JP5234416B2 - 放射化コンクリートの処理方法 - Google Patents

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本発明は、放射化したコンクリートから決定核種を除去して、該放射化コンクリートを処理する放射化コンクリートの処理方法に関する。
従来、例えば原子力発電所などの原子力関連施設においては、十分な強度を有するとともに放射線の遮蔽性に優れることから、構造躯体をコンクリートで構築するようにしている。
一方、このような原子力関連施設のコンクリートは、放射線に暴露されて放射化されるため、施設の改築などを行う際に、放射性廃棄物として保管管理の必要が生じてしまう。そして、放射化コンクリートは、例えば全コンクリートの1%程度であるにもかかわらず、その保管管理に多大な費用を要するという問題があり、決定核種を除去処理して減容化し、その多くを一般廃棄物として取り扱えるようにすることが求められている。
これに対し、本願の発明者らは、放射化コンクリートを粉砕する粉砕工程と、粉砕工程で得られた放射化コンクリートの粉砕物を洗浄液で洗浄し、粉砕物から決定核種(対象元素)を化学的に分離する洗浄工程とを備えた放射化コンクリートの処理方法を提案している(例えば、特許文献1参照)。そして、この放射化コンクリートの処理方法で放射化コンクリート(廃コンクリート)を処理することにより、放射化コンクリートを減容化し、その多くを一般廃棄物として取り扱えるようにして、処分費を大幅に削減できるようにしている。
特開2002−341088号公報
一方、放射化コンクリートを処理するにあたり、粒径が概ね2mm以下の細骨材については、内部に存在する決定核種の除去(対象元素の抽出)に問題がないことが確認されており、このため、粗骨材についても2mm程度まで微粉砕する必要性が示唆されていた。
しかしながら、原子力関連施設のコンクリートは、放射線の遮蔽性などを考慮して粒径が数十mmに及ぶ粗骨材が使用されており、このような粗骨材を2mm程度まで微粉砕するためには多大な労力とコストを要することになる。
本発明は、上記事情に鑑み、粗骨材の粉砕方法を工夫し、粗骨材を微粉砕することなく確実に決定核種を除去できるようにした放射化コンクリートの処理方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の放射化コンクリートの処理方法は、放射化コンクリートから決定核種を除去して、前記放射化コンクリートを処理する方法であって、前記放射化コンクリートを加熱処理する加熱処理工程と、前記加熱処理した前記放射化コンクリートの粗骨材を分別する粗骨材分別工程と、前記粗骨材分別工程で分別した前記粗骨材を粉砕機によって薄片状に粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程で粉砕した薄片状の前記粗骨材から前記決定核種を除去する洗浄工程とを備えていることを特徴とする。
この発明においては、まず、放射化コンクリートを加熱処理工程で加熱処理することによりトリチウムを除去することが可能になる。すなわち、放射化コンクリートは、結晶水などの形で水分子を保有しており、その一部がコンクリートを構成する物質と同じように放射化してトリチウムとなっている。そして、加熱処理工程において例えば650〜700℃の高温で放射化コンクリートを加熱処理することによって、このトリチウムを除去することが可能になる。さらに、このように放射化コンクリートを加熱処理すると、結晶水が取り除かれ、放射化コンクリートのコンクリート塊を脆弱化させることが可能になる。
そして、加熱処理工程によってトリチウムを除去するとともにコンクリート塊が脆弱化しているため、加熱処理工程後の放射化コンクリートは、少々の衝撃を加えることで容易に粉砕することが可能になる。このため、粗骨材分別工程で、ふるい目が2mm程度のふるいを用いて分離することにより、細骨材及びコンクリート粉がふるいを通過し、ふるい上に粗骨材が残り、粗骨材を容易に分別することが可能になる。
ついで、粗骨材分別工程で分別した粗骨材を、例えばロールクラッシャーなどの粉砕機を用い、粉砕工程で薄片状に粉砕する。このように粗骨材をローラー状のもので圧壊して薄片状に粉砕することにより、粗骨材(粗骨材の粉砕物)の表面積が十分に大きくなるため、粗骨材を粉砕し10mm程度の大きさにした場合においても、洗浄工程で粗骨材(粗骨材の粉砕物)から決定核種を除去することが可能になる。
本発明の放射化コンクリートの処理方法においては、加熱処理工程によって放射化コンクリートからトリチウムを除去することが可能になるとともに、放射化コンクリートのコンクリート塊を脆弱化させることが可能になる。これにより、粗骨材分別工程で粗骨材を容易に分別することが可能になる。そして、粗骨材粉砕工程で粗骨材を薄片状に粉砕することによって、粗骨材を微粉砕することなく、洗浄工程で決定核種を除去することが可能になる。
よって、本発明の放射化コンクリートの処理方法によれば、10mm程度の薄片状に粗骨材を粉砕することで、2mm程度の細骨材に加えて、粗骨材から確実に決定核種を除去することができ、確実に放射化コンクリートを処理することが可能になる。
以下、図1及び図2を参照し、本発明の一実施形態に係る放射化コンクリートの処理方法について説明する。本実施形態は、例えば、原子力発電所などの原子力関連施設の改修などに伴い固体廃棄物として発生する放射化コンクリートを処理する方法に関するものである。
本実施形態の放射化コンクリートの処理方法は、図1に示すように、原子力関連施設等で生じる放射化コンクリート(廃コンクリート塊)1を加熱処理する加熱処理工程2と、加熱処理した放射化コンクリート1の粗骨材S1を分別する(細骨材及びコンクリート粉S2と粗骨材S1とを分別する)粗骨材分別工程3と、粗骨材分別工程3で分別した粗骨材S1を粉砕する粉砕工程4と、粉砕工程4で粉砕した粗骨材S1の粉砕物S1’やコンクリート粉及び細骨材の粉砕物S2’を洗浄する洗浄工程5と、洗浄工程5後に洗浄液と粉砕物S1’、S2’とを分離する固液分離工程6と、固液分離工程6で分離した粉砕物S1’、S2’を乾燥する乾燥工程7とを備えている。
加熱処理工程2では、放射化コンクリート1を例えば650〜700℃で加熱する。ここで、放射化コンクリート1は、結晶水などの形で水分子を保有しており、その一部はコンクリートを構成する物質と同じように放射化してトリチウムとなっている。そして、放射化コンクリート1の処理に先立って、加熱処理工程2で放射化コンクリート1を加熱処理することによって、分子内に包含されている結晶水を含めてトリチウムが取り除かれる。
また、加熱処理工程2で上記のように放射化コンクリート1を加熱処理して、放射化コンクリート1から結晶水が取り除かれることによって、放射化コンクリート1のコンクリート塊は、非常に脆くなり(脆弱化し)、少々の衝撃を加えることで容易に粉砕できるようになる。このため、粗骨材分別工程3で、ふるい目が2mm程度のふるいを用いて分離することにより、細骨材及びコンクリート粉S2がふるいを通過し、ふるい上に粗骨材S1が残り、粗骨材S1が容易に分別される。
なお、例えば2mm程度のふるいを用いてふるい分けを行った際に、このふるいを通過した細骨材及びコンクリート粉の粉砕物S2’は、サイクロンなど密度差を利用する分離装置を用いて、細骨材とコンクリート粉とをそれぞれ分離する。このように細骨材とコンクリート粉を分離し、それぞれ個別に後段の洗浄工程5で洗浄を行うことにより、決定核種を確実に除去でき、且つその除去効率を高めることが可能になる。
ついで、粗骨材分別工程3で分別した粗骨材S1を、例えばロールクラッシャーなどの粉砕機を用い、粉砕工程4で薄片状に粉砕する。このように粗骨材S1を薄片状に粉砕することによって、粗骨材S1(粗骨材S1の粉砕物S1’)の表面積が十分に大きくなる。このとき、放射化コンクリート1に使用されている粗骨材S1の鉱物的性質などを勘案して、粉砕機(粉砕方法)や粉砕サイズを決定する。ここで、粉砕物S1’、S2’から決定核種を除去する後段の処理(洗浄工程5)においては、粉砕物S1’、S2’の粒径が問題になるのではなく、決定核種の抽出、除去という性格から粉砕物S1’、S2’の表面積が十分に大きいことが必要になる。このため、粉砕工程4では、適切な粉砕方法の選択により、鉱物結晶に依存した薄片状の粗骨材の粉砕物S1’が得られるように、種々の粉砕機、または粉砕工程を組み合わせ、適切な表面積となるように粗骨材S1を粉砕することが重要である。
そして、実際の粗骨材の粉砕物S1’(粉砕サンプル)では、10mm程度となるように粉砕されていることにより、後段の洗浄工程5による決定核種の抽出、除去が好適に行えることが確認されている。
表1は、粗骨材分別工程3で分別した粗骨材S1を実際に粉砕した試験条件を示しており、表2及び表3は、試験結果を示している。この試験では、表1に示すように、最大寸法が30×50×60mmの粗骨材S1(投入品)を、ロールクラッシャーによる粉砕と、ふるい目が8mm、5.6mm、3mm、1mmのふるいを用いた分離とを4回繰り返して粉砕している。そして、表2は、4回(1パス〜4パス)の粉砕、分離の各回における粉砕物S1’の粒径分布を示し、表3は、4回の粉砕、分離を終えた段階の粉砕物S1’の粒径分布を示している。なお、この試験では、1回目(1パス)で8mmのふるいに残った粉砕物S1’(1パス品)を2回目(2パス)の投入品とし、2回目で8mmのふるいに残った粉砕物S1’(2パス品)を3回目(3パス)の投入品とし、3回目で8mmのふるいに残った粉砕物S1’(3パス品)を4回目(4パス)の投入品として、それぞれ粉砕、分離を行っている。
Figure 0005234416
Figure 0005234416
Figure 0005234416
そして、表2に示すように、1回目から4回目まで(1パスから4パスまで)順次粉砕と分離を繰り返すことにより、8mmのふるいに残る粉砕物S1’は減少してゆき、表3に示すように、4回目で5.6mm未満〜1mm以上(−5.6mm〜+1mm)の目標粒径の粉砕物S1’が50%の割合になるまで粉砕された。また、8mm以上(−8mm)の粉砕物S1’が7.7%となり、8mm未満(−8mm)の粉砕物S1’が92.3%になるまで粉砕され、ほぼ全ての粉砕物S1’が10mm程度を下回る所望の大きさで粉砕された。よって、上記のようにロールクラッシャーを用いて粗骨材S1を粉砕することで、薄片状で10mm程度の大きさで粉砕され、十分に大きな表面積を有する粉砕物S1’が得られることが実証された。
そして、このように粉砕工程3で得られた放射化コンクリート1の粉砕物S1’、S2’を洗浄工程5で洗浄する。この洗浄工程5は、粉砕物S1’、S2’を収容した洗浄槽に予め調整した洗浄液を供給し、洗浄液で粉砕物S1’、S2’を洗浄することにより、粉砕物S1’、S2’の内部に存在する決定核種(対象元素)を化学的に分離する。
ここで、現在予測されている原子力発電所の生体遮蔽体の放射化コンクリート1は、図2に示すように、ごく僅かの放射性核種、すなわち全放射性核種に対して決定核種となる60Co、 152Eu、 154Euを取り除けば、放射化コンクリート1(廃コンクリート)の全てを一般廃棄物として取り扱うことが可能になる。このため、本実施形態では、Co(コバルト)とEu(ユウロビウム)を決定核種とし、これを粉砕物S1’、S2’から分離除去するものとして説明を行う。
そして、洗浄工程5では、CoおよびEuをそれぞれ粉砕物S1’、S2’から分離除去するために、例えば洗浄液として、pH調整剤とキレート剤とを用いる。pH調整剤は、酸やアルカリの水溶液などであり、具体的には硝酸や過塩素酸、硝酸アンモニウム塩の水溶液などの酸や、水酸化ナトリウムやアンモニア水などのアルカリが用いられる。
キレート剤としては、Coとキレート化合物を形成するものとして例えばピロリジン−N−ジチオカルボン酸アンモニウム塩(APDC)が用いられ、またEuとキレート化合物を形成するものとして例えばトリフルオルテノイルアセトン(TTA)が用いられる。
これらpH調整剤とキレート剤とからなる洗浄液は、全部を混合して用いることに限らず、洗浄の前処理として一部のpH調整剤を用い、洗浄の本処理としてキレート剤や他のpH調整剤等を用いる場合もある。
そして、粉砕物S1’、S2’からのCoの分離除去については、粉砕物S1’、S2’を水酸化ナトリウム水溶液で前処理した後に、飽和硫酸アンモニウムとキレート剤のAPDCとを加える。すると、粉砕物S1’、S2’中のCoは、添加された水酸化ナトリウムに溶解し、さらに飽和硫酸アンモニウムの添加によって液が中和された状態で、APDCとキレート化合物を形成する。これにより、粉砕物S1’、S2’中のCoが、pH調整剤およびキレート剤からなる洗浄液によって分離除去される。
また、粉砕物S1’、S2’からのEuの分離除去は、Coの分離除去を行った後の粉砕物S1’、S2’を洗浄処理することで行う。すなわち、Coに対する洗浄工程5が終了した後に、粉砕物S1’、S2’と洗浄液とを一旦、遠心分離法などを用いた固液分離工程6で固液分離し、固体分である粉砕物S1’、S2’を再度洗浄工程5に返送する。一方、液体分である洗浄液は重金属回収工程8で処理され、粉砕物S1’、S2’から分離してこの洗浄液中に存在するCoが回収される。
このCoの回収は、まず、固液分離で得られた洗浄液を静置することにより、有機相と水相とに分離する。ついで、有機相に硝酸を添加し、この有機相中のキレート化合物を再度キレート剤(APDC)とCoとに分離し、分離したCoを従来公知の適宜方法を用いて回収する。Co回収後のキレート剤は、再度Coの分離除去に用いるべく、洗浄液調整9にリサイクルされる。
一方、Co分離後の粉砕物S1’、S2’からのEuの分離除去は、はじめに、粉砕物S1’、S2’を硝酸と過塩素酸で前処理し、これを加熱した後、アンモニア水を添加して液のpHを1.5程度に調整する。また、これとともに、四塩化炭素中に溶解したキレート剤のTTAを加える。すると、粉砕物S1’、S2’中のEu等の金属は、添加された酸に溶解する。そして、アンモニア水の添加によって液がpH1.5程度に調整された状態で、Eu等の一部の金属を除く他の金属がTTAとキレート化合物を形成する。
ついで、この洗浄液を有機相と水相とに分離し、キレート化合物を含む有機相からEu等の一部の金属を含む水相を分離する。そして、得られた水相に酢酸アンモニウムとアンモニア水とを添加して液のpHを4.5程度に調整するとともに、四塩化炭素中に溶解したキレート剤であるTTAを加える。すると、酢酸アンモニウムとアンモニア水との添加によって液がpH4.5程度に調整された状態で、主にEuがTTAとキレート化合物を形成する。これにより、粉砕物S1’、S2’中のEuは、pH調整剤およびキレート剤からなる洗浄液によって、粉砕物S1’、S2’から分離除去される。
このようにEuに対する洗浄工程5が終了した段階で、粉砕物S1’、S2’と洗浄液を、Coに対する洗浄工程5が終了したときと同様に、遠心分離法などによる固液分離工程6で固液分離する。そして、液体分である洗浄液を重金属回収工程8で処理することにより、Euを回収する。
Euの回収は、はじめに、固液分離で得られた洗浄液を静置して、EuとTTAのキレート化合物を含む有機相と、水相とに分離する。ついで、有機相に硝酸を添加し、有機相中のキレート化合物を再度キレート剤(TTC)とEuとに分離する。そして、分離したEuを従来公知の適宜方法を用いて回収する。Eu回収後のキレート剤は、再度Euの分離除去に用いるべく、Co用のキレート剤と同様に洗浄液調整9にリサイクルされる。なお、回収した決定核種としてのCoおよびEuは、従来の放射化コンクリート1と同様に、保管管理される。
そして、本実施形態においては、上記のように洗浄工程5で粉砕物S1’、S2’から決定核種を除去する際に、特に粗骨材の粉砕物S1’が、粉砕工程4で、その表面積が十分に大きくなるように粉砕されているため、2mm程度に微粉砕されていなくても、洗浄液との接触面積が大きくなり、確実に且つ効率的に粉砕物S1’から決定核種が除去されることになる。
ついで、固液分離工程6で得られた固体分の粉砕物S1’、S2’は、乾燥機による乾燥工程7で乾燥され、所定の含水率以下に調整される。なお、この乾燥工程7は、乾燥機を用いることに限定する必要はなく、自然乾燥によって行うようにしてもよい。そして、乾燥後の粉砕物S1’、S2’は、放射線量を測定し、決定核種が確実に取り除かれていることを確認した上で、一般廃棄物として処分され、あるいは細骨材や粗骨材などのリサイクル品10として出荷される。また、万一、粉砕物S1’の放射線量が目標値に達していない場合には、再度粉砕工程4に粉砕物S1’を送り、粗骨材S1の鉱物的性質等に応じた粉砕サイズ(表面積)で粉砕し直すことで、確実に粉砕物S1’から決定核種を除去できるように再処理を施すことが可能である。
したがって、本実施形態の放射化コンクリートの処理方法においては、まず、放射化コンクリート1を加熱処理工程2で加熱処理することによりトリチウムを除去することが可能になる。さらに、このように放射化コンクリート1を加熱処理することによって、結晶水が取り除かれ、放射化コンクリート1のコンクリート塊を脆弱化させることが可能になる。
そして、加熱処理工程2によってトリチウムを除去するとともにコンクリート塊が脆弱化していることで、加熱処理工程2後の放射化コンクリート1は、少々の衝撃を加えることで容易に粉砕することが可能になり、これにより、粗骨材分別工程3で、ふるい目が2mm程度のふるいを用いて分離することで、細骨材及びコンクリート粉S2がふるいを通過し、ふるい上に粗骨材S1が残り、粗骨材S1を容易に分別することが可能になる。
さらに、粗骨材分別工程3で分別した粗骨材S1を、ロールクラッシャーなどの粉砕機を用い、粉砕工程4で薄片状に粉砕する。このように粗骨材S1を薄片状に粉砕することによって、粗骨材S1(粗骨材の粉砕物S1’)の表面積が十分に大きくなるため、粗骨材S1を粉砕し10mm程度の大きさにした場合においても、洗浄工程5で粗骨材S1(粗骨材の粉砕物S1’)から決定核種を除去することが可能になる。
よって、本実施形態の放射化コンクリートの処理方法によれば、10mm程度の薄片状に粗骨材S1を粉砕することで、2mm程度の細骨材S2に加えて、粗骨材S1から確実に決定核種を除去することができ、本願の発明者らによる特許文献1において、放射化コンクリート1を0.01mm〜10mm程度に粉砕することによって確実に放射化コンクリート1を処理できることが裏付けられた。また、決定核種の抽出・除去の効果は処理後の粗骨材の粉砕物S1’の放射線量を測定することで確認可能であるため、目標線量に達していない場合には、再度処理を行うことであらゆる廃粗骨材、及び粉砕サイズの処理が可能である。
以上、本発明に係る放射化コンクリートの処理方法の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明の一実施形態に係る放射化コンクリートの処理方法を示すフロー図である。 中性子束変動によるコンクリート中の放射化放射性物質濃度の差異を示す図であり、コンクリート深さと放射化放射性物質濃度との関係を示す図である。
符号の説明
1 放射化コンクリート(廃コンクリート塊)
2 加熱処理工程
3 粗骨材分別工程
4 粉砕工程
5 洗浄工程
6 固液分離工程
7 乾燥工程
8 重金属回収工程
9 洗浄液調整
10 リサイクル品
S1 粗骨材
S1’ 粗骨材の粉砕物
S2 細骨材及びコンクリート粉
S2’ 細骨材及びコンクリート粉の粉砕物

Claims (1)

  1. 放射化コンクリートから決定核種を除去して、前記放射化コンクリートを処理する方法であって、
    前記放射化コンクリートを加熱処理する加熱処理工程と、
    前記加熱処理した前記放射化コンクリートの粗骨材を分別する粗骨材分別工程と、
    前記粗骨材分別工程で分別した前記粗骨材を粉砕機によって薄片状に粉砕する粉砕工程と、
    前記粉砕工程で粉砕した薄片状の前記粗骨材から前記決定核種を除去する洗浄工程とを備えていることを特徴とする放射化コンクリートの処理方法。
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