JP5235280B2 - 固体高分子型燃料電池用アノード触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子型燃料電池用アノード触媒に関するものである。
固体高分子型燃料電池は、水素を燃料とするクリーンな電源として、電気自動車の駆動電源、また、発電と熱供給を併用する定置電源として開発が進められている。また、固体高分子型燃料電池は、リチウムイオン電池などの二次電池と比較して、高いエネルギー密度が特徴であり、携帯用コンピュータあるいは移動用通信機器の電源としても開発が進められている。
固体高分子型燃料電池の電源部分は、アノード(燃料極)とカソード(空気極)、および両極間に配したプロトン交換性の固体高分子電解質膜で構成される。アノードおよびカソードは、白金などの貴金属を担持した触媒、フッ素樹脂紛などの造孔剤、および固体高分子電解質の混合体薄膜である。
固体高分子型燃料電池では、単位電極面積当たりの出力が高いことが求められ、そのため、アノードとカソードを構成する電極触媒の電気化学反応活性が高いことが求められる。ここで、電気化学反応活性とは、水素を燃料としたアノードでは、水素を水素イオンへ酸化する電気化学活性であり、カソードでは酸素を水に還元する電気化学活性であり、いずれも電極触媒表面の反応活性である。かかる固体高分子型燃料電池のアノードとカソードの電極触媒には、通常、白金などの貴金属が用いられる。高価な貴金属の電極単位面積当たりの使用量の低減と高い電気化学活性が求められる。
アノードにおいては、燃料である水素ガス中に一酸化炭素が含まれていた場合や、携帯用などの用途のために燃料としてメタノールなどのアルコールを用いた場合には、一酸化炭素等の不純物によって白金が被毒し、触媒の活性が劣化することで電池性能が低下することが知られており、その対策として白金−ルテニウムの合金を触媒粒子として用いるものが数多く開示されている。例えば、特許文献1には、60質量%以上の白金を含有する白金−ルテニウム触媒を用いたアノード触媒について記載されている。また、特許文献2には、白金−ルテニウム合金の結晶構造が面心立方構造であるアノード触媒について開示されている。
特開2001−76742号公報 特開2003−178764号公報
しかし、上記特許文献のように白金−ルテニウム合金の組成や結晶構造を同等にしても、電池性能は必ずしも同等にはならず、電池性能を決める上で他に重要な因子があることが考えられていた。更に、特許文献2のようにルテニウム量を多くすると、コストが高くなるおそれがあった。
そこで、本発明は、一酸化炭素が含まれる燃料でも、高い電池性能を発揮する、含有するルテニウム量が少なく、コスト性に優れたアノード触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは、白金−ルテニウム合金の組成、触媒構造と電池性能との相関について鋭意検討した結果、一酸化炭素が含まれる燃料でも、高い電池性能を安定して発揮する、含有するルテニウム量が少なく、コスト性に優れたアノード触媒を得るに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)炭素材料に白金とルテニウムが触媒粒子として担持された固体高分子型燃料電池用アノード触媒であって、走査型透過電子顕微鏡を用いて見積もられる白金とルテニウムの原子比が、触媒粒子の表面近傍で40〜60:60〜40であり、前記触媒粒子の表面近傍での原子比が表面から深さ0.5nmまでの範囲の平均であり、前記触媒粒子の全体の平均の白金とルテニウムの原子比が65〜80:35〜20であることを特徴とする固体高分子型燃料電池用アノード触媒。
(2)前記触媒粒子の粒子径が5nm以下である(1)に記載の固体高分子型燃料電池用アノード触媒。
本発明によって、燃料中に一酸化炭素が含まれた状態でも高い電池性能を発揮することが可能な、含有するルテニウム量が少なく、コスト性に優れた固体高分子型燃料電池用アノード触媒を提供できる。
本発明の固体高分子型燃料電池用アノード触媒は、白金触媒にルテニウムを加えることによって、一酸化炭素が含まれる燃料を用いた場合においても活性の低下、すなわち、電池性能の低下を抑制することができる。
触媒粒子がアノード触媒として水素を水素イオンに酸化する反応を効率的に起こすためには、白金バルク表面と同等の電子状態を触媒粒子表面の白金が保持する必要がある。そのためには一定量の白金が必要であり、白金量を大幅に減らすことは困難である。一方、一酸化炭素が燃料中に含まれる状況では、白金上に吸着した一酸化炭素を、ルテニウム上に吸着したOHによって酸化除去し、活性を維持する必要があるが、白金表面上に局在したルテニウムがOH吸着による一酸化炭素の酸化除去効果を担うことを突き止め、触媒粒子内部に大量のルテニウムを存在するとコスト増になってしまうことを見出した。そこで、触媒表面では、最も高活性であるために白金とルテニウムが同量程度存在する状態を保ちながら、触媒内部においてはコスト増要因であるルテニウムを減らした触媒の作製を可能にした。
その触媒の特徴として、触媒粒子の表面近傍での白金とルテニウムの原子比が40〜60:60〜40であること、好ましくは45〜60:55〜40であることが最も重要である。表面での白金量が40原子%よりも少ないと、つまり、表面でのルテニウム量が60原子%よりも多いと、単位触媒体積当たりの触媒表面に吸着可能な水素量が減少するため、効率よく水素酸化反応が起こらず、高い電池性能を得ることができない。
一方、表面での白金量が60原子%よりも多いと、つまり、表面でのルテニウム量が40原子%よりも少ないと、一酸化炭素が燃料中に含まれている場合に、白金表面が一酸化炭素によって被毒され、活性の低下が著しく起こり、高い電池性能を維持することができない。
触媒粒子の表面近傍での物性は原子面3層程度で決まるため、表面近傍での原子比は表面から深さ0.5nmまでの範囲の平均であることが好ましい。それは、深さ0.5nmであれば、触媒表面の原子面が面心立方格子の(100)面、(110)面、(111)面のいずれであったとしても、少なくとも3層は含まれるためである。
触媒粒子全体での白金とルテニウムの原子比としては、40〜80:60〜20であることが好ましい。白金量が40原子%よりも少なくなると、つまり、ルテニウム量が60原子%よりも多くなると、図1に示す白金とルテニウムの平衡状態図から分かるように、全てのルテニウムを白金中に固溶させることができず、ルテニウム金属相が現れてしまう。ルテニウム金属相自体は電池性能に悪影響を及ぼすわけではないが、電池性能に対して何の寄与もしないため、その分コスト増となってしまう。
白金量が80原子%よりも多くなると、つまり、ルテニウム量が20原子%よりも少なくなると、触媒粒子径が3nmの場合には、触媒粒子の最表層のみにルテニウムを配置したとしても、触媒表面のルテニウムの原子比率を40%以上にすることが不可能である。触媒粒子全体のルテニウム量が20原子%未満で、且つ、触媒表面のルテニウム量が40原子%以上という条件を満たすためには、触媒粒子径を5nm超に大きくしなければならず、含まれる白金量が増加し、コスト増になってしまう。
触媒粒子の粒子径としては5nm以下であることが好ましく、更に好ましくは、4nm以下である。触媒粒子の粒子径が5nm超であると、触媒として効果のあるのは触媒粒子の表面近傍が主であるため、コスト増になり好ましくない。但し、触媒粒子の粒子径が1nm未満では、触媒表面を構成する結晶面が粒子径が1nm以上の場合とは異なるためか、触媒活性が低下してしまうため、粒子径の下限は1nmであり、これ以下の粒子径の触媒粒子は好ましくない。
触媒粒子を5nm以下の粒子径で均一に分散させるためには、触媒担体炭素材料のBET法による比表面積が200m2/g以上であることが好ましく、更には、500m2/g以上であることが望ましい。但し、BET法による比表面積は通常2500m2/g以下であり、これを超える炭素材料を得ることは困難である。
このような触媒の製造方法としては、塩化白金酸、塩化ルテニウム等の金属塩化物や、金属硝酸塩、金属錯体を、アルコール類、フェノール類、クエン酸類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類及びエーテル類から選ばれる還元剤によって還元し、炭素担体に液相吸着させることによって、白金とルテニウムを炭素担体に担持するのが好ましい。更に、触媒表面でのルテニウムの比率に対して、触媒内部でのルテニウムの比率を低くするために、白金とルテニウムを含有する金属塩化物、金属硝酸塩、金属錯体の還元を一度に全て行うのではなく、白金とルテニウムの比率を変えながら滴下し、還元したり、白金とルテニウムの比率を変えて数回に分けて還元を行ったりするのが好ましい。
次に、具体的な実施例により本発明を詳細に説明する。
[比較例1]
炭素材料(キャボット社製Vulcan XC72R:BET比表面積=227m2/g)1gを蒸留水に入れ、超音波によって分散させた後、オイルバスに入れ、撹拌した。その後、0.04mol/Lのヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物の水溶液40mLと0.04mol/Lの塩化ルテニウムの水溶液40mLを入れ、更にエタノール240mLを投入し、1時間攪拌後、濾過、洗浄を行った。これを90℃で真空乾燥し、触媒Aとした。その後、粉砕し、X線回折装置(理学電機製)により得られた白金の(111)ピークの半値幅からScherrerの方法を用いて触媒粒子の粒子径を3.8nm、回折角度から触媒粒子の格子定数を3.92Åと見積った。更に走査型透過電子顕微鏡を用い、触媒粒子の白金とルテニウムの原子比の平均を78:22と見積った。更に、触媒粒子の表面から深さ0.5nmまでの範囲での白金とルテニウムの原子比の平均を78:22と見積った。
[比較例2]
炭素材料(キャボット社製Vulcan XC72R:BET比表面積=227m2/g)1gを蒸留水に入れ、超音波によって分散させた後、オイルバスに入れ、撹拌した。その後、0.04mol/Lのヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物の水溶液20mLと0.04mol/Lの塩化ルテニウムの水溶液60mLを入れ、更に0.04mol/Lのヒドラジン水溶液80mLを投入し、1時間攪拌後、濾過、洗浄を行った。これを90℃で真空乾燥し、触媒Bとした。その後、粉砕し、X線回折装置(理学電機製)により得られた白金の(111)ピークの半値幅からScherrerの方法を用いて触媒粒子の粒子径を5.2nm、回折角度から触媒粒子の格子定数を3.86Åと見積った。更に走査型透過電子顕微鏡を用い、触媒粒子の白金とルテニウムの原子比の平均を29:71と見積った。更に、触媒粒子の表面から深さ0.5nmまでの範囲での白金とルテニウムの原子比の平均を29:71と見積った。
[実施例1]
炭素材料(キャボット社製Vulcan XC72R:BET比表面積=227m2/g)1gを蒸留水に入れ、超音波によって分散させた後、オイルバスに入れ、撹拌した。その後、0.04mol/Lのヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物の水溶液20mLを入れ、更に0.04mol/Lのヒドラジン水溶液80mLを投入し、1時間攪拌後、濾過、洗浄を行った。これを90℃で真空乾燥した後、再度、蒸留水に入れ、超音波によって分散させた後、0.04mol/Lのヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物の水溶液20mLと0.04mol/Lの塩化ルテニウムの水溶液20mLを入れ、更に0.04mol/Lのヒドラジン水溶液80mLを投入し、1時間攪拌後、濾過、洗浄を行った。これを90℃で真空乾燥し、触媒Cとした。その後、粉砕し、X線回折装置(理学電機製)により得られた白金の(111)ピークの半値幅からScherrerの方法を用いて触媒粒子の粒子径を5.8nm、回折角度から触媒粒子の格子定数を3.89Åと見積った。更に走査型透過電子顕微鏡を用い、触媒粒子の白金とルテニウムの原子比の平均を71:29と見積った。更に、触媒粒子の表面から深さ0.5nmまでの範囲での白金とルテニウムの原子比の平均を53:47と見積った。
比較例3
炭素材料(キャボット社製Vulcan XC72R:BET比表面積=227m2/g)1gを蒸留水に入れ、超音波によって分散させた後、オイルバスに入れ、撹拌した。その後、0.04mol/Lのヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物の水溶液20mLと0.04mol/Lの塩化ルテニウムの水溶液12mLを入れ、更に0.04mol/Lのヒドラジン水溶液80mLを投入し、1時間攪拌後、濾過、洗浄を行った。これを90℃で真空乾燥した後、再度、蒸留水に入れ、超音波によって分散させた後、0.04mol/Lのヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物の水溶液20mLと0.04mol/Lの塩化ルテニウムの水溶液20mLを入れ、更に0.04mol/Lのヒドラジン水溶液80mLを投入し、1時間攪拌後、濾過、洗浄を行った。これを90℃で真空乾燥し、触媒Dとした。その後、粉砕し、X線回折装置(理学電機製)により得られた白金の(111)ピークの半値幅からScherrerの方法を用いて触媒粒子の粒子径を6.3nm、回折角度から触媒粒子の格子定数を3.87Åと見積った。更に走査型透過電子顕微鏡を用い、触媒粒子の白金とルテニウムの原子比の平均を48:52と見積った。更に、触媒粒子の表面から深さ0.5nmまでの範囲での白金とルテニウムの原子比の平均を51:49と見積った。
[実施例
炭素材料(キャボット社製Vulcan XC72R:BET比表面積=227m2/g)1gを蒸留水に入れ、超音波によって分散させた後、オイルバスに入れ、撹拌した。その後、0.04mol/Lのヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物の水溶液20mLを入れ、更にエタノール240mLを投入し、1時間攪拌後、濾過、洗浄を行った。これを90℃ で真空乾燥した後、再度、蒸留水に入れ、超音波によって分散させた後、0.04mol/Lのヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物の水溶液20mLと0.04mol/Lの塩化ルテニウムの水溶液20mLを入れ、更に0.04mol/Lのヒドラジン水溶液80mLを投入し、1時間攪拌後、濾過、洗浄を行った。これを90℃で真空乾燥し、触媒Eとした。その後、粉砕し、X線回折装置(理学電機製)により得られた白金の(111)ピークの半値幅からScherrerの方法を用いて触媒粒子の粒子径を4.3nm、回折角度から触媒粒子の格子定数を3.89Åと見積った。更に走査型透過電子顕微鏡を用い、触媒粒子の白金とルテニウムの原子比の平均を65:35と見積った。更に、触媒粒子の表面から深さ0.5nmまでの範囲での白金とルテニウムの原子比の平均を53:47と見積った。
比較例4
炭素材料(キャボット社製Vulcan XC72R:BET比表面積=227m2/g)1gを蒸留水に入れ、超音波によって分散させた後、オイルバスに入れ、撹拌した。その後、0.04mol/Lのヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物の水溶液20mLと0.04mol/Lの塩化ルテニウムの水溶液12mLを入れ、更に0.1mol/Lの水素化ホウ素ナトリウム80mLを投入し、1時間攪拌後、濾過、洗浄を行った。これを90℃で真空乾燥した後、再度、蒸留水に入れ、超音波によって分散させた後、0.04mol/Lのヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物の水溶液20mLと0.04mol/Lの塩化ルテニウムの水溶液20mLを入れ、更に0.04mol/Lのヒドラジン水溶液80mLを投入し、1時間攪拌後、濾過、洗浄を行った。これを90℃で真空乾燥し、触媒Fとした。その後、粉砕し、X線回折装置(理学電機製)により得られた白金の(111)ピークの半値幅からScherrerの方法を用いて触媒粒子の粒子径を4.6nm、回折角度から触媒粒子の格子定数を3.86Åと見積った。更に走査型透過電子顕微鏡を用い、触媒粒子の白金とルテニウムの原子比の平均を54:46と見積った。更に、触媒粒子の表面から深さ0.5nmまでの範囲での白金とルテニウムの原子比の平均を52:48と見積った。
[カソード触媒]
炭素材料(キャボット社製Vulcan XC72R:BET比表面積=227m2/g)1gを蒸留水に入れ、超音波によって分散させた後、オイルバスに入れ、撹拌した。その後、0.04mol/Lのヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物の水溶液40mLを入れ、更にエタノール240mLを投入し、1時間攪拌後、濾過、洗浄を行った。これを90℃で真空乾燥し、触媒Gとした。その後、粉砕し、X線回折装置(理学電機製)により得られた白金の(111)ピークの半値幅からScherrerの方法を用いて触媒粒子の粒子径を3.5nm、回折角度から触媒粒子の格子定数を3.93Åと見積った。
[電池性能評価]
これらの触媒7種について、それぞれ、白金触媒の質量に対してナフィオン(デュポン社の登録商標)固形分の質量が2倍になるように、アルゴン気流中で5%ナフィオン溶液(アルドリッチ製)を加え、軽く撹拌後、超音波で触媒を粉砕し、白金触媒とナフィオンを合わせた固形分濃度が、6質量%となるように撹拌しながら酢酸ブチルを加え、触媒スラリー7種を作製した。別容器に炭素材料をとり、炭素材料が6質量%になるように酢酸ブチルを加えて、超音波で炭素材料を粉砕し、炭素材料スラリーを作製した。先に作製したそれぞれの触媒スラリー7種と炭素材料スラリーを質量比8:2で混合した後、十分攪拌し、触媒層スラリー7種を作製した。
市販のカーボンクロス(ElectroChem社製EC-CC1-060)を準備し、これを5%に希釈したテフロン(登録商標)分散液中に浸漬した後、乾燥し、さらにアルゴン気流中で340℃に昇温してガス拡散層を作製した。また、炭素材料1gにエタノール99gを加え、ボールミルで炭素材料を粉砕し、一次分散液を作った。その後、一次分散液を攪拌しながら30%テフロン(登録商標)分散液0.833gを少しづつ滴下し、マイクロポア層スラリーを作製した。このスラリーを先に作成したガス拡散繊維層の片面にスプレーを用いて塗布し、アルゴン気流中で80℃で乾燥した後に340℃に昇温して、ガス拡散繊維層とマイクロポア層が積層したガス拡散層を作製した。
触媒層スラリー7種をそれぞれガス拡散層の片面にスプレーで塗布し、80℃のアルゴン気流中で1時間乾燥し、触媒層として触媒A、B、C、D、E、F、Gが含有された固体高分子型燃料電池用電極7種を得た。なお、それぞれの電極は白金使用量が0.10mg/cm2となるようにスプレー等の条件を設定した。白金使用量は、スプレー塗布前後の電極の乾燥質量を測定し、その差から計算して求めた。
さらに、上記で得られた触媒層に触媒A、B、C、D、E、Fを含有した固体高分子型燃料電池用電極から、それぞれ2.5cm角の大きさのものを1枚づつ切り取り、また、触媒層に触媒Gを含有した固体高分子型燃料電池用電極からは2.5cm角の大きさのものを6枚切り取り、触媒層が電解質膜と接触するように、触媒A、B、C、D、E、Fが含まれる電極と触媒Gが含まれる電極で電解質膜(ナフィオン112)をはさみ、130℃、総加圧0.625tで3分間ホットプレスを行い、MEA6種を作製した。
得られたMEA6種を、それぞれ燃料電池測定装置に組み込み、電池性能測定を行った。電池性能測定は、カソードに空気、アノードに水素:75%、CO2:25%およびCO:200ppmを含む改質模擬ガスをそれぞれ供給し、電流密度0.5A/cm2における200時間後のセル電圧降下を測定した。また、セル温度は80℃に設定し、供給する空気と改質模擬ガスは、それぞれ80℃と90℃に保温された蒸留水中でバブリングを行い、加湿した。
表1にMEA6種の電池性能結果を示した。本発明の触媒C〜Fを用いたMEAは高い電池性能を発揮した。特に粒子径の小さい触媒EとFを用いたMEAは極めて優れた電池性能を発揮した。
Figure 0005235280
図1は、白金・ルテニウム2元系の平衡状態図である。

Claims (2)

  1. 炭素材料に白金とルテニウムが触媒粒子として担持された固体高分子型燃料電池用アノード触媒であって、
    走査型透過電子顕微鏡を用いて見積もられる白金とルテニウムの原子比が、触媒粒子の表面近傍で40〜60:60〜40であり、
    前記触媒粒子の表面近傍での原子比が表面から深さ0.5nmまでの範囲の平均であり、
    前記触媒粒子の全体の平均の白金とルテニウムの原子比が65〜80:35〜20であることを特徴とする固体高分子型燃料電池用アノード触媒。
  2. 前記触媒粒子の粒子径が5nm以下である請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用アノード触媒。
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