JP5232677B2 - デジタル伝送方式の復号器及び受信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、衛星伝送路等で発生する歪補償技術に関し、特に、デジタル伝送方式の復号器及び受信装置に関する。
デジタル伝送方式では、各サービスで利用可能な周波数帯域幅において、より多くの情報が伝送可能となるように、多値変調方式がよく用いられる。周波数利用効率を高めるには、変調信号1シンボル当たりに割り当てるビット数(変調多値数)を高める必要があるが、周波数1Hzあたりに伝送可能な情報速度の上限値と信号対雑音比の関係はシャノン限界で制限される。
衛星伝送路を用いた情報の伝送形態の一例として、衛星デジタル放送が挙げられる。例えば、図6に示すように、送信装置100からの変調波信号は、衛星中継器300を介して受信装置200に伝送される。このような衛星デジタル放送において、衛星中継器300は、主に、入力マルチプレクサ(IMUX)フィルター、進行波管増幅器(TWTA)、及び出力マルチプレクサ(OMUX)フィルターからなり、IMUXフィルターによって1チャンネル分ごとに帯域抽出を行い、TWTAにより利得制御を行って、OMUXフィルターで不要周波数成分を抑圧する。
このように、衛星中継器300には、ハードウェア制限上、電力効率のよいTWTAがよく用いられる。また、限られた衛星中継器300のハードウェア制限を最大限生かすため、衛星中継器300の出力が最大となるように飽和領域でTWTAを動作させることが望ましい。しかし、TWTAで発生する歪は伝送劣化につながるため、送信装置100及び受信装置200の伝送信号には、このTWTAで発生する歪で生じる伝送劣化に強い変調方式として、位相変調がよく利用される。
現在、日本では衛星デジタル放送の伝送方式としてISDB−Sと呼ばれる伝送方式が用いられ、BPSK,QPSK,8PSKといった位相変調が利用可能である。また、欧州の伝送方式であるDVB−S2では振幅位相変調(APSK)という振幅位相変調を利用し、さらなる周波数利用効率の改善を図った変調方式の実用化が成されている。たとえば、16APSKであれば周波数利用効率は最大4bps/Hzであり、32APSKであれば最大5bps/Hzで伝送することが可能である。
現在利用されている衛星デジタル放送では、誤り訂正符号を用いた受信装置における情報訂正が行われている。パリティビットと呼ばれる冗長信号を送るべき情報に付加することで信号の冗長度(符号化率)を制御し、雑音に対する耐性を上げることが可能である。誤り訂正符号と変調方式は密接に関わっており、冗長度を加味した周波数利用効率と信号対雑音比の関係はシャノン限界で定義される。シャノン限界に迫る性能を有する強力な誤り訂正符号の一つとしてLDPC(Low Density Parity Check)符号が1962年にギャラガーによって提案されている(例えば、非特許文献1参照) 。
LDPC符号は、非常に疎な検査行列H(検査行列の要素が0と1からなり、且つ1の数が非常に少ない)により定義される線形符号である。また、LDPC符号は、符号長を大きくして適切な検査行列を用いることにより、シャノン限界に迫る伝送特性が得られる強力な誤り訂正符号であり、欧州の新しい衛星放送規格であるDVB−S2や広帯域無線アクセス規格IEEE802.16eにおいてもLDPC符号が採用されている。多値位相変調とLDPC符号をはじめとする強力な誤り訂正符号を組み合わせることで、より高い周波数利用効率の伝送が可能となってきている。
R.G Gallager,"Low density parity check codes,"in Research Monograph series Cambridge, MIT Press,1963年
従来技術において、一般的な衛星中継器300を構成するIMUXフィルター、TWT、OMUXフィルターを想定し、TWTの動作点をOBO=3.4dBとした中継器シミュレーターを計算機シミュレーションにより再現し、後述する判定帰還型FIRフィルターを有するブラインド等化器により、32APSK変調信号を波形等化した信号例を図13に示す。図13(a)は、ブラインド等化適用前のコンスタレーション、図13(b)はブラインド等化適用後のコンスタレーションである。
図13を参照するに、ブラインド等化を実施することでError Vector Magnitudeが改善しており、波形の品質が向上していることが分かる。
一方で、ブラインド等化器は、主信号(データ)のみから等化器の誤差を評価し、フィルター係数を更新する必要があり、上記GCMCAアルゴリズムにおいても、等化器出力を硬判定した値を用いてフィルター係数を更新する。この場合、主信号に印加される雑音が増えるほど、フィルター係数の精度が悪化し、等化器の性能が悪くなる。そこで、等化器において従来良く用いられる、精度良く伝送路を反映したフィルター係数を求める手法として、トレーニング信号と呼ばれる主信号とは別の既知パターンを送信側及び受信側で用意して、両者の既知パターンの誤差量を評価することでより正確なフィルター係数を求める手法が良く用いられる(参考文献2:MATLABプログラム事例解説II アドバンスト通信路等化 トリケップス、参照)。
しかしながら、このようなトレーニング信号は、一般的に主信号とは別の信号列であり、データの伝達に寄与しないため、冗長なトレーニング信号の利用はデータ伝送効率の低下を招くことなる。
そこで、本発明の目的は、伝送路の歪補償の目的で波形等化を実施する際に、受信側においてパイロット信号及びフレーム同期信号と呼ばれる既知情報が埋め込まれた信号を用いて、適応等化器におけるフィルター係数を精度良く計算するとともに、このフィルター係数を主信号に対する適応等化器に適用することで伝送性能改善を可能とする、デジタル伝送方式の復号器及び受信装置を提供することにある。
本発明による復号器は、デジタル伝送の波形等化後のデータ誤りを訂正する復号器であって、周期的に伝送される予め規定された既知情報の変調信号をトレーニング信号として受信して抽出するトレーニング信号抽出手段と、当該トレーニング信号に対応する予め用意された既知パターン列を用いて、前記抽出したトレーニング信号を適応等化して、主信号の適応等化に用いるフィルター係数を決定するトレーニング信号用等化器と、受信する主信号から当該トレーニング信号を推定することなく、前記フィルター係数を用いて主信号の適応等化処理を施す主信号用等化器と、前記主信号用等化器を経て得られる、伝送路で生じる波形歪を抑圧した波形等化後の主信号を誤り訂正する復号器とを備え、前記抽出したトレーニング信号は、受信C/Nの値として一定値以上の値を満たす信号から抽出された信号からなることを特徴とする。
また、本発明による復号器において、前記トレーニング信号は、周期的に伝送されるパイロット信号か、又はフレーム同期信号からなることを特徴とする。
また、本発明による復号器において、前記主信号用等化器は、ブラインド等化器からなり、前記フィルター係数を適用後に、波形等化処理の際のフィルター係数の更新を停止して、固定した前記フィルター係数で波形等化処理を行うことを特徴とする。
また、本発明による復号器において、前記抽出したトレーニング信号からなるトレーニング信号区間について、時間的に不連続な区間となる場合に、所定の窓関数による窓がけ処理を行って当該トレーニング信号区間を連結したトレーニング信号列を生成するトレーニング信号窓がけ処理手段を更に備え、前記トレーニング信号用等化器は、該トレーニング信号窓がけ処理手段から送出されるトレーニング信号について適応等化処理を施すことを特徴とする。
更に、本発明の復号器は、前記所定の尤度テーブルを用いてLDPC復号を行う点で特徴を有し、本発明の復号器を備える受信装置としても特徴付けられる。
本発明による復号器及び受信装置によれば、特に、複数の振幅レベルを有する多様な変調方式に対する伝送特性改善を図ることが可能となる。
本発明による一実施例のLDPC復号部のブロック図を示す図である。 本発明による一実施例のLDPC復号部の動作を説明するフローチャートである。 本発明による一実施例のトレーニング信号等化器のフィルターブロック構成を示す図である。 本発明による一実施例の主信号等化器のフィルターブロック構成を示す図である。 本発明による一実施例のLDPC復号部におけるブラインド等化の32APSK符号化率4/5におけるC/N対ビット誤り率特性の計算機シミュレーション結果を示す図である。 衛星デジタル放送の伝送形態の一例を示す図である。 従来からの衛星放送方式の送信装置の構成を示す図である。 衛星放送方式の従来からの受信装置の概略構成を示すブロック図である。 衛星放送方式の変調波信号形式の例を示す図である。 32APSKにおけるパイロット信号の一送信形態例である。 従来からの受信装置の一部のLDPC復号部を示す図である。 ブラインド等化器に備えられる判定帰還型FIRフィルターの概略図である。 判定帰還型FIRフィルターを有するブラインド等化器により、32APSK変調信号を波形等化した信号例を示す図である。
はじめに、本発明の理解を容易にするために、LDPC符号を用いた高度衛星放送方式の送信装置100及び受信装置200の概略構成を簡潔に説明する。尚、説明の簡略化のため、本発明に係る部分のみを説明するが、高度衛星放送方式の送信装置100及び受信装置200は、LDPC符号を他の訂正符号方式に置き換えたり、又は併用したり、更にはインタリーバを適宜組み合わせて用いることができる。
(送信装置)
図7は、従来からの高度衛星放送方式の送信装置の構成を示す図である。この送信装置100は、フレーム生成部110と、LDPC符号化部120(以下、符号化器とも称する。)と、エネルギー拡散部130と、マッピング部140と、時分割多重/直交変調部150とを備える。即ち、送信装置100は、データストリームを送信する場合に、後述する図9における複数スロットの多重フレームの信号を生成してから変調波信号を生成するまでの一連の処理を行う。
フレーム生成部110は、LDPC符号化部120とともに機能して、LDPCパリティを生成する。従って、フレーム生成部110及びLDPC符号化部120は、後述する図9における複数スロットのフレームを生成し、エネルギー拡散部130に出力する。尚、フレーム生成部110により生成される多重フレームは、スロット数、ダミーの量、スロット長、同期ビット長、パイロットビット長、並びにTMCC及びパリティビット長が予め定められた数になるように生成される。
LDPC符号化部120は、データ及び伝送制御信号に対して、所定の周期のLDPC符号化を施す。LDPC符号化の具体的な方法は既知であり、且つ本願の主題ではないため更なる説明を割愛する。
エネルギー拡散部130は、それぞれ多重フレームの所定数のスロットを入力し、これらのデータ等の全体に対して、エネルギー拡散(ビットランダム化)を行う。
エネルギー拡散部130からのビットランダム化した信号は、同期及びパイロット信号を適宜挿入しながら、各種変調方式(BPSK,APSK等)に応じて切り換えられ、マッピング部140(変調方式に応じた複数のマッピング)に入力される。
マッピング部140は、TMCC同期で指定された変調方式によるマッピングを行う。
時分割多重/直交変調部150は、フレーム単位の時分割多重を行い、直交変調を施して、変調波信号を生成する。
(受信装置)
図8は、高度衛星放送方式の従来からの受信装置200の概略構成を示すブロック図である。この受信装置200は、チャンネル選択部210と、直交検波部220と、伝送制御信号復号部230と、エネルギー逆拡散部240と、LDPC復号部250とを備えている。
チャンネル選択部210は、送信装置100からの変調波信号を受信し、所定の周波数帯のチャンネルを選択し、そのチャンネルの信号を直交検波部220で扱う所定の周波数の信号に変換にする。例えば、変調波信号が衛星放送波であれば、12GHz帯の放送波(変調波信号)をBSアンテナで受信し、既知の周波数変換器(図示せず)を用いて1GHz帯のBS−IF信号に変換する。
直交検波部220は、チャンネル選択部210により選択されたチャンネルの所定の周波数の信号(例えばBS−IF信号)を入力し、同期ベースバンド信号に変換する。
伝送制御信号復号部230は、直交検波部220により変換された同期ベースバンド信号を入力し、まずTMCC信号の同期バイトを検出し、これを基準として、周期的に多重されているBPSK変調波である位相基準バースト信号の位置も検出する。また、TMCC信号により伝送される変調方式・誤り訂正の情報についてのTMCC情報の復号処理もエネルギー逆拡散部240を経て行う。伝送制御信号復号部230により復号された伝送制御情報(変調方式・誤り訂正のTMCC情報)は、LDPC復号部250に入力される。
エネルギー逆拡散部240は、送信装置100のエネルギー拡散部130において擬似ランダム符号がMOD2により加算された処理を元に戻すため、再度同じ擬似ランダム符号をMOD2により加算し、エネルギー逆拡散処理を行う。
LDPC復号部250は、直交検波部220から同期ベースバンド信号が入力されるともに、伝送制御信号復号部230により検出された変調方式・誤り訂正の情報が入力され、当該同期ベースバンド信号をLDPC符号の検査行列を用いて復号処理を行う。
このように、LDPC符号を用いた高度衛星放送方式の送信装置100及び受信装置200であれば、多値位相変調とLDPC符号をはじめとする強力な誤り訂正符号を組み合わせて、より高い周波数利用効率の伝送が可能となる。
しかしながら、このようなLDPC符号等の強力な誤り訂正符号は白色雑音に対する訂正能力は優れているものの、衛星伝送路固有の歪に対する信号劣化に対する訂正能力は十分ではない。特に16APSKや32APSKといった振幅位相変調を衛星伝送路に用いる場合、衛星中継器300や地球局で用いるTWTA等の増幅器で生じる波形歪による信号劣化が位相変調に比べ、より大きく発生する。
一般的に、増幅器で発生する波形歪を抑える方法としては飽和領域から出力レベルを下げることで増幅器をより線形領域で動作させる手法がとられる。しかしながら、この場合、歪による伝送劣化は収まる一方で、衛星中継器300の出力が低下し、地上における受信信号の低下につながってしまう。よって、衛星放送等でAPSKを適用するには、衛星出力をなるべく低下することなく、歪による伝送劣化に強い伝送方法の利用が不可欠となる。
DVB−S2をはじめ最新の衛星デジタル放送方式では、誤り訂正符号の復号方法としてベイズ理論に基づく事後確率を最大化する手法(最尤復号)が用いられる。事後確率は尤度関数(式(1))により求まる。
Figure 0005232677
尤度関数の定義より、尤度関数と、受信信号と理想信号点の距離を示すユークリッド距離は密接に関わっている。白色雑音のみの伝送路においては、受信信号点はS/Nに応じたガウス分布のランダム偏差を生じるが、白色雑音以外の特定の歪を含んだ伝送路においては、ランダム偏差に加え、特定の振幅・位相偏差を伴った信号点変移が起きる。特に、非線形増幅器にAPSKを入力した場合においては、APSKは複数種類の同心円を組み合わせて伝送する都合上、もっとも振幅の大きい同心円に属する信号点がより大きな信号偏差を生ずる。
尚、http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/bunkakai/080729_1.htmlに「資料60−1−2 放送システム委員会報告」として公開されている、総務大臣から情報通信審議会(以下、情通審)への諮問2023号「放送システムに関する技術的条件」に対する、報告書「情報通信審議会 情報通信技術分科会 放送システム委員会 報告」(平成20年7月29日)に示された高度衛星デジタル放送方式(以下、高度衛星放送方式と呼ぶ。)では、APSKに対する伝送特性改善についても考慮している。
図9に高度衛星放送方式の変調波信号形式の例を示す。変調波信号は、フレーム単位で変調方式や誤り訂正符号の符号化率を含む伝送パラメータの変更が可能である。また、1フレームは120個の変調スロットで構成され、5変調スロットごとに変調方式と符号化率を指定して伝送可能である。各変調スロットは24シンボルの同期信号、32シンボルのパイロット信号、及び136シンボルのデータと4シンボルのTMCC信号の対が、66回、時分割多重される。
図10は、32APSKにおけるパイロット信号の一送信形態例である。パイロット信号は、図10に示すように、32APSKの場合、シンボル“00000”から“11111”に対応する信号点が順に伝送される。図10(a)、図10(b)、及び図10(c)は、それぞれ第1シンボル、第2シンボル、第32シンボルに対応する信号点を「黒丸」で表している。
図11に、このパイロット信号を用いる受信装置200の一部のLDPC復号部250を示す。パイロット信号を含まないシステムの場合、直交検波されたI信号及びQ信号に対し、尤度テーブルを参照しながら、LDPC復号を行うが、このLDPC復号部250では、パイロット信号についてシンボルごとに平均化を行い、伝送路における非線形歪の影響を受けた後の信号点配置を取得し、得られた信号点配置をもとに尤度テーブルを生成又は更新することで性能向上が可能である(同報告書の参考資料1‐8「パイロット信号による受信特性の改善」参照)。
具体的には、LDPC復号部250は、パイロット信号抽出部252と、パイロット信号平均化処理部253と、尤度テーブル生成部254と、所定のメモリ(図示せず)内に格納される尤度テーブル255と、LDPC復号器251とを備える。
パイロット信号抽出部252は、直交検波部220により変換された同期ベースバンド信号を入力し、事前に検出したTMCC信号内のパイロットタイミングを表す同期情報の信号(パイロットタイミング信号)を用いてパイロット信号の信号点の位置を抽出し、順次、パイロット信号平均化処理部253に送出する。
パイロット信号平均化処理部253は、シンボルごとにパイロット信号の信号点の平均化を行って、この情報を尤度テーブル生成部254に送出する。
尤度テーブル生成部254は、シンボルごとに平均化されたパイロット信号の信号点についての復号器出力対数尤度比 (LLR:Log likelihood ratio)を表す、LDPC復号における尤度計算に用いる尤度テーブル255を生成し、所定のメモリ内に格納するか、又は更新する。尚、尤度テーブル255は、予め定められたスロット長で変調方式や符号化率に応じて個別に生成するのが好適であり、尤度テーブル255の生成に用いる変調方式及び符号化率の情報は、事前に検出したTMCC信号内のTMCC情報に従う信号(変調方式・符号化率選択信号と称する)から得られる。
LDPC復号器251は、尤度テーブル255のLLR、及び変調方式・符号化率選択信号に基づいて、直交検波部220により変換された同期ベースバンド信号の情報をLDPC復号して復号信号を送出する。
尚、このような固定のパターン(即ち、パイロット信号点の繰り返しのパターン)を周期的に多重してしまうと、変調信号の周波数成分に線スペクトルが発生することになるために、パイロット信号も送信側でエネルギー拡散を行う。
ここで、受信装置において伝送路歪を補償する方法として、受信信号のみから伝送路歪の影響を軽減することが可能なブラインド等化器が良く用いられる(例えば、参考文献:Kil Nam OH, ”A Single/Multilevel Modulus Algorithm for Blind Equalization of QAM Signals” IEICE TRANS. FUNDAMENTALS. VOL.E80-A, N.6. 1997年6月、参照)
ブラインド等化器は適応フィルターの一種であり、フィルターのタップ長やステップサイズ、及び誤差ベクトルの計算方法を適切に選ぶことで、伝送路で生じた歪を軽減し、送信信号に近いシンボル点に受信信号点を変化させることが可能な波形等化器である。ブラインド等化器を、図12に示す判定帰還型FIRフィルター10を用いて検証した。ステップサイズsは2E−4、フィードフォワードフィルター(FF)11のタップ長Mは10、フィードバックフィルター(FB)14のタップ長Lは14とした。ブラインドアルゴリズムはGCMCAアルゴリズムを用いた(上述の参考文献を参照)。
具体的には、判定帰還型FIRフィルター10は、フィードフォワードフィルター(FF)11と、等化器出力部12と、判定部13と、フィードバックフィルター(FB)14と、加算部15と、フィルター係数更新部16を備える。
フィードフォワードフィルター(FF)11は、タップ長Mに対応するフィルター係数WFF:[W,W,・・・,W]を有し、入力信号ベクトルx(n)に対して、入力ベクトル列xFF:[x(n),x(n−1),・・・,x(n−M)]を保持し、フィードフォワードフィルター係数WFFと入力ベクトル列XFFとの積和演算を行う。ここでTは行列の転置を表す。
フィードバックフィルター(FB)14は、タップ長Lに対応するフィルター係数WFB:[WM+1,WM+2,・・・,WM+L]を有し、後述する判定部13の判定器出力d(n)に対して、判定器出力列dFB:[d(n−1),d(n−2),・・・,d(n−L)]を保持し、フィードバックフィルター係数WFBと判定出力列dFBとの積和演算を行う。
加算部15は、フィードフォワードフィルター(FF)11の出力からフィードバックフィルター(FB)14の出力14aを減算した値を等化器出力部12に出力する。
判定部13は、等化器出力部12で得られた等化器出力z(n)に対して、既知の変調方式によって定める理想シンボル点との最小ユークリッド距離判定を行い、最小ユークリッド距離となる理想シンボル点を判定器出力d(n)としてフィードバックフィルター(FB)に出力する。同時に、フィルター係数更新のため、判定器出力d(n)をフィルター係数更新部16に出力する。
等化器出力部12は、加算部15から得られた等化器出力z(n)を送出する。
z(n)=x’(n)・W(n) (2)
ここに、x’(n)=[x(n),x(n−1),・・・,x(n−M),
d(n−1),d(n−2),・・・,d(n−L)]
同時に、フィルター係数更新のため、等化器出力z(n)をフィルター係数更新部16に出力する。
フィルター係数更新部16は、等化器出力z(n)及び判定器出力d(n)から誤差ベクトルe(n)を求め、e(n)およびステップサイズsを用いて、LMSアルゴリズムによりフィードフォワードフィルター(FF)係数WFF, フィードバックフィルター(FB)係数WFBを逐次更新する。(上述の参考文献を参照)。
しかしながら、この等化器出力を硬判定した値を用いてフィルター係数を更新するのに、トレーニング信号と呼ばれる主信号とは別の既知パターンを送信側及び受信側で用意して最適値を算出するとしても、このようなトレーニング信号は、一般的に主信号とは別の信号列であり、データの伝達に寄与しないため、冗長なトレーニング信号の利用はデータ伝送効率の低下を招くことになる。
そこで、本発明による実施例の復号器及び受信装置によれば、伝送路の歪補償の目的で波形等化を実施する際に、受信側においてパイロット信号及びフレーム同期信号と呼ばれる既知情報が埋め込まれた信号を用いて、適応等化器におけるフィルター係数を精度良く計算するとともに、このフィルター係数を主信号に対する適応等化器に適用することで伝送性能改善を可能とする。
以下、本発明による一実施例の復号器及び受信装置について説明する。
図1に、本発明による一実施例の復号器(LDPC復号部50)のブロック図を示す。尚、本実施例のLDPC復号部50は、図8に示す受信装置200における従来からのLDPC復号部250と置き換えることで、本発明による一実施例の受信装置を構成することになる。従って、LDPC復号部50を除く受信装置の動作は、図8に示すものと同様であり、更なる詳細な説明は省略する。
本実施例のLDPC復号部50は、周期的に伝送されるパイロット信号又はフレーム同期信号と呼ばれる既知情報を変調した信号(トレーニング信号)を受信し、当該トレーニング信号に対応する既知パターン列(受信側で用意するトレーニング信号のレプリカ)を予め用意して待機することで、受信した主信号から当該トレーニング信号を推定せずに、主信号用の適応等化におけるフィルター係数を決定して、伝送路で生じる波形歪抑圧のために適応等化処理を実施して主信号を復号するように動作する。
具体的には、本実施例のLDPC復号部50は、パイロット信号抽出部52と、パイロット信号平均化処理部53と、尤度テーブル生成部54と、所定のメモリ(図示せず)内に格納される尤度テーブル55と、LDPC復号器51と、主信号用等化器56と、受信C/N評価部57と、トレーニング抽出部58と、トレーニング信号窓がけ処理部59と、トレーニング信号用等化器60とを備える。尚、本実施例のLDPC復号部50におけるパイロット信号抽出部52、パイロット信号平均化処理部53、尤度テーブル生成部54、尤度テーブル55、及びLDPC復号器51は、それぞれ図11に示すLDPC復号部250におけるパイロット信号抽出部252、パイロット信号平均化処理部253、尤度テーブル生成部254、尤度テーブル255、及びLDPC復号器251と同様の機能を有し、同様に動作する。従って、本実施例のLDPC復号部50は、主信号用等化器56と、受信C/N評価部57と、トレーニング抽出部58と、トレーニング信号窓がけ処理部59と、トレーニング信号用等化器60とを備える点で、図11に示すLDPC復号部250とは相違する。
受信C/N評価部57は、受信IQ信号から変調誤差比(MER)等を利用して、パイロット信号の受信C/Nを判定し、受信C/Nの既定値(例えば、20dB以上)を満たす雑音の影響の少ないパイロット信号の受信IQ信号を選定して、トレーニング抽出部58に送出する。
トレーニング抽出部58は、選定されたパイロット信号の受信IQ信号からトレーニング信号区間(パイロット信号の場合、32シンボル)を抽出し、当該トレーニング信号区間の選定された受信IQ信号をトレーニング信号として、トレーニング信号窓がけ処理部59に送出する。
トレーニング信号窓がけ処理部59は、ハミング窓やハニング窓、カイザー窓等の窓がけ処理を行って、時間的に不連続な区間に位置する当該トレーニング信号を連結し、一連のトレーニング信号(以下、トレーニング信号列と称する)として、トレーニング信号用等化器60に送出する。
トレーニング信号用等化器60は、受信側で予め用意したトレーニング信号列のレプリカ(以下、受信側トレーニング信号レプリカと称する)を用いて、トレーニング信号窓がけ処理部59から供給されるトレーニング信号列の適応等化を行い、主信号用等化器56で用いるフィルター係数Wtを決定し、トレーニング信号窓がけ処理部59に送出する。トレーニング信号用等化器60のフィルターブロック構成は、適応等化ブロック20として図3に示しており、詳細に後述する。
主信号用等化器56は、図12に示す判定帰還型FIRフィルター10として機能する等化器であるが、トレーニング信号用等化器60から送出されるフィルター係数Wtが供給された場合には、このフィルター係数Wtを固定にして主信号の適応等化を行うように機能し、直交検波部220からエネルギー逆拡散部240を経て得られるI信号及びQ信号(以下、受信IQ信号とも称する)に対し、波形等化を行った出力をLDPC復号器51に送出する。主信号用等化器56のフィルターブロック構成は、適応等化ブロック30として図4に示しており、詳細に後述する。
次に、図1〜5を参照して、本実施例の復号器の動作について説明する。
図2は、本実施例の復号器の動作を説明するフローチャートである。ここで、前述したように、シンボル列は全て複素信号を想定している。また、本実施例の復号器50を備える受信装置200は、図6に示す衛星中継器300を介して信号を受信することを想定し、伝送路歪みは送信部から伝送路を介して受信装置へ経る過程においてのみ発生することを想定する。また、以下の説明では32APSKを例に説明する。
図10に示すように、TMCC内のフレーム同期信号は、元来フレームの先頭位置を認識するための既知パターンとして、特定の順序で送られている。また、パイロット信号は、波形歪を含んだ信号におけるLDPC符号の復号性能向上を目的とした、主信号と同じ変調方式の信号が決められた送出順序で送られてくる信号である。これらは、それぞれ目的は異なるものの、受信側から見た場合、既知パターンとして利用することが可能であり、波形等化器におけるトレーニング信号列として再利用することが可能な信号である。従って、トレーニング信号としてはフレーム同期信号及びパイロット信号の利用が可能であるが、以下の説明ではパイロット信号を例に説明する。
図2を参照するに、まずトレーニング信号用等化器60の性能向上を目的とし、ステップS1にて、受信装置200は、受信C/N判定部57により、受信IQ信号のC/N評価を行い、受信C/Nが一定値以上となるパイロット信号の受信IQ信号を選定する。一例として、45cm径パラボラアンテナ使用時の12GHz帯衛星放送波の受信C/Nは20dB程度であり、この状態において、トレーニング信号用等化器60の動作を行った場合、雑音の影響の少ない信号を用いることになるので、より精度の高いフィルター係数Wtを算出することができる。
また、受信C/Nは、変調誤差比(MER)等を利用して、常時受信装置において把握することが可能である。例えば、トレーニング用等化器60は、受信C/N=20dB以上の時に適応等化の動作を開始することができるようにする。
ステップS2にて、受信装置200は、トレーニング信号抽出部58により、選定されたパイロット信号の受信IQ信号からトレーニング信号区間を判定し、当該トレーニング信号区間の選定された受信IQ信号をトレーニング信号として抽出する。
ステップS3にて、受信装置200は、トレーニング信号窓がけ処理部59により、時間的に不連続な区間を有するトレーニング信号について、規定の窓関数により窓がけ処理を行って一連のトレーニング信号を形成する。
このような窓がけ処理は、トレーニング信号区間(パイロット信号の場合、32シンボル)について予め定めた窓関数により行うことができ、代表的な窓関数としてはハミング窓やハニング窓、カイザー窓等があげられる。この窓がけ処理により、時間的に不連続なトレーニング信号区間をより連続波形に近い形で形成することが可能である。
ステップS4にて、受信装置200は、トレーニング信号用等化器60により、窓がけ処理を行ったトレーニング信号列を用いて、主信号用等化器56で用いるフィルター係数Wtを決定するための適応等化を実施する。
図3には、トレーニング信号用等化器60のフィルターブロック構成を示している。具体的には、トレーニング信号用等化器60は、フィードフォワードフィルター(FF)21と、受信側トレーニング信号列発生部22と、フィードバックフィルター(FB)23と、フィルター係数更新部24と、加算部25と、トレーニング等化器出力部26とを備える。
フィードフォワードフィルター(FF)21は、所定のタップ長に対応するフィルター係数を有し、入力されるトレーニング信号列とフィルター係数更新部24から得られたフィルター係数を用いて、フィルター出力を加算部25に送出する。
フィードバックフィルター(FB)23は、所定のタップ長に対応するフィルター係数を有し、受信側トレーニング信号列発生部22から供給される受信側トレーニング信号列レプリカとフィルター係数更新部24から得られたフィルター係数を用いて、フィルター出力を加算部25に送出する。
加算部25は、フィードフォワードフィルター(FF)21の出力からフィードバックフィルター(FB)23の出力を減算した値をトレーニング等化器出力としてトレーニング信号出力部26に送出する。
フィルター係数更新部24は、トレーニング等化器出力部26から得られたトレーニング等化器出力と、受信側トレーニング信号列発生部22から得られた受信側トレーニング信号レプリカを用いて誤差量を評価し、この誤差量とステップサイズsから、LMSアルゴリズム等の適応アルゴリズムを用いてフィルター係数を更新し、フィードフォワードフィルター21及びフィードバックフィルター23にフィルター係数Wtを出力すると同時に、図4に示す主信号等化器にフィルター係数Wtを出力する。
このトレーニング信号の適応等化実施にあたり、受信側トレーニング信号列発生部22は、トレーニング信号のレプリカを発生する。即ち、この受信側トレーニング信号列は、受信装置200側でも予め用意するものとする。この際、受信側トレーニング信号列レプリカの発生のために、受信側トレーニング信号について時間的に不連続な区間を連結する必要がある場合には、前述と同様に窓関数により窓がけ処理を行う。例えば、パイロット信号は、図10で定義され、PN列によるスクランブルが施されているため、受信装置200側で受信側トレーニング信号列レプリカを用意する際は、伝送路特性を正確に推定できるよう、同じPN列でスクランブルの施されたパイロット信号を用いるようにする。
図3に示すトレーニング信号用等化器60によるトレーニング信号を用いた波形等化を数1000シンボル程度実施することで、既知パターンを利用して誤差量を評価することができ、より精度の高いフィルター係数の値を得ることができる。
図2を再び参照するに、ステップS5にて、受信装置200は、ステップS4におけるトレーニング信号の波形等化処理が終了後、ステップS5にて、求めたフィルター係数を図4に示す主信号用等化器56のフィルター係数に適用する。通常、図4に示す主信号用等化器56は、単独で適応等化器の一形態としてブラインド等化器として動作するものであり(図12参照)、図3に示すトレーニング信号用等化器60からフィルター係数Wtを供給されずとも動作可能であるが、この状態だと雑音量の増加に伴い、主信号用等化器56におけるフィルター係数の精度が劣化するおそれがある。
このため、図3に示すトレーニング信号用等化器60からフィルター係数Wtを受信C/Nが高い状態で決定し、この受信C/Nが高い状態で決定したフィルター係数Wtを主信号用等化器56に適用するようにする。本実施例では、受信C/N20dB相当の品質で受信したトレーニング信号から求めたフィルター係数Wtが適用される。
ステップS5にて、受信装置200は、主信号用等化器56により、トレーニング信号用等化器60から供給されたフィルター係数Wtを適用して等化制御を行う。尚、この等化制御の後は、主信号用等化器56におけるフィルター係数更新を停止し、固定フィルター係数による判定帰還型等化器として動作する。この処理を行うことで、雑音が大きく印加された場合においても、予めトレーニング信号から求めた精度の高いフィルター係数でもって等化処理が継続する事になり、より雑音に強い伝送性能が期待できる。
図4には、主信号用等化器56のフィルターブロック構成を示している。具体的には、主信号用等化器56は、図12と同様の構成からなり、特に、トレーニング信号用等化器60から供給されたフィルター係数Wtを適用して動作する場合を、図4に示している。この場合、主信号用等化器56は、主信号用等化器56におけるフィルター係数更新を停止し、固定フィルター係数による判定帰還型等化器として動作する。
図5に、図1〜図4に示す構成及び計算フローによって求めた32APSK符号化率4/5 C/N対ビット誤り率特性の計算機シミュレーション結果を示す。ここで、計算機シミュレーションに用いた伝送路の系統としては、衛星伝送路を想定した。衛星伝送路としては、一般的な衛星中継器を構成するIMUXフィルター、TWT、OMUXフィルターを想定し、計算機シミュレーションにより系統を再現した。TWTの動作点は3.4dBについて計算を行った。トレーニング信号用等化器60におけるトレーニング信号の窓関数は、カイザー窓を使用した。また、トレーニング信号用等化器60および主信号用等化器56においては、ステップサイズは2E−4、フィードフォワードフィルターのタップ長は10、フィードバックフィルターのタップ長は14を用いた。更に、トレーニング信号用等化器60のフィルター係数Wtは受信C/N 20dBの状態において計算し、38400シンボル計算後のフィルター係数Wtを主信号用等化器56のフィルター係数Wtに適用した。
図5を参照するに、通常のブラインド等化による伝送性能よりも、さらに伝送性能が向上していることが分かる。よって、波形等化後の信号に対し、本件で示す方式を用いることで伝送性能の改善を図ることが可能である。本実施例ではパイロット信号を例に説明したが、フレーム同期信号区間を利用しても同様の構成をとることが可能である。また、本方式は32APSKに限らず、複数の振幅レベルを有する多様な変調方式に対する波形等化後の伝送特性改善を図ることが可能である。
上記の実施例のように、ブラインド等化器のフィルター係数の性能向上を行うために、トレーニング信号を利用し、かつトレーニング信号の利用においてデータ伝送効率の低下を招かないようにした。即ち、図9に示す変調波信号形式において、フレーム同期信号区間及びパイロット信号区間を、波形等化器におけるフィルター係数を求めるためのトレーニング信号として利用する。
特に、波形等化を実施する際は、予めフレーム同期信号やパイロット信号をトレーニング信号と見立てて、受信側においても同様の信号を用意しておくことで、このトレーニング信号区間から精度良く等化器のフィルター係数を求めることが可能となる。さらに、このトレーニング信号から求めたフィルター係数を主信号等化器56におけるフィルター係数と置き換えることで、雑音の増加に伴う主信号等化器56で生じるフィルター係数の劣化を防ぎ、より正確な伝送路を反映したフィルター係数を利用した波形等化が可能となる。
また、トレーニング信号区間から求めたフィルター係数を主信号等化器56におけるフィルター係数に適用後、主信号等化器56の係数更新を止めて、フィルター係数固定の等化器として動作させることで、主信号に雑音が大きく印加された状況下においても、主信号等化器56は常に精度の高いフィルター係数を継続して使用し続けることが可能となる。
更に、トレーニング信号の利用において注意すべき項目としては、通常、波形等化において、安定したフィルター係数を求めるためには数1000シンボル程度の計算が必要となる。そこで、上記フレーム同期信号やパイロット信号をトレーニング信号として利用する際、図9に示すように、伝送1スロットにおけるフレーム同期信号は24シンボル、パイロット信号は32シンボルであるので、これらを数1000シンボル用意する際に、時間的に不連続な信号区間を連結して、トレーニング信号列として使用するようにした。
また、不連続部分をそのまま連結してトレーニング信号とした場合、等化器の性能劣化が懸念されるため、上記フレーム同期信号やパイロット信号を連結する前に、各々ハニング窓やカイザー窓等の窓関数による窓がけ処理を行ってから連結することで、不連続部分による劣化を防ぐことができるようになる。
また、上述の実施例では、特定の衛星中継器、変調方式、及びLDPC符号を適用した場合について説明したが、本発明は、地上中継器や他の変調方式、並びに尤度計算を要する任意の誤り訂正符号に適用することができることは実施例の説明から明らかである。従って、本発明は、上述の実施例によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲によってのみ制限される。
本発明は、受信側で伝送路歪みを好適に低減させることができるので、任意のデジタル伝送方式の復号器及び受信装置に有用である。
10 判定帰還型FIRフィルター
11 フィードフォワードフィルター(FF)
12 等化器出力部
13 判定部
14 フィードバックフィルター(FB)
15 加算部
21 フィードフォワードフィルター(FF)
22 受信側トレーニング信号列発生部
24 フィルター係数出力部
23 フィードバックフィルター(FB)
25,26 加算部
50 LDPC復号部
51 LDPC復号器
52 パイロット信号抽出部
53 パイロット信号平均化処理部
54 尤度テーブル生成部
55 尤度テーブル
56 主信号用等化器
57 受信C/N評価部
58 トレーニング抽出部
59 トレーニング信号窓がけ処理部
60 トレーニング信号用等化器
100 送信装置
110 フレーム生成部
120 LDPC符号化部
130 エネルギー拡散部
140 マッピング部
150 時分割多重/直交変調部
200 受信装置
210 チャンネル選択部
220 直交検波部
230 伝送制御信号復号部
240 エネルギー逆拡散部
250 LDPC復号部
251 LDPC復号器
252 パイロット信号抽出部
253 パイロット信号平均化処理部
254 尤度テーブル生成部
255 尤度テーブル

Claims (5)

  1. デジタル伝送の波形等化後のデータ誤りを訂正する復号器であって、
    周期的に伝送される予め規定された既知情報の変調信号をトレーニング信号として受信して抽出するトレーニング信号抽出手段と、
    当該トレーニング信号に対応する予め用意された既知パターン列を用いて、前記抽出したトレーニング信号を適応等化して、主信号の適応等化に用いるフィルター係数を決定するトレーニング信号用等化器と、
    受信する主信号から当該トレーニング信号を推定することなく、前記フィルター係数を用いて主信号の適応等化処理を施す主信号用等化器と、
    前記主信号用等化器を経て得られる、伝送路で生じる波形歪を抑圧した波形等化後の主信号を誤り訂正する復号器と、を備え
    前記抽出したトレーニング信号は、受信C/Nの値として一定値以上の値を満たす信号から抽出された信号からなることを特徴とする、復号器。
  2. 前記トレーニング信号は、周期的に伝送されるパイロット信号か、又はフレーム同期信号からなることを特徴とする、請求項1に記載の復号器。
  3. 前記主信号用等化器は、ブラインド等化器からなり、前記フィルター係数を適用後に、波形等化処理の際のフィルター係数の更新を停止して、固定した前記フィルター係数で波形等化処理を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の復号器。
  4. 前記抽出したトレーニング信号からなるトレーニング信号区間について、時間的に不連続な区間となる場合に、所定の窓関数による窓がけ処理を行って当該トレーニング信号区間を連結したトレーニング信号列を生成するトレーニング信号窓がけ処理手段を更に備え、
    前記トレーニング信号用等化器は、該トレーニング信号窓がけ処理手段から送出されるトレーニング信号について適応等化処理を施すことを特徴とする、請求項に記載の復号器。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の復号器を備えることを特徴とする受信装置。
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