JP5213000B1 - 転倒防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】建物の天井が構造的に剛性の低いものであっても、梁、長押、鴨居等の水平材が、家具類等の屋内設置物の上方に存在する場合、その水平材を利用して地震による屋内設置物の背面側の浮き上がりを抑える。
【解決手段】家具類の上面7上に立設される支柱2と、支柱2に固定して設けられた水平材対応部材4と、を備える。水平材対応部材4は、支柱2に固定された支柱固定部41と、支柱固定部41から略鉛直下方に延出した鉛直部42と、鉛直部42から略水平方向に延出し、建物の梁16の下部に上方へ係合可能に設けられた水平材係合部43と、を有する。
【選択図】図2
【解決手段】家具類の上面7上に立設される支柱2と、支柱2に固定して設けられた水平材対応部材4と、を備える。水平材対応部材4は、支柱2に固定された支柱固定部41と、支柱固定部41から略鉛直下方に延出した鉛直部42と、鉛直部42から略水平方向に延出し、建物の梁16の下部に上方へ係合可能に設けられた水平材係合部43と、を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、家具類、事務機器などの屋内設置物が地震の揺れによって転倒することを防止する転倒防止装置に関する。
従来より、壁面に背を向けて設置された家具類の上面と、室内の天井面との隙間に設置することで、地震の揺れで家具類が転倒することを防止する転倒防止装置が知られている。この転倒防止装置は、家具類の上面と天井面との隙間に合わせて上下方向の寸法を調整することができるようになっており、更に、家具類の上面と天井面との間で上下方向に突っ張る機能を持たせたものもある(例えば特許文献1を参照。)。
壁面に背を向けて設置された家具類が地震の揺れによって転倒する場合、家具類の下部前端部が支点となり、家具類の上部が前方に傾倒するような転倒動作を行う。このため、転倒防止装置は、家具類の上面の背面近くに配置され、当該上面と天井面との間で突っ張った状態で設置される。これにより、地震発生時に、家具類の背面側の浮き上がりが抑えられ、家具類の下部前端部が支点となって家具類の上部が前方に傾倒する上記転倒動作の発生が防止される。
ところで、建物の天井には、和室の木張り天井、オフィスビルのシステム天井などのように構造的に剛性の低いものが多く見受けられる。建物の天井の剛性が低い場合は、家具類と天井との間に設置した転倒防止装置の突張り力を十分に確保できない。その結果、地震発生時に家具類の背面側の浮き上がりを抑えられず、家具類が転倒してしまう危険性が高まる。
本発明はかかる課題に鑑みて創案されたものであり、建物の天井が構造的に剛性の低いものであっても、梁、長押、鴨居等の水平材が、家具類等の屋内設置物の上方に存在する場合、その水平材を利用して地震による屋内設置物の背面側の浮き上がりを抑えることができる転倒防止装置を提供することを目的とする。
本発明の転倒防止装置は、屋内設置物の上面上に立設される支柱と、前記支柱に固定して設けられた水平材対応部材と、を備え、前記水平材対応部材は、前記支柱に固定された支柱固定部と、前記支柱固定部から略鉛直下方に延出した鉛直部と、前記鉛直部から略水平方向に延出し、建物の水平材の下部に上方へ係合可能に設けられた水平材係合部と、を有することを特徴としている。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、上記「建物の水平材」には、梁などの横架材のほか、長押、鴨居、付け鴨居などのように略水平方向に延在する部材(但し天井を除く)が含まれるものとする。また、上記「水平材の下部に上方へ係合」とは、直接的な係合のほか、水平材を覆う化粧板、クロス等の介在物を介した係合の意味も含まれるものとする。
上記構成を備える転倒防止装置によれば、屋内設置物の上面に支柱が立設した状態で、水平材係合部が建物の水平材の下部に上方へ係合することで、屋内設置物の背面側の浮き上がりを抑えることができるため、天井が構造的に剛性の低いものであっても、当該屋内設置物の転倒を防止することができる。
本発明によれば、建物の天井が構造的に剛性の低いものであっても、建物の水平材が屋内設置物の上方に存在する場合、その水平材を利用して地震による屋内設置物の背面側の浮き上がりを抑えて、当該屋内設置物の転倒を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る転倒防止装置について図面を参照しながら説明する。以下では、屋内設置物の例として家具類を挙げて説明する。
図1および図2に示すように、本発明の実施の形態に係る転倒防止装置1は、左右一対の支柱2、これらの支柱2を連結する横軸材3、各支柱2の上端に固定して設けられた水平材対応部材4、各支柱2の下端に設けられた基台5、ジャッキ機構6などで主に構成されている。
支柱2は、壁面23に背を向けて設置された家具類の上面7上に基台5を介して立設されており、上下に伸縮可能な構造を有している。この伸縮可能な構造は、各支柱2が、外筒部材9と、該外筒部材9内に軸方向にスライド自在に嵌め込まれた内筒部材11と、内筒部材11が外筒部材9から露出する長さを固定するためのねじ式の固定手段12と、を備えることにより実現されている。図1に示す例では、外筒部材9の上端から内筒部材11が上方に延出可能となっている。
横軸材3は、上記2本の支柱2を連結して、家具類の上面7での転倒防止装置1の自立状態を安定化させる。この横軸材3は横方向に伸縮可能な構造を有し、支柱2同士の離間距離を調整可能としている。この伸縮構造とするために、横軸材3は、外筒部材10と、該外筒部材10の両側からそれぞれスライド自在に嵌め込まれた2本の内筒部材8と、内筒部材8が外筒部材10の両端から露出する長さを固定するためのねじ式の固定手段12と、を備えている。横軸材3の両端部(内筒部材8の先端部)は、接続部材13を介して支柱2に接続されている。
水平材対応部材4は、図3および図4に示すように、支柱固定部41、鉛直部42、水平材係合部43等で構成されている。
支柱固定部41は、支柱2の上端部(内筒部材11の上端部)に固定されている。図面に例示する支柱固定部41は、内筒部材11の上端部に固定された板状のものとなっている。
鉛直部42は、支柱固定部41から略鉛直下方に延出している。図面に例示する鉛直部42は、上端が支柱固定部41の端部から連続し、上から下に向かって途中で拡幅した板状のものとなっている。さらに、図2に示すように、鉛直部42は、その片面が梁16の側面に沿う鉛直面42aを形成している。なお、図4において、45は、鉛直部42を梁16の側面に固定するために、釘、ビス等の固定具17を挿通するための貫通孔である。
鉛直部42と支柱固定部41との間には、鉛直部42の剛性を高めるためのリブ15が設けられている。また、鉛直部42は、その下端部の支柱2側の面に形成された凸部44を介して支柱2(外筒部材9)の側面に接触ないし近接している。これらにより、鉛直部42が支柱2側に過度に撓んでしまうことが防止されている。但し、リブ15は省略されていてもよい。なお、図に示す凸部44は長手方向を略水平方向に向けた半円柱状のものとなっている。
水平材係合部43は、鉛直部42から略水平方向に延出し、家具類の上方にある梁16の下部に上方へ係合可能な形状とされている。図面に例示する水平材係合部43は、鉛直部42の下端から略水平方向に延出した板状のものとなっており、その上面が梁16の下面に沿うように形成されている。なお、図示しないが、水平材係合部43の上面と梁16の下面との間に、粘着性シート、両面接着テープ等の滑り止め用緩衝材を介設してもよい。
上記梁16は、建物の水平材の一例として挙げており、「建物の水平材」には、梁16などの横架材のほか、長押、鴨居、付け鴨居などのように略水平方向に延在する部材(但し天井を除く)が含まれる。
基台5は、図1および図2に示すように、家具類の上面7に載置され、その上面に支柱2の下端が接続されている。基台5と家具類の上面7との間には、粘着性シート、両面接着テープ等の滑り止め用緩衝材14が介設されている。
ジャッキ機構6は、基台5と支柱2とを軸方向に離反させ、基台5と水平材対応部材4との間で突張力を発生させる突張力発生手段として機能する。本実施形態におけるジャッキ機構6は、図2に示すように、基台5の隆起部5a上に、支柱2と同じ軸上で回転自在に嵌着されたダイヤル19と、ダイヤル19の中心に回転一体に固設されたボルト21と、支柱2の下端部に埋め込まれるとともに、上記ボルト21に螺着されたナット22とで主に構成されている。この構成により、ダイヤル19を手で廻すと支柱2はジャッキ作用により軸方向上方に持ち上げられ、その結果、支柱2とともに、支柱2に固定された水平材対応部材4が持ち上げられる。
以上のように構成された転倒防止装置1を家具類の上面7に設置するに当たっては、先ず、転倒防止装置1を家具類の上面7の梁16の近くに載置する。つぎに、横軸材3の固定手段12を解除して、支柱2同士の離間距離を調整可能な状態とし、各支柱2の水平方向位置を定めた後、横軸材3の長さを固定手段12により固定する。つぎに、支柱2の固定手段12を解除して、支柱2を短くして、水平材係合部43を梁16の下に配置する。その後、支柱2を伸ばして、水平材係合部43を梁16の下部に当接させ、各支柱2の長さを固定手段12により固定する。これにより、水平材係合部43が梁16の下部に上方へ係合した状態となる。
さらに、ダイヤル19を手で廻して基台5と水平材対応部材4との間で突張力を発生させる。これにより、基台5が家具類の上面7を押圧するとともに、水平材対応部材4の水平材係合部43が梁16の下部を上方に押圧し、家具類の上面7と梁16との間で強い反発力が形成される。必要な場合は、最後に、釘、ビス等の固定具17を鉛直部42の貫通孔45を通して梁16の側面に打ち付ける。
このように設置された本実施形態に係る転倒防止装置1によれば、家具類の上面7上に支柱2が立設された状態で、支柱2に固定して設けられた水平材対応部材4の水平材係合部43が梁16の下部に上方へ係合し、さらに、ジャッキ機構6により、家具類の上面7と梁16との間で強い反発力が形成されるため、地震による家具類の背面側の浮き上がり(転倒動作の発生)が強力に抑え込まれる。したがって、この転倒防止装置1によれば、天井18が構造的に剛性の低いものであっても、地震による家具類の転倒を防止することができる。
また、本実施形態に係る転倒防止装置1によれば、家具類の上面7と梁16の下面との上下方向の隙間がいくら小さくても、水平材係合部43を低い位置まで下がるものとすれば、設置することが可能となる。
また、本実施形態に係る転倒防止装置1によれば、図5に示すように、水平材係合部43を係合させる水平材が、付け鴨居24のように、壁面23との段差が小さなものであっても、水平材係合部43として、水平方向寸法が小さいものを採用することで、支柱2をできるだけ壁面23に近づけた状態で設置することが可能となる。これにより、地震による家具類の背面側の浮き上がりをより効果的に抑えることができる。
なお、既述の実施形態に係る転倒防止装置1は、ジャッキ機構6を備えるものであったが、ジャッキ機構6を備えない転倒防止装置であっても一定の作用効果が得られる。すなわちジャッキ機構6が省略されても、家具類の上面7上に支柱2を立設した状態で、水平材係合部43を梁16(付け鴨居24等)の下部に上方へ係合させれば、地震による家具類の背面側の浮き上がりをある程度抑えることが可能であり、家具類の転倒を防止することができる。
また、既述の実施形態に係る転倒防止装置1は、2本の支柱2を備えるものであったが、本発明の適用は、支柱2が1本のタイプのものでも適用可能である。例えば、図1に示す転倒防止装置1において、一方の支柱2、該一方の支柱2の上端に固定された水平材対応部材4および基台5、並びに横軸材3等を省略したものであっても本発明の適用は可能である。
1 転倒防止装置
2 支柱
4 水平材対応部材
7 家具類(屋内設置物)の上面
14 梁(建物の水平材)
41 支柱固定部
42 鉛直部
43 水平材係合部
2 支柱
4 水平材対応部材
7 家具類(屋内設置物)の上面
14 梁(建物の水平材)
41 支柱固定部
42 鉛直部
43 水平材係合部
Claims (1)
- 屋内設置物の上面上に立設される支柱と、
前記支柱に固定して設けられた水平材対応部材と、
を備え、
前記水平材対応部材は、
前記支柱に固定された支柱固定部と、
前記支柱固定部から略鉛直下方に延出した鉛直部と、
前記鉛直部から略水平方向に延出し、建物の水平材の下部に上方へ係合可能に設けられた水平材係合部と、
を有することを特徴とする転倒防止装置。
Priority Applications (1)
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JP5213000B1 true JP5213000B1 (ja) | 2013-06-19 |
JP2014113363A JP2014113363A (ja) | 2014-06-26 |
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JPH0719214A (ja) * | 1993-06-30 | 1995-01-20 | Shigeo Nemoto | 家具固定具 |
JP3014649U (ja) * | 1995-02-10 | 1995-08-15 | 北栄工業株式会社 | 家具転倒防止金具 |
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