JP5237078B2 - 車両用電源装置 - Google Patents
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Description
車両用電源装置では、バッテリの出力電圧は、例えば公称値12Vであり、電気負荷も12Vで作動するようになっているものが多い。しかし、オルタネータの発電電圧がバッテリを充電するために、14〜12.5Vと高い電圧となっていることから、12Vを超える電圧で電気負荷を作動させていることが多く、その分、無駄な電力を消費することになる。
また、優先度の高い電気負荷(電動ブレーキ、電動パワーステアリング装置等)への給電を維持する為に、優先度の低い電気負荷(ヒータ等)への電力をPWM制御により制限するようなことも提案されている。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、複数の負荷に与える電力をPWM制御する場合に、ノイズが発生する虞がない車両用電源装置を提供することを目的とする。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る車両用電源装置の実施の形態1の概略構成を示すブロック図である。
この車両用電源装置は、バッテリBを備えており、バッテリBは、オルタネータ(車載発電機、交流発電機)3が発電した電力により充電される。オルタネータ3は、図示しないエンジンに連動して発電し、発電した電力は、オルタネータ3内で整流されて出力される。
半導体リレー1R〜NRは、車両用電源装置の制御部1が内蔵するマイクロコンピュータ4(以下、マイコン4と記載)のタイマポートT/Pから個別にオン/オフ制御される。
制御部1は、スイッチ1S,2S,・・NSからのオン/オフ信号が、マイコン4のI/OポートI/Oにそれぞれ与えられ、与えられたオン/オフ信号に応じて半導体リレー1R〜NRを個別にオン/オフ制御する。
制御部1は、マイコン4内のメモリ(記憶手段)5に、負荷1L〜NL毎の平均的な消費電流値を記憶している。
マイコン4は、先ず、スイッチ1S〜NSからのオン/オフ信号により、オンにされた負荷(1L〜NL)の個数nを計数する(S1)。次いで、計数した個数nが0であるか否かを判定する(S3)。計数した個数nが0であれば、再度、負荷の個数nを計数する(S1)。計数した個数nが0でなければ、電圧検出手段2が検出したバッテリBの出力電圧値を取得する(S5)。
マイコン4は、次に、計数した個数n(S1)が1であるか否かを判定する(S8)。個数nが1でなければ、算出したデューティ比(S7)のときのオフ期間Toff (%)が、タイマポートT/P間で予め設定してあるPWM制御する際の時間差に相当する位相差tm(%)以下であるか否かを判定する(S9)。尚、位相差tm(%)は、2つの方形パルスの立上がり/立下がりで、ノイズが発生しない最小時間間隔(例えば、6ミリ秒)に相当する位相差td(%)以上とする。
マイコン4は、オフ期間Toff から位相差tdを差し引いた期間を、合計期間(n−1)tmが超えていれば(S10)、メモリ5が記憶してある消費電流値が小さい方から優先させて、同位相でPWM制御した電圧を与える為の負荷を組合わせる(S11)。尚、その際、組合わせでできた負荷群(負荷が1つ以上の負荷群)の個数ncとして、オフ期間Toff から位相差tdを差し引いた期間が、合計期間(nc−1)tm以下になるように、負荷を組合わせる。
マイコン4は、次に、スイッチ1S〜NSからのオン/オフ信号により、オンにされた負荷の個数nを計数する(S15)。
マイコン4は、次に、取得したバッテリBの出力電圧値(S21)が、前回取得した出力電圧値から変化しているか否かを判定する(S23)。出力電圧値が変化していなければ、スイッチ1S〜NSからのオン/オフ信号により、オンにされた負荷の個数nを計数する(S15)。出力電圧値が変化していれば、その変化した出力電圧値に基づき、バッテリBの出力電圧をPWM制御する際のデューティ比を算出する(S7)。
マイコン4は、個数nが0でなければ(S25)、電圧検出手段2が検出したバッテリBの出力電圧値を取得する(S27)。次いで、取得したバッテリBの出力電圧値が、前回取得した出力電圧値から変化しているか否かを判定する(S29)。
マイコン4は、出力電圧値が変化していなければ(S29)、負荷の個数n(S15)が1であるか否かを判定する(S30)。負荷の個数nが1でなければ、オフ期間Toff から位相差tdを差し引いた期間を、位相差tmの合計期間(n−1)tmが超えるか否かを判定する(S10)。
マイコン4は、負荷の個数nが1であれば(S30)、それ迄と同じデューティ比(S7)でPWM制御した電圧を、その負荷に与えることにより、その負荷のPWM駆動を開始する(S16)。
尚、ここで、例えば、負荷の個数n=6となれば、メモリ5が記憶してある消費電流値が小さい方から優先させて、同位相でPWM制御する2つの負荷の組を2つ作成し、負荷が1つ以上の負荷群の個数を4とする。
また、図5(b)に示すように、スイッチ1S〜NSの何れかが中途(ここでは(l+1)T周期の途中)でオフされ、k個の負荷の1つがオフになった場合、マイコン4は、当該負荷用のタイマポートT/Pのタイマを、(l+2)T周期の位相ktmでオフにする。
図6は、本発明に係る車両用電源装置の実施の形態2の概略構成を示すブロック図である。
この車両用電源装置の概略構成は、実施の形態1の概略構成(図1)において、制御部1のマイコン4のタイマポートT/PをI/OポートI/Oに置換えて、制御部1aのマイクロコンピュータ4a(以下、マイコン4aと記載)とした構成である。その他の構成は、図1において説明したので、説明を省略する。
マイコン4aは、先ず、スイッチ1S〜NSからのオン/オフ信号により、オンにされた負荷(1L〜NL)の個数nを計数する(S41)。次いで、計数した個数nが0であるか否かを判定する(S43)。計数した個数nが0であれば、再度、負荷の個数nを計数する(S41)。計数した個数nが0でなければ、電圧検出手段2が検出したバッテリBの出力電圧値を取得する(S45)。
マイコン4aは、次に、計数した個数n(S41)が1であるか否かを判定する(S48)。個数nが1でなければ、算出したデューティ比(S47)のときのオフ期間Toff (%)が、位相差td(%)以下であるか否かを判定する(S50)。尚、位相差td(%)は、2つの方形パルスの立上がり/立下がりで、ノイズが発生しない最小時間間隔(例えば、6ミリ秒)に相当する位相差である。
マイコン4aは、次に、算出したデューティ比(S47)及び算出した互いの位相差(S53)で個別にPWM制御した電圧を、n個の負荷にそれぞれ与えることにより、各負荷のPWM駆動を開始する(S55)。
マイコン4aは、次に、スイッチ1S〜NSからのオン/オフ信号により、オンにされた負荷の個数nを計数する(S57)。
マイコン4aは、次に、取得したバッテリBの出力電圧値(S69)が、前回取得した出力電圧値から変化しているか否かを判定する(S71)。出力電圧値が変化していなければ、スイッチ1S〜NSからのオン/オフ信号により、オンにされた負荷の個数nを計数する(S57)。出力電圧値が変化していれば、その変化した出力電圧値に基づき、バッテリBの出力電圧をPWM制御する際のデューティ比を算出する(S47)。
マイコン4aは、個数nが0でなければ(S73)、電圧検出手段2が検出したバッテリBの出力電圧値を取得する(S75)。次いで、取得したバッテリBの出力電圧値が、前回取得した出力電圧値から変化しているか否かを判定する(S77)。
マイコン4aは、出力電圧値が変化していなければ(S77)、負荷の個数n(S57)が1であるか否かを判定する(S78)。負荷の個数nが1でなければ、オフ期間Toff がntd以上であるか否かを判定する(S51)。
マイコン4aは、負荷の個数nが1であれば(S78)、それ迄と同じデューティ比(S47)でPWM制御した電圧を、その負荷に与えることにより、その負荷のPWM駆動を開始する(S49)。
尚、上述したように、一旦、各負荷をPWM駆動する位相を設定した後、消費電流値が小さい方から優先させて、位相が同じである負荷とするように、位相が同じである負荷を組替える(S61)。
ここで、負荷kをPWM駆動する位相が、上述のフローチャート(図7,8)で説明した動作によりTkと定まったとする。
ntm−td<Tk<ntm+td
つまり、
(Tk−td)/tm<n<(Tk+td)/tm
を満たす整数nが存在すれば、図11に示すように、Tkはntmに移動させる。尚、図11においては、(Tk−td)/tm<n<(Tk+td)/tmを満たす整数nが存在する場合、満たす整数nが存在しない場合(そのまま)、(Tk−td)/tm<n+1<(Tk+td)/tmを満たす整数n+1が存在する場合をそれぞれ示している。
2 電圧検出手段(出力電圧を検出する手段)
3 オルタネータ(車載発電機、交流発電機)
4,4a マイクロコンピュータ(マイコン)
5 メモリ(記憶手段)
B バッテリ
I/O I/Oポート
1L〜NL 負荷
1R〜NR 半導体リレー
1S〜NS スイッチ
T/P タイマポート
Claims (4)
- バッテリの出力電圧を検出する手段を備え、該手段が検出した出力電圧に応じたデューティ比及び一定周期で個別にPWM制御した電圧を、給電すべき複数の負荷へ与える車両用電源装置において、
所定位相差でPWM制御した電圧を、前記複数の負荷にそれぞれ与えるように構成してあり、
前記複数の負荷の各消費電流値を記憶してある記憶手段と、前記デューティ比に係るオフ期間から、前記所定位相差に相当する期間以下である所定時間を差し引いた期間を、前記所定位相差の合計に相当する期間が超えるか否かを判定する手段とを備え、該手段が超えると判定したときは、前記記憶手段が記憶してある各消費電流値に基づき、消費電流値が小さい方から優先させて組合わせた複数の負荷に同位相でPWM制御した電圧を与えるように構成してあることを特徴とする車両用電源装置。 - バッテリの出力電圧を検出する手段を備え、該手段が検出した出力電圧に応じたデューティ比及び一定周期で個別にPWM制御した電圧を、給電すべき複数の負荷へ与える車両用電源装置において、
前記デューティ比に係るオフ期間Toff が所定時間td以下であるか否かを判定する第1判定手段と、前記オフ期間Toff がntd(n;負荷の個数)以上であるか否かを判定する第2判定手段と、前記第1判定手段が所定時間td以下でないと判定し、前記第2判定手段がntd以上でないと判定したときに、(Toff −td)/{(n−1)td}、td、及び前記負荷に付加された通し番号(1〜n)に基づき、前記負荷それぞれに与えられるべき電圧をPWM制御する位相を設定する位相設定手段とを備えることを特徴とする車両用電源装置。 - 前記複数の負荷の各消費電流値を記憶してある記憶手段と、該記憶手段が記憶してある消費電流値が小さい方から優先させて、前記位相設定手段が設定した位相が同じである負荷とするように、位相が同じである負荷を組替える手段とを更に備える請求項2記載の車両用電源装置。
- 前記第2判定手段がntd以上であると判定したときは、(Toff −td)/(n−1)に相当する位相差でPWM制御した電圧を、前記複数の負荷にそれぞれ与えるように構成してある請求項2又は3記載の車両用電源装置。
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