JP5231956B2 - ハーフトーンマスク、ハーフトーンマスクブランクス、ハーフトーンマスクの製造方法、及びハーフトーンマスクブランクスの製造方法 - Google Patents

ハーフトーンマスク、ハーフトーンマスクブランクス、ハーフトーンマスクの製造方法、及びハーフトーンマスクブランクスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハーフトーンマスク、ハーフトーンマスクブランクス、ハーフトーンマスクの製造方法、及びハーフトーンマスクブランクスの製造方法に関し、特に露光光を遮光する遮光層と露光光を半透過する半透過層とを有するハーフトーンマスク、ハーフトーンマスクブランクス、及びハーフトーンマスクの製造方法するものである。
FPD(Flat Panel Display)の製造工程においては、一度の露光工程で複数の露光量を表現可能にしたグレートーンマスクが一般に利用されており、こうしたグレートーンマスクでは、FPDの大型化の要請に応えるべく、マスクサイズの大型化の検討がなされている。グレートーンマスクを構成するガラス基板上には、一般に露光光を遮光する遮光部と、露光光を透過する透過部と、露光光を半透過する半透過部とが備えられており、具体的には、解像限界以下のピッチからなるスリットにより前記半透過部を構成するスリットマスクや露光光を半透過する半透過層により前記半透過部を構成するハーフトーンマスク等が採用されている。
ところで、スリットマスクの製造工程には、前記スリットをパターニングするための露光データが必要となる。そのため、マスクサイズの大型化を行う際に、こうしたデータ量が大幅に増大してしまい、スリット加工の工程時間の長期化や製造コストの増加を余儀なくされてしまう。ゆえに、スリットマスクを利用する大型FPDの製造技術では、FPDの製造コストを低減し難いという問題が顕在化している。これに対して、ハーフトーンマスクを利用する大型FPDの製造技術では、上記のような大容量の露光データを利用しないことから、大型FPDの製造技術に適用できるマスクとして大いに期待されている。
具体的には、ハーフトーンマスクの製造工程では、まず基板上に遮光層が形成されて該遮光層の一部がエッチングされることにより遮光部が区画される。次いで遮光部を有した基板上に半透過層が積層されて該半透過層がエッチングされることにより半透過部と透過部とが区画される。あるいは、この他の製造工程としては、まず基板上に半透過層と遮光層とが順に積層されて、次いで遮光層と半透過層とが順にエッチングされることにより遮光部、半透過部、及び透過部が区画される。これらの製造工程に用いる露光データは、上述するスリットマスクの製造工程のように解像限界以下のものを必要とせず、遮光部、半透過部、及び透過部を区画するもので足りる。
このようなハーフトーンマスクには、半透過層の構成材料としてクロム(Cr)又はCr化合物、ニッケル(Ni)合金、モリブデンシリサイド(MoSi)化合物、酸化インジウムスズ(ITO)を用いる方式、さらには半透過層と遮光層との間にエッチングストッパ層を挟入する方式等、各種の構成が知られている。ただし、いずれの構成であれ、ハーフトーンマスクは、イオン化傾向が異なる複数の導電層の積層体である。一般に、イオン化傾向が異なる層の積層体をエッチングする場合、エッチング溶液を介する複数の導電層が電気的な閉回路を形成し、電位が卑である導電層の腐食が大きくなる現象、所謂電食(ガルバー二腐食)が発生する。仮に半透過層及び遮光層がCr又はCr系合金である場合であっても、遮光層と半透過層との間には少なからず構成元素や組成比の差に応じた電位が生じるため、これらの間にも不可避的な電食が発生する。そこで、上述するハーフトーンマスクにあっては、従来からこうした電食による加工性の劣化を解決すべく、各種の提案がなされている。
例えば、特許文献1に記載の技術にあっては、互いに接触する導電層間において、上層である導電層の電位が下層である導電層の電位よりも卑となる態様で積層体が構成されている。こうした構成によれば、上層の導電層のみをエッチングする場合や上層及び下層の導電層をエッチングする場合に、上層の導電層で酸化反応が進行して、下層の導電層で還元反応が進行する。そのため、下層の導電層における孔食などを抑制することができる。
特開2007−256940号公報
一方、特許文献1に記載の技術では、上層の電位が下層の電位よりも卑であるために、下層の導電層で孔食などを抑制することはできるものの、電位が卑である上層が電気的に常にエッチングされ易くなってしまう。それゆえ、このようなハーフトーンマスクの製造工程では、例えば加工後の上層をマスクにして下層をエッチングする場合や上層及び下層を一つの工程でエッチングする場合、すなわち上層に対して下層を優先的にエッチングする場合にエッチング液の性状が大幅に制約されてしまう。
また、上述するような性状のエッチング液を利用する場合であれ、上層が電食によりエッチングされ易いということに変わりはなく、上層のエッチング速度が速いがゆえに、上層に対して加工形状の制御が困難となり、遮光部及び半透過部の微細化や高密度化が大きく阻害されてしまう。しかも、上述する電食は一般に、電極として機能する上層の表面積が大きくなるほど速くなる。そのため、遮光部や半透過部の設計サイズに応じて同電食の度合いが異なってしまい、ハーフトーンマスクの全体において加工精度に大きなバラツキが発生してしまう。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、その目的はエッチングによる加工形状の制御性を向上したハーフトーンマスク、ハーフトーンマスクブランクス、ハーフトーンマスクの製造方法、及びハーフトーンマスクブランクスの製造方法を提供することである。
請求項1に記載の発明は、ガラス基板に形成された半透過層を有する半透過部と、イオン化傾向が前記半透過層と異なるエッチングストッパ層と、遮光層とが前記半透過層に積層されてなる遮光部とを備えたハーフトーンマスクであって、前記遮光層が前記エッチングストッパ層と接する界面に電気的に絶縁する絶縁酸化物層を備え、前記絶縁酸化物層は、前記エッチングストッパ層の表面に酸化処理を施すことによって形成され、前記絶縁酸化物層の膜厚は、10nmに満たないことを要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、半透過層と遮光層との間が絶縁酸化物層により電気的に絶縁されるため、遮光層をエッチングする場合に、遮光層と半透過層とを介する閉回路が形成されなくなる。それゆえ、遮光層や半透過層に関わる電食を回避することができ、ハーフトーンマスクの加工形状に対する制御性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、前記絶縁酸化物層と前記遮光層とが、同じエッチング液によりエッチングされることを要旨とする。請求項2に記載の発明によれば、遮光層をエッチングする際に、絶縁酸化物層を連続的にエッチングすることができる。ゆえに、絶縁酸化物層を個別にエッチングする場合に比べて、ハーフトーンマスクの生産性を向上することもできる。
請求項3に記載の発明は、前記エッチングストッパ層が、Ni、Fe、Co、Cu、Al、Ti、Nb、Ta、V、Hf、Zr、Si、Mo、Wからなる群から選択された少なくとも1種を含み、前記半透過層及び前記遮光層よりも電位が貴であることを要旨とする。
エッチングストッパ層の下層である半透過層をエッチングする際には、エッチングストッパ層と半透過層との間に閉回路が形成される。請求項3に記載の発明によれば、エッチングストッパ層がその下層である半透過層よりも電位が貴であるために、上述する閉回路が形成されてもエッチングストッパ層の電食を抑えることができる。こうした電位が貴であるエッチングストッパ層を利用する態様であれ、該エッチングストッパ層と遮光層との間には上述する酸化物層が介在するために、遮光層の構成材料に大きな制約を受けることはなく、該遮光層の構成材料としてエッチングストッパ層よりも電位が卑であるものを利用することができる。しかもエッチングストッパ層の構成元素に不動態を形成し易い元素が含まれることから、こうしたエッチングストッパ層の表面に酸化処理を施すだけで上記酸化物層を形成することもできる。
請求項4に記載の発明は、前記半透過層と前記遮光層とが、クロム又はクロム化合物であることを要旨とする。請求項4に記載の発明によれば、半透過層と遮光層とがクロム又はクロム化合物である態様において、ハーフトーンマスクの加工形状に対する制御性を向上させることができる。
請求項5に記載の発明は、ガラス基板に形成された半透過層を有する半透過部と、イオン化傾向が前記半透過層と異なるエッチングストッパ層と、遮光層とが前記半透過層に積層されてなる遮光部とを備えたハーフトーンマスクであって、前記遮光層が前記エッチングストッパ層と接する界面に前記遮光層のエッチング液によりエッチング選択性を有する酸化物層を備え、前記酸化物層が、Ni、Fe、Co、Cu、Al、Ti、Nb、Ta、V、Hf、Zr、Si、Mo、Wからなる群から選択された少なくとも1種を含み、前記酸化物層は、前記エッチングストッパ層の表面に酸化処理を施すことによって形成され、前記酸化物層の膜厚は、10nmに満たないことを要旨とする。
請求項5に記載の発明によれば、Ni、Fe、Co、Cu、Al、Ti、Nb、Ta、V、Hf、Zr、Si、Mo、Wからなる群から選択された少なくとも1種の酸化物が半透過層と遮光層との間に形成されるため、遮光層をエッチングする場合に遮光層と半透過層とを介する閉回路が形成され難くなる。それゆえ遮光層や半透過層に関わる電食を抑えることができ、ハーフトーンマスクの加工形状に対する制御性を向上させることができる。
請求項6に記載の発明は、ガラス基板に形成された半透過層を備え、イオン化傾向が前記半透過層と異なるエッチングストッパ層と、遮光層とが前記半透過層に積層されてなるハーフトーンマスクブランクスであって、前記遮光層が前記エッチングストッパ層と接する界面に電気的に絶縁する絶縁酸化物層を備え、前記絶縁酸化物層は、前記エッチングストッパ層の表面に酸化処理を施すことによって形成され、前記絶縁酸化物層の膜厚は、10nmに満たないことを要旨とする。
請求項6に記載の発明によれば、半透過層と遮光層とが絶縁酸化物層により電気的に絶縁されるために、遮光層をエッチングする場合に遮光層と半透過層とを介する閉回路が形成されなくなる。それゆえ遮光層や半透過層に関わる電食を回避することができ、ハーフトーンマスクブランクスに対する加工制御性を向上させることができる。
請求項7に記載の発明は、前記絶縁酸化物層が、前記遮光層と同じエッチング液によりエッチングされることを要旨とする。請求項7に記載の発明によれば、遮光層をエッチングする際に、絶縁酸化物層を連続的にエッチングすることができる。ゆえに、絶縁酸化物層を個別にエッチングする場合に比べて、ハーフトーンマスクの生産性を向上することもできる。
請求項8に記載の発明は、前記エッチングストッパ層が、Ni、Fe、Co、Cu、Al、Ti、Nb、Ta、V、Hf、Zr、Si、Mo、Wからなる群から選択された少な
くとも1種を含み、前記半透過層及び前記遮光層よりも電位が貴であることを要旨とする。
エッチングストッパ層の下層である半透過層をエッチングする際には、エッチングストッパ層と半透過層との間に閉回路が形成される。請求項8に記載の発明によれば、エッチングストッパ層がその下層である半透過層よりも電位が貴であるために、上述する閉回路が形成されてもエッチングストッパ層の電食を抑えることができる。こうした電位が貴であるエッチングストッパ層を利用する態様であれ、該エッチングストッパ層と遮光層との間には上述する酸化物層が介在するために、遮光層の構成材料が大きな制約を受けることはなく、該遮光層の構成材料としてエッチングストッパ層よりも電気的に卑であるものを利用することができる。しかもエッチングストッパ層の構成元素に不動態を形成し易い元素が含まれることから、こうしたエッチングストッパ層の表面に酸化処理を施すだけで上記酸化物層を形成することもできる。
請求項9に記載の発明は、前記半透過層と前記遮光層とが、クロム又はクロム化合物であることを要旨とする。請求項9に記載の発明によれば、半透過層と遮光層とがクロム又はクロム化合物である態様においてハーフトーンマスクブランクスに対する加工制御性を向上させることができる。
請求項10に記載の発明は、ガラス基板に形成された半透過層を備え、イオン化傾向が前記半透過層と異なるエッチングストッパ層と、遮光層とが前記半透過層に積層されてなるハーフトーンマスクブランクスであって、前記遮光層が前記エッチングストッパ層と接する界面に前記遮光層のエッチング液によりエッチング選択性を有する酸化物層を備え、前記酸化物層が、Ni、Fe、Co、Cu、Al、Ti、Nb、Ta、V、Hf、Zr、Si、Mo、Wからなる群から選択された少なくとも1種を含み、前記酸化物層は、前記エッチングストッパ層の表面に酸化処理を施すことによって形成され、前記酸化物層の膜厚は、10nmに満たないことを要旨とする。
請求項10に記載の発明によれば、Ni、Fe、Co、Cu、Al、Ti、Nb、Ta、V、Hf、Zr、Si、Mo、Wからなる群から選択された少なくとも1種の酸化物が半透過層と遮光層との間に形成されるため、遮光層をエッチングする場合に遮光層と半透過層とを介する閉回路が形成され難くなる。それゆえ遮光層や半透過層に関わる電食を抑えることができ、ハーフトーンマスクの加工形状に対する制御性を向上させることができる。
請求項11に記載の発明は、半透過層と、イオン化傾向が前記半透過層と異なるエッチングストッパ層とをガラス基板に積層し、さらに電気的に絶縁する絶縁酸化物層を含む遮光層を前記エッチングストッパ層に積層する積層工程と、前記遮光層に第1レジストパターンを形成し、前記絶縁酸化物層を含む遮光層と、前記エッチングストッパ層と、前記半透過層とに対して前記第1レジストパターンをマスクに用いたエッチングを施して前記第1レジストパターンを除去することにより透過部を形成する透過部形成工程と、前記遮光層に第2レジストパターンを形成し、前記絶縁酸化物層を含む遮光層と、前記エッチングストッパ層とに対して前記第2レジストパターンをマスクに用いたエッチングを施して前記第2レジストパターンを除去することにより半透過部を形成する半透過部形成工程とを備えたことを要旨とする。
請求項11に記載の発明によれば、半透過層と遮光層との間が絶縁酸化物層により予め電気的に絶縁されるために、遮光層をエッチングする際には遮光層と半透過層とを介する閉回路が形成されなくなる。それゆえ透過部や半透過部の形成時において遮光層や半透過層に関わる電食を回避することができ、ハーフトーンマスクの加工形状に対する制御性を向上させることができる。
請求項1に記載の発明は、半透過層と、イオン化傾向が前記半透過層と異なるエッチングストッパ層とをガラス基板に積層して前記エッチングストッパ層を酸化処理する工程と、さらに遮光層を積層する積層工程と、前記遮光層に第1レジストパターンを形成し、前記遮光層と、エッチングストッパ層と、前記半透過層とに対して前記第1レジストパターンをマスクに用いたエッチングを施して前記第1レジストパターンを除去することにより透過部を形成する透過部形成工程と、前記遮光層に第2レジストパターンを形成し、前記遮光層と前記エッチングストッパ層とに対して前記第2レジストパターンをマスクに用いたエッチングを施して前記第2レジストパターンを除去することにより半透過部を形成する半透過部形成工程とを備えたことを要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、遮光層の下地であるエッチングストッパ層の表面を
酸化することにより、別途酸化物層を成膜する態様に比べて、下地の形状や位置に適したエッチング選択性を有する酸化物層を得ることができる。
請求項1に記載の発明は、半透過層と、イオン化傾向が前記半透過層と異なるエッチングストッパ層とをガラス基板に積層し、さらに遮光増を前記エッチングストッパ層に積層するハーフトーンマスクブランクスの製造方法であって、前記エッチングストッパ層を形成した後にエッチングストッパ層の酸化処理を行い、その後、前記遮光層を積層することを要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、遮光層の下地であるエッチングストッパ層の表面を酸化することにより、別途酸化物層を成膜する態様に比べて、下地の形状や位置に適したエッチング選択性を有する酸化物層を得ることができる。
上記したように、本発明によれば、エッチングによる加工形状の制御性を向上したハーフトーンマスク、ハーフトーンマスクブランクス、ハーフトーンマスクの製造方法、及びハーフトーンマスクブランクスの製造方法を提供することができる。
以下、本発明にかかるハーフトーンマスクを具体化した一実施形態を図1及び図2を参照して説明する。図1はハーフトーンマスクの断面構造を示す部分断面図である。
図1に示されるように、ハーフトーンマスク10が有するガラス基板Sの表面Saには、該表面Saの一部を覆う半透過層11が形成されており、この半透過層11の上側には、該半透過層11の一部を覆うエッチングストッパ層12と、酸化物層13を含む遮光層14とが順に積層されている。
半透過層11はハーフトーンマスク10に適用される露光光を半透過する導電層であり、例えばi線〜h線において10%〜70%の透過率を有する層である。こうした半透過層11の構成材料としては、例えばクロム(Cr)又はCr酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化炭化物、窒化炭化物、酸化窒化炭化物からなる群から選択される少なくと
も一種を主成分とすることができる。またこれらの他、半透過層11の構成材料としては、NiCr、NiV、NiMo、NiMoX(Xは、Al、Ti、Nb、Ta、V)からなる群から選択される少なくとも一種を主成分とすることもできる。
エッチングストッパ層12は、半透過層11とイオン化傾向が異なる導電層であり、遮光層14及び半透過層11に対して高いエッチング選択比を有し、半透過層11と遮光層14との間に十分なエッチング選択比を発現させる。こうしたエッチングストッパ層12の構成材料としては、例えばNi−TiやNi−Cu−V−Ti等、Ni、Fe、Co、Cu、Al、Ti、Nb、Ta、Hf、Zr、Si、Mo、Wからなる群から選択される少なくとも一種を含み、半透過層11及び遮光層14よりも電位が貴な材料を用いることができる。上述する構成元素のなかでもNi及びCoは耐薬品性、耐熱性に優れていることから主成分としても好ましい。また上述する構成元素の他に、Ni、Fe、Cu、Al、Ti、Nb、Ta、V、Hf、Zr、Si、Mo、Wを添加することにより、上述する半透過層11及び遮光層14に適用可能なエッチング液である硝酸セリウム第二アンモニウムに対する耐性を高めることもできる。なお、エッチングストッパ層12の構成材料としては、上述する金属元素の他、上記金属元素の酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、窒化炭化物、酸化窒化炭化物を用いることもできる。
酸化物層13は、遮光層14がエッチングストッパ層12と接する界面を構成する層であり、遮光層14やエッチングストッパ層12よりも高い抵抗率を有する層であり、好ましくは遮光層14とエッチングストッパ層12との間を電気的に絶縁する絶縁酸化物層である。酸化物層13の厚みは、半透過層11や遮光層14のエッチング液によって半透過層11と遮光層14とを介した閉回路が形成されない厚さであればよい。なお、酸化物層13の厚みは、酸化物層13のエッチングを容易にする上では薄い方が好ましく、例えば1000nm以下にする構成が好ましい。酸化物層13の構成材料としては、エッチングストッパ層12と遮光層14との間を電気的に絶縁する材料であればよく、例えばNi、Fe、Ni、Co、Cu、Cr、Al、Si、V、Ti、Nb、Ta、Hf、Zr、Mo、Wからなる群から選択される少なくとも一種の酸化物あるいは複合酸化物を用いることができる。
遮光層14は、半透過層11及びエッチングストッパ層12とイオン化傾向が異なる導電層であり、ハーフトーンマスク10に適用される露光光を遮光して、例えばi線〜h線において0%の透過率を有する層である。こうした遮光層14の構成材料としては、例えばCr又はCr酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化炭化物、窒化炭化物、酸化窒化炭化物からなる群から選択される少なくとも一種を主成分とすることができる。またこれらの他、遮光層14の構成材料としては、NiCr、NiV、NiMo、NiMoX(Xは、Al、Ti、Nb、Ta、V)からなる群から選択される少なくとも一種を主成分とすることもできる。
こうした構造からなるハーフトーンマスク10には、ガラス基板Sの表面Saが外方へ露出する領域である透過部TAと、半透過層11が外方へ露出する領域である半透過部HAと、遮光層14が最上層である遮光部PAとが区画されている。そしてハーフトーンマスク10に露光光が照射されるとき、上記透過部TAが露光光を透過させて、上記半透過部HAが露光光を半透過させて、上記遮光部PAが露光光を遮光させることにより、ハーフトーンマスク10が多階調の露光量を表現可能となる。
そして、透過部TAや半透過部HAを形成すべく遮光層14をエッチングする際には、エッチングストッパ層12が遮光層14よりも電気的に卑であるか貴であるかに拘わらず、半透過層11と遮光層14とを介した閉回路が形成されなくなる。それゆえ遮光層14やエッチングストッパ層12に関わる電食を回避することができ、ひいてはハーフトーン
マスク10の加工形状に対する制御性を向上させることができる。
なお、エッチングストッパ層12のエッチング時には、エッチングストッパ層12と半透過層11とを介する閉回路が形成されてしまう。そのため、エッチングストッパ層12の電食を抑えるため、エッチングストッパ層12は、半透過層11に対して電位が貴である構成が好ましい。こうした構成からなるハーフトーンマスク10であれば、エッチングストッパ層12と半透過層11とを介する閉回路が形成されてもエッチングストッパ層の電食を抑えることもできる。ちなみに、こうした電位が貴であるエッチングストッパ層12を利用する態様であれ、該エッチングストッパ層12と遮光層14との間には上述する酸化物層13が介在するため、遮光層14の構成材料が大きな制約を受けることはない。ゆえに、遮光層14の構成材料としては、エッチングストッパ層12よりも電位が卑であるもの、例えばCr又はCr化合物を利用することもできる。
なお図1においては、ハーフトーンマスク10の断面構造の全体を説明する便宜上、半透過層11とエッチングストッパ層12とが一層である構造を示している。ただし、これに限らず、ハーフトーンマスク10は、多層構造からなる半透過層11や多層構造からなるエッチングストッパ層12とを具備する、所謂マルチトーンマスクであってもよい。
次に、上述するハーフトーンマスク10に適用されるハーフトーンマスクブランクス15の製造方法、及びハーフトーンマスク10の製造方法について以下に説明する。図2(a)〜(f)はハーフトーンマスクの製造方法における各工程を示す工程図である。
図2(a)に示されるように、まずガラス基板Sの表面Saに半透過層11が成膜されて、次いで該半透過層11の上にエッチングストッパ層12、酸化物層13、遮光層14が順に形成されて、これらの積層工程によりハーフトーンマスクブランクス15が得られる。
半透過層11は、EB蒸着法、抵抗加熱蒸着法、CVD法、スパッタ法等の成膜方法を用いて成膜することができ、高い膜厚均一性を確保する上においては、希ガスであるArを用いたスパッタ法や反応性ガスである酸素、窒素、窒化酸素、二窒化酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン等を用いた反応性スパッタ法を利用する方法が好ましい。
エッチングストッパ層12は、EB蒸着法、抵抗加熱蒸着法、CVD法、スパッタ法等の成膜方法を用いて成膜することができ、高い膜厚均一性を確保する上では、希ガスであるArを用いたスパッタ法や反応性ガスである酸素、窒素、窒化酸素、二窒化酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン等を用いた反応性スパッタ法を利用する方法が好ましい。
酸化物層13は、EB蒸着法、抵抗加熱蒸着法、スパッタ法等の成膜方法を用いて上記エッチングストッパ層12の上に薄膜として別途成膜することができる。この他の形成方法としては、エッチングストッパ層12の表層に酸化処理を施すことにより形成することもでき、こうした酸化処理としては、酸化対象となる表面を高温の酸化雰囲気に曝す方法、酸化対象となる表面を昇温した状態で大気に曝す方法、さらには酸化対象となる表面を酸素プラズマに曝す方法などを挙げることができる。
例えば、エッチングストッパ層12の構成元素に予め、Ni、Fe,Co、Cu、Al、Ti、Nb、Ta,V、Hf、Zr、Si、Mo、W等のように不動態を形成可能な元素を合計で6%以上含有させて、同エッチングストッパ層12の表層に酸化処理を施す。こうした方法によって、エッチングストッパ層12の表層に不動態層である酸化物層13を形成することもできる。ただし、このような不動態を形成可能な元素の含有率が合計で20%を超える場合にあっては、エッチングストッパ層12そのものがエッチングされ難
くなるために、上記元素の含有率は合計で6%〜20%にする構成が好ましい。なお、上記不動態を形成可能な元素からなる前駆層をエッチングストッパ層12の上に別途成膜して、こうした前駆層を有したエッチングストッパ層12に酸化処理を施すことにより上記酸化物層13を形成することもできる。
遮光層14は、EB蒸着法、抵抗加熱蒸着法、CVD法、スパッタ法等の成膜方法を用いて成膜することができ、高い膜厚均一性を確保する上では、希ガスであるArを用いたスパッタ法や反応性ガスである酸素、窒素、窒化酸素、二窒化酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン等を用いた反応性スパッタ法を利用する方法が好ましい。
上述するようにハーフトーンマスクブランクス15が形成されると、レジスト材料が遮光層14の上に塗布されて、該塗布膜がプリベークされることにより第1レジスト層PR1が形成される。この第1レジスト層PR1には露光処理と現像処理とが施され、そして透過部TAを形成するための開口である透過用開口PR1aを有した第1レジストパターンが形成される。例えば、遮光層14の上にフォトレジストAZP1500(エレクトロマテリアルズ社製)が塗布されて、該塗布膜が100℃の加熱下で30分間ベークされることにより第1レジスト層PR1が形成される。次いで、該第1レジスト層PR1に対してレーザ露光装置を利用した露光処理と、水酸化カリウム等のアルカリ現像液を用いた現像処理とが適用されることにより、透過用開口PR1aを有した第1レジストパターンが形成される。
図2(b)に示されるように、上記第1レジストパターンが形成されると、該第1レジスト層PR1をマスクにしたエッチングが遮光層14に施されることにより、前記透過用開口PR1aに対応した凹部である第1貫通孔14aが遮光層14に形成される。例えば、遮光層14の構成材料としてCr又はCr化合物を利用する場合には、エッチング液として硝酸セリウム第二アンモニウム液を用いたエッチングを適用することにより遮光層14に第1貫通孔14aが形成される。このエッチングの実行時には、遮光層14とエッチングストッパ層12とを介した閉回路が酸化物層13により形成されなくなる。したがって、遮光層14やエッチングストッパ層12への過剰なエッチングである電食を回避することができる。
図2(c)に示されるように、上記第1貫通孔14aが形成されると、遮光層14をマスクにしたエッチングが酸化物層13に施されることにより、前記第1貫通孔14aに沿うかたちの貫通孔が酸化物層13にパターニングされる。例えば、フッ酸、硝酸、あるいはシュウ酸を含む溶液をエッチング液として用いることにより、遮光層14に沿うかたちに酸化物層13がパターニングされる。なお、上述する遮光層14の構成材料からは、酸化物層13に適用されるエッチング液でエッチング可能なものを選択することもできる。このような材料を選択すれば、上記遮光層14のエッチング液と酸化物層13のエッチング液との共通化を図ることができ、遮光層14のエッチング工程とエッチングストッパ層12のエッチング工程との共通化を図ることもできる。
次いで、パターニングされた酸化物層13をマスクにしたエッチングがエッチングストッパ層12に施されることにより、同酸化物層13に沿うかたちにエッチングストッパ層12がパターニングされる。例えば、エッチング液として硝酸を用いたエッチングをエッチングストッパ層12に適用することによりエッチングストッパ層12がパターニングされる。なお、上記酸化物層13の膜厚が10nmに満たないように薄い場合や上記酸化物層13の構成材料がNi−Ti酸化物である場合には、エッチング液として硝酸を用いる方法が好ましい。こうした方法によれば、上記酸化物層13がエッチングされるときに、上記酸化物層13にくわえて、エッチングストッパ層12を連続的にエッチングすることもできる。
続いて、パターニングされたエッチングストッパ層12をマスクにしたエッチングが半透過層11に施されることにより、同エッチングストッパ層12に沿うかたちに半透過層11がパターニングされる。例えば、半透過層11の構成材料としてCr又はCr化合物を利用する場合には、エッチング液として硝酸セリウム第二アンモニウム液を用いたエッチングを適用することにより半透過層11がパターニングされる。そして、遮光層14の上から第1レジストパターンが除去されて、以上の透過部形成工程により前記透過部TAがパターニングされる。
上述する酸化物層13及びエッチングストッパ層12の構成元素であれば、酸化物層13のパターニング時においてエッチングストッパ層12が実質的にエッチングされなくなる。そのため、エッチングストッパ層12の表層で同エッチングが停止することになる。そのうえ、エッチングストッパ層12のパターニング時においても半透過層11が実質的にエッチングされないため、半透過層11の表層で同エッチングが停止することになる。それゆえ、半透過層11と遮光層14との間に十分なエッチング選択比を発現させるうえでは、エッチングストッパ層12の膜厚を薄く構成することができる。これによりエッチングストッパ層12のエッチング工程時間を短縮させることもできるため、同エッチングストッパ層12のエッチング時には、加工後である遮光層14や酸化物層13に対して、さらなる侵食を抑えることもできる。
以上、上述するような酸化物層13の作用により、遮光層14やエッチングストッパ層12への電食を回避することができ、透過部TAの加工形状に対する制御性を一層向上することができる。しかも、エッチングストッパ層12の電位が半透過層11及び遮光層14よりも貴となる構成にあっては、半透過層11のエッチング時にエッチングストッパ層12への電食までも回避することができる。ゆえに、透過部TAの加工形状に対する制御性をより一層に向上することができる。
図2(d)に示されるように、上記透過部TAが形成されると、透過部TAを充填するかたちでレジスト材料が遮光層14の上に塗布されて、該塗布膜がプリベークされることにより第2レジスト層PR2が形成される。この第2レジスト層PR2には露光処理と現像処理とが施され、そして半透過部HAを形成するための開口である半透過用開口PR2aを有した第2レジストパターンが形成される。例えば、透過部TAを充填するように上記遮光層14の上にフォトレジストAZP1500(エレクトロマテリアルズ社製)が塗布されて、該塗布膜が100℃の加熱下で30分間ベークされることにより第2レジスト層PR2が形成される。次いで、上記第1レジストパターンと同じく、この第2レジスト層PR2に対してレーザ露光装置を利用した露光処理と、水酸化カリウム等のアルカリ現像液を用いた現像処理とが適用されることにより、半透過用開口PR2aを有したレジストパターンが形成される。
図2(e)に示されるように、上記第2レジストパターンが形成されると、該第2レジスト層PR2をマスクにしたエッチングが施されて、前記半透過用開口PR2aに対応した凹部である第2貫通孔14bが遮光層14に形成される。例えば、上記第1貫通孔14aと同じく、遮光層14の構成材料としてCr又はCr化合物を利用する場合には、エッチング液として硝酸セリウム第二アンモニウム液を用いたエッチングを適用することにより遮光層14に第2貫通孔14bが形成される。このエッチングの実行時にあっても、上記第1貫通孔14aと同じく、遮光層14とエッチングストッパ層12とを介した閉回路が酸化物層13により形成されなくなる。したがって、遮光層14やエッチングストッパ層12への過剰なエッチングである電食を回避することができる。
図2(f)に示されるように、上記第2貫通孔14bが形成されると、遮光層14をマ
スクにしたエッチングが酸化物層13に施されることにより、前記第2貫通孔14bに沿うかたちの貫通孔が酸化物層13にパターニングされる。例えば、上記透過部TAの形成時と同じく、フッ酸、硝酸、あるいはシュウ酸を含む溶液をエッチング液として用いることにより、遮光層14に沿うかたちに酸化物層13がパターニングされる。
次いで、パターニングされた酸化物層13をマスクにしたエッチングがエッチングストッパ層12に施されることにより、同酸化物層13に沿うかたちにエッチングストッパ層12がパターニングされる。例えば、上記透過部TAの形成時と同じく、エッチング液として硝酸を用いたエッチングを適用することによりエッチングストッパ層12がパターニングされる。なお、上記酸化物層13の膜厚が10nmに満たないように薄い場合や上記酸化物層13の構成材料がNi−Ti酸化物である場合には、エッチング液として硝酸を用いる方法が好ましい。こうした方法によれば、上記酸化物層13がエッチングされるときに、上記酸化物層13にくわえて、エッチングストッパ層12を連続的にエッチングすることもできる。そして、透過部TAに充填されて遮光層14の上を覆う第2レジストパターンが除去され、以上の半透過部形成工程により前記半透過部HA及び遮光部PAがパターニングされる。
上述する酸化物層13及びエッチングストッパ層12の構成元素であれば、上記透過部TAの形成時と同じく、酸化物層13のパターニング時に実質的にエッチングストッパ層12がエッチングされなくなる。そのため、エッチングストッパ層12の表層で同エッチングが停止することになる。そのうえ、エッチングストッパ層12のパターニング時においても半透過層11が実質的にエッチングされないため、半透過層11の表層で同エッチングが停止することになる。それゆえ、半透過層11の過剰なエッチングが回避されて、半透過部HAの光学特性に必要とされる膜厚が半透過層11で確保される。
こうした方法によれば、上述する酸化物層13の作用により、遮光層14やエッチングストッパ層12への電食を回避することができる。そのうえ、第2レジスト層PR2に沿うかたちで各層がエッチングされることから、半透過部HA及び遮光部PAの加工形状に対する制御性を向上させことができる。
(実施例1)
DCスパッタ法を用いることによりCrを含む半透過層11をガラス基板Sの上に成膜し、その後、該半透過層11の上にNi−Cu−Tiからなるエッチングストッパ層12を形成し、さらに、反応性スパッタ法を用いることにより前記エッチングストッパ層12の上に酸化クロムからなる酸化物層13を成膜した。そして、該酸化物層13の上にCrを含む遮光層14を成膜することにより、実施例2のハーフトーンマスクブランクス15を得た。
実施例1のハーフトーンマスクブランクス15の上にフォトレジストAZP1500(エレクトロマテリアルズ社製)を塗布し、該レジスト層を露光及び現像することにより、線幅が20μmであって線間が20μmであるレジストパターンを形成した。次いで、このレジストパターンをマスクにして硝酸セリウム第二アンモニウムと過塩素酸との混合液をエッチング液とするエッチングを上記遮光層14に対して施し、前記レジストパターンの透過用開口PR1aの幅(線間)と前記遮光層14の第1貫通孔14aの幅との差であるサイドエッチング量を計測した。その結果、サイドエッチング量は0.1μmであり、遮光層14に関わる電食が十分に抑えられていることが認められた。
上記第1貫通孔14aを形成した後、フッ酸を含むエッチング液により酸化物層13をエッチングして、その後、硝酸を含むエッチング液によりエッチングストッパ層12をエッチングした。そして、硝酸セリウム第二アンモニウムと過塩素酸との混合液をエッチン
グ液にして半透過層11をエッチングし、上記第1レジストパターンをアルカリ溶液で除去することにより透過部TAを得た。
続いて、透過部TAを有するガラス基板SにフォトレジストAZP1500(エレクトロマテリアルズ社製)を再度塗布して該レジスト層を露光及び現像することにより第2レジストパターンを得た。また、第2レジストパターンをマスクにして硝酸セリウム第二アンモニウムと過塩素酸との混合液をエッチング液とするエッチングを上記遮光層14に対して施し、さらに、フッ酸を含むエッチング液により酸化物層13をエッチングし、次いで、硝酸を含むエッチング液によりエッチングストッパ層12をエッチングした。そして、上記第2レジストパターンをアルカリ溶液により除去することにより、半透過部HA及び遮光部PAを有する実施例2のハーフトーンマスク10を得た。
(実施例2)
DCスパッタ法を用いることによりCrを含む半透過層11をガラス基板Sの上に成膜し、その後、該半透過層11の上にNi−Tiからなるエッチングストッパ層12を形成し、さらに、同ガラス基板Sを大気中で100℃に加熱して前記エッチングストッパ層12の表層に酸化物層13を形成した。そして、該酸化物層13の上にCrを含む遮光層14を成膜することにより、実施例1のハーフトーンマスクブランクス15を得た。
実施例2のハーフトーンマスクブランクス15の上にフォトレジストAZP1500(エレクトロマテリアルズ社製)を塗布し、該レジスト層を露光及び現像することにより、線幅が20μmであって線間が20μmであるレジストパターンを形成した。次いで、このレジストパターンをマスクにして硝酸セリウム第二アンモニウムと過塩素酸との混合液をエッチング液とするエッチングを上記遮光層14に対して施し、前記レジストパターンの透過用開口PR1aの幅(線間)と前記遮光層14の第1貫通孔14aの幅との差であるサイドエッチング量を計測した。その結果、サイドエッチング量は0.2μmであり、遮光層14への電食が十分に抑えられていることが認められた。
上記第1貫通孔14aを形成した後、硝酸をエッチング液とするエッチングを酸化物層13及びエッチングストッパ層12に施し、さらに硝酸セリウム第二アンモニウムと過塩素酸との混合液をエッチング液とするエッチングを半透過層11に施し、上記第1レジストパターンをアルカリ溶液で除去することにより透過部TAを得た。
続いて、透過部TAを有するガラス基板SにフォトレジストAZP1500(エレクトロマテリアルズ社製)を再度塗布して該レジスト層を露光及び現像することにより第2レジストパターンを得た。この第2レジストパターンをマスクにして、硝酸セリウム第二アンモニウムと過塩素酸との混合液をエッチング液とするエッチングを上記遮光層14に対して施し、さらに硝酸をエッチング液とするエッチングを酸化物層13及びエッチングストッパ層12に施した。そして、上記第2レジストパターンをアルカリ溶液により除去することにより、半透過部HA及び遮光部PAを有する実施例2のハーフトーンマスク10を得た。
以上、上述するような構成及び方法によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態によれば、エッチングストッパ層12と遮光層14とを介する閉回路が酸化物層13により形成されなくなる。それゆえ、遮光層14やエッチングストッパ層12に関わる電食を回避することができ、ハーフトーンマスク10の加工形状に対する制御性を向上することができる。
(2)上記実施形態によれば、エッチングストッパ層12がその下層である半透過層11よりも電位が貴であるために、これらを介する閉回路が形成される場合であれ、エッチ
ングストッパ層12の電食を抑えることができる。そのうえ、このように電位が貴であるエッチングストッパ層12を利用する場合であっても、エッチングストッパ層12と前記遮光層14との間には酸化物層13が介在するため、遮光層14の構成材料に大きな制約を受けることはなく、遮光層14の構成材料としてエッチングストッパ層12よりも電位が卑であるものを利用することができる。
(3)上記実施形態によれば、不動態を形成し易い元素であるNi、Fe、Co、Cu、Al、Ti、Nb、Ta、V、Hf、Zr、Siからなる群から選択された少なくとも1種がエッチングストッパ層12の構成元素に含まれるため、こうしたエッチングストッパ層12の表面に酸化処理を施すだけで上記酸化物層13を形成することもできる。
本実施形態のハーフトーンマスクの断面構造を示す部分断面図。 (a)〜(f)本実施形態のハーフトーンマスクの製造工程を示す工程図
符号の説明
10…ハーフトーンマスク、11…半透過層、12…エッチングストッパ層、13…酸化物層、14…遮光層、15…ハーフトーンマスクブランクス、HA…半透過部、PA…遮光部、TA…透過部、PR1…第1レジスト層、PR2…第2レジスト層、S…ガラス基板。

Claims (13)

  1. ガラス基板に形成された半透過層を有する半透過部と、
    イオン化傾向が前記半透過層と異なるエッチングストッパ層と、遮光層とが前記半透過層に積層されてなる遮光部と
    を備えたハーフトーンマスクであって、
    前記遮光層が前記エッチングストッパ層と接する界面に電気的に絶縁する絶縁酸化物層を備え
    前記絶縁酸化物層は、前記エッチングストッパ層の表面に酸化処理を施すことによって形成され、
    前記絶縁酸化物層の膜厚は、10nmに満たないことを特徴とするハーフトーンマスク。
  2. 前記絶縁酸化物層と前記遮光層とが、同じエッチング液によりエッチングされる
    請求項1に記載のハーフトーンマスク。
  3. 前記エッチングストッパ層が、Ni、Fe、Co、Cu、Al、Ti、Nb、Ta、V、Hf、Zr、Si、Mo、Wからなる群から選択された少なくとも1種を含み、前記半透過層及び前記遮光層よりも電位が貴である
    請求項1又は2に記載のハーフトーンマスク。
  4. 前記半透過層と前記遮光層とが、クロム又はクロム化合物である
    請求項3に記載のハーフトーンマスク。
  5. ガラス基板に形成された半透過層を有する半透過部と、
    イオン化傾向が前記半透過層と異なるエッチングストッパ層と、遮光層とが前記半透過層に積層されてなる遮光部と
    を備えたハーフトーンマスクであって、
    前記遮光層が前記エッチングストッパ層と接する界面に前記遮光層のエッチング液によりエッチング選択性を有する酸化物層を備え、
    前記酸化物層が、Ni、Fe、Co、Cu、Al、Ti、Nb、Ta、V、Hf、Zr
    、Si、Mo、Wからなる群から選択された少なくとも1種を含み、
    前記酸化物層は、前記エッチングストッパ層の表面に酸化処理を施すことによって形成され、
    前記酸化物層の膜厚は、10nmに満たないことを特徴とするハーフトーンマスク。
  6. ガラス基板に形成された半透過層を備え、
    イオン化傾向が前記半透過層と異なるエッチングストッパ層と、遮光層とが前記半透過層に積層されてなるハーフトーンマスクブランクスであって、
    前記遮光層が前記エッチングストッパ層と接する界面に電気的に絶縁する絶縁酸化物層を備え
    前記絶縁酸化物層は、前記エッチングストッパ層の表面に酸化処理を施すことによって形成され、
    前記絶縁酸化物層の膜厚は、10nmに満たないことを特徴とするハーフトーンマスクブランクス。
  7. 前記絶縁酸化物層が、前記遮光層と同じエッチング液によりエッチングされる
    請求項6に記載のハーフトーンマスクブランクス。
  8. 前記エッチングストッパ層が、Ni、Fe、Co、Cu、Al、Ti、Nb、Ta、V、Hf、Zr、Si、Mo、Wからなる群から選択された少なくとも1種を含み、前記半透過層及び前記遮光層よりも電位が貴である
    請求項7に記載のハーフトーンマスクブランクス。
  9. 前記半透過層と前記遮光層とが、クロム又はクロム化合物である
    請求項6〜8のいずれか一項に記載のハーフトーンマスクブランクス。
  10. ガラス基板に形成された半透過層を備え、
    イオン化傾向が前記半透過層と異なるエッチングストッパ層と、遮光層とが前記半透過層に積層されてなるハーフトーンマスクブランクスであって、
    前記遮光層が前記エッチングストッパ層と接する界面に前記遮光層のエッチング液によりエッチング選択性を有する酸化物層を備え、
    前記酸化物層が、Ni、Fe、Co、Cu、Al、Ti、Nb、Ta、V、Hf、Zr、Si、Mo、Wからなる群から選択された少なくとも1種を含み、
    前記酸化物層は、前記エッチングストッパ層の表面に酸化処理を施すことによって形成され、
    前記酸化物層の膜厚は、10nmに満たないことを特徴とするハーフトーンマスクブランクス。
  11. 半透過層と、イオン化傾向が前記半透過層と異なるエッチングストッパ層とをガラス基板に積層し、さらに電気的に絶縁する絶縁酸化物層を含む遮光層を前記エッチングストッパ層に積層する積層工程と、
    前記遮光層に第1レジストパターンを形成し、前記絶縁酸化物層を含む遮光層と、前記エッチングストッパ層と、前記半透過層とに対して前記第1レジストパターンをマスクに用いたエッチングを施して前記第1レジストパターンを除去することにより透過部を形成する透過部形成工程と、
    前記遮光層に第2レジストパターンを形成し、前記絶縁酸化物層を含む遮光層と、前記エッチングストッパ層とに対して前記第2レジストパターンをマスクに用いたエッチングを施して前記第2レジストパターンを除去することにより半透過部を形成する半透過部形成工程と
    を備えたハーフトーンマスクの製造方法。
  12. 半透過層と、イオン化傾向が前記半透過層と異なるエッチングストッパ層とをガラス基板に積層して前記エッチングストッパ層を酸化処理する工程と、さらに遮光層を積層する積層工程と、
    前記遮光層に第1レジストパターンを形成し、遮光層と、エッチングストッパ層と、前記半透過層とに対して前記第1レジストパターンをマスクに用いたエッチングを施して前記第1レジストパターンを除去することにより透過部を形成する透過部形成工程と、
    前記遮光層に第2レジストパターンを形成し、前記遮光層と前記エッチングストッパ層とに対して前記第2レジストパターンをマスクに用いたエッチングを施して前記第2レジストパターンを除去することにより半透過部を形成する半透過部形成工程と
    を備えたハーフトーンマスクの製造方法。
  13. 半透過層と、イオン化傾向が前記半透過層と異なるエッチングストッパ層とをガラス基板に積層し、さらに遮光層を前記エッチングストッパ層に積層するハーフトーンマスクブランクスの製造方法であって、
    前記エッチングストッパ層を形成した後にエッチングストッパ層の酸化処理を行い、その後、前記遮光層を積層することを特徴とするハーフトーンマスクブランクスの製造方法。
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