JP5215793B2 - 溶接用ソリッドワイヤ - Google Patents
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(1)質量%で、炭素:0.10%以下(0%を含まない)、珪素:0.15%以下(0%を含まない)、ニッケル:8.0〜15.0%,マンガン:0.10%〜0.80%、Al:0.1%以下(0%を含まない)を含み、酸素が150ppm以下(0を含む)であり、残部がFe及び不可避的不純物からなる溶接ワイヤにおいて、REMを0.005〜0.040%含有することを特徴とする溶接用ソリッドワイヤ(請求項1)。
(2)上記(1)に記載の溶接用ソリッドワイヤに、更に、チタンを0.10%以下(0%を含まない)含有する溶接用ソリッドワイヤ。(請求項2)
(3)上記(1)または(2)に記載の溶接用ソリッドワイヤを用いて形成されたことを特徴とする溶接金属(請求項3)。
炭素は少量でも引張強さを高める上で有効であるが、多量に含まれると低温靭性を著しく低下させるためその上限を0.10%とする。
珪素は溶接作業性の向上に有効に作用するものの、低温靭性を悪化させかつ高温割れ感受性を著しく高めるのでその上限を0.15%とする。
ニッケルは本発明ワイヤの使用対象となる極低温用鋼(高ニッケル鋼)と同様に低温靭性を確保する上で重要な成分であり、ニッケルが8.0%未満では溶接継手に対して十分な低温靭性を付与することができない。一方ニッケルが15.0%を越えると、溶接継手の機械的強度が高くなりすぎて延性が極端に低下し、更には不安定な残留オーステナイト生じることで極低温下ではマルテンサイトに変態して低温靭性の低下を招くので好ましくない。従って、ニッケルの含有量は8.0〜15.0%とする。
マンガンは溶接作業性を改善するとともに脱酸剤あるいは硫黄捕捉剤として卓越した効果を発揮するため、本発明においてやはり重要な基本成分となる。マンガンが0.10%未満では溶接作業性が著しく低下する問題が生じ、一方0.80%を越えると安定な残留オーステナイトが生じやすくなり、上記ニッケルと同様に低温靭性が損なわれる。従って、マンガンの含有量は0.10%〜0.80%とする。また、好ましい含有量は0.10%〜0.50%である。
酸素は後述するREMやチタンを含有させて本発明が意図する酸化物を形成するのに必須となるが、過剰に溶接金属中に含まれると個数密度の増大や凝集・合体による粗大化をもたらすことになるため、溶接金属中の酸素量は少ない方が望ましく100ppm以下に抑制することが望ましい。そのためには、溶接中に前記マンガンや上記REMやチタンなどの脱酸剤元素による脱酸を考慮しても、溶接ワイヤ中に含まれる酸素量は150ppm以下となるように管理すべきである。従って、酸素量はその上限を150ppmとする。
本発明においてREMは重要かつ特徴的な成分として位置付けられものである。通常、多くの酸化物は結晶粒界等に析出し低温靭性を著しく損なうため、溶接金属中に多数の大きい酸化物を形成することは好ましくない。しかし溶接金属中に含まれる微量の酸素と反応して生成する酸化物が微細であれば、こうした酸化物は破壊起点として作用せず、むしろ溶接凝固過程や凝固後の結晶粒成長を抑制するピン止め粒子として機能するため、溶接金属全体の強度や靭性を高めるのに有効に作用する。本発明ではこの微細な酸化物を適量分散させることにより、溶接継手部の極低温特性を向上させる上で有益な酸化物の生成元素が存在するのではないかと考え、検討、調査した結果、REMが最適であることを確認し、REMをワイヤー中に積極的に添加、含有させることにした。なお、REMの酸化物が他の酸化物と異なり、微細なまま分散した状態で維持されるは、溶融鉄合金との濡れ性が悪い性質を持っているため、これらの酸化物が液相中に生成しても凝集しずらく、従って、それ以上の大きな酸化物には成長しないことによると思われる。また、REMとは希土類元素(Rare Earth Metal)のことであり、周期律表のLaからLuまでの元素を総称するものである。本発明においては、これら元素はいずれも同等の効果を発揮するので、REMの中から適宜元素を選択して、1種あるいは複数の元素を添加すればよい。
以上に言及、規定した化学成分以外の残部は、前述したとおり、鉄並びに不可避的不純物であるが、不可避的不純物としては、たとえばP、Sなどが挙げられる。
表4の試験No.11〜14、19、20は溶接ワイヤの化学成分が本発明の範囲を満足している実施例であり、溶接条件A、Bいずれの場合においても、vE-196は基準値とした100Jを越え十分な低温靭性を示すとともに、衝撃試験時の最大荷重も基準値とした25000Nを大幅に越え高い耐亀裂発生強度(亀裂抑制強度)を有していることがわかる。従って、これらの試験Noに相当するワイヤNo.6、7及び10は全て最終的にその総合評価として合格となった。なお、ワイヤNo.6及び10は本発明の請求項1に、またワイヤNo.7は本発明の請求項2に対応する実施例である。
Claims (3)
- 質量%で、炭素:0.10%以下(0%を含まない)、珪素:0.15%以下(0%を含まない)、ニッケル:8.0〜15.0%,マンガン:0.10%〜0.80%、Al:0.1%以下(0%を含まない)を含み、酸素が150ppm以下(0を含む)であり、残部がFe及び不可避的不純物からなる溶接ワイヤにおいて、REMを0.005〜0.040%含有することを特徴とする溶接用ソリッドワイヤ。
- 更に、チタンを0.10%以下(0%を含まない)含有するものである請求項1に記載の溶接用ソリッドワイヤ。
- 請求項1または2に記載の溶接用ソリッドワイヤを用いて形成された溶接金属。
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