JP5228713B2 - 発光装置の製造方法 - Google Patents
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Description
EL発光素子は、例えば、ポリイミドからなる絶縁層に形成された開口部に露出する第一電極上に発光層が成膜されて、その発光層上に第二電極が積層されてなるものが知られており(例えば、特許文献1参照)、そのパネルにおいて各開口部がそれぞれ画素に相当する発光部分となり、複数のEL発光素子によって発光領域が構成される。
基板の上面側に形成された前記第一電極に連通する複数の開口部を有する隔壁を形成する隔壁形成工程と、
前記第一電極及び前記隔壁を覆う前記キャリア輸送層を形成するキャリア輸送層形成工程と、
を備え、
前記隔壁形成工程は、
前記隔壁となるポリイミド系樹脂材料である隔壁用材料を成膜した後、前記隔壁用材料に励起光を照射する露光を行うことにより、前記開口部を形成して所定の隔壁形状に成形する前処理工程と、
前記隔壁形状に成形された前記隔壁用材料を焼成する処理と、前記隔壁用材料に励起光を照射する露光を行うことによって前記隔壁用材料に含まれるナフトキノンジアジドの失活する処理と、を行う後処理工程と、
を備え、
前記前処理工程は、成膜された前記隔壁用材料に、所定のマスクパターンで励起光を照射する露光をした後、アルカリ性の現像溶液で現像する工程を含み、
前記後処理工程は、前記隔壁用材料に励起光を照射する露光を行うことによって、前記隔壁用材料に含まれるナフトキノンジアジドを酸性物質であるインデンカルボン酸に変化させた後、前記インデンカルボン酸を洗い流す工程を含むことを特徴としている。
なお、本実施形態においては、発光装置を表示装置であるELパネルに適用し、本発明について説明する。
このELパネル1には、複数の走査線2が行方向に沿って互いに略平行となるよう配列され、複数の信号線3が平面視して走査線2と略直交する列方向に沿って互いに略平行となるよう配列されている。また、隣り合う走査線2の間において電圧供給線4が走査線2に沿って設けられている。そして、これら各走査線2と隣接する二本の信号線3と各電圧供給線4とによって囲われる範囲が、画素Pに相当する。
また、ELパネル1には、走査線2、信号線3、電圧供給線4の上方に覆うように、格子状の隔壁であるバンク13が設けられている。このバンク13によって囲われてなる略長方形状の複数の開口部13aが画素Pごとに形成されており、この開口部13a内に、後述する画素電極8a、正孔注入層8b、インターレイヤー8c、発光層8dが設けられている。
スイッチトランジスタ5及び駆動トランジスタ6は、ともにnチャネル型でもよく、ともにpチャネル型でもよく、一方がnチャネル型で他方がpチャネル型であってもよい。
ここで、図4は、ELパネル1の一画素Pに相当する平面図であり、図5は、図4のV−V線に沿った面の矢視断面図、図6は、図4のVI−VI線に沿った面の矢視断面図である。なお、図4においては、電極及び配線を主に示す。
ゲート絶縁膜11は、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。このゲート絶縁膜11上であってゲート電極5aに対応する位置に真性な半導体膜5bが形成されており、半導体膜5bがゲート絶縁膜11を挟んでゲート電極5aと相対している。
半導体膜5bは、例えば、アモルファスシリコン又は多結晶シリコンからなり、この半導体膜5bにチャネルが形成される。また、半導体膜5bの中央部上には、絶縁性のチャネル保護膜5dが形成されている。このチャネル保護膜5dは、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。
また、半導体膜5bの一端部の上には、不純物半導体膜5fが一部チャネル保護膜5dに重なるようにして形成されており、半導体膜5bの他端部の上には、不純物半導体膜5gが一部チャネル保護膜5dに重なるようにして形成されている。そして、不純物半導体膜5f,5gはそれぞれ半導体膜5bの両端側に互いに離間して形成されている。なお、不純物半導体膜5f,5gはn型半導体であるが、これに限らず、p型半導体であってもよい。
不純物半導体膜5fの上には、ドレイン電極5hが形成されている。不純物半導体膜5gの上には、ソース電極5iが形成されている。ドレイン電極5h,ソース電極5iは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなる。
チャネル保護膜5d、ドレイン電極5h及びソース電極5iの上には、保護膜となる絶縁性の層間絶縁膜12が成膜され、チャネル保護膜5d、ドレイン電極5h及びソース電極5iが層間絶縁膜12によって被覆されている。そして、スイッチトランジスタ5は、層間絶縁膜12によって覆われるようになっている。層間絶縁膜12は、例えば、厚さが100nm〜200nmの窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
このゲート絶縁膜11の上であって、ゲート電極6aに対応する位置に、チャネルが形成される半導体膜6bが、例えば、アモルファスシリコン又は多結晶シリコンにより形成されている。この半導体膜6bはゲート絶縁膜11を挟んでゲート電極6aと相対している。
半導体膜6bの中央部上には、絶縁性のチャネル保護膜6dが形成されている。このチャネル保護膜6dは、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。
また、半導体膜6bの一端部の上には、不純物半導体膜6fが一部チャネル保護膜6dに重なるようにして形成されており、半導体膜6bの他端部の上には、不純物半導体膜6gが一部チャネル保護膜6dに重なるようにして形成されている。そして、不純物半導体膜6f,6gはそれぞれ半導体膜6bの両端側に互いに離間して形成されている。なお、不純物半導体膜6f,6gはn型半導体であるが、これに限らず、p型半導体であってもよい。
不純物半導体膜6fの上には、ドレイン電極6hが形成されている。不純物半導体膜6gの上には、ソース電極6iが形成されている。ドレイン電極6h,ソース電極6iは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜、AlTiNd合金膜又はMoNb合金膜からなる。
チャネル保護膜6d、ドレイン電極6h及びソース電極6iの上には、保護膜となる絶縁性の層間絶縁膜12が成膜され、チャネル保護膜6d、ドレイン電極6h及びソース電極6iが層間絶縁膜12によって被覆されている。そして、駆動トランジスタ6は、層間絶縁膜12によって覆われるようになっている。
なお、キャパシタ7の電極7aは、駆動トランジスタ6のゲート電極6aに一体に連なり接続されており、キャパシタ7の電極7bは、駆動トランジスタ6のソース電極6iに一体に連なり接続されている。また、駆動トランジスタ6のドレイン電極6hが電圧供給線4に一体に連なっている。
また、走査線2、電圧供給線4、キャパシタ7の電極7b、スイッチトランジスタ5のドレイン電極5h,ソース電極5i及び駆動トランジスタ6のドレイン電極6h,ソース電極6iは、ゲート絶縁膜11等に一面に成膜された導電膜であるソース、ドレインメタル層をフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって形状加工することで形成されたものである。
この層間絶縁膜12には、各画素電極8aの中央部が露出するように開口部12aが形成されている。そのため、層間絶縁膜12は平面視して格子状に形成されている。
また、ELパネル1がトップエミッション型の場合、対向電極8eは、上記低仕事関数層と、その低仕事関数層上に設けられた、例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)又はカドミウム−錫酸化物(CTO)等からなる透明導電層との積層構造でもよい。
この対向電極8eは全ての画素Pに共通した電極であり、発光層8dなどとともに後述するバンク13を被覆している。
このバンク13の開口部13a内において、正孔注入層8b、インターレイヤー8c、発光層8dが、画素電極8a上に積層されている。
例えば、図5に示すように、バンク13の開口部13a内における画素電極8a上には、正孔注入層8bが積層されている。
そして、各開口部13aにおける正孔注入層8b上に、インターレイヤー8cとなる材料が含有される液状体を塗布し、基板10ごと加熱してその液状体を乾燥させ成膜させた化合物膜が形成され、インターレイヤー8cとして積層されている。
さらに、各開口部13aにおけるインターレイヤー8c上に、発光層8dとなる材料が含有される液状体を塗布し、基板10ごと加熱してその液状体を乾燥させ成膜させた化合物膜が形成され、発光層8dとして積層されている。
なお、この発光層8dとバンク13を被覆するように対向電極8eが設けられている(図5参照)。
全ての電圧供給線4に所定レベルの電圧が印加された状態で、走査ドライバによって走査線2に順次オン電圧が印加されることで、これら走査線2に接続されたスイッチトランジスタ5が順次選択される。
各走査線2がそれぞれ選択されている時に、データドライバによって階調に応じたレベルの電圧が全ての信号線3に印加されると、その選択されている走査線2に対応するスイッチトランジスタ5がオンになっていることから、その階調に応じたレベルの電圧が駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加される。
この駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加された電圧に応じて、駆動トランジスタ6のゲート電極6aとソース電極6iとの間の電位差が定まって、駆動トランジスタ6におけるドレイン−ソース電流の大きさが定まり、EL素子8がそのドレイン−ソース電流に応じた明るさで発光する。
その後、その走査線2の選択が解除されると、スイッチトランジスタ5がオフとなるので、駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加された電圧にしたがった電荷がキャパシタ7に蓄えられ、駆動トランジスタ6のゲート電極6aとソース電極6i間の電位差は保持される。
このため、駆動トランジスタ6は選択時と同じ電流値のドレイン−ソース電流を流し続け、EL素子8の発光輝度を維持するようになっている。
次いで、プラズマCVDによって窒化シリコン等のゲート絶縁膜11を堆積する。
次いで、半導体膜5b、6bとなるアモルファスシリコン等の半導体層、チャネル保護膜5d、6dとなる窒化シリコン等の絶縁層を連続して堆積後、フォトリソグラフィーによってチャネル保護膜5d、6dをパターン形成し、不純物半導体膜5f,5g、6f,6gとなる不純物層を堆積後、フォトリソグラフィーによって不純物層及び半導体層を連続してパターニングして不純物半導体膜5f,5g、6f,6g、半導体膜5b、6bを形成する。
そして、フォトリソグラフィーによって、ゲート絶縁膜11に、ELパネル1の一辺に位置する走査ドライバに接続するための各走査線2の外部接続端子を開口するコンタクトホール(図示せず)及びコンタクトホール11a〜11cを形成する。次いで、コンタクトホール11a〜11c内にコンタクトプラグ20a〜20cを形成する。このコンタクトプラグの形成工程は省略されてもよい。
次いで、ELパネル1がボトムエミッション型の場合、ITO等の透明導電膜を堆積してからパターニングして画素電極8aを形成する。このとき、画素電極8aは、一側辺周縁が不純物半導体膜6gの一側辺周縁上に重なるように形成されている。その後、スイッチトランジスタ5のドレイン電極5h,ソース電極5i及び駆動トランジスタ6のドレイン電極6h,ソース電極6iとなるソース、ドレインメタル層を堆積して適宜パターニングして、走査線2、電圧供給線4、キャパシタ7の電極7b、スイッチトランジスタ5のドレイン電極5h,ソース電極5i及び駆動トランジスタ6のドレイン電極6h,ソース電極6iを形成する。このとき、画素電極8aの上記一側辺周縁上にソース電極6iの一側辺周縁が重なって相互に接続されている。
また、ELパネル1がトップエミッション型の場合、不純物半導体膜5f,5g、6f,6g、半導体膜5b、6bを形成して、引き続きソース、ドレインメタル層を堆積後、パターニングして、走査線2、電圧供給線4、キャパシタ7の電極7b、スイッチトランジスタ5のドレイン電極5h,ソース電極5i及び駆動トランジスタ6のドレイン電極6h,ソース電極6iに加えて、画素電極8aが形成される領域に光反射膜を形成してもよい。光反射膜は、ソース電極6iと連続して形成されていることになる。その後、ITO等の透明導電膜を堆積してからパターニングして画素電極8aを光反射膜上に形成する。ここで、ソース電極6iの一側辺周縁上に画素電極8aの一側辺周縁が重なって相互に接続されている。
また、ELパネル1がトップエミッション型の場合、ソース、ドレインメタル層以外の他の光反射膜(銀又はAl等)を用いてもよい。この場合、不純物半導体膜5f,5g、6f,6g、半導体膜5b、6bを形成後、上記他の光反射膜及びITO等の透明導電膜を連続して堆積してから、フォトリソグラフィーによって一括してともに画素電極8aの形状にパターニングし、次いで、ソース、ドレインメタル層を堆積後、パターニングして、走査線2、電圧供給線4、キャパシタ7の電極7b、スイッチトランジスタ5のドレイン電極5h,ソース電極5i及び駆動トランジスタ6のドレイン電極6h,ソース電極6iを形成してもよい。ここで電極8aの一側辺周縁上にソース電極6iの一側辺周縁画素が重なって相互に接続されている。また、上記他の光反射膜を堆積後にパターニングしてからITO等の透明導電膜を堆積してからパターニングしてもよい。このとき、透明導電膜をウェットエッチングする際のエッチャントで上記他の光反射膜が浸食される恐れがある場合、上記他の光反射膜の上面のみならず側面にも透明導電膜が残るように上記他の光反射膜より一回り大きく透明導電膜をパターニングすればよい。また、光反射膜を透明導電膜とともに画素電極8aの一部として構成する必要がなければ、画素電極形成領域において、上記他の光反射膜、透明絶縁膜、透明導電膜の三層構造になるようにしてもよい。
例えば、本実施形態の場合、ポジ型の感光性ポリイミド系樹脂材料である、東レ株式会社製「フォトニースDW−1000」をスピンコートにて成膜した後、プリベークを行った。
なお、一般的なポリイミド系の感光性樹脂材料は、例えば、図9に示すように、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とがポリアミック酸化したものに、感光剤(光重合開始剤)であるナフトキノンジアジド(NQD)が付加してなる物質である。
例えば、本実施形態の場合、成膜された感光性樹脂材料(13)を所定のマスクパターンで露光処理後、水酸化テトラメチルアミン(TMAH)水溶液で現像処理することにより、開口部13aに相当する部分の樹脂材料を溶出させて開口部13aを形成し、バンク13を形成した。この現像液としてのTMAH水溶液は、アルカリ性の水溶液である。
なお、成膜したポリイミド系感光性樹脂材料における開口部13aに相当する部分にUV光等の励起光を照射するパターニングで露光を行うことにより、図11に示すように、露光された部分がアルカリ水溶液に可溶な物質に変化する。そして、アルカリ性のTMAH水溶液で現像処理することにより、可溶化した樹脂材料を溶出させて開口部13aを形成して、所定の隔壁形状を呈するバンク13を形成することができる。
更に、焼成したバンク13に対し、隔壁用材料に含まれる発光阻害要因を失活する露光を施す。
例えば、本実施形態の場合、そのバンク13に対し180℃〜250℃でポストベークを行うことで、隔壁用材料からなるバンク13をイミド化するように焼成処理を行う。
そして、フォトマスクを用いずにその焼成したバンク13全域に対し、パターニング時と同様のUV光等の励起光を照射する露光を行うことで、そのバンク13に含まれている発光阻害要因を除去するように失活処理を行う。
なお、バンク13にポストベークを施して焼成することで、その隔壁用材料(バンク13)をイミド化した場合、例えば、図12に示すように、イミド化されたバンク13からNQDがインデンカルボン酸となって脱離するが、全てのNQDは反応によって脱離せず、一部のNQD或いは未反応残査は主鎖に付加したままである。そこで、その焼成したバンク13に対してUV光等の励起光を照射することで、例えば、図12に示すように、バンク13に付加したままのNQDに光反応を起こさせ、そのNQDをインデンカルボン酸に変化させて、バンク13から脱離させる。
こうしてバンク13に付加したままでは発光阻害要因となるNQD或いは未反応成分として脱離されていない残査をインデンカルボン酸等に変化させて、アルカリ性のTMAH水溶液の溶解しやすい状態にし、発光阻害要因を十分脱離させて除去する失活処理を行う。
なお、バンク13の形成時に現像溶液として使用したTMAHは、バンク13の表面等に吸着されやすいので、現像処理後に水洗処理しても残留し易く、そのバンク13や画素電極8aの表面に付着していることがある。
そして、バンク13から遊離した酸性物質であるインデンカルボン酸等と、バンク13や画素電極8aの表面に付着しているアルカリ性のTMAHとが接触してしまうと、中和反応を起こしてしまうことがあり、その結果、水が生じることとなる。
特に、EL素子8は、外気と接触することでも劣化してしまうことがあるデリケートな素子であるので、EL素子8におけるバンク13や画素電極8aにおいて水が生じてしまうと、例えば、正孔注入層8bがその水気で変質するなど劣化してしまって、EL素子8の発光に不具合が生じる原因になる。特に、正孔注入層8bが酸化モリブデン等の遷移金属酸化物を含む場合、バンク13上にも広く成膜することになるので、ポストベーク後に励起光を照射しないと、バンク13に接触している正孔注入層8b部分から非発光領域が成長するといった傾向が顕著に見られる。
そのため、本実施形態においては、バンク13に付加したままでは酸性物質の発光阻害要因となってしまうNQD等の残査を十分脱離させる失活処理を行うことで、EL素子8の不具合の低減を図ることとしている。
この洗浄後、バンク13が形成された基板10を乾燥する。
例えば、本実施形態の場合、酸化モリブデンを蒸着法で30nmの厚みに成膜して酸化モリブデン層を形成し、画素電極8a及びバンク13を覆う正孔注入層8bを形成した。
更に、図15に示すように、バンク13の開口部13a内におけるインターレイヤー8c上に、発光層8dを構成するポリパラフェニレンビニレン系あるいはポリフルオレン系の有機発光材料が水或いはテトラリン、テトラメチルベンゼン、メシチレン等の有機溶媒に溶解または分散された液状体をインクジェット方式又はノズルプリント方式により塗布し乾燥させることで、インターレイヤー8c上に発光層8dを積層して形成する。なお、本実施形態の場合、発光試験用として緑色のポリフルオレン系発光材料をキシレンに溶かした溶液を開口部13a内のインターレイヤー8c上に塗布して発光層8dを形成した。また、インターレイヤー8cを設けずに正孔注入層8b上に直接発光層8dを積層した構造であってもよい。
例えば、本実施形態の場合、Caを蒸着法で30nmの厚みに成膜した後、さらに、低抵抗であり安定した性状を有するAlを蒸着法で500nmの厚みに成膜して、対向電極8eを形成した。
そして、この対向電極8eが成膜されたことで、EL素子8が形成されて、ELパネル1が製造される。
そして、現像溶液として使用したTMAHが、バンク13や画素電極8aの表面に残留してしまっていることがあっても、バンク13からインデンカルボン酸が生じなければ、その残留TMAHとインデンカルボン酸とが中和反応を起こすことはなく、EL素子8において水が発生することはないので、水気に弱い正孔注入層8bが変質してしまうことはない。
つまり、発光阻害要因となるNQD等を十分除去するように失活処理することによって、EL素子8における正孔注入層8bを変質させてしまうことを低減し、良好な状態の正孔注入層8bを有するEL素子8を備えるELパネル1を製造することができる。
こうしてバンク13に含まれるNQD等を十分除去する失活処理を行った後に、正孔注入層8bを形成したELパネル1において、各画素Pを構成するEL素子8は好適に発光するようになる。
これは失活されずにバンク13に付加していたNQDがインデンカルボン酸となって遊離してしまったうえに、バンク13の表面などに残留していたTMAHと中和反応を起こしてしまい、バンク13と正孔注入層8bの間で発生した水分が、酸化モリブデンからなる正孔注入層8bを変質させてしまって、その変質した正孔注入層8bの正孔注入性が悪化したことに伴い、発光しないEL素子8が生じたためである。
また、その製造方法に基づいて、バンク13のNQD等を十分脱離させた失活後に正孔注入層8bを形成したELパネル1は、発光特性に優れた発光装置であるといえる。
例えば、隔壁用材料からなるバンク13にポストベークを施して焼成した後に、そのバンク13(隔壁用材料)に含まれる発光阻害要因(NQD)を除去する失活処理を施すことに限らず、例えば、バンク13に対する失活処理後に、そのバンク13に焼成処理を施すようにしてもよい。
その後、発光阻害要因の失活処理がなされたバンク13に対し、ポストベークを施して焼成する。
例えば、本実施形態の場合、そのバンク13に対し、所定の励起光を照射する露光を行うことで、そのバンク13に含まれている発光阻害要因を除去するように失活処理を行う。ポストベークされたバンク13は十分固形化し、またポストベーク前であってもアルカリ性を示さない純水等による洗浄によって溶解されることはない。
そして、露光がなされたバンク13に対し、180℃〜250℃でポストベークを行うことで、隔壁用材料からなるバンク13をイミド化するように焼成処理を行う。
なお、隔壁用材料からなるバンク13に対して、所定のUV光を照射することで、例えば、図16に示すように、そのバンク13に付加しているNQD等に光反応を起こさせ、そのNQDをインデンカルボン酸に変化させて、バンク13から脱離させる。こうしてバンク13に付加していては発光阻害要因となるNQDをインデンカルボン酸に変化させて、NQD等を十分脱離させて除去する失活処理を行う。さらに、失活処理がなされたバンク13にポストベークを行うことで、例えば、図16に示すように、その隔壁用材料(バンク13)をイミド化する焼成を施す。
そして、残留TMAHとインデンカルボン酸とが中和反応を起こすことはなく、EL素子8において水が発生することはないので、水気に弱い正孔注入層8bが変質してしまうことはなく、良好な状態の正孔注入層8bを有するEL素子8を備え、発光特性に優れたELパネル1を製造することができる。
スイッチトランジスタや駆動トランジスタが形成されたガラス基板上に、ポジ型の感光性ポリイミド系樹脂材料(フォトニースDW−1000 東レ株式会社製)を、スピンコートにて1〜5μmの厚さに堆積した後、ホットプレートによって感光性ポリイミド系樹脂材料を堆積したガラス基板に120℃で2分間プリベークを行った。その後、露光工程においてgh混合線を50〜100mJ/cm2、5〜10秒の条件で隔壁非形成領域の感光性ポリイミド系樹脂材料に照射し、2.3〜2.5%TMAH溶液でガラス基板を現像後、純水で洗浄し、スピン乾燥を行った。次いでガラス基板をクリーンオーブンで180〜320℃で2時間ポストベークを行い、引き続きガラス基板の隔壁にgh混合線を50〜100mJ/cm2、5〜10秒の条件で露光し、未反応の残査部分の脱離を促進した。そして、純水で洗浄して、反応によって隔壁から脱離した部分を除去し、ホットプレートで180℃、10分乾燥した。画素電極上及び露光を行った隔壁の表面に、酸化モリブデンを蒸着法で30nmの厚みに成膜し、次いでインターレイヤーを成膜後、ポリフルオレン系の有機発光材料含有液を塗布、乾燥して発光層を成膜し、カソードを蒸着成膜した。
スイッチトランジスタや駆動トランジスタが形成されたガラス基板上に、ポジ型の感光性ポリイミド系樹脂材料(フォトニースDW−1000 東レ株式会社製)を、スピンコートにて1〜5μmの厚さに堆積した後、ホットプレートによって感光性ポリイミド系樹脂材料を堆積したガラス基板に120℃で2分間プリベークを行った。その後、露光工程においてgh混合線を50〜100mJ/cm2、5〜10秒の条件で隔壁非形成領域の感光性ポリイミド系樹脂材料に照射し、2.3〜2.5%TMAH溶液でガラス基板を現像後、純水で洗浄し、スピン乾燥を行った。次いでガラス基板にgh混合線を50〜100mJ/cm2、5〜10秒の条件で洗浄後に残った感光性ポリイミド系樹脂材料に露光し、未反応のNQDの脱離を促進した。引き続きガラス基板をクリーンオーブンで180〜320℃で2時間ポストベークを行ってから、純水で洗浄して、反応によって隔壁から脱離した部分を除去し、ホットプレートで180℃、10分乾燥した。画素電極上及び露光を行った隔壁の表面に、酸化モリブデンを蒸着法で30nmの厚みに成膜し、次いでインターレイヤーを成膜後、ポリフルオレン系の有機発光材料含有液を塗布、乾燥して発光層を成膜し、カソードを蒸着成膜した。
また、隔壁形状に成形された隔壁用材料に励起光を照射する後処理工程の励起光の照射時間は、十分に阻害要因を失活できれば、隔壁となる隔壁用材料を成膜した後に開口部となる領域の隔壁用材料に励起光を照射する前処理工程の励起光の照射時間と異なってもよい。
8 EL素子
8a 画素電極(第一電極)
8b 正孔注入層(キャリア輸送層)
8c インターレイヤー
8d 発光層
8e 対向電極(第二電極)
10 基板
11 ゲート絶縁膜
12 層間絶縁膜
13 バンク(隔壁)
13a 開口部
Claims (2)
- 第一電極、前記第一電極上の少なくとも一層以上のキャリア輸送層、前記キャリア輸送上の第二電極を有する発光装置の製造方法であって、
基板の上面側に形成された前記第一電極に連通する複数の開口部を有する隔壁を形成する隔壁形成工程と、
前記第一電極及び前記隔壁を覆う前記キャリア輸送層を形成するキャリア輸送層形成工程と、
を備え、
前記隔壁形成工程は、
前記隔壁となるポリイミド系樹脂材料である隔壁用材料を成膜した後、前記隔壁用材料に励起光を照射する露光を行うことにより、前記開口部を形成して所定の隔壁形状に成形する前処理工程と、
前記隔壁形状に成形された前記隔壁用材料を焼成する処理と、前記隔壁用材料に励起光を照射する露光を行うことによって前記隔壁用材料に含まれるナフトキノンジアジドの失活する処理と、を行う後処理工程と、
を備え、
前記前処理工程は、成膜された前記隔壁用材料に、所定のマスクパターンで励起光を照射する露光をした後、アルカリ性の現像溶液で現像する工程を含み、
前記後処理工程は、前記隔壁用材料に励起光を照射する露光を行うことによって、前記隔壁用材料に含まれるナフトキノンジアジドを酸性物質であるインデンカルボン酸に変化させた後、前記インデンカルボン酸を洗い流す工程を含むことを特徴とする発光装置の製造方法。 - 前記隔壁用材料はポジ型の感光性ポリイミド系樹脂材料であり、
前記前処理工程は、前記隔壁となる隔壁用材料を成膜した後、前記開口部となる領域の隔壁用材料に励起光を照射して、前記開口部となる領域の隔壁用材料を除去する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の発光装置の製造方法。
Priority Applications (1)
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