次に、本発明の実施の形態における端末システムについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態における端末システムとしては、具体的に、電子棚札システムを用いて説明する。
図1は、本実施の形態における端末システムとしての電子棚札システムの構成を示したブロック図である。図1において、本実施の形態における電子棚札システムは、スーパーマーケットや小売店等の店舗で用いられるシステムであり、商品が陳列される近傍に設置された複数の電子棚札1(前述の端末装置に相当)と、棚札サーバ2(前述のサーバに相当)、及び、携帯端末3(前述の携帯端末装置に相当)で構成される。この携帯端末3は、一般的には、ハンディターミナルと称する。
上記の電子棚札1と棚札サーバ2とは、一種の無線通信である後述するビーコン通信(前述の基幹無線通信に相当)を介して接続されている。又、携帯端末3と棚札サーバ2とは、無線LAN(前述の補助無線通信に相当)を介して接続されている。
上記の電子棚札システムは、商品が陳列される近傍に設置された複数の電子棚札1に対して、この電子棚札1の近傍に陳列されている商品の情報が、棚札サーバ2から送信され、この電子棚札1で表示される仕組のシステムである。携帯端末3は、この電子棚札システムの運用に対する各種情報の登録や確認に用いられる。
図2は、棚札サーバ2の構成を示したブロック図である。図2において、棚札サーバ2は、CPU21、メモリ22、HDD23、ビーコンアンテナ24aを備え、ビーコン通信を行う無線通信部24、表示部25、操作部26、及び、無線LANアンテナ27aを備えた無線LAN通信部27で構成されている。これらの各部は、CPU21に接続されたデータバスやアドレスバス等で構成される制御ライン28を介して、相互に接続されている。
CPU21は、マイクロプロセッサで構成されており、メモリ22は、RAMやフラッシュメモリ等で構成されている。HDD23には、棚札サーバ2を制御するのに必要なOSや各種の処理プログラム等のソフトウエアが格納されている。CPU21は、このHDD23に搭載されたソフトウエアにより、棚札サーバ2における各種の処理を行う。
又、上記の電子棚札システムは、商品が陳列される近傍に設置された複数の電子棚札1に対して、この電子棚札1の近傍に陳列されている商品の情報が、棚札サーバ2から送信され、この電子棚札1で表示される仕組のシステムである。そのため、棚札サーバ2のHDD23には、電子棚札1で商品の情報を表示するのに必要な商品登録情報が備えられている。
無線通信部24は、後述するビーコン通信により、電子棚札1と交信を行う。表示部25は、棚札サーバ2における各種の情報を表示する。操作部26は、キーボードやマウス等を備えており、棚札サーバ2に対する情報の入力や各種の指示を行うのに使用される。無線LAN通信部27は、無線LANを介して、携帯端末3と通信を行う。
図3は、携帯端末3の構成を示したブロック図であり、図4は、携帯端末3の外観図である。図3、図4において、携帯端末3は、CPU31、メモリ32、アンテナ33aを備えた無線LAN通信部33、表示部34、操作部35、及び、バーコードリーダ部36で構成されている。これらの各部は、棚札サーバ2と同様、CPU31に接続されたデータバスやアドレスバス等で構成される制御ライン37を介して、相互に接続されている。
CPU31は、マイクロプロセッサで構成されており、メモリ32は、RAMやフラッシュメモリ等で構成されている。このメモリ32には、携帯端末3を制御するのに必要なOSや各種の処理プログラム等のソフトウエアが格納されている。CPU31は、このメモリ32に搭載されたソフトウエアにより、携帯端末3における各種の処理を行う。無線LAN通信部33は、無線LANを介して、棚札サーバ2と通信を行う。無線LAN通信部33の無線LANアンテナ33aは、携帯端末3の筐体の最上部に備えられている。
尚、携帯端末3には、携帯端末3を識別するユニークな携帯端末IDが備えられており、棚札サーバ2と携帯端末3とが通信を行う際には、この携帯端末IDが用いられ、棚札サーバ2は、この携帯端末IDを認識することにより、携帯端末3を識別している。
表示部34は、携帯端末3の筐体上部に備えられたLCD表示部34aと、このLCD表示部34aの下に備えられたタッチパネル部34bとで構成されている。LCD表示部34aは、各種情報が表示される部分であり、タッチパネル部34bには、スイッチの名称がLCDの表示により可変可能な、4個のタッチパネルスイッチが備えられている。
操作部35は、携帯端末3の筐体下部の右側に備えられたテンキー35aと左側に備えられたカーソルキー35bとで構成される。テンキー35aは、数字の入力に用いられ、カーソルキー35bは、表示部34のLCD表示部34aに表示されるカーソルの移動等に用いられる。
バーコードリーダ部36は、電子棚札1に備えられている後述する棚札IDのバーコードや、陳列されている商品に備えられている商品IDのバーコードの読取を行う。このバーコードの読取を行うため、携帯端末3の筐体の最上部には、バーコードリーダ部36の一部であり、レーザ光の受発光を行うスキャナ光受発光部36aが備えられている。このスキャナ光受発光部36aから発信されるレーザ光が、棚札IDのバーコードや、商品IDのバーコードに照射され、反射されるレーザ光がスキャナ光受発光部36aで受光されることで、バーコードの読取が行われる。
図5は、電子棚札1の構成を示したブロック図であり、図6は、電子棚札1の外観図である。図5、及び、図6において、電子棚札1は、CPU11、メモリ12、アンテナ13aを備え、ビーコン通信を行う無線通信部13、表示部14、スキャナ光検出部15、タイマ部16、及び、割込処理部17で構成されている。これらの各部は、CPU11に接続されたデータバスやアドレスバス等で構成される制御ライン16を介して、相互に接続されている。又、電子棚札1の電源としては、図示されていないボタン電池が用いられている。
CPU11は、マイクロプロセッサで構成されている。このCPU11を構成するマイクロプロセッサは、上述したように、電子棚札1の電源が電池であるため、この電池により駆動される。そのため、この電池の消費電力を抑制するために、上記のマイクロプロセッサとしては、動作モードとスリープモードの2つのモードを備えたマイクロプロセッサが用いられている。
このマイクロプロセッサ、即ちCPU11は、動作モードでは、活動状態となり、電子棚札の電池の電力が消費される。これに対して、スリープモードでは、休眠状態となり、電子棚札の電池の電力はほとんど消費されない。
メモリ12は、RAM、或いは、フラッシュメモリ等にて構成され、このメモリ12には、OSや各種のソフトウエアが格納されている。CPU11は、このメモリ12に搭載されているソフトウエアにより、各種処理を行う。メモリ12には、電子棚札1を識別するユニークなIDである棚札IDが不揮発な状態で格納されている。又、電子棚札1の筐体の下部には、図6に示すように、上記の棚札IDをバーコード化した棚札IDバーコード17が印刷されている。
無線通信部13は、一種の無線通信である後述するビーコン通信により棚札サーバ2と通信を行う。この無線通信部13のビーコンアンテナ13aは、電子棚札1の筐体の上部に備えられている。
表示部14は、コレステリック液晶で構成されており、商品情報等の情報が表示される。このコレステリック液晶が用いられている表示部14では、電圧印加時に表示部14に表示されている表示は、電圧印加を停止しても、そのまま表示が継続される。従って、電子棚札1の電源である電池の消費電力を抑制することができる。
スキャナ光検出部15は、図6に示すように、印刷されている棚札IDバーコード17の隣に、配置されている。このスキャナ光検出部15は、携帯端末3が電子棚札1の棚札IDバーコード17を読取る際に、携帯端末3のバーコードリーダ部36のスキャナ光受発光部36aから、電子棚札1の棚札IDバーコード17に向けて照射されるレーザ光を検出する機能を有している。
タイマ部16は、後述するビーコン通信の受信を行うために用いられるタイマを備えている。このタイマは、このタイマがタイムアップする毎に、下記の割込処理部17を介することにより、CPU11がビーコン通信の受信を行うのに用いられる。又、このタイマは、タイムアップ時間が可変可能である。
割込処理部17は、上記のタイマ部16におけるタイマがタイムアップしたとき、及び、上記のスキャナ光検出部15が電子棚札1の棚札IDバーコード17に向けて照射されるレーザ光を検出したときに、CPU11に対して割込を発生させる(ハードウエア割込)機能を備えている。
この内、上記のタイマ部16におけるタイマがタイムアップしたときのハードウエア割込を、電子棚札タイマ割込、スキャナ光検出部15がレーザ光を検出したときのハードウエア割込を、スキャナ光受光割込と称する。
このハードウエア割込が発生すると、CPU11は、スリープモードから動作モードに移行すると共に、割込発生要因に応じた各処理を行う。上記のタイマ部16におけるタイマがタイムアップしない間は、基本的には、電子棚札1のCPU11は、スリープモードである。
上記の電子棚札システムでは、上述したように、棚札サーバ2と電子棚札1との間の通信として、無線通信の一種であるビーコン通信が用いられる。このビーコン通信は、棚札サーバ2から電子棚札1に対して、一定間隔で、ビーコンが送信される通信方式である。図7は、このビーコン通信における、棚札サーバ2の送信状態と電子棚札1の受信状態の関係を示したタイムチャートである。
このビーコン通信に用いられるビーコンには、個々の電子棚札1を識別する電子棚札ID情報が含まれており、この電子棚札ID情報としては、送信されるビーコン毎に、異なる電子棚札1を識別する電子棚札ID情報が送信される。
そのため、棚札サーバ2から、この電子棚札ID情報を含むビーコンを受信した電子棚札1は、図7に示すように、受信したビーコンに含まれる電子棚札ID情報が、自己の電子棚札IDである場合のみ、棚札サーバ2と交信を行うことができる。
このビーコン通信では、棚札サーバ2から電子棚札1に対して送信されるビーコンの間隔を、変更することができる。そこで、棚札サーバ2が、大量の商品情報を、それぞれの商品情報を表示する電子棚札1に送信する場合は、ビーコンの間隔を短くすると共に、送信されるビーコン毎に、対象となる電子棚札1の電子棚札ID情報を順次変更することによって、商品情報を棚札サーバ2から電子棚札1に、効率よく送信することができる。
又、棚札サーバ2が電子棚札1と交信することを必要としない場合は、ビーコンの間隔を長くすると共に、棚札サーバ2から電子棚札1に対して、NULLビーコンを送信することにより、棚札サーバ2や電子棚札1の負荷を軽くすることができる。図8は、このNULLビーコン送信時における、棚札サーバ2の送信状態と電子棚札1の受信状態の関係を示したタイムチャートである。
上記のビーコン通信システムでは、商品情報を棚札サーバ2から電子棚札1に、効率よく送信する消費電力を抑制するために、電子棚札1のCPU11が備えるスリープモードを利用した次のような仕組が採用されている。
即ち、電子棚札1には、棚札サーバ2から電子棚札1に送信されるビーコンの送信間隔に同期して、間歇的に動作するタイマが備えられている。このタイマが、上述したタイマ部16が備えるタイマである。
又、棚札サーバ2においても、ビーコンを送信するために、図2には図示されていないが、タイマ、及び、該タイマのタイムアップにより、棚札サーバ2のCPU21に対して割込を発生させるハードウエア割込が用いられている。
上記の電子棚札1におけるタイマ部16のタイマがタイムアップしない間は、基本的には、電子棚札1のCPU11は、スリープモードであり、このタイマがタイムアップすると、ハードウエア割込である電子棚札タイマ割込が発生し、電子棚札1のCPU11は、スリープモードから動作モードに移行する。CPU11が動作モードに移行すると、電子棚札1は、無線通信部13により、棚札サーバ1から送信されたビーコンを受信する。このビーコンを受信した電子棚札1は、受信したビーコンに含まれる電子棚札ID情報が、自己の電子棚札IDであるか否かをチェックする。
電子棚札1は、受信したビーコンに含まれる電子棚札ID情報が、自己の電子棚札IDである場合には、ビーコンの受信に続けて、棚札サーバ2と交信を行った後、電子棚札1のCPU11を、スリープモードとする。これに対して、受信したビーコンに含まれる電子棚札ID情報が、自己の電子棚札IDでない場合には、電子棚札1のCPU11を、即時にスリープモードとする。
ところで、上記の電子棚札システムでは、上述したように、ビーコン通信システムが採用されており、棚札サーバ2が、大量の商品情報を、それぞれの商品情報を表示する電子棚札1に送信する場合は、ビーコンの間隔を短くすることにより、棚札サーバ2から電子棚札1への商品情報の送信を、効率よく行うことができる。この場合は、電子棚札1のタイマ部16のタイマのタイムアップ時間は、短く設定される。
これに対して、棚札サーバ2が電子棚札1と交信することを必要としない場合は、ビーコンの間隔を長くすることにより、棚札サーバ2や電子棚札1の負荷を軽くすることができる。この場合は、電子棚札1のタイマ部16のタイマのタイムアップ時間は、長く設定される。
この場合、電子棚札1では、上述したように、電子棚札1のタイマ部16のタイマがタイムアップするまでは、基本的には、スリープモードであるので、電子棚札1の消費電力を抑制することができる。従って、棚札サーバ2が電子棚札1と交信することを必要としない場合には、ビーコンの間隔を長くすることで、電子棚札1のタイマ部16のタイマのタイムアップ時間を長くすることができ、電子棚札1の消費電力を抑制する効果を高めることができる。
そうすると、棚札サーバ2が電子棚札1と交信することを必要としない場合は、電子棚札1の消費電力を抑制する効果を高めることができるものの、電子棚札1のタイマ部16のタイマがタイムアップするまでの時間が長くなる。即ち、ビーコンの間隔が長くなる。
そのため、棚札サーバ2が電子棚札1と交信することを必要としない状態下で、臨時に、上記の携帯端末3を用いて電子棚札1の表示を書替しようとした場合には、ビーコンの間隔が長くなっているため、棚札サーバ2が電子棚札1と交信できる状態になるのに時間がかかり、電子棚札1の表示の書替を行うのに時間を要することになって、作業効率が低下する。
そこで、このような場合に、電子棚札1の消費電力を抑制する効果を維持しつつ、作業効率が低下するのを抑制するために、上記の電子棚札システムでは、次のような仕組を備えている。即ち、上記の携帯端末3により、電子棚札1の表示の書替処理を行う場合には、電子棚札1が、この変更作業を検知することにより、電子棚札1から棚札サーバ2に対して、交信を要求するようにするのである。
上記の携帯端末3により行われる電子棚札1の表示の臨時の書替作業は、商品に備えられている商品IDのバーコードと、当該商品の商品情報を表示する電子棚札1に備えられている棚札IDのバーコードとを、共に、上記の携帯端末3のバーコードリーダ部を用いて読取ると共に、読取った商品IDと棚札IDを、棚札サーバ2に送信することにより行われる。
そこで、携帯端末3のバーコードリーダ部36により、電子棚札1に備えられている棚札IDのバーコードを読取る際に、携帯端末3のバーコードリーダ部36のスキャナ光受発光部36aから電子棚札1の棚札IDバーコードに向けて発信されるレーザ光を、電子棚札1のスキャナ光検出部16が検出することをトリガとして、電子棚札1の表示の書替処理を行うようにするのである。
即ち、携帯端末3のバーコードリーダ部36のスキャナ光受発光部36aから電子棚札1の棚札IDを表すバーコードに向けて発信されたレーザ光を、電子棚札1のスキャナ光検出部16が検出する。すると、電子棚札1の割込処理部17は、CPU11に対して、ハードウエア割込であるスキャナ光受光割込を発生する。この割込は、タイマ部16のタイマがタイムアップしていないときに発生される。この割込により、電子棚札1が棚札サーバ2に対して交信を要求することで、電子棚札1の表示の臨時の書替処理が開始される。
図9は、上記の電子棚札システムにおいて、この電子棚札1の表示の臨時の書替処理における、棚札サーバ2と電子棚札1との間の交信の状態を示したタイムチャートである。図9において、上記のように、タイマ部16のタイマがタイムアップしていないとき、即ち、電子棚札タイマ割込が発生していないときに、電子棚札1の割込処理部17が、CPU11に対してスキャナ光受光割込を発生すると、この割込により、電子棚札1は、棚札サーバ2に対して通信(交信)を要求する。
すると、棚札サーバ2は、電子棚札1に対して、当該電子棚札1に関するデータである当該電子棚札データを、当該電子棚札1に送信するのである。この当該電子棚札データを当該電子棚札1が受信することにより、電子棚札1の表示の臨時の書替処理が行われる。
次に、上記の電子棚札システムにおけるこの電子棚札1の表示の臨時の書替処理について、説明する。図10〜図15は、この電子棚札1の表示の臨時の書替処理における上記の電子棚札システムの動作を示したフローチャートである。尚、図10〜図15のフローチャートにおいて、点線で示されたC1〜C10におけるそれぞれの相互間は、相互に関連性があることを示している。
上記のフローチャートの内、図10は、携帯端末3の動作を示したフローチャート、図11〜図13は、電子棚札1の動作を示したフローチャート、そして、図14、図15は、棚札サーバ2の動作を示したフローチャートである。
尚、上記の電子棚札システムにおいて、携帯端末3を用いて行われる特定の電子棚札1に対する臨時の表示の書替処理の要求がある場合に、何らかの理由で、この臨時の処理では対応できない場合があり得る。その場合には、特定の電子棚札1に対する通常のビーコン通信による表示の書替処理が必要となる。
そこで、棚札サーバ2には、特定の電子棚札1に対する通常のビーコン通信による表示の書替処理が必要な場合であることを示すソフトウエア上のフラグとして、電子棚札通常書替要フラグFが設けられている。
この電子棚札通常書替要フラグFは、F=0であると、特定の電子棚札1に対する通常のビーコン通信による表示の書替処理の要請はないことを表し、F=1であると、特定の電子棚札1に対する通常のビーコン通信による表示の書替処理の要請があることを表している。
次に、まず、上記の携帯端末3の動作について説明する。携帯端末3では、図10のフローチャートにおいて、最初に、バーコードリーダ部36による商品IDのバーコードの読取が完了したか否かチェックし(S101)、読取が完了していると(S102)、次に、バーコードリーダ部36による商品IDのバーコードの読取が完了したか否かチェックし(S103)、読取が完了していると(S104)、次に、S105へ進む。
S105では、棚札サーバ2へ電子棚札1の書替要求を送信した後、棚札サーバ2からの書替許諾の受信の有無をチェックし(S106)、書替許諾を受信していると(S107)、棚札サーバ2へ、携帯端末3が読取った商品ID、棚札ID、及び、商品のその他の情報(価格等)を送信する(S108)。
そして、次に、棚札サーバ2からの書替終了の受信の有無をチェックし(S109)、受信していると(S110)、携帯端末3の動作を終了する。
次に、電子棚札1の動作について説明する。電子棚札1では、図11〜図13のフローチャートにおいて、最初に、スリープモードに移行し(S201)、移行後、電子棚札ハードウエア割込の有無をチェックする(S202)。
そして、電子棚札ハードウエア割込が発生すると(S203)、当該電子棚札ハードウエア割込は、電子棚札タイマ割込、又は、スキャナ光受光割込のいずれであるかをチェックし(S204)、タイマ割り込みであると(S205)、S211へ進み、タイマ割り込みでないと(S205)、即ち、スキャナ光受光割込であると、S231へ進む。
S204における当該電子棚札ハードウエア割込が、電子棚札タイマ割込、又は、スキャナ光受光割込のいずれであるかのチェックで、電子棚札タイマ割込であると(S205)、これは、ビーコンの受信を行う場合であるので、S211へ進む。S211では、電子棚札1は、動作モードに移行する。
そして、次に、ビーコンの受信の有無をチェックし(S212)、受信すると(S213)、受信したビーコンの送信先IDが、当該電子棚札1の電子棚札IDと一致するか否かをチェックする(S214)。
受信したビーコンの送信先IDが、当該電子棚札1の電子棚札IDと一致しないと(S215)、棚札サーバ2からの交信の交信先は、当該電子棚札1ではないので、当該電子棚札1は棚札サーバ2と交信できない。そこで、S201へ戻り、電子棚札1の動作を最初から繰返す。
受信したビーコンの送信先IDが、当該電子棚札1の電子棚札IDと一致すると(S215)、棚札サーバ2からの交信の交信先は、当該電子棚札1であるので、次に、棚札サーバ2へ、ビーコン受信に対する応答を送信すると共に(S216)、棚札サーバ2からのデータの受信の有無をチェックする(S217)。
棚札サーバ2から、データを受信すると(S218)、受信したデータを当該電子棚札1のメモリ12へ記録すると共に(S219)、当該電子棚札1の表示の書替を行う(S220)。この書替の終了に伴い、棚札サーバ2へ、当該電子棚札1の表示の書替完了を送信することで(S221)、当該電子棚札1における表示の通常の書替を終了する。そして、S201へ戻り、スリープモードに移行すると共に、電子棚札1の動作を最初から繰返す。
S204における当該電子棚札ハードウエア割込が、電子棚札タイマ割込、又は、スキャナ光受光割込のいずれであるかのチェックで、タイマ割り込みでないと(S205)、即ち、スキャナ光受光割込であると、これは、携帯端末3による当該電子棚札1における表示の臨時の書替であるので、S231へ進む。S231では、電子棚札1は、動作モードに移行する。
この場合は、上述したように、スキャナ光受光割込が発生しており、携帯端末3による当該電子棚札1における表示の臨時の書替である。そこで、当該電子棚札1における表示の臨時の書替を行うべく、当該電子棚札1は、棚札サーバ2に対して、データ送信要求を送信する(S232)。これは、図9における当該電子棚札の棚札サーバに対する通信(交信)要求と同じである。
そして、次に、棚札サーバ2からのデータの受信の有無をチェックし(S233)、受信すると(S234)、次に、棚札サーバ2から受信したデータの送信先IDが、当該電子棚札1の電子棚札IDと一致するか否かをチェックし(S235)、一致しないと(S236)、受信したデータは、当該電子棚札1のためのものではないので、当該電子棚札1は、その後は、何もすることができない。そこで、S201へ戻り、スリープモードに移行すると共に、電子棚札1の動作を最初から繰返す。
S234における棚札サーバ2から受信したデータの送信先IDが、当該電子棚札1の電子棚札IDと一致するか否かのチェックで、一致すると(S236)、受信したデータは、当該電子棚札1のためのものであるので、次に、受信したデータの内容が、当該電子棚札1に対して、棚札サーバ2が何もしないことの連絡であるか否かをチェックする(S237)。
これは、後述する棚札サーバ2の動作説明で説明するように、例えば、棚札サーバ2において、携帯端末3から受信した棚札IDと電子棚札1から受信した棚札IDとが一致せず(S328,S329)、携帯端末3からの要請と、電子棚札1からの要請とが一致しない場合が生じることがある。このような場合に、棚札サーバ2は、棚札1に対して、棚札サーバ2が何もしないことの連絡を行う(S330)ことがあるのである。
そこで、S237における受信したデータの内容が、当該電子棚札1に対して、棚札サーバ2が何もしないことの連絡であるか否かのチェックで、受信したデータの内容が、当該電子棚札1に対して、棚札サーバ2が何もしないことの連絡であると(S238)、当該電子棚札1は、その後は、何もすることができない。そこで、S201へ戻り、スリープモードに移行すると共に、電子棚札1の動作を最初から繰返す。
S237における受信したデータの内容が、当該電子棚札1に対して、棚札サーバ2が何もしないことの連絡であるか否かのチェックで、棚札サーバ2が何もしないことの連絡ではないと(S238)、これは、携帯端末3による当該電子棚札1における表示の臨時の書替を行う場合である。
そこで、当該電子棚札1における表示の臨時の書替を行うべく、S219へ進む。S219では、当該電子棚札1が棚札サーバから受信したデータを当該電子棚札1のメモリ12へ記録すると共に、当該電子棚札1の表示の書替を行う(S220)。この書替の終了に伴い、棚札サーバ2へ、当該電子棚札1の表示の書替完了を送信することで(S221)、当該電子棚札1における表示の通常の書替を終了する。そして、S201へ戻り、スリープモードに移行すると共に、電子棚札1の動作を最初から繰返す。
次に、棚札サーバ2の動作について説明する。図14、図15のフローチャートにおいて、棚札サーバ2では、最初に、電子棚札通常書替要フラグFをクリアして、F=0とする(S301)。そして、次に、サーバタイマ割込の有無をチェックし(S302)、サーバタイマ割込が発生していると(S303)、これは、棚札サーバ2から電子棚札1に対して、ビーコンの送信を行う場合である。
そこで、次に、電子棚札通常書替要フラグFをチェックし(S304)、F=1でないと(S305)、即ち、F=0であると、これは、特定の電子棚札1に対する通常のビーコン通信による表示の書替処理の要請はない場合である。そこで、棚札サーバ2は、特定の電子棚札1に対するビーコンを優先的に送信する必要がないので、通常のビーコン通信を行うため、電子棚札1に対してビーコンを送信した後(S306)、S302へ戻って、S302以降の処理を最初から繰返す。
S302におけるサーバタイマ割込の有無のチェックで、サーバタイマ割込が発生していないと(S303)、次に、携帯端末3からの電子棚札書替要求の受信の有無をチェックし(S321)、受信していないと(S322)、S302へ戻って、S302以降の処理を最初から繰返す。
S321における携帯端末3からの電子棚札書替要求の受信の有無のチェックで、携帯端末3からの電子棚札書替要求を受信していると(S322)、次に、携帯端末3へ電子棚札書替許諾を送信する(S323)。
そして、次に、携帯端末3からのデータの受信の有無をチェックし(S324)、データの受信が有ると(S325)、次に電子棚札1からのデータ送信要求の受信の有無をチェックする(S326)。
電子棚札1から、データ送信要求を受信していると(S327)、次に、携帯端末3から受信した棚札IDと電子棚札1から受信した棚札IDとが一致するか否かをチェックし(S328)、一致していると(S329)、携帯端末3からの要請と、電子棚札1からの要請とが一致することになり、電子棚札の書替を進めるべく、次に、S311へ進む。
S311では、携帯端末3から受信したデータに含まれる棚札IDの電子棚札へ、携帯端末3から受信したデータを送信する。そして、次に、電子棚札からの書替完了の受信の有無をチェックし(S312)、受信すると(S313)、携帯端末3へ書替完了を送信して(S314)、S302へ戻って、S302以降の処理を最初から繰返す。
S328における携帯端末3から受信した棚札IDと電子棚札1から受信した棚札IDとが一致するか否かのチェックで、一致しないと(S329)、携帯端末3からの要請と、電子棚札1からの要請とが一致しないことになる。
このような場合としては、携帯端末3のバーコードリーダ部36のスキャナ光受発光部36aから電子棚札1の棚札IDバーコードに向けて発信されるレーザ光が、本来照射されるべき電子棚札1とは異なる電子棚札1に照射される等により、本来照射されるべき電子棚札1とは異なる電子棚札1のスキャナ光検出部16が、レーザ光を検出したような場合等が想定される。
そこで、この場合には、携帯端末3から受信したデータに含まれている棚札IDの電子棚札に対して、何もしないことの連絡データを送信すると共に(S330)、特定の電子棚札1に対する通常のビーコン通信による表示の書替処理を要請するために、電子棚札通常書替要フラグFをセットして、F=1として(S331)、S302へ進む。
S302では、サーバタイマ割込の有無をチェックし(S302)、サーバタイマ割込が発生していると(S303)、これは、棚札サーバ2から電子棚札1に対して、ビーコンの送信を行う場合である。
そこで、次に、電子棚札通常書替要フラグFをチェックするが(S304)、この場合は、F=1であるので(S305)、特定の電子棚札1に対する通常のビーコン通信による表示の書替処理が要請されている状態である。
そこで、次に、携帯端末3から受信したデータに含まれる棚札IDの電子棚札1へ、ビーコンを送信し(S307)、次に、当該電子棚札1からのビーコン受信に対する応答の受信の有無をチェックする(S308)。
電子棚札1からのビーコン受信に対する応答の受信があると(S309)、特定の電子棚札1に対する通常のビーコン通信による表示の書替処理の要請の達成は、確実に行えることから、電子棚札通常書替要フラグFをリセットして、F=0とした後(S310)、次に、S311へ進む。
S311では、携帯端末3から受信したデータに含まれる棚札IDの電子棚札1へ、携帯端末3から受信したデータを送信する。そして、次に、電子棚札1からの書替完了の受信の有無をチェックし(S312)、受信すると(S313)、携帯端末3へ書替完了を送信して(S314)、S302へ戻って、S302以降の処理を最初から繰返す。
上記の電子棚札システムによれば、電子棚札1は、スリープモード(休眠状態)において、携帯端末3から発信されたレーザ光を検知すると、動作モード(活動状態)となると共に、棚札サーバ2に対してビーコン通信を要求して、棚札サーバ2から情報を受信した後、スリープモード(休眠状態)に戻るようにすることができる。
そのため、携帯端末3から電子棚札1に向けて、レーザ光を発信することにより、即時にスリープモード(休眠状態)の電子棚札1が動作モード(活動状態)となり、棚札サーバ2に対してビーコン通信を要求して、棚札サーバ2から情報を受信した後、スリープモード(休眠状態)に戻るようにすることができる。
従って、携帯端末3からの電子棚札1への働きかけにより、スリープモード(休眠状態)の電子棚札1を動作モード(活動状態)にさせて、当該電子棚札システムにおける迅速な処理を行わせることができ、消費電力を抑制する仕組を維持しつつ、システムにおける迅速な処理を実現することができる。
上記の電子棚札システムでは、携帯端末3は、スキャナ光受発光部36aを有するバーコードリーダ部36を備えており、このスキャナ光受発光部36aからは、電子棚札1に備えられている棚札IDバーコード17を読取るためのレーザ光が発信されると共に、電子棚札1のスキャナ光検出部16が、このレーザ光を検出するようになっている。
しかし、このようにするのに代えて、次のようにしてもよい。即ち、上記の電子棚札1に備えられている棚札IDバーコード17に代えて、棚札IDを電子情報として備えているRFID(Radio Frequency Identification)を用いる。そして、携帯端末3のバーコードリーダ部36に代えて、電子棚札1に備えられている上記のRFIDの電子情報を読取るための電波を発生するRFID読取機を用いる。さらに、電子棚札1のスキャナ光検出部16に代えて、上記のRFID読取機が発生する電波を検知する電波検知器を電子棚札1に備えるようにする。
上記の説明では、本実施の形態における端末システムとして、電子棚札システムを用いているが、本実施の形態における端末システムは、上述した電子棚札システムには限られず、携帯端末装置と、該携帯端末装置に補助無線通信を介して接続されるサーバと、該サーバに基幹無線通信を介して接続されると共に、携帯端末装置から発信される光又は電波を検知可能な複数の端末装置と、で構成される端末システムであれば、どのようなシステムも、本実施の形態における端末システムの対象とすることができる。