JP5214920B2 - 超音波診断装置及び超音波診断装置の音響出力方法 - Google Patents
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Description
図1は超音波ドプラ診断装置のブロック構成図を示す。二次元の超音波プローブ1は、複数のビームから成る超音波マルチビームを例えば人体等の生体2内の血管3内に流れる血流等の流体である被検体4を含む特定部位(以下、レンジゲート:RGと称する)に送波し、このレンジゲートRGからの反射波を受波する。この超音波プローブ1は、複数の超音波振動子を二次元平面上に配列して成り、これら超音波振動子により超音波マルチビームの送波と反射波の受波を行う。
三次元角度補正速度ベクトル化部8は、マルチビームドプラ信号処理部7により検出された各超音波振動子6−1〜6−4のドプラ信号に基づいて血流等の被検体4の三次元の流れ方向及び血流等の被検体4の血流量を表す三次元の流体ベクトルデータとして血流等の被検体4の速度(血流速度)であるベクトルノルムNと、方位角θと、仰角φとを取得する。すなわち三次元の流体ベクトルデータは、[N、θ、φ]により表される。なお、三次元角度補正速度ベクトル化部8は、血流等の被検体4の血流量を表す三次元の流体ベクトルデータのノルムN(血流速度)等の算出をドプラ角度補正を用いて行う。このドプラ角度補正は、超音波ビームの方向と血流等の被検体4の流れ方向(以下、血流方向と称する)との成す角すなわちドプラ角を測定して血流速度の絶対値を求めることである。
[y]=β(f、a、Δ)・X(t)
三次元音響システム10は、速度ベクトル変換処理部9により発生された三次元音響システム用オーディオ出力[y]を電気−音響変換するもので、例えばマルチスピーカシステム、7.1chを使ったサウンド方式(7.1サラウンドシステム)、又はバイノーラルシステムである。
マルチビームドプラ信号処理部7は、超音波プローブ1の複数の超音波振動子を例えば電子的に走査し、レンジゲートRGからの各受信ビームF1〜F4を受波した各超音波振動子6−1〜6−4の各出力信号からドプラ信号を検出する。
三次元音響システム10は、例えばマルチスピーカシステム、7.1chを使ったサウンド方式(7.1サラウンドシステム)、又はバイノーラルシステムにより速度ベクトル変換処理部9により発生された三次元音響システム用オーディオ出力[y]を電気−音響変換する。
このように上記一実施の形態によれば、二次元の超音波プローブ1によりレンジゲートRGから受波された各受信ビームF1〜F4に対応するドプラ信号をマルチビームドプラ信号処理部7により検出し、このドプラ信号に基づいて血流等の被検体4の三次元の流れ方向及び血流等の被検体4の血流量を表す三次元の流体ベクトルデータとして血流等の被検体4の速度(血流速度)であるベクトルノルムN、方位角θ、仰角φを三次元角度補正速度ベクトル化部8により取得し、この三次元の流体ベクトルデータ[N、θ、φ]に基づいて速度ベクトル変換処理部9により三次元音響システム用オーディオ出力[y]を発生し、三次元音響システム10を鳴動する。
図4は超音波ドプラ診断装置の構成図を示す。二次元の超音波プローブ1は、上記同様に、複数のビームから成る超音波マルチビームを例えば人体等の生体2内の血管3内に流れる血流等の流体である被検体4を含むレンジゲートRGに送波し、このレンジゲートRGからの反射波を受波する。この超音波プローブ1は、複数の超音波振動子を二次元平面上に配列して成り、これら超音波振動子により超音波マルチビームの送波と反射波の受波を行う。この超音波プローブ1は、上記図2に示すように二次元平面上に配列された複数の超音波振動子のうち例えば4箇所の各超音波振動子6−1〜6−4によりレンジゲートRGからの反射波を受波可能である。
ディジタル・スキャン・コンバータ(以下、DSCと称する)21は、走査送受波部20から出力されたドプラ信号をディジタル変換して画像メモリ等の記憶部22に記憶し、この記憶部22に記憶したディジタルドプラ信号をディスプレイ23ディスプレイ23の走査に従って読み出し、アナログ変換してリアルタイムで例えば人体等の生体2内の血管3内に流れる血流等の被検体4を含むレンジゲートRGの超音波画像をディスプレイ23に表示するもので、三次元画像データ作成部24と、三次元情報取得部25と、三次元音響出力部26と、色付け部27と、表示部28とを有する。なお、DSC21には、ディスプレイ23が接続されている。
エレベーションとアジマスとの4方向の各角度(以下、仰角と称する)φが小さいので、超音波ビームを走査したときの振り角度によって中心Gから各受信ビームF1〜F4の反射点r1〜r4までの各距離は等しいとする。仰角φは、予め既知である。
又、各受信ビームF1〜F4の方向は、レンジゲートRGの中心でも同一方向を向いているものとする。なお、各受信ビームF1〜F4は、ベクトルで表されるものとする。
f1=f0*sin(π/2−θ+φ)
f2=f0*sin(π/2−θ−φ)
別な表現をすると、
f1=f0*cos(θ−φ)
f2=f0*cos(θ+φ)
となる。
上記式を展開すると、
f1=f0*(sinθ*cosφ−cosθ*sinφ)
f2=f0*(sinθ*cosφ+cosθ*sinφ)
しかるに、
tanθ={(f1+f2)/(f2−f1)}*tanφ
となり、方位角θが次式により求められる。
θ=tan−1{(f1+f2)/(f2−f1)}*tanφ
又、角度補正後の血流等の被検体4の流速f0は、次式により求められる。
この結果、三次元の血流ベクトルF0の流速f0が求められる。
複数のスピーカ29−1〜29−nは、超音波ドプラ診断装置本体30、オペレータ32、寝台31及び寝台31上の被検者33を囲む三次元空間に配置されている。複数のスピーカ29−1〜29−nは、例えば医師等のオペレータ32の座席位置を中心とする複数の円周上に等間隔で配置されている。これらスピーカ29−1〜29−nの配置される各円周は、例えば半径を異ならせたり、位置を異ならせている。これらスピーカ29−1〜29−nの個数は、例えば60個である。
第1の音響方式では、三次元音響出力部26は、血流等の被検体4の血流速度f0に応じて少なくとも1つのスピーカ29−1、29−2、…、又は29−nを鳴動するときの周波数を可変するもので、例えば血流速度f0が速いと周波数を高くし、血流速度f0が遅いと周波数を低くする。血流速度f0に応じて周波数を可変する方法は、例えば2方法ある。第1の方法は、スペクトラムの血流速度f0の最大流速Vp若しくは平均流速Vmに周波数変調(FM変調)をかける。この周波数変調により血流速度f0と周波数とが一致する。さらに、スペクトラムのトータルパワーを変換し、エンベロープを作成し、振幅変調(AM変調)をかける。
なお、三次元音響出力部26は、振幅変調に限らず、FM変調をかけてもよい。
図10はドプラ信号に応じてFM変調を掛けた一例を示し、図11はドプラ信号に応じて正弦波にAM変調を掛けた一例を示し、図12はドプラ信号に応じてホワイトノイズを用いてAM変調を掛けた一例を示す。
図13は方位角θに対する左右に配置される各スピーカ29−1、29−2、…、又は29−nを鳴動するときの音圧の制御方法の一例を示す。例えばオペレータ32に対して左側に配置されている各スピーカ29−1、29−2、…、又は29−nの音圧を大きくすると共に、左側に配置されている各スピーカ29−1、29−2、…、又は29−nの音圧を小さくする。反対にオペレータ32に対して左側に配置されている各スピーカ29−1、29−2、…、又は29−nの音圧を小さくすると共に、左側に配置されている各スピーカ29−1、29−2、…、又は29−nの音圧を大きくする。なお、左側に配置されている各スピーカ29−1、29−2、…、又は29−nの音圧の差は、正弦波で例えば20dB以上必要である。
位相差の算出方法は、次の通りである。ディスプレイ23とオペレータ32の目との距離をra(例えば100cm)とし、音速をC(=34000cm/s)、オペレータ32の頭部の中心から耳までの距離をH(例えば12cm)とする。周波数fと波長λとΔra/λとの関係の一例を次表に示す。
これと共に三次元音響出力部26は、方位角θに応じて少なくとも1つのスピーカ29−1、29−2、…、又は29−nを鳴動するときの音圧を可変するもので、例えば図13に示すように方位角θに対する左右に配置される各スピーカ29−1、29−2、…、又は29−nを鳴動するときの音圧を制御する。又、三次元音響出力部26は、方位角θに応じてオペレータ32に対して左右に配置された各スピーカ29−1、29−2、…、又は29−nを鳴動するときの位相差を可変する。左右に配置された各スピーカ29−1、29−2、…、又は29−n間の位相差は、例えば周波数800Hz以下である。位相差の算出方法は、上記した通りである。
又、左右2chのバイノーラルシステムを用いる場合、三次元音響出力部26は、左右2チャンネルの例えば2つのスピーカ16−1、16−n間に利得差を与える、又は上下周波数特性を空間音響データに基づいて補正して例えば2つのスピーカ16−1、16−n間に与えて鳴動する。
超音波プローブ1は、走査送受波部20によって複数の超音波振動子が例えば電子的に走査され、各超音波振動子が順次駆動されて超音波マルチビームを走査する。これにより、超音波マルチビームが例えば人体等の生体2内の血管3内に流れる血流等の被検体4を含むレンジゲートRGに向けて送波される。超音波プローブ1は、レンジゲートRGを含む領域からの反射波を受波し、各超音波振動子から信号を出力する。走査送受波部20は、レンジゲートRG等からの反射波を受波したときの各超音波振動子の各出力信号からドプラ信号を検出する。
この場合、三次元音響出力部26は、例えば、三次元の血流ベクトルF0のベクトル方向に配置されているスピーカ29−1〜29−nの音圧が大きくし、かつ三次元の血流ベクトルF0のベクトル方向からの三次元方向の距離が離れるに従ってスピーカ29−1〜29−nの音圧を小さくする。これにより、医師等のオペレータ32は、少なくとも1つのスピーカ29−1、29−2、…、又は29−nの鳴動を聴くことにより、レンジゲートRGを始点とする三次元の血流ベクトルF0により表される血流等の被検体4の血流速度f0、方位角θ、仰角φに対応する音響Sを聴くことになる。
さらに、三次元音響出力部26は、例えば図14に示すように仰角φが90°等で大きいと、低周波数帯で音圧を小さくし、高周波数帯で音圧を大きくする周波数特性に変化させて各スピーカ29−1、29−2、…、又は29−nを鳴動する。又、三次元音響出力部26は、仰角φが0°等で小さいと、低周波数帯で音圧を大きくし、高周波数帯で音圧を小さくする周波数特性に変化させて各スピーカ29−1、29−2、…、又は29−nを鳴動する。これにより、医師等のオペレータは、血流速度f0に応じた周波数で、方位角θに応じた音圧で、かつ仰角φに応じた周波数特性の音を聴くことになる。
これと共に三次元音響出力部26は、方位角θに応じてオペレータ32に対して左右に配置された各スピーカ29−1、29−2、…、又は29−nを鳴動するときの位相差を可変する。左右に配置された各スピーカ29−1、29−2、…、又は29−n間の位相差は、例えば周波数800Hz以下である。さらに、三次元音響出力部26は、図14に示すように仰角φに応じて周波数特性を変化して各スピーカ29−1、29−2、…、又は29−nを鳴動するときの音圧を制御する。これにより、医師等のオペレータは、血流速度f0に応じた音圧で、方位角θに応じた位相差で、かつ仰角φに応じた周波数特性の音を聴くことになる。
又、左右2chのバイノーラルシステムを用いる場合、三次元音響出力部26は、方位角θ、仰角φに対応した位相差を例えば2つのスピーカ16−1、16−n間に与えて鳴動する。又、左右2chのバイノーラルシステムを用いる場合、三次元音響出力部26は、左右2チャンネルの例えば2つのスピーカ16−1、16−n間に利得差を与える、又は上下周波数特性を空間音響データに基づいて補正して例えば2つのスピーカ16−1、16−n間に与えて鳴動する。
同様に、医師等のオペレータは、第2の音響方式であれば、血流速度f0に応じた音圧で、方位角θに応じた位相差で、かつ仰角φに応じた周波数特性の音を聴き、血管3内に流れる血流等の流体である被検体4の流れる血流方向、血流量等を聴覚でも把握できる。医師等のオペレータは、第3の音響方式であれば、血流速度f0に応じた周波数で、方位角θに応じた音圧又は位相差で、かつ仰角φに応じた周波数特性の音を聴き、血管3内に流れる血流等の流体である被検体4の流れる血流方向、血流量等を聴覚でも把握できる。
Claims (14)
- 少なくとも2つのスピーカと、
超音波プローブから出力されるドプラ信号に基づいて特定部位における被検体の三次元流体情報として、前記被検体の速度、方位角、仰角に関する3つの三次元流体情報を取得する三次元情報取得部と、
前記三次元情報取得部により取得された前記3つの三次元流体情報それぞれについて、当該三次元流体情報に基づいて前記スピーカを鳴動するときの周波数特性、音圧、残響音、前記スピーカの音圧差、又は前記スピーカの位相差の各音響パラメータのいずれかを変化させて、前記音響パラメータに基づいて前記スピーカを鳴動する音響出力部と、
を具備したことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記三次元情報取得部は、前記三次元流体情報として、前記速度、方位角、仰角に加え前記被検体の乱流度、拍動を取得することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
- 前記音響出力部は、前記被検体の前記速度に応じて少なくとも前記周波数特性、前記音圧又は残響量のうち少なくとも1つを変化させて前記各スピーカを鳴動することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
- 前記音響出力部は、前記方位角に応じて少なくとも前記音圧又は前記位相差のうち少なくとも1つを変化させて前記各スピーカを鳴動することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
- 前記音響出力部は、前記各スピーカが二次元に配置されている場合、前記仰角に応じて空間音響の伝達特性を用いた擬似特性を付加して前記各スピーカを鳴動することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
- 前記音響出力部は、前記仰角に応じて前記擬似特性として少なくとも前記周波数特性を変化させる、又は残響を付加して前記各スピーカを鳴動することを特徴とする請求項5記載の超音波診断装置。
- 前記音響出力部は、前記各スピーカを左右2チャンネルとして配置したバイノーラルシステムを用いる場合、前記方位角、前記仰角に対応した前記位相差を前記各スピーカ間に与えることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
- 前記音響出力部は、前記各スピーカを左右2チャンネルとして配置したバイノーラルシステムを用いる場合、前記左右2チャンネルの前記各スピーカ間に利得差を与える、又は上下周波数特性を空間音響データに基づいて補正して前記各スピーカ間に与えることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
- 前記音響出力部は、三次元空間に配置された複数のスピーカを備え、前記三次元情報取得部により取得された前記乱流度に応じて前記各スピーカをそれぞれ鳴動させることを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。
- 前記超音波プローブは、超音波マルチビームを前記被検体に送波し、前記被検体からの反射波を受波することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
- 前記複数のスピーカは、二次元又は三次元空間に配置されることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
- ディスプレイと、
前記超音波プローブから出力される前記ドプラ信号に基づいて作成される三次元超音波画像データを前記ディスプレイに表示する表示部と、
前記三次元の流れ方向を含む前記三次元流体情報に従って前記三次元超音波画像データ中の前記被検体に色付けを行う色付け部と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。 - 前記音響出力部は、正弦波又はホワイトノイズを音源とし、これら正弦波又はホワイトノイズを前記被検体の前記速度に応じて振幅変調することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
- 超音波プローブから出力されるドプラ信号に基づいて特定部位における少なくとも流体である被検体の少なくとも三次元の流れ方向を含む三次元流体情報として前記被検体の速度、方位角、仰角を取得し、
前記被検体の前記速度、前記方位角、前記仰角のうちいずれかに基づいて少なくとも2つのスピーカを鳴動するときの周波数特性、音圧、残響音、前記少なくとも2つのスピーカの音圧差、又は前記少なくとも2つのスピーカの位相差の各音響パラメータに変換し、これら音響パラメータのうち3つの前記音響パラメータを変化させて前記少なくとも2つのスピーカを鳴動して三次元空間の音として出力する、
ことを特徴とする超音波診断装置の音響出力方法。
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