JP5215616B2 - 指紋検出シート - Google Patents

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Description

本発明は、犯罪証拠品等の検体に残存する指紋を簡易かつ明瞭に検出することができる指紋検出シート及びその製造方法に関し、特にシアノアクリレート指紋の顕在化に好適な指紋検出シート及びその製造方法に関するものである。
潜在指紋の検出は、犯罪者の割り出し、検挙、訴追等に必要な証拠物件となる犯罪捜査上重要な手段である。潜在指紋は、犯罪現場等に遺留された物品(検体)に指頭等の分泌質が付着して皮膚の隆起した部分(指紋隆線)の形状が転写されたものであり、主成分の水分、その他塩化ナトリウム等の塩分、乳酸、アミノ酸類、尿酸、脂質、タンパク質、ビタミン類などが含まれている。
従来の潜在指紋の検出方法は、上記潜在指紋含有成分との化学反応や物理的吸着反応などを利用するものであり、一般的に固体法、液体法及び気体法に分けられる。
固体法は、検体表面をアルミニウム粉末、酸化鉄粉末、白雲母粉、カオリン等を含ませた刷毛で軽く掃き、指紋隆線の成分である水分や脂肪分にアルミニウム粉末等を物理的に吸着させ、ゼラチン紙等に写し取る方法である。この方法は、合成皮革、布等のような表面が平滑でない検体の場合に鮮明な転写が困難になる、精密機器等の周辺の場合に電子回路や微細可動部分に余分な粉末が侵入してしまう、等の不都合がある。
液体法としては、例えばニンヒドリン法、DFO法等が挙げられる。このニンヒドリン法やDFO法は、潜在指紋に少量含まれるアミノ酸との反応によって指紋を顕在化するため、検出感度があまり高くない。またこの液体法は、検体に液体を接触させるため、検体の汚損や指紋隆線の破壊を招来するおそれがあり、OA機器等のような液体との接触により故障を招来する検体には本質的に不向きである。
気体法には、シアノアクリレート法等があり、一般に弱い潜在指紋や変化しやすい検体に好適に使用されている。このシアノアクリレート法は、潜在指紋の主成分である水分を触媒として潜在指紋部分にシアノアクリレートを重合させ、指紋を顕在化させる方法であるが、潜在指紋部分に重合させたポリマーが透明又は白色であるため、判別が容易ではなく、写真撮影の高度な技術を要する。このシアノアクリレート法の不都合を改善すべく、シアノアクリレート処理の際又は処理後に蛍光色素を含む溶液に接触させる方法が開発されているが(例えば、特開昭63−161939号公報、特開昭63−161940号公報等参照)、液体法と同様に、検体の汚損や指紋隆線の破壊を招来するおそれがあり、電子機器等のような液体との接触により故障を招来する検体には適用が困難である。
特開昭63−161939号公報 特開昭63−161940号公報
本発明はこれらの不都合に鑑みてなされたものであり、検体に液体を接触させることなく、容易かつ明確に潜在指紋の蛍光化が可能であり、特にシアノアクリレート指紋の蛍光化に好適な指紋検出シート及びその製造方法の提供を目的とするものである。
本発明者は、蛍光色素を含有する紙素材等のシートを常温で検体に接触させておくと、シートに含有する蛍光色素がガス化し、潜在指紋やシアノアクリレート指紋に選択的に吸着し、コントラストのよい蛍光化指紋像が得られることを見出した。
その結果、上記課題を解決するためになされた発明は、シート本体と、このシート本体に含有する蛍光色素とを備える指紋検出シートである。
当該指紋検出シートは、常温で検体に接触させておくと、シート本体に含有する蛍光色素がガス化し、ガス化した蛍光色素が潜在指紋又はシアノアクリレート指紋に選択的に吸着し、潜在指紋等を蛍光化することができる。そのため、当該指紋検出シートによれば、検体に蛍光色素を含む液体を接触させることなく、コントラストのよい蛍光化指紋像を形成することができ、電子機器等を含む多種の検体を対象に簡易かつ高精度な指紋検出が可能となる。また当該指紋検出シートは、シート本体が所定の曲折性、湾曲性、可撓性等を有するため、種々の表面形状を有する検体を対象として指紋の検出が可能となる。なお、当該指紋検出シートは、加熱下では、上述の蛍光色素のガス化及び潜在指紋等への吸着作用が促進され、潜在指紋等の蛍光化を促進することができる。
上記蛍光色素としては、下記化学式(1)で示される化合物を用いるとよい。これらの化合物は、常温又は加熱下でガス化してシート本体から放散し、潜在指紋又はシアノアクリレート指紋に選択的に吸着し、潜在指紋等を蛍光化することができる。
Figure 0005215616

[上記化学式(1)において、R及びRは炭素数1〜3のアルキル基であり、Rはアルデヒド基又は末端にアルデヒド基を持つ炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルケニル基である。]
上記化学式(1)で示される化合物としては、ジメチルアミノシンナムアルデヒド(DMAC)又はジメチルアミノベンズアルデヒド(DMAB)が好ましい。かかるジメチルアミノシンナムアルデヒド(DMAC)又はジメチルアミノベンズアルデヒド(DMAB)は、常温又は加熱下でのガス化が比較的容易であり、潜在指紋又はシアノアクリレート指紋への浸透性及び吸着性が高く、さらに潜在指紋に含まれる尿素等との反応性によって潜在指紋部分に選択的に吸着することができるため、潜在指紋等の蛍光化及び鮮明化を効果的に促進することができる。
上記蛍光色素のシート本体への含有量としては、0.01mg/cm以上1mg/cm以下が好ましい。蛍光色素の含有量を上記範囲とすることで、常温又は加熱下でシート本体からガス化する蛍光色素の濃度を所定の範囲に調整し、潜在指紋等の蛍光化を促進することができる。
上記シート本体として、繊維製シートを用いるとよい。このように微細な隙間、空間を内部に有する繊維製シートを用いることで、蛍光色素の含有量を高め、常温又は加熱下での蛍光色素のガス化ひいては潜在指紋等の蛍光化を促進することができる。
上記繊維製シートとしては、紙素材が好ましい。かかる紙素材は、内部に蛍光色素を比較的多量に含浸させることができ、常温又は加熱下での蛍光色素のガス化ひいては潜在指紋等の蛍光化を促進することができる。
上記紙素材の坪量としては50g/m以上200g/m以下、上記紙素材の密度としては0.3g/cm以上1.2g/cm以下が好ましい。このように紙素材の坪量及び密度を上記範囲とすることで、シート本体への蛍光色素の含有量を上記好適な範囲に制御することが容易かつ確実になり、さらにシート本体からの蛍光色素のガス化ひいては潜在指紋等の蛍光化を促進することができる。
当該指紋検出シートは、シアノアクリレート指紋の検出に用いるとよい。かかるシアノアクリレート指紋は、指紋の水分を触媒として指紋部分にシアノアクリレートを重合させたシアノアクリレートポリマーが付着しているため、ガス化した蛍光色素の浸透性及び吸着性が高い。そのため、当該指紋検出シートは、シアノアクリレート指紋を有する検体に接触させることで、容易かつ確実にシアノアクリレート指紋を蛍光化し、指紋を鮮明に検出することができる。
また、上記課題を解決するためになされた指紋検出シートの製造方法に係る発明は、
(a)蛍光色素を溶媒に溶解させる溶液製造工程と、
(b)この溶液を紙素材に含浸させる溶液含浸工程と、
(c)この紙素材を乾燥させる乾燥工程と
を有している。当該製造方法によれば、シート本体に蛍光色素を含有する当該指紋検出シートを容易かつ確実に製造することができる。
ここで、「含有」とは、含浸、付着及び混練を含む概念である。「シアノアクリレート指紋」とは、シアノアクリレート法で処理された指紋を意味する。「含有量」、「坪量」及び「密度」は平均値を意味する。
以上説明したように、本発明の指紋検出シートは、検体に液体を接触させることなく、容易かつ明確に指紋の蛍光化が可能であり、特にシアノアクリレート指紋の蛍光化に好適であり、種々の種類の検体に対して簡易かつ高精度な指紋の検出が可能となる。また当該指紋検出シートの製造方法は、シート本体に蛍光色素を含有する当該指紋検出シートを容易かつ確実に製造することができる。
以下、適宜図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳説する。図1は本発明の一実施形態に係る指紋検出シートを示す模式的斜視図、図2は図1の指紋検出シートを示す模式的断面図である。
図1の指紋検出シート1は、検体Xに積層接触させて、検体X上の指紋を検出するものである。当該指紋検出シート1は、シート本体2と、このシート本体2に含有する蛍光色素とを備えている。
当該指紋検出シート1の検出対象である検体Xは、特に限定されるものではなく、例えばアルミホイル、買い物袋、感熱紙等の種々のものが適用される。検体X上の指紋としては、未処理の潜在指紋でも可能であるが、ガス化した蛍光色素の浸透性及び吸着性が高いシアノアクリレート指紋が好適である。
シアノアクリレート指紋とは、一般には検体Xを密閉ケース内に入れ、このケース内でシアノアクリレートを加熱気化し、指紋部分に水分を触媒としてシアノアクリレートを重合させることで形成される。
上記シアノアクリレートとしては、具体的にはメチル−2−シアノアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、n−プロピル−2−シアノアクリレート、i−プロピル−2−シアノアクリレート、n−ブチル−2−シアノアクリレート、i−ブチル−2−シアノアクリレート、アミル−2−シアノアクリレート、n−ヘキシル−2−シアノアクリレート、n−オクチル−2−シアノアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノアクリレート、アリル−2−シアノアクリレート、ペンジル−2−シアノアクリレート、プロパルギル−2−シアノアクリレート、メトキシメチル−2−シアノアクリレート、メトキシエチル−2−シアノアクリレート、メトキシプロピル−2−シアノアクリレート、エトキシエチル−2−シアノアクリレート、メトキシブチル−2−シアノアクリレート、テトラヒドロフルフリル−2−シアノアクリレート、2−クロロエチル−2−シアノアクリレート、2−クロロエトキシエチル−2−シアノアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル−2−シアノアクリレート、シクロヘキシル−2−シアノアクリレート等が挙げられる。これらの化合物の1種又は2種以上を混合して使用することができる。これらの中でも、メチル−2−シアノアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、n−プロピル−2−シアノアクリレート、i−プロピル−2−シアノアクリレートが解重合した2−シアノアクリレート単量体の指紋付着性の観点から好ましい。
シート本体2は、特に限定されるものではなく、樹脂フィルム、繊維製シート等の種々のものが使用される。特に、シート本体2としては、内部に微細な空隙を有し、蛍光色素の含有量を高めることができる繊維製シートが好ましい。
上記繊維製シートとしては、例えば紙素材(合成紙等を含む)、織物、不織布等が挙げられる。特に、繊維製シートとしては、内部に蛍光色素を比較的多量に含浸させることができ、常温又は加熱下での蛍光色素のガス化ひいては潜在指紋又はシアノアクリレート指紋の蛍光化を促進することができる紙素材が好ましい。
上記紙素材の坪量の下限としては、50g/mが好ましく、60g/mが特に好ましい。一方、紙素材の坪量の上限としては、200g/mが好ましく、100g/mが特に好ましい。紙素材の坪量が上記下限より小さいと、蛍光色素の含有量が低下するおそれがり、紙素材の坪量が上記上限を超えると、指紋の蛍光化に必要十分な蛍光色素の含有量を超え、含有させる蛍光色素の増大ひいては当該指紋検出シート1のコストの増大を招来するおそれがある。
上記紙素材の密度の下限としては、0.3g/cmが好ましく、0.5g/cmが特に好ましい。一方、紙素材の密度の上限としては、1.2g/cmが好ましく、1.0g/cmが特に好ましい。紙素材の密度を上記範囲に調整することで、シート本体2への蛍光色素の含有量を上記好適な範囲に制御することが容易かつ確実になり、さらにシート本体2からの蛍光色素のガス化ひいては潜在指紋等の蛍光化を促進することができる。
上記蛍光色素としては、上記化学式(1)で示される化合物が好ましい。これらの化合物は、常温又は加熱下でガス化してシート本体2から放散し、潜在指紋等に選択的に吸着し、潜在指紋等を蛍光化することができる。
上記化学式(1)で示される化合物としては、具体的にはp−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド、p−ジプロピルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノシンナムアルデヒド、p−ジエチルアミノシンナムアルデヒド、p−ジプロピルアミノシンナムアルデヒド、5−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−ペンタ−2,4−ジエナール、5−(4−ジエチルアミノ−フェニル)−ペンタ−2,4−ジエナール、5−(4−ジプロピルアミノ−フェニル)−ペンタ−2,4−ジエナール等が挙げられる。これらの化合物からなる群より選択される1種又は2種以上を用いることができる。
特に、上記蛍光色素としては、ジメチルアミノシンナムアルデヒド(DMAC)又はジメチルアミノベンズアルデヒド(DMAB)が好ましい。かかるジメチルアミノシンナムアルデヒド(DMAC)又はジメチルアミノベンズアルデヒド(DMAB)は、常温又は加熱下でのガス化が比較的容易であり、潜在指紋又はシアノアクリレート指紋への浸透性及び吸着性が高く、さらに潜在指紋に含まれる尿素等との反応性によって潜在指紋部分に選択的に吸着することができるため、潜在指紋等の蛍光化及び鮮明化を効果的に促進することができる。
上記蛍光色素のシート本体2への含有量の下限としては、0.01mg/cmが好ましく、0.05mg/cmが特に好ましい。一方、蛍光色素のシート本体2への含有量の上限としては、1mg/cmが好ましく、0.5mg/cmが特に好ましい。蛍光色素の含有量が上記下限より小さいと、常温又は加熱下でシート本体2からガス化する蛍光色素の濃度が低下するおそれがあり、蛍光色素の含有量が上記上限を超えると、指紋の蛍光化レベルが頭打ちになり、当該指紋検出シート1のコストの増大を招来するおそれがある。
当該指紋検出シート1は、常温又は加熱下で検体Xに積層するよう接触させておくと、シート本体2に含有する蛍光色素がガス化し、ガス化した蛍光色素が潜在指紋又はシアノアクリレート指紋に選択的に吸着し、潜在指紋等を蛍光化することができる。そのため、当該指紋検出シート1によれば、検体Xに蛍光色素を含む液体を接触させることなく、コントラストのよい蛍光指紋像が得られ、電子機器等を含む多種の検体Xを対象として簡易かつ高精度に指紋検出が可能となる。また、当該指紋検出シート1は、曲折性、湾曲性、可撓性等を有するため、検体Xの表面が平面でなくても接触させることができ、その結果種々の表面形状を有する検体Xの指紋を検出することができる。
当該指紋検出シート1の製造方法としては、上記構成の指紋検出シート1が製造できれば特に限定されず、種々の方法が採用されるが、具体的には
(a)蛍光色素をアセトン等溶媒に溶解させる溶液製造工程と、
(b)この溶液を紙素材に含浸させる溶液含浸工程と、
(c)この溶液を含浸させた紙素材を乾燥させる乾燥工程と
を有するとよい。当該製造方法によれば、紙素材からなるシート本体2に蛍光色素を含有する当該指紋検出シート1を容易かつ確実に製造することができる。
次に、当該指紋検出シート1を用いた指紋検出方法を説明する。図1及び図2に示すように、潜在指紋又はシアノアクリレート指紋を有する検体Xに当該指紋検出シート1を積層するよう接触させ、常温又は加熱下で所定時間放置することで、当該指紋検出シート1の蛍光色素がガス化し、ガス化した蛍光色素が潜在指紋又はシアノアクリレート指紋に選択的に浸透又は吸着し、検体Xの潜在指紋又はシアノアクリレート指紋を蛍光化することができる。シート状の検体Xの場合、検体Xを挟み込むよう一対の指紋検出シート1を検体Xの上下両面に積層するよう接触させるとよく、検体Xの潜在指紋又はシアノアクリレート指紋の蛍光化を効果的に促進することができる。
また、図示していないが、潜在指紋又はシアノアクリレート指紋を有する検体Xを密閉ケースに収納し、この密閉ケース内で当該指紋検出シート1をヒーター等で加熱し、当該指紋検出シート1の蛍光色素をガス化し、密閉ケース内で検体Xを蛍光色素ガス雰囲気中に曝すことでも、検体Xの潜在指紋又はシアノアクリレート指紋を蛍光化することができる。
このようにして蛍光化した潜在指紋又はシアノアクリレート指紋の観察又は像取得方法としては、特に限定されず、公知の方法が採用される。具体的には、指紋像の取得にはデジタルカメラ、アナログカメラ等が用いられる。蛍光化指紋の励起光源としては、蛍光色素の吸収極大波長に応じて最適励起波長を有する光源を適宜選択するとよい。例えば、蛍光色素がジメチルアミノシンナムアルデヒド(DMAC)の場合は、400nm付近に吸収極大をもつため、最適励起波長は380nm〜420nm(V励起)であり、B−LED励起光などが用いられる。また、蛍光色素がジメチルアミノベンズアルデヒド(DMAB)の場合、340nm付近に吸収極大をもつため、最適励起波長は330nm〜380nm(UV励起)であり、UV−Lamp励起光などが用いられる。得られた蛍光化指紋画像に対し、RGB成分への分離、所定の成分の抽出、モノクロ化、反転処理等の画像処理を施すことで、コントラストのよい鮮明な指紋を取得することができる。
なお、本発明の指紋検出シート及びその製造方法は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、当該指紋検出シートは、シート本体に合成樹脂層等の他の層が積層されてもよい。また、当該指紋検出シートは、シート本体に蛍光色素以外の他の成分を含有してもよい。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
[実施例1]
蛍光色素としてのジメチルアミノシンナムアルデヒド(DMAC)50mgをアセトン30ccに溶解させて蛍光色素溶液を作製し、坪量64g/m;密度0.8g/cmの上質紙にこの蛍光色素溶液を染み込ませ、乾燥させることで実施例1の指紋検出シートを得た。この指紋検出シートの蛍光色素の含有量は0.08mg/cmである。
[実施例2]
蛍光色素とししてジメチルアミノベンズアルデヒド(DMAB)を用いた以外は上記実施例1と同様にして実施例2の指紋検出シートを得た。この指紋検出シートの蛍光色素の含有量は0.08mg/cmである。
[実験1]
潜在指紋がある買い物袋(検体)にシアノアクリレート法による処理を行い、この買い物袋に一対の実施例1の指紋検出シートを挟み込む状態で接触させ、室温で2時間放置することで、シアノアクリレート指紋を蛍光化した。
実施例1の指紋検出シートで蛍光化した買い物袋をB−LEDにより照明した状態(420nm〜490nmのB励起観察)でデジタルカメラで撮影し、得られた画像データに対して画像処理によりRGB分離処理、Green成分抽出処理、モノクロ化処理及び反転処理を施した。その結果、図3に示すようなコントラストのよい鮮明な指紋が検出された。
[実験2]
潜在指紋があるアルミホイル(検体)にシアノアクリレート法による処理を行い、このアルミホイル(下半分のみ)に一対の実施例2の指紋検出シートを挟み込む状態で接触させ、室温で2時間放置することで、シアノアクリレート指紋を蛍光化した。
実施例2の指紋検出シートで蛍光化した買い物袋をUV−Lampにより照明した状態(330nm〜380nmのUV励起観察)でデジタルカメラで撮影し、得られた画像データに対して画像処理によりRGB分離処理、Green成分抽出処理、モノクロ化処理及び反転処理を施した。その結果、図4に示すようなコントラストのよい鮮明な指紋が検出された。
[実験3]
潜在指紋がある感熱紙(検体)に一対の実施例1の指紋検出シートを挟み込む状態で接触させ、室温で2時間放置することで、潜在指紋を蛍光化した。
実施例1の指紋検出シートで蛍光化した感熱紙をB−LEDにより照明した状態(420nm〜490nmのB励起観察)でデジタルカメラで撮影し、得られた画像データに対して画像処理によりRGB分離処理、Green成分抽出処理、モノクロ化処理及び反転処理を施した。その結果、シアノアクリレート処理を施してない潜在指紋に対しても図5に示すようなコントラストのよい鮮明な指紋が検出された。
[特性の評価]
上記実験1〜3の結果から、当該指紋検出シートは、液体法の不都合を防止しつつ、未処理の潜在指紋及びシアノアクリレート指紋を明確かく確実に蛍光化することができ、種々の検体に対して簡易かつ高精度な指紋の検出が可能となる。
以上のように、本発明の指紋検出シートは、犯罪捜査において、犯罪者の割り出し、検挙、訴追等に必要な証拠物件となる潜在指紋の検出に有用である。
本発明の一実施形態に係る指紋検出シートを示す模式的斜視図 図1の指紋検出シートを示す模式的断面図 実験1で得られた指紋検出画像 実験2で得られた指紋検出画像 実験3で得られた指紋検出画像
符号の説明
1 指紋検出シート
2 シート本体
X 検体

Claims (7)

  1. シート本体と、このシート本体に乾燥状態で含有される蛍光色素とを備え、
    上記蛍光色素が、ジメチルアミノシンナムアルデヒド(DMAC)又はジメチルアミノ
    ベンズアルデヒド(DMAB)であり、
    常温での上記蛍光色素のガス化及び指紋への選択的吸着により蛍光化指紋を得る指紋検
    出シート。
  2. 上記蛍光色素のシート本体への含有量が、0.01mg/cm以上1mg/cm
    下である請求項1に記載の指紋検出シート。
  3. 上記シート本体として、繊維製シートが用いられている請求項1又は請求項2に記載の
    指紋検出シート。
  4. 上記繊維製シートとして、紙素材が用いられている請求項3に記載の指紋検出シート。
  5. 上記紙素材の坪量が、50g/m以上200g/m以下である請求項4に記載の指
    紋検出シート。
  6. 上記紙素材の密度が、0.3g/cm以上1.2g/cm以下である請求項4又は
    請求項5に記載の指紋検出シート。
  7. シアノアクリレート指紋の検出に用いる請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の
    指紋検出シート。
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