JP5213371B2 - 優れた保存効力を有する水性医薬組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、クロモグリク酸及び/又はその塩を含有し、優れた保存効力を有し、更には光曝露による細胞毒性の誘発が抑制され、使用時の刺激感も緩和されている水性医薬組成物に関する。
クロモグリク酸ナトリウムは、アレルギー性結膜炎やアレルギー性鼻炎などに代表される眼部や鼻腔内に出現するアレルギー症状を効果的に緩和することが知られており、これまでに、点眼液、点鼻液、吸入剤などでの有効成分(抗アレルギー剤)として医療用や一般用に広く用いられている。その作用は、肥満細胞の脱顆粒を抑制しヒスタミン等の化学伝達物質の遊離を抑制することにより発現するものである。しかしながら、クロモグリク酸ナトリウムはその作用機序が肥満細胞の脱顆粒抑制であるため、既に遊離してしまった化学伝達物質をブロックする効果がなく、速効性の面で劣るという面が欠点であった。
また、フルニソリドは、抗アレルギー作用を有している合成副腎皮質ホルモンであり、アレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎等に適用される水性医薬組成物に使用されている。ステロイド剤の作用としては、即時相では肥満細胞数を減少させることが知られており、遅発相ではT細胞から産生される炎症性サイトカインの抑制し、更に好酸球数を減少させてそのアポトーシスを誘導することが知られている(非特許文献1参照)。
そこで、クロモグリク酸ナトリウムの速効性の点での欠点を解決した製剤として、クロモグリク酸ナトリウム及びフルニソリドを組み合わせた製剤が報告されている(特許文献1参照)。具体的には、特許文献1には、血管収縮剤、クロモグリク酸ナトリウム、及びフルニソリドを含む点鼻剤が、鼻炎による症状の除去又は軽減に有効であることが記載されている(特許文献1参照)。
一方、従来、水性医薬組成物を調製する場合、薬理活性成分以外に、空気中、涙液中、鼻道、気管支、外耳道等に存在する微生物による二次汚染を防止する目的で、保存剤が配合されている。しかしながら、保存剤の種類や量によっては粘膜刺激感の増大などを引き起こす可能性がある。このような保存剤の欠点に加え、近年、医薬分野での安全性に対する関心の高まりによって、従来の保存剤を使用せずに、又はその使用量を低減して、保存効力を有効に備えさせる技術の開発が切望されている。
しかしながら、フルニソリドやクロモグリク酸ナトリウム自体が水性医薬組成物の保存効力に関与することは、これまで明らかにされていない。
特開平10−1442号公報 国際公開第98/013040号パンフレット 特開2004−339213号公報 Masuyama Keisuke, Progress in Medicine, 2002, Vol.22, No. 2, p.378-382
本発明者等は、クロモグリク酸及び/又はその塩とフルニソリドを併用した水性医薬組成物の開発に当たり検討を進めた結果、クロモグリク酸及び/又はその塩とフルニソリドの共存下では、有意な防腐効力は認められないだけでなく、光曝露によって細胞毒性を生じるという問題点があることを確認した。更に、本発明者等の検討によって、水性医薬組成物において清涼化剤として使用されているテルペノイドをクロモグリク酸及び/又はその塩と組み合わせても、細胞毒性が生じることが判明した。一般に、光に対して不安定な組成物の場合、当該組成物の光曝露を回避するために、収容する容器を遮光するための補助的遮光袋の使用、褐色容器やアルミニウム容器等の遮光容器の使用等の遮光手段が採られている。しかしながら、褐色容器では完全に光の透過を抑制できず、また補助的遮光袋を使用者が使用しない場合も多く、また繰り返し使用しているうちに紛失してしまうことも多い。また、容器や包材を使用できない製造過程における光曝露は不可避である。更に、製造工程において、アルミニウム容器や濃い褐色の容器などの不透明又は透明性の低い容器を用いると、水性医薬組成物を容器に充填した後、異物混入を容器の外側から検査するのが困難になる。また、水性医薬組成物の使用に際しても、遮光下で粘膜に適用することは殆ど不可能である。更に、水性医薬組成物を適用した後は、適用部位で該水性医薬組成物が光に曝露されることは不可避である。
また、鼻腔粘膜や眼粘膜等の粘膜は外的因子に過敏に反応するため、水性医薬組成物には、安全性や使用感等をより高度に備えさせることが求められている。しかしながら、クロモグリク酸及び/又はその塩或いはフルニソリドを粘膜に適用すると、粘膜の過敏な人にとっては刺激を感じることがあり、刺激感の低減が強く望まれている。
そこで、本発明は、クロモグリク酸及び/又はその塩を含有し、優れた保存効力を有し、更には光曝露による細胞毒性の誘発が抑制され、使用時の刺激感も緩和されている水性医薬組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、驚くべきことに、クロモグリク酸及び/又はその塩、フルニソリド、並びにテルペノイドを組み合わせることによって、これら単独では獲得しえない優れた保存効力を備え得ることを見出した。また、クロモグリク酸及び/又はその塩を含有する水性医薬組成物において、フルニソリド又はテルペノイドの一方のみを配合すると光曝露により細胞毒性が誘発されるが、フルニソリド及びテルペノイドを組み合わせて配合すると、光曝露により誘発される細胞毒性が軽減され、使用時の刺激感も緩和できることを見出した。更に、クロモグリク酸及び/又はその塩、フルニソリド、並びにテルペノイドを組み合わせることによって、使用時の刺激感が緩和されることをも見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に改良を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる水性医薬組成物を提供する。
項1. (A)クロモグリク酸及び/又はその塩、(B)フルニソリド、及び(C)テルペノイドを含有することを特徴とする水性医薬組成物。
項2. (C)テルペノイドが、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、リモネン、リナロール、オイゲノール、ベルガモット油、ハッカ油、ユーカリ油、ウイキョウ油、ローズ油及びクールミント油よりなる群から選択される少なくとも1種である、項1記載の水性医薬組成物。
項3. (C)テルペノイドが、メントール類又はその誘導体である、請求項1記載の水性医薬組成物。
項4. 水性医薬組成物である、項1乃至3のいずれかに記載の水性医薬組成物。
項5. 点鼻剤又は点眼剤である、項1乃至3のいずれかに記載の水性医薬組成物。
更に、本発明は、下記に掲げる方法を提供する。
項6. 水性医薬組成物中で、(A)クロモグリク酸及び/又はその塩、(B)フルニソリド、及び(C)テルペノイドを共存させることを特徴とする、水性医薬組成物の保存効力を改善する方法。
項7. クロモグリク酸及び/又はその塩を含有する水性医薬組成物の光曝露による細胞毒性の誘発を抑制する方法であって、該水性医薬組成物中で、(A)クロモグリク酸及び/又はその塩、(B)フルニソリド、及び(C)テルペノイドを共存させることを特徴とする、細胞毒性の誘発抑制方法。
項8. クロモグリク酸及び/又はその塩、並びにフルニソリドを含有する水性医薬組成物の光曝露により誘発される細胞毒性の抑制方法であって、該水性医薬組成物中で、(A)クロモグリク酸及び/又はその塩、(B)フルニソリド、及び(C)テルペノイドを共存させることを特徴とする、細胞毒性の抑制方法。
項9. クロモグリク酸及び/又はその塩、並びにテルペノイドを含有する水性医薬組成物の光曝露により誘発される細胞毒性の抑制方法であって、該水性医薬組成物中で、(A)クロモグリク酸及び/又はその塩、(B)フルニソリド、及び(C)テルペノイドを共存させることを特徴とする、細胞毒性の抑制方法。
項10. 水性医薬組成物中で、(A)クロモグリク酸及び/又はその塩、(B)フルニソリド、及び(C)テルペノイドを共存させることを特徴とする、水性医薬組成物の刺激感を緩和する方法。
更に、本発明の水性医薬組成物は、優れた保存効力を備えており、卓越した防腐性を備えている。
本発明の水性医薬組成物は、光曝露による細胞毒性の誘発が抑制されており、たとえ製剤製造過程、市場流通過程、又は使用時に光曝露されたとしても、高い安全性が確保される。
また、本発明の水性医薬組成物は、使用時の粘膜に対する刺激感が緩和されているので、眼粘膜や鼻腔粘膜に適用される粘膜適用組成物として好適である。
本明細書において、水性医薬組成物とは、組成物中に水を少なくとも50重量%以上、更に好ましくは70重量%以上含有する医薬組成物を指す。
I.水性医薬組成物
本発明の水性医薬組成物は、クロモグリク酸及び/又はその塩(以下、単に(A)成分と表記することもある)を含有する。クロモグリク酸及び/又はその塩は、公知化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
また、クロモグリク酸の塩は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されることを限度として、特に制限されるものではない。このような塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属との塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属との塩等が挙げられる。これらのクロモグリク酸の塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
また、クロモグリク酸及び/又はその塩は、水和物の形態でも使用できる。
本発明の水性医薬組成物には、これらのクロモグリク酸及びその塩の中から、一種のものを選択して単独で使用してもよく、二種以上のものを任意に組み合わせて使用してもよい。好ましくはクロモグリク酸ナトリウムである。
本発明の水性医薬組成物中のクロモグリク酸及び/又はその塩の配合割合は、特に制限されるものではなく、該水性医薬組成物の用途や製剤形態等に応じて適宜設定できる。クロモグリク酸及び/又はその塩の配合割合の一例として、水性医薬組成物の総量当たり、これらが総量で0.01〜10w/v%、好ましくは0.1〜5w/v%が例示される。クロモグリク酸及び/又はその塩の配合割合として、より具体的には、水性医薬組成物が点眼剤又は点鼻剤の場合は、好ましくは0.1〜1.0w/v%、特に好ましくは0.5〜1.0w/v%;水性医薬組成物が洗眼剤又は鼻洗浄剤の場合は、好ましくは0.01〜0.1w/v%、特に好ましくは0.05〜0.1w/v%が例示される。このような配合割合でクロモグリク酸及び/又はその塩を含むことによって、刺激感の緩和をより効果的に獲得することができる。
また、発明の水性医薬組成物は、フルニソリド(以下、単に(B)成分と表記することもある)を含有する。フルニソリドは、6α−フルオロ−11β,16α,17,21−テトラヒドロキシ−1,4−プレグナジエン−3,20−ジオン−16,17−アセトニドとも称される合成副腎皮質ホルモンである。フルニソリドは、公知化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。本発明において、フルニソリドは1/2水和物等の水和物の形態のものを使用することもできる。
本発明の水性医薬組成物中のフルニソリドの配合割合は、特に制限されるものではなく、該水性医薬組成物の用途や製剤形態等に応じて適宜設定できる。フルニソリドの配合割合の一例として、水性医薬組成物の総量当たり、これらが総量で0.0001〜0.1w/v%、好ましくは0.001〜0.05w/v%が例示される。フルニソリドの配合割合として、より具体的には、水性医薬組成物が点眼剤又は点鼻剤の場合は、好ましくは0.005〜0.05w/v%、特に好ましくは0.0125〜0.025w/v%;水性医薬組成物が洗眼剤又は鼻洗浄剤の場合は、好ましくは0.0005〜0.005w/v%、特に好ましくは0.00125〜0.0025w/v%が例示される。このような配合割合でフルニソリドを含むことによって、光曝露による細胞毒性の誘発抑制、刺激感の緩和及び保存効力をより効果的に獲得することができる。
また、発明の水性医薬組成物は、(A)及び(B)成分に加えて、テルペノイド(以下、単に(C)成分と表記することもある)を含有する。
本発明に使用されるテルペノイドとしては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される限り、特に制限されない。かかるテルペノイドとして、具体的には、メントール、メントン、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、シトロネロール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、リナロール、酢酸リナリル等が挙げられる。これらの化合物はd体、l体又はdl体のいずれでもよい。また、本発明において、テルペノイドとして、上記化合物を含有する精油を使用してもよい。このような精油としては、例えば、ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ローズ油等が挙げられる。これらのテルペノイドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
これらのテルペノイドの内、光曝露による細胞毒性の誘発抑制、刺激感の緩和、及び保存効力を、より有効に発現させるという観点から、好ましくは、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、リモネン、リナロール、オイゲノール等が挙げられ、これらを含有する好ましい精油としてベルガモット油、クールミント油、ハッカ油、ユーカリ油、ウイキョウ油、ローズ油等が例示される。更に好ましくは、l-メントール、d-メントール、dl-メントール等のメントール類又はその誘導体が挙げられ、これらを含有する精油としては、クールミント油が例示される。
本発明の水性医薬組成物中のテルペノイドの配合割合は、特に制限されるものではなく、該水性医薬組成物の用途や製剤形態等に応じて適宜設定できる。テルペノイドの配合割合の一例として、水性医薬組成物の総量当たり、これらが総量で0.00005〜1w/v%、好ましくは0.0001〜0.5w/v%が例示される。テルペノイドの配合割合として、より具体的には、水性医薬組成物が点眼剤又は点鼻剤の場合は、好ましくは0.0001〜0.5w/v%、特に好ましくは0.0002〜0.05w/v%;水性医薬組成物が洗眼剤又は鼻洗浄剤の場合は、好ましくは0.0001〜0.1w/v%、特に好ましくは0.0002〜0.01w/v%が例示される。このような配合割合でテルペノイドを含むことによって、(A)及び(B)成分の共存下での光曝露により誘発される細胞毒性の軽減、刺激感の緩和、及び保存効力をより効果的に獲得することができる。
本発明の水性医薬組成物において、(A)〜(C)成分の比率については、特に制限されないが、以下の範囲を充足することによって、(A)及び(B)成分の共存下での光曝露により誘発される細胞毒性の軽減、刺激感の緩和、及び保存効力をより一層顕著ならしめることができる:
(A)成分の総量100重量部に対して、(B)成分が総量で0.1〜10重量部、且つ(C)成分が総量で0.005〜200重量部;好ましくは(B)成分が総量で0.5〜10重量部、且つ(C)成分が総量で0.01〜100重量部;更に好ましくは(B)成分が総量で1.25〜5重量部、且つ(C)成分が総量で0.02〜10重量部。
本発明の水性医薬組成物は、上記成分に加えて、更に緩衝剤を含有していてもよい。本発明の水性医薬組成物に配合できる緩衝剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。かかる緩衝剤の一例として、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、ε−アミノカプロン酸、アスパラギン酸、アスパラギン酸塩などが挙げられる。これらの緩衝剤は1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。上記緩衝剤の中でも、ホウ酸緩衝液及びリン酸緩衝液は好適である。
本発明の水性医薬組成物に緩衝剤を配合する場合、該緩衝剤の配合割合については、使用する緩衝剤の種類や期待される効果等に応じて異なり、一律に規定することはできないが、例えば、水性医薬組成物の総量当たり、該緩衝剤が総量で0.001〜10w/v%、好ましくは0.005〜5w/v%となる割合が例示される。
また、本発明の水性医薬組成物には、(A)〜(C)成分を組み合わせて含有することにより、保存効力が備わっているので、保存剤を別途添加しなくてもよいが、必要に応じて、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、パラベン類、ソルビン酸、フェネチルアルコール、グルコン酸クロルヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、硫酸オキシキノリン、アクリノール、塩化セチルピリジニウム等の保存剤を含んでいてもよい。
また、本発明の水性医薬組成物は、配合成分の化学的安定性が著しく損なわれない範囲で、生体に許容される範囲内のpHに調節することができる。適切なpHは、該水性医薬組成物の適用部位、製剤形態等により異なるが、通常6〜9、好ましくは6.5〜8.5、更に好ましくは6.8〜8.2、特に好ましくは7〜8程度である。pHの調節は、前記緩衝剤、或いは当該技術分野で通常使用されているpH調整剤、等張化剤、塩類等を用いて、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。
本発明の水性医薬組成物は、更に必要に応じて、生体に許容される範囲内の浸透圧比に調節することができる。適切な浸透圧比は適用部位、製剤形態等により異なるが、通常0.3〜4.2、好ましくは0.5〜4.0、更に好ましくは0.8〜3.8程度である。浸透圧の調整は無機塩、多価アルコール、糖アルコール、糖類などを用いて、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。浸透圧比は、第十五改正日本薬局方を参考にして0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液の浸透圧に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)を参考にして測定する。浸透圧比測定用標準液は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いる。
本発明の水性医薬組成物は、本発明の効果を妨げない限り、上記成分の他に、種々の薬理活性成分や生理活性成分を組み合わせて適当量含有してもよい。かかる成分は特に制限されず、例えば、一般用医薬品製造(輸入)承認基準2000年版(薬事審査研究会監修)に記載された各種医薬における有効成分が例示できる。具体的に、耳鼻科用又は眼科用薬において用いられる成分としては、次のような成分が挙げられる。
抗ヒスタミン剤:例えば、レボカバスチン、イプロヘプチン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン等。
血管収縮剤:例えば、ナファゾリン、テトラヒドロゾリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、エフェドリン、フェニレフリン、メチルエフェドリン等。
殺菌剤:例えば、アクリノール、セチルピリジニウム、ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、クロルヘキシジン等。
消炎剤:例えば、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、アラントイン、アズレン、アズレンスルホン酸、グアイアズレン、トラネキサム酸、ε−アミノカプロン酸、ベルベリン、リゾチーム、甘草等。
収斂剤:例えば、亜鉛華、乳酸亜鉛、硫酸亜鉛等。
その他:例えば、インドメタシン、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、ブフェキサマク、フルフェナム酸ブチル、ベンダザック、ピロキシカム、ケトプロフェン、フェルビナク、紫根、セイヨウトチノキ、及びこれらの塩等。
また、本発明の水性医薬組成物には、発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途や製剤形態に応じて、常法に従い、様々な添加物を適宜選択し、一種またはそれ以上を併用して適当量含有させてもよい。それらの添加物として、例えば、医薬品添加物事典2005(日本医薬品添加剤協会編集)に記載された各種添加物が例示できる。代表的な成分として次の添加物が挙げられる。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性溶媒。
増粘剤:例えば、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウム等。
糖類:例えば、グルコース、シクロデキストリン等。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
界面活性剤:例えば、ポリオキシエチレン(以下、POEと略す)−ポリオキシプロピレン(以下、POPと略す)ブロックコポリマー(具体的には、ポロクサマー407等)、エチレンジアミンのPOE-POPブロックコポリマー付加物(具体的には、ポロキサミン等)、モノオレイン酸POEソルビタン、POE硬化ヒマシ油(具体的には、POE(60)硬化ヒマシ油等)、ステアリン酸ポリオキシル等の非イオン性界面活性剤;アルキルジアミノエチルグリシン等のグリシン型両性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩(具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等の陽イオン界面活性剤等。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。
キレート剤:例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(エデト酸ナトリウム)、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸バリウム、エチレンジアミン四酢酸カルシウム、エチレンジアミン四酢酸コバルトエチレンジアミン四酢酸銅、エチレンジアミン四酢酸二アンモニウム、エチレンジアミン四酢酸二リチウム、エチレンジアミン四酢酸二カリウム、エチレンジアミン四酢酸鉄、エチレンジアミン四酢酸ランタン、エチレンジアミン四酢酸マグネシウム、エチレンジアミン四酢酸マンガン、エチレンジアミン四酢酸ニッケル、エチレンジアミン四酢酸三カリウム、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸亜鉛等。
殺菌剤又は抗菌剤:例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、クロロブタノール、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニド等)、グローキル(ローディア社製 商品名)等。
pH調節剤:例えば、塩酸、ホウ酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、クエン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、硫酸、リン酸、ポリリン酸、プロピオン酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム等。
等張化剤:例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、グリセリン、プロピレングリコール等。
安定化剤:ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン等。
基剤:オクチルドデカノール、オリーブ油、ゴマ油、酸化チタン、臭化カリウム、ダイズ油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、綿実油、パラフィン、ヒマシ油、プラスチベース、ラッカセイ油、ラノリン、ワセリン、プロピレングリコール等。
本発明の水性医薬組成物は、液状であってもよく、また軟膏等の半固形状であってもよい。本発明の水性医薬組成物を粘膜適用組成物として使用する場合、粘膜への適用簡便性という観点から、好ましくは液状が挙げられる。
また、本発明の水性医薬組成物の製剤形態としては、特に限定されないが、例えば、点鼻剤、鼻洗浄液、点耳薬等の耳鼻科用組成物;点眼剤[但し、点眼剤にはコンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤を含む]、人工涙液、洗眼剤[但し、洗眼剤にはコンタクトレンズ装用中に洗眼可能な洗眼剤を含む]、眼軟膏剤、コンタクトレンズ用組成物[コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用組成物(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄保存剤)等]等の眼科用組成物;口腔咽頭薬、含嗽薬(含嗽用剤)等の口腔用組成物等の粘膜適用組成物が挙げられる。中でも好ましくは耳鼻科用組成物又は眼科用組成物であり、更に好ましくは点鼻剤、鼻洗浄剤、点眼剤、又は洗眼剤であり、特に好ましくは点鼻剤又は点眼剤である。なお、上記コンタクトレンズ用組成物は、ハードコンタクトレンズ及びソフトコンタクトレンズを含むあらゆるコンタクトレンズに適用できる。
本発明の水性医薬組成物は、(A)と、(B)又は(C)成分との共存下での光曝露により誘発される細胞毒性が軽減されているので、内部を視認できる光透過性の容器に収容することができる。このような光透過性の容器に本発明の水性医薬組成物を収容することによって、製造段階での異物混入検査が容易になり、また使用者にとっても残存量を目視にて容易に把握することが可能になる。
本発明の水性医薬組成物は、公知の方法に従って製造される。例えば、精製水、生理食塩水等の水性溶媒等に、上記(A)〜(C)成分、必要に応じて他の成分を所望の濃度となるように添加し、常法に準じて調製すればよい。
II.保存効力の改善方法、細胞毒性の低減方法、及び刺激感の緩和方法
前述するように、水性医薬組成物中で、クロモグリク酸及び/又はその塩、フルニソリド、並びにテルペノイドを共存させることによって、優れた保存効力を備えさせることができる。従って、本発明は、更に別の観点から、水性医薬組成物中で、(A)クロモグリク酸及び/又はその塩、(B)フルニソリド、及び(C)テルペノイドを共存させることを特徴とする、水性医薬組成物の保存効力を改善する方法を提供する。
また、前述するように、水性医薬組成物中で、クロモグリク酸及び/又はその塩、フルニソリド、並びにテルペノイドを共存させることによって、クロモグリク酸及び/又はその塩を含有する水性医薬組成物の光曝露による細胞毒性の誘発を抑制することができる。従って、本発明は、更に別の観点から、クロモグリク酸及び/又はその塩を含有する水性医薬組成物の光曝露による細胞毒性の誘発を抑制する方法であって、該水性医薬組成物中で、(A)クロモグリク酸及び/又はその塩、(B)フルニソリド、及び(C)テルペノイドを共存させることを特徴とする細胞毒性の誘発抑制方法を提供する。また、本発明は、クロモグリク酸及び/又はその塩、並びにフルニソリドを含有する水性医薬組成物の光曝露により誘発される細胞毒性の抑制方法であって、該水性医薬組成物中で、(A)クロモグリク酸及び/又はその塩、(B)フルニソリド、及び(C)テルペノイドを共存させることを特徴とする細胞毒性の抑制方法を提供する。更に、本発明は、クロモグリク酸及び/又はその塩、並びにテルペノイドを含有する水性医薬組成物の光曝露により誘発される細胞毒性の抑制方法であって、該水性医薬組成物中で、(A)クロモグリク酸及び/又はその塩、(B)フルニソリド、及び(C)テルペノイドを共存させることを特徴とする細胞毒性の抑制方法を提供する。
更に、前述するように、水性医薬組成物中で、クロモグリク酸及び/又はその塩、フルニソリド、並びにテルペノイドを共存させることによって、水性医薬組成物の刺激感を緩和させることができる。従って、本発明は、更に別の観点から、水性医薬組成物中で、(A)クロモグリク酸及び/又はその塩、(B)フルニソリド、及び(C)テルペノイドを共存させることを特徴とする水性医薬組成物の刺激感を緩和する方法を提供する。
これらの方法において、使用するクロモグリク酸及び/又はその塩の種類や濃度、フルニソリドの種類や濃度、テルペノイドの種類や濃度、その他の配合成分の種類や濃度、水性医薬組成物の製剤形態や用途等については、前記「I. 水性医薬組成物」の欄に記載の通りである。
以下に、実施例、試験例等に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
試験例1 保存効力の評価試験
表1に示す組成の水性医薬組成物(実施例1及び比較例1-1〜1-3)を調製し、これらの水性医薬組成物を用いて、日本薬局方(第15改正)に定める方法に準じて保存効力試験(防腐試験)を行い、各水性医薬組成物の保存効力を評価した。
具体的には、Escherichia coli (ATCC8739)を、ソイビーン・カゼイン・ダイジェストカンテン平板培地の表面に接種して、33℃で24時間培養を行った。培養菌体を白金耳で無菌的に採取し、適量の滅菌生理食塩水に浮遊させて、約1×108CFU/mLの生菌を含む細菌浮遊液を調製した。この細菌浮遊液200μLを、各水性医薬組成物20mLに添加して、表2に示す初期菌濃度にした後に、23℃で3日間静置した。保存3日後の各水性医薬組成物について、生菌濃度を測定し、日本薬局方(第15改正)に定める保存効力試験の製剤判定基準を参考として、残存静菌濃度が初期菌濃度の0.1%以下であれば適(判定○)、0.1%より多ければ不適(判定×)として判定した。
結果を表2及び図1に示す。この結果から、比較例1-1〜1-3の水性医薬組成物のいずれにおいても保存効力が不十分であったのに対して、実施例1の水性医薬組成物では、保存剤を特段添加していないにも拘わらず、Escherichia coliに対して優れた保存効力を示すことが明らかとなった。
Figure 0005213371
Figure 0005213371
試験例2 細胞毒性の評価試験
表3に示す組成の水性医薬組成物(実施例1及び比較例2-1〜2-3)を調製した。
Figure 0005213371
これらの水性医薬組成物に対して、光安定性試験装置(「Light-Tron LT-120 D3CJ型」、ナガノ科学株式会社)を用いて光曝露を行った。より詳しくは、D65ランプを光源として0.5万lxの光を120時間連続照射し、積算照射量60万lx・hrの光量を曝露させた。斯くして光曝露した各水性医薬組成物の細胞毒性について、コルネパック(正常ウサギ角膜上皮細胞:NRCE2、ウサギ角膜上皮細胞増殖用無血清液体培地:RCGM2、いずれもクラボウ社製)及びNR試薬セット(NRCE2用、クラボウ社製)を用いて試験を行った。本試験は、NR試薬セットに添付されている取扱説明書、「正常ウサギ角膜上皮細胞を用いたニュートラルレッド法(NR法)」に準じて行った。
正常ウサギ角膜上皮細胞(2次培養細胞)を96ウェルマルチプレートに100μLずつ2000cells/wellとなるように接種し、37℃、5%CO2条件下で3日間培養した。斯くして培養した角膜上皮細胞を含む各ウェルに、光曝露後の水性医薬組成物を100μLずつ添加し、37℃、5%CO2条件下で3日間培養した(3次培養)。次いで、ニュートラルレッド水溶液(5mg/mL)を生理食塩水にて33倍希釈したもの(ニュートラルレッド濃度約150μg/mL)を各ウェルに100μLずつ添加し、37℃、5%CO2条件下で2時間インキュベートした。上清を除去後、1重量%ホルマリン水溶液(1重量% 塩化カルシウムを含む)200μLで細胞を1分間固定・洗浄した。続いて、上清を除去し、50重量%エタノール水溶液(1重量%酢酸含有)100μLを用いて細胞からニュートラルレッドを20分間抽出し、生存する細胞数をマイクロプレートリーダーを用いて540nmにおけるニュートラルレッドの吸光度を測定することにより求めた。また、コントロールとして、水性医薬組成物の代わりに、基剤のみの処方液(クロモグリク酸、フルニソリド及びl-メントールを含有しないこと以外は、実施例1と同組成の組成物)を添加したものについても同様に試験を行い、540nmにおけるニュートラルレッドの吸光度を測定した。下式に従って、各水性医薬組成物を添加した際の細胞生存率を算出した。
Figure 0005213371
結果を図2に示す。この結果から、クロモグリク酸ナトリウムと、フルニソリド又はl-メントールとの併用は、光曝露後の細胞生存率の低下が認められ、光曝露によって細胞毒性が誘発されることが明らかとなった。これに対して、クロモグリク酸ナトリウム、フルニソリド及びl-メントールを組み合わせて含むことによって、クロモグリク酸ナトリウム単独の場合と同等の細胞生存率を示し、光曝露によって誘発される細胞毒性が抑制されていることが確認された。
試験例3 刺激感の評価試験
表4に示す組成の水性医薬組成物(点鼻剤;実施例1及び比較例3-1〜3-2)を調製し、定量噴霧型点鼻スプレー容器に充填した。鼻腔粘膜が過敏と思われる被験者2名によって、刺激感の評価試験を実施した。具体的には、実施例1の点鼻剤を両鼻に2プッシュずつ点鼻し、刺激感を点鼻直後に評価した。6時間後、同様に両鼻に比較例3-1の点鼻剤を2プッシュずつ点鼻し、同様に刺激感を点鼻直後に評価し、実施例1と比較例3-1の点鼻剤について比較した。別の日に、同様の手順で実施例1と比較例3-2の比較を行った。なお、本試験は、いずれもn=2で実施した。
Figure 0005213371
結果を表5に示す。表5に示すように、被験者2名はいずれも、実施例1の点鼻剤が、比較例3-1及び3-2の点鼻剤に比べて、刺激感が少ないと知覚した。この結果から、クロモグリク酸ナトリウム、フルニソリド及びl-メントールを三成分同時に配合することにより、刺激感が緩和された点鼻剤を得られることが判明した。
Figure 0005213371
製剤例
以下の表6−8に記載の処方で水性医薬組成物(実施例2−18)を調製した。
Figure 0005213371
Figure 0005213371
Figure 0005213371
試験例1において、水性医薬組成物(実施例1及び比較例1-1〜1-3)の保存効力を評価した結果である。 試験例2において、光曝露後の水性医薬組成物(実施例1及び比較例2-1〜2-3)の細胞毒性を評価した結果である。

Claims (11)

  1. (A)クロモグリク酸及び/又はその塩、(B)フルニソリド、及び(C)メントールを含有することを特徴とする水性医薬組成物。
  2. (C)メントールが、l−メントール、d−メントール、及びdl−メントールよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1記載の水性医薬組成物。
  3. 点鼻剤又は点眼剤である、請求項1又は2に記載の水性医薬組成物。
  4. (A)クロモグリク酸及び/又はその塩の総量100重量部に対して、(B)フルニソリドが1.25〜5重量部、(C)メントールが0.02〜10重量部である、請求項1乃至3のいずれかに記載の水性医薬組成物。
  5. (B)フルニソリドの配合割合が、水性医薬組成物の総量当たり0.0125〜0.025w/v%である、請求項1乃至4のいずれかに記載の水性医薬組成物。
  6. pHが4.8〜8.5である、請求項1乃至5のいずれかに記載の水性医薬組成物。
  7. 更に、緩衝剤を含有することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の水性医薬組成物。
  8. 水性医薬組成物中で、(A)クロモグリク酸及び/又はその塩、(B)フルニソリド、及び(C)メントールを共存させることを特徴とする、水性医薬組成物の保存効力を改善する方法。
  9. クロモグリク酸及び/又はその塩、並びにフルニソリドを含有する水性医薬組成物の光曝露により誘発される細胞毒性の抑制方法であって、該水性医薬組成物中で、(A)クロモグリク酸及び/又はその塩、(B)フルニソリド、及び(C)メントールを共存させることを特徴とする、細胞毒性の抑制方法。
  10. クロモグリク酸及び/又はその塩、並びにメントールを含有する水性医薬組成物の光曝露により誘発される細胞毒性の抑制方法であって、該水性医薬組成物中で、(A)クロモグリク酸及び/又はその塩、(B)フルニソリド、及び(C)メントールを共存させることを特徴とする、細胞毒性の抑制方法。
  11. 水性医薬組成物中で、(A)クロモグリク酸及び/又はその塩、(B)フルニソリド、及び(C)メントールを共存させることを特徴とする、水性医薬組成物に刺激感の緩和作用を付与する方法。
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