JP5229524B2 - 車両のシート構造 - Google Patents
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Description
しかしながら、このようなエアバッグは、運転席等の前側シートの着座乗員用には用意されているが、リアシートである後側シートの着座乗員用には一般には用意されていなかった。
また、前側シートのシートバックの上部が前方移動する構成であるので、シートバックの上部に大掛りな装置を配置する必要がなく構成が簡略化されるため、シートバックを軽量化することができる。
このように構成された本発明によれば、前突時に、後側シートの着座乗員が前側シートのシートバックの上部を押圧する際、後側シートの着座乗員の膝が前側シートの前側乗員用受圧部を押圧してしまい、シートバックフレームの上部の前方移動部の前方移動を阻止することを防止することができる。
このように構成された本発明によれば、後側乗員用受圧部により後側シートの着座乗員からの接触荷重を受けて、シートバックの上部の前方移動部を確実に前方移動させることができる。
図1は車両のシート構造の全体構成図、図2は前側シートの斜視図、図3は前突時の前側シートの動作説明図、図4は図3の一部拡大図、図5は後突時の前側シートの動作説明図である。
本実施形態では、フロントシート2,リアシート3にそれぞれ乗員A,Bが着座した場合について説明する。乗員A,Bは、米国の連邦規制基準CRF49ch.5でAM50と呼ばれる米国成人男性のうちの平均的な体型の乗員に相当する。
リアシート3は、シートクッション3aと、シートバック3bと、ヘッドレスト3cとを備えている。リアシート3の基本構造は、フロントシート2と同様であるので詳細な説明は省略する。
シートバック30は、シートバックフレーム31と、シートバックフレーム31の車両前方側に配設されたクッション体40と、シートバック30の上部に配設されたパッド(後側乗員用受圧部)41を備えている。
支持フレーム32は、連結シャフト22aを回動中心として回動可能にサイドフレーム22に取り付けられ、上方に延びている。一方の支持フレーム32はリクライニング機構23を介して連結されており、これにより、シートバック30は、シートクッション20に対して傾倒可能となっている。
なお、本実施形態では、シートバック30のうち回動軸34よりも上方が前方移動部30Aであり、前方移動部30Aは、移動フレーム33が図1で反時計方向に回動することにより、移動フレーム33に支持された状態で前方移動(前方変位)可能となっている。
なお、受圧部37は、硬質な合成樹脂や金属板等の硬質な部材で形成するのが好ましい。
なお、本実施形態では、パッド41はクロスフレーム33bに取り付けられているが、これに限らず、クッション体40内に埋設されていてもよいし、クッション体40外面に取り付けられていてもよい。
まず、図3,図4により、斜め前突を含む前突時の動作について説明する。
図3,図4に示すように、乗員A,Bは、前突時の衝撃により、車両前方に慣性力を受ける。これにより、乗員A,Bは、リトラクタからウェビング10a,12aを引き出しながら前方移動する。
しかも、本実施形態のシート構造1では、ランバーサポート36及び受圧部37が、乗員Bの膝よりも下方に配置されているため、ランバーサポート36及び受圧部37に乗員Bの膝から前方に向く荷重が作用しないようになっている。
図5に示すように、フロントシート2では、後突時の衝撃で乗員Aが後方に移動すると、乗員Aの腰部がクッション体40を介して受圧部37に後向きの荷重を作用させる。この後方荷重により、移動フレーム33は、回動軸34を回動中心として反時計方向に回動する。移動フレーム33の回動により、移動フレーム33の上部に取り付けられたヘッドレスト50が前方に移動し、ヘッドレスト50と乗員Aの後頭部とが接近した状態に保持される。
これにより、乗員Aの頭部がヘッドレスト50に大きな衝撃で衝突することを回避することができ、乗員Aの頚部がむち打ち症になることを防止することが可能となる。
図6に示すように、本実施形態では、フロントシート2のシートバック30は、左右のサイドフレーム22に端部が取り付けられたほぼ逆U字状のシートバックフレーム131と、このシートバックフレーム131に取り付けられたクッション体40を備えている。
なお、本実施形態では、脆弱部を形成するために、切欠き131aを形成しているが、これに限らない。例えば、中間部位でシートバックフレーム131を上下方向に分割形成し、上部分と下部分との接続部を屈曲し易くする構成でもよい。
前突時、乗員Bの頭部がシートバック30の上部に当接すると、その衝撃は脆弱な切欠き131aに集中するため、シートバックフレーム131は切欠き131aで屈曲する。この屈曲により、シートバックフレーム131は、切欠き131aを回動中心として、切欠き131aよりも上部が反時計方向に回動する。これにより、前方移動部30Aが前方移動し、乗員Bから受ける衝撃が吸収され、乗員Bを保護することができる。
図8及び図9に示すように、本実施形態では、フロントシート2のシートバック30を構成するシートバックフレーム231は、左右のサイドフレーム22にそれぞれ取り付けられた支持フレーム32と、支持フレーム32の上端部に回動軸34にて下端部が回動可能に連結されたほぼ逆U字状の移動フレーム233を備えている。本実施形態では、シートバック30のうち回動軸34よりも上部が前方移動部30Aを構成している。
なお、受圧部支持フレーム233Aは、第1実施形態と同様にダンパー手段又は付勢手段(図示せず)によって支持フレーム32に対して回動に抗する付勢力が与えられるように構成されている。
前突時、乗員Bの頭部がシートバック30の上部に当接すると、移動フレーム233は、その衝撃によって回動軸34を回動中心として反時計方向に回動する。これにより、前方移動部30Aが前方移動し、乗員Bから受ける衝撃を吸収して、乗員Bを保護することができる。
2 フロントシート
3 リアシート
5 車両フロア面
6 ピラー
7 サイドトリム
10,12 シートベルト装置
20 シートクッション
21 シートクッションフレーム
22 サイドフレーム
30 シートバック
30A 前方移動部
31 シートバックフレーム
32 支持フレーム
33 移動フレーム
33a サイドフレーム
33b クロスフレーム
34 回動軸
35 スプリング
36 ランバーサポート
37 受圧部(前側乗員用受圧部)
41 パッド(後側乗員用受圧部)
50 ヘッドレスト
131 シートバックフレーム
231 シートバックフレーム
233 移動フレーム
237 受圧部(前側乗員用受圧部)
Claims (5)
- 前側シートと、この前側シートの車両後方に配置された後側シートを備え、車両前突時に前記後側シートの着座乗員を保護するための車両のシート構造であって、
前記前側シート及び前記後側シートは、シートクッションと、シートバックを備え、
前記前側シートのシートバックの上部が、車両前突により前記後側シートの着座乗員が前方移動して接触したときの接触荷重によって前方変位可能に構成された前方移動部であり、
前記前側シートのシートバックは、幅方向の両側で上下方向に延びるシートバックフレームを備え、
このシートバックフレームは、前記前側シートのシートクッション側に取り付けられた支持フレームと、前記シートバックフレームの上下方向の中間部位を回動中心として前記支持フレームに回動可能に支持されると共に、前記回動中心よりも上方に延びて前記前方移動部を支持し、且つ、前記回動中心よりも下方で前記前側シートの着座乗員の腰部付近を支持するためのランバーサポートを保持する移動フレームとを備え、
前記前側シートの前方移動部は、前記移動フレームの回動によって前方移動し、
前記前側シートのシートバックは、前記移動フレームの回動中心よりも下方に、前記前側シートの着座乗員の腰部付近からの後方荷重を受けて後方移動可能であり、且つ、この後方移動により前記移動フレームを前方移動させるように前記移動フレームに連結された前側乗員用受圧部を備えており、この前側乗員用受圧部は、前記ランバーサポートよりも下方に配置されており、
前記シートバックフレームは、前記後側シートの着座乗員の膝が後方から前記ランバーサポートを押圧したときに、前記前方移動部を後方移動させる向きの回動力が前記移動フレームに発生しないように、前記ランバーサポートが前記前側乗員用受圧部よりも軟質な材料で形成されていることを特徴とする車両のシート構造。 - 前記前側シートのシートバックの移動フレームには、ヘッドレストが連結されていることを特徴とする請求項1に記載の車両のシート構造。
- 前記前側シートの前側乗員用受圧部は、前記後側シートの所定体型の着座乗員の膝よりも低い位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車両のシート構造。
- 前記移動フレームの回動中心は、前記後側シートの着座乗員の膝の高さよりも上方に位置し、この回動中心から前記前側シートのシートバック上端部までの距離が、前記回動中心から前突時における前記後側シートの所定体型の着座乗員の膝と前記シートバックとの当接部位までの距離よりも長くなる位置に設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両のシート構造。
- 前記前側シートのシートバックの上部後方には、前記後側シートの着座乗員からの接触荷重による衝撃を吸収するための後側乗員用受圧部が、シート幅方向に延びるように設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両のシート構造。
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- 2007-03-20 JP JP2007072734A patent/JP5229524B2/ja active Active
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