(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態について図1ないし図5を参照して説明する。
(三次元画像表示装置)
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る三次元画像表示装置(以下、表示装置という)1Aは、画像を表示する表示パネル2と、その表示パネル2上に枠形状の接着部材3を介して設けられ、表示パネル2側にレンチキュラレンズ4aを有するレンズ板4とを備えている。これらの表示パネル2、接着部材3及びレンズ板4により形成される内部空間Nは気密封止され、内部空間Nはその内圧が大気圧より低い気密状態になっている。
表示パネル2は、アレイ基板等の背面基板となる第1基板2aと、前面基板となる第2基板2bとを具備している。この表示パネル2の面内には、複数の画素が所定のパターンで、例えばマトリクス状(格子状)に配列されている。このような表示パネル2としては、例えば液晶表示パネルを用いる。第1基板2aと第2基板2bとの間には、液晶層(図示せず)が設けられており、この表示パネル2の外面には、2つの偏光板2c、2dが設けられている。それらの偏光板2c、2dは、各々対向させて表示パネル2に配置されている。
第1基板2aは、例えば矩形状のガラス基板である。この第1基板2aの内面(第2基板2bに対向する面:図1中の上面)には、複数の画素電極やそれらに電位を供給するための電気配線(いずれも図示せず)等が設けられている。各画素電極は画素毎にドット状(点状)に設けられており、電気配線はマトリクス状(格子状)に設けられている。第2基板2bは、例えば矩形状のガラス基板である。この第2基板2bの内面(第1基板2aに対向する面:図1中の下面)には、カラーフィルタFや共通電極となる対向電極(図示せず)等が設けられている。カラーフィルタFは、ドット状あるいはストライプ状に設けられた複数の着色層(赤、緑及び青)と、ブラックマトリクス等の遮光層とにより構成されている。
接着部材3は、レンチキュラレンズ4aの周囲を囲むように表示パネル2とレンズ板4との間に設けられ、表示パネル2とレンズ板4とを接着するための部材である。この接着部材3は、例えば矩形の枠形状に表示パネル2とレンズ板4との間に形成されている。接着部材3は、表示パネル2とレンズ板4とを接合して内部空間Nを形成する側壁として機能し、内部空間Nの気密性も維持する。接着部材3としては、例えば光硬化性樹脂等を用いる。
レンズ板4は、三次元画像を生成するためのレンチキュラレンズ4aを有するレンズ基板やレンズシート等のレンズ部材である。このレンズ板4は、例えば矩形状の基板である。レンチキュラレンズ4aは、円柱を軸方向に2つに割った形状であるシリンドリカルレンズ(円筒面レンズ)4a1を軸方向(長手方向、すなわち稜線方向)に直交する方向(短手方向)に隣接させて並べることにより形成されている。ここで、シリンドリカルレンズ4a1は円筒状のレンズで一方向にのみ曲率があるレンズであり、一つの屈曲面を有している。また、レンチキュラレンズ4aは、レンズ板4の内面に固定されてレンズ板4の一部として設けられている。なお、レンチキュラレンズ4a及びレンズ板4は、別体で形成された後に一体化されても、最初から同一材料を用いて一体で形成されてもよい。
このような表示装置1Aは、マトリクス状に配置された各画素に対応する画素電極に対し、画像信号(画像データ)に応じて電圧を印加することにより、各画素(液晶層)の光学特性を変化させて画像を表示する。特に、表示装置1Aは、インテグラルイメージング方式を用いて、見る角度により微妙に見え方が異なる複数の視差画像(二次元画像)を表示し、三次元画像を形成する。この三次元画像は、自然で、見やすく、さらに疲れ難い画像であり、さらに、そのような三次元画像を見ることが可能な範囲は連続的となる。
ここで、レンチキュラレンズ4aと表示パネル2とが完全に密着していなかった場合には、それらの間にギャップが生じてしまう。すなわち、レンチキュラレンズ4aの凸部(レンズ端)とカラーフィルタFとの離間距離である垂直方向距離L(図1参照)は、許容範囲内(例えば、目標値±数十μmの範囲内)となる必要がある。例えば、レンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2(偏光板2c)との離間距離であるギャップが大きくなると、垂直方向距離Lが許容範囲外になり、視域角度の誤差も許容範囲外(例えば、目標値±数degの範囲外)になるため、三次元画像の表示品位が低下してしまう。また、レンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2(偏光板2c)とが完全に密着していた場合でも、製造後に自重による撓み、外部からの部分的な加圧及び周囲温度上昇等により、ギャップが発生してしまうことがある。このギャップが大きくなると、視域角度の誤差も許容範囲外となるため、三次元画像の表示品位が低下してしまう。
前述の表示装置1Aでは、表示パネル2、接着部材3及びレンズ板4はその内部空間Nの内圧が大気圧より低くされて気密封止されている。これにより、内部空間Nは、その内圧が大気圧より低い気密状態になっていることから、レンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2(偏光板2c)とが完全に密着し、その密着状態が保たれるので、ギャップがなく、垂直方向距離Lが許容範囲内になる。これにより、視域角度の誤差を許容範囲内にすることが可能になるので、三次元画像の表示品位の低下を防止することができる。特に、製造後でも、自重による撓み、外部からの部分的な加圧及び周囲温度上昇等により、ギャップが変化してしまうことを防止することが可能になるので、垂直方向距離Lを許容範囲内に維持することができる。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に係る表示装置1Aによれば、表示パネル2、接着部材3及びレンズ板4により気密の内部空間Nが形成されており、その内部空間Nの内圧は大気圧より低いことから、レンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2とが完全に密着するので、それらの離間距離であるギャップは存在せず、垂直方向距離Lが許容範囲内となる。その結果、視域角度の誤差は確実に許容範囲内となる。このように表示パネル2とレンズ板4とはギャップを生じさせずに貼り合わされ、垂直方向距離Lの増加、すなわち視域角度の誤差増加が抑えられるので、三次元画像の表示品位の低下を防止することができる。
特に、製造時にレンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2とが完全に密着していた場合でも、製造後に自重による撓み、外部からの部分的な加圧及び周囲温度上昇等により、ギャップが生じてしまうことがあるが、そのようなギャップの発生も防止し、垂直方向距離Lを許容範囲内に維持することが可能になるので、視域角度の誤差を許容範囲内に確実に保持することができる。
(三次元画像表示装置の製造装置)
次に、前述の表示装置1Aを製造する製造装置11について説明する。
図2に示すように、本発明の実施の形態に係る製造装置11は、第1チャンバ12a及び第2チャンバ12bからなる減圧チャンバ12と、その減圧チャンバ12内に設けられたステージ13と、そのステージ13をXYZθ方向に移動させるステージ移動機構14と、支柱15aに移動可能に設けられ第2チャンバ12bを支持するチャンバ保持部15と、チャンバ保持部15内に移動可能に設けられた撮像部16と、減圧チャンバ12内を減圧する減圧部17と、撮像部16により撮像された画像等を表示する表示部18と、各部を制御する制御部19とを備えている。これらの各部は架台Dに設けられている。
減圧チャンバ12は、第1チャンバ12aと第2チャンバ12bとに分離可能に形成されている。この減圧チャンバ12は、第1チャンバ12aと第2チャンバ12bとが一体になった閉状態と、第1チャンバ12aと第2チャンバ12bとが分離した開状態となる。第1チャンバ12aはステージ13を下方から収容する下チャンバであり、第2チャンバ12bはステージ13を上方から収容する上チャンバである。これらの第1チャンバ12aと第2チャンバ12bとの閉空間、すなわち閉状態の減圧チャンバ12の内部は減圧部17により減圧されて大気圧より低い圧力状態(例えば、真空状態)になる。
ステージ13は、吸引吸着や静電吸着等の保持機構により表示パネル2を保持するステージである。表示パネル2はステージ13の保持面に載置され、その位置に保持機構により保持される。なお、表示パネル2の貼り合わせ面には、一部が不連続な枠形状の接着部材3が塗布されている(図3参照)。この接着部材3は、連続しない箇所である不連続部を有する枠形状に表示パネル2上に塗布されている。
ステージ移動機構14は、ステージ13をXYZθ方向(図2参照)に移動させる移動機構である。このステージ移動機構14は架台D上に設けられており、制御部19に電気的に接続されている。なお、θ方向は、図2中のXY平面内での回転方向である。このようなステージ移動機構14は、ステージ13をXYθ方向に移動させ、表示パネル2とレンズ板4との位置合わせを行う。なお、位置合わせは、表示パネル2の端部及びレンズ板4の端部にそれぞれ付されたアライメントマーク(位置合わせ用のマーク)に基づいて行われる。これらのアライメントマークは撮像部16により撮像される。
チャンバ保持部15は、第2チャンバ12bを保持し、ステージ13に対する接離方向であるZ軸方向(図2参照)に移動可能に架台D上の支柱15aに設けられている。このチャンバ保持部15は、移動機構(図示せず)によりZ軸方向、すなわち上下方向に移動する。これにより、減圧チャンバ12は開状態又は閉状態になる。また、チャンバ保持部15は、表示パネル2上に接着部材3を介して載置されたレンズ板4を押圧する押圧部15bを有している。さらに、チャンバ保持部15の内部には、撮像部16が上下方向に移動するための空間15cが設けられている。なお、押圧部15bは、撮像部16によるアライメントマークの撮像が可能に、例えば透明部材により形成されている。
撮像部16は、レンズ板4側からレンズ板4及び表示パネル2のアライメントマークを撮像する。この撮像部16は、チャンバ保持部15の内部にある空間15c内にステージ13に対する接離方向であるZ軸方向(図2参照)に移動可能に設けられており、制御部19に電気的に接続されている。撮像部16は、移動機構(図示せず)によりZ軸方向、すなわち上下方向に移動する。なお、撮像部16としては、例えばCCDカメラ等を用いる。撮像部16とステージ13上の表示パネル2との相対位置は、移動機構による撮像部16の上下移動等に応じて変化する。撮像部16のピント合わせは、移動機構による撮像部16の上下移動やオートフォーカス機能等により行われる。
減圧部17は、減圧チャンバ12内の空気等の気体(雰囲気)を排気する排気部である。減圧部17は、減圧チャンバ12内に連通する排気管やその排気管を介して減圧チャンバ12内の雰囲気を排気するポンプ(いずれも図示せず)等を備えている。このポンプは制御部19に電気的に接続されており、制御部19の制御に応じて減圧チャンバ12内の気体を吸引して排気する。
表示部18は、撮像部16により撮像された画像等を表示する。この表示部18は架台D上に設けられており、制御部19に電気的に接続されている。なお、表示部18としては、例えば、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等を用いる。
制御部19は、各部を集中的に制御するコントローラと、各種プログラムや各種データ等を記憶する記憶部と(いずれも図示せず)を備えている。記憶部は、コントローラのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)や不揮発メモリ等を有している。この制御部19は、記憶部に格納されている各種プログラムや各種データ等に基づいて各部の制御を行う。特に、制御部19は、データの計算又は加工等を行う一連のデータ処理、及び表示パネル2とレンズ板4との貼り合わせを行うための貼り合わせ処理等を実行する。この貼り合わせ処理は、位置合わせを行う位置合わせ処理(撮像を行う撮像処理も含む)や減圧を行う減圧処理等を含んでいる。なお、記憶部には、撮像条件や貼り合わせ条件(減圧条件も含む)等が格納されている。
(三次元画像表示装置の製造方法)
次に、前述の製造装置11を用いた表示装置1Aの製造方法(貼り合わせ方法)について説明する。なお、製造装置11の制御部19が貼り合わせ処理を実行して各部を制御する。
製造工程は、図3に示すように、ステージ13上の表示パネル2に対してレンズ板4を位置合わせしながら載置する載置工程と、図4に示すように、表示パネル2上のレンズ板4を押圧しながら内部空間Nを減圧する減圧工程と、図5に示すように、内部空間Nの減圧後に、その内部空間Nに連通する開口部Kを封止して閉じる閉口工程と、減圧チャンバ12内を大気圧に戻す大気復元工程(真空破壊工程)とを有している。
載置工程では、減圧チャンバ12が開状態で、表示パネル2がステージ13上に載置される。この表示パネル2上には、一部が不連続な枠形状(例えば、矩形の枠形状)の接着部材3が塗布されている。この接着部材3は、連続しない箇所である不連続部を有する枠形状に表示パネル2上に塗布されている。次に、図3に示すように、ハンドリングロボット等が有するロボットハンド20により、レンズ板4がそのレンチキュラレンズ4aを表示パネル2側に向けてステージ13上の表示パネル2に載置される。このとき、レンズ板4と表示パネル2との位置合わせは、撮像部16により撮像されたアライメントマークに基づいて行われる。ここで、撮像部16のピント合わせは、移動機構による撮像部16の上下移動やオートフォーカス機能等により行われる。また、レンズ板4はロボットハンド20に吸着機構(図示せず)により吸着されている。その後、硬化用の光が接着部材3に対して照射される。これにより、一部が不連続な枠形状の接着部材3が硬化される。
減圧工程では、チャンバ保持部15が移動機構により下降し、第1チャンバ12aと第2チャンバ12bとが密着し、減圧チャンバ12が閉状態となる。このとき、図4に示すように、表示パネル2上のレンズ板4はチャンバ保持部15の押圧部15bにより押圧される。この押圧力は、ステージ移動機構14によるステージ13のZ軸方向の移動により調整される。次いで、閉状態の減圧チャンバ12が減圧部17により減圧される。このとき、減圧チャンバ12内の気体が吸引され、同時に、内部空間Nに連通する開口部Kから内部空間N内の気体が吸引される。これにより、内部空間Nが減圧され、レンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2(偏光板2c)とが完全に密着する。なお、接着部材3の不連続部が内部空間Nに連通する開口部Kとなる。
閉口工程では、内部空間Nが減圧された状態で、図5に示すように、接着部材3aが塗布部21により開口部Kに塗布され、その開口部Kは接着部材3aにより閉じられる。次いで、硬化用の光が接着部材3aに対して照射される。これにより、開口部Kが完全に閉口されて、内部空間Nは大気圧より低く気密封止され、図1に示すような表示装置1Aが完成する。このとき、内部空間Nの気密性は保持されている。なお、塗布部21による接着部材3aの塗布は、減圧チャンバ12が減圧された状態で、作業員等の人により行われても良いし、減圧チャンバ12内に設けられた塗布部21等の機械により自動的に行われても良い。
大気復元工程では、チャンバ保持部15が移動機構により上昇し、第1チャンバ12aと第2チャンバ12bとの密着が開放され、減圧チャンバ12が開状態となる。その後、表示装置1Aは作業員等の人又はロボット等の機械によりステージ13上から本硬化用の装置に搬送され、その内部の接着部材3(接着部材3aも含む)が本硬化される。
このような製造工程において、レンチキュラレンズ4aの凸部(レンズ端)とカラーフィルタFとの離間距離である垂直方向距離L(図1参照)が許容範囲内(例えば、目標値±数十μmの範囲内)になるように、すなわち、レンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2との離間距離であるギャップが無くなるように、表示パネル2とレンズ板4とを貼り合せる必要がある。ギャップが大きくなると、垂直方向距離Lが許容範囲外になり、視域角度の誤差も許容範囲外(例えば、目標値±数degの範囲外)になるため、三次元画像の表示品位が低下してしまう。
前述の製造工程では、表示パネル2とレンズ板4とが貼り合わされ、表示パネル2、接着部材3及びレンズ板4により形成される内部空間Nが減圧され、その内部空間Nに連通する開口部Kが封止される。これにより、内部空間Nはその内圧が大気圧より低い気密状態になり、レンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2(偏光板2c)とが完全に密着し、その密着状態が保たれるので、ギャップがなく、垂直方向距離Lが許容範囲内になる。その結果、視域角度の誤差を許容範囲内にすることが可能になるので、三次元画像の表示品位の低下を防止することができる。特に、製造後でも、自重による撓み、外部からの部分的な加圧及び周囲温度上昇等により、ギャップが変化してしまうことを防止することが可能になるので、垂直方向距離Lを許容範囲内に維持することができる。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に係る製造方法によれば、レンチキュラレンズ4aを有するレンズ板4と画像を表示する表示パネル2とを、表示パネル2にレンチキュラレンズ4aを向けて、一部が不連続な枠形状の接着部材3を介して貼り合わせ、その後、内部空間Nを減圧し、その内部空間Nに連通する開口部Kを封止することによって、内部空間Nはその内圧が大気圧より低い気密状態となり、レンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2(偏光板2c)とが完全に密着するので、それらの離間距離であるギャップは存在せず、垂直方向距離Lが許容範囲内となる。その結果、視域角度の誤差は確実に許容範囲内となる。
このようにギャップを生じさせずに表示パネル2とレンズ板4とを貼り合わすことが可能となり、垂直方向距離Lの増加、すなわち視域角度の誤差増加が抑えられるので、三次元画像の表示品位の低下を防止することができる。特に、製造時にレンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2とが完全に密着していた場合でも、製造後に自重による撓み、外部からの部分的な加圧及び周囲温度上昇等により、ギャップが生じてしまうことがあるが、そのようなギャップの発生も防止し、垂直方向距離Lを許容範囲内に維持することが可能になるので、視域角度の誤差を許容範囲内に確実に保持することができる。
また、貼り合わせる工程では、レンズ板4と表示パネル2とが密着する方向にレンズ板4を押圧することから、レンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2とを確実に密着させることが可能になるので、垂直方向距離Lを確実に許容範囲内にすることができる。なお、ここでは、レンズ板4を押圧しているが、これに限るものではなく、表示パネル2及びレンズ板4のいずれか一方又は両方を押圧するようにすればよい。
ここで、前述の表示装置1Aの製造方法の変形例1乃至3について説明する。
変形例1では、接着部材3は連続な枠形状に表示パネル2上に塗布されており、さらに、載置工程と減圧工程とが同一工程として行われ、閉口工程は行われない。載置及び減圧を行う工程では、減圧チャンバ12が開状態で、表示パネル2がステージ13上に載置される。この表示パネル2上には、連続な枠形状(例えば、矩形の枠形状)の接着部材3が塗布されている。次いで、減圧チャンバ12が閉じられ、減圧雰囲気中で、レンズ板4がそのレンチキュラレンズ4aを表示パネル2に向けてステージ13上の表示パネル2に載置される。このとき、レンズ板4と表示パネル2との位置合わせは、撮像部16により撮像されたアライメントマークに基づいて閉状態の減圧チャンバ12内で行われる。なお、レンズ板4は、減圧チャンバ12が閉状態で、位置合わせ後、減圧チャンバ12内に設けられた載置用の機械(図示せず)により、ステージ13上の表示パネル2に載置される。
この変形例1に係る製造方法によれば、減圧雰囲気中で、レンチキュラレンズ4aを有するレンズ板4と画像を表示する表示パネル2とを、表示パネル2にレンチキュラレンズ4aを向けて、連続な枠形状の接着部材3を介して貼り合わせることによって、内部空間Nはその内圧が大気圧より低い気密状態となり、レンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2(偏光板2c)とが完全に密着する。これにより、前述の表示装置1Aの製造方法と同様の効果を得ることができる。特に、載置工程と減圧工程とを同時に行い、さらに、閉口工程を行う必要がなくなるので、工程数を削減することができ、その結果、製造時間を短縮することができる。
変形例2では、接着部材3は、一部が不連続な枠形状に表示パネル2上に塗布されており、さらに、減圧工程において閉状態の減圧チャンバ12は減圧されず、内部空間Nの気体(例えば、閉状態の減圧チャンバ12内の気体)が加熱され、閉口工程においてその内部空間Nの気体が加熱された状態で開口部Kが封止される。これにより、内部空間Nの気体温度が室温より高い状態で、開口部Kが封止されるので、その後、内部空間Nの気体温度が室温程度に下がると、内部空間Nはその内圧が大気圧より低い気密状態となる。なお、製造装置11には、減圧チャンバ12の内部の気体を加熱する機構(図示せず)が設けられている。
この変形例2に係る製造方法によれば、レンチキュラレンズ4aを有するレンズ板4と画像を表示する表示パネル2とを、表示パネル2にレンチキュラレンズ4aを向けて、一部が不連続な枠形状の接着部材3を介して貼り合わせ、その後、表示パネル2、接着部材3及びレンズ板4により形成される内部空間N内の気体を加熱し、内部空間Nに連通する開口部Kを封止することによって、内部空間N内の気体の温度が室温程度に戻ると、内部空間Nはその内圧が大気圧より低い気密状態となり、レンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2(偏光板2c)とが完全に密着する。これにより、前述の表示装置1Aの製造方法と同様の効果を得ることができる。
変形例3では、接着部材3は連続な枠形状に表示パネル2上に塗布されている。さらに、載置工程において内部空間N内にゲッター剤が封入され、減圧工程において閉状態の減圧チャンバ12は減圧されず、内部空間Nの気体(例えば、閉状態の減圧チャンバ12内の気体)が加熱され、閉口工程は行われない。これにより、内部空間N内に封入されたゲッター剤が活性化し、内部空間Nの内圧が大気圧よりも小さくなるので、内部空間Nはその内圧が大気圧より低い気密状態となる。ここで、ゲッター剤は、例えば空気や水蒸気等のガス(気体分子)を吸着するものである。なお、製造装置11には、減圧チャンバ12の内部の気体を加熱する機構(図示せず)が設けられている。
この変形例3に係る製造方法によれば、レンチキュラレンズ4aを有するレンズ板4と画像を表示する表示パネル2とを、表示パネル2にレンチキュラレンズ4aを向けて、ゲッター剤を封入しながら連続な枠形状の接着部材3を介して貼り合わせ、その後、ゲッター剤を加熱して活性化することによって、内部空間Nはその内圧が大気圧より低い気密状態となり、レンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2(偏光板2c)とが完全に密着する。これにより、前述の表示装置1Aの製造方法と同様の効果を得ることができる。特に、閉口工程を行う必要がなくなるので、工程数を削減することができ、その結果、製造時間を短縮することができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態について図6ないし図9を参照して説明する。
本発明の第2の実施の形態に係る三次元画像表示装置(以下、表示装置という)は、第1の実施の形態に係る表示装置1Aと同じ構造を有している。したがって、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と異なる部分について説明する。なお、第2の実施の形態においては、第1の実施の形態で説明した部分と同じ部分の説明を省略する。
(三次元画像表示装置の製造装置)
図6及び図7に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る製造装置31は、第1チャンバ32a及び第2チャンバ32bからなる減圧チャンバ32と、その減圧チャンバ32内に設けられたステージ33と、そのステージ33に対向させて所定の高さにレンズ板4を支持する支持部34と、ステージ33をXYZθ方向に移動させるステージ移動機構35と、第2チャンバ32bをXZ軸方向に移動させるチャンバ移動機構36と、撮像動作を行う撮像部37と、その撮像部37をZ軸方向に移動させる撮像移動機構38と、減圧チャンバ32内を減圧する減圧部39と、硬化用の光を照射する複数の照射ヘッド40と、各部を制御する制御部41とを備えている。これらの各部は架台42に設けられている。
減圧チャンバ32は、第1チャンバ32aと第2チャンバ32bとに分離可能に形成されている。この減圧チャンバ32は、第1チャンバ32aと第2チャンバ32bとが一体になった閉状態と、第1チャンバ32aと第2チャンバ32bとが分離した開状態となる。第1チャンバ32aはステージ33を下方から収容する下チャンバであり、第2チャンバ32bはステージ33を上方から収容する上チャンバ(蓋チャンバ)である。これらの第1チャンバ32aと第2チャンバ32bとの閉空間、すなわち閉状態の減圧チャンバ32の内部は減圧部39により減圧されて大気圧より低い圧力状態(例えば、真空状態)になる。
ステージ33は、吸引吸着の保持機構により表示パネル2を保持するステージである。表示パネル2はステージ33の保持面に載置され、その位置に保持機構により保持される。なお、載置される表示パネル2の貼り合わせ面には、連続な枠形状の接着部材3が塗布されている。
このステージ33の内部には、図7及び図8に示すように、光を照射するバックライト等の光照射部43が設けられている。この光照射部43は、表示パネル2とレンズ板4とを貼り合わせる際にアライメントマーク(アライメントチャート)撮像用に点灯される。光照射部43は制御部41に電気的に接続されており、制御部41による制御に応じて点灯及び消灯される。なお、ステージ33には、図8に示すように、開口部33aが略中央に位置付けられて例えば矩形状に形成されており、光照射部43から出射された光はその開口部33aから表示パネル2に入射することになる。また、ステージ33の保持面には、複数の吸着溝33bが開口部33aの周囲に位置付けられて設けられている。
支持部34は、図7及び図8に示すように、レンズ板4を着脱可能に保持する保持枠34aと、その保持枠34aをステージ33に対して所定の高さに支持する支持板34b及び一対の支持部材34c、34dとにより構成されている。保持枠34aは吸引吸着の保持機構によりレンズ板4の周縁を保持する。この保持枠34aは、必要な強度を得るため例えば金属等により形成されている。また、支持板34bと一対の支持部材34c、34dとは、ステージ33を介して互いに対向する位置に設置され、第1チャンバ32aの底面に固定されている。
保持枠34aは、図7及び図8に示すように、一対の支持部材34c、34dの上端部に回動可能に設けられている。この保持枠34aには、複数の吸着溝34a1、複数の貫通孔34a2、カウンタウェイト34a3及びハンドル34a4が設けられている。各吸着溝34a1は、保持枠34aの開口の周囲に位置付けられて保持枠34aの保持面に形成されている。各貫通孔34a2は、各照射ヘッド40から出射された光をそれぞれ通過させる。これにより、硬化用の光が、密着状態の表示パネル2とレンズ板4との間に位置する接着部材3に対して照射される。また、ハンドル34a4が操作者により持たれ、保持枠34aの回動が行われる。レンズ板4を保持した状態の保持枠34aの自由端が支持板34bの上端部に当接し、レンズ板4がステージ33上の表示パネル2に対向して所定の高さに位置する。この状態で、保持枠34aの自由端は複数の固定部材44により支持板34bの上端部に固定され、加えて、保持枠34aの固定端も複数の固定部材44により固定される。
各固定部材44は、図7に示すように、保持枠34aに当接して保持枠34aを押さえる押さえ部材44aと、その押さえ部材44aに固定された回転軸44bと、その回転軸44bのZ軸方向の移動及びθ方向の回転を行う駆動部44cとによりそれぞれ構成されている。これらの固定部材44は減圧チャンバ32の内部に設けられている。固定部材44は、回転軸44bを介してθ方向及びZ軸方向の下方向(図7中)に押さえ部材44aを動かし、保持枠34aを固定する固定位置に移動させる。また、固定部材44は、回転軸44bを介してZ軸方向の上方向(図7中)及びθ方向に押さえ部材44aを動かし、固定位置から保持枠34aを開放する待機位置に移動させる。なお、駆動部44cの一部は減圧チャンバ32の外部に突出しているが、減圧チャンバ32はその気密性が維持されるように形成されている。駆動部44cの突出部分が接続線により制御部41に接続され、駆動部44cは制御部41に電気的に接続されている。
図7に戻り、ステージ移動機構35は、減圧チャンバ32外からステージ33をXYZθ方向(図6及び図7参照)に移動させる移動機構である。このステージ移動機構35は、減圧チャンバ32の外部に設けられており、制御部41に電気的に接続されている。なお、θ方向は、図6及び図7中のXY平面内での回転方向である。
ステージ移動機構35は、減圧チャンバ32内に侵入してステージ33を支持する複数の支柱35aと、それらの支柱35aが固定されたテーブル35bと、そのテーブル35bを支持してXYZθ方向に移動させるテーブル移動機構35cと、各支柱35aの周囲を囲むように、すなわちそれらの支柱35aをそれぞれ内蔵するように減圧チャンバ32とテーブル35bとの間に取り付けられた複数の第1ベローズ35dと、テーブル35bと架台42(すなわち、架台42におけるテーブル移動機構35cが載置された載置面42a)との間に取り付けられた複数の第2ベローズ35eとを備えている。
各支柱35aは、第1チャンバ32aの底面に設けられた各貫通孔32a1に挿入されてステージ33を支持している。各支柱35aの一端がステージ33の下面に固定され、それらの他端がテーブル35bに固定されている。例えば、これらの支柱35aは円柱形状に形成されている。
テーブル35bは、XYZθ方向に移動可能にテーブル移動機構35c上に積層されている。テーブル移動機構35cは、テーブル35bをXYZθ方向に移動させ、そのテーブル35bに固定された各支柱35aを介してステージ33をXYZθ方向に移動させる。
各第1ベローズ35d及び各第2ベローズ35eは、伸縮可能な伸縮管である。各第1ベローズ35dは、減圧チャンバ32内に連通する各貫通孔32a1を介して減圧チャンバ32の内部とつながっており、その気密性も維持している。また、各第2ベローズ35eは、減圧チャンバ32内に連通する連通管35e1を介して減圧チャンバ32の内部とつながっており、その気密性も維持している。なお、各第1ベローズ35d及び各第2ベローズ35eとしては、例えば、減圧チャンバ32の減圧により変形しない強度を有する金属製の伸縮管などを用いる。
ここで、減圧チャンバ32の減圧が進行すると、ステージ33が上方向(図7中)に引っ張られ、そのステージ33に各支柱35aを介して接続されたテーブル35bが傾いてしまうことがある。この状態で、貼り合わせが行われると、Z(ギャップ)、X、θ方向の精度が悪化し、許容範囲内におさまらなくなることがある。そこで、連通管35e1を介して減圧チャンバ32の内部と各第2ベローズ35eとを連通させることによって、ステージ33が上方向に引っ張られる力とほぼ同じ力で、テーブル35bを下方向(図7中)に引っ張ることが可能になる。これにより、ステージ33に各支柱35aを介して接続されたテーブル35bが傾くことを抑止することができ、その結果、ギャップの不均一を抑えることができ、加えて、Z(ギャップ)、X、θ方向の精度を許容範囲内におさめることができる。なお、各第2ベローズ35eのサイズや数などは、ステージ33が上方向に引っ張られる力とほぼ同等となるように決定される。
このようなステージ移動機構35は、ステージ33をXYθ方向に移動させ、表示パネル2とレンズ板4(レンチキュラレンズ4a)との位置合わせを行い、さらに、Xθ方向に微調整を行いながら、表示パネル2をZ軸方向に移動させて表示パネル2とレンズ板4との貼り合わせを行う。すなわち、ステージ移動機構35は、表示パネル2とレンズ板4とを相対移動させる移動動作を行う移動機構として機能する。この移動動作としては、レンズ板4のレンチキュラレンズ4aと表示パネル2との位置合わせを行う位置合わせ用の移動動作やレンズ板4と表示パネル2との貼り合わせを行う貼り合わせ用の移動動作等がある。なお、位置合わせは、表示パネル2の端部及びレンズ板4の端部にそれぞれ付されたアライメントマーク(位置合わせ用のマーク)、あるいは、表示パネル2の画像表示によるアライメントチャート(アライメントマークを有する位置合わせ用の縞々のチャート)に基づいて行われる。アライメントマークあるいはアライメントチャートは撮像部37により撮像される。
チャンバ移動機構36は、図6に示すように、第2チャンバ32bをZ軸方向に移動させるZ軸移動機構36aと、そのZ軸移動機構36aをX軸方向に移動させるX軸移動機構36bとにより構成されている。このチャンバ移動機構36は制御部41に電気的に接続されている。このようなチャンバ移動機構36は、操作者がステージ33及び保持枠34aに対して表示パネル2やレンズ板4を取り付ける場合、第2チャンバ32bを退避位置まで移動させ、さらに、表示パネル2とレンズ板4との貼り合わせを行う場合、減圧チャンバ32を閉じる閉位置まで第2チャンバ32bを移動させる。
撮像部37は、表示パネル2に対して視距離からレンズ板4を介して撮像動作を行って画像(アライメントマーク又はアライメントチャートを含む画像)を取得する。この撮像部37は、ステージ33に対する接離方向であるZ軸方向(図7中の上下方向)に移動可能に撮像移動機構38に設けられており、制御部41に電気的に接続されている。撮像部37としては、例えばCCDカメラ等を用いる。撮像部37のピント合わせは、撮像移動機構38による撮像部37の上下移動やオートフォーカス機能等により行われる。
撮像移動機構38は、架台42上に固定された支柱37aにZ軸方向に沿うように設けられ、撮像部37をZ軸方向に移動させる移動機構である。この撮像移動機構38は、支柱37aに固定されて設けられており、制御部41に電気的に接続されている。撮像移動機構38としては、例えば、リニアモータ機構や送りねじ機構等を用いる。なお、撮像部37はアーム部材等の支持部材37bを介して撮像移動機構38に設けられている。
減圧部39は、減圧チャンバ32内の空気等の気体(雰囲気)を排気する第1吸引ポンプ39a、保持枠34aに吸着力を与える第2吸引ポンプ39b及びステージ33に吸着力を与える第3吸引ポンプ39c等を備えている(図7参照)。第1吸引ポンプ39aは、減圧チャンバ32内に連通する排気管39a1を介して減圧チャンバ12内の雰囲気を排気する。第2吸引ポンプ39bは、保持枠34aの各吸着溝34a1(図8参照)に連通する排気管39b1を介して各吸着溝34a1から雰囲気を排気する。第3吸引ポンプ39cは、ステージ33の各吸着溝33b(図8参照)に連通する排気管39c1を介して各吸着溝33bから雰囲気を排気する。これらの第1吸引ポンプ39a、第2吸引ポンプ39b及び第3吸引ポンプ39cは制御部41に電気的に接続されており、制御部41の制御に応じて駆動される。
各照射ヘッド40は、第2チャンバ32bの窓Mを避けて枠形状の線上に位置付けられて第2チャンバ32bに設けられている。第2チャンバ32bの窓Mは、撮像部37による撮像が可能になるように例えばガラス等の透明部材を用いて第2チャンバ32bに形成されている。各照射ヘッド40は、密着状態の表示パネル2とレンズ板4との間に位置する接着部材3に対してそれぞれ光を照射し、その接着部材3を部分的に硬化させる(仮硬化)。このとき、各照射ヘッド40から出射された光は、保持枠34aの各貫通孔34a2をそれぞれ通過して接着部材3まで到達する。
制御部41は、各部を集中的に制御するコントローラと、各種プログラムや各種データ等を記憶する記憶部と、操作者からの入力操作を受け付ける操作部とを備えている(いずれも図示せず)。記憶部は、コントローラのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)や不揮発メモリ等を有している。この制御部41は、記憶部に格納されている各種プログラムや各種データ等に基づいて各部の制御を行う。特に、制御部41は、データの計算又は加工等を行う一連のデータ処理、及び表示パネル2とレンズ板4との貼り合わせを行うための貼り合わせ処理等を実行する。この貼り合わせ処理は、位置合わせを行う位置合わせ処理(撮像を行う撮像処理も含む)や減圧を行う減圧処理等を含んでいる。なお、記憶部には、撮像条件や貼り合わせ条件(減圧条件も含む)等が格納されている。また、操作部には、パネル吸着ボタン、レンズ吸着ボタン及びスタートボタン等の各種ボタンが設けられている。
(三次元画像表示装置の製造方法)
次に、前述の製造装置31を用いた表示装置1Aの製造方法(貼り合わせ方法)について説明する。なお、製造装置31の制御部41が貼り合わせ処理を実行して各部を制御する。初期状態として、減圧チャンバ32の第2チャンバ32bが退避位置にあり(減圧チャンバ32は開状態であり)、保持枠34aも開状態である(図8参照)。
図9に示すように、まず、制御部41は、パネル吸着ボタンが押下されたか否かを判断し(ステップS1)、パネル吸着ボタンの押下に待機する(ステップS1のNO)。操作者は、保持枠34aが開状態で(図8参照)、ステージ33上に表示パネル2を載置し、パネル吸着ボタンを押下する。
パネル吸着ボタンが押下されたと判断した場合には(ステップS1のYES)、第3吸引ポンプ39cを駆動し、表示パネル2の吸着を行う(ステップS2)。これにより、表示パネル2はステージ33に固定される。なお、位置合わせを行う際に表示パネル2の画像表示によるアライメントチャートを用いる場合には、この吸着工程で、制御部41に接続された伝送線が表示パネル2のドライバ回路(信号インタフェイス)にコネクタを介して接続され、表示パネル2が制御部41に電気的に接続される。
次いで、制御部41は、レンズ吸着ボタンが押下されたか否かを判断し(ステップS3)、レンズ吸着ボタンの押下に待機する(ステップS3のNO)。操作者は、保持枠34aが開状態で(図8参照)、保持枠34a上にレンズ板4を載置し、レンズ吸着ボタンを押下する。
レンズ吸着ボタンが押下されたと判断した場合には(ステップS3のYES)、第2吸引ポンプ39bを駆動し、レンズ板4の吸着を行う(ステップS4)。これにより、レンズ板4は保持枠34aに固定される。
その後、制御部41は、スタートボタンが押下されたか否かを判断し(ステップS5)、スタートボタンの押下に待機する(ステップS5のNO)。操作者は、ハンドル34a4を持って保持枠34aを回動させて閉状態にし(図7参照)、スタートボタンを押下する。
スタートボタンが押下されたと判断した場合には(ステップS5のYES)、各固定部材44により保持枠34aを固定し(ステップS6)、チャンバ移動機構36により減圧チャンバ32の第2チャンバ32bを移動させて減圧チャンバ32を閉じ(ステップS7)、第1吸引ポンプ39aを駆動し、減圧チャンバ32内に連通する排気管39a1を介して減圧チャンバ12内の雰囲気を排気して、所定の真空圧まで減圧チャンバ32内の減圧を行う(ステップS8)。
その後、制御部41は、保持枠34aが閉じた状態で、ステージ移動機構35によりステージ33をXYθ方向に移動させ(ステージ33の第1移動)、レンズ板4に対し表示パネル2を相対移動させて表示パネル2とレンチキュラレンズ4aとの平面方向の位置合わせ(アライメント)を行う(ステップS9)。このとき、制御部41は、撮像移動機構38により撮像部37を撮影位置に移動させ、光照射部43により表示パネル2に撮像用の光を照射し、その後、撮像部37により画像を取得し、取得した画像を用いて位置合わせを行う。ここで、表示パネル2とレンチキュラレンズ4aとの平面方向の相対位置のずれが許容範囲内(例えば、目標値±数μmの範囲内)になるように表示パネル2とレンズ板4との位置合わせが行われる。
次いで、制御部41は、保持枠34aが閉じた状態で、ステージ移動機構35によりステージ33をZ軸方向の上方向(図7中)に移動させ(ステージ33の第2移動)、レンズ板4に対して表示パネル2を加圧し(ステップS10)、再度、前述と同様に、表示パネル2とレンチキュラレンズ4aとの平面方向の位置合わせ(アライメント)を行い(ステップS11)、各照射ヘッド40により硬化用の照射を行う(ステップS12)。これにより、レンズ板4と表示パネル2とが密着した状態で、連続な枠形状の接着部材3が部分的に硬化する。
その後、制御部41は、第2吸引ポンプ39bの駆動を停めてレンズ板4の吸着を解除し(ステップS13)、ステージ移動機構35によりステージ33をZ軸方向の下方向(図7中)に移動させ、かつ、撮像移動機構38により撮像部37を退避位置に移動させ、第1吸引ポンプ39aの駆動を停止して減圧チャンバ12内を大気開放し(ステップS15)、チャンバ移動機構36により減圧チャンバ32の第2チャンバ32bを退避位置まで移動させて減圧チャンバ32を開け(ステップS16)、各固定部材44による保持枠34aの固定を解除し(ステップS17)、最後に、第3吸引ポンプ39cの駆動を停めて表示パネル2の吸着を解除する(ステップS18)。
このようにして、減圧雰囲気中で表示パネル2とレンズ板4とが貼り合わされ、表示パネル2、接着部材3及びレンズ板4により形成される内部空間Nは大気圧より低く気密封止され、図1に示すような表示装置1Aが完成する。このとき、表示装置1Aの内部空間Nの気密性は保持されている。その後、表示装置1Aは作業員等の人又はロボット等の機械によりステージ33上から本硬化用の装置に搬送され、その内部の接着部材3が本硬化される。
このような製造工程において、レンチキュラレンズ4aの凸部(レンズ端)とカラーフィルタFとの離間距離である垂直方向距離L(図1参照)が許容範囲内(例えば、目標値±数十μmの範囲内)になるように、すなわち、レンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2との離間距離であるギャップが無くなるように、表示パネル2とレンズ板4とを貼り合せる必要がある。ギャップが大きくなると、垂直方向距離Lが許容範囲外になり、視域角度の誤差も許容範囲外(例えば、目標値±数degの範囲外)になるため、三次元画像の表示品位が低下してしまう。
前述の製造工程では、減圧雰囲気中で表示パネル2とレンズ板4とが貼り合わされる。これにより、表示パネル2、接着部材3及びレンズ板4により形成される内部空間Nはその内圧が大気圧より低い気密状態になり、レンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2(偏光板2c)とが完全に密着し、その密着状態が保たれるので、ギャップがなく、垂直方向距離Lが許容範囲内になる。その結果、視域角度の誤差を許容範囲内にすることが可能になるので、三次元画像の表示品位の低下を防止することができる。特に、製造後でも、自重による撓み、外部からの部分的な加圧及び周囲温度上昇等により、ギャップが変化してしまうことを防止することが可能になるので、垂直方向距離Lを許容範囲内に維持することができる。
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、減圧チャンバ32と、その減圧チャンバ32内に設けられたステージ33と、減圧チャンバ32内に設けられレンズ板4をステージ33に対向させて支持する支持部34と、減圧チャンバ32外からステージ33を移動させるステージ移動機構35と、減圧チャンバ32内を減圧する減圧部39と、ステージ移動機構35によりステージ33上の表示パネル2と支持部34により支持されたレンズ板4との位置合わせを行うステージ33の第1移動を行い、減圧部39により減圧チャンバ32内を減圧し、ステージ移動機構35によりステージ33上の表示パネル2を支持部34により支持されたレンズ板4に押し付けるステージ33の第2移動を行う制御部41とを備えることによって、減圧雰囲気下でレンズ板4と表示パネル2とを表示パネル2にレンチキュラレンズ4aを向けて連続な枠形状の接着部材3を介して貼り合わせることが可能になる。
これにより、表示装置1Aの内部空間Nはその内圧が大気圧より低い気密状態となり、レンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2(偏光板2c)とが完全に密着するので、それらの離間距離であるギャップは存在せず、垂直方向距離Lが許容範囲内となる。その結果、視域角度の誤差は確実に許容範囲内となる。このようにギャップを生じさせずに表示パネル2とレンズ板4とを貼り合わすことが可能となり、垂直方向距離Lの増加、すなわち視域角度の誤差増加が抑えられるので、三次元画像の表示品位の低下を防止することができる。特に、製造時にレンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2とが完全に密着していた場合でも、製造後に自重による撓み、外部からの部分的な加圧及び周囲温度上昇等により、ギャップが生じてしまうことがあるが、そのようなギャップの発生も防止し、垂直方向距離Lを許容範囲内に維持することが可能になるので、視域角度の誤差を許容範囲内に確実に保持することができる。
また、ステージ移動機構35は、減圧チャンバ32内に侵入してステージ33を支持する複数の支柱35aと、それらの支柱35aが固定されたテーブル35bと、テーブル35bを支持して移動させるテーブル移動機構35cと、減圧チャンバ32とテーブル35bとの間に各支柱35aをそれぞれ内蔵するように設けられ減圧チャンバ32内に連通する複数の第1ベローズ35dと、テーブル35bとテーブル移動機構35cが載置された載置面42aとの間に設けられ減圧チャンバ32内に連通する複数の第2ベローズ35eとを具備していることから、ゴミや埃などの発生要因となるテーブル移動機構35cが減圧チャンバ32内ではなく外部に存在するので、ゴミや埃などの付着に起因する製造不良を抑止することができる。さらに、各第2ベローズ35eが減圧チャンバ32内に連通されているので、減圧に起因するテーブル35bの傾きが抑えられるので、ギャップの不均一を抑止することができ、加えて、ギャップを許容範囲内におさめることができる。
また、前述の製造装置31を用いて表示装置1Aを製造することによって、レンズ板4のレンチキュラレンズ4aと表示パネル2の第1偏光板2cとの間のギャップを許容範囲内とし、視域角度の誤差を許容範囲内にすることが可能になるので、三次元画像の表示品位が良好な表示装置1Aを容易に得ることができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態について図10ないし図15を参照して説明する。
(三次元画像表示装置)
本発明の第3の実施の形態に係る三次元画像表示装置(以下、表示装置という)1Bは、第1の実施の形態に係る表示装置1Aと基本的に同じ構造を有している。したがって、第3の実施の形態では、第1の実施の形態に係る表示装置1Aと異なる部分について説明する。なお、第3の実施の形態においては、第1の実施の形態で説明した部分と同じ部分の説明を省略する。
図10に示すように、本発明の第3の実施の形態に係る表示装置1Bでは、内部空間Nの内圧は大気圧と同じであり、第2偏光板2dは、表示パネル2におけるレンズ板4側と反対側の第2表面H2(第1表面H1の反対面)上に設けられ、その第2表面H2の全領域を覆う部材である。すなわち、第2偏光板2dは、表示領域Eを含む第2表面H2の全領域にわたって設けられている。なお、第1偏光板2cは、第1の実施の形態に係る表示装置1Aと同様、表示パネル2におけるレンズ板4側の第1表面H1上であって接着部材3の枠内に設けられ、表示パネル2の表示に寄与する領域となる表示領域Eだけを覆う部材である。
(三次元画像表示装置の製造装置)
次に、前述の表示装置1Bを製造する製造装置51について説明する。
図11に示すように、本発明の第3の実施の形態に係る製造装置51は、表示パネル2が載置されるステージとして機能して載置状態の表示パネル2をXYZθ方向に移動させるステージ移動機構52と、そのステージ移動機構52に対向させて所定の高さにレンズ板4を支持する支持部53と、撮像動作を行う撮像部54と、その撮像部54をZ軸方向(図11中の上下方向)に移動させる撮像移動機構55と、撮像部54により撮像された画像等を表示する表示部56と、各部を制御する制御部57とを備えている。これらの各部は架台58に設けられている。
ステージ移動機構52は、表示パネル2をその自重や保持機構(例えば、吸引吸着や静電吸着等)により支持するステージとして機能する。表示パネル2はステージ移動機構52の保持面に載置される。なお、表示パネル2の貼り合わせ面には、枠形状の接着部材3が塗布されている(図12参照)。加えて、ステージ移動機構52は、載置された表示パネル2をXYZθ方向(図11参照)に移動させる移動機構としても機能する。このステージ移動機構52は架台58上に設けられており、制御部57に電気的に接続されている。なお、θ方向は、図11中のXY平面での回転方向である。
このステージ移動機構52は、表示パネル2をXYθ方向に移動させて表示パネル2とレンズ板4(レンチキュラレンズ4a)との位置合わせを行い、さらに、表示パネル2をZ軸方向に移動させて表示パネル2とレンズ板4との貼り合わせを行う(図13参照)。すなわち、ステージ移動機構52は、表示パネル2とレンズ板4とを相対移動させる移動動作を行う移動機構として機能する。この移動動作としては、レンズ板4のレンチキュラレンズ4aと表示パネル2との位置合わせを行う位置合わせ用の移動動作やレンズ板4と表示パネル2との貼り合わせを行う貼り合わせ用の移動動作等がある。なお、位置合わせは、表示パネル2の端部及びレンズ板4の端部にそれぞれ付されたアライメントマーク(位置合わせ用のマーク)、あるいは、表示パネル2の画像表示によるアライメントチャート(アライメントマークを有する位置合わせ用の縞々のチャート)に基づいて行われる。アライメントマークあるいはアライメントチャートは撮像部54により撮像される。
このようなステージ移動機構52の内部には、光を照射するバックライト等の光照射部59が設けられている。光照射部59は、表示パネル2とレンズ板4とを貼り合わせる際にアライメントマーク(アライメントチャート)撮像用に点灯される。この光照射部59は制御部57に電気的に接続されており、制御部57による制御に応じて点灯及び消灯される。なお、ステージ移動機構52には、開口部52aが略中央に位置付けられて例えば矩形状に形成されており、光照射部59から出射された光はその開口部52aから表示パネル2に入射することになる。この開口部52aの開口面積は、表示パネル2に対して前述の撮像に必要な光を照射可能なサイズに設定されており、加えて、貼り合わせ時にステージ移動機構52が表示パネル2を押圧する際の当接面積が最大になるように設定されている。これにより、ステージ移動機構52は、表示パネル2すなわち第2偏光板2dにおける接着部材3に対向する外面領域及び表示領域Eの周縁部を含む外面周縁領域を支持しており、貼り合わせ時にはその外面周縁領域を押圧することになる(図13参照)。
支持部53は、レンズ板4を着脱可能に保持する保持枠53aと、その保持枠53aをステージ移動機構52に対して所定の高さに支持する一対の支持板53b、53cとにより構成されている。保持枠53aは保持機構(例えば、吸引吸着や静電吸着等)によりレンズ板4の周縁を保持する。この保持枠53aは、撮像部54による撮像を妨げないように例えば透明材料等の透光性を有する材料(例えばアクリル樹脂等)により形成されている。一対の支持板53b、53cは、ステージ移動機構52を介して互いに対向する位置に設置され、架台58上に固定されている。なお、保持枠53aは、支持板53cの上端部に回動可能に設けられている。レンズ板4を保持した状態の保持枠53aの自由端が支持板53bの上端部に当接し、レンズ板4がステージ移動機構52上の表示パネル2に対向して所定の高さに位置する。この状態で、保持枠53aの自由端はネジ等の固定部材により支持板53bの上端部に固定され、その後、レンズ板4と表示パネル2との貼り合わせが行われる。
この貼り合わせは、図13に示すように、表示パネル2がステージ移動機構52によって、支持部53により保持されたレンズ板4に向かって移動する。これにより、ステージ移動機構52上の表示パネル2がレンズ板4に接近し、枠形状の接着部材3が押し潰され、表示パネル2の第1偏光板2cとレンズ板4のレンチキュラレンズ4aとが当接して密着し、表示パネル2とレンズ板4とが貼り合わされる。したがって、ステージ移動機構52及び支持部53が貼り合わせ機構Bとして機能する。
特に、貼り合わせ機構Bは、表示パネル2の第1表面H1にレンチキュラレンズ4aを向けて表示パネル2とレンズ板4とを接近方向に接着部材3を介して相対移動させ、レンズ板4における接着部材3に対向する外面領域に対し圧を直接加えてレンズ板4側から接着部材3を押圧し、第2偏光板2dにおける接着部材3に対向する外面領域に対し圧を直接加えて表示パネル2側から接着部材3を押圧して貼り合わせる。
なお、支持部53の保持枠53aは、レンズ板4における接着部材3に対向する外面領域に対し圧を直接加えてレンズ板4側から接着部材3を押圧する押圧部材として機能する。また、ステージ移動機構52は、保持枠53aに対し表示パネル2を近づけ、第2偏光板2dにおける接着部材3に対向する外面領域に対し圧を直接加えて表示パネル2側から接着部材3を押圧する移動機構として機能する。また、ステージ移動機構52は、第2偏光板2dにおける接着部材3に対向する外面領域を含む外面周縁領域を支持しており、その外面周縁領域内に位置する外面中央領域に対向する開口部52a及びその開口部52aから表示パネル2に光を照射する光照射部59を具備している。
撮像部54は、表示パネル2に対して視距離からレンズ板4を介して撮像動作を行って画像(アライメントマーク又はアライメントチャートを含む画像)を取得する。この撮像部54は、ステージ移動機構52に対する接離方向であるZ軸方向(図11中の上下方向)に移動可能に撮像移動機構55に設けられており、制御部57に電気的に接続されている。撮像部54としては、例えばCCDカメラ等を用いる。撮像部54のピント合わせは、撮像移動機構55による撮像部54の上下移動やオートフォーカス機能等により行われる。
撮像移動機構55は、架台58上に固定された支柱54aにZ軸方向に沿うように設けられ、撮像部54をZ軸方向に移動させる移動機構である。この撮像移動機構55は、支柱54aに固定されて設けられており、制御部57に電気的に接続されている。撮像移動機構55としては、例えば、リニアモータ機構や送りねじ機構等を用いる。なお、撮像部54はアーム部材等の支持部材を介して撮像移動機構55に設けられている。
表示部56は、撮像部54により撮像された画像等を表示する。この表示部56は架台58上に設けられており、制御部57に電気的に接続されている。なお、表示部56としては、例えば、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等を用いる。
制御部57は、各部を集中的に制御するコントローラと、各種プログラムや各種データ等を記憶する記憶部と(いずれも図示せず)を備えている。記憶部は、コントローラのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)や不揮発メモリ等を有している。この制御部57は、記憶部に格納されている各種プログラムや各種データ等に基づいて各部の制御を行う。特に、制御部57は、データの計算又は加工等を行う一連のデータ処理、及び表示パネル2とレンズ板4との貼り合わせを行うための貼り合わせ処理等を実行する。この貼り合わせ処理は、位置合わせを行う位置合わせ処理(撮像を行う撮像処理も含む)や減圧を行う減圧処理等を含んでいる。なお、記憶部には、撮像条件や貼り合わせ条件等が格納されている。
次に、前述の製造装置51を用いた表示装置1Bの製造方法(貼り合わせ方法)について説明する。なお、製造装置51の制御部57が貼り合わせ処理を実行して各部を制御する。このとき、枠形状の接着部材3が塗布された表示パネル2はステージ移動機構52上に載置されており、レンズ板4は保持枠53aが閉じた状態でステージ移動機構52上の表示パネル2に対する所定位置に存在している(図11及び図12参照)。
図14に示すように、まず、制御部57は光照射を行う(ステップS31)。すなわち、制御部57は、保持枠53aが閉じた状態で、光照射部59に照射動作を実行させる。ここで、照射動作は、表示パネル2に対して撮像用の光を照射する動作である。
次いで、制御部57は光照射状態で撮像を行う(ステップS32)。すなわち、制御部57は、保持枠53aが閉じた状態で、ステージ移動機構52によりレンズ板4に対して表示パネル2を撮像用の所定位置まで移動させ、撮像部54に撮像動作を実行させる。ここで、撮像動作は、ステージ移動機構52上の表示パネル2に対してレンズ板4を介して撮像を行う動作である。
レンズ板4は、図11及び図12に示すように、保持枠53aの閉状態により、ステージ移動機構52上の表示パネル2と撮像部54との間に位置付けられて表示パネル2に近接しており、その状態で撮像部54により撮像動作が行われる。このとき、レンズ板4のレンチキュラレンズ4aは表示パネル2側に位置している。撮像部54の撮像動作により画像が得られ、表示部56に表示される。
次に、制御部57は、求めた画像に基づいて位置合わせを行う(ステップS33)。すなわち、制御部57は、求めた画像から画像処理によりアライメントマーク又はアライメントチャートに基づくズレ量を算出し、算出したズレ量をなくすようにステージ移動機構52に位置合わせ用の移動動作を実行させる。これにより、ステージ移動機構52上の表示パネル2はズレ量分だけスライド移動及び回転移動し、レンチキュラレンズ4aと表示パネル2との平面方向の位置合わせが完了する。
その後、制御部57は、位置合わせの完了に応じて貼り合わせを行う(ステップS34)。すなわち、制御部57は、位置合わせが完了した場合、ステージ移動機構52に貼り合わせ用の移動動作を実行させる。これにより、ステージ移動機構52上の表示パネル2はレンズ板4に接近し、枠形状の接着部材3が押し潰され、表示パネル2の第1偏光板2cとレンズ板4のレンチキュラレンズ4aとが当接して密着し、表示パネル2とレンズ板4との貼り合わせが完了する(図13参照)。
最後に、硬化用の光が接着部材3に照射され、接着部材3が硬化される。その後、表示装置1Bは作業員等の人又はロボット等の機械によりステージ移動機構52上から本硬化用の装置に搬送され、その内部の接着部材3が本硬化される。
ここで、レンチキュラレンズ4aの凸部(レンズ端)とカラーフィルタFとの離間距離である垂直方向距離が許容範囲(例えば、目標値±数十μmの範囲)内になるように、すなわち、レンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2との離間距離であるギャップが許容範囲(例えば、目標値±数十μmの範囲)内になるように、表示パネル2とレンズ板4とを貼り合わせる必要がある。ギャップが大きくなると、垂直方向距離が許容範囲外になり、視域角度の誤差も許容範囲(例えば、目標値±数degの範囲)外になるため、三次元画像の表示品位が低下してしまう。
また、図15に示すように、三次元画像を表示する表示装置100は、画像を表示する表示パネル101と、その表示パネル101上に枠形状の接着部材102を介して設けられたレンズ板103とを備えている。このレンズ板103は、表示パネル101側にレンチキュラレンズ103aを有している。また、表示パネル101の外面には、2つの偏光板104a、104bが各々対向させて表示パネル101を挟むように設けられている。さらに、各偏光板104a、104bは、表示パネル101の表示に寄与する領域、すなわち表示パネル101上の表示領域Eだけに設けられている。これにより、偏光板104bの使用材料量が減少するので、材料コスト等が抑えられている。表示パネル101上にレンズ板103を設ける場合には、そのレンズ板103を表示パネル101上に載置し、その載置状態で表示パネル101とレンズ板103とを密着方向に押圧することにより密着させて貼り合わせている。なお、表示パネル101はステージ上に設けられている。
しかしながら、図15に示すように、偏光板104bは表示領域E上だけに設けられているため、表示パネル101における接着部材102に対向する外面領域、すなわち接着部材102の下方(図15中)に位置する外面領域に偏光板104bは存在せず、表示パネル101とステージとの間には隙間が生じてしまう。このため、表示パネル101とレンズ板103とを貼り合わせる際には、接着部材102に対向する外面領域に圧が直接かからず、接着部材102が潰れ難くなってしまう。これにより、表示パネル101の偏光板104aとレンズ板103のレンチキュラレンズ103aとが完全に密着せず、それらの間にはギャップ(離間距離)が生じてしまうことがある。このギャップが許容範囲(例えば、目標値±数十μmの範囲)内に入らないと、視域角度の誤差も許容範囲外となるため、三次元画像の表示品位が低下してしまう。
前述の貼り合わせ工程では、第2偏光板2dが表示パネル2の第2表面H2の全領域を覆うように第2表面H2上に設けられているので(図10及び図13参照)、前述の表示装置100と比べ(図15参照)、接着部材3に対向する位置(外面領域)まで第2偏光板2dが存在しており、図13に示すように、第2偏光板2dにおける接着部材3に対向する外面領域とステージ移動機構52との間には隙間が生じていない。これにより、表示パネル2とレンズ板4とを貼り合わせる場合、第2偏光板2dにおける接着部材3に対向する外面領域に圧が直接加えられ、接着部材3が良好に潰れることになるので、表示パネル2の第1偏光板2cとレンズ板4のレンチキュラレンズ4aとが完全に密着し、それらの間にギャップ(離間距離)が発生してしまうことが抑えられる。その結果、ギャップが許容範囲内となり、垂直方向距離が許容範囲内となるので、視域角度の誤差は許容範囲内になる。
以上説明したように、本発明の第3の実施の形態によれば、表示パネル2の第2表面H2の全領域を覆う第2偏光板2dを第2表面H2上に設けることによって(図10及び図13参照)、表示装置1Bをステージ移動機構52上に載置した場合でも、前述の表示装置100と比べ(図15参照)、接着部材3に対向する位置まで第2偏光板2dが存在しており、図13に示すように、第2偏光板2dにおける接着部材3に対向する外面領域とステージ移動機構52との間には隙間が生じていない。これにより、表示パネル2とレンズ板4とを貼り合わせる場合、第2偏光板2dにおける接着部材3に対向する外面領域に圧が直接加えられ、接着部材3が良好に潰れるので、表示パネル2の第1偏光板2cとレンズ板4のレンチキュラレンズ4aとが完全に密着し、それらの間にギャップ(離間距離)が発生してしまうことを抑えることができる。その結果、ギャップが許容範囲内となり、視域角度の誤差を許容範囲内にすることが可能になるので、三次元画像の表示品位の低下を防止することができる。
また、貼り合わせ機構Bが、表示パネル2の第1表面H1にレンチキュラレンズ4aを向けて表示パネル2とレンズ板4とを接近方向に接着部材3を介して相対移動させ、レンズ板4における接着部材3に対向する外面領域に対し圧を直接加えてレンズ板4側から接着部材3を押圧し、第2偏光板2dにおける接着部材3に対向する外面領域に対し圧を直接加えて表示パネル2側から接着部材3を押圧して貼り合わせることから、第2偏光板2dにおける接着部材3に対向する外面領域に圧が直接加えられ、接着部材3が良好に潰れるので、表示パネル2の第1偏光板2cとレンズ板4のレンチキュラレンズ4aとが完全に密着し、それらの間にギャップ(離間距離)が発生してしまうことを確実に抑えることができる。
なお、ステージ移動機構52の開口部52aの開口面積を必要以上に大きくした場合には、表示パネル2を支持する支持領域が小さくなるため、表示パネル2が撓んでしまう。これは、第1偏光板2cとレンチキュラレンズ4aとの間にギャップを発生させる要因となる。したがって、開口部52aの開口面積は、表示パネル2に対して撮像用に必要な光を照射可能なサイズに設定されており、加えて、貼り合わせ時に表示パネル2を押圧する面積が最大になるように設定されている。このようにして表示パネル2の撓みを抑えることができる。
また、前述の貼り合わせ機構Bを備える製造装置51を用いて表示装置1Bを製造することによって、表示パネル2の第1偏光板2cとレンズ板4のレンチキュラレンズ4aとの間のギャップを許容範囲内とし、視域角度の誤差を許容範囲内にすることが可能になるので、三次元画像の表示品位が良好な表示装置1Bを容易に得ることができる。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態について図16ないし図24を参照して説明する。
本発明の第4の実施の形態に係る三次元画像表示装置(以下、表示装置という)は、第3の実施の形態に係る表示装置1Bと同じ構造を有している。また、本発明の第4の実施の形態に係る表示装置の製造装置は、第3の実施の形態に係る表示装置の製造装置51と同じ構造を有している。したがって、第4の実施の形態では、第3の実施の形態と異なる部分について説明する。なお、第4の実施の形態においては、第3の実施の形態で説明した部分と同じ部分の説明を省略する。
第4の実施の形態では、前述の製造装置51を用いた表示装置1Bの製造方法(貼り合わせ方法)について説明する。なお、製造装置51の制御部57が貼り合わせ処理を実行して各部を制御する。このとき、表示パネル2はステージ移動機構52上に載置されており、レンズ板4は保持枠53aが閉じた状態でステージ移動機構52上の表示パネル2に対する所定位置に存在している(図11及び図12参照)。
また、表示パネル2にギャップ制御用の画像として貼り合わせ用画像G1(図18参照)を表示させるため、表示パネル2と制御部57とが電気的に接続されている。図16に示すように、表示パネル2には、信号インタフェイス71が設けられている。この信号インタフェイス71には、コネクタ部72を介して伝送線73が接続される。伝送線73は制御部57に接続されており、制御部57により生成したアライメントチャート信号(貼り合わせ用画像G1)を表示パネル2の信号インタフェイス71に伝送する線路である。また、コネクタ部72は、信号インタフェイス71に着脱可能に形成されて伝送線73の一端に設けられている。なお、制御部57は、アライメントチャート信号を生成する生成部として機能する。
図17に示すように、まず、制御部57は、表示パネル2とレンチキュラレンズ4aとの平面方向の位置合わせを行う(ステップS41)。すなわち、制御部57は、保持枠53aが閉じた状態で、ステージ移動機構52によりレンズ板4に対して表示パネル2を相対移動させて平面方向の位置合わせを行う。ここで、表示パネル2とレンチキュラレンズ4aとの平面方向の相対位置のずれが許容範囲内(例えば、目標値±数μmの範囲内)になるように表示パネル2とレンズ板4との位置合わせが行われる。
その後、制御部57は、ギャップ制御用の画像として機能する貼り合わせ用画像G1(図18参照)を表示する(ステップS42)。すなわち、制御部57は、光照射部59に照射動作を実行させ、貼り合わせ用画像G1を表示パネル2に表示させる。ここで、照射動作は、表示パネル2に対して画像表示用の光を照射する動作である。なお、貼り合わせ用画像G1のデータは記憶部に格納されている。
貼り合わせ用画像G1は、図18に示すように、表示パネル2の基準線(例えば中心線)となる一列の画素(画素列)を点灯させ、表示パネル2の基準線からその基準線に直交する方向にレンチキュラレンズ4aのレンズピッチP毎に一列の画素(画素列)を点灯させる画像(縞々のアライメントチャート)である。なお、基準線は、三次元画像を形成する各種設計の基準となる線である。また、レンチキュラレンズ4aのレンズピッチPは、シリンドリカルレンズ4a1の幅、すなわちシリンドリカルレンズ4a1における軸方向(稜線方向)に直交する幅である。この貼り合わせ用画像G1が表示パネル2の表示画面に表示される。ここで、言い換えると、貼り合わせ用画像G1は、レンチキュラレンズ4aのレンズピッチP毎に、そのレンズピッチPの中心に位置する画素(基準線となる画素を含む)を一列に点灯させる画像である。
次いで、制御部57は、表示した貼り合わせ用画像G1を撮像する(ステップS43)。すなわち、制御部57は、保持枠53aが閉じた状態で、ステージ移動機構52によりレンズ板4に対して表示パネル2を移動させて貼り合わせ、撮像部54に撮像動作を実行させる。ここで、撮像動作は、ステージ移動機構52上の表示パネル2に対してレンズ板4を介して撮像を行う動作である。
レンズ板4は、図11及び図12に示すように、保持枠53aの閉状態により、ステージ移動機構52上の表示パネル2と撮像部54との間に位置付けられており、その状態で撮像部54により撮像動作が行われる。このとき、レンズ板4のレンチキュラレンズ4aは表示パネル2側に位置している。撮像部54の撮像動作により、図19に示すような画像G2、図20に示すような画像G3あるいは図21に示すような画像G4が得られ、得られた画像(撮像画像)が表示部56に表示される。ここで、図19に示す画像G2は、表示パネル2とレンチキュラレンズ4aとのギャップが許容範囲内(良品範囲内)である場合の画像の一例であり、図20に示す画像G3は、表示パネル2とレンチキュラレンズ4aとのギャップが許容範囲より大きい場合の画像の一例であり、図21に示す画像G4は、表示パネル2とレンチキュラレンズ4aとのギャップが許容範囲より小さい場合の画像の一例である。例えば、許容範囲は、目標値(規定値)±数十μmの許容範囲である。
次に、制御部57は、画像処理により撮像画像のX軸方向(基準線に直交する方向)の輝度分布を求め(ステップS44)、求めた輝度分布を平滑化フィルタにかける(ステップS45)。すなわち、制御部57は、撮像画像を画像処理し、X軸方向の輝度分布を算出し、算出した輝度分布を平滑化フィルタにかけて平滑化する。ここで、X軸方向の輝度分布は、レンズピッチPの中心に位置する画素(すなわち点灯する画素)が並ぶ一列方向に直交する方向の輝度分布である。
このとき、図19に示す画像G2が画像処理されて平滑化されると、図22に示すような輝度分布が得られ、図20に示す画像G3が画像処理されて平滑化されると、図23に示すような輝度分布が得られる。また、図21に示す画像G4が画像処理されて平滑化されると、図24に示すような輝度分布が得られる。
次いで、制御部57は、平滑化フィルタ後の輝度分布(図22、図23又は図24参照)から微分値を算出し(ステップS46)、微分値の符号反転部から頂点位置を算出する(ステップS47)。その後、制御部57は、算出した頂点位置から頂点数が1つであるか否かを判断し(ステップS48)、頂点数が1つでないと判断した場合(ステップS48のNO)、ギャップを所定量だけ大きくし(ステップS49)、処理をステップS42に戻す。ここで、頂点数が1つでない場合には、表示パネル2とレンチキュラレンズ4aとが近づき過ぎている状態であり、ギャップは許容範囲より小さくなっている。一方、頂点数が1つであると判断した場合には(ステップS48のYES)、平滑化フィルタ後の輝度分布(図22、図23又は図24参照)から輝度分布の分散値を算出する(ステップS50)。
次に、制御部57は、算出した分散値が規定値より小さいか否かを判断し(ステップS51)、分散値が規定値より小さくない、すなわち大きいと判断した場合(ステップS51のNO)、ギャップを所定量だけ小さくし(ステップS52)、処理をステップS42に戻す。ここで、分散値が規定値より大きい場合には、表示パネル2とレンチキュラレンズ4aとが離れ過ぎている状態であり、ギャップは許容範囲より大きくなっている。一方、分散値が規定値より小さいと判断した場合には(ステップS51のYES)、ギャップが許容範囲内に入っているため、貼り合わせが完了する。
このようにして、ステージ移動機構52上の表示パネル2とレンチキュラレンズ4aとのギャップが許容範囲内となると、その状態で、硬化用の光が接着部材3に照射され、接着部材3が硬化される。その後、表示装置1Bは作業員等の人又はロボット等の機械によりステージ移動機構52上から本硬化用の装置に搬送され、その内部の接着部材3が本硬化される。
このような貼り合わせ処理に基づく製造工程は、画像を表示する表示パネル2に貼り合わせ用画像G1を表示させる工程と、貼り合わせ用画像G1を表示した表示パネル2に対してレンズ板4を介して撮像を行う工程と、撮像した画像の輝度分布を求める工程と、求めた輝度分布に基づいて、表示パネル2とレンチキュラレンズ4aとのギャップ(離間距離)が許容範囲内になるように表示パネル2とレンズ板4とを相対移動させる工程とを有している。
ここで、レンチキュラレンズ4aの凸部(レンズ端)とカラーフィルタFとの離間距離である垂直方向距離が許容範囲(例えば、目標値±数十μmの範囲)内になるように、すなわち、レンチキュラレンズ4aの凸部と表示パネル2との離間距離であるギャップが許容範囲(例えば、目標値±数十μmの範囲)内になるように、表示パネル2とレンズ板4とを貼り合わせる必要がある。ギャップが大きくなると、垂直方向距離が許容範囲外になり、視域角度の誤差も許容範囲(例えば、目標値±数degの範囲)外になるため、三次元画像の表示品位が低下してしまう。特に、三次元画像表示装置の構造が、表示パネル2とレンチキュラレンズ4aとが所定距離だけ離れている中空構造である場合には、そのギャップ制御がより困難となるため、三次元画像の表示品位が低下しやすい。
前述の製造工程では、画像表示用の光が表示パネル2に照射された状態で、貼り合わせ用画像G1が表示パネル2に表示される。その表示パネル2にレンズ板4を介して撮像動作が行われる。これにより、撮像画像として図19に示す画像G2、図20に示す画像G3あるいは図21に示す画像G4が得られる。その後、撮像画像が画像処理され、X軸方向の輝度分布が取得され、その輝度分布に基づいてギャップが許容範囲内に入るように表示パネル2とレンズ板4とが相対移動させられる。これにより、ギャップが許容範囲内となるので、視域角度の誤差を許容範囲内にすることが可能になり、三次元画像の表示品位の低下を防止することができる。
以上説明したように、本発明の第4の実施の形態によれば、貼り合わせ用画像G1を表示した表示パネル2に対し、レンチキュラレンズ4aを有するレンズ板4を介して撮像を行い、撮像した画像G2、G3、G4のX軸方向(基準線に直交する方向)の輝度分布を求め、求めた輝度分布に基づいて表示パネル2とレンチキュラレンズ4aとのギャップが許容範囲内になるように表示パネル2とレンズ板4とを相対移動させることによって、撮像した画像G2、G3、G4の輝度分布に基づいてギャップを制御し、ギャップを容易に許容範囲内に収めることが可能となる。これにより、ギャップが許容範囲内となり、視域角度の誤差を許容範囲内にすることが可能になるので、三次元画像の表示品位の低下を防止することができる。
さらに、表示パネル2の基準線(例えば中心線)となる一列の画素(画素列)及び表示パネル2の基準線からその基準線に直交する方向にレンチキュラレンズ4aのレンズピッチ(幅)P毎に一列の画素(画素列)を点灯させる貼り合わせ用画像G1を表示させ、輝度分布として、それらの画素が並ぶ一列方向に直交する方向(例えばX軸方向)の輝度分布を求めることから、ギャップ変化を精度良く検出することが可能になるので、ギャップ制御を正確に行うことができる。
また、貼り合わせ用画像G1としてアライメントチャート信号を生成する生成部としての制御部57と、生成したアライメントチャート信号を表示パネル2の信号インタフェイス71に伝送する伝送線73と、信号インタフェイス71に接続可能に形成されて伝送線73に設けられたコネクタ部72とを設けることによって、制御部57により表示パネル2の表示を制御することが可能となるので、外部から表示パネル2に貼り合わせ用画像G1を表示させることができる。
加えて、光照射部59を設け、その光照射部59に照射動作を実行させながら、表示パネル2に貼り合わせ用画像G1を表示させることから、表示パネル2が液晶表示パネルなどの自身で発光することが不可能であるパネルであった場合でも、光照射部59の照射により画像を表示することができる。
(他の実施の形態)
なお、本発明は、前述の実施の形態に限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
例えば、前述の第1ないし第4の実施の形態においては、表示パネル2として液晶表示パネル(LCD)を用いているが、これに限るものではなく、プラズマ表示パネル(PDP)、電界放出表示パネル(FED)及び電子放出表示パネル(SED)等を用いるようにしてもよい。ここで、前述の第2ないし第4の実施の形態においては、表示パネル2が自身で発光して画像を表示することが可能である場合には、その表示パネル2を制御部41、57に接続して必要に応じて画像を表示させるようにしてもよい。この場合には、光照射部43、59を用いる必要はない。
また、前述の第1の実施の形態においては、減圧チャンバ12内を減圧し、開口部Kから内部空間N内の気体を吸引し、内部空間Nも減圧しているが、これに限るものではなく、例えば、減圧チャンバ12にかえて、開口部Kから内部空間N内の気体を直接吸引する機構を設け、その機構により内部空間Nを減圧するようにしてもよい。
また、前述の第4の実施の形態においては、図18に示すような貼り合わせ用画像G1を表示しているが、これに限るものではなく、その画像は限定されない。加えて、前述の第4の実施の形態においては、輝度分布の頂点数や輝度分布の分散値等の特徴量をギャップ制御に用いているが、これに限るものではなく、輝度分布から用いる特徴量は限定されない。
最後に、前述の実施の形態においては、各種の数値を挙げているが、それらの数値は例示であり、限定されるものではない。