JP5220566B2 - ペットフード - Google Patents

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Description

本発明は、不飽和脂肪酸高含有油脂を含むペットフードに関する。
ペットブームによりペット飼育数は増大しており、それに伴いペットの高齢化、運動不足、栄養過多等によりペットの肥満、糖尿病、肝臓疾患等のヒトの成人病と同様の疾病が増大している。また、避妊手術後のホルモンバランスの狂いによって肥満する犬や猫が多くなっている。このような肥満や体重増加を防止するためのペットフードが数多く開発されている。例えば、不飽和脂肪酸含有量を高くしたジアシルグリセロール含有油脂を配合したペットフードが提案されている。
このようなペットフードは、不飽和脂肪酸を多く含むため、保存環境によっては酸化され易く、臭い、嗜好性などに影響を与えることがある。そこで本出願人は高ミネラル含有のペットフードにおいて、ビタミンC誘導体を配合する技術(特許文献1)や、天然由来の抗酸化剤を含有させると共にペットフード中の鉄イオン及び銅イオンの含有量をコントロールする技術(特許文献2)により、長期保存安定性を改善することを提案してきた。
特開2005−204659号公報 特開2007−110916号公報
本発明は、不飽和脂肪酸高含有油脂を含有する、更に高い保存安定性と嗜好性を具備するペットフードに関する。
本発明者らは、二重結合を2つ以上有する不飽和脂肪酸含有量が高い油脂を含有し、かつミネラル成分を含有するペットフードについて、金属塩、特に酸化促進作用の強い銅及び鉄を含有するペットフードについて検討を行った結果、クエン酸及び/又はその塩を0.7質量%以上含有し、かつペットフードのpHを3.5〜7とすることにより、酸化が著しく抑制されるとともに嗜好性が良好であることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C)、
(A)二重結合を2つ以上含む不飽和脂肪酸が、油脂を構成する脂肪酸中の20質量%以上である油脂 6〜50質量%、
(B)鉄、鉄化合物、銅及び銅化合物から選ばれるミネラル成分 ミネラル換算合計で0.0005〜1質量%、
(C)クエン酸及び/又はその塩 合計量がクエン酸換算で0.7質量%以上
を含有し、pHが3.5〜7.0であるペットフードを提供するものである。
また、本発明は、二重結合を2つ以上含む不飽和脂肪酸が、油脂を構成する脂肪酸中の20質量%以上である油脂と、鉄、鉄化合物、銅及び銅化合物から選ばれるミネラル成分をミネラル換算合計で0.0005〜1質量%含むペットフードの製造方法であって、クエン酸及びクエン酸のアルカリ金属塩を合計で、クエン酸換算で0.7質量%以上配合することを特徴とするペットフードの製造方法を提供するものである。
本発明のペットフードは、抗肥満効果が高いと共に、長期保存安定性に著しく優れており、長期保存しても臭いの変化、嗜好性の低下等が非常に効果的に抑制可能である。
本発明のペットフードは、(A)油脂を含有し、当該油脂が、その構成脂肪酸中に二重結合を2つ以上含む不飽和脂肪酸(以下、単に高度不飽和脂肪酸ともいう)を20質量%(以下、単に%で示す)以上含有するものである。構成脂肪酸中の高度不飽和脂肪酸の含量は、抗肥満効果、皮膚及び被毛の健康の点から、更に20〜90%、更に23〜80%、特に25〜70%であることが好ましい。また、構成脂肪酸が高度不飽和脂肪酸である油脂のペットフード中の含量は、2〜45%が好ましく、2.5〜40%がより好ましく、3〜35%が更に好ましい。ここで、高度不飽和脂肪酸としては、炭素数18〜24の高度不飽和脂肪酸が挙げられ、リノール酸、リノレン酸、EPA、DHA、アラキドン酸が好適である。
なお、油脂を構成する脂肪酸としては、高度不飽和脂肪酸以外に、二重結合が1つの不飽和脂肪酸及び飽和脂肪酸を含んでいても良い。ここで、二重結合が1つの不飽和脂肪酸としては炭素数16〜24の不飽和脂肪酸が挙げられ、オレイン酸、パルミトオレイン酸等が好ましい。また、飽和脂肪酸としては炭素数12〜18の飽和脂肪酸が挙げられ、パルミチン酸、ステアリン酸等が好適である。
本発明のペットフード中の油脂の含有量は、抗肥満効果、ペットフードの不快臭除去の点から6〜50%であり、6〜45%が好ましく、6〜40%が更に好ましく、8〜30%が特に好ましい。
本発明のペットフードに用いられる上記の油脂としては、サフラワー油、オリーブ油、綿実油、コーン油、ナタネ油、大豆油、パーム油、ひまわり油、亜麻仁油、ごま油、ラード、牛脂、魚油、乳脂等が挙げられるが、油脂として配合したものに限られず、他の植物原料、又は動物原料中に油脂が含有されている場合にはこれも含む。
本発明のペットフードに用いられる油脂には、モノアシルグリセロール(MAG)、ジアシルグリセロール(DAG)及びトリアシルグリセロール(TAG)から1種以上を含有することが可能であるが、この中でDAGを含有することが肥満抑制効果の点から好ましい。DAGの含有量は肥満防止効果の点から油脂中に10〜85%、更に20〜80%、特に25〜50%が好ましい。また、DAGはペットフード中に0.5〜40%、更に1〜30%、特に1.5〜25%が同様の観点から好ましい。
DAGは、その構成脂肪酸の80〜100%が不飽和脂肪酸(UFA)であることが好ましく、より好ましくは90〜100%、更に93〜100%、特に93〜98%、殊更94〜98%であるのが肥満防止効果の点で好ましい。ここで、この不飽和脂肪酸の炭素数は14〜24、更に16〜22であるのが好ましい。
DAGを構成する脂肪酸のうち、リノール酸の含有量は15〜65%、更に20〜60%、また更に30〜55%、特に35〜50%であるのが肥満防止効果及び摂取性の点で好ましい。更に、酸化安定性、肥満防止効果の点から、DAG中のリノール酸/オレイン酸の含有質量比が0.01〜2.0、更に0.1〜1.8、特に0.3〜1.7であることが好ましい。
DAGを構成する脂肪酸のうち、リノレン酸の含有量は15%未満、更に0〜13%、また更に1〜10%、特に2〜9%であるのが肥満防止効果、摂取性、及び酸化安定性の点で好ましい。リノレン酸は、異性体としてα−リノレン酸とγ−リノレン酸が知られているが、α−リノレン酸が好ましい。
なお、DAGが油脂成分中100%である場合には、脂肪酸組成中にリノール酸とリノレン酸合計量が20%以上となることが好ましい。
DAGを構成する脂肪酸のうち、飽和脂肪酸(SFA)の含有量は20%未満であることが好ましく、更に0〜10%、また更に0〜7%、特に2〜7%、殊更2〜6%であるのが肥満防止効果、摂取性、及び酸化安定性の点で好ましい。SFAとしては、炭素数14〜24、更に16〜22のものが好ましく、パルミチン酸、ステアリン酸が特に好ましい。
DAGを構成する脂肪酸中、炭素数12以下の脂肪酸の含有量は、風味、摂取性の点で5%以下であるのが好ましく、更に0〜2%、特に0〜1%、実質的に含まないのが殊更好ましい。残余の構成脂肪酸は炭素数14〜24、特に16〜22であるのが好ましい。
また、肥満防止効果の点から、DAG中の1,3−ジアシルグリセロールの割合が50%以上、更に52〜100%、また更に54〜90%、特に56〜80%であるジアシルグリセロールを用いるのが好ましい。
DAGは、上述した天然油脂中に含有されるものを含んでいても良いが、DAGの含有量を調整するために、上述した油脂由来の脂肪酸とグリセリンとのエステル化反応、油脂とグリセリンとのエステル交換反応等により得たものを配合することが好ましい。
なお、DAGは、例えば(1)構成脂肪酸中に高度不飽和脂肪酸を20%以上含有する油脂(例、サフラワー油、オリーブ油、綿実油、コーン油、ナタネ油、大豆油、パーム油、ひまわり油、亜麻仁油、ごま油、ラード、牛脂、魚油、乳脂、あるいはそれらの分別油、ランダム化油、硬化油、エステル交換油)から選ばれた油脂とグリセリンとを、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の存在下でエステル交換させるか、又は(2)これらの油脂由来の高度不飽和脂肪酸含有量20%以上の脂肪酸混合物とグリセリンとのエステル化反応により得ることができる。この際2種以上の油脂を混合してもよい。なお、これらの反応は上記のようなアルカリ触媒等を用いた化学反応によっても実施することができるが、1,3位選択的リパーゼ等の酵素を経て温和な条件で反応を行う方が、酸化安定性、嗜好性の点で好ましい。
本発明のペットフードにおける油脂は理想としてはDAGが100%であることが好ましいが、油脂中には、DAGを10〜85%、好ましくは主たる成分として含有し、さらにTAGが含まれ、また、若干のMAG、遊離脂肪酸等が含まれていても良い。ここで「主たる成分」とは、油脂中に含まれる最大含有量であるかまたはそれに匹敵する含有量(より具体的には、最大含有量成分の0.7倍以上)の成分であることを意味する。これらは、上記した天然油脂中に含有されるものの他、製造したDAG含有油脂、配合される植物原料、又は動物原料中に含まれる油脂に含有されるものも含む。特に、油脂中の遊離脂肪酸の含有量は、油脂からの不快臭の発生のしやすさ及び嗜好性の点で20%以下が好ましく、更に10%以下、また更に5%以下、特に2%以下、殊更1%以下であるのが好ましい。
本発明のペットフードはまた、成分(B)として鉄、鉄化合物、銅及び銅化合物から選ばれるミネラル成分を含有する。
鉄化合物としては、硫酸鉄、塩化第二鉄、フマル酸第一鉄、炭酸第一鉄、酸化鉄等が挙げられる。該鉄化合物のペットフード中の含有量は、ペットフードの配合において許容できる範囲、鉄換算で0.00001〜1%、更に0.00005〜0.3%、特に0.0001〜0.1%が好ましい。
銅化合物としては、硫酸銅、塩化銅、酸化銅、炭酸銅、硫化銅、銅クロロフィル等が挙げられる。該銅化合物のペットフード中の含有量は、ペットフードの配合において許容できる範囲、銅換算で0.00001〜0.1%、更に0.00005〜0.03%、特に0.0001〜0.01%が好ましい。
これらのミネラル成分のうち、鉄又は鉄化合物と銅又は銅化合物とは併用するのが好ましい。本発明では、これらのミネラル成分の合計の含有量は、ミネラル換算(鉄換算及び銅換算)で0.0005〜1%であり、0.0005〜0.5%がより好ましく、0.001〜0.1%が更に好ましい。
本発明のペットフードには、ミネラル成分として鉄、銅以外に、マンガン、コバルト、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム等を含有してもよい。これらミネラル成分は、例えば、酸化マンガン、炭酸コバルト、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等として配合される。
本発明のペットフードは、更に成分(C)として、クエン酸又はその塩を含み、その合計量がクエン酸換算で0.7質量%以上である。ここでクエン酸塩としてはアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が挙げられ、特にアルカリ金属塩が好ましい。アルカリ金属塩としては、クエン酸の正塩(三アルカリ金属塩)、一水素二アルカリ金属塩及び二水素アルカリ金属塩を意味する。クエン酸のアルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられ、特にナトリウム塩であることが好ましい。なお、本明細書において、特に断らない限りは、クエン酸ナトリウムという場合にはクエン酸三ナトリウム塩(二水和塩)を表わす。
また、「クエン酸換算で」とは、成分(C)としてクエン酸及びクエン酸のアルカリ金属塩(以下、クエン酸類とも言う)が含まれている場合、又は成分(C)がクエン酸のアルカリ金属塩のみである場合、アルカリ金属分を水素に置き換えてクエン酸分子量とみなして質量を換算することを意味する。
本発明のペットフードは、保存安定性及び嗜好性の点から、クエン酸類をクエン酸換算で0.7質量%以上、更に0.75質量%以上、特に1.0質量%以上含有していることが好ましい。クエン酸類含有量の上限値としては、嗜好性、保存時の臭いを考慮して3.0質量%、特に2.5質量%が好ましい。
本発明のペットフードはそのpHが3.5〜7.0である。当該範囲であると、上記成分(B)による上記成分(A)の酸化が効果的に抑制され、嗜好性も良好である。当該pHが4.0〜7.0、更に好ましくは4.5〜6.8であると、酸化抑制効果が一層高まるとともに、保存時の臭いが良好になるので好ましい。クエン酸類を含み、かつpHがこのような範囲とするには、クエン酸のほかにpH調整剤を加える方法がある。そのような方法の中でも、クエン酸とクエン酸塩を併用する方法がpH調整がし易いとともに、嗜好性も良好で、風味も統一感があるので好ましい。特に、クエン酸塩として上述のクエン酸アルカリ金属塩を用いることが好ましい。
なお、「ペットフードのpH」とは、ペットフードを以下の方法によって測定したときのpHのことを意味する。
<ペットフードのpH測定方法>
ペットフード10gを45℃のイオン交換水(好ましくは25℃における電気伝導度が0.01mS/m以下のイオン交換水)60mL中に加えて十分に攪拌し、1時間静置した後に定性ろ紙(No.1, Advantec製)を用いてろ過し、濾液を25℃においてpH測定した。
なお、ペットフードの性状が固形の場合には、乳鉢等を使用して細かく磨り潰した後に上記攪拌操作を行うことが好ましい。
本発明のペットフードには、更に炭水化物を含むことが好ましい。炭水化物源としては、単糖類、オリゴ糖、多糖類、食物繊維、デンプン類等が含まれる。デンプン類としては、ワキシーコーンデンプン、コーンデンプン、小麦デンプン、米デンプン、糯米デンプン、馬鈴薯デンプン、甘露デンプン、タピオカデンプン、サゴデンプン、又はこれらに化学的処理を施したものや化学修飾した加工デンプン等が挙げられる。また、炭水化物は、穀物類として含有させてもよく、穀物類としては、小麦、ライ麦、マイカ、米、ひえ、あわ、アマラサンサス、キヌア等が挙げられる。炭水化物は、ペットフード中に10〜70%、更に20〜60%、特に30〜50%含有するのが、経済的、肥満防止効果、摂取性、便の状態、及び外観を健康的に美しくする点から好ましい。
本発明のペットフードにおいては、更に動物性又は植物性のタンパク質を含むことが、肥満防止効果、摂取性、栄養バランス、及び外観を健康的に美しくする点から好ましいが、摂取性の点から動物性タンパク質が特に好ましい。動物性タンパク質としては、カゼイン等の乳タンパク質も挙げられるが、肥満防止効果及び摂取性の点から、動物性肉類タンパク質が好ましい。このような動物性肉類タンパク質としては、牛、豚、羊、うさぎ、カンガルー等の畜肉及び獣肉、並びにその副生成物及び加工品;鶏、七面鳥、うずら等の鳥肉並びにその副生成物及び家屋品;魚、白身魚等の魚肉並びにその副生成物及び加工品;ミートミール、ミートボーン、チキンミール、フィッシュミート等の上記原料のレタリング等が挙げられる。このうち、肥満防止効果の点で、鶏肉、魚肉が特に好ましい。複数の肉類タンパク質を混合して用いる場合には、鶏肉及び/又は魚肉を肉類中の30〜100%、特に50〜100%含有させるのが好ましい。
植物性タンパク質としては、大豆タンパク質、小麦タンパク質、小麦グルテン、コーングルテン等が好ましい。
本発明のペットフード中に動物性又は植物性タンパク質は、乾燥減量で5〜70%、更に10〜60%、特に15〜40%含有するのが好ましい。
本発明のペットフードには、更に植物ステロールを含有してもよい。植物ステロールは、ペットフード中に、コレステロール低下効果の点で、0.1%以上、更に0.5%以上含有するのが好ましい。また植物ステロール含有量の上限は、0.1〜30%の範囲であればよい。ここで植物ステロールとしては、例えばα−シトステロール、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、α−シトスタノール、β−シトスタノール、スチグマスタノール、カンペスタノール、シクロアルテノール等のフリー体、及びこれらの脂肪酸エステル、フェルラ酸エステル、桂皮酸エステル等のエステル体が挙げられる。
本発明のペットフードには、更に、ぬか類、粕類、野菜、ビタミン類等を配合することができる。ぬか類としては、米ぬか、ふすま等が、粕類としては、大豆粕等が挙げられる。野菜類としては野菜エキス等が挙げられる。ビタミン類としては、A、B1、B2、D、E、ナイアシン、パントテン酸、カロチン酸等が挙げられ、0.05〜10%含有するのが好ましい。この他、一般的にペットフードに使用されるゲル化剤、保型剤、pH調整剤、調味料、防腐剤、栄養補強剤等も含有することができる。
次に、本発明におけるペットフードの製造方法(以下、単に「本製造方法」とも言う)について説明する。本製造方法は、二重結合を2つ以上含む不飽和脂肪酸が、油脂を構成する脂肪酸中の20質量%以上である油脂と、鉄、鉄化合物、銅及び銅化合物から選ばれるミネラル成分をミネラル換算合計で0.0005〜1質量%含むペットフードの製造方法であって、クエン酸及びクエン酸のアルカリ金属塩を合計で、クエン酸換算で0.7質量%以上配合することを特徴とするペットフードの製造方法である。
本発明製造方法において、クエン酸及びクエン酸アルカリ金属塩は、質量比で、クエン酸/アルカリ金属塩=1/10〜10/1の割合、特に1/5〜5/1の割合で配合するのが好ましい。クエン酸及びクエン酸のアルカリ金属塩を加えるタイミングは適宜選択することが可能であるが、具体的な手順として、以下の手順が挙げられる。すなわち、穀物、肉ミール並びに鉄及び銅等のミネラル成分とともに、クエン酸及びクエン酸のアルカリ金属塩を混合し、十分混合したあとに、水や水蒸気で加水しながらエクストルーダーによって押出成型をする。その後に、(水分を10%以下になるまで)熱風乾燥させる。二重結合が二つ以上の脂肪酸を多く含む油脂は、熱風乾燥させたあとに、コーディングするのが望ましい。
また、本発明のペットフードとしては、ドライタイプ、ウェットタイプ、セミモイストタイプ、ジャーキータイプ、ビスケットタイプ、ガムタイプ、粒状、粉状、スープ状等いずれの形態であってもよい。
<試料の調製>
表1の脂肪酸組成及び表2のグリセリド組成を持つジアシルグリセロール高含有油脂3gに、以下に示したキレート剤として用いる試薬を少量の水に溶解したものを添加した。
使用した各キレート剤試薬及びその評価試料中濃度は以下のとおりである。
(金属イオン供給源)
硫酸第一鉄 :試薬、和光純薬製 1000ppm
硫酸銅/塩化銅 :試薬、和光純薬製 1000ppm
(鉄及び銅化合物のキレート剤に用いた試薬)
クエン酸 :試薬、和光純薬製 1000ppm
クエン酸ナトリウム(二水和物):試薬、和光純薬製 1000ppm
グルコン酸ナトリウム :試薬、和光純薬製 1000ppm
ポリリン酸ナトリウム :試薬、和光純薬製 1000ppm
(鉄化合物のキレート剤に用いた試薬)
リンゴ酸 :試薬、和光純薬製 1000ppm
乳酸ナトリウム :試薬、和光純薬製 1000ppm
硫酸ナトリウム :試薬、和光純薬製 1000ppm
メタリン酸ナトリウム :試薬、和光純薬製 1000ppm
(銅化合物のキレート評価に用いた試薬)
アスコルビン酸 :試薬、和光純薬製 100ppm
L−アスコルビン酸パルミテート(VCP):DSMニュートリション製 100ppm
Figure 0005220566
Figure 0005220566
<種々キレート剤の評価方法>
調製した試料を、自動油脂安定性試験装置(「ランシマット743」、メトローム社製)に取り付け、20mL/minの条件で空気をバブリングしながら120℃に保ち、電気伝導率を測定する。経時時間に対する電気伝導率をプロットし、図1のようにして立ち上がりの時間を求め、安定性の評価とする。これは、酸化により電気伝導率が増加するという原理に基づく評価であり、立ち上がり時間が長いことは酸化に対する耐性が高いことを意味する。
試験例
油脂に対する鉄化合物及び銅化合物の酸化促進作用の抑制効果を種々のキレート剤で評価した結果を表3及び表4に示す。
これらの結果により、鉄化合物及び銅化合物の油脂に対する酸化促進作用は、クエン酸及びクエン酸ナトリウムで最も抑制されることがわかった。
次にクエン酸の塩状態を変化させることで、油脂に対する鉄化合物及び銅化合物の酸化促進作用の抑制効果に及ぼす影響を調べた結果を表5に示す。また。その時のpHを示した。
その時の抑制効果を、立ち上がり時間で2時間以上のものを◎、1.5時間以上2時間未満のものを○、1時間以上1.5時間未満のものを△、1時間未満のものを×と表わした。
これらの結果より、pHは低いほど抑制効果が低くなっていることがわかる。
Figure 0005220566
Figure 0005220566
Figure 0005220566
<試料の調製>
表6に示す組成の原料を用い、表9に記載の成分を添加し、エクストルーダーで混合押出成型をすることにより、直径10mm、長さ約10mmの円柱状のペットフード(キブル)を製造した。
ペットフードから抽出した油脂の脂肪酸組成を表7に、ペットフードから抽出した油脂のグリセリド組成を表8に示す。
全油脂中の二重結合を2つ以上含む不飽和脂肪酸の含有量は41.9質量%、全油脂中のジアシルグリセロール含有量は46.5質量%であった。ペットフードに含まれる全油脂は11.5質量%、ペットフード中の二重結合を2つ以上含む不飽和脂肪酸の含有量は4.8質量%、ペットフード中のジアシルグリセロール含有量は5.3質量%であった。
Figure 0005220566
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(比較例1〜3)
実施例1において、クエン酸及びクエン酸Naの量を表9に示す様に変えた以外は同様にして作成したペットフードについて、同様の評価を行った。なお、比較例3においては比較のためにポリリン酸Naを2.0質量%加えた。
<油脂の臭いの評価方法>
温度40℃、相対湿度75%の環境下で16週間保存し、油脂の臭いの変化を5名のヒトによる官能で評価した。気にならない範囲の順から、「変性臭がほとんど感じない」と答えた人数が「4名以上」を○、「2〜3名」を△、「1名以下」を×と表わした。
<安定性試験方法>
温度40℃、相対湿度75%の環境下で保存を行い、それぞれ0,4,8,12,16週間目ごとに取り出し、含有する油脂のPOV(過酸化物価)の測定を行った。結果を表9に示す。
<POV(過酸化物価)の測定方法>
過酸化物価(POV)については、日本油脂化学会制定の「規準油脂分析試験法」の2.4.12.2−94「過酸化物価」に従って分析した。
(1)ペットフードからの油脂の抽出
50gのキブルを粉砕し、1mm目開きのふるいに通し、そのサンプルを円筒ろ紙に充填し、コック付きのオープンカラムにセットした。コックを閉じたまま、上方から滴下ロートで150mLのジエチルエーテルを滴下し、滴下終了後カラムのコックを開けてジエチルエーテルを回収した。次に、50mLジエチルエーテルにて同様の操作を行った。回収したジエチルエーテルをエバポレーターを用いてトッピングすることにより除去し、ペットフードからの抽出油脂を得た。
(2)油脂のPOV測定
ペットフードから抽出した油脂0.5gを250mLのトールビーカーに量り取り、酢酸/イソオクタン=3/2(容積比)の溶液20mL溶かした。0.1mLの飽和ヨウ化カリウム溶液をそのトールビーカーに加え、1分間よく振とうした。その後、30mLの蒸留水を加え滴定サンプルとした。この滴定サンプルを0.01Nチオ硫酸ナトリウムで滴定した。このとき、メトロームシバタ(株)のPOV自動滴定装置、DMPティトリーノ785型を使用した。
<クエン酸換算値の測定方法>
ミキサーで砕いたキブル(3.0g)に5%過塩素酸5mLを加え、10分間震とうする。震とう後、50mLのメスフラスコで定容する。10分間超音波処理を行い、ろ過した溶液を用い高速液体クロマトグラ(HPLC)法で測定する。なお、HPLC測定条件は以下の通りである。
カラム:Shodex Rspak KC-811 2本、直径8mm×長さ300mm(昭和電工株式会社製)
カラム温度:40℃
移動相:3mmol/L過塩素酸水溶液
反応液:0.2mmol/Lブロムチモールブルー含有15mmol/Lリン酸水素二ナトリウム水溶液
流量:移動相1.0mL/分、反応液1.4mL/分
測定波長:445nm
クエン酸及びクエン酸のアルカリ金属塩を0.7質量%以上を配合することにより、特許文献1及び2のようなクエン酸又はその塩の含有量が0.5%未満の場合(比較例1及び2)に比べて、安定性が著しく向上した。
Figure 0005220566
試料の電気伝導率の経時変化を示す図である。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)、(B)及び(C)、
    (A)二重結合を2つ以上含む不飽和脂肪酸が、油脂を構成する脂肪酸中の20質量%以上である油脂 6〜50質量%、
    (B)鉄、鉄化合物、銅及び銅化合物から選ばれるミネラル成分 ミネラル換算合計で0.0005〜1質量%、
    (C)クエン酸及び/又はその塩 合計量がクエン酸換算で0.7質量%以上
    を含有し、pHが3.5〜7.0であるペットフード。
  2. 前記クエン酸の塩がクエン酸アルカリ金属塩である、請求項1記載のペットフード。
  3. 前記成分(C)が、クエン酸とクエン酸の塩を共に含む、請求項1又は2記載のペットフード。
  4. 前記油脂(A)中に、ジアシルグリセロールを10〜85質量%含有する請求項1〜3のいずれか1項記載のペットフード。
  5. 二重結合を2つ以上含む不飽和脂肪酸が、油脂を構成する脂肪酸中の20質量%以上である油脂と、鉄、鉄化合物、銅及び銅化合物から選ばれるミネラル成分をミネラル換算合計で0.0005〜1質量%含むペットフードの製造方法であって、クエン酸及びクエン酸のアルカリ金属塩を合計で、クエン酸換算で0.7質量%以上配合することを特徴とするペットフードの製造方法。
  6. ペットフード中の前記クエン酸/クエン酸アルカリ金属塩(質量比)が10/1〜1/10となるように、クエン酸及びクエン酸アルカリ金属塩を添加する、請求項5記載のペットフードの製造方法。
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