JP5213784B2 - 薬液供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、薬液を供給する薬液供給装置に関する。
便器を洗浄したり、芳香効果を得るための薬液供給装置は、取付対象となる便器のタイプによって種々のものが提案されている。例えば、貯水タンクを有するタイプに対しては、タンク上部の手洗い部に配置される薬液供給装置が提案されており、この装置は、手洗い部に供給される水とともに、貯水タンク内に薬液を供給するように構成されている。
一方、タンク上部に手洗い部がないものや、貯水タンク自体を設けないタイプの便器も販売されており、これに対しては、便器のリムに直接取り付ける薬液供給装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載の薬液供給装置は、便器のリムに吊り掛けられるように薬液容器を設け、その下方に薬液を受けるプレートを取り付けている。そして、薬液容器から排出孔を介してプレート上に供給される薬液を、流水によってさらうことで、便器の内壁面に薬液を供給している。これによって、便器が洗浄されるとともに、薬液に含まれる芳香成分により、芳香効果も得ることができる。
特表2003−517124号公報
ところで、上記のような薬液供給装置では、長期間に亘って薬液を供給するため、薬液が比較的細い管路を通過するように構成されている。しかしながら、使用される薬液は洗浄、芳香成分により粘性を有するため、細い管路を通過しにくいことがある。そのため、薬液をスムーズに排出することができず、洗浄、芳香効果を十分に得ることができないおそれがある。
このような問題は、便器のリムに取り付けられるタイプのみならず、貯水タンク上部の手洗い部に配置されるタイプの薬液供給装置においても起こりうる問題である。さらに、細い管路を通じて外部に薬液を排出する芳香剤の供給装置においても起こり得る。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、薬液の排出をスムーズに行うことができる薬液供給装置を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の薬液供給装置は、粘性を有する薬液を収容する薬液容器と、前記薬液容器から排出された薬液を下方へ導く流路が形成された案内部を有する薬液排出機構と、前記薬液排出機構の案内部を経て外部へ排出された薬液を受ける支持部材と、を備え、前記案内部及び支持部材の少なくとも一部が、防曇剤を含有する樹脂材料で形成されている。
薬液は粘性を有するため、液のぬれ性が高くない。したがって、薬液の流路、特に、細い流路を通過するのが難しい。そこで、本発明においては、薬液が通過する案内部及び支持部材を、防曇剤を含有する樹脂材料によって形成した。これにより、樹脂材料のぬれ性が向上するため、薬液が樹脂材料となじみやすくなり、薬液をスムーズに通過させることができる。
上記防曇剤は、例えば、非イオン界面活性剤とすることができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも一以上の非イオン界面活性剤とすることができる。
また、上記案内部及び支持部材中に、防曇剤が0.1〜2重量%含有されていることが好ましい。
上記薬液供給装置は、薬液を供給する用途であれば、種々の用途に適用することができ、例えば、芳香用として使用できるほか、水洗トイレの洗浄及び/又は芳香用に使用することができる。
上記薬液供給装置は、薬液容器、薬液排出機構、及び支持部材を便器のリムに吊り掛けるための吊掛部材をさらに備えたものとすることができ、こうすることで、リムに吊り掛けられるタイプの薬液供給装置として使用することができる。
或いは、上記薬液供給装置は、薬液容器、薬液排出機構、及び支持部材を支持し、水洗トイレにおける貯水タンク上部の手洗い部に配置される支持体をさらに備えたものとすることができ、こうすることで、貯水タンク上に配置されるタイプの薬液供給装置として使用することができる。
また、本発明に係る第2の薬液供給装置は、粘性を有する薬液を収容する薬液容器と、前記薬液容器に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、前記薬液排出機構から排出された薬液を受ける支持部材と、前記薬液容器、薬液排出機構、及び前記支持部材を便器のリムに吊り掛けるための吊掛部材と、を備え、前記薬液排出機構は、前記薬液容器から排出された薬液を導く流路、及び当該流路を経た薬液を外部へ排出する流出孔が形成された排出部材と、前記流出孔から排出される薬液が供給され、前記支持部材に向かって延びる突出部と、備えており、前記排出部材及び支持部材の少なくとも一部が、防曇剤を含有する樹脂材料で形成されている。
この構成によれば、第1の薬液供給装置と同様の効果を得ることができる。また、上記突出部には、流出孔側から支持部材側に向かう複数の溝を形成することができる。なお、突出部は種々の構成をとることができるが、例えば、突出部を2つ以上設けたり、流出孔を中心に放射状に延びるように構成することができる。このように構成すれば、薬液をさらに広範囲に行き渡らせることができる。なお、ここでいう放射状とは、360°全ての向きに突出部が延びている必要はなく、その一部、特に、リム側を向く所定の角度に亘って突出部が配置されていればよい。
本発明に係る薬液供給装置によれば、薬液の排出をスムーズに行うことができる。
本発明に係る薬液供給装置の一実施形態を示す側面図である。 図1において薬液容器を取り外した断面図である。 図1の薬液供給装置の分解正面図である。 図1の薬液供給装置の分解側面図である。 装置本体の平面図である。 図5のA−A線断面図である。 支持プレートにおける基部と可動部との連結部分の拡大断面図である。 上部材の側面断面図、正面図、及び平面図である。 下部材の側面断面図、正面図、及び底面図である。 下部材の一部斜視図(a)及びそのB−B線断面図(b)ある。 薬液供給装置の取り付け状態を示す側面図である。 水洗トイレにおける貯水タンク上部の手洗い部に配置される第2実施形態の薬液供給装置の正面図(a)及び側面図(b)である。 図12の薬液供給装置の分解図である。 図12の薬液容器100の縦断正面図である。 図13に示すカバー部材の平面図(a)及び正面断面図(b)である。 図12の装置本体の平面図(a)及び正面断面図(b)である。 装置本体とカバー部材とを分解して示す斜視図(a)、及びこれらを合体した状態で示す正面断面図(b)である。 薬液排出機構の一部斜視図(a)及びそのB−B線断面図(b)ある。 第3実施形態に係る薬液供給装置の正面図(a)及び側面図(b)である。 図19の分解図である。 案内部材の平面図(a)及び正面図(b)である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る薬液供給装置の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係る薬液供給装置の側面図、図2は図1において薬液容器を取り外した断面図、図3は図1の分解正面図、図4は図1の分解側面図である。
この薬液供給装置は、便器のリムに吊り掛けて使用されるものであり、図1〜図4に示すように、薬液が収容された薬液容器1と、これを下方から支持する装置本体2と、装置をリムに吊り掛けるための吊掛部材3とを有している。また、装置本体2の内部には、薬液容器1から流れ出た薬液を装置本体2の底面へと供給する薬液排出機構4が配置されている。この薬液排出機構4は、後述するように、上部材と下部材とで構成されている。以下、上述した各部材をさらに詳細に説明する。
図3に示すように、薬液容器1は、透明のドーム状に形成され、下面に排出口11を有している。そして、この排出口11には、キャップ13が取り付けられている。このキャップ13は、環状の本体部と、その中央の穴を塞ぐ薄膜部(図示省略)とで構成されており、使用に際しては、薄膜部を破断させて薬液を排出させる。薬液容器1に収容される薬液は、芳香及び便器の洗浄を行うためのものである。なお、薬液容器1に収納される薬液の粘度は、特には限定されないが、例えば、25℃において80〜500mPa・s、または5℃において200〜2000mPa・s、好ましくは、25℃において120〜300mPa・s、または5℃において300〜1200mPa・sとすることができる。ここでいう粘度は、B型粘度計(東機産業株式会社製:型番 TVB−10形粘度計)において、設定温度5℃または25℃で設定、ローターNo.2、攪拌条件30rpm、攪拌時間1分の条件において測定される。
図5は装置本体の平面図、図6は図5のA−A線断面図である。図5及び図6に示すように、装置本体2は、薬液容器1を支持するカップ状の基台20と、この基台20の底面を構成しリム側に延びる支持プレート(支持部材)21とで構成されている。基台20は、平面視楕円状に形成され、その周囲を囲む壁体22で囲まれている。壁体22のうち、長手方向の一辺は切り欠かれて開放されており、この開放部分231から支持プレート21が延びている。支持プレート21は、板状の基部211と、その一端部に揺動自在に連結された可動部212とで構成されている。
また、基台20の中央には、上方へ延びる支柱24が取り付けられており、この支柱24と後述するカバー部材411との間の空間に、吊掛部材3が上下動可能に取り付けられる。吊掛部材3は、弾性変形可能に2箇所で折り曲げられた帯状に形成されており、初期状態では、図1のように折り畳まれている。また、吊掛部材3は、上下動可能に構成されているため、装置とリムとが干渉しないように、リムに対する薬液容器1及び装置本体2の高さを調整することができる。また、図5に示すように、基台20には、台形状の貫通孔201が形成されている。貫通孔201は、後述する薬液排出機構4における薬液の流出孔428の直下の近傍に配置されている。また、基台20上には、貫通孔201を始点として、可動部212側に傾斜して延びる一対の遮壁202が形成されている。両遮壁202は、可動部212側に向かって互いに離れるように、裾広がりに延びている。また、貫通孔201の可動部212側の辺にも遮壁203が形成されている。これにより、3つの遮壁202,203が、貫通孔201と、流出孔428の直下の位置とを仕切るように配置されている。
次に、支持プレート21についてさらに詳細に説明する。図7は、支持プレートにおける基部と可動部との連結部分の拡大断面図である。図6及び図7に示すように、本実施形態の支持プレート21においては、基部211と可動部212とが樹脂などで一体的に形成されており、基部211が可動部212側に向かって約6度で下方に傾斜している。これにより、後述するように、薬液供給機構4から排出された薬液がリム側へ流れやすいようにしている。基部211の傾斜角度αは、これ以外に設定することも可能であり、例えば、0〜45度にすることができ、3〜30度であることが好ましい。
そして、支持プレート21の裏面には、基部211と可動部212との境界線に沿って溝213が形成されている。したがって、この溝213によって基部211と可動部212との境界が薄膜状になるため、可動部212が基部211に対して揺動可能となっている。また、図7に示すように、溝213を挟んで基部211と可動部212の下面には、それぞれ突部218,219が対向するように形成されている。このような突部218,219が設けられているため、可動部212を下方に傾斜させようとすると、溝213を挟む両突部218,219が当接し、これによって下方への傾斜が規制される。なお、初期状態では、図6に示すように、可動部212は基部211に対して、約30°の傾斜角度βで上方に傾斜しており、この状態から境界部分の弾性変形によって、基部211に対し約0〜90°程度の範囲で傾斜が可能となっている。
続いて、薬液排出機構4について説明する。図2〜図4に示すように、薬液排出機構4は、薬液容器1と支持プレート21との間に配置されており、上側に配置される上部材41と、下側に配置される下部材42とで構成されている。上部材41は、平面視楕円型の筒状に形成されており、下方が開放している。一方、図9に示すように下部材42は、平面視楕円状の板状部421と、その周囲に上下方向に延びるように形成された低い壁部材423とで構成されており、上部材41の下部開口を塞ぐように配置される。そして、上部材41と下部材42とが組み合わされることで、両者の間には、薬液を保持する緩衝空間45が形成される(図2参照)。以下、上部材41及び下部材42についてさらに詳細に説明する。
まず、上部材41について説明する。図8は上部材の断面図(a)、正面図(b)、及び平面図(c)である。同図に示すように、上部材41の側面には、上方に延びるレール状のカバー部材411が取り付けられており、このカバー部材411は、上述した通り、支柱24に当接し、吊掛部材3を収容する空間を形成する。また、上部材41の上面中央部には、先端が斜めに切りかかれて鋭利な円筒状の連通管412が設けられるとともに、上面の端部には合計4つの空気流出孔413が形成されている。連通管412は、上述した薬液容器1のキャップ13に突き刺され、薄膜部を破断させる役割を果たす。また、連通管412の周縁には、U字状の溝417が形成されており、この溝417にキャップ13が嵌るようになっている。一方、連通管412の内部底面には、下部材42側へ延びる円筒状の固定管414と、その近傍に配置された3個の連通孔415とが形成されている。そして、これら連通孔415と、上述した空気流出孔413とは、緩衝空間45と連通している。なお、連通孔415が複数個形成されている場合、複数の連通孔415のうち、最も大きい連通孔415の開口面積が0.6〜1.8mm以上とすることが好ましい。
続いて、下部材42について図9及び図10も合わせて説明する。図9は下部材の断面図(a)、正面図(b)、及び底面図(c)であり、図10は下部材の一部斜視図(a)及びそのB−B線断面図(b)ある。まず、図9に示すように、下部材42の中央には、上部材41の固定管414に嵌合する円筒状の案内管424と、その周囲を囲むように設けられた円形の固定壁425とが設けられている。そして、案内管424と固定壁425との間の隙間には、上述した固定管414が嵌るようになっている。案内管424の上部開口は、斜めに切り取られた形状となっており、その開口の低い側から案内管424の外周面に沿って上下方向に延びるV字状の案内溝426が形成されている。ここで、図9及び図10に示すように、案内管424は固定管414の内部に嵌っているため、固定管414の内壁面と、案内溝426とで薬液の通路、つまり「流路」が形成される。また、案内管424と固定壁425との隙間の底面と固定管414の下端部との隙間にも薬液が通過する空間、つまり延長路427が形成される。より詳細に説明すると、上記隙間の底面においては、案内溝426の両側の各約90度が薬液の延長路427を構成するとともに、案内溝426とは反対側には、約180度に亘る半円形の流出孔428が形成されている。そして、延長路427を通過した薬液が流出孔428から支持プレート21側へ流れ出るようになっている。なお、各延長路427の容積は、0.05〜0.3mmであることが好ましく、0.07〜0.15mmであることがさらに好ましい。また、延長路427の断面積は、0.02〜0.1mmであることが好ましく、0.03〜0.05mmであることがさらに好ましい。
図9に示すように、下部材42の下面には、上述した流出孔428の両端をと接触する板状の突条部(突出部)43が設けられている。より詳細には、この突条部43は、流出孔428の両端を結ぶ基板431と、この基板431の両端から延びる一対の延長部432とで形成されている。そして、各延長部432は、互いに離間するように、可動部212側へ斜め方向に延びている(図2参照)。また、突条部43の上下方向の長さは、例えば、3〜10mmにすることができるが、図2に示すように、突条部43の下端部は、装置本体2の底面に接触していることが好ましい。さらに、図9に示すように、突条部43には、下向きに延びる複数の溝が形成されている。このように突条部43に溝を形成すると、薬液が突条部43に保持されやすくなり、より多くの薬液を支持プレート21側へスムーズに供給することができる。なお、溝の深さは、例えば、0.15〜0.3mmにすることができ、溝の幅は0.4〜0.8mmにすることができる。
続いて、上記装置を形成する材料について説明する。上述した各部材は、樹脂で成形することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、などで形成することができる。上記部材のうち、上部材41、下部材42、基台20、及び支持プレート21は、上述した樹脂に防曇剤を混ぜたものを使用することができる。防曇剤の樹脂に対する配合率は、0.1〜2.0重量%とすることができ、好ましくは0.2〜1.6重量%である。
防曇剤は、例えば、非イオン性界面活性剤を含有したものとすることができる。その例としては、具体的には、ポリオキシエチレン硬化ひまし油等のポリオキシアルキレン硬化ひまし油;ポリオキシエチレン硬化ひまし油エーテル等のポリオキシアルキレン硬化ひまし油エーテル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキアルキレンデシルエーテル等のポリオキアルキレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル等のポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル;アルキルアルカノールアミド;アルキルポリグルコシド;ポリグリセリン脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;グリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等が例示される。好ましくは、グリセリン脂肪酸エステル ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。
このうち、グリセリン脂肪酸エステルは、特に特定されないが、炭素数が12〜36の脂肪酸とグリセリンとのエステルを挙げることができ、好ましくは、炭素数が12〜20の脂肪酸とグリセリンとのエステルを挙げることができる。
さらに、グリセリン脂肪酸エステルとしては、モノグリセライドや有機酸モノグリセライドに係るものが好ましくは選択される。
次に、上記のように構成された薬液供給装置の使用方法について図11も参照しつつ説明する。図11は薬液供給装置の取り付け状態を示す側面図である。まず、薬液容器1を上部材41上に配置する。これにより、薬液容器1のキャップ13に連通管412が突き刺さり、薬液容器1が固定される。続いて、この装置を便器のリムに取り付ける際には、吊掛部材3を、支柱24から引き出して高さを調整しつつ、図1の状態からコ字状に押し広げる。そして、図11に示すように、リムRを挟むように配置する。このとき、可動部212は、便器の内壁面に当接するのであるが、基部211に対して揺動可能となっているため、基部211と便器内壁面Sとの距離に応じて、傾斜する。こうして、基部211と便器内壁面Sとの隙間は埋められる。その結果、基部211に流れ出た薬液を効率よくさらって、便器へ流すことができるため、便器の形状にかかわらず、優れた洗浄効果を得ることができる。
続いて、薬液の流れについて説明する。連通管412によりキャップ13の薄膜部が破断されると、薬液は、薬液容器1から薬液排出機構4へと流れ出て、一部は連通管412及び連通孔415を介して緩衝空間45内に流れ込む。一方、残りの薬液は、図10に示すように、案内溝426を通過して下方へ流れた後、延長路427及び流出孔428を介して下部材42の下面側に流れ出る。そして、この薬液は、突条部43を伝って下方へ移動し、支持プレート21上へ移る。また、薬液容器1から案内溝426へ薬液が排出されると、薬液の排出に伴って薬液容器1内は負圧になる。これに伴って、緩衝空間45内の薬液及び空気は、連通孔415を介して薬液容器1内へ流入していく。こうして、薬液や空気が薬液容器1内に流れ込むと、薬液容器1内の薬液が押し出され、案内溝426へと流出していく。
上記のように装置が設置された後、便器内に水が流されると、流された水は、図11に示すように、リムRの内側から便器内壁面Sを伝い、可動部212によって基部211側へ案内される(矢印X)。そして、基部211と可動部212との境界部分に貯まった薬液をさらいつつ、便器へと流れていく。こうして、薬液は流水とともに、便器内壁面Sに供給され、便器の清浄が行われる。なお、支持プレート21上に流れ込む水が薬液排出機構4を逆流して薬液容器1内に入り込むおそれもあるが、これについては次のように対処される。すなわち、本実施形態に係る装置では、薬液は、案内溝426及び延長路427を介して支持プレート21上に流れ出る。特に、延長路427は水平に延びているため、突条部43を介して上方に流れた水は、一旦水平に延びる延長路427を通過した後、さらに垂直に延びる案内溝426を通過しなければ、薬液容器1には到達しない。このように、この装置では、支持プレート21から薬液容器1に至る垂直方向の経路の中に水平に延びる経路を配置しているので、水の進入を防止することができる。
また、貫通孔201は、次のような役割も果たす。例えば、装置がリムに対して傾いて取り付けられた場合、薬液が支持プレート21上でリムRとは反対側に流れたとしても、この薬液は貫通孔201から装置外部へ排出される。つまり、薬液が便器に流れるため、流水に接触させることができる。したがって、所望の角度で装置をリムに対して取り付けられていない場合であっても、薬液を流水に接触させることができ、所望の芳香、洗浄効果を得ることができる。また、流水が装置本体2内に流入しない場合であっても、薬液を貫通孔201を介して便器に流出させることができる。
また、薬液が支持プレート21上に供給されても長時間流水がなければ、薬液が支持プレート21上で固まるおそれがある。この場合、上記のように、装置本体2の底面に貫通孔201が形成されていると、この貫通孔201を介して薬液を外部に排出することも可能となり、支持プレート21上で固まるのを防止することができる。
また流出孔428の直下の位置と貫通孔201との間に遮壁203を設けているため、遮壁203を越えた薬液のみが貫通孔201から流れ出すため、装置が傾いていたとしても、ある程度の薬液は支持プレート21上に残ることになる。よって、薬液が過度に貫通孔201から排出されるのを防止することができ、流水によって支持プレート21上の薬液がさらわれるようになる。
以上のように、本実施形態によれば、次のような利点がある。ここで使用される薬液は粘性を有するため、液のぬれ性が高くない。したがって、薬液の流路、特に、細い流路である案内溝426、延長路427などを通過するのが難しい。そこで、本実施形態においては、薬液が通過する上部材41、下部材42、基台20及び支持プレート21を、防曇剤を含有する樹脂材料によって形成している。これにより、樹脂材料のぬれ性が向上するため、薬液が樹脂材料となじみやすくなり、薬液をスムーズに通過させることができる。
なお、本実施形態における上部材41、下部材42及び突条部43は、第1の本発明でいう「案内部」に相当し、これら部材で形成された薬液の通路、例えば、延長路427、案内溝426、突条部43の溝は第1の本発明の「流路」に相当する。また、延長路427、案内溝426、突条部(突出部)43の溝は第2の本発明の「流路」に相当し、上部材41、下部材42は、第2の本発明の「排出部材」に相当する。そして、支持プレート21は、第1及び第2の本発明の支持部材に相当する。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る薬液供給装置の第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。図12は、水洗トイレにおける貯水タンク上部の手洗い部に配置される本実施形態の薬液供給装置の正面図(a)及び側面図(b)であり、図13は薬液供給装置の分解図である。上述した第1実施形態が便器のリムに取り付けられる薬液供給装置であるのに対し、本実施形態の装置は、水洗トイレの貯水タンク上に配置されるタイプの装置である。
図12及び図13に示すように、この薬液供給装置は、貯水タンクの手洗い部Zに設置されるものであり、手洗い部Zの排出口Hを塞ぐように配置される。その際、排出口Hには、装置の下面から延びる2本の長脚250が挿入される。そして、この装置は、芳香洗浄剤等の薬液を収容する薬液容器100と、この薬液容器100を支持するカップ状の装置本体200と、を備えている。装置本体200の内部には、薬液容器100から流れ出た薬液を装置本体200の底面へと供給する薬液排出機構が配置されており、この薬液供給機構は、図13に示すようなカバー部材300と、装置本体200内部に形成された後述する下部材2000とで構成されている。また、装置本体200の下面には、薬液排出機構から流れ出た薬液を装置の下方へ案内する板状の案内部材(支持部材)500が設けられている。以下、各部材について詳細に説明する。
図14は、薬液容器100の縦断正面図である。同図に示すように、薬液容器100は、ドーム型に形成され、薬液が収納される1対の薬液収納部110を備えている。両薬液収納部110は、隣接して配置され、その下端には、薬液を排出するための排出口120がそれぞれ形成されている。また、各薬液収納部110は、一部又は全体が透明又は半透明の材料で構成され、外部から芳香洗浄剤などの薬液の残量が確認できるようになっている。排出口120は、製造後の流通及び保管時には図外のキャップで閉じられ、使用時に開封される。
図15はカバー部材の平面図(a)及び正面断面図(b)である。同図に示すように、カバー部材300は、1対の円筒状部分310が板状の結合部320で結合されて平面視瓢箪形をなしている。各円筒状部分310は、その周縁に沿う側面を構成する内側壁330と、上面を構成する上壁340とを備えており、下部は開放されている。そして、上壁340には、薬液容器100から薬液が通過する筒状の供給部400が貫通している。円筒状部分310の上壁340は、供給部400の周囲を囲む下段壁3410と、1対の円筒状部分310の外側において下段壁3410より高い位置にあり、平面視三日月状をなす上段壁3420とで構成されている。そして、上段壁3420には、カバー部材300の内部と連通する空気流通孔3430が複数個(この例では4個)設けられている。このカバー部材300は、後述する装置本体200の下部材2000と組み合わされることで、両者の間には、薬液を保持する緩衝空間600が形成される。
供給部400は、下段壁3410を貫いて上下に延びる連通管410を有しており、この連通管410の上端は開放するとともに、斜めに切り取られた鋭利な形状をしている。この鋭利な部分4110が薬液容器1のキャップを破断するように、排出口120に挿入される。一方、連通管410の内部底面4130には、下部材2000側へ延びる円筒状の固定管4120と、その近傍に配置された複数の薬液連通孔4140とが形成されている。そして、これら薬液連通孔4140と、上述した空気流通孔3430とは、緩衝空間600と連通している。
図16は、装置本体の平面図(a)及び正面断面図(b)であり、図17は、装置本体とカバー部材とを分解して示す斜視図(a)、及びこれらを合体した状態で示す正面断面図(b)であり、図18は薬液排出機構の一部斜視図(a)及びそのB−B線断面図(b)ある。
図16に示すように、装置本体200は、板状の基部210と、その周縁を囲むように形成された壁体220とを備えている。基部210上には、カバー部材300と連結される下部材2000が設けられている。この下部材2000は、カバー部材300の内側壁330外面に嵌合する瓢箪形の外側壁230を備えている。そして、外側壁230にカバー部材300を嵌め込むことにより、1対の円筒状部分310と基部210との間に上述した緩衝空間600が形成される(図17(b)参照)。なお、下部材2000は上記のように装置本体200と一体的に設けてもよいし、別個に形成して装置本体200に接着、ねじ止め等により結合して設けるようにしてもよい。なお、壁体220には、装置内部へ流入した水を外部へ排出するための流水孔240が複数形成されている。
下部材2000についてさらに詳細に説明すると、図16に示すように、外側壁230の内側には、カバー部材300の固定管4120に嵌合する円筒状の案内柱420と、その周囲を囲むように設けられた円形の固定壁430とが、2箇所に設けられている。そして、案内柱420の外周面には、上下方向に延びる案内溝4210が形成されている。ここで、図18に示すように、案内柱420は固定管4120の内部に嵌っているため、固定管4120の内壁面と、案内溝4210とで薬液の通路が形成される。また、案内柱420と固定壁430との隙間の底面と、固定管4120の下端部との間にも薬液が通過する空間、つまり延長路4270が形成される。より詳細に説明すると、この隙間の底面においては、案内溝4210の両側の各約90度が薬液の延長路4270を構成するとともに、案内溝4210とは反対側には、約180度に亘る半円形の流出孔4280が形成されている。そして、延長路4270を通過した薬液が流出孔4280から後述する案内部材500側へ流れ出るようになっている。
案内部材500は、1対の流出孔4280に跨る幅を有した板状に形成されており、上端部が各流出孔4280の下端の開口縁部に当接し、下方へ延びている。案内部材500の表裏面の面状部分には、流出孔4280から導出される薬液を広げるために、上下方向に延びる多数の細溝510が形成されている(図12(a)参照)。
また、装置本体200の底面には、案内部材500表裏面から間隔をおいて位置する2本の長脚250と、これら長脚250の周囲に配置された4本の短脚260とが下方へ延びるように設けられている。これらの脚250、260のうち、長脚250は、上述したように、手洗い部の排水口Hに挿入可能となっており、各短脚260は長脚250が排水口Hに挿入された状態で、装置本体200を手洗い部Z上にほぼ水平に支持する。また、案内部材500と長脚250との間には、装置本体200底面から遮蔽部材270が下方へ延びている。長脚250に対し案内部材500、遮蔽部材270は、これらの順に長さが短くなっており、長脚250は装置本体200を排水口に位置決めし、案内部材500は排水口Hに流下する水に接し、遮蔽部材270は流下する水が流出孔4280に達しないように、各々の長さが決められている。
上記のように構成された薬液供給装置は、次のように使用される。まず、カバー部材300の内側壁330の外側に、装置本体体200の外側壁230を嵌合して緩衝空間600を形成した後、カバー部材300から上方へ延びる連通管410に薬液容器100の排出口120を嵌入することにより組み立てられる。
続いて、薬液の流れについて説明する。薬液容器100から薬液排出機構へと流れ出た薬液のうち、一部は連通管410及び薬液連通孔4140を介して緩衝空間600内に流れ込む。一方、残りの薬液は、図18に示すように、案内溝4210を通過して下方へ流れた後、延長路4270及び流出孔4280を介して案内部材500に流れ出て、ここで保持される。そして、案内部材500上の薬液は、フラッシュ時に供給される流水に洗い流されて貯水タンクの中に流れ込む。なお、緩衝空間600の役割については、第1実施形態と同様であるので、省略する。
また、本実施形態においては、装置本体200と、カバー部材300とが、第1実施形態と同様の材料で構成されている。すなわち、防曇剤を含有する樹脂材料で形成されている。したがって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、案内部材500は、下端部が手洗い部の排水口Hに挿入されるので、排出された薬液は、案内部材500に沿って排水口H内に案内される。手洗い部の排水口Hには、手洗い部の形態に関わらず、放水タップからの流水が流れ込むため、案内部材500上の薬液は流水によって確実に洗い流される。したがって、本実施形態に係る薬液供給装置は、例えば放水タップの位置、手洗い部の形態に依存することなく、種々のトイレで使用することができる。また、案内部材500上の薬液は、流水に洗い流されることにより、直接排水口Hに流入するため、例えば薬液に色素などの成分が含まれている場合であっても、この色素によって手洗い部が汚されるのを防止することができる。
なお、本実施形態におけるカバー部材300は、第1の本発明でいう「案内部」に相当する。また、装置本体200のうち、流出孔4280に至るまで薬液の流路を構成する構造も、第1の本発明でいう「案内部」に相当する。そして、これら部材で形成された薬液の通路は本発明の「流路」に相当する。なお、案内部材500は、装置本体200と一体的に形成されているが、第1の本発明でいう支持部材である。
(第3実施形態)
上記第2実施形態では、案内部材を支持体の下方へ突出させ、直接排水構内へ案内しているが、手洗い部上に流れ出すように構成することもできる。以下、本発明の第3実施形態について図面を参照しつつ説明する。図19は第3実施形態に係る薬液供給装置の正面図(a)及び側面図(b)、図20は図19の分解図、図21は案内部材の平面図(a)及び正面図(b)である。
図19に示すように、この薬液供給装置は、芳香洗浄剤等の薬液を収納する薬液容器700と、この薬液容器700を支持し、手洗い部Z上に配置される支持体701とを備えている。支持体は、カップ状に形成され、その内部には、薬液容器700から排出された薬液を排出する薬液排出機構702と、薬液排出機構702を経た薬液を支持体701の外部へ案内する板状の案内部材(支持部材)703とが配置されている。支持体701の下面には、下方へ突出し、手洗い部Zの排水口Hに挿入される複数の脚部720が設けられている。また、支持体701の側面には、後述するように、案内部材703が突出する開口704のほか、水を流入させるための複数の開口705が形成されている。
図20に示すように、薬液容器700はドーム状に形成され、下端部に薬液を排出する排出口706が形成されている。また、薬液排出機構702は、正面視U字型の箱状に形成された本体部707と、その上部に配置された連通管708とを備えている。連通管708は、先端が斜めに切り欠かれており、薬液容器の排出口706に差し込まれる。そして、この連通管708を介して薬液容器700内の薬液が本体部707の内部に流入する。本体部707の内部には、流出孔4280が配置されており、これを経た薬液が本体部707の下面に設けられた板状の案内部材703に排出される。なお、排出構造については、図18を参照して説明する。また、本体部707には、図17に示すものと同様の作用を有する緩衝空間が設けられており、第1実施形態と同様の役割を果たす。
図21に示すように、案内部材703は、矩形状の基部709と、この基部709の両側縁(同図の上下辺)から下方へ傾斜する一対の案内板710とを備えている。基部709は、排出構造の流出孔4280(図20参照)と対向する近接した位置に配置されており、流出孔4280から流れ出した薬液を受けるものである。そして、基部709において流出孔4280が近接する部分及びその近傍には薬液が流通可能な複数の溝711が幅方向(同図の左右方向)に形成されており、これらの溝711のうち、中央に配置されたものが案内溝712を構成している。この案内溝712は基部709を横切って両案内板710の端部まで延びており、薬液を基部709から案内板710側へ導くようになっている。また、図19(b)に示すように、各案内板710の端部は、支持体701の底面から側面に亘って形成された開口704から突出している。
上記のように構成された薬液供給装置は、次のように動作する。まず、薬液容器700から薬液が流出し、薬液供給機構を介して案内部材703上に流れ出す。案内部材703上では、一部が基部709上に保持されるとともに、案内溝712を伝って案内板710上に流れ出し、この上で保持される。そして、フラッシュ時に水が供給されると、この水が支持体701の開口704から突出した案内板710上の薬液に接触し、これを洗い流す。また、流水の一部は支持体701の開口705から内部に流れ込み、案内部材703の基部709上にある薬液も洗い流す。こうして薬液は、流水とともに、手洗い部Z上に流れ出し、排水口Hから貯水タンクの中に流れ込む。
また、本実施形態においては、薬液排出機構702と、案内部材703とが、第1実施形態と同様の材料で構成されている。すなわち、防曇剤を含有する樹脂材料で形成されている。したがって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態における薬液排出機構702は、第1の本発明でいう「案内部」に相当し、この部材において形成された薬液の通路は本発明の「流路」に相当する。また、案内部材703は、第1の本発明の支持部材である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、本発明において薬液の流路を構成する部材、つまり本発明の案内部、排出部材、突出部、及び支持部材のすべてを防曇剤を含有する樹脂材料で形成する必要はなく、一部であってもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例には限定されない。
ここでは、第1実施形態で用いた薬液供給装置をモデルとし、防曇剤を含有する樹脂材料で形成した薬液供給装置として実施例1〜4を準備し、防曇剤を含有していない樹脂材料で形成した薬液供給装置を比較例として評価試験を行った。
各実施例、比較例における主たる部材の構成は、以下の通りである。
(1)連通孔(図8(c)の符号415参照)
個数:3個、直径:1.2mmの円形(図8(c)の符号415参照)
(2)案内溝(図10(a)の符号426参照)
上下方向の長さ:3mm,径方向の幅:0.3mmとした。
(3)延長路(図10(a)の符号427参照)
水平方向の長さ:2.9mm,径方向の幅:0.7mmとした。
(4)突条部(図9の符号43参照)
上下方向高さ:10mm,溝深さ:0.25mm,溝幅0.58mm
上部材41、下部材42、及び装置本体2、支持プレート21を構成する材料は、各実施例、比較例において、次の通りである。すなわち、各実施例については、樹脂材料98.8重量%に対し、1.2重量%の防曇剤が含有するように、上記部材を成形した。比較例では、防曇剤を用いず、樹脂材料のみで上記部材を成形した。
(1)樹脂材料:ポリプロピレン樹脂
(2)防曇剤については、以下の4種類を採用し、それぞれ実施例1〜4として、上記樹脂材料に含有させた。
・実施例1:ステアリン酸モノグリセライド:エキセルT−95(花王(株)社製)
・実施例2:ステアリン酸、オレイン酸モノグリセライド:エキセル200(花王(株)社製)
・実施例3:オレイン酸ソルビタン:レオドールAO−10(花王(株)社製)
・実施例4:ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル:サンスルーザー700(花王(株)社製)
以上のような薬液供給装置において、界面活性剤、香料、及び水からなる水洗トイレ用芳香洗浄剤を薬液として用いた。この薬液は、粘度が25℃において240mPa・s、5℃において690mPa・sのものを用いた。なお、粘度は、B型粘度計(東機産業株式会社製:型番 TVB−10形粘度計)において、設定温度25℃または5℃で、ローターNo.2、攪拌条件30rpm、攪拌時間1分の条件において測定した。そして、各実施例及び比較例をそれぞれ100個ずつ自然放置し、1日後の支持プレート上への吐出の有無を確認した。その結果、比較例は100個中10個の装置で、支持プレート上への薬液の吐出が確認されなかったが、実施例1〜4では100個中すべての装置で支持プレートへの薬液の吐出が確認された。
1 薬液容器
21 支持プレート(支持部材)
500 案内部材(支持部材)
703 案内部材(支持部材)

Claims (8)

  1. 粘性を有する薬液を収容する薬液容器と、
    前記薬液容器から排出された薬液を下方へ導く流路が形成された案内部を有する薬液排出機構と、
    前記薬液排出機構の案内部を経て外部へ排出された薬液を受ける支持部材と、
    を備え、
    前記案内部及び支持部材の少なくとも一部が、防曇剤を含有する樹脂材料で形成されている、薬液供給装置。
  2. 前記防曇剤が、非イオン性界面活性剤である、請求項1に記載の薬液供給装置。
  3. 前記非イオン性界面活性剤が、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも一以上の非イオン界面活性剤である、請求項2に記載の薬液供給装置。
  4. 前記案内部及び支持部材中に、前記防曇剤が0.1〜2重量%含有されている、請求項1から3のいずれかに記載の薬液供給装置。
  5. 水洗トイレの洗浄及び/又は芳香用に使用される請求項1から4のいずれかに記載の薬液供給装置。
  6. 前記薬液容器、排出機構、及び前記支持部材を便器のリムに吊り掛けるための吊掛部材をさらに備えている、請求項1から5のいずれかに記載の薬液供給装置。
  7. 前記薬液容器、薬液排出機構、及び前記支持部材を支持し、水洗トイレにおける貯水タンク上部の手洗い部に配置される支持体をさらに備え、
    前記手洗い部に供給される水とともに前記支持部材上の薬液を貯水タンクに供給する請求項1から5のいずれかに記載の薬液供給装置。
  8. 粘性を有する薬液を収容する薬液容器と、
    前記薬液容器に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、
    前記薬液排出機構から排出された薬液を受ける支持部材と、
    前記薬液容器、薬液排出機構、及び前記支持部材を便器のリムに吊り掛けるための吊掛部材と、を備え、
    前記薬液排出機構は、
    前記薬液容器から排出された薬液を導く流路、及び当該流路を経た薬液を外部へ排出する流出孔が形成された排出部材と、
    前記流出孔から排出される薬液が供給され、前記支持部材に向かって延びる突出部と、備えており、
    前記排出部材、突出部及び支持部材の少なくとも一部が、防曇剤を含有する樹脂材料で形成されている、薬液供給装置。
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