの周波数が1〜2Hz程度であれば、スペックルノイズが視認されなくなると考えられる。以上のような観点から、設定値が1Hz以上2Hz以下の範囲から選択されているとよい。
ハイパスフィルタ161の特性は、図3(d)に示すように低周波領域の成分の振幅(ゲイン)を低下させるようになっている。演算回路162に伝達された検出信号は、画像形成装置の実際のゆれよりも低周波の成分のゲインが低くなっている。演算回路162は、画像形成装置の実際のゆれよりも低周波の成分が少ないゆれを補正すべく補正量を決定するので、装置のゆれ(振幅)に対する画像のゆれ(振幅)は、図3(f)に示すようになる。すなわち、装置のゆれに対して、高周波の画像のゆれが無くなるのに対して、低周波の画像のゆれは残留している。
以上のような構成のプロジェクタ1にあっては、手振れ等による画像形成装置のゆれに起因する画像のゆれにおいて、視認者が追従できないほどの高周波の画像のゆれが格段に低減されるので、画像形成装置のゆれにより画像の視認性が低下することが防止される。また、視認者が追従可能な範囲内で低周波の画像のゆれが残留するようになっているので、視認性の低下を招くことなく、スペックルノイズを格段に低減することができる。
第1実施形態のプロジェクタ1によれば、画像のゆれによる視認性の低下と、スペックルノイズによる画像品質の低下とがともに低減され、高品質な画像が得られる。また、周波数領域の全域にわたって画像のゆれが防止されたプロジェクタに、端的にはハイパスフィルタ161のみを追加すればスペックルノイズを低減することができ、シンプルな構成にすることができる。これにより、装置構成の複雑化や大型化を招くことなく、高品質な画像が得られるプロジェクタになる。したがって、携帯性が良好なプロジェクタにすることができ、利便性が高いプロジェクタになる。
[第2実施形態]
次に、本発明の画像表示装置の第2実施形態を説明する。第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、制御装置がハイパスフィルタの代わりに、低周波生成部と検出信号の加算部とを含んでいる点である。
図4は、第2実施形態のプロジェクタ2の概略構成を示す模式図である。図4において、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する場合がある。
図4に示すように、プロジェクタ2の制御装置26は、加算回路261、演算回路262、及び信号発生器(信号生成部)263を有している。演算回路262は、第1実施形態と同様のものである。信号発生器263は、低周波の画像のゆれに対応する低周波信号を生成するものである。本実施形態の信号発生器263は、低周波信号としてセンサ15の検出結果と同様の形式(例えば、加速度)のデータを含んだダミーの検出信号を生成する。加算回路261は、信号発生器263により生成された低周波信号をセンサ15から出力された検出信号に加算して、演算回路262に出力する。
このような構成のプロジェクタ2にあっては、演算回路262に画像形成装置の実際のゆれよりも低周波の成分のレベルが大きい検出信号が入力される。したがって、演算回路262により算出された補正量は、画像形成装置の実際のゆれによる画像のゆれを補正する補正量よりも、低周波の画像のゆれに対する補正量が過剰になる。よって、信号発生器263により生成された低周波信号の分だけ画像のゆれが過剰に補正され、低周波信号に対応した低周波の画像のゆれが表示画像に付加される。
以上のような第2実施形態のプロジェクタ2によれば、画像形成装置の実際のゆれによる画像のゆれをなくすことができるとともに、信号発生器263により低周波の画像のゆれを表示画像に付加することができる。したがって、画像形成装置のゆれと独立して画像のゆれを制御することができ、画像形成装置のゆれの程度によらずに一定の低周波の画像のゆれを生じさせることもできる。
例えば、画像形成装置にゆれが付加されていない場合や、画像形成装置のゆれが低周波の成分を十分に含んでいない場合であっても、表示画像に低周波のゆれが付加されるので、スペックルノイズを確実に防止することができる。例えば、プロジェクタ2を携帯した状態で使用したり、プロジェクタ2を机上等に載置して使用したりしても、使用方法の違いによらずに高品質な画像が得られる。このように、使用状態によらずに高品質な画像が得られるので、多様な使用方法に対応可能な利便性の高いプロジェクタになる。
また、信号発生器263により生成された低周波信号により、駆動部17と角度可変プリズム18を利用して低周波成分の画像のゆれを付加するので、装置構成をシンプルにすることができる。例えば、手振れ等による画像のゆれを防止したプロジェクタにスペックルノイズ対策を行う手法としては、スペックルノイズを防止する装置を追加することが考えられる。このような手法に比べて、第2実施形態のプロジェクタ2によれば、スペックルノイズを防止する機械的な部品を追加する必要がないので、装置構成の複雑化や大型化を回避することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の画像表示装置の第3実施形態を説明する。第3実施形態が第2実施形態と異なる点は、加算部が演算部と駆動部との間に接続されている点である。
図5は、第3実施形態のプロジェクタ3の概略構成を示す模式図である。図5において、第1〜2実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する場合がある。
図5に示すように、プロジェクタ3の制御装置36は、加算回路361、演算回路362、及び信号発生器363を含んでいる。演算回路362は、第1、第2実施形態と同様のものである。信号発生器363は、低周波の画像のゆれに対応する低周波信号を生成するものである。本実施形態の信号発生器363は、低周波信号として演算回路362の補正信号と同様の形式(例えば、角度可変プリズム18の駆動量)のデータを含んだダミーの補正信号を生成する。
センサ15は、画像形成装置の実際のゆれを示す検出信号を演算回路362に出力するようになっている。演算回路362は、検出信号に基づいて画像形成装置の実際のゆれによる画像のゆれを補正する分の補正量を算出して、この補正量を示す補正信号を加算回路361に出力する。加算回路361は、演算回路362から出力された補正信号と、信号発生器363から出力されたダミーの補正信号を加算して、駆動部17に出力する。信号発生器363により生成された低周波信号の分だけ、低周波の画像のゆれが過剰に補正され、低周波信号に対応した低周波成分の画像のゆれが表示画像に付加される。
以上のような構成のプロジェクタ3によれば、第2実施形態と同様に、画像形成装置のゆれによらずに画像のゆれによる視認性の低下と、スペックルノイズによる画像品質の低下とがともに低減される。また、スペックルノイズを防止するための機械的な部品を格段に減らすことができ、装置構成の複雑化や大型化を招くことなく高品質な画像が得られる。また、表示画像に低周波のゆれが付加されるので、スペックルノイズを確実に防止することができ、使用状態によらずに高品質な画像が得られるので、多様な使用方法に対応可能な利便性の高いプロジェクタになる。
[第4実施形態]
次に、本発明の画像表示装置の第4実施形態を説明する。第4実施形態が第2実施形態と異なる点は、加算部が検出信号に応じて選択的に低周波信号を加算する点とである。
図6は、第4実施形態のプロジェクタ4の概略構成を示す模式図である。図6において、第1〜3実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する場合がある。
図6に示すように、プロジェクタ4の制御装置46は、切換回路(加算部)461、演算回路462、信号発生器463、及びハイパスフィルタ464を含んでいる。演算回路362は第1〜3実施形態と同様のもの、信号発生器463は第2実施形態と同様のもの、ハイパスフィルタ464は第1実施形態と同様のものである。
センサ15は、画像形成装置の実際のゆれを示す検出信号をハイパスフィルタ464に出力する。ハイパスフィルタ464は、検出信号のうち、低周波の画像のゆれを生じさせる成分のレベルを低下させて切換回路461に出力する。信号発生器463は、低周波信号としてセンサ15の検出結果と同様の形式のデータを含んだダミーの検出信号を生成し、ダミーの検出信号を切換回路461に出力する。
切換回路461は、ハイパスフィルタ464から出力された検出信号のレベルが所定の規定値以下である場合には、この検出信号に代えてダミーの検出信号(低周波信号)を演算回路462に出力する。また、ハイパスフィルタ464から出力された検出信号のレベルが所定の規定値よりも大きい場合には、この検出信号を演算回路462に出力する。
規定値の下限値は、例えば検出信号において低周波の画像のゆれを生じさせる成分が、スペックルノイズを防止可能な程度のレベルになるように設定される。また、規定値の上限値は、例えば検出信号において高周波の画像のゆれを生じさせる成分が、視認性を低下させない程度のレベルになるように設定される。
演算回路462は、切換回路461から出力された検出信号又はダミーの検出信号に基づいて駆動量を算出して、補正信号を駆動部17に出力する。駆動部17は、補正信号に基づいて角度可変プリズム18を駆動する。
以上のような構成のプロジェクタ4によれば、画像のゆれによる視認性の低下と、スペックルノイズによる画像品質の低下とがともに低減され、装置構成の複雑化や大型化を招くことなく高品質な画像が得られる。また、画像形成装置のゆれがスペックルノイズを防止する観点で不十分である場合に選択的に、低周波の画像のゆれが付加されるので、スペックルノイズを確実に防止することができる。
なお、第3実施形態のように、切換回路461が演算回路462と駆動部17との間に配置された構成にすることもできる。この場合には、信号発生器463として、第3実施形態と同様に、ダミーの補正信号を生成するものを採用すればよい。
[第5実施形態]
次に、本発明の画像表示装置の第5実施形態を説明する。第5実施形態が第2実施形態と異なる点は、制御装置が高域成分検出部を含んでいる点である。
図7は、第5実施形態のプロジェクタ5の概略構成を示す模式図である。図7において、第1〜4実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する場合がある。
図7に示すように、プロジェクタ5の制御装置56は、加算回路561、演算回路562、信号発生器563、及び高域成分検出回路(高域成分検出部)564を含んでいる。演算回路562は、第1〜4実施形態と同様のものであり、加算回路561及び信号発生器563は第2実施形態と同様のものである。
高域成分検出回路564は、画像信号処理回路102から画像信号を受け取り、画像信号に占める高域周波数成分の比率を検出する。高域周波数成分は、画像信号の電圧波形において所定の周波数以上の成分である。例えば、画像信号の電圧波形を分岐して、一方を所定の周波数以上の成分を通すハイパスフィルタに入力する。また、分岐した他方を所定の周波数未満の成分を通すローパスフィルタに入力する。ハイパスフィルタを通った電圧波形の積分値と、ローパスフィルタを通った電圧波形の積分値とを比較することにより、高域周波数成分の比率を検出することができる。
ここでは、高域成分検出回路564は、高域周波数成分の比率に応じて、信号発生器563が生成する低周波信号の周波数を設定するようになっている。なお、高域成分検出回路は、信号発生器が生成する低周波信号の周波数と振幅との少なくとも一方を生成するものであればよい。
図8(a)は高域成分検出回路564による周波数の設定方法を示す概念図であり、図8(b)は高域成分検出回路564による振幅の設定方法を示す概念図である。図8(a)に示すように、高域成分検出回路564は、高域周波数成分の比率が高くなるほど、信号発生器563の発振周波数すなわち低周波信号の周波数を低く設定する。また、高域成分検出回路に低周波信号の振幅を設定させる場合には、図8(b)に示すように、高域周波数成分の比率が高くなるほど低周波信号の振幅を低く設定するように、高域成分検出回路を構成するとよい。
図7の説明に戻り、信号発生器563は高域成分検出回路564により設定された周波数、振幅の低周波信号を生成し、低周波信号を加算回路561に出力する。加算回路561は、センサ15から出力された検出信号に低周波信号を加算して、演算回路562に出力する。演算回路562は、加算回路561から出力された検出信号に基づいて補正量を決定し、補正量を示す補正信号を駆動部17に出力する。駆動部17は、補正信号に基づいて角度可変プリズム18を駆動する。
以上のような構成のプロジェクタ5によれば、第1〜4実施形態と同様に装置の大型化等を招くことなく高品質な画像が得られる。
また、高域周波数成分の比率が低くなるほど低周波信号の周波数が高く設定されるので、画像の付加されるゆれの周波数が高くなり、スペックルノイズが確実に防止される。画像の付加されるゆれの周波数が高くなると、視認者が微細パターンを追従できなくなるおそれがあるが、高域周波数成分の比率が低くなるほど画像における微細パターンの比率が少なくなるので、実際には視認性の低下がほとんど生じない。
また、高域周波数成分の比率が高くなるほど低周波信号の周波数が低く設定されるので、画像の付加されるゆれの周波数が低くなり、視認者が微細なパターンを十分に追従することができる。画像の付加されるゆれの周波数が低くなると、スペックルノイズが視認されるおそれがあるが、高域周波数成分の比率が高くなるほどスペックルノイズが空間的に平滑化されるので、実際にはスペックルノイズはほとんど視認されない。
以上のように、第5実施形態のプロジェクタ5によれば、高域周波数成分の比率が高い画像において画像のゆれによる視認性の低下と、スペックルノイズによる画像品質の低下とがともに防止され、かつ高域周波数成分の比率が低い画像においても画像のゆれによる視認性の低下と、スペックルノイズによる画像品質の低下とがともに防止される。
なお、加算回路561に代えて第4実施形態と同様の切替回路を設けるようにしてもよいし、加算回路561を第3実施形態と同様に、演算回路562と駆動部17との間に設けるようにしてもよい。また、所定の周波数としては、被投射面における画像の寸法や視認者と被投射面との距離等の設計パラメータに基づいて設定しうる。すなわち、第1実施形態で説明したように、画像にゆれを付加して被験者に視認させるとともに、画像に含まれる高域周波数成分の比率を異ならせて試験を行うと、画像の細かさに対する追従性を調べることができる。画像の細かさは、前記のような設計パラメータにより定まり、画像の細かさに対する追従性の調査結果を用いれば、所定の周波数の値を選択することが可能である。
[第6実施形態]
次に、本発明の画像表示装置の第6実施形態を説明する。第6実施形態が第1〜5実施形態と異なる点は、走査光学系が補正装置を兼ねている点である。
図9は、第6実施形態のプロジェクタ6の概略構成を示す模式図である。図9において、第1〜5実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する場合がある。
図9に示すように、プロジェクタ6の制御装置66は、ハイパスフィルタ661、演算回路662、及び加算回路663を含んでいる。ハイパスフィルタ661は、第1実施形態と同様のものである。演算回路662は、ハイパスフィルタ661を通った検出信号に基づいて、図1に示した第1偏向ミラー131、第2偏向ミラー132の駆動量の補正量を演算し、補正信号を出力する。加算回路663は、ミラー駆動回路105から出力された信号に補正信号を加算してミラー駆動部133に出力する。
ミラー駆動部133は、加算回路663から出力された信号に基づいて、第1偏向ミラー131、第2偏向ミラー132を駆動する。走査光学系13に入射した光は、画像形成装置のゆれによる光軸のずれが補正されて走査光学系13から射出される。走査光学系13から射出された光は、表示される画像に低周波のゆれを与えるような補正量に基づいて光軸が補正されているので、この光が描画する画像には低周波のゆれが付与されている。これにより、画像のゆれによる視認性の低下と、スペックルノイズによる画像品質の低下とがともに低減される。
以上のような構成のプロジェクタ6にあっては、第1〜5実施形態と同様に装置の大型化等を招くことなく高品質な画像が得られる。また、走査光学系13が、画像を形成する機能の一部と、画像形成装置のゆれによる画像のゆれを補正する機能の一部とを兼ね備えているので、装置構成をシンプルにすることができる。
第1〜5実施形態では、レーザ光源11から射出された光Lの光軸が、画像形成装置のゆれにより所望の方向からずれた分だけ、光軸を角度可変プリズム18により補正しているが、第6実施形態のように走査光学系13により補正することも可能である。また、角度可変プリズム18の配置位置としては、走査光学系13から被投射面9までの間でなくともよく、レーザ光源11から被投射面9までの間であればよい。また、角度可変プリズム18や走査光学系13に代えて、画像形成装置のゆれによる光軸のずれを光源により補正してもよい。例えば、光源を移動させる移動機構を設けて、制御装置が移動機構に光源の移動量を出力するように装置を構成すればよい。
[第7実施形態]
次に、本発明の画像表示装置の第7実施形態を説明する。第7実施形態が第1〜6実施形態と異なる点は、画像形成装置が、照明光学系や空間光変調装置、投射光学系等により構成されている点である。
図10は、第7実施形態のプロジェクタ7概略構成を示す模式図である。図10において、第1〜6実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する場合がある。
図10に示すように、プロジェクタ7の画像形成装置は、光源71、照明光学系72、液晶ライトバルブ(空間光変調装置)73、及び投射光学系74を含んでいる。照明光学系72は、光源レンズ721、集光レンズ722、及びフィールドレンズ723を含んでいる。光源71から射出された光Lは、照明光学系72を経て液晶ライトバルブ73を照明する。液晶ライトバルブ73は、画像信号処理系70から供給される画像信号に基づいて、液晶ライトバルブ73に入射した光を変調するようになっている。液晶ライトバルブ73から射出された光は、投射光学系74により被投射面9に投射される。
プロジェクタ7は、第1実施形態と同様のセンサ15、制御装置16、駆動部17、及び角度可変プリズム18を含んでいる。センサ15が画像形成装置のゆれを検出して、検出信号を制御装置16に出力し、制御装置16が駆動部17に補正信号を出力するようになっている。これにより、投射光学系74から射出された光Lの光軸を補正することができる。光Lの光軸は、制御装置16により、表示される画像に低周波のゆれが残留するように補正される。
このように、第7実施形態のプロジェクタ7によれば、第1〜6実施形態と同様に画像のゆれによる視認性の低下と、スペックルノイズによる画像品質の低下とがともに低減され、高品質な画像が得られる。
第1実施形態の画像表示装置の概略構成を示す模式図である。 制御装置の構成を示す模式図である。 (a)〜(f)は、画像のゆれ補正に関する周波数特性の概念図である。 第2実施形態の画像表示装置の概略構成を示す模式図である。 第3実施形態の画像表示装置の概略構成を示す模式図である。 第4実施形態の画像表示装置の概略構成を示す模式図である。 第5実施形態の画像表示装置の概略構成を示す模式図である。 (a)、(b)は周波数、振幅の設定方法の概念図である。 第6実施形態の画像表示装置の概略構成を示す模式図である。 第7実施形態の画像表示装置の概略構成を示す模式図である。 従来のプロジェクタの概略構成を示す模式図である。
符号の説明
1、2、3、4、5、6、7・・・・プロジェクタ(画像表示装置)、10・・・画像信号処理系(変調部)、11・・・光源、13・・・走査光学系、15・・・センサ(検出装置)、16、26、36、46、56、66・・・制御装置、17・・・駆動部(補正装置)、18・・・角度可変プリズム、161・・・ハイパスフィルタ、162、262、362、462、562、662・・・演算回路(演算部)、263、363信号発生器(信号生成部)、361、561・・・加算回路(加算部)、461・・・切替回路(加算部)564・・・高域成分検出回路(高域成分検出部)

Claims (6)

  1. 画像を形成する画像形成装置と、
    前記画像形成装置の動きを検出する検出装置と、
    前記画像形成装置の動きによる前記画像のゆれを補正する補正装置と、
    前記検出装置の検出結果を示す検出信号に基づいて、所定の設定値よりも高周波の前記画像のゆれを無くすように補正するとともに前記設定値よりも低周波の前記画像のゆれを与えるように補正する補正信号を決定し、この補正信号により前記補正装置を制御する制御装置と、を含み、
    前記制御装置が、
    前記低周波の前記画像のゆれに対応する低周波信号を生成する信号生成部と、
    前記低周波信号を前記制御装置で決定される前記補正信号に加算する加算部と、を含んでいることを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記加算部は、前記検出信号のレベルが所定の規定値以下である場合に該検出信号を前記低周波信号に置き換えるとともに、前記検出信号のレベルが前記規定値よりも大きい場合に前記低周波信号を加算せずに該検出信号を出力するものであることを特徴とする請求項に記載の画像表示装置。
  3. 前記制御装置が、前記画像形成装置に供給される画像信号に含まれる高域周波数成分の比率を検出するとともに前記比率が高くなるほど前記低周波信号の周波数と前記低周波信号の振幅との少なくとも一方を低く設定する高域成分検出部を含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
  4. 前記制御装置が、
    前記低周波の画像のゆれに対応する前記検出信号の成分のレベルを低下させて出力するハイパスフィルタと、
    前記ハイパスフィルタから出力された検出信号に含まれる周波数成分に対応する前記画像のゆれを補正する補正信号を算出する演算部と、を含んでいることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  5. 前記画像形成装置が、
    光を射出する光源部と、
    前記光源部から射出される光を変調する変調部と、
    前記変調部により変調された光を被投射面に走査する走査光学系と、を備え、
    前記補正装置が、前記走査光学系から射出される光の光軸を前記補正信号に応じて変化させるものであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  6. 前記設定値が、1Hz以上2Hz以下の範囲から選択されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の画像表示装置。
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