JP5220153B2 - 管吻合器 - Google Patents

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Description

本発明は管吻合器に係り、特に、長尺の挿入部を管腔内に挿入して管腔組織間の吻合を行う管吻合器に関する。
従来より、外科手術により切除された腸管の断端同士の吻合を行う管吻合器(以下、「自動吻合器」ともいう。)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一般に自動吻合器は、操作部と、この操作部に連設され、体腔内に挿入される挿入部の先端部に設けられ、ステープル及びカッターを内在したヘッド部と、ヘッド部に対向する位置でステープルを変形させるためのアンビルと、を備えている。
そして、外科手術により腸管から癌などの病変部を切除した後、切除された腸管の一方の端部にアンビルを挿入し、アンビルを包むように腸管の断端をアンビルから延びるアンビルシャフトの周りに巾着状に縛る。一方、挿入部は腸管の別の切開部より挿入されるか、または経口門的に挿入され、その先端のヘッド部から延びるセンターシャフトが他方の端部から突き出した状態で巾着状に縛る。
各腸管端部の巾着縫合終了後、センターシャフトとアンビルシャフトを接続した状態で、ヘッド部とアンビルとの間の距離を縮めた後、環状に並べられたステープルがアンビルへ向けて打ち出されて変形し、これと同時に円筒状のカッターがステープル列よりも内側の余分な組織を切離することで吻合が完了する。
特開平11−4832号公報
しかしながら、従来の自動吻合器では、腹腔内で腸管の断端が開放状態に放置されることがあり、腹腔内汚染が問題となる。
かかる問題に対して、特許文献1では、例えば肛門からの吻合が行われる場合、前もって肛門側から患部(病変部)を超え切除部より口側にアンビルを留置しておき、自動縫合器を用いて切除腸管を口側及び肛門側ともに閉鎖した状態で切除することが提案されている。この方法によれば、腹腔内で腸管の断端が開放状態となることは防止できるが、挿入部が腸管内に挿入される前にアンビルを前もって挿入しておかなければならず、操作が複雑となり、施術時間の長期化によって患者の身体的負担を増大させる要因となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、簡単な操作でアンビルを管腔内に挿入することができ、腹腔内で管腔の断端を開放状態とすることなく管腔組織間の吻合を行うことができる管吻合器を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、第1の発明に係る管吻合器は、長尺の挿入部を管腔内に挿入して管腔組織間の吻合を行う管吻合器であって、前記挿入部の先端側に設けられ、先端面から接合部材及び切断部材を突出可能なヘッド部と、前記ヘッド部の先端面に対向する位置で該ヘッド部から突き出されたステープルを変形させるアンビルと、前記ヘッド部から出没自在に設けられ、その先端に前記アンビルが連結される連結部材と、を備え、前記連結部材は、軸方向に沿って一部の範囲を分離可能に構成されるとともに、残りの範囲の端部同士は結合可能に構成されることを特徴とする。
本発明によれば、経肛門的又は経口的に挿入部を管腔内に挿入し、管腔の切除部よりも近位側にヘッド部を配置するとともに遠位側にアンビルを配置した状態で、ヘッド部及びアンビルをそれぞれ包み込むように連結部材の周りに巾着縫合する。そして、ヘッド部とアンビルの間に存在する切除部を切除して、その切除部に対応する連結部材の一部の範囲を切除部とともに分離し、連結部材の残りの範囲の端部同士を結合する。これにより、簡単な操作でアンビルを管腔内に挿入することができるとともに、腹腔内で管腔の断端が開放されることがなく、管腔の断端同士の吻合を行うことが可能となり、腹腔内汚染を防止することができる。
第2の発明に係る管吻合器は、第1の発明に係る管吻合器において、前記連結部材は、複数のリンク部材からなり、各リンク部材は互いに連結及び分離が可能な構造を有することを特徴とする。
第3の発明に係る管吻合器は、第2の発明に係る管吻合器において、互いに連結されたリンク部材同士は、一方のリンク部材が他方のリンク部材に対して所定の角度範囲で揺動可能に構成され、前記連結部材は屈曲可能なフレキシブルシャフトであることを特徴とする。
第4の発明に係る管吻合器は、第2又は第3の発明に係る管吻合器において、前記連結部材の軸方向に沿って隣接するリンク部材同士のうち、一方のリンク部材に嵌合凹部が設けられ、他方のリンク部材に前記嵌合凹部に嵌合可能な嵌合凸部が設けられ、前記リンク部材同士は前記嵌合凹部に前記嵌合凸部を嵌合させることにより互いに連結されていることを特徴とする。
第5の発明に係る管吻合器は、第2〜第4のいずれか1つの発明に係る管吻合器において、前記リンク部材には、前記嵌合凹部及び前記嵌合凸部が設けられていることを特徴とする。
第6の発明に係る管吻合器は、第2の発明に係る管吻合器において、前記連結部材の軸方向に沿って隣接するリンク部材同士のうち、一方のリンク部材に雌ネジが設けられ、他方のリンク部材に前記雌ネジに螺合可能な雄ネジが設けられ、前記リンク部材同士は前記雌ネジに前記雄ネジを螺合させることにより互いに連結されていることを特徴とする。
第7の発明に係る管吻合器は、第2又は第3の発明に係る管吻合器において、前記リンク部材は、鎖状に連結された複数の環状部材からなることを特徴とする。
第8の発明に係る管吻合器は、第7の発明に係る管吻合器において、前記環状部材は、周方向の一部に切り欠き部が設けられていることを特徴とする。
第9の発明に係る管吻合器は、第7の発明に係る管吻合器において、前記環状部材は、周方向の一部が切り欠けられた開口部を有する略C字状の本体と、長手方向の一端が回転可能に軸支されて前記開口部を開閉する開閉部と、から構成されることを特徴とする。
第10の発明に係る管吻合器は、第2又は第3の発明に係る管吻合器において、前記リンク部材は、鎖状に連結された複数のS字状フック部材からなることを特徴とする。
第11の発明に係る管吻合器は、第1の発明に係る管吻合器において、前記連結部材の側面には、軸方向に沿って凹凸パターンが設けられていることを特徴とする。
第12の発明に係る管吻合器は、第1の発明に係る管吻合器において、前記連結部材は、細長い板状部材からなり、前記板状部材の表面に面ファスナーが設けられていることを特徴とする。
第13の発明に係る管吻合器は、第1の発明に係る管吻合器において、前記連結部材には、軸方向に沿って所定のピッチで孔部が設けられ、前記孔部に挿通可能な連結具を用いて前記連結部材の分離された端部同士は連結されることを特徴とする。
第14の発明に係る管吻合器は、第1の発明に係る管吻合器において、前記連結部材は、樹脂部材からなり、前記連結部材の分離された端部同士は超音波接合又は加熱接合により連結されることを特徴とする。
本発明によれば、経肛門的又は経口的に挿入部を管腔内に挿入し、管腔の切除部よりも近位側にヘッド部を配置するとともに遠位側にアンビルを配置した状態で、ヘッド部及びアンビルをそれぞれ包み込むように連結部材の周りに巾着縫合する。そして、ヘッド部とアンビルの間に存在する切除部を切除して、その切除部に対応する連結部材の一部の範囲を切除部とともに分離し、連結部材の残りの範囲の端部同士を結合する。これにより、簡単な操作でアンビルを管腔内に挿入することができるとともに、腹腔内で管腔の断端が開放されることがなく、管腔の断端同士の吻合を行うことが可能となり、腹腔内汚染を防止することができる。
本発明の実施の形態に係る自動吻合器の全体構成を示す外観図 図1に示した自動吻合器の一部を拡大した側面図 シャフトの一部を分離した様子を示した外観図 自動吻合器の操作手順の一例を示した説明図 第1の変形例に係るシャフトの構成を示した概略図 第2の変形例に係るシャフトの構成を示した概略図 第3の変形例に係るシャフトの構成を示した概略図 第4の変形例に係るシャフトの構成を示した概略図 第5の変形例に係るシャフトの構成を示した概略図 第6の変形例に係るシャフトの構成を示した概略図 第7の変形例に係るシャフトの構成を示した概略図 第8の変形例に係るシャフトの構成を示した概略図 第9の変形例に係るシャフトの構成を示した概略図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明の実施の形態に係る自動吻合器の全体構成を示す外観図である。図2は、図1に示した自動吻合器の一部を拡大した側面図である。
図1及び図2に示すように、自動吻合器10は、主として、操作部12と、体腔内に挿入される挿入部14の先端部に設けられ、ステープル及びカッターを内在したヘッド部26と、ヘッド部26に対向する位置でヘッド部26から突き出されたステープルを変形させるアンビル18と、ヘッド部26から出没自在に設けられ、その先端にアンビル18が連結されるアンビルシャフト16(本発明の「連結部材」に相当)とから構成される。
操作部12は、アンビルシャフト16を介してアンビル18を進退移動させる回転ノブ20と、ヘッド部26に内在されるステープル及びカッター(不図示)を突出させるハンドル22とを備える。
挿入部14は、検査部位への挿入に対して十分な可撓性を有する長尺な可撓管24と、可撓管24の先端に設けられるヘッド部26とから構成される。アンビルシャフト16の基端側は、ヘッド部26の先端面に形成される先端開口部(不図示)を介して挿入部14内に挿通されており、回転ノブ20の操作に応じて、挿入部14の長手方向に沿って進退移動するようになっている。換言すれば、アンビルシャフト16は、ヘッド部26から出没自在に構成されている。これにより、アンビルシャフト16の先端に連結されるアンビル18はヘッド部26に対して進退移動し、アンビル18とヘッド部26との間隔が変化するようになっている。
アンビル18は、扁平な円盤状の形状をしており、ヘッド部26と略同径に形成されている。アンビル18の材質は、特に限定はなく、例えば、ステンレス、チタンなどの金属、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂、又は、これらの金属と合成樹脂との複合材を好ましく用いることができる。
アンビルシャフト16は、その先端にアンビル18が連結される連結部材であり、上述したように、その基端側はヘッド部26の先端開口部を介して挿入部14内に挿通されており、回転ノブ20の操作に応じて、アンビルシャフト16が進退移動し、ヘッド部26とアンビル18との間隔が変化するようになっている。
本実施形態のアンビルシャフト16は、複数のコマ部材30(本発明の「リンク部材」に相当)を備えており、各コマ部材30はアンビルシャフト16の軸方向に並んで連結されている。各コマ部材30は、いずれも同一構成であり、互いに着脱自在(即ち、連結及び分離が可能)な構造を備えている。
また、アンビルシャフト16の軸方向に沿って互いに連結されるコマ部材30、30同士は、一方のコマ部材30に対して他方のコマ部材30が所定の角度範囲で揺動可能に構成されている。すなわち、アンビルシャフト16は、任意の方向に向きを変えることが可能(即ち、屈曲可能)なフレキシブルシャフトとなっており、管腔内の深部までアンビルシャフト16を挿入することが可能となっている。
ここで、アンビルシャフト16を構成するコマ部材30について詳しく説明する。
図1及び図2に示すように、コマ部材30は、弾性変形可能な金属又は合成樹脂で一体的に成型された成型体であり、嵌合凹部32を備えた大球体34と、嵌合凹部32に嵌合可能な小球体(嵌合凸部)36と、大球体34と小球体36とを接続する軸部材38とから構成されている。コマ部材30の材質としては、弾性変形可能なものであれば特に限定はないが、例えばアルミニウム、ステンレスなどの金属、ポリウレタン、ポリスチレンなどの合成樹脂が好ましく用いられる。
大球体34の内部には、小球体36の形状に対応した嵌合凹部32が形成されている。嵌合凹部32は、大球体34の側面側(軸部材38の軸方向に垂直な方向)に向かって開口している。この開口(側面開口)は、嵌合凹部32に小球体36を嵌め込むための挿通孔として、小球体36を挿通可能に構成されている。側面開口は、小球体36の径よりもやや小さく形成されていることが好ましく、所定の力を加えながら小球体36を側面開口に押し込むことによって、大球体34は弾性変形して側面開口が押し広げられ、嵌合凹部32に対して小球体36を嵌合させることができる。また、嵌合凹部32に嵌合した小球体36は、所定の力が加えられない限り、側面開口を通過することはできず、小球体36と嵌合凹部32との嵌合状態が容易に解除されることがない。
また、嵌合凹部32は、大球体34の正面側(軸部材38の軸方向であって軸部材38が接続される側とは反対側)に向かって開口している。この開口(正面開口)は、側面開口に連続して形成されており、嵌合凹部32に嵌合した小球体36に接続される軸部材38を挿通させるための挿通孔として構成されている。正面開口は、軸部材38の径よりも大きく、且つ、小球体36の径よりも小さく形成されており、通常の操作時にアンビルシャフト16に作用する引張り力が加えられても、小球体36は、大球体34の内壁面に当接して、正面開口を通過することができないようになっている。
なお、正面開口の大きさは、軸部材38のみを挿通させることができれば特に限定されるものではないが、正面開口の縁部と軸部材38との間に所定の隙間が確保されるように、小球体36が通過できない程度に十分に大きな径で形成されていることが好ましい。これにより、連結されたコマ部材30、30同士は、一方のコマ部材30に対して他方のコマ部材30が所定の角度範囲で揺動可能となり、アンビルシャフト16を任意の方向に向きを変えることが可能となる。
また、アンビルシャフト16の構成要素として、アンビル18の中心部分から基端側(アンビルシャフト16側)に向かって延びる軸部材42と、軸部材42の基端側に接続され、コマ部材30の嵌合凹部32に嵌合可能な小球体(嵌合凸部)40とが設けられている。小球体40及び軸部材42は、コマ部材30の小球体36及び軸部材38と同一構成(即ち、同一の形状及び寸法)を有している。したがって、コマ部材30、30同士を連結する場合と同様にして、コマ部材30の嵌合凹部32にアンビル18の小球体40を嵌合することにより、コマ部材30とアンビル18との連結を行うことができる。
このように本実施形態では、アンビルシャフト16が互いに着脱可能な複数のコマ部材30から構成されるので、アンビルシャフト16の一部の範囲を分離することができるとともに、残りの範囲の端部同士を結合することが可能である。これにより、例えば、図3に示すように、複数のコマ部材30A〜30Fのうち、一部のコマ部材30A〜30Eを分離することができる。また、アンビル18に軸部材42を介して接続される小球体40をコマ部材30Fの嵌合凹部32に嵌合させることにより、アンビルシャフト16の残りの範囲の端部同士を連結することが可能となる。
なお、図1〜図3では、6つのコマ部材30A〜30Fが連結された構成を例示したが、アンビルシャフト16を構成するコマ部材30の個数は特に限定されるものではない。
次に、本実施形態の自動吻合器10の操作方法について説明する。図4は、自動吻合器10の操作方法の一例を示した説明図である。ここでは、経肛門的に挿入部14が挿入されて吻合が行われる場合について説明するが、経口的に挿入部14が挿入されて吻合が行われる場合についても同様である。
まず、図4(a)に示すように、患者の肛門から挿入部14を腸管S内に挿入する。このとき、アンビルシャフト16の先端にはアンビル18が連結されており、挿入部14内にアンビルシャフト16を引き込み、ヘッド部26に対してアンビル18を近接させた状態で挿入操作を行う。そして、ヘッド部26が病変部を含む切除部Qよりも近位側(基端側)に配置されたら挿入操作を停止する。
次に、回転ノブ20を回して、図4(b)に示すように、挿入部14のヘッド部26からアンビルシャフト16を導出して、アンビルシャフト16の先端に連結されるアンビル18を切除部Qよりも遠位側(先端側)に配置する。
次に、図4(c)に示すように、アンビル18及びヘッド部26をそれぞれ包み込むようにアンビルシャフト16(具体的には軸部材42又は38)の周りに腸管Sを巾着状に縛る。このとき、病変部Pが内部に含まれるように切除部の両端のやや内側もそれぞれアンビルシャフト16の周りに巾着状に縛っておくことが好ましい。
このようにして腸管Sを少なくとも2箇所(好ましくは4箇所)の位置でアンビルシャフト16の周りに巾着状に縛って閉鎖した後、腸管Sの遠位側(アンビル18側)及び近位側(ヘッド部26側)から切除部Qが分離されるように腸管Sを切断する。このとき、腸管Sの遠位側(アンビル18側)及び近位側(ヘッド部26側)は閉鎖されているので、腹腔内で腸管Sの断端が開放状態となることがない。また、病変部が内部に含まれるように切除部の両端を閉鎖しておくことによって、病変部が腹腔内で露出されるのを防ぐことが可能となる。そして、図4(d)に示すように、アンビルシャフト16の一部の範囲(コマ部材30A〜30D)を切除部Qと一体的に分離して回収する。
次に、図4(e)に示すように、アンビルシャフト16の残りの範囲の端部同士を結合する。本例では、アンビル18に軸部材42を介して接続される小球体40を第5のコマ部材30Fの嵌合凹部32を嵌合させることによって、分離されたアンビルシャフト16の端部同士の結合が行われている。
そして、回転ノブ20を回して、図4(f)に示すように、アンビルシャフト16を挿入部14内に引き込み、挿入部14のヘッド部26とアンビル18を近づけて互いに押圧する。このとき、ヘッド部26とアンビル18との間には、分離された腸管Sの両端部の腸壁が挟まれた状態となっている。そして、ハンドル22を握り締めることにより、切除された腸管Sの両端部にまたがって、ヘッド部26から複数のステープラーが環状に打ち込まれるとともに、その内側の余分な腸壁部分が円筒状のカッターによって切断される。このようにして腸管Sの断端同士の吻合が完了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、肛門から挿入部14を腸管S内に挿入し、腸管Sの切除部よりも近位側にヘッド部26を配置するとともに遠位側にアンビル18を配置した状態で、ヘッド部26及びアンビル18をそれぞれ包み込むようにアンビルシャフト16の周りに巾着縫合する。そして、これらの間に存在する切除部を切除して、その切除部に対応するアンビルシャフト16の一部の範囲を分離し、残りの範囲の端部同士を結合する。これにより、腹腔内で腸管Sの断端が開放されることがなく、腸管Sの断端同士の吻合を行うことが可能となり、腹腔内汚染を防止することができる。
また、アンビルシャフト16は、任意の方向に向きを変えることが可能なフレキシブルシャフトで構成されるため、管腔内の深部(例えば横行結腸、上行結腸、盲腸周辺など)にアンビル18を容易に配置することが可能となる。
次に、本実施形態のアンビルシャフト16の変形例(第1〜第9の変形例)を図5〜図13に示す。図5〜図13中、図1と共通又は類似の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5に示す第1の変形例としてのアンビルシャフト16Aは、複数のコマ部材50が互いに連結された構造となっている。各コマ部材50は、球状の本体部52の一端にはクリップ状の弾性ラッチ片54を備え、弾性ラッチ片54の内側には突起状の係合凸部58が設けられる。一方、本体部52の他端には弾性ラッチ片54に挿通可能な弾性アーム56を備え、前記係合凸部58に係合可能な係合凹部60が設けられている。そして、一方のコマ部材50の弾性ラッチ片54の内側に他方のコマ部材50の弾性アーム56を挿入することにより、弾性ラッチ片54の弾性変形により、係合凸部58が係合凹部60に係合した状態となり、2つのコマ部材50、50同士が連結された状態となる。アンビルシャフト16Aの長手方向に所定の大きさ以上の力を作用させることにより、係合凸部58と係合凹部60との係合は解除され、2つのコマ部材50、50同士を分離することが可能である。
図6に示す第2の変形例としてのアンビルシャフト16Bは、両端に雄ネジ64、64を備えた第1のコマ部材62Aと、両端に雌ネジ66、66を備えた第2のコマ部材62Bとが軸方向に沿って交互に配置されている。そして、第1のコマ部材62Aの雄ネジ64を第2のコマ部材62Bの雌ネジ66に螺合させることにより、2つのコマ部材62A、62Bが連結された状態となる。また、雄ネジ64と雌ネジ66との螺合を解除することにより、2つのコマ部材62A、62Bを容易に分離することができる。
なお、第2の変形例では、アンビルシャフト16Bが2種類のコマ部材62A、62Bからなる構成を例示したが、これに限らず、例えば、一端に雄ネジが設けられるとともに他端に雌ネジが設けられたコマ部材を用いることにより、アンビルシャフトを構成するコマ部材の共通化を図ることができ、コストダウンを図ることが可能となる。
図7に示す第3の変形例としてのシャフト16Cは、鎖状(チェーン状)に連結された複数の環状部材68から構成されている。各環状部材68には、周方向に切り欠けられた開口部70が形成されており、この開口部70を介して環状部材68、68同士の連結及び分離が行われる。
図8に示す第4の変形例としてのシャフト16Dは、第3の変形例と同様に、鎖状に連結された複数の環状部材72から構成されている。この環状部材72は、カラビナ状に形成されており 周方向の一部が切り欠けられた開口部74を有する略C字状の本体76と、長手方向の一端が回転可能に軸支されて前記開口部74を開閉する開閉部78とから構成されている。この変形例によれば、各環状部材72にはそれぞれ開閉部78が設けられているので、環状部材72、72同士の連結及び分離を容易に行うことが可能となる。
図9に示す第5の変形例としてのシャフト16Eは、鎖状に連結された複数のS字状フック部材(Sカンフック)80から構成されている。各S字状フック部材80には、S字状の両端部に隙間82が形成されており、この隙間82を通じてS字状フック部材80、80同士の連結及び分離が可能である。
図10に示す第6の変形例としてのシャフト16Fの側面には、軸方向に沿って所定の凹凸パターン84が形成された構成となっている。このシャフト16Fは、任意の位置で切断可能な部材(例えば樹脂部材)からなり、切断されたシャフト16Fの断端同士は、互いの凹凸パターン84を向き合わせて係合させることで連結することが可能となる。
図11に示す第7の変形例としてのシャフト16Gは、細長い板状部材86からなり、板状部材86の表面に面ファスナー88が設けられた構成となっている。このシャフト16Gは、任意の位置で切断可能な部材(例えば樹脂部材)からなり、切断されたシャフト16Gの断端同士は、互いの面ファスナー88を介して結合することができる。
図12に示す第8の変形例としてのシャフト16Hは、軸方向に沿って等間隔のピッチで径方向に貫通する孔部90が設けられている。このシャフト16Eは、任意の位置で切断可能な部材(例えば樹脂部材)で構成されている。また、切断されたシャフト16Hの断端同士を連結する場合には、図12に示すように、断面C状のアダプタ部材92を用いて連結を行う。このアダプタ部材92の内面には、前記孔部90に挿通可能なピン部材94が設けられている。そして、アダプタ部材92のピン部材94を、切断されたシャフト16Eの断端の孔部90に差し込むことにより結合することが可能となる。また、アダプタ部材92を用いる代わりに、切断されたシャフト16Fの断端の孔部90、90同士を糸で縛ってもよい。
図13に示す第9の変形例としてのシャフト16Iは、樹脂部材で形成された棒状部材96からなり、任意の位置で切断することにより分離可能である。また、切断したシャフト16Iの断端同士は、超音波接合又は加熱接合により連結される。
このように、図5〜図13に示したシャフト16A〜16Iはいずれも、軸方向に沿って一部の範囲を分離可能に構成されるとともに、残りの範囲の端部同士は結合可能に構成されている。したがって、本実施形態の自動吻合器10において、これらのシャフト16A〜16Iを用いることが可能である。
以上、本発明の管吻合器について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
10…自動吻合器、12…操作部、14…挿入部、16…アンビルシャフト、18…アンビル、20…回転ノブ、22…ハンドル、24…可撓管、26…ヘッド部、30…コマ部材、32…嵌合凹部、34…大球体、36…小球体、38…軸部材、40…小球体、42…軸部材

Claims (14)

  1. 長尺の挿入部を管腔内に挿入して管腔組織間の吻合を行う管吻合器であって、
    前記挿入部の先端側に設けられ、先端面から接合部材及び切断部材を突出可能なヘッド部と、
    前記ヘッド部の先端面に対向する位置で該ヘッド部から突き出された接合部材を変形させるアンビルと、
    前記ヘッド部から出没自在に設けられ、その先端に前記アンビルが連結される連結部材と、を備え、
    前記連結部材は、軸方向に沿って一部の範囲を分離可能に構成されるとともに、残りの範囲の端部同士は結合可能に構成されることを特徴とする管吻合器。
  2. 前記連結部材は、複数のリンク部材からなり、各リンク部材は互いに連結及び分離が可能な構造を有することを特徴とする請求項1に記載の管吻合器。
  3. 互いに連結されたリンク部材同士は、一方のリンク部材が他方のリンク部材に対して所定の角度範囲で揺動可能に構成され、前記連結部材は屈曲可能なフレキシブルシャフトであることを特徴とする請求項2に記載の管吻合器。
  4. 前記連結部材の軸方向に沿って隣接するリンク部材同士のうち、一方のリンク部材に嵌合凹部が設けられ、他方のリンク部材に前記嵌合凹部に嵌合可能な嵌合凸部が設けられ、前記リンク部材同士は前記嵌合凹部に前記嵌合凸部を嵌合させることにより互いに連結されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の管吻合器。
  5. 前記リンク部材には、前記嵌合凹部及び前記嵌合凸部が設けられていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の管吻合器。
  6. 前記連結部材の軸方向に沿って隣接するリンク部材同士のうち、一方のリンク部材に雌ネジが設けられ、他方のリンク部材に前記雌ネジに螺合可能な雄ネジが設けられ、前記リンク部材同士は前記雌ネジに前記雄ネジを螺合させることにより互いに連結されていることを特徴とする請求項2に記載の管吻合器。
  7. 前記リンク部材は、鎖状に連結された複数の環状部材からなることを特徴とする請求項2又は3に記載の管吻合器。
  8. 前記環状部材は、周方向の一部に切り欠き部が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の管吻合器。
  9. 前記環状部材は、周方向の一部が切り欠けられた開口部を有する略C字状の本体と、長手方向の一端が回転可能に軸支されて前記開口部を開閉する開閉部と、から構成されることを特徴とする請求項7に記載の管吻合器。
  10. 前記リンク部材は、鎖状に連結された複数のS字状フック部材からなることを特徴とする請求項2又は3に記載の管吻合器。
  11. 前記連結部材の側面には、軸方向に沿って凹凸パターンが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の管吻合器。
  12. 前記連結部材は、細長い板状部材からなり、前記板状部材の表面に面ファスナーが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の管吻合器。
  13. 前記連結部材には、軸方向に沿って所定のピッチで孔部が設けられ、前記孔部に挿通可能な連結具を用いて前記連結部材の分離された端部同士は連結されることを特徴とする請求項1に記載の管吻合器。
  14. 前記連結部材は、樹脂部材からなり、前記連結部材の分離された端部同士は超音波接合又は加熱接合により連結されることを特徴とする請求項1に記載の管吻合器。
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