JP5213775B2 - 電気光学装置および電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶装置や有機エレクトロルミネッセンス(以下有機ELという)装置などといった電気光学装置、および当該電気光学装置を備えた電子機器に関するものである。
電気光学装置として代表的なものとしては液晶装置や有機EL装置などが挙げられ、かかる電気光学装置において画像をカラーで表示する場合には、互いに異なる色光を出射する複数のサブ画素を備えた画素が複数配列された電気光学パネルが用いられる。複数のサブ画素としては、一般的に、赤色光を出射する第1サブ画素と、緑色光を出射する第2サブ画素と、青色光を出射する第3サブ画素とが設けられる。
かかる電気光学装置は、携帯電話機やモバイルコンピューターなどの電子機器に用いられる際、プライバシーの保護や情報漏洩の防止という観点から、電気光学パネルの正面に位置する利用者からは画像を視認しやすくする一方、電気光学パネルに対して斜め方向にいる者からは情報が視認しにくくすることが望まれている。
そこで、視角制御用のパネルを表示パネルに重ね、ON/OFFで視野角を制御する構成、バックライトの視野角特性を変化させた構成、γ特性を変えることにより低視角での見栄えを低下させた構成、表示パネルの前面にシートを貼って視野角を狭くした構成などが提案されている(特許文献1、2、3、4参照)。
特開平5−108023号公報 特開平10−97199号公報 特開2006−184609号公報 特開2001−147673号公報
上記の特許文献1〜4のいずれにおいても、表示光が斜め方向に出射されることを制限するという原理に基づくものである。
ここに本願発明者は、電気光学装置においてカラー表示を行なうことを最大限利用して、斜め方向からみた画像から情報を隠すという新たな原理に基づく視野角制御の方式を提案するものである。すなわち、本発明の課題は、互いに異なる色光を出射する複数のサブ画素のうち、一部のサブ画素からの光の出射を制限することにより、視野角制御を行なう新たなタイプの電気光学装置、および当該電気光学装置を備えた電子機器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る電気光学装置は、互いに異なる色光を出射する複数のサブ画素を備えた画素が複数配列された電気光学パネルと、前記複数のサブ画素のうちの一部のサブ画素から前記電気光学パネルの法線方向に対して少なくとも一方側に傾いた斜め方向に向けての光の出射を阻止する遮光バリアと、を有し、前記遮光バリアは、前記複数のサブ画素から前記法線方向に向けての光の出射、および前記複数のサブ画素のうち、前記一部のサブ画素を除く他のサブ画素から前記斜め方向に向けての光の出射を許容することを特徴とする。
本発明では、電気光学パネルで画像を表示した際、電気光学パネルの正面(法線方向)に位置する者に対しては、複数のサブ画素の全てから出射された光が届く。これに対して、電気光学パネルに対して斜め方向に位置する者には、複数のサブ画素のうちの他のサブ画素から出射された光は届くが、一部のサブ画素から出射された光は遮光バリアに遮られるので届かない。従って、電気光学パネルを斜め方向からみたときは、情報を十分視認できないことになる。それ故、プライバシーの保護や情報漏洩の防止を実現することができる。
本発明において、前記画素は、例えば、前記複数のサブ画素として、第1色光を出射する第1サブ画素と、第2色光を出射する第2サブ画素と、第3色光を出射する第3サブ画素と、を備え、前記一部のサブ画素は、前記第1サブ画素、前記第2サブ画素、および前記第3サブ画素のうちの1つのサブ画素であり、前記他のサブ画素は、残り2つのサブ画素である。
本発明において、前記電気光学パネルでは、前記複数の画素のうち、前記複数のサブ画素の全てから光が出射される画素と、前記他のサブ画素のみから光が出射される画素とによって画像が表示されるモードが実行されることが好ましい。このように構成すると、電気光学パネルに対して斜め方向に位置する者には、複数のサブ画素から光が出射されている画素からの光であっても、他のサブ画素から出射された光は届くが、一部のサブ画素から出射された光は遮光バリアに遮られるので届かない。このため、電気光学パネルに対して斜め方向に位置する者は、複数のサブ画素の全てから光が出射される画素と、他のサブ画素のみから光が出射される画素とを区別することができない。このため、例えば、複数のサブ画素の全てから光が出射される画素によって背景を形成し、他のサブ画素のみから光が出射される画素によって文字情報を表示した場合でも、電気光学パネルに対して斜め方向から画像をみると、背景と文字情報とが同一の色になるため、情報を判別できない。
本発明において、前記遮光バリアは、前記一部のサブ画素から前記法線方向に対して双方に傾いた2方向に向けての光の出射を阻止し、前記複数のサブ画素から前記法線方向に向けての光の出射、および前記他のサブ画素から前記2方向に向けての光の出射を許容することが好ましい。このように構成すると、斜め2方向に位置する者が情報を視認することを防止することができる。
かかる構成を採用する場合、前記電気光学パネルでは、前記一部のサブ画素が一方方向に配列された画素列と、前記他のサブ画素が前記一方方向に配列された画素列とが他方向に向かって交互に配列されていることが好ましい。かかる構成によれば、一部のサブ画素に対して遮光バリアを設けた場合でも、正面からみたとき、一部のサブ画素についても、他のサブ画素と同等の面積を確保することができる。
本発明において、前記遮光バリアとしては、一部の領域が常時、遮光状態にある固定バリアを用いることができる。
本発明において、前記遮光バリアとしては、一部の領域が遮光状態と透光状態とに切り換えられる可変バリアを用いてもよい。
本発明を適用した電気光学装置は、例えば、液晶装置として構成される。かかる構成の場合、前記電気光学パネルは、前記第1サブ画素、前記第2サブ画素、および前記第3サブ画素の各々に画素電極および画素トランジスターが設けられた素子基板と、該素子基板に対向する対向基板と、前記素子基板と前記対向基板との間に保持された液晶層を備え、前記第1サブ画素、前記第2サブ画素、および前記第3サブ画素から出射される光の色は、前記画素電極に対して平面視で重なるカラーフィルターにより規定される。
本発明を適用した電気光学装置は、例えば、有機エレクトロルミネッセンス装置のように、発光素子を備えた電気光学装置として構成される場合もある。かかる構成の場合、前記電気光学パネルは、前記第1サブ画素、前記第2サブ画素、および前記第3サブ画素の各々に発光素子が設けられた素子基板を有し、前記第1サブ画素、前記第2サブ画素、および前記第3サブ画素から出射される光の色は、前記発光素子に対して平面視で重なるカラーフィルター、あるいは前記発光素子から出射される光の色により規定されることになる。すなわち、発光素子を利用したタイプの電気光学装置の場合、前記第1サブ画素、前記第2サブ画素、および前記第3サブ画素のいずれに配置された発光素子も白色や単色の光を出射する構成、あるいは前記第1サブ画素、前記第2サブ画素、および前記第3サブ画素に配置された発光素子が異なる色の光を出射する構成が採用される。前者の構成の場合、サブ画素が対応する色は、発光素子と平面視で重なる領域に設けられたカラーフィルターによって規定される。これに対して、後者の場合、サブ画素が対応する色は、発光素子が出射する光の色自身によって規定される。
本発明を適用した電気光学装置は、携帯電話機やモバイルコンピューターなどの電子機器において表示部などとして用いられる。
本発明の電気光学装置での視野角制御に用いた光の加算混色の説明図である。 本発明の実施の形態1に係る電気光学装置(液晶装置)に用いた素子基板の電気的な構成を示す等価回路図である。 (a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。 本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の画素の構成を模式的に示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る電気光学装置での画像表示例を示す説明図である。 本発明の実施の形態2に係る電気光学装置の画素構成を模式的に示す平面図である。 本発明の実施の形態3に係る電気光学装置の画素の断面構成を模式的に示す説明図である。 本発明の実施の形態4に係る電気光学装置の画素の断面構成を模式的に示す説明図である。 本発明の実施の形態5に係る電気光学装置(有機EL装置)に用いた素子基板の電気的な構成を示す等価回路図である。 (a)、(b)は各々、本発明の実施の形態5に係る電気光学装置をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのJ−J′断面図である。 (a)、(b)は各々、本発明の実施の形態5に係る電気光学装置の画素の断面構成を模式的に示す説明図である。 本発明に係る電気光学装置を用いた電子機器の説明図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、以下に参照する図面(図4、図5等)において、各領域は以下の態様
第1画素=右上がりの1本の斜線を付した領域
第2画素=右上がりの2本の斜線を付した領域
第3画素=右上がりの3本の斜線を付した領域
遮光バリア=右下がりの斜線を付した領域
で示してある。以下、実施の形態を説明する前に前提事項を説明し、その後に実施の形態を詳細に説明する。
[共通事項]
図1は、本発明の電気光学装置での視野角制御に用いた光の加算混色の説明図である。図1に示すように、光の三原色である赤色光R、緑色光Gおよび青色光Bは、2色の光を混色すると、黄色Yの光、シアン色Cの光、マゼンダ色光Mとなる。また、赤色光R、緑色光Gおよび青色光Bを混色すると、白色Wの光となる。ここで、黄色Yの光と青色光Bとを混色すると白色Wの光となることから、黄色Yの光と青色光Bとは補色の関係にある。シアン色Cの光と赤色光Rとを混色すると白色Wの光となることから、シアン色Cの光と赤色光Rとは補色の関係にある。マゼンダ色光Mと緑色光Gとを混色すると白色Wの光となることから、マゼンダ色光Mと緑色光Gとは補色の関係にある。
本形態では、かかる特性を利用して、以下に説明する電気光学装置において、斜め方向からみた画像から情報を隠す。以下の説明においては
第1サブ画素から出射される第1色光=赤色光R
第2サブ画素から出射される第2色光=緑色光G
第3サブ画素から出射される第3色光=青色光B
として説明する。
[実施の形態1]
(全体構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置(液晶装置)に用いた素子基板の電気的な構成を示す等価回路図である。図3(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。
図2に示す電気光学装置100は液晶装置であり、アクティブマトリクス型の電気光学パネル100p(液晶パネル)を備えている。かかる電気光学パネル100pにおいて、矩形の平面形状を有する画素領域10bには複数の画素1がマトリクス状に形成されている。複数の画素1の各々は、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bを備えており、かかる第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bは各々、赤色光R、緑色光Gおよび青色光Bを出射する。
第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bは各々、画素電極9a、および画素電極9aを制御するための画素スイッチング用の画素トランジスター30aを備えている。データ線駆動回路101から延びたデータ線6aは、画素トランジスター30aのソースに電気的に接続されており、データ線駆動回路101は、データ線6aに画像信号を線順次で供給する。走査線駆動回路104から延びた走査線3aは、画素トランジスター30aのゲートに電気的に接続されており、走査線駆動回路104は、走査線3aに走査信号を線順次で供給する。画素電極9aは、画素トランジスター30aのドレインに電気的に接続されており、電気光学装置100では、画素トランジスター30aを一定期間だけそのオン状態とすることにより、データ線6aから供給される画像信号を各サブ画素の液晶容量50aに所定のタイミングで書き込む。液晶容量50aに書き込まれた所定レベルの画像信号は、素子基板10に形成された画素電極9aと、後述する対向基板の共通電極との間で一定期間保持される。画素電極9aと共通電極との間には保持容量60が形成されており、画素電極9aの電圧は、例えば、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ保持される。これにより、電荷の保持特性は改善され、コントラスト比の高い表示を行うことのできる電気光学装置100が実現される。本形態では、保持容量60を構成するにあたって、走査線3aと並行するように容量線3bが形成されているが、前段の走査線3aとの間に保持容量60が形成される場合もある。また、フリンジフィールドスイッチング(FFS(Fringe Field Switching))モードの液晶装置の場合、共通電極は、画素電極9aと同様、素子基板10上に形成される。
図3(a)、(b)に示すように、本形態の電気光学装置100では、素子基板10上にシール材107が矩形枠状に設けられており、シール材107によって対向基板20と素子基板10とが貼り合わされている。対向基板20とシール材107とは略同一の輪郭を備えており、シール材107で囲まれた領域内に液晶層50が保持されている。液晶層50は、例えば一種または数種のネマティック液晶を混合したものなどからなる。シール材107の角部分には素子基板10と対向基板20との間で電気的な接続を行なうための導通材109が配置されている。
素子基板10において、シール材107の外側領域(画素領域10bの外側領域)には、データ線駆動回路101、および端子102が素子基板10の一辺に沿って設けられており、端子102には、外部回路との電気的な接続を行なうフレキシブル配線基板(図示せず)が接続される。素子基板10において、シール材107の外側領域(画素領域10bの外側領域)には、端子102が配列された辺に隣接する2辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。さらに、素子基板10では、対向基板20に形成された遮光膜からなる額縁28と重なる領域などを利用して、プリチャージ回路や検査回路などの周辺回路が設けられることもある。
このように構成した電気光学装置100において、画像表示領域10aは、図2を参照して説明した画素領域10bと重なる領域であるが、画素領域10bの外周に沿って、表示に直接寄与しないダミーの画素が形成される場合があり、この場合、画素領域10bのうち、ダミーの画素を除いた領域によって画像表示領域10aが構成される。
かかる電気光学装置100において、電気光学パネル100pが透過型液晶パネルである場合、素子基板10に対して対向基板20と反対側に配置されたバックライト装置(図示せず)から出射された光を電気光学パネル100pにより光変調して、矢印Lで示すように、対向基板20の側から出射する。これに対して、電気光学パネル100pが反射型液晶パネルである場合、例えば、対向基板20から入射した光を素子基板10の側で反射して、矢印Lで示すように、対向基板20の側から出射する。
(画素の詳細な構成)
図4は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の画素1の構成を模式的に示す説明図である。なお、図4(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の画素1の断面構成を模式的に示す説明図、およびカラーフィルターの配列を模式的に示す説明図である。なお、図4(b)において、円Pで囲った領域内には、後述する遮光バリア29を省略した様子を示してあり、画素一つ分は太線で囲った領域に相当する。
図4(a)に示すように、電気光学装置100の素子基板10では、ガラス、石英、単結晶シリコン基板などの基板本体10d上に複数の層の絶縁層13が形成層されており、かかる絶縁層13の層間を利用して、図2を参照して説明した画素トランジスター30aなどが構成されている。また、絶縁層13の上には、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bの各々に画素電極9aが形成されており、画素電極9aの上層側には配向膜14が形成されている。ここで、電気光学装置100が透過型液晶装置の場合、基板本体10dにはガラスや石英などの透光性基板が用いられ、画素電極9aはITO膜などの透光性導電膜からなる。これに対して、電気光学装置100が反射型液晶装置の場合、基板本体10dには、ガラスや石英などの透光性基板の他、単結晶シリコン基板やセラミック基板などを用いることができ、画素電極9aは反射性導電膜からなる。
対向基板20は、素子基板10に対して表示光の出射側(矢印Lで示す側)に配置されており、ガラスや石英などの透光性の基板本体20dを備えている。基板本体20dにおいて素子基板10と対向する面側には、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bが出射する光の色を規定する第1カラーフィルター22(R)、第2カラーフィルター22(G)および第3カラーフィルター22(B)が形成されている。対向基板20では、第1カラーフィルター22(R)、第2カラーフィルター22(G)および第3カラーフィルター22(B)の上には直接、あるいは保護膜などを介して、ITO膜などからなる透光性の共通電極21が形成されており、共通電極21の上層には配向膜24が形成されている。
図4(a)、(b)に示すように、本形態では、第1カラーフィルター22(R)、第2カラーフィルター22(G)および第3カラーフィルター22(B)が複数のサブ画素に跨って上下方向(データ線6aの延在方向)に延在する縦ストライプ構造が採用されている。このため、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bは、この順の繰り返しパターンをもって左右方向(走査線3aの延在方向)に配列されている。
また、対向基板20において、第1カラーフィルター22(R)、第2カラーフィルター22(G)および第3カラーフィルター22(B)に対して基板本体20dの側(表示光の出射側)には遮光バリア29が形成されており、遮光バリア29は、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bから表示光の出射側で離間する位置に形成されている。
ここで、遮光バリア29は、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bのうちの特定の2つサブ画素の境界部分に平面視で重なる位置に形成されている。このため、遮光バリア29は、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bから電気光学パネル100pの法線方向に向けての光の出射を許容する。また、遮光バリア29は、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bのうち、一部のサブ画素から電気光学パネル100pの法線方向に対して一方側に傾いた斜め方向に向けての光の出射を阻止する一方、かかる一部のサブ画素を除く他のサブ画素から斜め方向に向けての光の出射を許容する。
より具体的には、本形態の電気光学装置100に設けた遮光バリア29は、左右方向(走査線3aの延在方向)で隣接する2つの画素1において、右側の画素1の第1サブ画素1Rと、左側の画素1の第3サブ画素1Bとの境界部分に平面視で重なる位置に形成されている。このため、遮光バリア29は、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bから電気光学パネル100pの法線方向に向けての光の出射を許容する。また、遮光バリア29は、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bのうち、一部のサブ画素(第3サブ画素1B)から右斜め方向(一方の斜め方向)に向けての光の出射を阻止するが、他のサブ画素(第1サブ画素1Rおよび第2サブ画素1G)から右斜め方向(一方の斜め方向)に向けての光の出射を許容する。
本形態において、遮光バリア29は、基板本体20dにおいて素子基板10に対向する面側20eに遮光性の金属層や樹脂層などにより形成されており、かかる構成の遮光バリア29は、一部の領域が常時、遮光状態にある固定バリアである。
遮光バリア29と、第1カラーフィルター22(R)、第2カラーフィルター22(G)および第3カラーフィルター22(B)との層間には、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、感光性樹脂などの平坦化層25が形成されている。このため、遮光バリア29は、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bに対して平坦化膜25の厚さ寸法分だけ、光の出射方向で離間する位置にある。平坦化層25は、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜の表面に対して研磨することにより平坦化された構成や、感光性樹脂の流動性を利用して平坦化された構成を有している。なお、遮光バリア29の幅寸法や、遮光バリア29と、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bとの離間距離(平坦化層25の厚さ寸法は、画像の視認を制限すべき斜め方向によって最適な値に設定される。
(視野角制御のための画像表示例)
このように構成した電気光学装置100では、表示制御部(図示せず)から出力された画像データに基づいて、図1に示すデータ線駆動回路101からは第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bに対して、点灯、消灯、諧調などを制御する画像信号が供給され、その結果、電気光学パネル100pにおいてカラー画像が表示される。その際、本形態では、遮光バリア29を利用して、電気光学パネル100pの正面に位置する利用者には情報を視認可能にする一方、電気光学パネル100pに対して斜め位置にいる者には情報を視認不能にしてプライバシーの保護や情報漏洩の防止を図る。より具体的には、例えば、メールなどの情報を周囲にいる者に読まれたくない場合、以下のように視野角制御を利用して画像を表示する。
図5を参照して、視野角制御の様子を説明する。図5は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置での画像表示例を示す説明図である。なお、図5(a)、(b)、(c)、(d)は各々、電気光学パネル100pから出射された光が正面にいる者に届く様子を示す説明図、電気光学パネル100pから出射された光が斜め右側にいる者に届く様子を示す説明図、電気光学パネル100pから出射された光が斜め左側にいる者に届く様子を示す説明図、および表示画像の形態を示す説明図である。
図5(a)、(b)、(c)に示す電気光学装置100において、各サブ画素は以下に示す光
第1サブ画素1R(第1色光)=赤色光R
第2サブ画素1G(第2色光)=緑色光G
第3サブ画素1B(第3色光)=青色光B
を出射するように構成されている。かかる色の対応はいずれも、前記したカラーフィルターの色によって規定されている。
このように構成した電気光学装置100においては、複数の画素1のうち、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bの全てから光が出射される画素1と、一部のサブ画素を除く他のサブ画素のみから光が出射される画素1とによって画像が表示されるモードが実行される。より具体的には、複数の画素1のうち、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bの全てから光が出射される画素1と、第3サブ画素1B(一部のサブ画素)を除く他のサブ画素(第1サブ画素1Rおよび第2サブ画素1G)のみから光が出射される画素1とによって、以下に示すように、
正面からみたときの画像
背景=白色W
文字=黄色Y
正面からみたときに白色Wを背景にして文字情報が黄色Yで表示されるモードが実行される。
すなわち、図5(a)に示すように、正面にいる者には、背景に相当する領域から出射された赤色光R、緑色光Gおよび青色光Bが届く。これに対して、正面にいる者には、文字に相当する領域から赤色光Rおよび緑色光Gのみが届き、赤色光Rと緑色光Gとを混色した色は黄色Yである。
これに対して、図5(b)に示すように、右側にいる者には、背景に相当する領域から出射された赤色光R、緑色光Gおよび青色光Bのうち、青色光Bが遮光バリア29で遮られる結果、赤色光Rと緑色光Gが届き、赤色光Rと緑色光Gとを加算した色は黄色Yである。一方、右側にいる者には、文字に相当する領域からも、赤色光Rと緑色光Gが届き、赤色光Rと緑色光Gとを加算した色は黄色Yである。従って、図5(d)に示すように、右側にいる者は、黄色Yを背景にして文字情報が黄色Yで表示された画像をみることになるので、情報を判読できない。
また、図5(c)に示すように、左側にいる者には、背景に相当する領域から出射された赤色光R、緑色光Gおよび青色光Bのうち、赤色光Rが遮光バリア29で遮られる結果、緑色光Gと青色光Bが届き、緑色光Gと青色光Bとを加算した色はシアン色Cである。一方、左側にいる者には、文字に相当する領域から出射された赤色光Rと緑色光Gのうち、赤色光Rが遮光バリア29で遮られる結果、緑色光Gのみが届く。従って、図5(d)に示すように、左側にいる者は、シアン色Cを背景にして文字情報が緑色Gで表示された画像をみることになるので、正面からみた場合に比較してかなり情報を判読しにくい。
[実施の形態1の変形例]
上記の実施の形態1において、遮光バリア29は、右側の画素1の第1サブ画素1Rと、左側の画素1の第3サブ画素1Bとの境界部分に平面視で重なる位置に形成されており、第3サブ画素1Bから右斜め方向に向けての光の出射を阻止する。但し、遮光バリア29について第1サブ画素1Rと第2サブ画素1Gとの境界部分に平面視で重なる位置に形成してもよく、この場合、第1サブ画素1Rから右斜め方向に向けての光の出射を阻止することになる。このような場合には、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bの全てから光が出射される画素1と、一部のサブ画素(第1サブ画素1R)を除く他のサブ画素(第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1B)のみから光が出射される画素1とによって、以下の条件
正面からみたときの画像
背景=白色W
文字=シアン色C
で画像を表示する。その結果、右側にいる者は、シアン色Cを背景にして文字情報がシアン色Cで表示された画像をみることになるので、情報を判読できないなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
また、遮光バリア29については第2サブ画素1Gと第3サブ画素1Bとの境界部分に平面視で重なる位置に形成してもよく、この場合、第2サブ画素1Gから右斜め方向に向けての光の出射を阻止することになる。このような場合には、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bの全てから光が出射される画素1と、一部のサブ画素(第2サブ画素1G)を除く他のサブ画素(第1サブ画素1Rおよび第3サブ画素1B)のみから光が出射される画素1とによって、以下の条件
正面からみたときの画像
背景=白色W
文字=マゼンダ色M
で画像を表示する。その結果、右側にいる者は、マゼンダ色Mを背景にして文字情報がマゼンダ色Mで表示された画像をみることになるので、情報を判読できないなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
なお、上記実施の形態では、特定のサブ画素から右斜め方向に向けての光の出射を遮光バリア29によって阻止する構成であったが、特定のサブ画素から光斜め方向に向けての光の出射を遮光バリア29によって阻止する構成を採用してもよい。かかる構成を採用した場合も、基本的には上記実施の形態と同様な効果を奏することになる。
[実施の形態2]
図6は、本発明の実施の形態2に係る電気光学装置の画素構成を模式的に示す平面図である。なお、図6において、円Pで囲った領域内には、遮光バリア29を省略した様子を示してあり、画素一つ分は太線で囲った領域に相当する。
上記実施の形態1では、図4(b)に示すように、第1カラーフィルター22(R)、第2カラーフィルター22(G)および第3カラーフィルター22(B)が複数のサブ画素に跨って上下方向(データ線6aの延在方向)に延在する縦ストライプ構造が採用されていた。これに対して、本形態では、図6に示すように、電気光学パネル100pの画像表示領域を平面視したとき、一部のサブ画素(第3サブ画素1B)が一方方向(走査線3aの延在方向)に配列された画素列と、他のサブ画素(第1サブ画素1Rおよび第2サブ画素1G)が一方方向(走査線3aの延在方向)に配列された画素列とが他方向(データ線6aの延在方向)に向かって交互に配列されている。
また、第3サブ画素1Bにおいて一方方向(走査線3aの延在方向)の両側に位置する端部に対して遮光バリア29が重なっている。このため、遮光バリア29は、一部のサブ画素(第3サブ画素1B)から右斜め方向および左斜め方向に向けての光の出射を阻止する。但し、遮光バリア29は、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bから電気光学パネル100pの法線方向に向けての光の出射、および他のサブ画素(第1サブ画素1Rおよび第2サブ画素1G)から右斜め方向および左斜め方向に向けての光の出射を許容する。
このように構成した電気光学装置100において、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bの全てから光が出射される画素1と、一部のサブ画素を除く他のサブ画素(第1サブ画素1Rおよび第2サブ画素1G)のみから光が出射される画素1とによって、以下の条件
正面からみたときの画像
背景=白色W
文字=黄色Y
で画像を表示すると、正面にいる者には、背景に相当する領域から出射された赤色光R、緑色光Gおよび青色光Bが届く。これに対して、正面にいる者には、文字に相当する領域から赤色光Rおよび緑色光Gのみが届き、赤色光Rと緑色光Gとを混色した色は黄色Yである。
これに対して、右側にいる者および左側にいる者には、背景に相当する領域から出射された赤色光R、緑色光Gおよび青色光Bのうち、青色光Bが遮光バリア29で遮られる結果、赤色光Rと緑色光Gが届き、赤色光Rと緑色光Gとを加算した色は黄色Yである。一方、右側にいる者および左側にいる者には、文字に相当する領域から、赤色光Rと緑色光Gが届き、赤色光Rと緑色光Gとを加算した色は黄色Yである。従って、右側にいる者および左側にいる者には、黄色Yを背景にして文字情報が黄色Yで表示された画像をみることになるので、情報を判読できない。
また、本形態では、第3サブ画素1Bの画素列では、走査線3aの延在方向に向かってスペース的な余裕がある。従って、第3サブ画素1Bの画素列では、走査線3aの延在方向に向かってスペース的な余裕があるため、遮光バリア29を設けても、正面からみたときの第1サブ画素1Rの面積、第2サブ画素1Gの面積、および第3サブ画素1Bの面積を同等とすることができる。それ故、本形態によれば、正面からみた画像については、遮光バリア29を設けない場合と同様な色調の画像を表示することができる。
[実施の形態3]
図7は、本発明の実施の形態3に係る電気光学装置の画素の断面構成を模式的に示す説明図である。上記実施の形態1では、図4(a)に示すように、対向基板20の基板本体20dにおいて素子基板10と対向する面20e側に遮光バリア29(固定バリア)が設けられていた。これに対して、本形態では、図7に示すように、対向基板20の基板本体20dにおいて素子基板10と対向する面20eとは反対側の面20fに遮光バリア29(固定バリア)が設けられている。かかる遮光バリア29は、基板本体20d上に形成された遮光性の金属や、遮光バリア29を備えたバリアシートによって構成することができる。
[実施の形態4]
図8は、本発明の実施の形態4に係る電気光学装置の画素の断面構成を模式的に示す説明図である。上記実施の形態1、3では、図4(a)および図7に示すように、対向基板20の基板本体20dに遮光バリア29(固定バリア)が設けられていた。これに対して、本形態では、図8(a)、(b)に示すように、遮光バリア29が遮光状態と透光状態とに切り換わる可変バリア40が用いられている。かかる可変バリア40は透過型の液晶パネルによって構成することができ、外部操作に基づいて、遮光バリア29が遮光状態と透光状態とに切り換えられる。それ故、メールなどの情報を周囲にいる者に読まれたくないとき以外は、通常の電気光学装置100として用いることができる。
[実施の形態5]
上記実施の形態1〜4は、電気光学装置100が液晶装置であったが、以下に説明する有機EL装置(電気光学装置)に本発明を適用してもよい。以下、本発明を有機EL装置に適用した例を説明する。なお、以下の説明では、実施の形態1〜4との対応が分りやすいように、可能な限り、対応する部分には同一の符号を付して説明する。
図9は、本発明の実施の形態5に係る電気光学装置(有機EL装置)の電気的構成を示すブロック図である。図10(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態5に係る電気光学装置をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのJ−J′断面図である。図11は、本発明の実施の形態5に係る電気光学装置の画素構成を模式的に示す断面図であり、図11(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態5に係る電気光学装置100のうち、カラーフィルターを用いたタイプの電気光学装置100の説明図、およびカラーフィルターを用いないタイプの電気光学装置100の説明図である。
図9に示す電気光学装置100は、有機EL装置であり、電気光学パネル100pを備えている。電気光学パネル100pにおいて、素子基板10上には、複数の走査線3aと、走査線3aに対して交差する方向に延びる複数のデータ線6aと、走査線3aに対して並列して延在する複数の電源線3eとを有している。データ線6aにはデータ線駆動回路101が接続され、走査線3aには走査線駆動回路104が接続されている。
素子基板10において、矩形形状の画素領域10b(画像表示領域10a)には複数の画素1がマトリクス状に配列されている。複数の画素1は各々、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bを備えており、かかる第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bは各々、赤色光R、緑色光Gおよび青色光Bを出射する。第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bは各々、走査線3aを介して走査信号がゲート電極に供給される画素トランジスター30bと、このスイッチング用の画素トランジスター30bを介してデータ線6aから供給される画素信号を保持する保持容量70と、保持容量70によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用の画素トランジスター30cとを有している。また、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bは各々、画素トランジスター30cを介して電源線3eに電気的に接続したときに電源線3eから駆動電流が流れ込む画素電極9a(陽極層)、この画素電極9aに重なる有機機能層、および陰極層を備えた有機EL素子80を有している。
かかる構成によれば、走査線3aが駆動されてスイッチング用の画素トランジスター30bがオンになると、そのときのデータ線6aの電位が保持容量70に保持され、保持容量70が保持する電荷に応じて、駆動用の画素トランジスター30cのオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用の画素トランジスター30cのチャネルを介して、電源線3eから画素電極9aに電流が流れ、さらに有機機能層を介して対極層に電流が流れる。その結果、有機EL素子80は、これを流れる電流量に応じて発光する。
なお、図9に示す構成では、電源線3eは走査線3aと並列していたが、電源線3eがデータ線6aに並列している構成を採用してもよい。また、図9に示す構成では、電源線3eを利用して保持容量70を構成していたが、電源線3eとは別に容量線を形成し、かかる容量線によって保持容量70を構成してもよい。
図10(a)、(b)において、本形態の電気光学装置100では、素子基板10と封止基板90とがシール材107によって貼り合わされており、素子基板10と封止基板90との間には封止樹脂108などが充填されている。素子基板10において、シール材107の外側の領域には、データ線駆動回路101および端子102が素子基板10の一辺に沿って設けられており、端子102が配列された辺に隣接する2辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。素子基板10には、画素電極(陽極)、有機機能層および陰極がこの順に積層された有機EL素子80がマトリクス状に形成されている。なお、封止基板90を用いずに、素子基板10を封止樹脂で覆った構造を採用することもある。
図11(a)に示すように、電気光学装置100の素子基板10では、ガラス、石英、単結晶シリコン基板などの基板本体10d上に複数の層の絶縁層16、17が形成されており、かかる絶縁層16、17の層間を利用して、図9を参照して説明した画素トランジスター30b、30cなどが構成されている。また、絶縁層17の上には、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bの各々に、ITO膜などからなる画素電極81が形成されており、かかる画素電極81の周りは隔壁18によって囲まれている。また、画素電極81の上層には、有機機能層82および陰極層83が順に積層されており、画素電極81、有機機能層82および陰極層83によって有機EL素子80が構成されている。
本形態の電気光学装置100は、トップエミッション型の有機EL装置であり、矢印Lで示すように、基板本体10dからみて有機EL素子80が形成されている側から光を取り出す。このため、陰極層83は、薄いアルミニウム膜や、マグネシウムやリチウムなどの薄い膜をつけて仕事関数を調整したITO膜などといった透光性電極として形成され、絶縁層16、17の層間において画素電極81に平面視で重なる領域には反射層15が形成されている。なお、電気光学装置100は、有機EL素子80から出射された光を基板本体10dの側から出射するボトムエミッション型の有機EL装置として構成される場合もある。
かかる電気光学装置100において、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bに設けられた有機EL素子80が白色や単色の光を出射する場合、封止基板90において、有機EL素子80と重なる領域には、第1カラーフィルター22(R)、第2カラーフィルター22(G)および第3カラーフィルター22(B)が設けられる。かかる構成の場合、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bから出射される光の色はカラーフィルターによって規定される。
これに対して、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bに設けられた有機EL素子80が各々、異なる色の光を出射する場合、図11(b)に示すように、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bから出射される光の色は有機EL素子80が出射する光の色自身によって規定される。このため、封止基板90には、図11(a)に示すような第1カラーフィルター22(R)、第2カラーフィルター22(G)および第3カラーフィルター22(B)は設けられない。
このように構成した電気光学装置100でも、実施の形態1〜4と同様、遮光バリア29が設けられている。なお、図11(a)に示す構成では、遮光バリア29と、第1カラーフィルター22(R)および第2カラーフィルター22(G)との層間には、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、感光性樹脂などの平坦化層25が形成されている。ここで、遮光バリア29は、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bのうち、一部のサブ画素(例えば、第3サブ画素1B)から法線方向に対して一方側(例えば、右側)に傾いた斜め方向に向けての光の出射を阻止する。但し、遮光バリア29は、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bから電気光学パネル100pの法線方向(正面方向)に向けての光の出射を許容する。また、遮光バリア29は、第3サブ画素1Bを除く他のサブ画素(例えば、第1サブ画素1Rおよび第2サブ画素1G)から法線方向に対して一方側(例えば、右側)に傾いた斜め方向に向けての光の出射を許容する。
従って、実施の形態1と同様、電気光学パネル100pにおいて、複数の画素1のうち、第1サブ画素1R、第2サブ画素1Gおよび第3サブ画素1Bの全てから光が出射される画素1と、一部のサブ画素(第3サブ画素1B)を除く他のサブ画素(第1サブ画素1Rおよび第2サブ画素1G)のみから光が出射される画素1とによって、以下に示す条件
正面からみたときの画像
背景=白色W
文字=黄色Y
で画像を表示すると、右側にいる者は、黄色Yを背景にして文字情報が黄色Yで表示された画像をみることになるので、情報を判読できない。
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、遮光バリア29については各サブ画素に対して表示光の出射側に配置されていた。但し、電気光学装置100が透過型液晶装置である場合、遮光バリア29については各サブ画素に対してバックライト光の入射側(表示光の出射側とは反対側)に配置してもよい。かかる構成でも、特定のサブ画素から正面に向けて光が出射されるのを制限することができる。
[電子機器への搭載例]
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置100を適用した電子機器について説明する。図12(a)に、電気光学装置100を備えたモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を示す。パーソナルコンピューター2000は、表示ユニットとしての電気光学装置100と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設けられている。図12(b)に、電気光学装置100を備えた携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001及びスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての電気光学装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置100に表示される画面がスクロールされる。図12(c)に、電気光学装置100を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001及び電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての電気光学装置100を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が電気光学装置100に表示される。
なお、電気光学装置100が適用される電子機器としては、図12に示すものの他、デジタルスチールカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型、モニター直視型のビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した電気光学装置100が適用可能である。
1・・画素、1R・・第1サブ画素、1G・・第2サブ画素、1B・・第3サブ画素、10・・素子基板、10a・・画像表示領域、20・・対向基板、22(R)・・第1カラーフィルター、22(G)・・第2カラーフィルター、22(B)・・第3カラーフィルター、29・・遮光バリア、90・・封止基板、100・・電気光学装置、100p・・電気光学パネル

Claims (9)

  1. 互いに異なる色光を出射する複数のサブ画素を備えた画素が複数配列された電気光学パネルと、
    前記複数のサブ画素のうちの一部のサブ画素から前記電気光学パネルの法線方向に対して少なくとも一方側に傾いた斜め方向に向けての光の出射を阻止する遮光バリアと、
    を有し、
    前記遮光バリアは、前記複数のサブ画素から前記法線方向に向けての光の出射、および前記複数のサブ画素のうち、前記一部のサブ画素を除く他のサブ画素から前記斜め方向に向けての光の出射を許容する電気光学装置。
  2. 前記画素は、前記複数のサブ画素として、第1色光を出射する第1サブ画素と、第2色光を出射する第2サブ画素と、第3色光を出射する第3サブ画素と、を備え、
    前記一部のサブ画素は、前記第1サブ画素、前記第2サブ画素、および前記第3サブ画素のうちの1つのサブ画素であり、前記他のサブ画素は、残り2つのサブ画素である請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記電気光学パネルは、前記第1サブ画素、前記第2サブ画素、および前記第3サブ画素の各々に画素電極および画素トランジスターが設けられた素子基板と、該素子基板に対向する対向基板と、前記素子基板と前記対向基板との間に保持された液晶層を備え、
    前記第1サブ画素、前記第2サブ画素、および前記第3サブ画素から出射される光の色は、前記画素電極に対して平面視で重なるカラーフィルターにより規定されている請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 前記電気光学パネルは、前記第1サブ画素、前記第2サブ画素、および前記第3サブ画素の各々に発光素子が設けられた素子基板を有し、
    前記第1サブ画素、前記第2サブ画素、および前記第3サブ画素から出射される光の色は、前記発光素子に対して平面視で重なるカラーフィルター、あるいは前記発光素子から出射される光の色により規定されている請求項2に記載の電気光学装置。
  5. 前記電気光学パネルでは、前記複数の画素のうち、前記複数のサブ画素の全てから光が出射される画素と、前記他のサブ画素のみから光が出射される画素とによって画像が表示されるモードが実行される請求項1乃至4の何れか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記遮光バリアは、前記一部のサブ画素から前記法線方向に対して双方に傾いた2方向に向けての光の出射を阻止し、前記複数のサブ画素から前記法線方向に向けての光の出射、および前記他のサブ画素から前記2方向に向けての光の出射を許容する請求項1乃至5の何れか一項に記載の電気光学装置。
  7. 前記電気光学パネルでは、前記一部のサブ画素が一方方向に配列された画素列と、前記他のサブ画素が前記一方方向に配列された画素列とが他方向に向かって交互に配列されている請求項6に記載の電気光学装置。
  8. 前記遮光バリアは、一部の領域が遮光状態と透光状態とに切り換えられる可変バリアである請求項1乃至7の何れか一項に記載の電気光学装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか一項に記載の電気光学装置を備えている電子機器。
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