図1および図2には、この発明に係るパンチプレス1が示されている。このパンチプレス1では、門型形状をしたフレーム3の中央部における上部フレーム5と下部フレーム7の間にギャップGを備えている。このギャップGにおける加工位置Kには、パンチPが上部フレーム5に上下動自在に支持されると共に、ダイDが下部フレーム7に上下動自在に支持されている。
一方、ギャップGには、加工されるワークWを支持して位置決めするワーク移動位置決め装置9が設けられている。このワーク移動位置決め装置9では、加工テーブル11が、Y軸方向(図1において左右方向)に設けられている1対のガイドレール13に沿って移動すべく、加工テーブル11の図1における右端部にはキャレッジベース15が設けられており、このキャレッジベース15はY軸モータ(図示省略)によりY軸方向へ移動・位置決め自在となっている。また、前記キャレッジベース15には、ワークWを把持する複数のワーククランパ17を備えてX軸方向(図2中上下方向)へ移動・位置決め自在のXキャレッジ19を有している。
上記構成により、ワークWをワーククランパ17により把持して、Xキャレッジ19をX軸方向へ、またキャレッジベース15をY軸方向へ移動させて、ワークWを加工位置Kに位置決めする。そして、駆動装置によりパンチPを打圧して、パンチPとダイDとの協働によりワークWにパンチング加工を行う。
一方、パンチプレス1の図1における左側には、多数のパンチPおよびダイDを収納する金型収納装置21が設けられている。この金型収納装置21とパンチプレス1との間には、使用済みの金型をパンチプレス1から搬出して金型収納装置21へ収納したり次に使用する新しい金型をパンチプレス1へ搬入するための金型交換装置23を有している。また、パンチプレス1の右側には、油圧シリンダ等を制御するための油圧ユニット25が設けられている。
図3から図5には、パンチPを支持するパンチ支持部27およびダイDを支持するダイ支持部29が示されている。
図3を参照するに、パンチ支持部27の段差を有する円筒形状の支持ボディ31は上部フレーム5に固定されており、支持ボディ31の中心部空間にはラムシリンダ33が設けられていて、上方へ延びる上ピストンロッド35Uの上端部にはインデックス用ギヤ37が装着されて設けられている。
このインデックス用ギヤ37はスプライン部39により上ピストンロッド35Uと一体的に回転し且つ相対的に上下動自在するように連結されており、インデックス用モータ(図示省略)によりギヤ(図示省略)を介して回転駆動されてパンチPを回転させる。
図4および図5を併せて参照するに、ラムシリンダ33から下方へ延びる下ピストンロッド35Lの下端部には上部主軸としてのプレスラム部41が設けられており、ラムシリンダ33の作用により加工高さ位置および金型交換高さ位置に位置決め可能となっている。このプレスラム部41の内側にはパンチPを把持してロックするパンチクランパとしてのロック機構43が設けられている。
ロック機構43はロック外筒44を有し、このロック外筒44はプレスラム部41の内側に設けられ、ロック外筒44の内側の空間はシール45を備えた仕切り47により上部空間49と下部空間51に分かれており、上部空間49にはロック用シリンダ53が設けられている。このロック用シリンダ53のピストンロッド55は仕切り47を貫通して下部空間51に延びており、下部空間51におけるピストンロッド55の下端部にはプレート57および複数のロック爪59(コレットチャック)が開閉自在に設けられている。このロック爪59の先端部には球状部分61が設けられており、このロック爪59が上下移動する下部空間51は下端部が広くなるようにロック外筒44の下部内側に段差63が設けられている。
従って、ロック用シリンダ53の上室53Uに圧油を供給して下降させると、ロック爪59の球状部分61が段差63の下側に移動するので開いてアンロック状態となる(図5に示されている状態)。一方、ロック用シリンダ53の下室53Lに圧油を供給して上昇させると、ロック爪59の球状部分61が上昇して段差63により内側に移動されるので、ロック爪59は閉じてロック状態となる(図4に示されている状態)。
図6を参照するに、支持ボディ31の下端部には流体圧シリンダとしての板押え上下用シリンダ65が4個所設けられており、この板押え上下用シリンダ65のピストン67はスプリング69により上方へ付勢されており、ワークWの板厚に応じて板押え上下用シリンダ65により押圧力を調整することができるようになっている。
また、ピストンロッド71の下端部には板押え支持部材のうちの上板押え支持ブロック72が上下動可能に取り付けられており、しかもこの上板押え支持ブロック72の下部には下板押え支持ブロック73が上下動かつ回転可能に取り付けられており、この下板押え支持ブロック73の外側下端には止め部材75が設けられている。この止め部材75は上板押え支持ブロック72の下端部に設けられているストッパ77に当接されるようになっている。
また、下板押え支持ブロック73にはエアシリンダ79が内側に向けて取り付けられており、ピストンロッド81の先端が下板押え支持ブロック73の凹部83に嵌合することにより下板押え支持ブロック73の回転を所定位置に止めるようになっている。
板押え支持ブロック73には、前記止め部材75を介してパンチPの金型装着部としての板押え85を保持するために左右(図4および図5において左右)の係止部材としての一対のパンチ保持爪87が設けられている。
また、板押え支持ブロック73には、潤滑油供給用の油路89が設けられている。前記止め部材75の内部にはボルトBTが設けられており、このボルトBTに設けられたスプリング90の付勢力により、止め部材75が常時上方向へ付勢されている。したがって、板押え87の上面と下板押え支持ブロック73の下面との隙間をわずかあけるべく前記ストッパ77の高さを調整することにより調整される。
前記ロック外筒44の下部における図6において前後にはパンチPの交換時に後述するパンチPのプルスタッド133との干渉を回避する切欠きCが2点鎖線で示すように設けられている。
一方、図3を参照するに、ダイ支持部29では、円筒形状をした上下支持ボディ91U、91Lがボルト93により一体的に結合されて、且つ下部フレーム7に固定されている。
下支持ボディ91Lの内周面にはネジ部95が形成されており、このネジ部95に螺合して下支持ボディ91Lに対して相対的に上下動自在の昇降部材97が設けられている。この昇降部材97の下端部には、スプライン部99を介して昇降用ギヤ101が昇降部材97に対して相対的に上下動自在且つ一体的に回転するように設けられており、昇降用ギヤ101は定位置において回転する。この昇降用ギヤ101は、ギヤ103等を介して昇降用モータ105により回転される。
従って、昇降用モータ105がギヤ103等を介して昇降用ギヤ101を回転すると、昇降部材97はネジ部95の作用により下支持ボディ91Lに沿って上下動して、加工時のダイDの上面がパスラインに位置する加工高さ位置(図4に示されている状態)、あるいはダイDを交換するための交換高さ位置(図5に示されている状態)に位置決めされる。
図4および図5を併せて参照するに、昇降部材97の上側には、上支持ボディ91Uの内周面に沿って上下動自在の下部主軸としての支持台107が設けられており、加工高さ位置と金型交換高さ位置が選択的に位置決め可能となっている。この支持台107の上端部には流体圧シリンダとしての成形シリンダ109が設けられている。この成形シリンダ109のピストンロッド部材111の中央部は中空状となった空間113が上下に設けられており、パンチング時に生じる抜きカスを落下させて排出することができるようになっている。
前記ピストンロッド部材111の上部外周面にはスプライン部115を介してインデックス用ギヤ117がピストンロッド部材111に対して相対的に上下動自在且つ一体的に回転するように設けられており、インデックス用モータ119により定位置で回転する。
また、インデックス用ギヤ117の上側には金型装着部としてのダイ支持ブロック121が設けられており、このダイ支持ブロック121はインデックス用ギヤ117を貫通して常時スプリング123により下方へ付勢されているが上端のネジ部125Uがねじ込まれてインデックス用ギヤ117と一体的に回転するようになっている(図4参照)。
なお、図5に示されているように支持台107を下降させると、インデックス用ギヤ117も一体的に下降するためピン125も下降するが、ピン125の下端部は上支持ボディ91Uの上端部に当接してそれ以上下降できないため、相対的に押上げられる。このピン125により、ダイ支持ブロック121が相対的に押上げられるので、ダイホルダ147の下面がピストンロッド部材111の上端面から離れてアンロック状態となる。
このダイ支持ブロック121には、ダイDを保持するために左右(図4および図5において左右)係止部材としての一対のダイ保持爪127が設けられている。
従って、支持台107を下降させたアンロック状態で、インデックス用モータ119によりインデックス用ギヤ117を回転させることによりダイ保持爪127も一体的に回転するので、ダイ保持爪127に保持されたダイDの回転割出しを行うことができる。そして、支持台107を上昇させ、ダイホルダ147の下面に支持台107の上端面を押しつけてロック状態とする(図4参照)。
次に、パンチPおよびダイDについて説明する。
図7(A)(B)を併せて参照するに、パンチPでは、パンチ刃部129の周囲に板押え85が相対的に上下動自在に設けられており、パンチ刃部129の上側に取り付けられているパンチ上部131が板押え85の凹部に引っかかるまでパンチ刃部129は下降自在となっている。パンチ刃部129の上面には、前述のロック機構43によりロックされるプルスタッド133がボルト135により上方へ取り付けられており、パンチ上部131はこのプルスタッド133を介してパンチ刃部129に一体的に取り付けられている。
また、板押え85の外周面には、上側(図7(B)において上側)に板押え支持ブロック73のワーク支持爪87により保持されるためのパンチ係止部としての一対の平行なパンチ装着用溝137が設けられており、その下側にはパンチ装着用溝137に交差する方向(ここでは直交する方向、図7(A)において左右方向)にパンチ交換時に保持されるための一対の平行なパンチ交換用溝139が設けられている。
このため、パンチ装着用溝137に沿ってパンチPを移動することにより、容易に取り外すことができ、且つ容易に装着することができるので、パンチ交換時間を大幅に短縮することができる。なお、板押え85の内部には、板押え85とパンチ刃部129との摺動面に潤滑油を供給する潤滑油供給路141が4個所に設けられている。
図8(A)(B)を併せて参照するに、ダイDでは、ダイ刃部145がダイホルダ147に対して支持されている。ダイホルダ147の外周面には、下側(図8(B)において下側)にダイ支持ブロック121のダイ保持爪127により保持されるためのダイ係止部としての一対の平行なダイ装着用溝149が設けられており、その上側にはダイ装着用溝149に交差する方向(ここでは直交する方向、図8(A)において上下方向)にダイ交換時に保持されるための一対の平行なダイ交換用溝151が設けられている。
このため、ダイ装着用溝149に沿ってダイDを移動することにより、容易に取り外すことができ、且つ容易に装着することができるので、ダイ交換時間を大幅に短縮することができる。
次に、金型交換装置23について説明する。図9を参照するに、金型交換装置23では、上側にパンチ交換用のパンチ交換装置153が設けられており、ダイ交換用のダイ交換装置155がパンチ交換装置153と平行に下側に設けられている。
図9および図10を併せて参照するに、パンチ交換装置153には、金型収納装置21からパンチPを受け取る金型受け渡し位置Tからパンチプレス1にパンチPを脱着する金型交換位置Kまで、フレーム157が水平に設けられており、このフレーム157の下面(図10において紙面手前側面)にはガイドレール159が設けられている。また、フレーム157の前後両端部(図10において左右両端部)に設けられている軸受け161、163には、ボールネジ165がガイドレール159と平行に且つ回転自在に設けられている。
図10および図12を参照するに、ガイドレール159にはスライダ167を介してパンチ搬送部材としてのパンチ交換シャトル169が門型状のフレーム3の内部において移動自在に設けられており、金型交換装置23のコンパクト化を図っている。パンチ交換シャトル169のパンチ交換装置ベースプレート171の上面に前述のスライダ167が取り付けられている。
このパンチ交換装置ベースプレート171には前述のボールネジ165に螺合するボールナット173(図13参照)が取り付けられており、ボールネジ165が回転するとボールナット173の作用によりガイドレール159に沿ってパンチ交換シャトル169が移動する。
これにより、パンチプレス1において加工中でも、次の金型の準備をすることができ、金型交換時間の短縮を図ることができる。
図9および図11を併せて参照するに、ダイ交換装置155には、上述したパンチ交換装置153と同様に、金型収納装置21からダイDを受け取る金型受け渡し位置Tからパンチプレス1にダイDを脱着する金型交換位置Kまで、フレーム175が水平に設けられており、このフレーム175の上面(図11において紙面手前側面)にはガイドレール177が設けられている。また、フレーム175の前後両端部(図11において左右両端部)に設けられている軸受け179、181には、ボールネジ183がガイドレール177と平行に且つ回転自在に設けられている。
図11および図12を参照するに、ガイドレール177にはスライダ185を介してダイ交換シャトル187が移動自在に設けられており、ダイ交換シャトル187のダイ交換装置ベースプレート189の下面に前述のスライダ185が取り付けられている。このダイ交換装置ベースプレート189には前述のボールネジ183に螺合するボールナット191(図13においてカッコ書き)が取り付けられており、ボールネジ183が回転するとボールナット191の作用によりガイドレール177に沿ってダイ交換シャトル187が移動する。
図12を参照するに、前記パンチ交換装置153のボールネジ165の後端(図9において左側端部)には従動プーリ193が取り付けられており、前記ダイ交換装置155のボールネジ183の後端にも従動プーリ195が取り付けられている。そして、両従動プーリ193、167および駆動モータ197に取り付けられている駆動プーリ199にはベルト201が掛け回されており、2個の押さえプーリ203、205によりベルト201を押さえて所定の張力を与えている。
従って、駆動モータ197がベルト201を回転走行させると、従動プーリ193、167を介して上下のボールネジ165、183が各々同期して回転されるので、各ボールナット173、191の作用によりパンチ交換シャトル169およびダイ交換シャトル187が同期して移動する。
このため、パンチプレス1における加工中に、次の金型を準備することができるので、金型搬送時間の短縮を図ることができる。
次に、図12から図14を参照してパンチ交換シャトル169について説明する。なお、ダイ交換シャトル187はパンチ交換シャトル169を上下反対にしたものであるので、ダイ交換シャトル187において対応する部位にはカッコ書きで符号を付すこととして重複する説明は省略する。
パンチ交換シャトル169(ダイ交換シャトル187)のパンチ交換装置ベースプレート171(ダイ交換装置ベースプレート189)の下面には、パンチ交換装置ベースプレート171(ダイ交換装置ベースプレート189)の移動方向に直交する方向(図13において紙面直交方向、図14において上下方向)にガイドレール207(ガイドレール209)が設けられている。このガイドレール207(ガイドレール209)にはスライダ211(スライダ213)が移動自在に設けられており、このスライダ211(スライダ213)にはパンチ交換装置ボディ215(ダイ交換装置ボディ217)が取り付けられている。
パンチ交換装置ベースプレート171(ダイ交換装置ベースプレート189)の下面には、前述のガイドレール207(ガイドレール209)と平行にボールネジ219(ボールネジ221)が回転自在に設けられており、このボールネジ219(ボールネジ221)に螺合して移動するボールナット223(ボールナット225)がパンチ交換装置ボディ215(ダイ交換装置ボディ217)に取り付けられている。パンチ交換装置ベースプレート171(ダイ交換装置ベースプレート189)には駆動モータ227(駆動モータ229)が取り付けられており、この駆動モータ227(駆動モータ229)の回転軸には駆動プーリ231(駆動プーリ233)が取り付けられていて、この駆動プーリ231(駆動プーリ233)とボールネジ219(ボールネジ221)の端部に取り付けられている従動プーリ235(従動プーリ237)とにはベルト239(ベルト241)が掛け回されている。
従って、駆動モータ227(駆動モータ229)がボールネジ219(ボールネジ221)を回転させると、ボールナット223(ボールナット225)の作用によりパンチ交換装置ボディ215(ダイ交換装置ボディ217)は左右方向(図13において紙面直交方向、図14において上下方向)に移動する。
また、パンチ交換装置ボディ215(ダイ交換装置ボディ217)の下部(図13において下部)には、旋回用モータ243(旋回用モータ245)が設けられており、この旋回用モータ243(旋回用モータ245)の回転軸には駆動プーリ247(駆動プーリ249)が取り付けられている。この旋回用モータ243(旋回用モータ245)の図14における右側にはウォームギヤ251(ウォームギヤ253)が回転自在に設けられており、このウォームギヤ251(ウォームギヤ253)の端部に取り付けられている従動プーリ255(従動プーリ257)と前述の駆動プーリ247(駆動プーリ249)にはベルト259(ベルト261)が掛け回されている。
さらに、パンチ交換装置ボディ215(ダイ交換装置ボディ217)には前述のウォームギヤ251(ウォームギヤ253)が噛合するウォームホィール263(ウォームホィール265)が回転自在に設けられており、このウォームホィール263(ウォームホィール265)の中心軸には下方(図13において下方)へ延びる旋回軸267(旋回軸269)が取り付けられている。
この旋回軸267(旋回軸269)にはパンチPを把持する2つの第1、第2パンチ保持部271、273(第1、第2ダイ保持部275、277)を備えたパンチ保持アームとしてのパンチ交換ハンド279(ダイ保持アームとしてのダイ交換ハンド281)が設けられている。
従って、旋回用モータ243(旋回用モータ245)がベルト259(ベルト261)を介してウォームギヤ251(ウォームギヤ253)を回転させると、噛合するウォームホィール263(ウォームホィール265)が回転して旋回軸267(旋回軸269)を回転させるので、パンチ交換ハンド279(ダイ交換ハンド281)が旋回する。
このため、金型収納装置21に向かった状態で金型を受け取ったパンチ交換ハンド279(ダイ交換ハンド281)の向きを、パンチプレス1側に向かうように変えることができる。
次に、金型収納装置21について説明する。
図15から図17を参照するに、金型収納装置21は、パンチ収納棚およびダイ収納棚としての1個のパンチPと2個のダイD1、D2をセットにしたパンチ・ダイセットPDを収納する金型収納部としての棚282を複数個有する多段・多列のラックとしての第1金型収納棚283Fと、この第1金型収納棚283Fに対向して設けられている第2金型収納棚283Sを有している。従って、少ないスペースに複数個のパンチとダイの組み合せを収納することができ、1個のパンチPに対応するダイDを選択することにより、例えば種々の板厚等に対応した加工を行うことが可能になる。
第2金型収納棚283Sの幅は第1金型収納棚283Fの幅に比して小さなものとなっている。各金型収納棚283F、283Sは、パンチPのパンチ装着用溝137に係合してパンチPを保持し、同様にダイDのダイ装着用溝149に係合してダイD1、D2を保持するようになっている。
第1金型収納棚283Fの周囲には、上下左右のフレーム285U、285D、285L、285Rが設けられている。第1金型収納棚283Fと第2金型収納棚283Sの間における第1金型収納棚283Fの上下のフレーム285U、285Lの前面(図17において右側面)には、ガイドレール287U、287Lが各々設けられており、このガイドレール287U、287Lの上下外側にはラック289U、289Lが並行して設けられている。
上下のガイドレール287U、287Lに沿ってピッキングロボット291が移動自在に設けられている。すなわち、前述のガイドレール287U、287Lに沿って移動自在のスライダ293U、293Lが設けられており、両スライダ293U、293Lは一対のガイドレール295により連結されている。
また、両スライダ293U、293L間にはボールネジ297が回転自在に設けられている。さらに、両スライダ293U、293L間にはシャフト299が回転自在に設けられており、シャフト299の上下両端部には前述のラック289U、289Lに噛合するピニオン301U、301Lが各々取り付けられている。
上側のスライダ293Uには、ガイドレール287U、287Lに沿って移動するための自走用モータ303が設けられており、この自走用モータ303の回転軸に取り付けられている駆動プーリ305と、シャフト299の上端部に取り付けられている従動プーリ307はベルト309により連結されている。
一方、下側のスライダ293Lにはピッキングロボット291を上下移動させるための上下用モータ311が設けられており、この上下用モータ311の回転軸に取り付けられている駆動プーリ313と前述のボールネジ297の下端部に取り付けられている従動プーリ315はベルト317により連結されている。
図18および図19を参照するに、ピッキングロボット291のベースプレート319には、前述のガイドレール295に沿って上下移動するスライダ233が取り付けられており、また、前述のボールネジ297に螺合するボールナット321(図17参照)が取り付けられている。
従って、自走用モータ303がシャフト299を回転させることにより上下のピニオン301U、301Lが同期して回転するので、垂直状態を保持してガイドレール287U、287Lに沿って移動して、金型収納棚283の所望の水平位置に位置決めすることができる。また、上下用モータ311がボールネジ297を回転させることにより、ボールナット321の作用によりピッキングロボット291はガイドレール295に沿って上下移動するので、金型収納棚283の所望の上下位置に位置決めすることができる。
図18から図20を併せて参照するに、前記ピッキングロボット291のベースプレート319の前面(図18において紙面手前側面)上端部には水平移動用の駆動モータ323が設けられており、回転軸には駆動プーリ325が取り付けられている。この駆動モータ323の下方にはボールネジ327が前後方向(図18において左右方向)へ水平に設けられており、このボールネジ327の端部に取り付けられた従動プーリ329と駆動モータ323の駆動プーリ325にはベルト331が掛け回されている。
またベースプレート319の中部前面には、上下一対のガイドレール333が前後方向へ水平に設けられている。このガイドレール333には、スライダ335により前後方向(図18において左右方向)へ移動自在の可動ベース337が設けられており、この可動ベース337の上方には前述のボールネジ327に螺合するボールナット339が取り付けられている。
従って、駆動モータ323がベルト331を介してボールネジ327を回転すると、ボールナット339の作用により可動ベース337が前後方向(図18において左右方向)へ移動する。
前記可動ベース337の前面には、上端部にトッププレート341が水平方向に取り付けられ、下端部にはボトムプレート343が水平方向に取り付けられている。トッププレート341とボトムプレート343の間には一対のガイドシャフト345が設けられており、スライダ347により移動台349が上下移動自在に設けられている。
また、トッププレート341とボトムプレート343の間には外周面に上下方向のスプラインが形成された旋回軸351が鉛直方向に設けられて旋回自在となっており、この旋回軸351にはウォームホィール353が相対的に上下動自在且つ一体的に回転するように取り付けられている。一方、移動台349における下部には旋回用モータ355が設けられており、この旋回用モータ355の回転軸には駆動プーリ357が取り付けられている。
また、移動台349における旋回用モータ355の上側には図18における右側端部に従動プーリ359が取り付けられた回転軸361が設けられており、この従動プーリ359と旋回用モータ355の駆動プーリ357との間にはベルト363が掛け回されている。この回転軸361には前述のウォームホィール353に噛合するウォームギヤ365が取り付けられている。
また、前記旋回軸351の上端部には金型収納棚283に収納されているパンチPをクランプするためのパンチ出し入れアーム367が一定の高さ位置において旋回軸351と共に旋回自在に取り付けられている。また、移動台349にはダイDをクランプするためのダイ出し入れアーム369が旋回軸351と共に旋回自在に取り付けられている。
また、可動ベース337の前面におけるトッププレート341の下方にはブロック371が取り付けられており、このブロック371にピストンロッド373の先端が固定されたシリンダ375の下面がダイ出し入れアーム369に固定されている。このシリンダ375の作用によりダイ出し入れアーム369を上段(図18において実線で示す位置)または下段(図18において二点鎖線で示す位置)に切り換えて、金型収納棚283に収納されている上下2個のダイD1、D2のうち所望の方を選択的にクランプできるようにしている。
従って、旋回用モータ355がベルト363を介して回転軸361を回転させると、ウォームギヤ365が回転してウォームホィール353を回転させ、旋回軸351を旋回させるので、パンチ出し入れアーム367は所定の位置で、またダイ出し入れアーム369はシリンダ375により切り換えた上段位置または下段位置において旋回する。
このように、パンチ出し入れアーム367によりパンチPを保持すると共にダイ出し入れアーム369によりダイDを保持して同時にパンチ・ダイセットの出し入れを行うので、パンチPおよびダイDの交換時間を短縮することができる。
図18および図20を参照してパンチ出し入れアーム367について説明する。なお、ダイ出し入れアーム369はまったく同様の構成なのでカッコ書きで示して、重複する説明は省略する。
パンチ出し入れアーム367(ダイ出し入れアーム369)は前述の旋回軸351と一体的に回転するように取り付けられた先端部が二股に分かれたクランパボディ377(クランパボディ379)を有しており、このクランパボディ377はパンチP(ダイD)の底面を下側から支持する。
また、クランパボディ377(クランパボディ379)の上側には、パンチP(ダイD)のパンチ交換用溝139(ダイ交換用溝151)をクランプするために、一対のクランプ爪381(クランプ爪383)が開閉中心385(開閉中心387)を中心にして開閉自在に設けられている。
各クランプ爪381(クランプ爪383)の後部(図20において右側部分)にはてこ部389(てこ部391)が張り出しており、てこ部389(てこ部391)の先端部(図20において右側先端)はリンク部材393、395(リンク部材397、399)を介して、開閉用シリンダ401(開閉用シリンダ403)のピストンロッド405(ピストンロッド407)の先端に連結されている。
従って、開閉用シリンダ401(開閉用シリンダ403)のピストンロッド405(ピストンロッド407)を押し出してクランプ爪381(クランプ爪383)を開いた状態でパンチ出し入れアーム367(ダイ出し入れアーム369)を前進させてクランパボディ377(クランパボディ379)をパンチP(ダイD)の下側に挿入し、開閉用シリンダ401(開閉用シリンダ403)のピストンロッド405(ピストンロッド407)を引っ込めてクランプ爪381(クランプ爪383)を閉じてパンチP(ダイD)をクランプする。
次に、金型交換動作について説明する。まず、金型収納装置21から次に使用する金型を取り出したり、使用済みの金型を収納する動作について説明する。なお、パンチPの交換動作とダイDの交換動作はほとんど共通するものなので、ダイDについてはカッコ書きして重複する説明は省略する。
図15〜図17を参照するに、ピッキングロボット291を第1金型収納棚283Fの前面に設けられているガイドレール287U、287Lに沿って移動させると共に上下移動して、パンチ出し入れアーム367およびダイ出し入れアーム369を金型収納装置21の第1金型収納棚283Fまたは第2金型収納棚283Sに収納されている所望のパンチPおよびダイD1、D2に対応する位置に位置決めする。
図21を参照するに、第1金型収納棚283FからパンチP(ダイD)を取り出す場合には、パンチ出し入れアーム367(ダイ出し入れアーム369)を旋回させて第1金型収納棚283Fの方向へ向けて前進させ(図21(A)参照)、パンチ出し入れアーム367(ダイ出し入れアーム369)のクランパボディ377(クランパボディ379)をパンチP(ダイD)の下側に挿入してクランプ爪381(クランプ爪383)によりパンチP(ダイD)を把持する。このとき、ダイ出し入れアーム369は、所望のダイDが金型収納棚283の上段にある場合にはシリンダ375により上段位置に位置決めし、下段にある場合には下段位置に位置決めしておく。
パンチP(ダイD)をクランプしたらパンチ出し入れアーム367(ダイ出し入れアーム369)を途中位置まで後退(図21において下方)させてパンチP(ダイD)を金型収納棚283から取り出し(図21(B)参照)、パンチ出し入れアーム367(ダイ出し入れアーム369)を90度半旋回させる(図21(C)参照)。そして、再度パンチ出し入れアーム367(ダイ出し入れアーム369)を前進(図21において上方)させると共にさらに90度(合計180度)旋回させる(図21(D)参照)。
これにより、第1金型収納棚283Fと第2金型収納棚283Sとの間隔Dを狭くすることが出来、省スペース化を図ることができる。なお、第2金型収納棚283Sから金型を取り出す場合には、上述した第1金型収納棚283Fから金型を取り出す場合のようにパンチ出し入れアーム367を反転させる必要はない。
そして、ピッキングロボット291を上下移動させると共にピッキングロボット291を移動させた後、パンチ出し入れアーム367(ダイ出し入れアーム369)を後退させて把持しているパンチP(ダイD)を金型受け渡し位置Tに位置決めする。
一方、使用済みの金型を収納する際には、上述した取り出す場合とは反対に、金型受け渡し位置Tにおいてパンチ交換シャトル169(ダイ交換シャトル187)から使用済みのパンチP(ダイD)をピッキングロボット291が受け取り、第1金型収納棚283Fあるいは第2金型収納棚283Sの所望の位置に位置するように移動させ、パンチ出し入れアーム367(ダイ出し入れアーム369)を旋回させると共に前進させてパンチP(ダイD)を金型収納棚283に入れてパンチ出し入れアーム367(ダイ出し入れアーム369)を開いてパンチP(ダイD)をアンクランプする。
次に、ピッキングロボット291により取り出されたパンチPおよびダイDをパンチプレス1に搬入する動作について説明する。なお、パンチPの搬入動作とダイDの搬入動作はほとんど共通するものなので、以後の説明において共通する部分についてはパンチPの搬入動作について説明し、ダイDについてはカッコ書きすることとする。
図16、図22および図23を参照するに、ピッキングロボット291のパンチ出し入れアーム367(ダイ出し入れアーム369)に把持されて第2金型収納棚283Sと並ぶ位置に設けられている金型受け渡し位置Tに位置決めされたパンチP(ダイD)に対して、パンチ交換シャトル169(ダイ交換シャトル187)のパンチ交換ハンド279(ダイ交換ハンド281)の2個の第1,第2パンチ保持部271、273(第1,第2ダイ保持部275、277)のうち空の方(例えば第2パンチ保持部273(第2ダイ保持部277))を位置決めし(図23(A)参照)、パンチ出し入れアーム367(ダイ出し入れアーム369)に把持されているパンチP(ダイD)のパンチ交換用溝139(ダイ交換用溝151)にパンチ交換ハンド279(ダイ交換ハンド281)の第2パンチ保持部273(第2ダイ保持部277)を挿入する(図23(B)参照)。そして、パンチ出し入れアーム367(ダイ出し入れアーム369)をアンクランプしてパンチP(ダイD)を受け取る。金型出し入れ装置は対向して配置されているラックの間において移動し、前側のラックと並ぶ位置に設けられている金型受け渡し位置おいて金型出し入れ装置と金型交換装置との間の受け渡しが行われるので、金型収納装置の省スペース化を図ることができる。
次に、パンチ交換ハンド279(ダイ交換ハンド281)が、金型収納装置21に収納するパンチP(ダイD)を保持している場合には、パンチ出し入れアーム367(ダイ出し入れアーム369)を後退させると共にパンチ交換ハンド279(ダイ交換ハンド281)を横方向(図23(C)において下方)へ移動させて第1パンチ保持部271(第1ダイ保持部275)を、空になったパンチ出し入れアーム367(ダイ出し入れアーム369)の前方へ位置決めする(図23(C)参照)。
パンチ出し入れアーム367(ダイ出し入れアーム369)を前進させてパンチ交換ハンド279(ダイ交換ハンド281)の第1パンチ保持部271(第1ダイ保持部275)に保持されているパンチP(ダイD)をクランプして後退する(図23(D)参照)。
そして、新しいパンチP(ダイD)を把持したパンチ交換シャトル169(ダイ交換シャトル187)をパンチプレス1方向へ移動させ、図10において示されている区間Aを移動する間にパンチ交換ハンド279(ダイ交換ハンド281)を180度旋回してパンチプレス1側にパンチP(ダイD)を位置決めする。
そして、さらにパンチ交換シャトル169(ダイ交換シャトル187)を移動させて、パンチ交換ハンド279(ダイ交換ハンド281)を金型交換位置Kに位置決めする。
従って、狭いスペースでも金型を取り出してパンチ交換ハンド279(ダイ交換ハンド281)に受け渡しを行うことができる。また、ピッキングロボット291は、パンチ交換ハンド279(ダイ交換ハンド281)が金型交換位置Kの方へ移動している間に次の金型を準備して待機することができるので、金型交換時間の短縮化を図ることができる。また、パンチ交換ハンド279(ダイ交換ハンド281)は、パンチ交換シャトル169(ダイ交換シャトル187)金型交換装置の前後移動中に前後方向に旋回するので、旋回のために時間を要しない。
このため、金型交換に要される時間を短縮化することができる。
次に、パンチプレス1に対するパンチPおよびダイDの交換動作について説明する。なお、パンチPの交換動作とダイDの交換動作はほとんど共通するものなので、以後の説明においては、共通する部分についてはパンチPの交換動作について説明し、ダイDについてはカッコ書きすることとする。
パンチプレス1に装着されているパンチPを取り外す際には、図5に示されているように、板押え上下用シリンダ65により板押え85を上昇させると共にロック用シリンダ53によりロック爪59を下降させてパンチPのプルスタッド133を解放して交換高さ位置に位置決めする。また、昇降用モータ105により昇降部材97を下降させて支持台107を下降させることによりピン125の下端部を上支持ボディ91Uの上端面に当接させ、ピン125のねじ部125Uによりダイ支持ブロック121を相対的に上昇させてアンロック状態とすると共に、ダイDを交換高さ位置に位置決めする。
このため、パンチPとダイDの間にワークWがあるか否かにかかわらずパンチPおよびダイDを同時に且つ迅速に交換することができるので、金型交換時間の短縮を図ることができる。
次いで、図24を参照するに、パンチ交換ハンド279(ダイ交換ハンド281)の第1,第2パンチ保持部271、273(第1,第2ダイ保持部275、277)をパンチプレス1側(図24において左側)に向けた状態でパンチ交換シャトル169(ダイ交換シャトル187)を前進させてパンチプレス1に接近させる(図24(A)参照)。このとき、パンチ交換シャトル169(ダイ交換シャトル187)の前進する方向は、パンチPA(ダイDA)のパンチ交換用溝139(ダイ交換用溝151)の方向と一致しており、空の第1パンチ保持部271(第1ダイ保持部275)をパンチ交換用溝139(ダイ交換用溝151)に挿入する。
パンチ交換ハンド279(ダイ交換ハンド281)を進行方向に直交する方向(図24(B)において上方)へ移動させることにより、パンチPのプルスタッド133は切欠きC内を通って干渉せずにスムーズに移動されると共に、パンチプレス1に装着されていたパンチPA(ダイDA)をパンチ装着用溝137(ダイ装着用溝149)に沿って抜く(図24(B)参照)と共に、第2パンチ保持部273(第2ダイ保持部277)に保持されている新しいパンチPB(ダイDB)をパンチ保持爪87(ダイ保持爪127)に装着する(図24(C)参照)。このとき、パンチPのブルスタッド133は切欠きC内をスムーズに通過する。その後、パンチ交換シャトル169(ダイ交換シャトル187)を後退させる(図24(D)参照)。これにより、パンチPA(ダイDA)の取外しとパンチPB(ダイDB)の装着を一度に行うことができるので、金型交換時間を短縮することができる。
また、取り外したパンチP(ダイD)を後に再度使用する場合には、そのまま一方のパンチ保持部271、273(ダイ保持部275、277)に保持しておき、新しいパンチP(ダイD)を使用した後にパンチ交換ハンド279(ダイ交換ハンド281)を逆方向へ移動させることにより、保持しているパンチP(ダイD)を再度装着することができる。これにより、バーリング加工のように異なる2種類の金型を連続して使用する場合に、加工効率を大幅に改善することができる。
そして、ラムシリンダ33によりプレスラム部41を下降させてパンチPのプルスタッド133をロック爪59の内側に挿入し、ロック用シリンダ53によりロック爪59を引き上げてロックして、板押え上下用シリンダ(図示省略)により板押え85を下降させて加工高さ位置に位置決めする(図4参照)。
また、昇降用モータ105により昇降部材97を上昇させて、ダイDを加工高さ位置に位置決めし(図4参照)、必要がある場合には図示省略のインデックスモータによりパンチPを回転させ、インデックス用モータ119によりダイDを回転させる。
このように、パンチPおよびダイDを加工高さ位置と金型交換高さ位置との間で上下移動して位置決めする際にパンチPおよびダイDのロック、アンロックを行うので、金型交換時間の短縮化を図ることができる。
なお、この発明は前述の発明の実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。すなわち、前述の実施の形態においては、図24(A)〜(D)に示されている工程により金型の脱着を行ったが、その他図25に示されているように、左右に金型把持部409L、409Rを有する金型交換ハンド411を、移動機構により左右に移動させるようにすることもできる。例えば一方向あるいは他方向の例として図25において右方向へ移動させることにより、右側の空の金型把持部409Rにより使用済みの金型を取り外すと共に、左側の金型把持部409Lに把持されている金型413を新たに装着することができるので、金型交換時間の短縮化を図ることができる。
また、図26に示されているように、金型交換ハンド415の前後(図26において上下)両側に金型把持部417F、417Bを設けて、金型交換ハンド415を前進させて空である前側の金型把持部417Fで使用済みの金型を前方へ押し出して取り外し、さらに前進させて後側の金型把持部417Bに把持されている金型419を新たに装着した後、図26において左へ移動させるようにしても良い。この場合にも、前側の空の金型把持部417F、417Bにより使用済みの金型を取り外すと共に、前側の金型把持部417Fに把持されている金型419を新たに装着することができるので、金型交換時間の短縮化を図ることができる。