本発明に係る羽根車装置の実施形態を図面に基づいて以下に説明するが、本発明は、図面に基づいて以下に説明する実施形態のみに限定されるものではない。
[主な実施形態]
本発明に係る羽根車装置を輪転印刷機の折機に適用した場合の主な実施形態を図1〜4に基づいて以下に説明する。図1は、羽根車装置の主要部の概略構造を表す側面図、図2は、図1の羽根車装置の主要部の概略構造を表す展開平面図、図3は、図1の矢線 III部の展開平面図、図4は、図1の羽根車装置の制御系のブロック図である。
図1に示すように、輪転印刷機で印刷されたウエブをフォーマによって長さ方向(縦方向)に沿って折ってから(フォーマ折)、断裁装置で所定の長さごとに断裁して折畳む折機には、断裁されて平行折り(横折り)されたシート状物である折丁1をさらにチョッパ折り(縦折り)するチョッパ折装置10が備えられている。このチョッパ折装置10は、中央部分にスリット11aを有するガイドテーブル11と、上記ガイドテーブル11上に対をなして配設された複数組の搬送ベルト12と、上記ガイドテーブル11の上記スリット11aの上方に揺動可能に配設されたチョッパブレード13と、上記ガイドテーブル11の上記スリット11aの下方に配設された一対の折込ローラ14と、この折込ローラ14で折り込まれた折丁1を下方へ案内するように搬送する対をなす搬送ベルト15とを備えている。なお、図1中、16はガイドローラである。
前記チョッパ折装置10の下方には、当該チョッパ折装置10でチョッパ折りされた前記折丁1を排出する排出手段である排出コンベア20が搬送方向上流側を連絡させるように配設されている。この排出コンベア20は、対をなすフレーム21と、これらフレーム21間に回転可能に支持された一対の回転ローラ22と、これら回転ローラ22間に掛け回された無端のコンベアベルト23とを備えている。
そして、前記チョッパ折装置10の下方と前記排出コンベア20の搬送方向上流側との間には、当該チョッパ折装置10でチョッパ折りされた前記折丁1を当該排出コンベア20へ受け渡す羽根車装置100が配設されており、当該羽根車装置100は、以下のような構成をなしている。
図1に示すように、前記排出コンベア20の前記フレーム21上には、ガイドレール101が当該フレーム21に沿って長手方向を向けるようにしてそれぞれ設けられている。前記ガイドレール101上には、当該ガイドレール101に沿って摺動移動可能なガイド部材102がそれぞれ取り付けられている。前記ガイド部材102上には、羽根車装置100の対をなすフレーム103の下部がそれぞれ取り付けられている。
図2に示すように、対をなす前記フレーム103の前記排出コンベア20の搬送方向下流側の端部間は、連結プレート104で連結されている。前記連結プレート104には、ハンドル105が取り付けられている。なお、図1中、1000は折機のフレームである。
つまり、作業者は、前記ハンドル105を把持して前記フレーム103を押し引きすることにより、前記ガイド部材102及び前記ガイドレール101を介して当該フレーム103を前記排出コンベア20の搬送方向に沿って折機のフレーム1000の内側と外側との間、すなわち、前記排出コンベア20の搬送方向(排出方向)上流側位置(羽根車装置100の作動位置)と、当該位置から離反した当該排出コンベア20の搬送方向(排出方向)下流側位置(羽根車装置100の退避位置)との間で移動させることができるようになっているのである。
このような前記ガイドレール101、前記ガイド部材102、前記フレーム103、前記連結プレート104、前記ハンドル105等により、本実施形態においては作動退避移動手段を構成している。
図1,2に示すように、一方の前記フレーム103の前記排出コンベア20の搬送方向上流側には、一方の当該フレーム103と他方の前記フレーム103との間を橋渡す方向へ軸方向を向けた回転軸111の基端側が回転可能に片持ち支持されている。この回転軸111には、羽根112aを周方向に沿って所定の間隔で複数(本実施形態では16)有することにより、周方向に隣り合う当該羽根112aの間に折丁1を案内する間隔112bを周方向に沿って所定の間隔で複数(本実施形態では16)形成した羽根部材である羽根板112が当該回転軸111の軸方向に沿って所定の間隔で複数(本実施形態では4つ)取り付けられている。
上記羽根板112は、前記回転軸111によって回転しながら、前記チョッパ折装置10の対をなす前記ガイドローラ16間から下方へ送り出された折丁1をスムーズに受け入れた後に前記排出コンベア20の搬送方向(排出方向)上流側位置のコンベアベルト23上にスムーズに送り出せるように、前記間隔112bの径方向内側の端部(底部)よりも径方向外側の端部(開口部)が回転方向(図1中、時計回り)下流側に位置するように、前記羽根112a及び前記間隔112bが所定の曲率で回転方向に円弧状をなしている。
また、対をなす上記フレーム103間には、対をなす支持ビーム106が当該フレーム103間を橋渡すようにして固定されている。対をなす上記支持ビーム106には、保持ブロック107が、当該支持ビーム106の軸方向に沿って所定の間隔、すなわち、前記排出コンベア20の搬送方向から見たときに、前記回転軸111の軸方向に隣り合う前記羽根板112の間に位置するように、複数(本実施形態では3つ)取り付けられている。
前記保持ブロック107には、前記フレーム103に沿うように配向された板状のサブフレーム108が当該保持ブロック107を挟むように対をなしてそれぞれ取り付けられており、これらサブフレーム108は、前記回転軸111の軸方向に隣り合う前記羽根板112の間に対をなして位置すると共に、当該回転軸111が貫通している。
図1,2に示すように、対をなす前記サブフレーム108間の前記排出コンベア20の搬送方向(排出方向)上流側には、円弧状をなす減速部材であるブレーキガイド121がそれぞれ配設されている。前記ブレーキガイド121には、長手方向に沿った円弧状をなす長孔121aが複数(本実施形態では3つ)形成されている。前記ブレーキガイド121の前記長孔121aには、対をなす前記サブフレーム108間を連結するように取り付けられたピン122が当該長孔121aの長手方向に沿って摺動移動できるようにそれぞれ差し込まれている。
つまり、前記ブレーキガイド121は、前記回転軸111の軸心S1を中心にして円弧状に摺動移動できるように、すなわち、前記羽根板112の回転方向に沿って摺動移動できるように当該ピン122を介して前記サブフレーム108に支持されているのである。
前記ブレーキガイド121の前記羽根板112の回転方向下流側端部(先端側)の径方向外側には、前記羽根板112の前記羽根112aの回転方向の表面の形状と略同一の曲率の円弧状をなす減速部であるブレーキ面(減速面)121bがそれぞれ形成されており、当該ブレーキ面121bは、当該羽根板112の前記間隔112bに進入してきた折丁1を当該羽根板112の当該羽根112aと協働することにより、当該折丁1を進入方向と直交する方向で波状に曲げるように当該折丁1に接触して、当該折丁1の進入速度を減速させることができるようになっている(詳細は後述する)。
前記ブレーキガイド121の前記羽根板112の回転方向上流側端部(基端側)の径方向外側面には、セグメントギア121cがそれぞれ形成されている。前記ブレーキガイド121の前記セグメントギア121cには、歯車123がそれぞれ噛み合っている。前記歯車123は、対をなす前記フレーム103間を橋渡すように当該フレーム103に回転可能に支持された一本の回転軸124に同軸をなしてそれぞれ取り付けられている。
前記回転軸124の一方側の端部には、歯車125が同軸をなして取り付けられている。前記歯車125には、歯車126が噛み合っている。前記歯車126は、一方側の前記フレーム103に支持された駆動モータ127の駆動軸127aに同軸をなして取り付けられている。
つまり、前記駆動モータ127を作動させて駆動軸127aを回転させることにより、前記歯車126,125及び前記回転軸124を介して前記歯車123を回動させ、前記セグメントギア121cを介して各前記ブレーキガイド121を前記羽根板112の回転方向に沿って、すなわち、前記回転軸111の軸心S1を中心とした軸回りでそれぞれ移動させて、前記ブレーキ面121bの位置を当該羽板112の回転方向に沿って切り換え移動させることができるようになっているのである。
このような前記セグメントギア121c、前記歯車123,125,126、前記回転軸124、前記駆動モータ127等により、本実施形態においては減速部材移動手段を構成している。
また、図1,2に示すように、対をなす前記サブフレーム108間には、内周面の周方向全長にわたって突起部131aを形成されたリング状の外歯車131がその軸心S2を前記回転軸111の軸心S1よりも前記排出コンベア20の搬送方向(排出方向)下流側に位置させるように、すなわち、上記軸心S2を上記軸心S1に対して偏心させるようにしてそれぞれ配設されている。
前記外歯車131の内側には、当該外歯車131の前記突起部131aを差し込まれる溝部132aを外輪の外周面の周方向全長にわたって形成されて当該外歯車131よりも小径をなす支持軸受132が当該外歯車131の周方向に沿って所定の間隔でそれぞれ複数(本実施形態では前記サブフレーム108間ごとに3つ)配設されている。これら支持軸受132は、対をなす各前記サブフレーム108間を橋渡すように当該サブフレーム108に支持されたピン133に同軸をなしてそれぞれ取り付けられている。
つまり、前記外歯車131は、前記支持軸受132及び前記ピン133を介して前記サブフレーム108に対して支持されると共に、前記回転軸111の軸心S1よりも前記排出コンベア20の搬送方向(排出方向)下流側に位置する軸心S2を中心にして回転することができるようになっているのである。
前記外歯車131の幅方向両側面には、鋸歯状の押付部134aを外周面に周方向に沿って複数(本実施形態では32)形成された環状の保持部材である回転ストリッパ134が当該外歯車131と同軸をなして当該外歯車131を幅方向から挟むように対をなしてそれぞれ取り付けられている。
前記外歯車131には、歯車135がそれぞれ噛み合っている。前記歯車135は、一方の前記フレーム103と他方の前記フレーム103との間を橋渡す方向へ軸方向を向けて基端側を一方の当該フレーム103に回転可能に片持ち支持された一本の回転軸136に同軸をなしてそれぞれ取り付けられている。
つまり、前記回転軸136を回転させると、前記歯車135を介して前記外歯車131が回転して、前記回転ストリッパ134が前記回転軸111の軸心S1よりも前記排出コンベア20の搬送方向(排出方向)下流側に位置する軸心S2を中心にして、言い換えると、上記軸心S1に対して、前記羽根板112の前記間隔112bに前記折丁1を受け入れるときの位置方向と反対方向に位置する軸心S2を中心にして、当該外歯車131と一体的に回転することができるようになっているのである。
図1,2に示すように、前記回転軸111,136の、対をなす前記フレーム103の一方の当該フレーム103の外側の端部には、プーリ141,142が同軸をなして取り付けられている。また、一方の前記フレーム103の外側には、前記プーリ141,142と同じ軸回りで回転可能なプーリ143が設けられている。
そして、一方の前記フレーム103の外側には、前記プーリ141〜143と同じ軸回りとなるように配向されたプーリ144が、当該フレーム103に支持された駆動モータ146の駆動軸146aに同軸をなすようにして取り付け支持されている。これらプーリ141〜144間は、無端の駆動ベルト145が掛け回されて連結されている。
つまり、前記駆動モータ146を作動させて前記駆動軸146aを回転させると、前記プーリ144を介して前記駆動ベルト145が走行し、前記プーリ141を介して前記回転軸111を回転させて前記軸心S1を中心にして前記羽根板112を回転させることができると共に、前記プーリ142を介して前記回転軸136を回転させて、前記歯車135及び前記外歯車131を介して前記軸心S2を中心に前記回転ストリッパ134を回転させることができるようになっているのである。
これにより、上記回転ストリッパ134は、前記折丁1を受け入れるときの前記羽根板112の前記間隔112bの位置側よりも当該折丁1を送り出すときの当該羽根板112の当該間隔112bの位置側に位置するように、当該羽根板112の回転中心である前記回転軸111の軸心S1に対して偏心した軸心S2を回転中心にして、上記羽根板112と同期して回転駆動するようになる。
なお、前記歯車131,135は、前記回転ストリッパ134を前記羽根板112の回転速度よりも遅い回転速度(本実施形態では羽根板112の回転速度の半分の回転速度)で回転させるように、その直径や歯数等が設定されると共に、前記排出コンベア20の前記コンベアベルト23は、前記回転ストリッパ134の外周速度と略同一の速度となる搬送速度で走行するようになっている。
また、前記回転ストリッパ134の鋸歯状の前記押付部134aは、回転方向(図1中、時計回り)下流側が、回転中心となる前記軸心S2からの半径方向に対して交差するように傾斜する押付面134aaとなっており、前記羽根板112の前記間隔112bに進入してきた折丁1の進入方向先端側を当該羽根板112の前記羽根112aと協働して挟み込んで当該折丁1を保持すると共に、回転に伴って、当該羽根板112の当該羽根112aと協働して上記先端側を挟み込んでいる当該折丁1を保持から解放することができるようになっている(詳細は後述する)。
このような前記外歯車131、前記支持軸受132、前記ピン133、前記歯車135、前記回転軸136、前記プーリ141〜144、前記駆動ベルト145、前記駆動モータ146等により、本実施形態においては保持部材駆動手段を構成し、前記回転軸111、前記プーリ141〜144、前記駆動ベルト145、前記駆動モータ146等により、本実施形態においては羽根部材駆動手段を構成している。
図1に示すように、前記排出コンベア20の下方には、ベースフレーム151が配設されている。前記ベースフレーム151上には、前記回転軸111の軸方向に沿って長手方向を向けたガイドレール152が対をなして設けられている。前記ガイドレール152上には、当該ガイドレール152に沿って摺動移動可能なガイド部材153がそれぞれ取り付けられている。前記ガイド部材153上には、前記排出コンベア20の前記フレーム21の下部が固定されている。
つまり、前記ガイド部材153を介して前記排出コンベア20を前記ガイドレール152に沿って移動させると、当該排出コンベア20の移動に伴って、前記ガイドレール101及び前記ガイド部材102を介して前記羽根車装置100を上記ガイドレール152に沿って、すなわち、前記回転軸111の軸方向に沿って移動させて、前記チョッパ折装置10の前記折込ローラ14の軸方向に対する当該羽根車装置100の前記羽根板112及び前記ブレーキガイド121並びに上記排出コンベア20の位置を調整することができるようになっているのである。
図1,3に示すように、前記排出コンベア20の前記フレーム21の搬送方向上流側の端部には、移動板154の一端側がブラケット154aを介して連結されている。前記移動板154の他端側には、前記回転軸111の軸方向に沿って軸方向を向けたねじ軸155が螺合している。前記ねじ軸155の一端側は、前記ベースフレーム151にブラケット155aを介して固定支持された駆動モータ156の回転軸156aに連結されている。前記ねじ軸155の他端側は、前記ベースフレーム151に固定されたブラケット155bに回転可能に支持されている。
つまり、前記駆動モータ156を作動させて前記回転軸156aを回転させると、前記ねじ軸155が回転することにより、前記移動板154が当該ねじ軸155の軸方向に沿って移動し、これに伴って、前記ブラケット154aを介して前記排出コンベア20を前記ガイドレール152に沿って移動、すなわち、前記羽根車装置100の前記回転軸111の軸方向に沿って移動させて、前記チョッパ折装置10の前記折込ローラ14の軸方向に対する位置を前記羽根車装置100の前記羽根板112及び前記ブレーキガイド121と一体的に移動させて調整することができるようになっているのである。
このような前記排出コンベア20、前記ベースフレーム151、前記ガイドレール152、前記ガイド部材153、前記移動板154、前記ねじ軸155、前記駆動モータ156等により、本実施形態においては移動手段を構成している。
図2に示すように、前記回転軸124の他方の端部側には、歯車161が同軸をなして取り付けられている。前記歯車161には、歯車162が噛み合っている。前記歯車162は、前記フレーム103にブラケット103aを介して支持されたロータリエンコーダ163の回転軸163aに同軸をなして連結されている。
このような前記歯車161,162、前記ロータリエンコーダ163等により、本実施形態においては減速部材位置検出手段を構成している。
図3に示すように、前記ねじ軸155の他端には、ウォームギア171の一端側が同軸をなして連結されている。前記ウォームギア171には、ウォームホイール172が噛み合っている。前記ウォームホイール172は、前記ブラケット155bにブラケット173を介して支持されたロータリエンコーダ174の回転軸174aに同軸をなして連結されている。
このような前記ウォームギア171、前記ウォームホイール172、前記ロータリエンコーダ174等により、本実施形態においては移動位置検出手段を構成している。
図4に示すように、前記ロータリエンコーダ163,174は、制御手段である制御装置180の入力部に電気的に接続している。この制御装置180の出力部には、前記駆動モータ127,146,156が電気的に接続されている。また、上記制御装置180の入力部には、操作盤181が電気的に接続されており、当該制御装置180は、予め入力された情報や当該操作盤181から入力された情報や前記ロータリエンコーダ163,174からの情報等に基づいて、前記駆動モータ127,146,156の作動を制御することができるようになっている(詳細は後述する)。
なお、図1,2中、109は、羽根車装置100で搬送される折丁1の後端側のバタつきを抑制するように当該折丁1の後端側をガイドするガイド部材である。
このような本実施形態に係る羽根車装置100の作動を図5〜23に基づいて以下に説明する。図5は、各種折仕様の折丁の斜視図、図6は、各種折仕様の折丁と羽根板との位置関係を表す説明図、図7は、平行一回折りの折丁のときの羽根車装置の作動説明図、図8は、図7に続く作動説明図、図9は、図8に続く作動説明図、図10は、図9に続く作動説明図、図11は、図10における折丁の状態説明図、図12は、図10に続く作動説明図、図13は、図12に続く作動説明図、図14は、図13に続く作動説明図、図15は、図14に続く作動説明図、図16は、図15に続く作動説明図、図17は、図16に続く作動説明図、図18は、図17に続く作動説明図、図19は、図18に続く作動説明図、図20は、デルタ折りの折丁のときの羽根車装置の作動説明図、図21は、図20に続く折丁の状態説明図、図22は、平行二回折りの折丁のときの羽根車装置の作動説明図、図23は、図22に続く折丁の状態説明図である。
まず、使用するウエブの幅や折丁1の折仕様等の各種条件を前記操作盤181に入力すると、前記制御装置180は、入力された上記条件に対応する回転速度(単位時間当たりの回転回数)で前記羽根板112及び前記回転ストリッパ134を回転させるように、予め入力された情報に基づいて前記駆動モータ146を作動させると共に、入力された上記条件に対応する前記羽根板112の周方向(回転方向)の位置に前記ブレーキガイド121の前記ブレーキ面121bを位置させるように、前記ロータリエンコーダ163からの情報に基づいて当該ブレーキガイド121の位置を確認しながら、予め入力された情報に基づいて前記駆動モータ127を制御する一方、入力された上記条件に対応する前記チョッパ折装置10の前記折込ローラ14の軸方向での位置、すなわち、前記回転軸111の軸方向での位置に、前記羽根板112及び前記ブレーキガイド121並びに上記排出コンベア20を位置させるように、前記ロータリエンコーダ174からの情報に基づいて当該羽根板112及び当該ブレーキガイド121並びに当該排出コンベア20の位置を確認しながら、予め入力された情報に基づいて前記駆動モータ156を制御する。
より具体的には、前記制御装置180は、入力されたウエブの幅、すなわち、折丁1の前記羽根板112の前記間隔112bへの進入方向の長さに基づいて、予め設定された対応する位置に前記ブレーキガイド121の前記ブレーキ面121bを位置させるように前記駆動モータ127を制御する。
また、前記制御装置180は、入力された折丁1の折仕様が平行一回折り(横一回折り:図5A参照)であるとき、前記羽根板112の前記間隔112bに受け入れる前記折丁1の、前記回転軸111の軸方向両端側に位置する前記羽根板112から外側に突出する、平行折りの折り目を有する端部1a側(以下「袋側」という。)の長さL1を、平行折りの折り目のない端部1b側(以下「ペラ側」という。)の長さL2よりも、予め設定された長さだけ長くする(L1>L2)位置、すなわち、前記回転軸111の軸方向両端側に位置する前記羽根板112の間の中心位置Cwを、前記折丁1の前記回転軸111の軸方向における中心位置Csよりも前記端部1b側(ペラ側)となる位置(図6A参照)、言い換えると、前記羽根板112の前記間隔112bに受け入れられる当該折丁1の中心線に対して線対称の位置から当該折丁1の平行一回折りによる折り目のある側と反対側へずれた位置に、前記羽根板112及び前記ブレーキガイド121並びに前記排出コンベア20を位置させるように、前記駆動モータ156を制御する一方、入力された折丁1の折仕様がデルタ折り(三角折り:図5B参照)又は平行二回折り(横二回折り:図5C参照)であるとき、前記羽根板112の前記間隔112bに受け入れる前記折丁1の、前記回転軸111の軸方向両端側に位置する前記羽根板112から外側に突出する、平行折りの折り目を有する両方の端部1c,1d側の長さL3,L4を略等しくする位置、すなわち、前記中心位置Cwを前記中心位置Csに略一致させる位置(図6B及び図6C参照)、言い換えると、前記羽根板112の前記隙間112bに受け入れられる前記折丁1の中心線に対して線対称の位置に、前記羽根板112及び前記ブレーキガイド121並びに前記排出コンベア20を位置させるように、前記駆動モータ156を制御する。
なお、以下においては、折丁1の折仕様として平行一回折り、すなわち、前記羽根板112の前記間隔112b内に進入する折丁1の幅方向のいずれか一方の端部側のみに平行折りの折り目を有する折仕様を選択した場合について説明する。
続いて、輪転印刷機で印刷されたウエブを折機でフォーマ折り及び断裁並びに平行一回折りされた折丁1が、前記チョッパ折装置10の搬送ベルト12でガイドテーブル11に沿って搬送されて前記スリット11a上に位置すると、チョッパブレード13が揺動して、当該ガイドテーブル11の当該スリット11aから下方に落とし込まれて折込ローラ14間で縦折りされ(図5A参照)、搬送ベルト15で搬送されて、最下端のガイドローラ16間から下方へ送出される(図7参照)。
上記ガイドローラ16間から下方へ送出された折丁1は、前記端部1b側(ペラ側)の長さL2よりも前記端部1a側(袋側)の長さL1が所定長だけ長くなるようにして、すなわち、前記中心位置Csが前記中心位置Cwよりも前記端部1a側(袋側)に位置するようにして(図6A参照)当該羽根板112の前記間隔112b内に先端(下端)から入り込み(図8参照)、当該間隔112bの底部へ向かって進入して、当該先端が前記ブレーキガイド121の前記ブレーキ面121bに接触する(図9参照)。
前記ブレーキガイド121の前記ブレーキ面121bに接触した折丁1は、回転する前記羽根板112の前記間隔112b内をさらに進入していき、当該羽根板112の前記羽根112aと当該ブレーキガイド121の当該ブレーキ面121bとの協働により、幅方向(図10中、紙面鉛直方向、図11中、左右方向)に波状をなすように進入方向へわたって順次曲折されていく(図10,11参照)。
これにより、上記折丁1は、上記羽根板112及び上記ブレーキガイド121から徐々に抵抗を受けるようになるので、先端側を損傷することなく進入速度が減速されるようになる。
また、上記折丁1は、前記羽根板112の前記羽根112aと前記ブレーキガイド121の前記ブレーキ面121bとの協働によって進入速度を減速される際に、前記端部1b側(ペラ側)の長さL2よりも前記端部1a側(袋側)の長さL1が所定長だけ長くなっていることから(L1>L2)、上記端部1a側(袋側)の大きな抵抗による進入遅れの影響が大幅に回避され、上記端部1a側(袋側)と上記端部1b側(ペラ側)とが当該羽根板112の前記間隔112b内を底部へ向かって略同速度で進入していくようになる。
このようにして上記折丁1が上記羽根板112及び上記ブレーキガイド121から抵抗を受けながら、回転する当該羽根板112の前記間隔112b内を底部へ向かってさらに幅方向略同速度で進入していくと(図12参照)、当該折丁1は、先端側が前記回転ストリッパ134の前記押付部134aの前記押付面134aaと当該間隔112b(羽根112a)との間に幅方向に略同時に入り込む、すなわち、当該間に搬送方向に対して曲がることなく入り込んでいく(図13参照)。
上記回転ストリッパ134の上記押付部134aの上記押付面134aaと上記間隔112b(羽根112a)との間に入り込んだ上記折丁1は、当該回転ストリッパ134の回転速度が上記羽根板112の回転速度よりも遅いことから、当該羽根板112の前記羽根112aと当該回転ストリッパ134の当該押付部134aの当該押付面134aaとの協働によって、先端側が徐々に挟み込まれて保持されると共に、当該羽根板112のさらなる回転に伴って、前記ブレーキガイド121の前記ブレーキ面121bから徐々に離反していくようになる(図14〜16参照)。
このとき、上記折丁1は、先端側が上記羽根板112の上記羽根112aと上記回転ストリッパ134の上記押付部134aの上記押付面134aaとの間で保持されているので、上記ブレーキガイド121のブレーキ面121bが離反していっても、当該羽根板112の前記間隔112b内の向きがずれてしまうようなことはない。
続いて、上記羽根板112及び上記回転ストリッパ134がさらに回転していくと、上記折丁1は、後端側が前記ガイド部材109で案内されながら前記排出コンベア20の前記コンベアベルト23上に落下する(図17参照)。
このとき、上記折丁1は、先に説明したように、先端側が上記羽根板112の上記羽根112aと上記回転ストリッパ134の上記押付部134aの上記押付面134aaとの間に挟み込まれて保持された状態のままでいるので、上記排出コンベア20の上記コンベアベルト23上へ後端側が着地して衝撃を受けたとしても、向きがずれてしまうようなことはない。
さらに、上記折丁1は、先端側が前記回転ストリッパ134の前記押付部134aの前記押付面134aaと前記羽根板112の前記間隔112b(羽根112a)との間に幅方向に略同時に入り込む、すなわち、当該間に搬送方向に対して曲がることなく入り込んで保持されているので、上記排出コンベア20の上記コンベア23上へ搬送方向に対して曲がることなく移載されるようになる。
このようにして上記羽根板112及び上記回転ストリッパ134がさらに回転していくにしたがって、上記折丁1は、上記排出コンベア20の上記コンベアベルト23上への着地面積が次第に多くなり(図18参照)、当該コンベアベルト23上へ大部分が着地してくると、当該回転ストリッパ134の回転速度が当該羽根板112の回転速度よりも遅いと共に、当該回転ストリッパ134の軸心S2が、当該羽根板112の前記回転軸111の軸心S1よりも前記排出コンベア20の搬送方向下流側に位置する、すなわち、折丁1を受け入れるときの当該羽根板112の前記間隔112bの位置側よりも当該折丁1を送り出すときの当該羽根板112の当該間隔112bの位置側に位置するように上記回転軸111の軸心S1に対して偏心していることから、当該折丁1は、当該羽根板112の前記羽根112aと当該回転ストリッパ134の前記押付部134aの前記押付面134aaとの協働による挟み込みから解放され、当該コンベアベルト23上へ全長にわたって着地し、当該排出コンベア20へ完全に受け渡されて排出される(図19参照)。
このとき、上記折丁1は、上記排出コンベア20の上記コンベアベルト23上に大部分が着地してから、上記羽根板112の上記羽根112aと上記回転ストリッパ134の上記押付部134aの上記押付面134aaとの間による保持から解放されるので、当該着地に伴って加わる衝撃が小さくなり、当該コンベアベルト23上での跳ね返りが大幅に抑制される。
そして、このような平行一回折りの折仕様を終えて、例えば、デルタ折り(図5B参照)又は平行二回折り(図5C参照)、すなわち、前記羽根板112の前記間隔112b内に進入する折丁1の幅方向の両端側に平行折りの折り目を有する折仕様を選択、言い換えると、折丁1の幅方向一方側と他方側との折り状態が等しい折仕様を選択した場合には、前記制御装置180は、先に説明したように、前記羽根板112の前記間隔112bに受け入れる前記折丁1の、前記回転軸111の軸方向両端側に位置する前記羽根板112から外側に突出する、平行折りの折り目を有する両方の端部1c,1d側の長さL3,L4を略等しくする位置、すなわち、前記中心位置Cwを前記中心位置Csに略一致させる位置(図6B及び図6C参照)、言い換えると、前記羽根板112の前記隙間112bに受け入れられる前記折丁1の中心線に対して線対称の位置に、前記羽根板112及び前記ブレーキガイド121並びに前記排出コンベア20を位置させるように、前記駆動モータ156を制御すると共に、上記折仕様における当該折丁1の厚さ、すなわち、平行一回折りの折丁1よりも厚い厚さに対応する前記羽根板112の周方向(回転方向)の位置、具体的には、先に設定されていた平行一回折りのときの位置よりも当該羽根板112の回転方向上流側(図1中、反時計回り方向)の位置に前記ブレーキガイド121の前記ブレーキ面121bを位置させるように(図20,22参照)、前記ロータリエンコーダ163からの情報に基づいて当該ブレーキガイド121の位置を確認しながら、予め入力された情報に基づいて前記駆動モータ127を制御する。
これにより、前記羽根板112の前記間隔112b内に進入したデルタ折り又は平行二回折りの上記折丁1は、先に説明した平行一回折りの場合と同様に、前記ブレーキガイド121の前記ブレーキ面121bに接触して、回転する前記羽根板112の前記間隔112b内をさらに進入していき、当該羽根板112の前記羽根112aと当該ブレーキガイド121の当該ブレーキ面121bとの協働により、幅方向(図21,23中、左右方向)に波状をなすように進入方向へわたって順次曲折されていき(図21,23参照)、当該羽根板112及び当該ブレーキガイド121から徐々に抵抗を受けるようになる。
このとき、デルタ折り又は平行折りの折仕様における上記折丁1の厚さ、すなわち、平行一回折りの折丁1よりも厚い厚さに対応して、前記ブレーキガイド121の前記ブレーキ面121bの位置が、先に設定されていた平行一回折りのときの位置よりも当該羽根板112の回転方向上流側の位置、すなわち、折丁1に対する曲折具合を平行一回折りのときよりも小さくするように設定されていることから、平行一回折りの折丁1よりも厚い厚さのデルタ折り又は平行折りの折丁1であっても、先端側を損傷することなく進入速度を減速することができる。
また、前記折丁1が前記羽根板112の前記間隔112b内に進入して、当該羽根板112の前記羽根112aと前記ブレーキガイド121の前記ブレーキ面121bとの協働によって進入速度を減速される際に、前記回転軸111の軸方向両端側に位置する当該羽根板112から外側に突出する両方の前記端部1c,1d側の長さL3,L4を略等しくされていることから(図21,図23参照)、両端側に平行折りの折り目を有する折丁1、すなわち、両端側の抵抗の略等しい折丁1は、当該羽根板112の当該間隔112b内を底部へ向かって略同速度で進入していくようになる。
このため、上記折丁1は、平行一回折りのときと同様に、先端側が前記回転ストリッパ134の前記押付部134aの前記押付面134aaと前記羽根板112の前記間隔112b(羽根112a)との間に幅方向に略同時に入り込む、すなわち、当該間に搬送方向に対して曲がることなく入り込んで保持されるようになるので、上記排出コンベア20の上記コンベア23上へ搬送方向に対して曲がることなく移載されるようになる。
他方、上記デルタ折り又は平行二回折りの折仕様を終えて、当初の平行一回折りを再び選択した場合には、前記制御装置180は、先に説明したように、前記羽根板112の前記間隔112bに受け入れる前記折丁1の前記端部1a側(袋側)の長さL1を前記端部1b側(ペラ側)の長さL2よりも、予め設定された長さだけ長くする(L1>L2)位置、すなわち、前記中心位置Cwを前記中心位置Csよりも前記端部1b側(ペラ側)となる位置(図6A参照)、言い換えると、前記羽根板112の前記間隔112bに受け入れられる当該折丁1の中心線に対して線対称の位置から当該折丁1の平行一回折りによる折り目のある側と反対側へずれた位置に、前記羽根板112及び前記ブレーキガイド121並びに前記排出コンベア20を位置させるように、前記駆動モータ156を制御すると共に、上記折仕様における当該折丁1の厚さ、すなわち、デルタ折り又は平行二回折りの折丁1よりも薄い厚さに対応する前記羽根板112の周方向(回転方向)の位置、具体的には、先に設定されていたデルタ折り又は平行二回折りのときの位置よりも当該羽根板112の回転方向下流側(図1中、時計回り方向)の位置に前記ブレーキガイド121の前記ブレーキ面121bを位置させるように(図7,9等参照)、前記ロータリエンコーダ163からの情報に基づいて当該ブレーキガイド121の位置を確認しながら、予め入力された情報に基づいて前記駆動モータ127を制御する。
これにより、羽根車装置100は、当初の平行一回折りの折仕様の折丁1用に簡単に切り換えられ、先に説明した通りに平行一回下りの折丁1を取り扱うことができる。
次に、上述したような取り扱いを終えた後、例えば、ウエブの変更等に伴い、搬送方向の長さが先の設定よりも長い折丁1(幅の長いウエブ等)を取り扱う場合、すなわち、前記羽根板112の前記間隔112b内へ進入し始める折丁1のタイミングが先に設定した条件(ウエブの幅)の場合よりも遅くなる際には、新たな条件(ウエブの幅)が前記操作盤181に改めて入力されることにより、前記制御装置180は、改めて入力された新たな上記条件に対応する前記羽根板112の周方向(回転方向)の位置(先に設定されていた位置よりも当該羽根板112の回転方向上流側(図1中、反時計回り方向))に前記ブレーキガイド121の前記ブレーキ面121bを位置させるように、前記ロータリエンコーダ163からの情報に基づいて当該ブレーキガイド121の位置を確認しながら、予め入力された情報に基づいて前記駆動モータ127を制御する。
これにより、前記羽根板112の前記羽根112aの回転方向の表面と略同一の曲率の円弧状をなす前記ブレーキガイド121の前記ブレーキ面121bを上記条件に対応する予め定められた所定の位置に位置させるように当該ブレーキガイド121が前記羽根板112の前記回転軸111の軸心S1を中心とした円弧状に移動するので、当該ブレーキガイド121の当該ブレーキ面121bと当該羽根板112の前記間隔112bとの相対的な位置を先の状態の関係のまま維持しつつ、上記折丁1が当該羽根板112の当該間隔112b内へ進入してからの当該ブレーキガイド121の当該ブレーキ面121bと上記折丁1との接触タイミングを早めることができる。
このため、折丁1の搬送方向の長さが先の設定よりも長くなった、すなわち、前記羽根板112の前記間隔112b内へ進入し始める折丁1のタイミングが先の設定の場合よりも遅くなったとしても、当該折丁1の進入速度を確実に減速させることができるので、先に設定されていた搬送方向の長さの折丁1の場合と同様に取り扱うことができる。
他方、ウエブの変更等に伴い、搬送方向の長さが先の設定よりも短い折丁1(幅の短いウエブ)を取り扱う場合、すなわち、前記羽根板112の前記間隔112b内へ進入し始める折丁1のタイミングが先に設定した条件(ウエブの幅)の場合よりも早くなる際には、新たな条件(ウエブの幅)が前記操作盤181に改めて入力されることにより、前記制御装置180は、改めて入力された新たな上記条件に対応する前記羽根板112の周方向(回転方向)の位置(先に設定されていた位置よりも当該羽根板112の回転方向下流側(図1中、時計回り方向))に前記ブレーキガイド121の前記ブレーキ面121bを位置させるように、前記ロータリエンコーダ163からの情報に基づいて当該ブレーキガイド121の位置を確認しながら、予め入力された情報に基づいて前記駆動モータ127を制御する。
これにより、前記羽根板112の前記羽根112aの回転方向の表面と略同一の曲率の円弧状をなす前記ブレーキガイド121の前記ブレーキ面121bを上記条件に対応する予め定められた所定の位置に位置させるように当該ブレーキガイド121が前記羽根板112の前記回転軸111の軸心S1を中心とした円弧状に移動するので、当該ブレーキガイド121の当該ブレーキ面121bと当該羽根板112の前記間隔112bとの相対的な位置を先の状態の関係のまま維持しつつ、上記折丁1が当該羽根板112の当該間隔112b内へ進入してからの当該ブレーキガイド121の当該ブレーキ面121bと上記折丁1との接触タイミングを遅くすることができる。
このため、折丁1の搬送方向の長さが先の設定よりも短くなった、すなわち、前記羽根板112の前記間隔112b内へ進入し始める折丁1のタイミングが先の設定の場合よりも早くなったとしても、当該折丁1の先端側を当該羽根板112の当該間隔112b内の途中で止めてしまうことなく前記回転ストリッパ134の前記押付部134aの前記押付面134aaに到達できる程度にまで当該折丁1の進入速度を減速させることができるので、先に設定されていた搬送方向の長さの折丁1の場合と同様に取り扱うことができる。
このようにして上述したような折丁1の各種取り扱いを終えた後、例えば、羽根車装置100の羽根板112の間隔112bの周辺等の保守点検等を行う場合には、作業者が前記ハンドル105を把持して前記フレーム103を前記ガイドレール101に沿って引き出して、当該フレーム103を前記排出コンベア20の搬送方向(排出方向)上流側位置(羽根車装置100の作動位置)から搬送方向(排出方向)下流側位置(羽根車装置100の退避位置)に移動させることにより、羽根車装置100の羽根板112の間隔112b等の周囲に大きなスペースが形成され、当該スペースを利用して保守点検作業を実施することができる。
したがって、本実施形態に係る羽根車装置100によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)羽根板112の羽根112aとブレーキガイド121のブレーキ面121bとが協働するにより、羽根板112の間隔112b内へ進入する折丁1に対して幅方向に波状をなすように進入方向へわたって順次曲折して抵抗を与えるようにしたことから、折丁1の先端側を損傷することなく折丁1の進入速度を減速することができるので、羽根板112の間隔112b内への折丁1の進入速度が速くても、折丁1が間隔112bの底部に衝突して跳ね返ってしまうことを防止することができ、折丁1を排出コンベア20上に整列させて移載することができる。
(2)ブレーキガイド121のブレーキ面121bが羽根板112の羽根112aの回転方向の表面と略同一の曲率の円弧状をなしていることから、羽根板112の羽根112aとブレーキガイド121のブレーキ面121bとの協働により、曲折される折丁1の波形の形状を折丁1の進入方向で略均一にすることができるので、羽根板112及びブレーキガイド121によるブレーキ力を折丁1の進入方向で略均一にすることができ、折丁1の損傷を抑制しながら進入速度を効率よく減速することができる。
(3)羽根板112の回転軸111の軸心S1を中心とした円弧状にブレーキガイド121を移動させることができることから、ブレーキガイド121のブレーキ面121bと羽根板112の間隔112bとの相対的な位置を常に維持しつつ、折丁1が羽根板112の前記間隔112b内へ進入してからのブレーキガイド121のブレーキ面121bと当該折丁1との接触タイミングを変更することができるので、折丁1の折仕様等を変更しても、常に同様な条件でブレーキをかけることができる。このため、単一形状のブレーキガイド121だけでも各種の折仕様に対応することができるので、羽根板112の周辺の部品点数を削減することができ、保守点検の容易化及び低コスト化を図ることができる。
(4)折丁1の先端側を回転ストリッパ134の押付部134aの押付面134aaと羽根板112の羽根112a(前記間隔112b)との間に入り込ませて挟み込むようにしたことから、羽根板112の間隔112b内への折丁1の進入速度が速くても、折丁1が間隔112bの底部に衝突して跳ね返ってしまうことを防止することができ、折丁1を排出コンベア20上に整列させて移載することができる。
(5)回転ストリッパ134の回転速度が羽根板112の回転速度よりも遅いと共に、回転ストリッパ134の軸心S2が羽根板112の回転軸111の軸心S1よりも排出コンベア20の搬送方向下流側に位置する、すなわち、折丁1を受け入れるときの当該羽根板112の前記間隔112bの位置側よりも当該折丁1を送り出すときの当該羽根板112の当該間隔112bの位置側に位置するように上記回転軸111の軸心S1に対して偏心していることから、羽根板112の羽根112aと回転ストリッパ134の押付部134aの押付面134aaとの間で折丁1の先端側を保持しながら当該折丁1の後端側を排出コンベア20のコンベアベルト23上に着地させることができるので、当該コンベアベルト23上に着地したときの跳ね返りによる折丁1のずれを防止することができると共に、当該コンベアベルト23上に折丁1の大部分を着地させてから、羽根板112の羽根112aと回転ストリッパ134の押付部134aの押付面134aaとの協働による折丁1の挟み込みを解放することができるので、着地に伴って折丁1に加わる衝撃を小さくすることができ、当該コンベアベルト23上での折丁1の跳ね返りを大幅に低減することができる。
(6)折丁1の折仕様が平行一回折りのとき、すなわち、羽根板112の間隔112b内に進入する折丁1の幅方向のいずれか一方の端部側のみに平行折りの折り目を有する折仕様のとき、言い換えると、折丁1の幅方向一方側と他方側との折り状態が異なる折仕様のときに、羽根板112の前記間隔112bに受け入れられる当該折丁1の中心線に対して線対称の位置から当該折丁1の平行一回折りによる折り目のある側と反対側へずれた位置に当該羽根板112及び前記ブレーキガイド121並びに前記排出コンベア20を位置させることにより、回転軸111の軸方向外側に突出する前記端部1b側(ペラ側)の折丁1の長さL2よりも、羽根板112から回転軸111の軸方向外側に突出する前記端部1a側(袋側)の折丁1の長さL1が所定長だけ長くなるように羽根板112の間隔112b内に折丁1を入り込ませるようにしたことから、羽根板112の羽根112aとブレーキガイド121のブレーキ面121bとの協働によって折丁1の進入速度を減速する際に、折丁1の上記袋側の進入遅れの影響を大幅に回避することができ、折丁1の上記袋側と上記ペラ側とを羽根板112の間隔112b内で底部へ向かって略同速度で進入させることができるので、羽根板112の間隔112b内での折丁1の姿勢のずれを大幅に抑制することができ、排出コンベア20のコンベア23上へ姿勢よく移載することができる。このため、排出コンベア20の周囲に従来配設していたガイド板を省略することができるので、折丁1の折仕様の変更に容易に対応することができると共に、低コスト化や保守点検等の容易化を図ることができる。
(7)羽根車装置100を前記作動位置と前記退避位置との間で移動できるようにしたことから、羽根車装置100の羽根板112の間隔112b等の保守点検作業を行う際に、羽根車装置100の羽根板112の間隔112b等の周囲に大きなスペースを形成することができるので、保守点検作業の容易化を図ることができる。
(8)羽根車装置100を排出コンベア20の搬送方向(排出方向)上流側位置(作動位置)から搬送方向(排出方向)下流側位置(退避位置)に移動、すなわち、折機のフレーム1000の内側から外側に移動させて、羽根車装置100の羽根板112の間隔112b等の周囲に大きなスペースを形成できるようにしたことから、羽根車装置100を移動させるにあたって、排出コンベア20の上方の空いたスペースを利用することができる、すなわち、羽根車装置100を移動させるための空間をわざわざ確保する必要がまったくないので、前記保守点検作業の容易化を図りながらも、設置に要するスペースのコンパクト化を図ることができる。
[他の実施形態]
なお、前述した実施形態においては、前記制御装置180が、前記操作盤181から入力されたウエブの幅や折丁1の折仕様等の各種条件から、予め入力された情報に基づいて、上記条件に対応する前記羽根板112の周方向(回転方向)の位置に前記ブレーキガイド121の前記ブレーキ面121bを位置させるように前記駆動モータ127を制御すると共に、上記条件に対応する前記チョッパ折装置10の前記折込ローラ14の軸方向での位置、すなわち、前記回転軸111の軸方向での位置に、前記羽根板112及び前記ブレーキガイド121並びに上記排出コンベア20を位置させるように前記駆動モータ156を制御するようにしたが、他の実施形態として、例えば、前記羽根板112を周方向(回転方向)へ任意の距離で移動させるように前記制御装置180で前記駆動モータ127を制御するブレーキ位置調整用のマニュアルスイッチや、前記羽根板112及び前記ブレーキガイド121並びに前記排出コンベア20を前記回転軸111の軸方向へ任意の距離で移動させるように前記制御装置180で前記駆動モータ156を制御する折丁中心位置調整用のマニュアルスイッチ等を前記操作盤181に設け、前記制御装置180による前述した実施形態で説明したオートモードでの制御に加えて、マニュアルモードでの制御も併せて実施できるようにすることも可能である。
また、前述した実施形態においては、前記フレーム103を前記排出コンベア20の搬送方向(排出方向)上流側位置(羽根車装置100の作動位置)から搬送方向(排出方向)下流側位置(羽根車装置100の退避位置)に移動させることにより、羽根車装置100の羽根板112の間隔112b等の周囲に大きなスペースを形成して、保守点検作業を容易に実施することができるようにしたが、他の実施形態として、例えば、前記フレーム103を鉛直方向の軸回りで旋回移動できるようにすることにより、折機のフレーム1000の内側から外側に移動させて、羽根車装置100の羽根板112の間隔112b等の周囲に大きなスペースを形成できるようにして、保守点検作業を容易に実施できるようにすることも可能である。
また、前述した実施形態においては、折丁1の折仕様に応じて、前記羽根板112及び前記ブレーキガイド121の両方を前記回転軸111の軸方向に沿って移動させるようにしたが、本発明はこれに限らず、例えば、折丁1の折仕様に応じて、羽根板112を移動させることなくブレーキガイド121のみを回転軸111の軸方向に沿って移動させるようにすることでも、前述した実施形態の場合と同様な作用効果を得ることも可能である。
また、前述した実施形態においては、輪転印刷機の折機に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、周方向に沿って所定の間隔で複数設けた羽根を回転することにより、周方向に隣り合う当該羽根の間の間隔にシート状物を受け入れた後に送り出す羽根車装置であれば、前述した実施形態の場合と同様にして適用することができる。