以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
図1を参照して、この発明のビデオカメラは、基本的に次のように構成される。撮像手段2は、フォーカスレンズ1を通して被写界を捉える撮像面を有し、被写界像を生成する。記録手段3は、撮像手段2によって生成された被写界像を指定期間毎に記録する。調整手段4は、被写界に動きが生じる毎にフォーカスレンズ1から撮像面までの距離を調整する。制御手段5は、指定期間の長さが増大するほど低減するように調整手段4の応答特性を制御する。
指定期間の長さが増大するほど調整手段の応答特性を低減させることで、被写界の動きに起因するフォーカスレンズ1から撮像面までの距離の変動量は、記録周期が長くなるほど小さくなる。つまり、被写界に僅かな動きや一時的な動きが生じた場合、記録周期が長いときの距離の変動量は、記録周期が短いときの距離の変動量よりも小さくなる。これによって、記録された複数の被写界像を記録周期よりも短い周期で再生するときの画質の劣化を抑制することができる。
[実施例]
図2を参照して、この実施例のビデオカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるズームレンズ12およびフォーカスレンズ14を含む。被写界の光学像は、ズームレンズ12およびフォーカスレンズ14を経てイメージセンサ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、被写界像を表す電荷が撮像面で生成される。
電源が投入されると、CPU26は、動画取り込み処理のために撮像タスクの下でドライバ18cを起動する。ドライバ18cは、1/60秒毎に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージセンサ16からは、被写界を表す生画像データが60fpsのフレームレートで出力される。
信号処理回路20は、イメージセンサ16から出力された生画像データに白バランス調整,色分離,YUV変換などの処理を施し、これによって作成されたYUV形式の画像データをメモリ制御回路30を通してSDRAM32に書き込む。LCDドライバ34は、SDRAM32に格納された画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ36を駆動する。この結果、被写界のリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
記録モードは、モードキー28mの操作によって通常モードおよびインターバルモードのいずれか一方に設定される。図3(A)および図3(B)を参照して、通常モードは1/60秒に1フレームの割合で画像データを記録するモードであり、インターバルモードはたとえば5秒に1フレームの割合で画像データを記録するモードである。なお、インターバルモードにおける記録周期は、1/60秒を上回る範囲で調整可能である。
また、通常モードおよびインターバルモードのいずれにおいても図4に示す構造を有する動画ファイルが作成され、ファイルヘッダには1/60秒の再生周期情報が記述される。したがって、動画ファイルに収められた画像データは、モードに関係なく、60fpsのフレームレートで再生される。
通常モードが設定された状態でキー入力装置28に向けて記録開始操作が行われると、CPU26は、ファイル作成&オープンをI/F38に命令する。I/F38は、動画ファイルが記録媒体40に新規に作成し、かつ作成された動画ファイルをオープンする。
CPU26は続いて、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に、記録処理の実行をI/F38に命令する。I/F38は、SDRAM32に格納された1フレームの画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された画像データを圧縮状態で動画ファイルに書き込む。キー入力装置28に向けて記録終了操作が行われると、CPU286ファイルクローズをI/F38に命令する。I/F38は、画像データの読み出しを停止し、オープン状態にある動画ファイルをクローズする。
インターバルモードが設定された状態で記録開始操作が行われると、CPU26は、上述と同様、ファイル作成&オープンをI/F38に命令する。この結果、新規の動画ファイルがオープン状態で記録媒体40に準備される。CPU38は続いて、記録周期が到来する毎に記録処理の実行をI/F38に命令する。画像データは、5秒に1フレームの割合でSDRAM32から読み出され、オープン状態の動画ファイルに書き込まれる。記録終了操作が行われると、CPU26はファイルクローズをI/F38に命令する。これによって、画像データの読み出しが停止され、オープン状態にある動画ファイルがクローズされる。
キー入力装置28によってズーム操作が実行されると、CPU26は、ズーム&AE制御タスクの下でズームレンズ12を光軸方向に移動させる。この結果、LCDモニタ36に表示されるスルー画像の倍率が変化する。
図5を参照して、撮像面の中央には評価エリアEVAが割り当てられる。評価エリアEVAは、垂直方向および水平方向の各々において16分割される。したがって、評価エリアEVAは、合計256個の分割エリアの集合に相当する。
AE評価回路22は、このような評価エリアEVAの全体をAEエリアとして定義し、信号処理回路20から出力されたYデータのうちAEエリアに属するYデータを垂直同期信号Vsyncに応答して積分する。積分値は、垂直同期信号Vsyncが発生する毎にAE評価値としてAE評価回路22から出力される。
CPU26は、AE評価回路24から出力されたAE評価値をズーム&AE制御タスクの下で繰り返し取り込み、取り込まれたAE評価値に基づいてイメージセンサ16の露光量を調整する。この結果、LCDモニタ36に表示されるスルー画像の明るさが適度に調整される。
再び図5を参照して、撮像面の中央には、互いに異なるサイズを有するエリアF_L,F_MおよびF_Sが割り当てられる。エリアF_Lのサイズは評価エリアEVAのサイズと同じであり、エリアF_MのサイズはエリアF_Lのサイズよりも小さく、そしてエリアF_SのサイズはエリアF_Mのサイズよりも小さい。
CPU26は、AF設定制御タスクの下で、このようなエリアF_L,F_MおよびF_Sのいずれか1つをAFエリアとして定義する。具体的には、記録開始操作前の期間および記録終了操作後の期間では、エリアF_MがAFエリアとして定義される。インターバルモードが選択された状態で記録開始操作が行われると、エリアF_LがAFエリアとして定義される。
通常モードが選択された状態で記録開始操作が行われると、ズーム操作の有無または撮像面のパン/チルト操作の有無に応じてAFエリアの定義が変更される。つまり、AFエリアは、ズーム操作期間にエリアF_MからエリアF_Sに変更され、撮像面のパン/チルト期間にエリアF_MからエリアF_Lに変更される。
AF評価回路24は、こうして定義されたAFエリアに属する一部のYデータを信号処理回路20の出力から切り出し、そして切り出されたYデータのうちカットオフ周波数CF_Lを上回る周波数成分およびカットオフ周波数CF_Hを上回る周波数成分を垂直同期信号Vsyncに応答して個別に積分する。
カットオフ周波数CF_Lを上回る周波数成分の積分値は、フォーカス評価値AF_LとしてAF評価回路24から出力される。また、カットオフ周波数CF_Hを上回る周波数成分の積分値は、フォーカス評価値AF_HとしてAF評価回路24から出力される。
CPU26は、こうして出力されたフォーカス評価値AF_LおよびAF_HをコンティニュアスAFタスクの下で取り込み、取り込まれたフォーカス評価値AF_LおよびAF_Hに基づいてフォーカスレンズ12の位置を継続的に調整する。
AF評価回路24は、図6に示すように構成される。信号処理回路20から出力されたYデータは、切り出し回路50に与えられる。切り出し回路50は、AFエリアに属するYデータを与えられたYデータから切り出し、切り出されたYデータをHPF52aおよび52bに入力する。HPF52aはカットオフ周波数CF_Lを上回る周波数成分を入力Yデータから抽出し、HPF52bはカットオフ周波数CF_Hを上回る周波数成分を入力Yデータから抽出する。
HPF52aによって抽出された周波数成分は、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分回路54aによって積分される。HPF52bによって抽出された周波数成分も、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分回路54bによって積分される。この結果、フォーカス評価値AF_Lが積分回路54aから出力され、フォーカス評価値AF_Hが積分回路54bから出力される。
図7を参照して、HPF52aは曲線Kf_Lに対応する周波数特性を示し、HPF52bは曲線Kf_Hに相当する周波数特性を示す。したがって、フォーカス評価値AF_Lがフォーカスレンズ14の位置に対して図8に示す曲線Cf_Lを描く場合、フォーカス評価値AF_Hはフォーカスレンズ14の位置に対して図8に示す曲線Cf_Hを描くさらに、曲線Cf_Lに対するCf_Hの変化つまりフォーカス評価値AF_LおよびAF_Hの相対比は、図9に示す曲線CV1で表される。
コンティニュアスAFタスクは、大まかに、方向判断処理,探索処理および監視処理によって構成される。方向判断処理は、合焦点が存在する方向つまり合焦方向を特定する処理である。探索処理は、特定された合焦方向にフォーカスレンズ14を移動させて合焦点を探索する処理である。監視処理は、被写界に動きが発生したか否かを監視する処理である。
フォーカス評価値AF_LおよびAF_Hは、これらの処理から独立してAF評価回路24から繰り返し取得され、数1に従う相対比RTの算出処理のために参照される。フォーカス評価値AF_L,AF_Hおよび相対比RTは、方向判断処理,探索処理および監視処理の各々で必要に応じて参照される。
[数1]
RT=AF_H/AF_L
方向判断処理では、フォーカスレンズ14の移動量は“W_S”に設定され、フォーカスレンズ14の移動方向は垂直同期信号Vsyncが2回発生する毎に反転される。この結果、フォーカスレンズ14は、図10に示す要領で至近側位置,中央位置および無限側位置の3点の間を変位する。
フォーカスレンズ14が至近側位置に配置されたときに検出されたフォーカス評価値AF_Hは、至近側レジスタR1に設定される。また、フォーカスレンズ14が中央位置に配置されたときに検出されたフォーカス評価値AF_Hは、中央レジスタR2に設定される。さらに、フォーカスレンズ14が無限側位置に配置されたときに検出されたフォーカス評価値AF_Hは、無限側レジスタR3に設定される。
至近側レジスタR1,中央レジスタR2および無限側レジスタR3に設定されたフォーカス評価値AF_Hの大小関係はフォーカスレンズ14が指定方向に変位する毎に判別され、判別結果に応じて頂点カウンタC1のカウント値が更新される。
頂点カウンタC1は、中央レジスタR2に設定されたフォーカス評価値AF_Hが至近側レジスタR1に設定されたフォーカス評価値AF_Hおよび無限側レジスタR3に設定されたフォーカス評価値AF_Hの両方を上回るときにインクリメントされ、この条件を満足しないときに“0”に設定される。
したがって、頂点カウンタC1は、フォーカスレンズ14が合焦点の近傍で微動するときにインクリメントされ、フォーカスレンズ14が合焦点から離れた位置で微動するときに“0”を維持する。頂点カウンタC1のカウント値が閾値Aを上回ると、フォーカスレンズ14は合焦状態にあるとみなされ、方向判断処理が終了されるとともに監視処理が開始される。
方向判断処理では、上述のレジスタ設定処理および頂点カウンタC1の更新処理と並行して、前フレームで取得されたフォーカス評価値AF_H(前フォーカス評価値AF_H)と現フレームで取得されたフォーカス評価値AF_H(現フォーカス評価値AF_H)との大小関係が判別される。
この判別処理もまた、フォーカスレンズ14が指定方向に変位する毎に実行される。数値が無限方向に向かって増加傾向にあれば、方向カウンタC2がインクリメントされ、数値が至近方向に向かって増加傾向にあれば、方向カウンタC2がディクリメントされる。
頂点カウンタC1のカウント値が“0”を示すときは、このような方向カウンタC2のカウント値が注目される。方向カウンタC2のカウント値が閾値Bを上回ると、無限方向が合焦方向として決定される。これに対して、方向カウンタC2のカウント値が閾値“−B”を下回ると、至近方向が合焦方向として決定される。こうして合焦方向が決定されると、方向判断処理が終了され、探索処理が開始される。なお、フォーカスレンズ14から撮像面までの距離が拡大する方向が至近方向であり、フォーカスレンズ14から撮像面までの距離が縮小する方向が無限方向である。
探索処理では、決定された合焦方向に向かってフォーカスレンズ14が移動され、AF評価回路24によって検出されたフォーカス評価値AF_Hの最大値が最大値レジスタR4に設定される。ダウンカウンタC4は、最大値レジスタR4の更新に応答して“0”に設定され、その後に検出されたフォーカス評価値AF_Hが最大値レジスタR4の設定値を下回る毎にインクリメントされる。ダウンカウンタC4のカウント値が閾値Cを上回ると、フォーカスレンズ14は合焦点を越えたとみなされる。フォーカスレンズ14の移動方向は反転され、フォーカスレンズ14は合焦点に配置される。
監視処理では、被写界に動きが発生したか否かが相対比RTまたはフォーカス評価値AF_Hを参照して判別される。この判別処理は、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に実行される。監視カウンタC5は、判別結果が肯定的であるときにインクリメントされ、判別結果が否定的であるときに“0”に設定される。監視カウンタC5のカウント値が監視時間SVTを上回ると、待機時間WTの経過を待って方向判断処理が再起動される。
監視時間SVTおよび待機時間WTは、AF設定制御タスクの下で次のように調整される。つまり、インターバルモードの下での記録開始操作から記録終了操作までの期間においては、時間Tsv_Lが監視時間SVTとして設定され、時間Twt_Lが待機時間WTとして設定される。これ以外の期間では、時間Tsv_Sが監視時間SVTとして設定され、時間Twt_Sが待機時間WTとして設定される。ここで、時間Tsv_Sは時間Tsv_Lよりも短く、時間Twt_Sは時間Twt_Lよりも短い。また、監視時間SVTは、垂直同期信号Vsyncの発生回数を単位とする。
CPU26は、図11〜図12に示す撮像タスク,図13に示すズーム&AE制御タスク,図14〜図15に示すAF設定制御タスク,および図16〜図23に示すコンティニュアスAF処理タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ46に記憶される。
図11を参照して、ステップS1では動画取り込み処理を実行する。この結果、被写界を表すスルー画像がLCDモニタ36に表示される。ステップS3では記録開始操作が行われたか否かを判別し、ステップS5では記録モードが通常モードおよびインターバルモードのいずれに設定されているかを判別する。記録モードが通常モードに設定されていればステップS7に進み、記録モードがインターバルモードに設定されていればステップS17に進む。
ステップS7では、ファイル作成&オープンをI/F38に命令する。この結果、動画ファイルが記録媒体40に新規に作成され、作成された動画ファイルがオープンされる。ステップS9では垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを判別し、判別結果がNOからYESに更新されるとステップS11で記録処理の実行をI/F38に命令する。I/F38は、SDRAM32に格納された1フレームの画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された画像データを圧縮状態で動画ファイルに書き込む。
ステップS13では記録終了操作が行われたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS9に戻る一方、判別結果がYESであればファイルクローズをI/F38に命令する。したがって、ステップS11の処理は記録終了操作が行われるまで繰り返し実行され、これによって複数フレームの画像データが動画ファイルに蓄積される。記録終了操作が行われると、オープン状態にある動画ファイルがクローズされる。ステップS15の処理が完了すると、ステップS3に戻る。
ステップS17ではステップS7と同様の処理を実行し、続くステップS19では記録周期をたとえば5秒に設定する。ステップS21では記録終了操作が行われたか否かを判別し、ステップS23では記録周期が到来したか否かを判別する。ステップS23でYESであれば、ステップS27でステップS11と同様の処理を実行してからステップS21に戻る。ステップS21でYESであれば、ステップS25でステップS15と同様の処理を実行してからステップS3に戻る。
図13を参照して、ステップS31ではズーム操作が行われたか否かを判別し、ステップS33では垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを判別する。ステップS31でYESであれば、ステップS35でズームレンズ12を光軸方向に移動させ、その後にステップS31に戻る。ステップS33でYESであれば、ステップS37でAE評価値に基づく露光調整を行い、その後にステップS31に戻る。
図14を参照して、ステップS41では、エリアF_MをAFエリアとして設定し、時間Tsv_Sを監視時間SVTとして設定し、そして時間Twt_Sを待機時間WTとして設定する。記録開始操作が行われるとステップS43でYESと判断し、記録モードが通常モードおよびインターバルモードのいずれに設定されているかをステップS45で判別する。記録モードが通常モードに設定されていればステップS47に進み、記録モードがインターバルモードに設定されていればステップS53に進む。
ステップS47では、エリアF_LをAFエリアとして設定し、時間Tsv_Lを監視時間SVTとして設定し、そして時間Twt_Lを待機時間WTとして設定する。続くステップS49では、記録終了操作が行われたか否かを判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS51で上述のステップS41と同様の処理を行ってからステップS43に戻る。
ステップS53ではズーム操作中であるか否かを判別し、ステップS55では撮像面のパン/チルト中であるか否かを判別する。ステップS53でYESであればステップS57に進み、エリアF_SをAFエリアとして設定する。ステップS55でYESであればステップS59に進み、エリアF_LをAFエリアとして設定する。ステップS53およびS55のいずれもNOであれば、ステップS61でエリアF_MをAFエリアとして設定する。ステップS57,S59またはS61の処理が完了すると、記録終了操作が行われたか否かをステップS63で判別する。判別結果がNOであればステップS53に戻り、判別結果がYESであればステップS51に移行する。
図16を参照して、ステップS71では初期化処理を実行する。動作モードは方向判断モードに設定され、頂点カウンタC1,方向カウンタC2および実行回数カウンタC3のカウント値は“0”に設定される。また、レンズ移動量は“0”に設定される。
垂直同期信号Vsyncが発生するとステップS73でYESと判断し、ステップS75でフォーカス評価値AF_LおよびAF_HをAF評価回路24から取得する。ステップS77では、上述の数1に従って相対比RTを算出する。ステップS79では、フォーカスレンズ14を設定されたレンズ移動量だけ設定方向に移動させる。1回目の処理を実行する時点では、レンズ移動量は“0”でかつ移動方向は未定である。したがって、フォーカスレンズ14は現在位置に停止し続ける。
ステップS81では現時点の動作モードが方向判断モードであるか否かを判別し、ステップS83では動作モードが探索モードであるか否かを判別する。ステップS81でYESであれば、ステップS85で方向判断処理を実行し、ステップS83でYESであればステップS87で探索処理を実行し、そしてステップS83でNOであればステップS89で監視処理を実行する。ステップS85,S87またはS89の処理が完了するとステップS73に戻る。
図17に示すステップS85の方向判断処理は、図18〜図21に示すサブルーチンに従って実行される。まず、レンズ移動量をステップS90で“W_S”に設定し、実行回数カウンタC3が“0”であるか否かをステップS91で判別する。判別結果がYESであればステップS93に進み、フォーカスレンズ14の移動方向を至近方向に設定する。続いて、ステップS95で現フォーカス評価値AF_Hを前フォーカス評価値AF_Hとして退避させ、ステップS97で実行回数カウンタC3をインクリメントする。ステップS99では、現フォーカス評価値AF_Hを中央レジスタR2に設定し、かつ至近側レジスタR1および無限側レジスタR3をクリアする。ステップS99の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
ステップS91でNOと判断されると、実行回数カウンタC3のカウント値が“3”以上であるか否かをステップS101で判別する。判別結果がNOであればステップS113に進み、判別結果がYESであればステップS103に進む。
ステップS103では、中央レジスタR2の設定値が無限側レジスタR1の設定値および至近側レジスタR3の設定値のいずれよりも大きいか否かを判別する。判別結果がYESであれば、フォーカスレンズ14は合焦位置の近傍に存在するとみなし、ステップS105で頂点カウンタC1をインクリメントする。これに対して、判別結果がNOであれば、フォーカスレンズ14は合焦位置から離れた位置に存在するとみなし、ステップS107で頂点カウンタC1を“0”に設定する。ステップS105の処理が完了したときはステップS109に進み、ステップS107の処理が完了したときはステップS113に進む。
ステップS109では頂点カウンタC1のカウント値が閾値Aを上回るか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS111に進む一方、判別結果がNOであればステップS113に進む。ステップS111は、動作モードを監視モードに設定し、監視カウンタを“0”に設定する。ステップS111の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
ステップS113では、現フォーカス評価値AF_Hと前フォーカス評価値AF_Hとの大小関係を参照して、方向カウンタC2をインクリメントまたはディクリメントする。
方向カウンタC2は、今回の移動方向が無限方向でかつ現フォーカス評価値AF_Hが前フォーカス評価値AF_Hを上回るか、或いは今回の移動方向が至近方向でかつ現フォーカス評価値AF_Hが前フォーカス評価値AF_H以下であるときに、インクリメントされる。
方向カウンタC2はまた、今回の移動方向が無限方向でかつ現フォーカス評価値AF_Hが前フォーカス評価値AF_H以下であるか、或いは今回の移動方向が至近方向でかつ現フォーカス評価値AF_Hが前フォーカス評価値AF_Hを上回るときに、ディクリメントされる。
ステップS113の処理が完了すると、方向カウンタC2のカウント値が閾値Bを上回るか否かをステップS115で判別し、方向カウンタC2のカウント値が閾値“−B”を下回るか否かをステップS1117で判別する。
ステップS115でYESと判断されると、無限方向が合焦方向であるとみなし、ステップS119で移動方向を無限方向に設定する。ステップS117でYESと判別されると、至近方向が合焦方向であるとみなし、ステップS121で移動方向を至近方向に設定する。ステップS119またはS121の処理が完了すると、ステップS123に進む。ステップS123では、動作モードを探索モードに設定し、ダウンカウンタC4を“0”に設定し、そして最大値レジスタR4をクリアする。ステップS123の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
ステップS115およびS117のいずれもNOであればステップS125に進み、現フォーカス評価値AF_Hを前フォーカス評価値AF_Hとして退避させる。退避処理が完了すると、ステップS127で実行回数カウンタC3をインクリメントし、移動方向の反転タイミングが到来したか否かをステップS129で判別する。判別結果がNOであればそのままステップS133に進み、判別結果がYESであればステップS131で移動方向を反転させてからステップS133に進む。
反転タイミングは、垂直同期信号Vsyncが2回発生する毎に到来する。また、現時点の移動方向が至近方向であれば無限方向が次回の移動方向として設定され、現時点の移動方向が無限方向であれば至近方向が次回の移動方向として設定される。したがって、フォーカスレンズ14は、至近側位置,中央位置および無限側位置の3点の間を図10に示す要領で変位する。
ステップS133では、現フォーカス評価値AF_Hを至近側レジスタR1,中央レジスタR2および無限側レジスタR3のいずれか1つに設定する。現フォーカス評価値AF_Hは、フォーカスレンズ14の現在位置が至近側位置であるとき至近側レジスタR1に設定され、フォーカスレンズ14の現在位置が中央位置であるとき中央レジスタR2に設定され、そしてフォーカスレンズ14の現在位置が無限側位置であるとき無限側レジスタR3に設定される。ステップS133の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
図17に示すステップS89の探索処理は、図22に示すサブルーチンに従って実行される。まずステップS140で、レンズ移動量を上述の“W_S”よりも大きい“W_L”に設定する。ステップS141では、現フォーカス評価値AF_Hが最大値レジスタR4の設定値を上回るか否かを判別する。判別結果がYESであれば、ステップS143で現フォーカス評価値AF_Hを最大値レジスタR4に設定し、ステップS145でダウンカウンタC4を“0”に設定する。一方、判別結果がNOであれば、ステップS147でダウンカウンタC4をインクリメントする。ステップS145またはS147の処理が完了すると、ダウンカウンタのカウント値が閾値Cを上回るか否かをステップS149で判別する。
判別結果がNOであれば、フォーカスレンズ14は未だ合焦点を越えていないとみなし、そのまま上階層のルーチンに復帰する。判別結果がYESであれば、フォーカスレンズ14は合焦点を越えたとみなし、ステップS151でフォーカスレンズ14の移動方向を反転させる。ステップS153では、閾値Cに対応する距離を合焦点までの距離とみなし、この距離をレンズ移動量として設定する。続くステップS155では、動作モードを監視モードに設定し、監視カウンタC5を“0”に設定する。ステップS155の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
図17に示すステップS89の監視処理は、図23に示すサブルーチンに従って実行される。ステップS161では、被写界に動きが発生したか否かを相対比RTまたはフォーカス評価値AF_Hを参照して判別する。判別結果がYESであればステップS163で監視カウンタC5をインクリメントする一方、判別結果がNOであればステップS165で監視カウンタC5を“0”に設定する。
ステップS167では監視カウンタC5のカウント値が監視時間SVTを上回ったか否かを判別する。判別結果がNOであれば、そのまま上階層のルーチンに復帰する。判別結果がYESであれば、ステップS169で上述のステップS71と同様の初期化処理を実行し、ステップS171で待機時間WTに相当する待機処理を実行する。待機時間WTが経過すると、上階層のルーチンに復帰する。
以上の説明から分かるように、イメージセンサ16は、フォーカスレンズ14を通して被写界を捉える撮像面を有し、被写界像を生成する。I/F38は、イメージセンサ16によって生成された被写界像を指定期間毎に記録媒体40に記録する。CPU26は、被写界に動きが生じる毎にフォーカスレンズ14から撮像面までの距離を調整する(S85, S87)。
距離調整処理は、被写界の動きの継続時間が監視時間SVTに達し、かつ待機時間WTが経過した時点で起動される。また、フォーカスレンズ14から撮像面までの距離は、AFエリアに属する被写界像の高周波成分を参照して調整される。したがって、距離調整処理の応答特性は、AFエリア,監視時間SVTまたは待機時間WTを増減させることで変化する。
CPU26は、指定期間の長さが増大するほどAFエリア,監視時間SVTおよび待機時間WTの大きさを増大させる(S41, S47, S51)。この結果、指定期間の延長に伴って距離調整処理の応答特性が低減される。
指定期間の長さが増大するほど距離調整処理の応答特性を低減させることで、被写界の動きに起因するフォーカスレンズ14から撮像面までの距離の変動量は、記録周期が長くなるほど小さくなる。つまり、被写界に僅かな動きや一時的な動きが生じた場合、記録周期が長いときの距離の変動量は、記録周期が短いときの距離の変動量よりも小さくなる。これによって、記録された複数の被写界像を記録周期よりも短い周期で再生するときの画質の劣化を抑制することができる。
なお、この実施例では、フォーカス調整にあたってフォーカスレンズ14を光軸方向に移動させるようにしているが、フォーカスレンズ14に代えてあるいはフォーカスレンズ14とともにイメージセンサ16を光軸方向に移動させるようにしてもよい。
また、この実施例では、インターバルモードにおいてAFエリアをエリアAF_Lに固定するようにしている。しかし、エリアAF_Lを互いに異なるサイズを有するエリアAF_L1,AFL_2,AF_L3,…に区分し、インターバルモードにおける記録周期の長さに応じてエリアAF_L1,AFL_2,AF_L3,…の間でAFエリアを変更するようにしてもよい。
さらに、この実施例では、インターバルモードの下での記録開始操作に応答してAFエリア,監視時間SVTおよび待機時間WTの全てのパラメータの値を増大させるようにしている。しかし、増大させるパラメータの数をインターバルモードにおける記録周期の長さに応じて変更するようにしてもよい。つまり、インターバルモードにおける記録周期が短ければAFエリア,監視時間SVTおよび待機時間WTの一部だけを増大させ、インターバルモードにおける記録周期が長ければ、AFエリア,監視時間SVTおよび待機時間WTの全てを増大させるようにしてもよい。
また、この実施例では、図22のステップS153で設定されたレンズ移動量が監視モードでも継続的に有効化され、フォーカスレンズ14は監視モードの下でも微少振動する。しかし、監視モードでは、微少振動の量を抑制するか、或いは微少振動を中止するようにしてもよい。
また、この実施例では、方向判断モードにおいてフォーカスレンズ14を図10に示す要領で移動させるようにしているが、これに代えて図24に示す要領でフォーカスレンズ14を移動させるようにしてもよい。