JP6708095B2 - バーコード読取装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、バーコード読取装置及びプログラムに関する。
POSシステムや物流管理等においては、バーコード読取装置を用いて商品に付された商品バーコードを読み取り、商品の精算処理や管理などを行うことが広く知られている。その際に用いられるバーコード読取装置には、不必要な電力の消費を避けるために状況に合わせてバーコードスキャナをスタンバイ状態にするものがある。
例えば、操作者が読み取り開始スイッチを操作してから、バーコードリーダ装置がバーコードに対して接触するまでの間、デコーダ手段を動作させず、照明手段も非動作あるいは、低出力状態を保持し、バーコードリーダ装置をスタンバイ状態にする。そして、バーコードリーダ装置がバーコードに対して接触することで、デコーダ手段等を動作させるものが知られている(特許文献1参照)。
特開平06−20086号公報
しかし、上記従来のバーコードリーダ装置では、操作者が読み取り開始スイッチを操作してから、バーコードリーダ装置がバーコードに対して接触しているかを判別し、接触が判別できた場合に、デコーダ手段等を動作させている。そのため、不必要な電力の消費を避けることはできるものの、バーコードの読み取りが行えるまでの時間が長くなってしまうという問題がある。
本発明の課題は、消費電力が少なく、且つ、バーコードの読み取り開始時間が早いバーコード読取装置及びプログラムを実現することである。
上記課題を解決するために、本発明のバーコード読取装置は、光源を有し、当該光源から走査光を照射させてバーコードを読み取るスキャナと、前記スキャナにバーコードの読み取りを開始させるためのトリガキーと、を備えるバーコード読取装置であって、前記トリガキーが操作状態であるか非操作状態であるかを検知する検知手段と、前記トリガキーを操作可能な操作体が所定の距離以内に存在しているか否かを判別する判別手段と、前記検知手段による検知が操作状態である際には前記光源から前記走査光を照射させてバーコード探索が実施される読取状態に制御する一方で、前記検知手段による検知が非操作状態である際には前記光源から前記走査光を照射させずバーコード探索が停止される非読取状態に制御する制御手段と、を備え、前記非読取状態は、前記スキャナを起動させながらも前記バーコードの読み取りは開始させない待機状態と、前記スキャナへの電力供給を停止させた停止状態と、を含み、前記制御手段は、前記非読取状態において前記判別手段により前記操作体が所定の距離以内に存在していると判別されたならば前記待機状態に制御する一方で、前記非読取状態において前記判別手段により前記操作体が所定の距離以内に存在していないと判別されたならば前記停止状態に制御する、ことを特徴とする。

本発明によれば、消費電力が少なく、且つ、バーコードの読み取り開始時間が早いバーコード読取装置及びプログラムを実現することができる。
バーコード読取装置の概略構成を示す図である。 バーコード読取装置の物理的構成を示すブロック図である。 バーコード読取装置の機能的構成を示すブロック図である。 バーコードスキャナの状態遷移を示す図である。 停止状態の一例を示す図である。 待機状態の一例を示す図である。 読取状態の一例を示す図である。 バーコード読み取り処理(その1)を示すフローチャートである。 バーコード読み取り処理(その2)を示すフローチャートである。 バーコード読取装置による読み取り開始時間を示す図である。 バーコード読取装置による消費電力の削減を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
図1〜図3を参照して、バーコード読取装置1を説明する。まず、図1を参照して、バーコード読取装置1の概略構成を説明する。図1は、バーコード読取装置1の概略構成を示す図である。
バーコード読取装置1は、例えば、図1に示すようなハンディターミナルであるものとし、操作キー12Aと、トリガキー12Bと、表示部14と、スキャナ部17と、を有する。なお、バーコード読取装置1は、ハンディターミナルに限定されるものではなく、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、PDA(Personal Digital Assistant)等、他の情報端末装置であるとしても良い。
操作キー12Aは、操作入力を受け付けるキーパッドであり、バーコード読取装置1を使用するにあたって必要な操作入力をユーザが行うために用いられる。操作入力としては、例えば、数字、文字の入力、各種機能の呼び出し等がある。
トリガキー12Bは、バーコードスキャンのトリガ入力を受け付けるキーパッドである。トリガキー12Bが操作されている間、後述するスキャナ部17からレーザーが照射され、バーコードスキャンが可能となる。
なお、詳しくは後述するが、トリガキー12Bの真下の基板上には測距センサ19が備えられているものとする。これによって、ユーザがトリガキー12Bを操作しようとし、トリガキー12Bが指に覆われたとき、トリガキー12Bから所定の距離以内にユーザの指が接近したことを検出することができる。
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、ELD(Electro Luminescent Display)等により構成され、バーコード読取装置1の操作にあたって必要な情報をユーザに表示する役割を持つ。また、表示部14は、感圧式、静電式等のタッチパネルによって構成されるとしても良く、操作入力の役割も果たすことができる構成としても良い。
スキャナ部17は、発光部、受光部、ゲイン回路、2値化回路を備え、1次元のバーコードを読み取るレーザースキャナである。具体的には、発光部から出射した光束がバーコードに照射され、その反射光を受光部により受光して電気信号に変換する。その電気信号をゲイン回路により増幅し、2値化回路により2値データに変換して出力する。
なお、詳しくは後述するが、スキャナ部17は、停止状態、待機状態、読取状態の3つの状態の何れかに制御される。本実施の形態では、状況に合わせてCPU11がスキャナ部17をこの3つの状態の中で最適な状態に制御することで、消費電力を少なくし、且つ、バーコードの読み取り開始時間を早くすることができる。
次に、図2を参照して、バーコード読取装置1の物理的構成を説明する。図2は、バーコード読取装置1の物理的構成を示す図である。
図2に示すように、バーコード読取装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示部14と、記憶部15と、通信部16と、スキャナ部17と、計時部18と、測距センサ19と、を備える。バーコード読取装置1の各部は、バス1Aを介して接続されている。なお、表示部14、スキャナ部17は前述の通りであるため、説明を省略する。
CPU11は、バーコード読取装置1の各部を制御する。CPU11は、記憶部15に記憶されているシステムプログラム及びアプリケーションプログラムのうち、指定されたプログラムを読み出してRAM13に展開し、RAM13に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
操作部12は、即ち、操作キー12A、及び、トリガキー12Bである。また、操作部12は、表示部14の画面上に設けられるタッチパネルを含む。
RAM13は、情報を一時的に記憶する揮発性のメモリであり、各種データ及びプログラムを格納するワークエリアを有する。
記憶部15は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどを有する構成で、オペレーションシステムのほか、プログラムやアプリケーション、各種情報等が記憶されている。なお、記憶部15は、例えば、SDカード、IC(Integrated Circuit)カードなど、着脱自在な可搬型メモリを含む構成であってもよく、図示しないが、通信機能を介してネットワークに接続された状態においては所定の外部サーバ側の記憶領域を含むものであってもよい。
通信部16は、例えば、無線通信用アンテナ、送信信号の変調部、受信信号の復調部等を備え、通信ネットワーク上に設けられたアクセスポイントとの間で無線通信を行うことが可能である。
計時部18は、リアルタイムクロックであり、現在年月日時を計時し、その現在年月日時を示す現在時刻情報をCPU11に出力する。なお、必ずしも現在年月日時を計時する必要はなく、経過時間が測定できるストップウォッチ等の構成であっても良い。
測距センサ19は、対象物との距離を測定するセンサであり、本実施の形態ではトリガキー12Bを操作しようとするユーザの指までの距離を測定する。例えば、三角測距式、タイム・オブ・フライト式等の測定原理が用いられ、センサ内部の光源から光を照射し、対象物にあたって反射された光を、受光素子で受光する。その反射された光を評価・演算し、対象物との距離に換算してCPU11に出力する。なお、用いられるセンサは、これに限定されるものではなく、例えば静電容量式等であっても良い。
本実施の形態において、測距センサ19は、トリガキー12Bの真下の基板上に備えられているため、トリガキー12Bは透明なものや、隙間の空いているものにすると良い。こうすることで、測定用の光をトリガキー12Bからユーザの指に向けて照射することができる。さらに、この光をバーコード読取装置1の操作性やデザイン性の向上に利用することで、測距センサ19が光を照射する際に必要な電力を有効活用することができる。
次に、図3を参照して、バーコード読取装置1の機能的構成を説明する。図3は、バーコード読取装置1の機能的構成を示すブロック図である。
バーコード読取装置1は、距離測定部31、測定値判別部32と、トリガ入力判別部33と、スキャナ制御部34と、から構成される。
距離測定部31は、測距センサ19によって対象物との距離を測定し、測定結果をCPU11に出力する。即ち、本実施の形態では、トリガキー12Bを操作しようとするユーザの指までの距離を測定し、測定結果をCPU11に出力する。
測定値判別部32は、距離測定部31によって測定された対象物との距離が、所定の値の範囲に含まれるか否かをCPU11が判別する。即ち、本実施の形態では、トリガキー12Bを操作しようとするユーザの指までの距離が所定の範囲に接近したかを判別する。
トリガ入力判別部33は、ユーザによってトリガキー12Bが操作されたか否かをCPU11が判別する。
スキャナ制御部34は、測定値判別部32とトリガ入力判別部33から出力された内容に基づいて、スキャナ部17を制御する。制御について、詳しくは図4以降で説明する。
次に、図4〜図7を参照して、スキャナ部17の各種状態について説明する。まず、図4を参照して、スキャナ部17の状態遷移について説明する。図4は、スキャナ部17の状態遷移を示す図である。
図4に示すように、スキャナ部17は、停止状態と、待機状態と、読取状態との3つの状態の何れかに制御される。各状態は、バーコード読取装置1を構成する機能である測定値判別部32とトリガ入力判別部33が出力する結果によって決定される。
まず、停止状態について説明する。スキャナ部17は、ユーザからトリガキー12Bの操作を受けず、且つ、測距センサ19、及び、CPU11によってユーザの指までの距離が所定の値の範囲に含まれないと判別された場合、停止状態に制御される。この停止状態は、スキャナ部17が起動していない状態である。そのため、電力の消費はないが、この状態からバーコードスキャンを開始するためには、スキャナ部17を起動した上でレーザーを照射しなければならないので、バーコードスキャンを行うまで時間を要する。
図5にスキャナ部17が停止状態となる際のバーコード読取装置1の図を示す。図5はバーコード読取装置1を横から見た断面図であり、基板51にスキャナ部17や測距センサ19等が搭載されている。なお、簡略化のため、表示部14や操作キー12A等、スキャナ部17の状態遷移に関係のない構成は省略してある。
図5に示すように、バーコード読取装置1は、ユーザからトリガキー12Bの操作を受けず、且つ、測距センサ19から所定の距離に何も対象物が検出されていない、即ち、測距センサ19、及び、CPU11によってユーザの指までの距離が所定の値の範囲に含まれないと判別される。そのため、スキャナ部17は起動せず、停止した状態、即ち、停止状態となる。
図4に戻り、次は待機状態について説明する。スキャナ部17は、ユーザからトリガキー12Bの操作を受けてはいないが、測距センサ19、及び、CPU11によってユーザの指までの距離が所定の値の範囲に含まれると判別された場合、待機状態に制御される。この待機状態は、スキャナ部17は起動しているが、レーザーによる照射が行われていない状態である。そのため、電力の消費はレーザーの照射を行わない分抑えられる。
図6にスキャナ部17が待機状態となる際のバーコード読取装置1の図を示す。図6に示すように、バーコード読取装置1は、ユーザからトリガキー12Bの操作を受けていないものの、測距センサ19から所定の範囲に対象物となるユーザの指61が検出されている、即ち、測距センサ19、及び、CPU11によってユーザの指61までの距離が所定の値の範囲に含まれると判別される。そのため、スキャナ部17は起動しているが、レーザーの照射が行われない状態、即ち、待機状態となる。
図4に戻り、次は読取状態について説明する。スキャナ部17は、ユーザからトリガキー12Bの操作を受けたと判別された場合、読取状態に制御される。この読取状態は、スキャナ部17が起動され、レーザーによる照射が行われている状態である。そのため、電力の消費はあるが、レーザーの照射を対象のバーコードに合わせることでバーコードスキャンを行うことができる。
図7にスキャナ部17が読取状態となる際のバーコード読取装置1の図を示す。図7に示すように、バーコード読取装置1は、ユーザの指61によってトリガキー12Bの操作を受けている。そのため、スキャナ部17は、起動してレーザーの照射が行われている状態、即ち、読取状態となる。
次に、図8、図9を参照して、バーコードスキャン処理のフローを説明する。図8、図9は、バーコードスキャン処理を示すフローチャートである。バーコードスキャン処理は、ユーザの操作によって、バーコードスキャンを行う際の処理である。
まず、CPU11は、測距センサ19によって対象物として、例えば、ユーザの指が存在するかを検出し、その指までの距離を取得する(ステップS11)。即ち、CPU11は、距離測定部31として機能する。
取得されたユーザの指までの距離が所定の値の範囲に含まれるか否かをCPU11が判別する(ステップS12)。即ち、CPU11は、測定値判別部32として機能する。取得されたユーザの指までの距離が所定の値の範囲に含まれると判別された場合には(ステップS12;YES)、計時部18によって経過時間の測定を開始し、経過時間をCPU11に測定結果を出力する。そして、CPU11は、指を検出したまま0.5秒以上経過したか否かを判別する(ステップS13)。これによって、例えば、ユーザにバーコードスキャナを操作する意思がなく、瞬間的に測距センサ19から所定の距離にユーザの指が接近してしまっても、次のステップに進んでしまうことを防ぐことが可能である。なお、ここでは指を検出したまま0.5秒以上経過したかを判別しているが、これに限定されるものではなく、時間は適宜設定可能なものであるとする。また、このステップS13は、省略することも可能である。省略する際には、ステップS12でユーザの指までの距離が所定の値の範囲に含まれると判別された場合、ステップS14に進むものとする。
指を検出した後、0.5秒以上経過した場合(ステップS13;YES)、CPU11は、スキャナ部17を起動させ(ステップS14)、待機状態にする(スッテプS15)。即ち、CPU11は、スキャナ制御部34として機能する。このため、ユーザによってトリガキー12Bの操作がされなくてもスキャナ部17を起動させことができる。なお、この待機状態の際に、ユーザの指までの距離が所定の値の範囲に含まれなくなった場合は、スキャナ部17の起動を停止し、ステップS11に戻る。即ち、停止状態に制御する。
スキャナ部17を待機状態とした後に、CPU11は、ユーザによってトリガキー12Bが操作されたか否かを判別する(ステップS16)。即ち、CPU11は、トリガ入力判別部33として機能する。
ユーザによってトリガキー12Bの操作が行われない場合は(ステップS16;NO)、操作が行われるまで、待機状態が保持される。一方、ユーザによってトリガキー12Bの操作が行われた場合は(ステップS16;YES)、CPU11はスキャナ部17にレーザーを照射するように制御し(ステップS17)、読取状態にする(ステップS18)。即ち、CPU11は、スキャナ制御部34として機能する。
スキャナ部17を読取状態にしたら、照射されているレーザーをユーザが読み取りたいバーコードに合わせることで、バーコードスキャンを行うことが可能である(ステップS19)。
読取状態でバーコードスキャンを行い、読み取りたい全てのバーコードのバーコードスキャンが完了したら(ステップ20;YES)、CPU11は、ユーザによるトリガキー12Bの操作が終了したかどうかを判別する(ステップS21)。即ち、CPU11は、トリガ入力判別部33として機能する。
ユーザによるトリガキー12Bの操作が終了したと判別された際は(ステップS21;NO)、CPU11はスキャナ部17にレーザーの照射を停止するように制御し(ステップS22)、待機状態にする(ステップS23)。即ち、CPU11は、スキャナ制御部34として機能する。
待機状態になったら、CPU11は、測距センサ19によってユーザの指までの距離を取得する(ステップS24)。即ち、CPU11は、距離測定部31として機能する。そして、取得されたユーザの指までの距離が所定の値の範囲に含まれるか否かをCPU11が判別する(ステップS25)。即ち、CPU11は、測定値判別部32として機能する。
取得されたユーザの指までの距離が所定の値の範囲に含まれないと判別された場合(ステップS25;NO)、CPU11はスキャナ部17の起動を停止するように制御し(ステップS26)、停止状態にする(ステップS27)。即ち、CPU11は、スキャナ制御部34として機能する。
次に、図10、図11を参照して、バーコード読取装置1の効果を説明する。まず、図10を参照して、バーコード読取装置1による読み取り開始時間について説明する。図10は、バーコード読取装置1による読み取り開始時間を示す図である。
図10においては、従来のバーコード読取装置と本実施の形態における測距センサを利用したバーコード読取装置1とのバーコードの読み取り開始時間の比較を行っている。
ここで、従来のバーコード読取装置とは、ユーザによってトリガキーが操作された場合、バーコードスキャナを起動させてレーザーを照射し、トリガキーの操作が終了された場合、レーザーの照射を停止してバーコードスキャナの起動を停止するものである。つまり、本実施の形態における待機状態が存在せず、バーコードスキャナは停止状態と読取状態の2種類に制御される。
図10に示すとおり、従来のバーコード読取装置を用いてバーコードスキャンを行う場合は、トリガキーの操作があってからバーコードスキャナの起動を行う。バーコードスキャナが完全に起動するまでの時間、即ち、図10に示す起動時間を経過してから、バーコードスキャンが可能な読取状態となるので、実際にバーコードスキャンを行うことができるのは時間101になったときである。
次に、本実施の形態におけるバーコード読取装置1を用いてバーコードスキャンを行う場合は、図10に示すとおり、測距センサ19によって指の接近が確認されたら、スキャナ部17を起動して待機状態とする。そのため、スキャナ部17が起動してから、トリガキー12Bが操作されるまでの間は、待機状態のままである。この時間を図10では待機時間として示す。
そして、トリガキー12Bの操作があった時点でレーザーを照射し、バーコードスキャンが可能な読取状態となる。トリガキー12Bの操作が行われた際には、既に待機状態としてスキャナ部17の起動が完了しているため、起動時間を待つ必要がない。そのため、実際にバーコードスキャンを行うことができるのは時間102になったときである。
以上から、トリガ入力後にバーコードスキャンが可能となる従来の時間101、本実施の形態の時間102を比較すると、時間102の方が早いことがわかる。即ち、本実施の形態におけるバーコード読取装置1では、従来と比較してバーコードの読み取り開始時間を早くできる。
次に、図11を参照してバーコード読取装置1による消費電力の削減について説明する。図11は、バーコード読取装置1による消費電力の削減を示す図である。
図11においては、従来のバーコード読取装置と本実施の形態における測距センサを利用したバーコード読取装置1とのバーコードスキャナの状態遷移の比較を行うことで消費電力の比較も行う。
図11は、例えば、3つのバーコードに対してバーコードスキャンを行う際のバーコードスキャナの状態遷移を表している。まず、従来のバーコード読取装置では、3つのバーコードに対してバーコードスキャンを行う際は、トリガキーの操作を継続して行い、読み取りたいバーコードのバーコードスキャンがすべて終了するまで読取状態を維持する。即ち、図11に示すとおり、従来のバーコード読取装置では、全てのバーコードのバーコードスキャンが終了するまで常にバーコードスキャナからレーザーが照射される。
次に、本実施の形態のバーコード読取装置1では、図11に示すように3つのバーコードを読み取る際は、バーコードスキャンを行う間の時間にトリガキー12Bの操作を中断することで、スキャナ部17を待機状態にすることができる。即ち、レーザーの照射は必要なときだけ行われ、それ以外のときにはスキャナ部17は起動しているものの、レーザーの照射が行われない。
以上から、従来のバーコード読取装置では複数のバーコードを読み取る際には、常に読取状態が維持され、レーザーの照射が行われてしまうが、本実施の形態のバーコード読取装置1では、スキャナ部17が読取状態と待機状態に交互に制御されるので、レーザーの照射が必要なときだけ行われるため、本実施の形態のバーコード読取装置1は従来と比較して消費電力の削減を行うことができる。
なお、従来のバーコード読取装置においても、トリガキーの操作を中断することで、レーザーの照射を停止することはできるが、その際には、バーコードスキャナの起動も停止される。そのため、複数のバーコードのバーコードスキャンを行う際には、何度もバーコードスキャナの起動と停止が行われることとなる。通常、バーコードスキャナの起動には、多くの時間と電力が必要とされるため、このような方法でバーコードスキャンを行うと、消費電力が増加してしまい、且つ、起動時間により本実施の形態のバーコード読取装置1と同じ読取速度を実現することができない。
以上、本実施の形態によれば、バーコード読取装置1は、対象物までの距離が所定の値の範囲に含まれるか否かを判別し、所定の値の範囲に含まれると判別された場合に、バーコードスキャナを起動させ、バーコードスキャンを行うためのトリガの入力を受け付ける待機状態にする。即ち、バーコード読取装置1は、判別手段と、制御手段と、を備える。
このため、消費電力が少なく、且つ、バーコードの読み取り開始時間が早いバーコード読取装置及びプログラムを実現することができる。
また、バーコード読取装置1は、トリガの入力を受け付けるためのトリガキーから対象物までの距離が所定の値の範囲に含まれるか否かを判別する。このため、ユーザがトリガキーの操作を行う前にバーコードスキャナを起動させることができる。
また、バーコード読取装置1は、対象物までの距離が所定の値の範囲に含まれると判別され、バーコードスキャナが起動している際に、対象物が所定の値の範囲外に変化した場合、バーコードスキャナの起動を停止する。このため、必要なときだけ、バーコードスキャナを適用することができる。
また、バーコード読取装置1は、対象物までの距離が所定の値の範囲に含まれると判別されてからの経過時間を計時し、計時された経過時間が所定の時間を経過した場合に、バーコードスキャナを起動させ、バーコードスキャンを行うためのトリガの入力を受け付ける待機状態にする。このため、バーコードスキャナがユーザの意思と無関係に起動してしまうことを防ぐことができる。
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係るバーコード読取装置及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、測距センサ19の対象物としてユーザの指を用いて説明を行ったが、これに限定されるものではなく、他の体の部位や、別の操作手段であっても良い。
また、上記実施の形態では、スキャナ部17が停止状態、待機状態、読取状態の3つに制御されていたが、これに限定されるものではなく、例えば、測距センサ19によって測定された距離に基づいて、状態を変更するような制御を行っても良い。
また、上記実施の形態では、測距センサ19によって対象物までの距離を測定して、その距離が所定の値の範囲に含まれるか否かを判別していたが、これに限定されるものではない。例えば、光電センサ等によって対象物を検知できた場合にスキャナ部17を待機状態に制御する構成とすれば、対象物との距離を測定する必要はない。
また、上記実施の形態では、測距センサ19はトリガキー12Bの真下の基板上に備えられているものとしたが、これに限定されるものではなく、他の場所に備えられる構成としても良い。
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
対象物までの距離が所定の値の範囲に含まれるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記距離が前記所定の値の範囲に含まれると判別された場合に、バーコードスキャナを起動させ、バーコードスキャンを行うためのトリガの入力を受け付ける待機状態にする制御手段と、
を備えることを特徴とするバーコード読取装置。
<請求項2>
前記距離は、前記トリガの入力を受け付けるためのトリガキーから前記対象物までの距離である、
ことを特徴とする請求項1に記載のバーコード読取装置。
<請求項3>
前記制御手段は、前記判別手段により前記距離が前記所定の値の範囲に含まれると判別され、前記バーコードスキャナが起動している際に、前記距離が前記所定の値の範囲外に変化した場合、バーコードスキャナの起動を停止する、
ことを特徴とする請求項1及び2に記載のバーコード読取装置。
<請求項4>
前記判別手段により前記距離が前記所定の値の範囲に含まれると判別されてからの経過時間を計時する計時手段と、
を更に備え、
前記制御手段は、前記判別手段により前記距離が前記所定の値の範囲に含まれると判別され、且つ、前記計時手段により計時された前期経過時間が所定の時間を経過した場合に、バーコードスキャナを起動させ、バーコードスキャンを行うためのトリガの入力を受け付ける待機状態にする、
ことを特徴とする請求項1からの3のいずれかに記載のバーコード読取装置。
<請求項5>
コンピュータを、
対象物までの距離が所定の値の範囲に含まれるか否かを判別する判別手段、
前記判別手段により前記距離が前記所定の値の範囲に含まれると判別された場合に、バーコードスキャナを起動させ、バーコードスキャンを行うためのトリガの入力を受け付ける待機状態にする制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
1 バーコード読取装置
11 CPU
12 操作部
13 RAM
14 表示部
15 記憶部
16 通信部
17 スキャナ部
18 計時部
19 測距センサ
1A バス

Claims (5)

  1. 光源を有し、当該光源から走査光を照射させてバーコードを読み取るスキャナと、前記スキャナにバーコードの読み取りを開始させるためのトリガキーと、を備えるバーコード読取装置であって、
    前記トリガキーが操作状態であるか非操作状態であるかを検知する検知手段と、
    前記トリガキーを操作可能な操作体が所定の距離以内に存在しているか否かを判別する判別手段と、
    前記検知手段による検知が操作状態である際には前記光源から前記走査光を照射させてバーコード探索が実施される読取状態に制御する一方で、前記検知手段による検知が非操作状態である際には前記光源から前記走査光を照射させずバーコード探索が停止される非読取状態に制御する制御手段と、
    を備え、
    前記非読取状態は、前記スキャナを起動させながらも前記バーコードの読み取りは開始させない待機状態と、前記スキャナへの電力供給を停止させた停止状態と、を含み、
    前記制御手段は、前記非読取状態において前記判別手段により前記操作体が所定の距離以内に存在していると判別されたならば前記待機状態に制御する一方で、前記非読取状態において前記判別手段により前記操作体が所定の距離以内に存在していないと判別されたならば前記停止状態に制御する、
    ことを特徴とするバーコード読取装置。
  2. 前記読取状態は、前記待機状態よりも前記スキャナに係る電力消費が大きい状態であり、
    前記待機状態は、前記停止状態よりも前記スキャナに係る電力消費が大きい状態である

    ことを特徴とする請求項1に記載のバーコード読取装置。
  3. 前記判別手段は、前記操作体が前記トリガキーから所定の距離以内に存在しているか否かを判別する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のバーコード読取装置。
  4. 前記操作体は、ユーザの指または手である、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のバーコード読取装置。
  5. 光源を有し、当該光源から走査光を照射させてバーコードを読み取るスキャナと、前記スキャナにバーコードの読み取りを開始させるためのトリガキーと、を備えるバーコード読取装置のコンピュータを、
    前記トリガキーが操作状態であるか非操作状態であるかを検知する検知手段、
    前記トリガキーを操作可能な操作体が所定の距離以内に存在しているか否かを判別する判別手段、
    前記検知手段による検知が操作状態である際には前記光源から前記走査光を照射させてバーコード探索が実施される読取状態に制御する一方で、前記検知手段による検知が非操作状態である際には前記光源から前記走査光を照射させずバーコード探索が停止される非読取状態に制御する制御手段、
    として機能させ、
    前記非読取状態は、前記スキャナを起動させながらも前記バーコードの読み取りは開始させない待機状態と、前記スキャナへの電力供給を停止させた停止状態と、を含み、
    前記制御手段は、前記非読取状態において前記判別手段により前記操作体が所定の距離以内に存在していると判別されたならば前記待機状態に制御する一方で、前記非読取状態において前記判別手段により前記操作体が所定の距離以内に存在していないと判別されたならば前記停止状態に制御する、
    ことを特徴とするプログラム。
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