JP5223836B2 - 有機物の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機物の処理方法及び処理装置に関するものである。
下記特許文献1には、硫化物を含有する廃水を精製する方法として微生物群(バクテリア)の代謝反応を利用するものが開示されている。
従来から、微生物群の代謝反応を用いる手法として様々なものが提案されている。例えば、有機物を含む原料から微生物群の代謝反応によりメタンやエタノール等の有価物を回収した後、廃水処理を行って放流する有機物の処理方法もその一態様である。
例えば、木質系バイオマスからエタノールを生産する場合、先ず原料であるセルロースに硫酸を添加して加水分解して糖類を得る。この糖類からエタノール(エチルアルコール)を生産する場合、酵母によるアルコール発酵を利用するのが一般的である。酵母は、グルコース等の糖類をエタノールと二酸化炭素とに転換する。
なお、硫酸は酵母の反応を阻害することが知られており、また、硫酸によりpHが低くなった場合(pH2.5以下)でも反応が阻害される。このため、アルコール発酵する前の原料に、酸化カルシウム等の水溶液中にカルシウムイオンを放出できる中和剤を添加して、硫酸根と反応させ硫酸カルシウム(以下、石膏と称する場合がある)として沈殿・除去している。
特表平8−506271号公報
しかしながら、上記処理方法では石膏が大量に発生することが問題となっている。石膏は、建築用材料として使用することが可能であるが、原料である木質系バイオマスは都市部から遠く離れていることが多く、一方の建築用材料は都市部で消費されるため、運搬費が増大する。しばしば、石膏の運搬費は売却費よりも高額となり、現状では石膏はそのまま廃棄されている。また、今後エタノールはガソリンの代替燃料として消費量が爆発的に増加することが予想されるが、石膏の需要が爆発的に増加するとは考え難いため、石膏の再利用先の開拓が急務となっている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、大量に発生する石膏を有効利用できる有機物の処理方法及び処理装置の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、有機物に硫酸を加える前処理工程を経た処理液にカルシウム塩を加えて中和する中和工程と、上記中和工程を経た上記処理液を微生物群で嫌気性処理して代謝物を回収する代謝物回収工程とを有する有機物の処理方法であって、上記中和工程で沈殿した硫酸カルシウムを回収し、上記代謝物回収工程を経た上記処理液に加えて硫酸還元菌で嫌気性処理する硫酸還元工程と、上記硫酸還元工程で沈殿した炭酸カルシウムを回収し、上記カルシウム塩として上記中和工程に供給する中和剤供給工程とを有するという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、中和工程で沈殿した硫酸カルシウムから炭酸カルシウムを生成し、それを中和剤として用いることで、硫酸カルシウムの循環利用を行う。
また、本発明においては、上記硫酸還元工程で生じた硫化水素から硫酸を生成し、上記有機物に加える硫酸として上記前処理工程に供給する硫酸供給工程を有するという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、硫酸還元工程において生じた硫化水素から硫酸を生成し、それを前処理工程での硫酸として用いることで、硫酸カルシウムの循環利用を行う。
また、本発明においては、上記中和剤供給工程では、上記回収した炭酸カルシウムを加熱して酸化カルシウムとした後に、上記カルシウム塩として上記中和工程に供給するという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、回収した炭酸カルシウムを、減量を目的として加熱した後、酸化カルシウムとして中和剤に用いる。
また、本発明においては、上記代謝物回収工程では、メタン及びエタノールの少なくともいずれか一方を回収するという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、有価物としてメタン及びエタノールの少なくともいずれか一方を回収する。
また、本発明においては、上記硫酸還元菌は、上記微生物群に含まれているという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、有価物を生成する微生物(例えばメタン生成菌)と硫酸還元菌とが共生する微生物群を用い、代謝物回収工程及び硫酸還元工程での嫌気性処理を行う。
また、本発明においては、有機物に硫酸を加える前処理部を経た処理液にカルシウム塩を加えて中和する中和部と、上記中和部を経た上記処理液を微生物群で嫌気性処理して代謝物を回収する代謝物回収部とを有する有機物の処理装置であって、上記中和部で沈殿した硫酸カルシウムを回収し、上記代謝物回収部を経た上記処理液に加えて硫酸還元菌で嫌気性処理する硫酸還元部と、上記硫酸還元部で沈殿した炭酸カルシウムを回収し、上記カルシウム塩として上記中和部に供給する中和剤供給部とを有するという構成を採用する。
本発明によれば、有機物に硫酸を加える前処理工程を経た処理液にカルシウム塩を加えて中和する中和工程と、上記中和工程を経た上記処理液を微生物群で嫌気性処理して代謝物を回収する代謝物回収工程とを有する有機物の処理方法であって、上記中和工程で沈殿した硫酸カルシウムを回収し、上記代謝物回収工程を経た上記処理液に加えて硫酸還元菌で嫌気性処理する硫酸還元工程と、上記硫酸還元工程で沈殿した炭酸カルシウムを回収し、上記カルシウム塩として上記中和工程に供給する中和剤供給工程とを有するという手法を採用することによって、中和工程で沈殿した硫酸カルシウムから炭酸カルシウムを生成し、それを中和剤として用いることで、硫酸カルシウムの循環利用を行う。
したがって、本発明では、硫酸カルシウムを有効利用できるため、廃棄物が発生することがない。また、現場で原料を生産できるため、原料輸送コストを削減できる。
本発明の第1実施形態におけるバイオエタノール製造装置を示す構成図である。 本発明の第2実施形態における廃水処理装置を示す構成図である。
以下、本発明の実施形態における有機物の処理方法及び処理装置について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態におけるバイオエタノール製造装置を示す構成図である。
バイオエタノール製造装置(有機物の処理装置)1は、硫酸を用いて木質系バイオマス原料を分解して糖類を作り、その糖類からエタノールを生産後、廃水を浄化して放流する装置である。本実施形態のバイオエタノール製造装置1は、前処理部2と、中和部3と、代謝物回収部4と、硫酸還元部5と、中和剤供給部6と、硫酸供給部7とを有する。
前処理部2は、木質系バイオマス原料を破砕して細かくした後、硫酸を添加、加水分解して糖類を得るものである(前処理工程)。
木質系バイオマス原料としては、建築廃材、間伐材、サトウキビやトウモロコシ等のセルロースが含まれるバイオマス原料を用いることができる。セルロースは、加水分解により酵母が代謝できるグルコース等の糖類に糖化される。
中和部3は、前処理部2を経た処理液(糖類を含む)にカルシウム塩を加えて中和するものである(中和工程)。
処理液に含まれる硫酸は酵母の反応を阻害することが知られており、また、硫酸によりpHが低くなった場合(pH2.5以下)でも反応が阻害される。このため、中和部3では、アルコール発酵する前に、処理液中にカルシウムイオンを放出できる中和剤を添加して、硫酸根と反応させ硫酸カルシウム(以下、石膏と称する場合がある)として沈殿・除去する。なお、本実施形態では、中和剤として炭酸カルシウムを用いているが、酸化カルシウム等であってもよい。
代謝物回収部4は、中和部3を経た処理液(糖類を含む)を微生物群で嫌気性処理してエタノールやメタン等の有価物(バイオマス燃料)を回収するものである(代謝物回収工程)。本実施形態の代謝物回収部4は、第1リアクタ41と、蒸留塔42と、第2リアクタ43とを有する。
第1リアクタ41は、中和部3を経た処理液に含まれる糖類をアルコール発酵させる酵母を備える。酵母は、グルコース等の糖類を分解し、代謝物としてエタノールと二酸化炭素とを生成する。なお、第1リアクタ41には、槽内を攪拌する攪拌装置(図示せず)や、温度を調節する温度調節装置等が設けられている。
蒸留塔42は、第1リアクタ41を経た処理液に含まれるエタノールを蒸留して回収するものである。なお、無水エタノールを得るために、蒸留とあわせて吸着や膜分離等の周知の手法を用いてもよい。
第2リアクタ43は、蒸留塔42を経た処理液に含まれる有機物の余りをメタン発酵させてメタンガスを回収するものである。第2リアクタ43は、酸生成菌やメタン生成菌等の嫌気性微生物群を含む汚泥を有して構成されるものであり、残部有機物を含む処理液をこの汚泥により、低分子化→有機酸生成→メタン生成、等のステップでメタンガスに転換する。一例として、微生物にとって最も利用しやすい有機物の一つである酢酸から、メタンを生成する場合、下式(1)に示すような反応が起こる。
CHCOO+HO → CH+HCO …(1)
なお、第2リアクタ43からは、下式(2)(後述)に従って若干の硫化水素が発生しうる。メタンガスと硫化水素の混合物は、例えば先行技術文献(特表平8−506271号公報)にもあるとおり、液体中で曝気すれば容易に分離できる。すなわち、硫化水素は、水に良く溶けるがメタンガスは殆ど溶けないため、硫化水素のみを溶存態として回収する。溶存態の硫化物は、後述する硫酸供給部7のプロセスに従って回収される。
硫酸還元部5は、中和部3で沈殿した石膏を石膏供給ライン51を介して回収し、代謝物回収部4を経た処理液(有機物を含む)に加えて硫酸還元菌で嫌気性処理するものである(硫酸還元工程)。
中和部3で沈殿した石膏は、中和部3の底部から石膏供給ライン51により抜き出され、硫酸還元部5に供給される。なお、石膏供給ライン51は、ポンプ等の圧送手段(図示せず)、石膏の供給量を制御するための制御装置(図示せず)、及び配管等を含んで構成されている。
硫酸還元部5は、硫酸還元菌の嫌気性微生物群を含む汚泥を備える。一例として、硫酸還元菌が、酢酸を用いて硫酸を還元する場合、下式(2)に示すような反応が起こる。
CHCOO+SO 2− → HS+2HCO …(2)
なお、この硫酸還元菌は、硫酸還元部5で独自に培養してもよいが、第2リアクタ43の嫌気性微生物群にも含まれている(メタン生成菌と硫酸還元菌とが共生関係にある)ため、第2リアクタ43の汚泥の一部を導出して用いてもよい。
また、硫酸還元部5においても、上式(1)に従って若干のメタンが発生しうる。その対処方法は、上述したように液体中で曝気すれば容易にメタンを分離できる。なお、第2リアクタ43と硫酸還元部5とを1つのリアクタとして構成してもよい。
第1リアクタ41及び蒸留塔42を経た処理液は、エタノールに転換できなかった一部の糖類等を含むため、有機物を豊富に含む。この処理液の有機物の濃度(COD濃度)は、例えば、30000mg/L程度である。また、第2リアクタ43を経た処理液も、メタンに転換できなかった有機物を含み、この有機物の濃度(COD濃度)は、例えば、1000〜4000mg/L程度である。ここに、中和部3で沈殿除去した石膏を添加する。石膏は、中和付近の水溶液中に水1Lあたりに対して15mmol程度溶解する。
この処理液は、硫酸還元菌が硫酸を資化するために十分な有機物濃度を有するため、硫酸還元菌の作用により、硫酸還元部5では、下式(3)に示すような反応が起こる。
2C+2H+SO 2− → HS+2CO …(3)
このように硫酸イオンが消費されると、化学平衡の原則にしたがって、石膏の溶解が促進される。また、カルシウムイオンは、硫酸還元菌が放出する二酸化炭素によって炭酸カルシウムとなって沈殿する。なお、硫酸還元部5における上澄液は、所定の処理(例えば硝化脱窒処理)を経た後、河川等に放流される。
中和剤供給部6は、硫酸還元部5で沈殿した炭酸カルシウムを回収し、中和剤として中和部3に供給するものである(中和剤供給工程)。
中和剤供給部6は、ポンプ等の圧送手段(図示せず)、炭酸カルシウムの供給量を制御するための制御装置(図示せず)、及び配管等を含んで構成されている。炭酸カルシウムは、硫酸還元部5の底部から中和剤供給部6により抜き出され、中和部3に直接供給あるいは一時ストックされた後に供給される。なお、減量を目的して、回収した炭酸カルシウムを強熱して酸化カルシウムとした後、中和剤として用いてもよい。
硫酸供給部7は、硫酸還元部5で生じた硫化水素から硫酸を生成し、木質系バイオマス原料に加える硫酸として前処理部2に供給するものである(硫酸供給工程)。
硫酸供給部7では、先ず、硫酸還元部5でガス化した硫化水素を回収し、それを硫黄酸化細菌の作用により硫黄単体にする。この手法は、例えば特表平8−506271号公報にも開示されているので詳しい説明はその文献に譲るが、硫化水素と酸素とを、硫黄酸化細菌を備えるリアクタの液中に供給すると、硫黄酸化細菌の作用により下式(4)に示すような反応が起こる。
2HS+O → 2S+2OH …(4)
この硫黄は、固体なので液中から容易に回収できる。
なお、一部の硫黄は、例えば下式(5)に示すような反応により、硫黄酸化細菌によって硫酸まで酸化されることがある。
2HS+4O → 2SO 2−+2H …(5)
また、一部の硫黄は、上式(5)に示す反応が途中で止まってチオ硫酸(S 2−)となったりする。この場合は、この硫酸が溶解している液体を第2リアクタ43や硫酸還元部5に戻してやればよい。
硫酸供給部7では、次に、回収した硫黄から硫酸を生成する。硫黄から硫酸を生成する手法は既に確立されており、例えば、硫黄を強熱して二酸化硫黄とし、さらに触媒反応を利用して酸化し、生じた三酸化硫黄を水に溶解させて硫酸とする。この硫酸は、前処理部2に直接供給あるいは一時ストックされた後に供給され、セルロースを加水分解するための薬剤として再利用される。
このように、上述の第1実施形態によれば、中和部3で生じた石膏を硫酸還元部5で硫酸還元し、沈殿した炭酸カルシウムを中和剤として用い、さらに、ガス化した硫化水素から硫酸を生成してセルロースを加水分解するための薬剤として用いることで、石膏の循環利用を行うことができる。
したがって、第1実施形態では、石膏を有効利用できるため、廃棄物が発生することがない。また、現場で硫酸及び中和剤を生産できるため、原料輸送コストを削減できる。
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態について図2を参照して説明する。なお、第1実施形態と構成及び手法を同じくする部分の説明は割愛する。
図2は、本発明の第2実施形態における廃水処理装置を示す構成図である。
廃水処理装置(有機物の処理装置)1´は、硫酸を含む廃水からメタン発酵によりメタンを回収した後、廃水を浄化して放流する装置である。本実施形態の廃水処理装置1´は、前処理部2と、中和部3と、代謝物回収部4と、硫酸還元部5と、中和剤供給部6と、硫酸供給部7とを有する。
廃水は、前処理部2における所定の処理、例えば廃水中に懸濁した微粒子を凝集させる凝集剤の添加等により硫酸を含んでいる。中和部3では、硫酸を含む廃水のpHが低い場合、炭酸カルシウムを添加して中性付近まで中和する。その後、代謝物回収部4において、嫌気性処理を行い、メタンガスを回収する。なお、第2実施形態における代謝物回収部4は、第1実施形態における第2リアクタ43に相当する。
代謝物回収部4が備える嫌気性微生物群には、メタン生成菌及び硫酸還元菌が含まれている。メタン生成菌と硫酸還元菌とは、有機物の消費に関して競合関係にある。したがって、原料である廃水中に硫酸根が多く含まれる場合は、代謝物回収部4におけるメタンガスの発生が減少する。また、硫酸還元菌が発生する硫化水素は、メタン生成菌の反応を阻害するため、硫酸濃度が高い(有機物濃度/硫酸濃度の比で7.5(mg‐COD/mg‐SO)以下の)場合は、メタン生成菌の増殖が阻害される。このため、一般に有機物濃度/硫酸濃度の比で7.5〜20(mg‐COD/mg‐SO)以上で処理系を運転することが望ましい。
このため、中和部3では、先ず、硫酸を含む廃水に炭酸カルシウムまたは酸化カルシウムを添加して、硫酸根を石膏として沈殿・除去する。中和部3を経た処理液は硫酸根が除去されているので、代謝物回収部4では硫酸還元菌が増殖できず、一方のメタン生成菌が増殖して活動する。これにより、メタンガスの回収が可能となる。なお、上述したように、代謝物回収部4における嫌気性処理は、一般に有機物の除去が十分でないので、嫌気性処理後の処理液は、豊富な有機物を含んでいる。
次に、硫酸還元部5にて、この処理液と石膏とを混合し、嫌気性処理を行う。硫酸還元部5では、石膏(硫酸根)が添加されているので、メタン生成菌が増殖できず、一方の硫酸還元菌が増殖して活動する。これにより、炭酸カルシウム及び硫化水素の回収が可能となる。
なお、回収した炭酸カルシウム及び硫化水素は、第1実施形態と同じように中和剤供給部6及び硫酸供給部7で処理する。
このように、上述の第2実施形態によれば、中和部3で生じた石膏を硫酸還元部5で硫酸還元し、沈殿した炭酸カルシウムを中和剤として用い、さらに、ガス化した硫化水素から硫酸を生成して、前処理部2に供給することで、石膏の循環利用を行うことができる。
したがって、第2実施形態では、石膏を有効利用できるため、廃棄物が発生することがない。また、現場で硫酸及び中和剤を生産できるため、原料輸送コストを削減できる。
ちなみに、この廃水処理装置1´において、廃水として流入するCODに対して、硫酸カルシウムをどれだけ消費できるかを試算すると次のようになる。
ここで、SO→HSまで還元するのに必要なCOD/SOの重量比は、0.67(kg‐COD/kg‐SO)である(出典:産業廃水のための嫌気性バイオテクノロジー、R.E.Speece原著、松井三郎訳、技報堂出版、p330、1999)。よって、硫酸カルシウム相当だと、COD/CaSOは、0.47(kg‐COD/kg‐CaSO)となる。また、メタン発酵設備である代謝物回収部4に流入するCOD濃度が30000mg/Lであれば、廃水1Lあたり、硫酸カルシウムを64g処理できる。
なお、第1実施形態のようなバイオエタノール糖化プロセスにおいては、希硫酸法で約2%、硫酸を使って糖化液とする。この希硫酸入り糖化液1Lにカルシウムを添加して沈殿させると、28gの硫酸カルシウムができる。
硫酸を中和除去した糖化液は、廃水処理装置流入時にCOD濃度が約30000mg/Lの有機物を含むので、硫酸カルシウム処理可能上限値:64g>実際の硫酸カルシウム発生量:30g、となり、結果、外部から有機物を添加しなくても処理系内で全ての硫酸を還元できる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部及び手法の組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
1…バイオエタノール製造装置(有機物の処理装置)、1´…廃水処理装置(有機物の処理装置)、2…前処理部、3…中和部、4…代謝物回収部、5…硫酸還元部、6…中和剤供給部、7…硫酸供給部

Claims (10)

  1. 有機物に硫酸を加える前処理工程を経た処理液にカルシウム塩を加えて中和する中和工程と、前記中和工程を経た前記処理液を微生物群で嫌気性処理して代謝物を回収する代謝物回収工程とを有する有機物の処理方法であって、
    前記中和工程で沈殿した硫酸カルシウムを回収し、前記代謝物回収工程を経た前記処理液に加えて硫酸還元菌で嫌気性処理する硫酸還元工程と、
    前記硫酸還元工程で沈殿した炭酸カルシウムを回収し、前記カルシウム塩として前記中和工程に供給する中和剤供給工程とを有することを特徴とする有機物の処理方法。
  2. 前記硫酸還元工程で生じた硫化水素から硫酸を生成し、前記有機物に加える硫酸として前記前処理工程に供給する硫酸供給工程を有することを特徴とする請求項1に記載の有機物の処理方法。
  3. 前記中和剤供給工程では、前記回収した炭酸カルシウムを加熱して酸化カルシウムとした後に、前記カルシウム塩として前記中和工程に供給することを特徴とする請求項1または2に記載の有機物の処理方法。
  4. 前記代謝物回収工程では、メタン及びエタノールの少なくともいずれか一方を回収することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機物の処理方法。
  5. 前記硫酸還元菌は、前記微生物群に含まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機物の処理方法。
  6. 有機物に硫酸を加える前処理部を経た処理液にカルシウム塩を加えて中和する中和部と、前記中和部を経た前記処理液を微生物群で嫌気性処理して代謝物を回収する代謝物回収部とを有する有機物の処理装置であって、
    前記中和部で沈殿した硫酸カルシウムを回収し、前記代謝物回収部を経た前記処理液に加えて硫酸還元菌で嫌気性処理する硫酸還元部と、
    前記硫酸還元部で沈殿した炭酸カルシウムを回収し、前記カルシウム塩として前記中和部に供給する中和剤供給部とを有することを特徴とする有機物の処理装置。
  7. 前記硫酸還元部で生じた硫化水素から硫酸を生成し、前記有機物に加える硫酸として前記前処理部に供給する硫酸供給部を有することを特徴とする請求項6に記載の有機物の処理装置。
  8. 前記中和剤供給部は、前記回収した炭酸カルシウムを加熱して酸化カルシウムとした後に、前記カルシウム塩として前記中和部に供給することを特徴とする請求項6または7に記載の有機物の処理装置。
  9. 前記代謝物回収部は、メタン及びエタノールの少なくともいずれか一方を回収することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の有機物の処理装置。
  10. 前記硫酸還元菌は、前記微生物群に含まれていることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の有機物の処理装置。
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