JP5238649B2 - 原子炉格納容器およびそれを用いた原子力プラント - Google Patents

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Description

本発明は、沸騰水型軽水炉の原子炉格納容器およびそれを用いた原子力プラントに関する。
一般的に、沸騰水型軽水炉(BWR)は、圧力抑制型の原子炉一次格納容器を採用し、原子炉一次格納容器の体積を小さくできる利点がある。沸騰水型軽水炉は、原子炉一次格納容器内の雰囲気を窒素ガスで置換し、通常の空気よりも酸素濃度を低くして運転を行なっている。このため、事故時に炉心燃料が高温になり冷却材と反応して水素が発生しても、原子炉一次格納容器内で爆轟ないしは爆燃するおそれがない。また、沸騰水型軽水炉は原子炉一次格納容器が小さいため、外部を原子炉建屋で完全に二重に覆い設計基準事故の場合には、放射性物質の二重の閉じ込め機能を有している。
沸騰水型軽水炉の安全性は極めて高く、設計基準事故も炉心燃料の健全性が若干でも失われる事故も従来全く発生していない。また、確率論的安全評価(PSA)によっても、沸騰水型軽水炉の炉心損傷頻度は、旧型のものでも10−5/炉年(r−y)から10−6/炉年程度と十分に低く、新型のものでは、10−7/炉年から10−8/炉年とさらに低い値となっていることが確認されている。それでも、次世代炉の設計においては、苛酷事故の発生を想定した場合のプラントの耐性を備えた設計とする方針を採っている。
次世代炉の設計において、このように苛酷事故の発生を想定すると、苛酷事故時には、高温化した炉心燃料と冷却材との金属水反応により大量の水素が発生し、原子炉一次格納容器の圧力が設計圧力を超えて上昇する場合がある。例えば、新型沸騰水型軽水炉(ABWR)の場合は、原子炉一次格納容器の設計圧力は310kPa(45psig)であるが、苛酷事故時に大量水素が発生すると、原子炉一次格納容器の圧力は設計圧力の約2倍に達する。ただし、新型沸騰水型軽水炉の原子炉一次格納容器は、設計圧力の3倍以上の圧力に耐えられることが確認されている。しかし、苛酷事故時に原子炉一次格納容器の圧力が長時間設計圧力を超えた状態が継続することは安全上好ましくない。原子炉一次格納容器の圧力が設計圧力を超えると、内部の放射性ガスが設計漏洩率よりも大きな漏洩率で漏洩するおそれがある。
一方、設計基準事故の場合には、原子炉一次格納容器の圧力は設計圧力以下に制限され、内部の放射性ガスの漏洩率も設計漏洩率以下に制限される。この場合、原子炉建屋内の圧力の上昇はほとんどなく原子炉建屋が損傷することはない。さらに、設計基準事故の場合には、動的な排気ファンとフィルターを用いて原子炉建屋内の雰囲気を排気筒から放出することにより、原子炉建屋内の圧力を外気よりも低い負圧に維持する。これにより、原子炉建屋は外部への放射性物質の放散の二重のバリアを構成している。しかし、苛酷事故の際には、電源喪失等により動的な排気ファンが故障している可能性があり、原子炉建屋の二重閉じ込め機能は喪失するおそれがある。
苛酷事故時の原子炉一次格納容器の圧力上昇を制限するためには、原子炉二次格納容器である原子炉建屋に原子炉一次格納容器内の雰囲気をベントすることが有効である。しかし、原子炉建屋は設計圧力が低く、かつ、雰囲気は通常の空気であるため、苛酷事故時に発生した大量の水素を含む原子炉一次格納容器内の高圧ガスを原子炉建屋内に放出すると、原子炉建屋内で爆轟し、原子炉建屋が損壊し、放射性ガスが大気中に管理されずに放出されるおそれがある。この状況は、チェルノビル原子力発電所の苛酷事故時の状況と近い。したがって、この方法は、従来、提案されてはいるものの、技術的成立性がなく、現在までこのような危険な方法を採用している沸騰水型軽水炉は実在しない。ちなみに、原子炉建屋の設計圧力は、わずかに13.8kPa(2psig、0.14kg/cm)しかない。ただし、これは、従来の原子炉建屋が脆弱だからではなく、安全設計上、ブローアウトパネルを設置して、意図的にこの設計圧力で開口するようになっているためである。
また、技術的成立性のあるものとして、苛酷事故時の原子炉一次格納容器内の雰囲気をフィルターを通し環境に放出する設計があるが、放射性希ガスと有機ヨウ素については、フィルターでは除去されずに環境に放出されるので、周辺公衆の被曝が発生する。また、周辺公衆の被曝を極力低く抑えるため、事前に一定距離内の周辺公衆を一人残らず完全に退避させる必要がある。
最近では、ESBWRにおいて、事故時に原子炉一次格納容器内に放出される水蒸気を静的格納容器冷却系(PCCS)で凝縮し、原子炉一次格納容器の崩壊熱による圧力上昇を抑制する優れた方法が採用されている。しかし、苛酷事故時に放出される大量の水素は静的格納容器冷却系では凝縮されず、また、ESBWRの原子炉一次格納容器の体積は小さいため、苛酷事故時の原子炉一次格納容器の圧力はやはり設計圧力の2倍から3倍程度に維持されてしまう。すなわち、静的格納容器冷却系を従来の体積の小さい原子炉格納容器に設置しても、苛酷事故時の原子炉格納容器の圧力を設計圧力以下に制限することはできないという問題があった。なお、ESBWRの原子炉一次格納容器の設計圧力も310kPa(45psig)である。
さらに、最近では、上記の状況に鑑みて、運転床を含む空間を耐圧性の上部二次格納容器として、この上部二次格納容器へ原子炉一次格納容器内の高圧ガスをベントするという革新的な原子炉格納容器が開示されている(特許文献1)。この場合の耐圧性とは、原子炉一次格納容器の設計圧力とほぼ同等の設計圧力で設計されていることを意味する。しかし、この原子炉格納容器では、水素の爆轟を防止するため運転床を含む空間の雰囲気を通常の空気よりも酸素濃度の低い雰囲気とする必要があった。この場合は、プラントの通常運転中に運転員が運転床を含む空間に立ち入って燃料の移送等の作業を行なうことができない。あるいは、空気雰囲気のままとした場合は、苛酷事故時の大量水素をイグナイターやリコンバイナー等で燃焼あるいは再結合させることになるが、この際に大量の発熱を伴うため、原子炉格納容器の温度が200℃以上となり加温破損してしまうおそれがある。
特開2007−10457号公報
次世代炉の場合、設計寿命は60年から80年と長く、プラントを建設した後、周辺住民の人数が増大する可能性がある。周辺住民の人数が増大すると、苛酷事故時の緊急時対策として全ての人の退避を完全に行なうことが困難となる。また、周辺住民の人口を制限した場合、人口が密集する大都市に近接して原子力プラントを建設することが困難となる。次世代炉の安全性は、人口が密集する大都市に近接して建設された場合であっても、プラント本来の設計によって十分に安全性を保証できるものでなければならない。
さらに、次世代炉は世界中のあらゆる地域に建設される可能性があり、巨大地震、巨大津波、巨大ハリケーン等の自然災害に遭遇する可能性がある。巨大自然災害を原因として苛酷事故が発生した場合は、周辺住民の退避を完全に行なうことは困難である。世界の次世代炉の立地条件としては、非常に厳しい自然災害が想定される。例えば、巨大サイクロンや巨大地震、大津波などがある。巨大サイクロン等の厳しい自然災害が発生し、全交流電源喪失(SBO)が起きると、長期間にわたって復旧作業ができないおそれがある。そのような長期化した全交流電源喪失(SBO)により苛酷事故が発生しても、その影響がプラントの外部に及ぶことがなく、周辺住民の退避が不要なほど安全な次世代炉を提供する必要がある。
このように、次世代炉の場合は、破壊的な自然災害を原因として苛酷事故が発生した場合でも、周辺住民が退避しなくても安全なプラントとすることが望ましい。そのためには、苛酷事故時の原子炉格納容器の圧力を設計圧力以下に維持し、かつ、大量水素の爆轟・爆燃により、原子炉格納容器の健全性が喪失することがなく、フィルターベントにより放射性希ガスや有機ヨウ素を環境に放出しない設計とする必要がある。また、原子炉格納容器からの放射性物資の漏洩を外部動力電源を使わずに静的に抑制できることが望ましい。一方、プラントの通常運転時には、運転員が運転床上で作業を実施可能なようにすることが望ましい。
そこで、本発明は、このような次世代炉の設計目標を達成するため、運転床を含む空間に原子炉一次格納容器から大量水素を含む高圧ガスをベントした場合に、水素の爆轟および爆燃が発生するのを抑制し、高圧ガスに含まれる放射性物質の漏洩を静的に抑制でき、かつ、通常運転時は運転床を含む空間に運転員が立ち入って作業が可能なように通常の空気を雰囲気として使用できる原子炉格納容器およびこれを用いた原子力プラントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る原子炉格納容器は、原子炉圧力容器を格納して、大気圧よりも高い所定の耐圧性と気密性とを有する原子炉一次格納容器と、前記原子炉一次格納容器の外部に設置されて、前記原子炉一次格納容器と同等の耐圧性と気密性とを有する原子炉二次格納容器と、前記原子炉二次格納容器内に設置されて、前記原子炉一次格納容器内の事故時に前記原子炉一次格納容器内から放出される高圧気体を受容して閉じ込めながら膨張しうるエアバッグと、前記原子炉一次格納容器と前記エアバッグとを連結する気相ベント管と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る原子力プラントは、炉心燃料を内蔵する原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器を格納して、大気圧よりも高い所定の耐圧性と気密性とを有する原子炉一次格納容器と、前記原子炉一次格納容器の外部に設置されて、前記原子炉一次格納容器と同等の耐圧性と気密性とを有する原子炉二次格納容器と、前記原子炉二次格納容器内に設置されて、前記原子炉一次格納容器内の事故時に前記原子炉一次格納容器内から放出される高圧気体を受容して閉じ込めながら膨張しうるエアバッグと、前記原子炉一次格納容器と前記エアバッグとを連結する気相ベント管と、事故時に前記原子炉一次格納容器を冷却する静的格納容器冷却系と、原子炉隔離時に前記炉心燃料を冷却する原子炉隔離時コンデンサーと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、巨大自然災害による苛酷事故発生時にも、周辺住民の退避を行なう必要がなく、一方、通常運転時には、運転床を含む空間に運転員が常時立ち入って作業を行なうことが可能な次世代沸騰水型軽水炉を提供可能となる。
本発明に係る原子炉格納容器の第1の実施形態の構成を示す模式的立断面図であって、通常運転時の状況を示す図である。 図1の原子炉格納容器の事故時の状況を示す模式的立断面図である。 本発明に係る原子炉格納容器の第2の実施形態の構成を示す模式的立断面図であって、通常運転時の状況を示す図である。 図3の原子炉格納容器の事故時の状況を示す模式的立断面図である。
本発明に係る原子炉格納容器およびこれを用いた原子力プラントの実施形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面において、各種の弁は、簡単のため代表的に1弁のみを示しているが、実際の設計では、信頼性確保の観点より、並列もしくは直列に複数個の弁が設置される。なお、この発明に係る原子力プラントは、原子力発電プラントに限らず、他の原子力プラントであってもよい。
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る原子炉格納容器の第1の実施形態の構成を示す模式的立断面図であって、通常運転時の状況を示す図である。図2は、図1の原子炉格納容器の事故時の状況を示す模式的立断面図である。
本実施形態の原子炉格納容器は、炉心1およびその炉心1を内蔵する原子炉圧力容器2を格納している。炉心1には、炉心燃料(図示せず)が多数収納されている。原子炉一次格納容器3の周囲に原子炉二次格納容器4が設置されている。図では、単純化のため、原子炉二次格納容器4は原子炉一次格納容器3の周囲を完全に包囲する完全二重格納容器の構成を示しているが、原子炉一次格納容器3の周囲の一部を包囲する部分二重格納容器であってもよい。
原子炉二次格納容器4の内部に折り畳まれたエアバッグ5が設置されている。エアバッグ5は、原子炉一次格納容器3の気相部と気相ベント管6および隔離連通切替え装置7を介して連通している。隔離連通切替え装置7としては、ラプチャーディスク、自動隔離弁等が使用される。
原子炉一次格納容器3および原子炉二次格納容器4はともに耐圧性を有しており、設計圧力は、一例として、原子炉一次格納容器3が310kPa(45psig)程度であり、また、原子炉二次格納容器4は同等の207kPa(30psig)程度である。ただし、原子炉二次格納容器の設計圧力を原子炉一次格納容器の設計圧力と同一としてもよい。また、原子炉一次格納容器3および原子炉二次格納容器4ともに気密性を有している。
通常運転時に、原子炉一次格納容器3内の雰囲気は、窒素ガスにより置換され、通常の空気よりも酸素濃度が低く制限されている。一方、原子炉二次格納容器4の雰囲気は通常の空気である。したがって、通常運転時に運転員は、原子炉二次格納容器4の内部に留まって点検作業や燃料移送作業等を自由に行なうことができる。隔離連通切替え装置7は隔離している。
図2に示すように、原子炉一次格納容器3の内部で原子炉の事故が発生すると、原子炉圧力容器2から冷却材が流出し、大量の水蒸気が発生する。また、炉心燃料の重大な損傷を伴う苛酷事故が発生した場合には、さらに、炉心燃料と冷却材の水との金属―水反応によって、大量の水素が発生する。これらの水蒸気と水素により原子炉一次格納容器3の圧力が上昇し、あらかじめ設定された圧力に達すると、隔離連通切替え装置7が自動的に連通状態になる。これにより、原子炉一次格納容器3内の高圧ガスが気相ベント管6を通ってエアバッグ5の内部放出され、エアバッグ5が拡張を開始する。
エアバッグ5が拡張を開始すると内部の高圧ガスの圧力は低減する。一方、原子炉二次格納容器4内の雰囲気は圧縮加圧され、エアバッグ5内の高圧ガスの圧力に対抗するようになる。エアバッグ5の拡張は、原子炉二次格納容器2の圧力とエアバッグ5内の高圧ガスの圧力が均圧化した時点で終了する。エアバッグ5内の高圧ガスの圧力は、気相ベント管6を通して原子炉一次格納容器3の雰囲気と連通しているので、原子炉一次格納容器3の圧力と等しい。すなわち、エアバッグ5が拡張を終了した時点では、原子炉一次格納容器3の圧力と原子炉二次格納容器4の圧力も均圧化される。
エアバッグ5内の高圧ガスの圧力と、原子炉二次格納容器4の圧力が均圧化すると、エアバッグ5の内外差圧はゼロとなり、エアバッグ5内の高圧ガスに含まれる水素も放射性ガスも高圧であるにもかかわらずエアバッグ5から原子炉二次格納容器4内へ漏洩しなくなる。また、原子炉一次格納容器3の圧力と原子炉二次格納容器4の圧力も均圧化されるため、原子炉一次格納容器3からも雰囲気が原子炉二次格納容器4に漏洩しなくなる。
原子炉一次格納容器3内の高圧ガスのエネルギーにより、エアバッグ5が拡張し、原子炉二次格納容器4が加圧され、原子炉二次格納容器4の雰囲気は、原子炉一次格納容器3およびエアバッグ5の周囲を全て加圧し、何ら外部動力電源を使うことなく、静的に原子炉一次格納容器3およびエアバッグ5からの高圧ガスの漏洩を抑制することができる。
エアバッグ5は、原子炉一次格納容器3から放出される高圧ガスの放出速度に応じて拡張する。原子炉一次格納容器3の圧力が設計圧力を超える原因は、苛酷事故時に発生する大量の水素である。大量の水素を発生させる炉心燃料と冷却材の水との金属−水反応は、少なくとも数分から数十分の時間をかけて進行する。また、高圧ガスの放出速度は、気相ベント管6にオリフィス(図示せず)を設ける、あるいは、隔離連通切替え装置7の開度を絞る等によって小さく制限することが可能である。したがって、エアバッグ5の拡張は、自動車の乗員保護用エアバッグとは異なり、非常にゆっくりと行なわれる。すなわち、自動車のエアバッグのような極めて高速の拡張要求は設計条件に含まれない。したがって、エアバッグ5は大容量であっても時間をかけて確実に拡張する。また、エアバッグ5の材質は、一例として、救命ボートやエアドーム等に使用されているプラスチック素材に不燃素材を複合化させたものが使用される。
[第2の実施形態]
図3は、本発明に係る原子炉格納容器の第2の実施形態の構成を示す模式的立断面図であって、通常運転時の状況を示す図である。図4は、図3の原子炉格納容器の事故時の状況を示す模式的立断面図である。
本実施形態の原子炉格納容器8は、円筒型の原子炉一次格納容器3と原子炉一次格納容器3の上部に設置されたドーム型の原子炉二次格納容器(以下、上部二次格納容器と呼ぶ。)9とからなる。原子炉格納容器8の外壁は、下部は円筒形状で上部はドーム形状をしている。原子炉格納容器8は、炉心1を内蔵する原子炉圧力容器2を格納している。炉心1には、炉心燃料(図示せず)が多数収納されている。
原子炉一次格納容器3および上部二次格納容器9はともに耐圧性を有しており、設計圧力は、一例として、原子炉一次格納容器3が310kPa(45psig)程度であり、また、上部二次格納容器9は同等の207kPa(30psig)程度である。ただし、上部二次格納容器9の設計圧力を原子炉一次格納容器3の設計圧力と同一としてもよい。また、原子炉一次格納容器3および上部二次格納容器9ともに気密性を有している。
原子炉一次格納容器3は、原子炉圧力容器2を格納するドライウェル10と、圧力抑制プール11を格納するウェットウェル12とから構成される。ドライウェル10は、約10本ある冷却材喪失事故(LOCA)ベント管13により圧力抑制プール11と連通している。原子炉圧力容器2は、ベッセルスカート14を介してベッセルサポート15により支持されている。
ドライウェル10のベッセルサポート15よりも上の空間を上部ドライウェル16、下の空間を下部ドライウェル17と呼ぶ。上部ドライウェル16およびウェットウェル12は原子炉格納容器8の外壁の一部を構成する。このため、上部ドライウェル16およびウェットウェル12から外部に出る配管は、直接原子炉格納容器8の外壁を1回だけ貫通して原子炉格納容器8の外部に出ることができる。すなわち、原子炉格納容器8は、一重構造をしている。
ただし、運転床の面積をより広く取る等の理由により、上部二次格納容器の内径を原子炉一次格納容器の外径よりも大きくとり、上部二次格納容器の円筒部分を基底部分まで延長し、原子炉一次格納容器の円筒部分を二重に覆う二重円筒構造とすることもできる。
図示の例は、原子炉一次格納容器3に内蔵する原子炉は新型沸騰水型軽水炉(ABWR)タイプのものである。原子炉圧力容器2の下部にいくつかのインターナルポンプ(RIP)18が設けられていることが特徴である。他に収納可能な原子炉としては、ESBWRのような自然循環タイプのものがある。自然循環タイプの場合には、インターナルポンプは存在しない。
上部二次格納容器9は運転床19を含む。原子炉一次格納容器3は原子炉一次格納容器上蓋20を含む。原子炉一次格納容器上蓋20は、鋼製であり、原子炉圧力容器2の真上に設置され、燃料交換の際に取り外しが可能である。原子炉一次格納容器3と上部二次格納容器9は、原子炉一次格納容器上蓋20によって仕切られる。原子炉一次格納容器上蓋20の上部は、通常運転時に炉心1から放出される放射線を遮蔽するための水遮蔽21が設置される。
上部二次格納容器9の外壁は前述のようにドーム形状となっていて、その天頂部近傍には、エアバッグ5が設けられている。通常時は、エアバッグ5は折り畳まれている。ウェットウェル12の気相部と上部二次格納容器9内のエアバッグ5を気相ベント管6および隔離連通切替え装置7が連結している。隔離連通切替え装置7としては、ラプチャーディスク、自動隔離弁等が利用可能である。なお、図では、気相ベント管6と隔離連通切替え装置7は一対のみを示したが、実際には円周上に複数設置してもよい。また、気相ベント管6は、一例として、原子炉格納容器8の外壁の中を通っているが、原子炉格納容器8の内部を通ってもよいし、原子炉格納容器8の外部を通ってもよい。
隔離連通切替え装置7は、通常運転時は隔離状態になっている。ウェットウェル12の気相部の圧力上昇を伴わない過渡事象や小規模な冷却材喪失事故(LOCA)の場合も、隔離連通切替え装置7は隔離状態に維持される。
上部二次格納容器9の材質の一例としてはコンクリート構造がある。但し、耐圧性と気密性が確保されれば材質は問わない。雰囲気の漏洩を抑制するため鋼製のライナーもしくは樹脂コーティングによるライナーを設置する(図示せず)。
本実施形態では、上部二次格納容器9内の雰囲気は通常の空気である。したがって、通常運転時に、運転員は上部二次格納容器9内に立ち入り、運転床を含む空間で燃料移送等の作業を常時行なうことが可能である。
上部ドライウェル16には、重力落下式炉心冷却系(以下、GDCSと略記する。)プール22が設置され内部に冷却水を蓄えている。GDCSプール22は、注入配管23および注入弁24によって原子炉圧力容器2に接続されている。また、原子炉圧力容器2には、減圧弁25が設置されている。減圧弁25が作動し、原子炉圧力容器2を減圧し、注入弁24が作動すると、重力によって、GDCSプール22内の冷却水が原子炉圧力容器2内に注入される構造となっている。また、GDCSプール22からドレン配管およびドレン弁(いずれも図示せず。)により、冷却水を下部ドライウェル17にドレンすることもできる構成となっている。
全交流電源喪失等が発生し原子炉が隔離状態になった場合に炉心燃料を冷却する目的で、原子炉隔離時コンデンサー(以下、ICと略記する。)が設置されている。また、苛酷事故時等に原子炉一次格納容器3内に放出される水蒸気を冷却する目的で静的格納容器冷却系(以下、PCCSと略記する。)が設置されている。
すなわち、ドライウェル10の上部で、かつ、運転床19の下部の空間にICプール26とPCCSプール27が設置され、それぞれ冷却水を貯えている。ICプール26内にはIC熱交換器28が設置され、隔離弁29、蒸気吸い込み配管30、凝縮水戻り配管31、注入弁32を介して原子炉圧力容器2と接続されている。同様にPCCSプール27内にはPCCS熱交換器33が設置され、PCCS熱交換器33は吸込み配管34によりドライウェル10の気相部分に接続され、PCCSベント管35により圧力抑制プール11に接続され、凝縮水戻り配管36によりGDCSプール22に接続されている。
ICプール26およびPCCSプール27の気相部は、排気口(図示せず。)を介して原子炉格納容器8の外壁の外の空間に連通している。したがって、放射能閉じ込め機能としては、ICプール26とPCCSプール27は原子炉格納容器8の外部の空間であるが、設置場所は原子炉格納容器の外壁に防護された空間となる。原子炉格納容器の外壁は、大型の航空機落下事故に対しても原子炉を含めて内部の機器を防護することができるように十分な強度で設計される。したがって、航空機落下事故に対してICプール26とPCCSプール27も大型の航空機落下事故に対して防護される効果が得られる。
ドライウェル10の圧力上昇を伴わない過渡事象や全交流電源喪失の際には、IC熱交換器28に原子炉圧力容器2内の蒸気を導き、凝縮水を凝縮水戻り配管31により原子炉圧力容器2に戻す。これによって、外部動力電源を使うことなく、炉心燃料の冷却を長期にわたって行なうことができる。このため、巨大地震等の自然災害によって長期の全交流電源喪失が発生しても安全性が損なわれることがない。
また、水遮蔽21の内部にストレーナー37が設置され、逆止弁38、ドレン配管39、U字形シール40、注入弁41を介して水遮蔽21の水を下部ドライウェル17の内部に直接導くことができる構造となっている。また、下部ドライウェル17の床には、コアキャッチャー42が設置されている。
つぎに、図4に基づいて、本発明に係る原子炉圧力容器の第2の実施形態における事故時の機能について説明する。
大破断LOCAや苛酷事故が発生した場合は、ドライウェル10の内部は高圧の水蒸気によって占有される。この水蒸気の圧力によりドライウェル10内の非凝縮性ガスの窒素と水素は、短期はLOCAベント管13を通って、長期はPCCSベント管35を通って、圧力抑制プール11にベントされ、さらにウェットウェル12の気相部に押し込まれる。これによりウェットウェル12の気相部の圧力が上昇する。特に、大量の水素が発生する苛酷事故の場合には、ウェットウェル12の気相部で水素が圧縮され、何も手段を講じないと、原子炉一次格納容器3の圧力は設計圧力の2倍以上に上昇する。
しかし、本実施形態では、ウェットウェル12の気相部の圧力が、隔離連通切替え装置7の作動設定差圧に達すると隔離連通切替え装置7が作動しウェットウェル12の気相部と上部二次格納容器9内のエアバッグ5が気相ベント管6を介して連通される。これによりウェットウェル12の気相部に蓄積する水素および窒素等の非凝縮性ガスによる原子炉一次格納容器3の過大な圧力上昇を上部二次格納容器9内のエアバッグ5内に放出し、原子炉一次格納容器3の圧力上昇を大幅に緩和できる効果が得られる。
あるいは、逆に隔離連通切替え装置7の作動圧をより高く設定し、大破断LOCA時にも作動しないようにすることも考えられる。この場合には、隔離連通切替え装置7は大量の水素による過圧が発生する苛酷事故時にのみ作動し、設計基準事故時には作動しないようにすることが可能となる。これにより、設計基準事故時には圧力を原子炉一次格納容器3内に留め、さらに過圧が発生する苛酷事故時には原子炉一次格納容器3と上部二次格納容器9の両方で苛酷事故の圧力に耐える設計とすることが可能となる。
このように構成された本実施形態では、苛酷事故時の圧力上昇に対する圧力障壁の機能を原子炉一次格納容器3だけで受け持つのではなく、上部二次格納容器9と分担することにより原子炉格納容器8の圧力を低く維持することが可能となる。従来の原子炉格納容器は苛酷事故が発生した場合には、圧力は設計圧力の2倍から3倍になる。本実施形態によれば苛酷事故時の圧力を設計圧力の範囲に抑えることが可能となる。上部二次格納容器9の自由空間体積はウェットウェル12の自由空間体積のおよそ5倍から6倍となる。したがって、苛酷事故時の原子炉格納容器の圧力を従来の1/5から1/6とすることが可能となり、設計圧力以下に抑制することが可能となる。
従来の動的安全炉では、苛酷事故時に原子炉格納容器の圧力が設計圧力の2倍程度に達してしまい、格納容器ベンティング(排気)を行なう必要があった。その際、原子炉格納容器内の放射性ガスを大気中に放出することによる周辺住民の放射線被曝のリスクを低減するために、事前に周辺住民を避難させる必要があった。しかし、本実施形態によればこのような格納容器ベンティングを一切行なうことなく原子炉格納容器の圧力を十分低く維持することが可能となるという安全上の効果が得られる。
また、原子炉一次格納容器3から気相ベント管6を通って放出される大量の水素は、エアバッグ5内に閉じ込められて、上部二次格納容器9内の空気雰囲気と混ざることがないため、爆轟も爆燃も全く発生することがない。エアバッグ5の内部の気体の主成分は、大量の水素であるため、エアバッグ5は水素の浮力により上部二次格納容器9の上方に位置する。仮に、エアバッグ5の内部からごくわずかな水素が漏洩したとしても、水素自身の浮力で上部二次格納容器9のさらに上方に移動し滞留する。その結果、エアバッグ5によって押し下げられた上部二次格納容器9内の空気雰囲気と混合しにくくなる効果がある。
さらに、原子炉一次格納容器3から気相ベント管6を通って放出される大量の放射性ガスも、エアバッグ5内に閉じ込められ、上部二次格納容器9内に直接放出されることがないため、放射能放散に対して二重のバリアを形成する効果が得られる。エアバッグ5が拡張すると上部二次格納容器9内の雰囲気を加圧し、エアバッグの内圧と外圧が均圧化する。すなわち、エアバッグ5には、内外差圧が発生しないため、エアバッグ5による放射能放散に対する二重バリア効果は極めて高くなる。これにより、原子炉一次格納容器の圧力が原子炉二次格納容器の圧力よりも高くなる従来の一般的な二重格納容器概念に比べて、革新的に高い放射能漏洩抑制効果が得られる。
従来の二重格納容器概念では、原子炉一次格納容器の圧力が原子炉二次格納容器の圧力よりもはるかに高くなるため、原子炉一次格納容器から原子炉二次格納容器への放射性物質の漏洩を防止することができない。原子炉二次格納容器内に漏洩してしまった放射性物質に対しては、原子炉二次格納容器の圧力を外気より負圧に維持することによって環境への漏洩を防止することしかできなかった。原子炉二次格納容器の圧力を負圧に維持するためには、排気ファン等の動的システムを使用してフィルターを通して原子炉二次格納容器内の雰囲気を環境に放出するしかなかった。
外部動力電源が使用できない可能性の高い苛酷事故時には、動的システムを使用して原子炉二次格納容器の圧力を負圧に維持することができなくなり、結局、二重格納容器の機能が喪失してしまう。従来の二重格納容器概念では、外部動力電源が使用でき炉心燃料の重大な損傷も発生していない設計基準事故の場合には機能が維持されるが、外部動力電源が使用できず、炉心燃料の重大な損傷を伴う苛酷事故が発生し二重格納容器概念の機能が最も必要な状況では、二重格納容器の機能が喪失する。
一方、本実施形態では、外部動力電源が使用できない苛酷事故時にも、原子炉一次格納容器3内に蓄積した水素ガスの圧力により、原子炉一次格納容器3内の大量の放射性物質を、気相ベント管6を通って、上部二次格納容器9内のエアバッグ5内に送りこみ、その後は、拡張し内外差圧がゼロになったエアバッグ5の内部に閉じ込めることができる。すなわち、放射性物資のエアバッグ5への送り込みも、その後の閉じ込めのための外圧の維持も全て静的に外部動力電源も動的機器も使用することなく実現できる。苛酷事故時に発生する大量水素の静的なエネルギーを有効活用することにより、放射性ガスの閉じ込めを行なうことができる。
苛酷事故時に、炉心溶融が発生し、溶融炉心が原子炉圧力容器2の底部を貫通して落下しても、コアキャッチャー42によってコアデブリを受け止め、その後の原子炉格納容器8のコンクリート床の溶融浸食を防止することができる。また、GDCSプール22内の冷却水および水遮蔽21の水を下部ドライウェル17内に導き、コアキャッチャー42内のコアデブリを冠水し冷却することができる。
その際、コアデブリの熱で水蒸気が発生するが、水蒸気自体の圧力で吸い込み配管34によりPCCS熱交換器33に導かれて凝縮する。したがって、コアデブリの熱によって発生する水蒸気による原子炉格納容器8の過圧も発生しない。
前記凝縮水は、凝縮水戻り配管36によってGDCSプール22に環流し、再び、下部ドライウェル17の冠水に使用される。エアバッグ5が拡張することによって、上部二次格納容器9の圧力が上昇し、上部二次格納容器9の雰囲気が水遮蔽21内の水を上から加圧するので、水遮蔽21内の水は円滑に下部ドライウェル17の内部に注入される。これにより、原子炉圧力容器2は炉心1の頂部の上まで冠水する。したがって、炉心1に炉心燃料が残存していた場合でも、その熱によってドライウェル10が加温破損することが防止される。
水遮蔽21に代えて、上部二次格納容器9内に設置される燃料プール(図示せず。)や燃料交換時にドライヤーやセパレーターを収納するDSピット(図示せず。)に水を蓄えて同じように使用することが可能である。
[他の実施形態]
上述の各実施形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。また、各実
施の形態の特徴を組み合わせて実施してもよい。
1…炉心、2…原子炉圧力容器、3…原子炉一次格納容器、4…原子炉二次格納容器、5…エアバッグ、6…気相ベント管、7…隔離連通切替え装置、8…原子炉格納容器、9…上部二次格納容器(原子炉二次格納容器)、10…ドライウェル、11…圧力抑制プール、12…ウェットウェル、13…LOCAベント管、14…ベッセルスカート、15…ベッセルサポート、16…上部ドライウェル、17…下部ドライウェル、18…インターナルポンプ、19…運転床、20…原子炉一次格納容器上蓋、21…水遮蔽、22…重力落下式炉心冷却系(GDCS)プール、23…注入配管、24…注入弁、25…減圧弁、26…原子炉隔離時コンデンサー(IC)プール、27…静的格納容器冷却系(PCCS)プール、28…原子炉隔離時コンデンサー熱交換器、29…隔離弁、30…蒸気吸い込み配管、31…凝縮水戻り配管、32…注入弁、33…静的格納容器冷却系熱交換器、34…蒸気吸い込み配管、35…静的格納容器冷却系ベント管、36…凝縮水戻り配管、37…ストレーナー、38…逆止弁、39…ドレン配管、40…U字形シール、41…注入弁、42…コアキャッチャー、43…機器室

Claims (7)

  1. 原子炉圧力容器を格納して、大気圧よりも高い所定の耐圧性と気密性とを有する原子炉一次格納容器と、
    前記原子炉一次格納容器の外部に設置されて、前記原子炉一次格納容器と同等の耐圧性と気密性とを有する原子炉二次格納容器と、
    前記原子炉二次格納容器内に設置されて、前記原子炉一次格納容器内の事故時に前記原子炉一次格納容器内から放出される高圧気体を受容して閉じ込めながら膨張しうるエアバッグと、
    前記原子炉一次格納容器と前記エアバッグとを連結する気相ベント管と、
    を有し、
    前記エアバッグの膨張後は、前記エアバッグ内の高圧気体の圧力と前記原子炉二次格納容器の雰囲気の圧力が均圧化し、前記エアバッグ内および前記原子炉一次格納容器内の高圧気体を静的に閉じ込めることを特徴とする原子炉格納容器。
  2. 前記気相ベント管に隔離連通切替え装置が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の原子炉格納容器。
  3. 前記原子炉一次格納容器は、前記原子炉圧力容器を格納するドライウェルと、下部に圧力抑制プールを格納して上部に気相部が形成されたウェットウェルと、を含み、
    前記原子炉二次格納容器は前記原子炉一次格納容器の上部に設置され、
    前記気相ベント管は前記エアバッグと前記ウェットウェルの気相部とを連結するものであること、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の原子炉格納容器。
  4. 前記上部二次格納容器は、運転床を含み、原子炉一次格納容器上蓋によって前記原子炉一次格納容器と仕切られていること、を特徴とする請求項3に記載の原子炉格納容器。
  5. 前記原子炉二次格納容器の内部に冷却水を蓄えたプールが設置され、該プール内の冷却水の水面が前記原子炉二次格納容器内の雰囲気に開放されており、
    前記プールの内部にストレーナーが設置され、該ストレーナーよりドレン配管が前記ドライウェルの内部に導かれ、
    前記ドレン配管上に設けられた逆止弁とU字形シールと注入弁とを介して、前記ドレン配管の先端が、前記ドライウェル内で前記原子炉圧力容器を支持するベッセルサポートよりも下方の下部ドライウェル内に開口し、
    前記エアバッグが拡張し、前記原子炉二次格納容器の圧力が上昇した際に、前記原子炉二次格納容器内の雰囲気が前記プール内の冷却水の水面を加圧してその冷却水を前記下部ドライウェル内に導くように構成されていること、
    を特徴とした請求項3または請求項4に記載の原子炉格納容器。
  6. 前記下部ドライウェルの床にコアキャッチャーが設置され、
    前記エアバッグが拡張し、前記原子炉二次格納容器の圧力が上昇した際に、原子炉二次格納容器内の雰囲気が前記プール内の冷却水の水面を加圧し、前記下部ドライウェル内に導き、前記コアキャッチャーに落下したコアデブリを冠水し冷却するように構成されていること、
    を特徴とする請求項5に記載の原子炉格納容器。
  7. 炉心燃料を内蔵する原子炉圧力容器と、
    前記原子炉圧力容器を格納して、大気圧よりも高い所定の耐圧性と気密性とを有する原子炉一次格納容器と、
    前記原子炉一次格納容器の外部に設置されて、前記原子炉一次格納容器と同等の耐圧性と気密性とを有する原子炉二次格納容器と、
    前記原子炉二次格納容器内に設置されて、前記原子炉一次格納容器内の事故時に前記原子炉一次格納容器内から放出される高圧気体を受容して閉じ込めながら膨張しうるエアバッグと、
    前記原子炉一次格納容器と前記エアバッグとを連結する気相ベント管と、
    を有し、
    前記エアバッグの膨張後は、前記エアバッグ内の高圧気体の圧力と前記原子炉二次格納容器の雰囲気の圧力が均圧化し、前記エアバッグ内および前記原子炉一次格納容器内の高圧気体を静的に閉じ込めることを特徴とする原子力プラント。
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