JP5229013B2 - 変位量計測装置及び変位量計測方法 - Google Patents
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Description
しかし、前記特許文献1のように複数の変位計や計測装置等、構造物が多岐にわたる場合は、システムが複雑となり、例えばエンジンマウントの計測用等として自動車に搭載することは難しかった。
しかし、前記特許文献2のように測定対象の変位量を1ラインのレーザービームで計測する場合は、測定対象がそのラインに直交する方向に平行移動したときの並進変位量と、そのラインを軸として回転したときの回転変位量が計測できないという問題があった。
なお、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
まず始めに、本発明に係る変位量計測装置10について、図1を用いて説明をする。
図1に示す如く、変位量計測装置10は主に、第一のレーザービーム照射・受光手段21aと第二のレーザービーム照射・受光手段21bと制御装置31とで構成されている。
具体的には、前記第一・第二のレーザービーム照射・受光手段21a・21bのそれぞれは、対向して配置される寸法が既知な測定対象Wに対して、測定光である第一・第二のレーザービームBa・Bbを照射するとともに、前記測定対象Wの表面Fにおける前記第
一・第二のレーザービームBa・Bbの反射光を受光するように構成されているのである。
そして、前記第一・第二のレーザービーム照射・受光手段21a・21bはそれぞれ、前記測定対象Wの表面Fにおいて前記第一の測定ラインLaと第二の測定ラインLbとして反射した反射光を受光し、受光した反射光のデータを前記制御装置31へと送るのである。
また、前記記憶部は、前記第一の測定手段及び第二の測定手段のそれぞれで測定した、前記測定対象の第一の位置状態及び第二の位置状態を記憶する、記憶手段を備えるように構成されている。
上記の如く構成した変位量計測装置で行う変位量計測方法について、図2から図11を用いて説明する。
図2に示す如く、変位量計測方法においてはまず、第一・第二のレーザービーム照射・受光手段21a・21bが、初期状態の測定対象Wに対してそれぞれ第一・第二のレーザービームBa・Bbを照射する(ステップS1)。
測定対象Wは図3及び図4(a)に示す如く、平面視(Z軸方向視)において平行四辺形に形成された平板であり、その寸法は既知である。本実施形態においては、測定対象Wは平行四辺形の長辺をX軸方向に向けて配設されている。このため図3に示す如く、測定対象Wの表面Fにおける、第一のレーザービーム照射・受光手段21aの照射による第一の測定ラインLaは前記長辺に対して平行となり、第二のレーザービーム照射・受光手段21bの照射による第二の測定ラインLbは前記長辺に対して直交するのである。
図4(b)は初期の第一の位置状態を示した図、図4(c)は初期の第二の位置状態を示した図である。即ち、前記第一のレーザービーム照射・受光手段21aで受光した第一の測定ラインLa0の形状が、xz座標平面上の第一のデータDa0として測定されるのである。同様に、前記第二のレーザービーム照射・受光手段21bで受光した第二の測定ラインLb0の形状が、yz座標平面上の第二のデータDb0として測定されるのである。
本実施形態においては、初期状態における第一のデータDa0に対して変位後における第一のデータDa1がx軸方向にδxだけ変位しており、初期状態における第二のデータDb0と変位後における第二のデータDb1の双方に差がなく、各データDa1・Db1において傾きが生じていない。
この場合においても、前記同様にステップ6からステップ8を経て、ステップS9で測定対象Wの6軸変位量を算出するのである。
本実施形態においては、初期状態における第一のデータDa0に対して変位後における第一のデータDa2がx軸の負の方向に変位しており、初期状態における第二のデータDb0に対して変位後における第二のデータDb2がy軸方向にδyだけ変位しており、各データDa2・Db2において傾きが生じていない。
これにより前記演算手段が、測定対象WはX軸・Z軸方向への並進変位及び回転変位をせずに、Y軸方向にのみ並進変位したと判断し、初期状態における第二のデータDb0に対する変位後における第二のデータDb2の変位量であるδyを、測定対象WのY軸方向への並進変位量として算出するのである。
この場合においても、前記同様にステップ6からステップ8を経て、ステップS9で測定対象Wの6軸変位量を算出するのである。
本実施形態においては、初期状態における第一のデータDa0に対して変位後における第一のデータDa3がz軸方向にδzだけ変位しており、初期状態における第二のデータDb0に対して変位後における第二のデータDb3がz軸方向に同じだけ変位しており、各データDa3・Db3において傾きが生じていない。
この場合においても、前記同様にステップ6からステップ8を経て、ステップS9で測定対象Wの6軸変位量を算出するのである。
本実施形態においては、初期状態における第一のデータDa0と変位後における第一のデータDa4の双方に差がなく、初期状態における第二のデータDb0に対して変位後における第二のデータDb4が回転角θだけ回転している。
この場合においても、前記同様にステップ6からステップ8を経て、ステップS9で測定対象Wの6軸変位量を算出するのである。
本実施形態においては、初期状態における第一のデータDa0に対して変位後における第一のデータDa5が回転角φだけ回転しており、初期状態における第二のデータDb0と変位後における第二のデータDb5の双方に差がない。
この場合においても、前記同様にステップ6からステップ8を経て、ステップS9で測定対象Wの6軸変位量を算出するのである。
本実施形態においては、各データDa6・Db6において傾きが生じておらず、初期状態における第一のデータDa0に対して変位後における第一のデータDa6における第一の測定ラインLa6の長さが増加しており、初期状態における第二のデータDb0に対して変位後における第二のデータDb6における第二の測定ラインLb6の長さも増加している。
この場合においても、前記同様にステップ6からステップ8を経て、ステップS9で測定対象Wの6軸変位量を算出するのである。
本実施形態においては、各データDa7・Db7において傾きが生じておらず、初期状態における第一のデータDa0に対して変位後における第一のデータDa6における第一の測定ラインLa7の長さが減少しており、初期状態における第二のデータDb0に対して変位後における第二のデータDb7における第二の測定ラインLb7の長さは増加している。
また、前記6軸変位のうちいくつかが複合して測定対象Wが変位した場合であっても、前記の如く測定対象Wの寸法が既知であるため、測定対象Wの変位量及び姿勢角を一意的に定めることができる。即ち、前記演算手段が、記憶手段に記憶された初期の第一の位置状態に対する、第一のレーザービーム照射・受光手段21aで新たに測定された第一の位置状態の変位量と、前記記憶手段に記憶された初期の第二の位置状態に対する、第二のレーザービーム照射・受光手段21bで新たに測定された第二の位置状態の変位量と、測定対象Wの形状データとをあわせて比較することにより、測定対象Wの6軸変位量を算出することが可能となるのである。
さらに、測定対象Wの配置状態にあわせて初期状態を設定し、測定対象Wが変位した後の6軸変位量を、座標系を補正して算出することができる。このため、前記測定対象Wを理想的に配設する必要がなく、より簡易に6軸変位量を計測することができるのである。
21 レーザービーム照射・受光手段
31 制御装置
W 測定対象
Claims (2)
- 長さ寸法が既知で所定の厚さを有する平行四辺形平板状に形成されてエンジンマウントに配設された測定対象の表面で、前記測定対象の一辺と平行となる直線状に走査する測定光を照射する、第一の測定光照射手段と、
前記測定対象の表面で前記第一の測定光照射手段による測定光と平行にならないように、直線状に走査する測定光を照射する、第二の測定光照射手段と、
前記第一の測定光照射手段による測定光の、前記測定対象の表面における反射光を受光する、第一の受光手段と、
前記第二の測定光照射手段による測定光の、前記測定対象の表面における反射光を受光する、第二の受光手段と、
前記第一の受光手段で受光した反射光のデータに基づいて、前記測定対象の第一の位置状態を測定する、第一の測定手段と、
前記第二の受光手段で受光した反射光のデータに基づいて、前記測定対象の第二の位置状態を測定する、第二の測定手段と、
前記第一の測定手段及び第二の測定手段のそれぞれで測定した、前記測定対象の第一の位置状態及び第二の位置状態を記憶する、記憶手段と、を備え、
前記第一の測定光照射手段と第二の測定光照射手段とが、それぞれの測定光を同じ箇所から照射する変位量計測装置であって、
前記記憶手段に記憶された初期の第一の位置状態に対する、前記第一の測定手段で新たに測定された第一の位置状態の変位量と、前記記憶手段に記憶された初期の第二の位置状態に対する、前記第二の測定手段で新たに測定された第二の位置状態の変位量と、前記測定対象の長さ寸法とから、前記測定対象の6軸変位量を算出する、演算手段を備える、
ことを特徴とする、エンジンマウントの変位量計測装置。 - 長さ寸法が既知で所定の厚さを有する平行四辺形平板状に形成されてエンジンマウントに配設された測定対象の表面で、前記測定対象の一辺と平行となる直線状に走査する測定光を照射する、第一の測定光照射手段と、
前記測定対象の表面で前記第一の測定光照射手段による測定光と平行にならないように、直線状に走査する測定光を照射する、第二の測定光照射手段と、
前記第一の測定光照射手段による測定光の、前記測定対象の表面における反射光を受光する、第一の受光手段と、
前記第二の測定光照射手段による測定光の、前記測定対象の表面における反射光を受光する、第二の受光手段と、
前記第一の受光手段で受光した反射光のデータに基づいて、前記測定対象の第一の位置状態を測定する、第一の測定手段と、
前記第二の受光手段で受光した反射光のデータに基づいて、前記測定対象の第二の位置状態を測定する、第二の測定手段と、
前記第一の測定手段及び第二の測定手段のそれぞれで測定した、前記測定対象の第一の位置状態及び第二の位置状態を記憶する、記憶手段と、を備え、
前記第一の測定光照射手段と第二の測定光照射手段とが、それぞれの測定光を同じ箇所から照射する変位量計測装置で行われる変位量計測方法であって、
前記記憶手段に記憶した初期の第一の位置状態に対する、前記第一の測定手段で新たに測定した第一の位置状態の変位量と、前記記憶手段に記憶した初期の第二の位置状態に対する、前記第二の測定手段で新たに測定した第二の位置状態の変位量と、前記測定対象の長さ寸法とから、前記測定対象の6軸変位量を算出する、演算工程を備える、
ことを特徴とする、エンジンマウントの変位量計測方法。
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