JP5216207B2 - 磁気冷凍材料及び磁気冷凍装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気冷凍材料及び磁気冷凍装置に関する。
環境配慮型の冷凍技術として、クリーンでエネルギー効率の高い磁気冷凍に対する期待が高まっている。
磁気冷凍では常温域で利用できることが必要とされており、常温域で磁気冷凍技術を利用する装置や常温近くで大きな磁気エントロピー変化量の得られる材料の開発が進められている。磁気冷凍装置として有用な冷凍方式にはAMR方式(Active Magnetic Regenerative Refrigeration)が提案されており、磁気冷凍用の磁気冷凍材料として、例えば、(Hf,Ta)Fe2、(Ti,Sc)Fe2、(Nb,Mo)Fe2、およびNaZn13型結晶構造を有するLa(Fe,Si)13等が提案されている。特にNaZn13型結晶構造を有するLa(Fe,Si)13等の化学式で表される物質は、大きな磁気エントロピー変化量を得られることが報告されている。
このような物質においては、NaZn13型結晶構造を有する相(以下、NaZn13型結晶構造相と記す)のZnに相当する位置に主としてFeが、Naに相当する位置に主としてLa等の元素が入る(以下、この物質をLaFe13系磁性材料と記す)。LaFe13系磁性材料はFeを主な構成元素とし、磁気相転移に温度ヒステリシスを生じない等、実用的な磁気冷凍物質として有望な性質を備えている。
更に、LaFe13系磁性材料の中でも、特に大きな磁気エントロピー変化量を示すLa(Fe,Si)13についてはこれまでに多くの検討がなされている。しかし、La(Fe,Si)13はキュリー温度を200K付近に持つため、このままでは室温域を対象とした磁気冷凍材料として用いることが出来ず、例えば特許文献1にはLa(Fe,Si)13の水素吸収によりキュリー温度を高温化する工夫がなされている。また、Co元素によるFe‐siteの置換によってもキュリー温度が上昇することが知られている。
LaFe13系磁性材料への水素吸収は磁気エントロピー変化量を損なうことなくキュリー温度が上昇するという利点があるが、水素吸収によって材料機械強度が低下するという問題があり、微細片を作成して磁気冷凍装置へ適用する場合に亀裂の発生や表面強度が低下するなどの問題を生じる虞がある。また、Co元素によるFe‐siteの置換ではCo濃度の増加に比例してキュリー温度は上昇するものの、磁気エントロピー変化量もCo濃度に比例して低下するという問題がある。
特開2003−96547公報
本発明は上記問題を鑑み、材料の機械的強度を損なわず、キュリー温度が高く、磁気エントロピーの変化が大きいLaFe13系磁性材料及びそれを用いた装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明の磁気冷凍材料は、La含有量4原子%以上15原子%以下、Si含有量3原子%以上25原子%以下、Co含有量1.5原子%以上10原子%以下、Fe含有量50原子%以上91.5原子%以下からなり、NaZn13型の結晶構造を有する相が合金を構成する全ての結晶相および非晶質相の総量に対して最も体積占有率が大きい相である合金であって、前記合金に対してCを0.29原子%以上2.8原子%以下含有することを特徴とする。
また、前記Cが1.4原子%以上2.0原子%以下であることが好ましい。
本発明の磁気冷凍装置は、La含有量4原子%以上15原子%以下、Si含有量3原子%以上25原子%以下、Co含有量1.5原子%以上10原子%以下、Fe含有量50原子%以上91.5原子%以下からなり、NaZn 13 型の結晶構造を有する相が合金を構成する全ての結晶相および非晶質相の総量に対して最も体積占有率が大きい相である合金であって、前記合金に対してCを0.29原子%以上2.8原子%以下含有する磁気冷凍材料が充填された熱交換器と、前記熱交換器内の前記磁気冷凍材料への磁界の印加または除去を行う磁界発生手段とを具備することを特徴とする
本発明は、材料の機械的強度を損なわず、キュリー温度が高く、磁気エントロピーの変化が大きいLaFe13系磁性材料及びそれを用いた装置を提供する。
本発明の一実施形態による合金材料は、Laを4原子%以上15原子%以下含み、Siを3原子%以上25原子%以下含み、Coを1.5原子%以上10原子%以下含み、Feを50原子%以上91.5原子%以下含んだNaZn13型の結晶構造を主相に有する合金であって、前記合金に対してCを0.29原子%以上2.8原子%以下含有し、Feを主たる構成元素としたNaZn13型結晶構造を主相とする。ここで、主相とは合金材料を構成する全ての結晶相および非晶質相の総量に対して最も体積占有率が大きい相を指すものである。上述したように本実施形態においては、Feを主たる構成元素とし、かつSi、Coを含有する相を主相としている。このような主相の割合は50体積%以上であることが好ましく、より好ましくは60体積%以上である。
Laの含有量が4原子%未満または15原子%を超えると、磁気冷凍材料を作製した際に、磁気熱量効果に優れたNaZn13型結晶構造相の生成効率が低下して、磁気冷凍材料としての使用が困難になる。磁気相転移に伴う大きなエントロピー変化(ΔS)が確保できる範囲で、Laの一部(合金組成全体:La(Fe1-x-yCoySix)13Cz・・・(1)に対して1原子%以下)をY、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等の他の希土類元素で置き換えることも可能である。このような微量置換により、磁気相転移温度やエントロピー変化(ΔS)のピーク幅を調整することができる。
同様に、Feの含有量は50原子%未満または91.5原子%を超える場合にも、NaZn13型結晶構造相の生成効率が低下する。NaZn13型結晶構造相の生成効率を加味するとFeの含有量は75原子%以上90原子%以下の範囲とすることがより好ましい。
また、Siの含有量が3原子%未満あるいは25原子%を超えるとNaZn13型結晶構造相の生成効率が低下する。Siの一部はB、Ge、Al、Ga、In等を含んでも良いが、一般式(1)における全構成元素に対して2原子%以下であることが良い。このような微量置換により、磁気相転移温度やエントロピー変化(ΔS)のピーク幅の調整、化合物の融点の調整をすることができる。
また、Coの含有量が1.5原子%未満であるとキュリー温度の高温化が十分なされず、10原子%を超えると十分な磁気エントロピー変化量が得られない。Coの他に、Ni、Mn、Crなどの遷移金属元素を含んでも良いが、Coとの合計で10原子%以下(一般式(1)における構成元素に対して10原子%以下)が好ましく、磁気相転移に伴う大きなエントロピー変化(ΔS)が確保できる範囲で置き換えることができる。このような微量置換により、磁気相転移温度の調整や、耐蝕性を高める効果がある。
ここで、LaFe13系磁性材料をAMR方式等の磁気冷凍に適用するためには、実用的な球状粒子等の小片形状に加工する必要がある。例えば、熱処理後の母合金を粉砕する等して小片化するため、破砕時の応力で小片内部にクラック(亀裂)が入って脆くなる場合があり、磁気冷凍動作中に微粉化して動作の阻害を引き起こす等の問題が生じる。
発明者らはLa(Fe,Co,Si)13に着目して鋭意研究を行い、この合金にCを添加した場合に機械的強度が増加することを見出した。LaFe13系磁性材料であるLa(Fe1-x-yCoySix)13・・・(2)に対してCを0.29原子%以上2.8原子%以下含む場合に加工時の機械的強度を保ち、更に、キュリー温度が200Kから350K程度の常温(即ち、ドライアイスから湯程度の日常生活に密接に関わる温度)の範囲内で、磁気エントロピー変化量が大きい磁気冷凍材料となることを確認した。Cを0.29原子%未満である場合には十分な機械的強度が得られない。また2.8原子%を超える場合には十分な磁気エントロピー変化量が得られない場合がある。より好ましくは1.4原子%以上2.0原子%以下である。
本実施形態における磁気冷凍材料は、磁気熱量効果に伴う温度ヒステリシスが少ないので、磁気冷凍装置として熱交換サイクルを構成する材料となる場合にも、運転を安定的に行うことができる。また、主たる構成部材がFe(鉄)であるので、従来の磁気冷凍材料と比べて大幅に製造コストが低く、広く活用することができる。
本実施形態における磁気冷凍材料は一般的に知られている方法を用いて得ることが可能である。具体的には鋳造法、アーク溶解法などによる合金作製および、合金に対する熱処理を行うことで得ることが出来る。更に、ロール急冷法やアトマイズ法などの速い冷却速度を持つ合金作製法を用いることで熱処理時間が大幅に短縮でき、さらに材料の薄帯化や球状化も可能となる
例えば次のような方法によって磁気冷凍材料を製造することができる。
(イ)原料の調整と一体化
まず、原料となる各構成元素の原子量比率を調整し、溶解によって一体化させる。
調整する元素はLa、Fe、Co、Si、Cであり、Laは4原子%以上15原子%以下、Coは1.5原子%以上、Siは3原子%以上25原子%以下、Coは1.5原子%以上10原子%以下、Feは50原子%以上91.5原子%以下、更に、上述の一般式(2)に対してCを0.29原子%以上2.8原子%以下となるように原子量比を調整する。これらをアーク溶解し、凝固させてインゴット(溶解した原料を凝固させた状態のもの)を製造する。
(ロ)磁気冷凍材料の形状の調整
不活性ガス雰囲気のチャンバー内で、NaZn13型結晶構造相が生成した合金の溶融液滴を飛遊させ、溶融液滴自身の表面張力によって球状の形状にするとともに、空間浮遊中に冷却凝固させて、平均粒子径(粒径)が0.1mm以上2mm以下の球状粒子を作成する。
(ハ)NaZn13型結晶構造相の生成
次に、NaZn13型結晶構造相を生成させる。NaZn13型結晶構造相の生成は上述(イ)のインゴットもしくは上述(ロ)のように形状を調整した上で真空下において、900℃以上1250℃以下の温度で数日間から2週間程度保持することで均質化することによって生成される。
更に磁気冷凍装置における磁気冷凍材料として使用する場合には、例えば次のような方法によって粒子を作成することができる。
次に図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る磁気冷凍装置について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る磁気冷凍装置の縦断面図である。
図1に示すように、この磁気冷凍装置は、シリンダー状の筺体1内に収容されている。筺体1内の一端面には回転駆動部としてのモータ2が取り付けられている。モータ2としては、たとえば電動式モータ、油圧式モータなどが用いられる。このモータ2から筺体1の他端面の中心部に設けられたベアリング3にわたって回転軸4が回転可能に設けられている。
筺体1のほぼ中央部において、内周面に熱交換器5a、5bが設けられている。これらの熱交換器5a、5bの内部には前述した磁気冷凍材料6が充填されている。
筺体1内において熱交換器5a、5bの設置位置の前後に位置するように、回転軸4に一対の磁気ヨーク7が取り付けられている。磁気ヨーク7には熱交換器5a、5b、の設置位置を挟むように磁界発生手段としての一対の永久磁石8が空隙を隔てて取り付けられている。永久磁石8は回転軸4の回転に伴って熱交換器5a、5b内の磁気冷凍材料6へ磁界を印加するかまたは磁界を除去する。磁気ヨーク7は永久磁石8から発生する磁束のリターンパスをなし磁気回路の効率を高める。なお、必ずしも一対の永久磁石8を設ける必要はなく、一方の磁気ヨークに1個の永久磁石を取り付け、この永久磁石に対して他方の磁気ヨークを対向させるようにしてもよい。
回転軸4には強制冷却用のファン9も取り付けられている。ファン9は、筺体1内の雰囲気を冷却させる効果を有する。
筺体1内には水密構造のケースを有する冷媒ポンプ10が設けられており、内部には回転軸4に取り付けられた羽根が収容され、羽根の回転により冷媒を循環させる。また、この冷媒ポンプ10は羽根が停止しているときには冷媒タンクとして機能する。
冷媒ポンプ10は筺体1の外側に設置することもできる。しかし、この場合には冷媒ポンプ10から冷媒を循環させるために、別個に駆動源を必要とするので、冷媒ポンプ10は筺体1に内蔵させることが好ましい。
筺体1内には回転式冷媒制御弁11が設けられており、その内部に回転軸4に取り付けられたのロータが収容されている。ロータは回転式冷媒制御弁11のケース内面に接して摺動するようになっている。このロータの回転により冷媒の導入・排出が制御される。
磁気冷凍装置の筺体1の外部には、冷却部12と排熱部13が設けられている。冷媒ポンプ10には、排熱部13から冷媒を導入するための配管と、回転式冷媒制御弁11へ冷媒を排出するための配管が接続されている。回転式冷媒制御弁11には、回転式冷媒制御弁11から冷媒を導入するための配管、排熱部15へ冷媒を排出するための配管、吸熱ステージにある熱交換器へ冷媒を排出するための配管、および吸熱ステージ以外のステージにある熱交換器から冷媒を導入するための配管が接続されている。回転式冷媒制御弁11におけるロータの一辺の長さは、冷却部側の導入口と排出口との間の距離より長く、かつ排熱部側の導入口と排出口との間の距離より長い。
冷媒は、冷媒ポンプ10、回転式冷媒制御弁11、吸熱ステージにある熱交換器、冷却部12、吸熱ステージ以外のステージにある熱交換器、回転式冷媒制御弁11、排熱部1
3、冷媒ポンプ10を接続された冷媒回路を通して循環する。冷却部12はたとえば断熱空間に配置され冷凍空間を得るようになっている。冷却部12では低温冷媒が外気と熱交換して、冷媒の温度は高くなる。排熱部13では、図示しない放熱板・強制冷却ファンなどによって高温冷媒が外気と熱交換して、冷媒の温度は低くなる。
本実施形態における磁気冷凍装置による冷却方法は次のようになる。
回転軸4の回転により、永久磁石8を熱交換器5a及び熱交換器5bに対向する回転角位置に配置させると、熱交換器5a、5b内の磁気冷凍材料6に磁界が印加され、磁気冷凍材料6が発熱する。このとき冷媒を排熱部13へ排出させる。
次に、更に回転軸4の回転により、永久磁石8を熱交換器5a及び熱交換器5bに対向しない位置に移動させると、熱交換器5a、5b内の磁気冷凍材料6から磁界が除去される。このときには、13への冷媒の排出を停止する。
その後、回転軸4の回転により永久磁石8をさらに回転させていくと、磁気冷凍材料6の吸熱により冷却された冷媒を冷却部12へ排出させ、冷却部12での冷凍を行うことができる。
なお磁気冷凍材料6は永久磁石8による磁界の印加と除去が繰り返されることにより冷媒の温度を下げることができるものである。本実施形態において永久磁石8は回転によって磁気冷凍材料6へ磁界を印加と除去する例を示したが、永久磁石8による磁気冷凍材料6への磁界印加と除去が行える機構であればどのようなものでも良い。
例えば、内部に磁気冷凍材料と熱交換器へと繋がる熱媒体とを備えた熱交換器を永久磁石の内部に設け、永久磁石を左右あるいは上下等の方向に繰り返し運動をさせる駆動機構とを備えていれば磁気冷凍装置として使用することが可能である。
本実施形態における磁気冷凍装置おいて使用する磁気冷凍材料は前述の通り、Laを4原子%以上15原子%以下含み、Siを3原子%以上25原子%以下含み、Coを1.5原子%以上10原子%以下含み、Feを合計で50原子%以上91.5原子%以下含むNaZn13型結晶構造相を主相に有する合金であって、Cを上記一般式(2)に対して合計で0.29原子%以上2.9原子%以下の範囲において含むことを特徴とする磁気冷凍材料である。
高い冷凍能力を実現するためには、熱交換器の内部に充填された磁気冷凍材料と冷媒との熱交換が十分に行われることが重要である。そのためには、磁気冷凍材料の比表面積を大きくすることが好ましい。磁気冷凍材料の比表面積を大きくするためには磁気冷凍材料を粒子状にし、粒径を小さく設定することが効果的である。一方、粒径が小さすぎると冷媒の圧力損失が増大する。また、冷媒の粘性(表面張力)、ポンプの能力・圧力損失、熱交換器のサイズなどの条件も、磁気冷凍材料の粒径の選択に影響を及ぼす。これらの点を考慮して、粒径(長径)が0.1mm以上2mm以下であることが好ましく、0.4mm以上1.5mm以下であることがより好ましい。
また磁気冷凍材料の形状は、たとえば球形または楕円体であることが好ましい。このような形状にすることによって、粒子の破壊に伴う微細粉の発生を防止するとともに、冷媒の圧力損失の増大を抑え、熱交換効率を維持することができる。具体的には、磁気冷凍材料の80wt%以上がアスペクト比2以下であることが好ましい。これは、ほぼ球形状の粒子にアスペクト比2以上の異形粒子を混在させて実験を行ったところ、異形粒子の混在量が20%以上の場合には冷媒の流れに長期間さらすことにより微細粉が発生し、冷媒の圧力損失が5倍以上に増大するからである。
長期信頼性の観点から、磁気冷凍材料の表面に厚さ10μm以下のコーティング層を設けてもよい。コーティング層には熱伝導性、機械強度、耐食性などを保つことができる材料を用いることが好ましい。具体的には、コーティング層として、Cuメッキ、Auメッキ、Crメッキ、パーマロイメッキ、Al蒸着膜、Au蒸着膜などが用いられる。また、樹脂類の塗布膜からなるコーティング層は低価格で耐食性にも優れている。
熱交換器中での磁気冷凍材料の充填率が低すぎると、冷媒との間での熱交換するときに冷媒の流れによって磁気冷凍材料が振動し、磁気冷凍材料どうしの衝突・摩擦が起こる。このような力は、磁気冷凍材料にクラックや摩滅を生じさせる。磁気冷凍材料の破壊に伴う微細粉の発生は、冷媒の圧力損失を高め、冷凍能力を低下させる要因となる。したがって、このような事態を回避するために、熱交換器中での磁気冷凍材料の体積充填率を40%以上80%以下とすることが好ましい。体積充填率が40%未満だと熱交換効率が著しく低下する。体積充填率が80%を超えると冷媒の循環に際して圧力損失が増大させる。さらに、磁気冷凍材料の体積充填率を50%以上70%以下とすることがより好ましい。
冷媒は、冷凍サイクルの運転温度域に合わせて、フッ素系熱冷媒、鉱物油、有機溶剤、エチレングリコール系、水、これらの混合液から選択することができる。冷媒としては、水が最も安全で比熱も高く安価であるので適している。ただし、0℃以下の温度域では、鉱物油やシリコーンなどのオイル系冷媒、エチレングリコール系やアルコール類などの有機溶剤系冷媒が使用される。水溶性の冷媒であれば水との混合比を適宜変更して用いることができる。磁気冷凍材料の粒径も、使用される冷媒の粘性(表面張力)や熱交換器のサイズに応じて、上記の範囲内で最適な粒径を選ぶことが望ましい。
本発明の実施形態に係る磁気冷凍装置では冷凍機能に必要な主要構成部品が筺体内にコンパクトに収納されているので、冷凍システムを小型化することができる。この磁気冷凍装置は、家庭用冷凍冷蔵庫、空調機、産業用冷凍冷蔵庫、大型冷凍冷蔵倉庫、液化ガス貯蔵・運搬用冷凍庫などの冷凍システムに適用することができる。それぞれの適用場所によって冷凍能力と制御温度域が異なるが、磁気冷凍材料の使用量により冷凍能力を調整することができる。また、磁気冷凍材料の材質を選択することにより、特定の制御温度域に合わせることができる。さらに、本発明の実施形態に係る磁気冷凍装置は、その排熱を暖房として利用する家庭用空調機、産業用空調機などの空調システムや、冷却と発熱の両方を利用するプラントにも適用することができる。
次に本発明に基づく室温領域で使用される磁気冷凍材料の幾つかの例について説明する。
(実施例1)
La(Fe0.845Co0.035Si0.12130.04の化学量論比となるよう各元素を調整し供試体を作製した。作製方法はアーク溶解による一体化と熱処理による均質化で、Coの組成比は3.25原子%である。また、C元素の組成比はLa(Fe0.845Co0.035Si0.1213に対して0.29原子%である。作製した供試体はビッカース硬度およびキュリー温度付近における磁気エントロピー変化量を測定した。ビッカース硬度の結果は図2に、磁気エントロピー変化量は表2に列記した。図2におけるXは化学量論比を示している。
(実施例2〜6)
化学量論比を表1のように替えた他は実施例1と同様の方法で供試体を作製した。C元素の組成比及びCo元素の組成比と化学量論比は表1に示した通りである。ビッカース硬度の結果は図2に、磁気エントロピー変化量は表2に示した。
Figure 0005216207
(比較例1〜7)
化学量論比を表1のように替えた他は実施例1と同様の方法で供試体を作製した。比較例1乃至比較例4はビッカース硬度を測定し、その結果を図2に示した。また比較例1、2及び5〜7は磁気エントロピー変化量を表2に列記した。
Figure 0005216207
図2は実施例1乃至6及び比較例1乃至4のビッカース硬度についての結果を図示したものである。横軸はLa(Fe1-x,Coy,Six)13に対するCの化学量論比を、縦軸は比較例1(化学量論比:La(Fe0.845Co0.035Si0.1213)でのビッカース硬度を1とした場合の相対比を示したものである。
実施例1乃至実施例3はLa(Fe0.845Co0.035Si0.1213に対してCの添加量を0.04、0.2、0.4と夫々変化させたものであり、実施例4及び5はLa(Fe0.825Co0.055Si0.1213に対してCの添加量を0.2、0.4に、実施例6はLa(Fe0.863Co0.017Si0.1213に対してCの添加量を0.2に夫々した場合である。
比較例はどの場合もCを添加しなかった場合で、比較例3及び比較例4は水素を吸収させたものである。
LaFe13系磁性材料にHを含む比較例3及び4の場合は、比較例1に比べてビッカース硬度が低下しているが、LaFe系磁性材料にCを含む場合(実施例1乃至6)はC濃度の増加に伴ってビッカース硬度は上昇することが明らかである。
表2には各実施例の磁気エントロピー変化量のピーク値とピーク値を示すキュリー温度を示したが、どの場合もキュリー温度が200Kから350K程度の常温域で十分な磁気エントロピー変化量が得られることがわかる。
更に、Fe、Co、Si及びCの比率によってはキュリー温度を上昇させたり、磁気エントロピー変化量を大きくしたりすることも可能である。図3は実施例1、2及び実施例6に関するキュリー温度付近でのエントロピー変化量を示した図である。横軸にキュリー温度(℃)縦軸に磁気エントロピー変化量の絶対値(J/Kg・K)を示した。
実施例1及び実施例2と比較例1とはCの添加の有無を除き組成が同じである。磁気エントロピー変化量を保持しながらCの添加により磁気エントロピー変化量を維持しながら、微量なCの添加であってもキュリー温度が上昇している。また、実施例2と比較例2とはCo比率及びC添加有無が異なるが、このように調整することによって、キュリー温度を維持しながら磁気エントロピー変化量を大きくできる。
一方で、LaFe13系磁性材料にCoのみ添加した場合の比較例1、2及び5の磁気エントロピー変化量をみるとCo濃度の増加に伴ってキュリー温度は上昇するが、Co濃度の増加に比例してほぼ直線的に減少することが明らかである。
また、濃度が高い比較例6及び7では磁気エントロピー変化量が1(J/Kg・K)未満と低い値となった。
本実施形態に係る磁気冷凍装置の縦断面図。 本実施形態に係る磁気冷凍材料のビッカース硬度を示した図。 キュリー温度付近での磁気エントロピー変化量。
符号の説明
1・・・筺体、2・・・モータ、3・・・ベアリング、4・・・回転軸、
5a、5b・・・熱交換器、6・・・磁気冷凍材料、7・・・磁気ヨーク、
8・・・永久磁石、9・・・ファン、10・・冷媒ポンプ、11・・・冷媒制御弁、
12・・・冷却部、13・・・廃熱部

Claims (3)

  1. La含有量4原子%以上15原子%以下、Si含有量3原子%以上25原子%以下、Co含有量1.5原子%以上10原子%以下、Fe含有量50原子%以上91.5原子%以下からなり、NaZn13型の結晶構造を有する相が合金を構成する全ての結晶相および非晶質相の総量に対して最も体積占有率が大きい相である合金であって、
    前記合金に対してCを0.29原子%以上2.8原子%以下含有することを特徴とする
    磁気冷凍材料。
  2. 前記Cが1.4原子%以上2.0原子%以下であることを特徴とする請求項1記載の磁気冷凍材料。
  3. La含有量4原子%以上15原子%以下、Si含有量3原子%以上25原子%以下、Co含有量1.5原子%以上10原子%以下、Fe含有量50原子%以上91.5原子%以下からなり、NaZn 13 型の結晶構造を有する相が合金を構成する全ての結晶相および非晶質相の総量に対して最も体積占有率が大きい相である合金であって、前記合金に対してCを0.29原子%以上2.8原子%以下含有する磁気冷凍材料が充填された熱交換器と、
    前記熱交換器内の前記磁気冷凍材料への磁界の印加または除去を行う磁界発生手段と、
    を具備することを特徴とする磁気冷凍装置。
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