JP5212205B2 - 鉄鋼材料の腐食及び塗膜剥離の防止方法 - Google Patents

鉄鋼材料の腐食及び塗膜剥離の防止方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌による鉄鋼材料の腐食と塗膜剥離の防止方法に関する。
2001年米国のFHWA(The US Federal Highway Administration)により金属の腐食に関わるコストの調査結果が報告された(非特許文献1)。本報告によると、米国では金属腐食による損失は年間2760億ドルに達し、国内総生産(GDP)の3.1%に相当すると報告されている。また、米国のガス産業において、パイプライン等の腐食に掛かるコストが年間134億ドルに達し、この内の約20億ドル(約15%)は微生物腐食によるものと報告されている(非特許文献2)。わが国においても腐食防食協会と日本防錆技術協会を中心とする腐食コスト調査委員会の調査により、1997年にわが国の腐食対策に講じた費用は3兆9千億円で、わが国の国内総生産(GDP)の0.8%に相当すると報告されている(非特許文献3)。以上のように、腐食による被害額は甚大であり、これを防ぐことは資源の乏しい我が国にとって重要な課題である。
微生物腐食はこれまで鉄鋼材料を中心に多く報告されている。酸素が利用できる好気条件と、酸素が利用できない嫌気条件で、それぞれ異なる種類の微生物が鉄鋼材料の腐食作用を示すことが知られている。好気条件では、例えば、鉄酸化細菌が強力な酸化剤である三価の鉄イオンを生成することで、鉄鋼材料を腐食することが報告されている(非特許文献4)。好気性微生物でかつ酸性を好む鉄酸化細菌であるチオバチルス フェロオキシダンスによる腐食に対する対策技術としては、例えば、亜鉛と、マンガン、コバルト、マグネシウム、及び銅等のいずれかの抗菌元素を含む合金メッキが有効であることが報告されている(特許文献3)。
一方、嫌気条件の微生物腐食の原因微生物としては、硫酸塩還元菌に関する多くの報告がある。硫酸塩還元菌は、海水等に含まれる硫酸塩を硫化物に還元する活性を有する。その結果発生する硫化水素は、鉄を始めとしてさまざまな金属と硫化物を作るため、強い腐食性が知られている。また、硫酸塩還元菌には、水素原子あるいは水素分子をプロトンに酸化できる酵素、ヒドロゲナーゼを有するものがある。嫌気条件下、即ち酸化還元電位の低い還元的な環境条件では、中性条件においても水の分解により発生するプロトンを用いて、鉄表面でカソード反応が起こり、水素原子さらに水素分子が形成される(この反応にカップルして、アノードでは、鉄の酸化が起こり、Fe(II)が生成する)。この際、ヒドロゲナーゼ活性を有する硫酸塩還元菌は、カソード反応で生成する水素原子あるいは水素分子を、カソード反応で電子受容体となるプロトンに酸化し、鉄表面を復極させて、カソード反応を促進する。この結果、電子の授受が円滑に進むため、嫌気条件における鉄の酸化、鉄のアノード溶解が促進される。このようなヒドロゲナーゼを有する硫酸塩還元菌による腐食促進メカニズムは、カソード復極説として知られている(非特許文献5)。
例えば、油井等、石油環境では、硫酸塩還元菌による腐食影響は、大きな課題になっている(非特許文献6)。段階的な希釈により硫酸塩還元菌を検出、存在量をモニタリングするための簡易なキット等が、石油生産に関わる産業分野では使用されている(非特許文献7)。
以上のように、硫酸塩還元菌による鉄鋼材料の微生物腐食は、広く知られており、その検出や存在量測定のための技術が報告されている。また、硫酸塩還元菌の増殖を抑制する方法等も考案されている。例えば、非特許文献8では、抗生物質を生産する微生物を共存させることで、硫酸塩還元菌の増殖を抑制する方法等が報告されている。
また、硫酸塩還元菌の他にも、嫌気環境に棲息する微生物生態系を構成する主要な微生物として、メタン生成菌が知られている。しかし、メタン生成菌を嫌気環境における腐食原因菌としては、一般的にこれまで認知されてこなかった。例えば、非特許文献8には、微生物腐食の原因菌が紹介されているが、この中でメタン生成菌は、腐食原因菌として説明されていない。これは、硫酸塩還元菌の生成する硫化水素が極めて強力な腐食原因物質であるのに対して、メタン生成菌が生成するメタンは、腐食原因物質ではないことが、メタン生成菌が腐食原因菌としてみなされてこなかったことの、要因として考えられる。しかし、メタン生成菌が鉄腐食に関与するとの報告もある(非特許文献9)。そして最近、強い鉄腐食作用のあるメタン生成菌が単離された(特許文献1)。また、鉄腐食性メタン生成菌は硫酸塩還元菌と共存すると、中性条件において、より激しく鉄を腐食するとの報告がある(特許文献2、非特許文献10)。さらに、非特許文献11では、鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌により、エポキシ樹脂で塗装された鉄鋼材料において、塗膜欠陥がある場合、無菌やメタン生成菌単独、あるいは硫酸塩還元菌単独の場合、塗膜の剥離が起きないが、鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌が共存する場合、塗膜 剥離が起き、鉄が激しく腐食することが報告されている。しかしながら、嫌気性微生物である鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌の共存によって、中性条件で引き起こされる激しい鉄腐食に対する具体的な対策方法は、今のところ無いのが現状である。
特開2008-43258号公報 特開2008-215852号公報 特開2005-60786号公報
Report FHWA-RD-01-156, September 2001. National Energy Technology Laboratory, DE-FC26-01NT41158 わが国における腐食コスト(腐食防食協会、日本防錆技術協会) (1997) エンジニアのための微生物腐食入門(腐食防食協会) (丸善) (2004) Von Wolzogen Kuehr and van der Vlugt, Water 16, 147 (1934) Microbiologically Influenced Corrosion, NACE International p.43 (1997) Zuo R, Wood TK., Appl Microbiol Biotechnol. 65: 747 (2004) 腐食反応とその制御(第3版) ユーリック、レヴィー共著 (産業図書) (1989) Daniels, et al., Science 237, 509 (1987) Ito, et al., Eurocorr 2008, Paper No.1063 (2008) Ito, et al., International Corrosion Congress 2008, Paper No.3737 (2008)
嫌気性微生物である、鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌の共存によって激しく鉄が腐食する現象は、最近明らかにされたばかりであるため、特に材料側からの対策方法が未だ確立されていないのが現状である。
前記好気性微生物の鉄酸化細菌による腐食は、強力な酸化力を有する酸素が存在し、かつ、鉄腐食を促進する酸性条件で起こる腐食現象である。しかし、嫌気性微生物である鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌による腐食は、酸素が存在しない嫌気性環境で、かつ中性条件で起こる腐食であり、前記鉄酸化細菌による腐食とは全く異なる条件で起こる腐食である。
本発明者らは、特願2008-72172号で、エポキシ樹脂で塗装された鉄鋼材料において、塗膜欠陥がある場合、鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌による腐食と塗膜剥離を防止するため、前記鉄鋼材料と塗膜欠陥部位で接する水を含む液体の性状を特定の条件とすることで、鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌による腐食と塗膜剥離を防止する方法を見出した。しかしながら、前記鉄鋼材料と塗膜欠陥部位で接する水を含む液体は、腐食環境の塗膜部位と言う局所的な環境に存在する液体であり、その性状を所望の条件に設定することは容易でない場合も考えられる。したがって、鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌による腐食に対する材料側からの対策技術の確立が重要であると考えられる。
そこで、本発明では、嫌気性微生物である鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌による鉄腐食に対する材料側からの対策方法を提供する。
前記課題を解決するため鋭意検討を行なった結果、鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌による鉄腐食を防止する方法を確立することに成功し、本発明を完成するに至った。本発明の要旨とするところは次の(一)〜()である。
(一) 表面の一部又は全面をエポキシ樹脂の塗膜で覆われてなる鉄鋼材料の表面が、メタン生成菌と硫酸塩還元菌を共に含む水含有液体と接触している際における前記鉄鋼材料の腐食及び塗膜剥離の防止方法であって、
前記表面と接する水含有液体において、
(1) 溶存酸素濃度を1mg/L未満、
(2) 酸化還元電位を−100mV(飽和塩化カリウム/銀塩化銀電極基準)未満、
(3) pHが5以上9.5未満、
(4) 塩素イオン濃度を10mg/L超、
(5) 炭酸水素イオン濃度が10mg/L超、
(6) 温度が15℃超50℃未満、
の(1)〜(6)の群の全ての条件を満たす場合において、鉄鋼材料とエポキシ樹脂塗膜の間に亜鉛を含む層を設け
前記亜鉛を含む層が、亜鉛のみからなる層、若しくは、亜鉛を85質量%以上含み、他の構成元素としてニッケル、アルミニウム、マグネシウム、鉄のいずれかを含む合金からなる層であることを特徴とする鉄鋼材料の腐食及び塗膜剥離の防止方法。
) 前記亜鉛を含む層の厚さが10μm以上200μm以下であることを特徴とする(一)に記載の鉄鋼材料の腐食及び塗膜剥離の防止方法。
) 前記エポキシ樹脂が、タールエポキシ樹脂であることを特徴とする(一)又は(二)に記載の鉄鋼材料の腐食及び塗膜剥離の防止方法。
) 前記鉄腐食性メタン生成菌が金属鉄を電子供与体として、二酸化炭素、炭酸、炭酸水素イオン、炭酸イオンを炭素源として培養可能な鉄腐食性のメタン生成菌であることを特徴とする(一)〜()のいずれか一項に記載の鉄鋼材料の腐食及び塗膜剥離の防止方法。
本発明により、鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌による鉄鋼材料の腐食及び塗膜剥離を防止することが可能となる。
まず、本発明が対象とする鉄鋼材料について説明する。本発明で鉄鋼材料とは、鉄を主要な成分として含む、純鉄、炭素鋼、合金鋼を意味する。
本発明は、表面の一部又は全面をエポキシ樹脂の塗膜で覆われてなる前記鉄鋼材料の表面が、メタン生成菌と硫酸塩還元菌を共に含む水含有液体と接触している際における前記鉄鋼材料の腐食と塗膜剥離の防止方法に関するものである。
前記表面と接する水含有液体において、
(1) 溶存酸素濃度を1mg/L未満、
(2) 酸化還元電位を-100mV(飽和塩化カリウム/銀塩化銀電極基準)未満、
(3) pHが5以上9.5未満、
(4) 塩素イオン濃度を10mg/L超、
(5) 炭酸水素イオン濃度が10mg/L超、
(6) 温度が15℃超50℃未満、
の(1)〜(6)の群の全ての条件を満たす場合が、本発明の腐食及び塗膜剥離の防止方法が対象とする前記表面と接する水含有液体の条件である。このような条件において、鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌の共存による鉄腐食作用が活発になることが予想されるため、鉄鋼材料側で微生物による腐食と塗膜剥離の対策を可能とすることが重要となる。なお、上記水含有液体の条件を外れる場合は、本発明者らが既に出願した特願2008-72172号に記載の方法で、鉄鋼材料の腐食及び塗膜剥離を防止できるものである。
そこで、本発明は、鉄鋼材料とエポキシ樹脂塗膜の間に亜鉛を含む層を設けることで、鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌による腐食を防止することと塗膜剥離を防止することができる。
前記亜鉛を含む層は、亜鉛のみからなる層、若しくは、亜鉛を85質量%以上含み、他の構成元素としてニッケル、アルミニウム、マグネシウム、鉄のいずれかを含む合金からなる層であることが好ましい。亜鉛のみからなる層は、電気亜鉛めっきや溶融亜鉛めっきをすることで容易に得られ、鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌の共存による鉄腐食と塗膜剥離に対して腐食防止と塗膜剥離防止作用を有する。また、亜鉛の含有割合が85質量%以上であり、かつ、亜鉛以外の構成元素がニッケル、アルミニウム、マグネシウム、鉄のいずれかからなる合金の層であれば、亜鉛のみからなる層と同様に、鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌による鉄腐食と塗膜剥離を防止することが可能である。ここで、亜鉛-ニッケル合金層は電気亜鉛-ニッケルめっきにより、亜鉛-アルミニウム合金層は溶融亜鉛-アルミニウムめっきにより、亜鉛-マグネシウム合金層は溶融亜鉛-マグネシウムめっきにより、また、亜鉛-鉄合金層は電気亜鉛-鉄めっきや溶融亜鉛めっきをした後合金加熱処理をすることで、それぞれ容易に得られる。また、ニッケル、アルミニウム、マグネシウム、鉄から選ばれる複数種類の金属を亜鉛以外の成分として含む合金からなる層も亜鉛を85質量%以上含むものであれば、本発明の亜鉛を含む合金からなる層である。また、前記亜鉛のみからなる層、若しくは、亜鉛を85質量%以上含み、他の構成元素としてニッケル、アルミニウム、マグネシウム、鉄のいずれかを含む合金からなる層を、さらに化成処理、ノンクロメート処理やクロメート処理したものも、鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌による鉄腐食と塗膜剥離を防止することが可能であるため、本発明の前記亜鉛を含む層に含まれる。
前記亜鉛を含む層は、上述の溶融めっき、電気めっきの他にも、亜鉛や各種亜鉛合金の溶射や、亜鉛や各種亜鉛合金を含有する塗料の塗装等により、鉄鋼材料の表面に形成させることができる。この亜鉛を含む層の上からエポキシ樹脂で塗装することにより、鉄鋼材料とエポキシ樹脂塗膜の間に、前記亜鉛を含む層を設けることが可能である。
前記亜鉛を含む層の厚さは、10μm以上200μm以下であることが好ましい。なぜならば、前記亜鉛を含む層の厚さが10μm未満の場合には、鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌による腐食を防止する期間が短期間となる可能性があるため、この亜鉛を含む層の厚さは10μm以上が好ましい。また、この亜鉛を含む層の厚さは、厚いほど鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌による腐食作用と塗膜剥離作用を抑制する効果が期待できるものの、亜鉛含む層の厚さが200μmを超える場合、本発明の腐食防止と塗膜剥離防止の目的に対して過剰の亜鉛若しくは亜鉛を含む合金を使用することになり経済的に不利である。したがって、前記亜鉛を含む層の厚さは10μm以上200μm以下であることが好ましい。腐食防止と塗膜剥離を長期間安定に保ち、かつ、過剰の亜鉛もしくは亜鉛を含む合金を使用しないための経済性から、前記亜鉛を含む層の厚さは20μm以上150μm以下であることがより好ましい。
なお、本発明が対象とする鉄腐食性のメタン生成菌は、金属鉄を電子供与体として、二酸化炭素を炭素源として培養可能な鉄腐食性のメタン生成菌である。このような性質を有するメタン生成菌として、例えば、メタノコッカレス(Methanococcales)目メタノコッカシアエ(Methanococcaceae)科に属する受託番号NITE BP-252で特定されるメタノコッカス マルパリディス KA1株(Methanococcus maripaludis KA1)、又は、受領番号NITE AP-709で特定されるメタノコッカス マルパリディス OS7株(Methanococcus maripaludis OS7)、又は、受領番号NITE AP-708で特定されるメタノコッカス マルパリディス Mic1C10株(Methanococcus maripaludis Mic1C10)がある。但し、これら以外の金属鉄を電子供与体として、二酸化炭素、若しくは、溶存態の二酸化炭素、炭酸、炭酸水素イオン、炭酸イオン及びこれらの塩のいずれかを炭素源として培養可能な鉄腐食性のメタン生成菌も、本発明が腐食を防止する又は塗膜剥離を防止する対象となる鉄腐食性のメタン生成菌である。
また、硫酸塩還元菌は、硫酸塩還元反応によって硫化水素イオンあるいは硫化物イオンを生成する。硫酸塩還元菌によって硫化水素イオンあるいは硫化物イオンが生成すると、液体の酸化還元電位が下がり、溶存酸素濃度も低下する。したがって、硫酸塩還元菌がメタン生成菌と共存すると、低い酸化還元電位を好む嫌気性微生物のメタン生成菌にとって好適な環境が形成され、メタン生成菌による鉄鋼材料の腐食を促進する。したがって、メタン生成菌と共存する硫酸塩還元菌は、硫酸塩還元反応によって、硫化水素イオンあるいは硫化物イオンを生成するので、どのような硫酸塩還元菌でも構わない。但し、鉄を電子供与体として、二酸化炭素を炭素源として利用可能な性質を有する、硫酸還元菌が共存すると、メタン生成菌による腐食はより激しくなる。
このような性質を持つ硫酸塩還元として、例えば、デスルホビブリオナレス(Desulfovibrionales)目デスルホビブリオナシアエ(Desulfovibrionaceae)科に属する硫酸塩還元菌がある。特に、デスルホビブリオナレス(Desulfovibrionales)目デスルホビブリオナシアエ(Desulfovibrionaceae)科に属するMIC5-15株(NEDO事業「微生物を利用した石油の環境安全対策に関する調査」で単離)は、メタン生成菌との共存により激しい鉄鋼材料の腐食をもたらす。但し、これら以外の硫酸塩還元菌であっても、勿論、構わない。
前記のように、鉄を電子供与体、二酸化炭素、若しくは、溶存態の二酸化炭素、炭酸、炭酸水素イオン、炭酸イオン及びこれらの塩のいずれかを炭素源として利用可能なメタン生成菌や硫酸還元菌を培養するために用いる培養液として、例えば、表Aに記載の鉄炭酸培地がある。勿論、鉄を電子供与体、二酸化炭素を炭素源とする条件を満たす培地であれば、これ以外の培地を用いることも可能である。
尚、メタン生成菌と硫酸塩還元菌が共存する状態についてであるが、同一の水含有液体中にメタン生成菌と硫酸塩還元が共に存在することを意味する。メタン生成菌と硫酸塩還元菌が共存する場合に、主要な腐食原因となるのはメタン生成菌である。これは、メタン生成菌と硫酸塩還元菌が共存する場合の腐食生成物の主要成分が、メタン生成菌単独による腐食と同様に、炭酸鉄であることからわかる。硫酸塩還元菌による腐食生成物である硫化鉄は、炭酸鉄と比較して僅かに検出される。したがって、メタン生成菌と硫酸塩還元菌の共存による腐食において、単独でも強い腐食作用のあるメタン生成菌の腐食作用を抑制することが重要である。
尚、メタン生成菌と硫酸塩還元菌が共存する環境としては、例えば、石油タンクの下部に溜まった水やスラッジ、荷油管内部の下部に溜まった水やスラッジ、海域底泥や近傍の貧酸素海水、船舶の海水を貯留するバラストタンクの下部に溜まった海水やスラッジ等の環境がある。
尚、上記のメタン生成菌や硫酸塩還元菌の存在確認方法としては、例えば、気相中にメタンや水含有液体中に硫化水素イオンや硫化物イオンを検出することにより、その存在を確認することができるし、また、上記菌類が有するDNAやRNAの特徴的な塩基配列を用いて、PCR(Polymerase Chain Reaction)やFISH(Fluorescence in situ hybridization)等の方法で、存在を確認することも可能である。
次に、本発明において対象としている、表面の一部あるいは全部を塗膜で覆われた鉄鋼材料と接する、水含有液体の性状に関して説明する。
原油等では、原油中に含まれるエマルジョン状で存在する水であるかん水は、海水と同様に高濃度(10mg/L超)の塩素イオンを含む場合が多い。さらに、油井環境の多くは二酸化炭素が高濃度(炭酸水素イオン濃度として10mg/L超)で存在している。また、原油を貯留するタンク等では防爆のため高濃度の二酸化炭素を含む燃焼排ガスがイナートガスとして用いられる場合も多い。さらに、海水圧入により得られる原油等では、高濃度の塩素イオンのみならず、硫酸イオンも原油中にエマルジョン状に含まれるかん水中に含まれることになる。
本発明者らは、温度が15℃超50℃未満において、メタン生成菌単独でも炭酸腐食を起こすが、メタン生成菌と硫酸塩還元菌が共存すると、さらに激しい炭酸腐食を起こす現象を見出した。海水やかん水のpHは、pH7〜8程度であり、メタン生成菌や硫酸塩還元菌の棲息に適した中性のpHである。さらに、原油中にエマルジョン状に存在している水は、水の方が油分よりも比重が大きいため、原油や石油を静置すると、水が下に溜まることになる。このような水は、上部に厚い原油や石油の層が存在しており、酸素は、原油や石油の有機物を分解する微生物により消費しつくされてしまうため、油層の下に溜まる水は、酸素が殆ど存在しない(溶存酸素濃度:1mg/L未満)嫌気性条件(酸化還元電位が-100mV(飽和塩化カリウム/銀塩化銀電極基準)未満)になっていることが考えられる。二酸化炭素は原油に含まれる油井環境からの持ち込みや、イナートガスのみならず、微生物による有機物の分解によっても供給される。
したがって、タンクや荷油管等の底が鉄鋼材料である場合、温度が15℃超50℃未満で、酸素が殆どない嫌気性環境で塩素イオン濃度が高く、場合によっては硫酸イオン濃度も高い、pH5以上9.5未満の水が、高濃度の二酸化炭素の存在条件で鉄鋼材料と接して存在することになり、鉄腐食性メタン生成菌若しくは鉄腐食性メタン生成菌と硫酸塩還元菌の共存による炭酸腐食を激しく受ける条件が揃っていることになる。
尚、原油等に含まれるエマルジョン状の水の水質の測定についてであるが、エマルジョン状の水を含む原油等を静置することにより比重の差を利用して水を原油の油層より下部に集める他、遠心分離によって水を集めることも可能である。このようにして集めた水を水質の測定に供することが可能である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例にその技術的範囲が限定されるものではない。
(実施例1)
縦10mm×横10mm×厚さ1mmの純鉄試験片と、前記純鉄試験片の表面に厚さ10μmの亜鉛を含む層を溶融亜鉛メッキにより設けた亜鉛メッキ試験片を用意した。タールエポキシ塗装により試験片の片方の表面(亜鉛を含む層を設けた試験片では、亜鉛を含む層側の表面)のみ、中央に直径2mmの円形の範囲のみ塗装せず、他は全てタールエポキシの塗膜で覆った試験片を作成した。このように作成した試験片を塗膜欠陥試験片とした。一方、対照として全面塗装した試験片も作成した。
これら試験片を1枚ずつ、容積70mLのガラスバイアルに入れた。このバイアルにN2(80%)+CO2(20%)ガスで十分脱酸素した、表Bに記載の試験液を20mLずつ入れた。この試験液は、表Aに記載の鉄炭酸培地から、金属鉄を除いたものである。さらに、上部の気相もこのN2(80%)+CO2(20%)ガスで満たした。鉄を電子供与体、二酸化炭素を炭素源として培養可能な鉄腐食性のメタン生成菌であるメタノコッカス マリパルディスの培養液0.5mLと、同じく前記条件で培養可能な硫酸塩還元菌であるMIC5-15株の培養液0.5mLを添加して、緩やかに攪拌後、37℃で5ヶ月間静置した。
本試験の試験片と接する試験液の溶存酸素濃度は0.2mg/L未満、酸化還元電位は-300mV(飽和塩化カリウム/銀塩化銀電極基準)、pHは7、塩素イオン濃度は約14000mg/L、試験温度は37℃であり、本発明の前記(一)に記載の
(1) 溶存酸素濃度を1mg/L未満、
(2) 酸化還元電位を-100mV(飽和塩化カリウム/銀塩化銀電極基準)未満、
(3) pHが5以上9.5未満、
(4) 塩素イオン濃度を10mg/L超、
(5) 炭酸水素イオン濃度が10mg/L超、
(6) 温度が15℃超50℃未満、
の(1)〜(6)の全ての条件を満たしており、鉄腐食性メタン生成古細菌と硫酸塩還元菌による腐食と塗膜剥離作用が促進される条件であることを確認した。
5ヶ月後、培養液中の鉄濃度、亜鉛濃度を調べた。また、塗膜欠陥部の試験片表面の腐食深さを測定した。対照の全面塗装試験片に関しても対応する同位置で腐食深さを測定した。本試験は各条件の試験片数をn=3として実施した。
腐食試験液の鉄濃度及び亜鉛濃度の分析結果を表Cに示した。また、塗膜欠陥の試験片露出部の腐食について、断面方向に孔食状の腐食深さが大きな点を5点取って、腐食深さを測定した。結果を表Dに示した。また、塗膜剥離の有り無しを顕微鏡で観察した結果について表Eに示した。
以上の試験結果より、タールエポキシ塗膜に欠陥がある場合、鉄鋼材料が露出していると、鉄腐食性メタン生成古細菌と硫酸塩還元菌の作用によって、塗膜欠陥部で鉄の腐食が起こると共に、塗膜剥離が起こった。しかし、鉄とタールエポキシ塗膜の間に厚さ10μmの亜鉛を含む層を設けた亜鉛メッキした試験片では、塗膜欠陥部においても鉄の腐食は防止することができた。さらに、塗膜の剥離も防止されることが確認できた。
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(実施例2)
縦10mm×横10mm×厚さ1mmの純鉄試験片と、前記純鉄試験片の表面に厚さ10μmの亜鉛を85%、ニッケルを15%含む合金の層、亜鉛を85%、アルミニウムを11%、マグネシウムを4%含む合金の層、亜鉛を85%、鉄を15%含む合金の層を設けた3種類の亜鉛合金メッキ試験片を用意した。
タールエポキシ塗装により試験片の片方の表面(亜鉛合金の層を設けた試験片では、亜鉛合金の層側の表面)のみ、中央に直径2mmの円形の範囲のみ塗装せず、他は全てタールエポキシの塗膜で覆った塗膜欠陥試験片を作成した。
これら試験片を1枚ずつ、容積70mLのガラスバイアルに入れた。このバイアルにN2(80%)+CO2(20%)ガスで十分脱酸素した、表Bに記載の試験液を20mLずつ入れた。この試験液は、表Aに記載の鉄炭酸培地から、金属鉄を除いたものである。さらに、上部の気相もこのN2(80%)+CO2(20%)ガスで満たした。鉄を電子供与体、二酸化炭素を炭素源として培養可能な鉄腐食性のメタン生成菌であるメタノコッカス マリパルディスの培養液0.5mLと、同じく前記条件で培養可能な硫酸塩還元菌であるMIC5-15株の培養液0.5mLを添加して、緩やかに攪拌後、37℃で5ヶ月間静置した。
本試験の試験片と接する試験液の溶存酸素濃度は0.2mg/L未満、酸化還元電位は-300mV(飽和塩化カリウム/銀塩化銀電極基準)、pHは7、塩素イオン濃度は約14000mg/L、試験温度は37℃であり、本発明の前記(一)に記載の
(1) 溶存酸素濃度を1mg/L未満、
(2) 酸化還元電位を-100mV(飽和塩化カリウム/銀塩化銀電極基準)未満、
(3) pHが5以上9.5未満、
(4) 塩素イオン濃度を10mg/L超、
(5) 炭酸水素イオン濃度が10mg/L超、
(6) 温度が15℃超50℃未満、
の(1)〜(6)の全ての条件を満たしており、鉄腐食性メタン生成古細菌と硫酸塩還元菌による腐食と塗膜剥離作用が促進される条件であることを確認した。
5ヶ月後、塗膜欠陥部の試験片表面の腐食深さを測定した。塗膜欠陥の試験片露出部の腐食について、断面方向に孔食状の腐食深さが大きな点を5点取って、腐食深さを測定した。結果を表Fに示した。また、塗膜剥離の有り無しを顕微鏡で観察した結果について表Gに示した。
鉄が露出していると、鉄腐食性メタン生成古細菌と硫酸塩還元菌の作用によって、塗膜欠陥部で鉄の腐食が起こると共に、塗膜剥離が起こった。しかし、鉄とタールエポキシ塗膜の間に厚さ10μmの亜鉛を85%、ニッケルを15%含む合金の層、亜鉛を85%、アルミニウムを11%、マグネシウムを4%含む合金の層、亜鉛を85%、鉄を15%含む合金の層を設けたそれぞれ3種類の亜鉛合金メッキ試験片では、塗膜欠陥部においても鉄の腐食は防止することができた。さらに、塗膜の剥離も防止されることが確認できた。
Figure 0005212205
Figure 0005212205
(実施例3)
縦10mm×横10mm×厚さ1mmの純鉄試験片と、前記純鉄試験片の表面に厚さ5μm、10μm、200μmの亜鉛を含む層を溶融亜鉛メッキにより設けた亜鉛メッキ試験片を用意した。タールエポキシ塗装により試験片の片方の表面(亜鉛を含む層を設けた試験片では、亜鉛を含む層側の表面)のみ、中央に直径2mmの円形の範囲のみ塗装せず、他は全てタールエポキシの塗膜で覆った試験片を作成した。このように作成した試験片を塗膜欠陥試験片とした。一方、対照として全面塗装した試験片も作成した。
これら試験片を1枚ずつ、容積70mLのガラスバイアルに入れた。このバイアルにN2(80%)+CO2(20%)ガスで十分脱酸素した、表Bに記載の試験液を20mLずつ入れた。この試験液は、表Aに記載の鉄炭酸培地から、金属鉄を除いたものである。さらに、上部の気相もこのN2(80%)+CO2(20%)ガスで満たした。鉄を電子供与体、二酸化炭素を炭素源として培養可能な鉄腐食性のメタン生成菌であるメタノコッカス マリパルディスの培養液0.5mLと、同じく前記条件で培養可能な硫酸塩還元菌であるMIC5-15株の培養液0.5mLを添加して、緩やかに攪拌後、37℃で5ヶ月間静置した。
本試験の試験片と接する試験液の溶存酸素濃度は0.2mg/L未満、酸化還元電位は-300mV(飽和塩化カリウム/銀塩化銀電極基準)、pHは7、塩素イオン濃度は約14000mg/L、試験温度は37℃であり、本発明の前記(一)に記載の
(1) 溶存酸素濃度を1mg/L未満、
(2) 酸化還元電位を-100mV(飽和塩化カリウム/銀塩化銀電極基準)未満、
(3) pHが5以上9.5未満、
(4) 塩素イオン濃度を10mg/L超、
(5) 炭酸水素イオン濃度が10mg/L超、
(6) 温度が15℃超50℃未満、
の(1)〜(6)の全ての条件を満たしており、鉄腐食性メタン生成古細菌と硫酸塩還元菌による腐食と塗膜剥離作用が促進される条件であることを確認した。
5ヶ月後、塗膜欠陥部の試験片表面の腐食深さを測定した。塗膜欠陥の試験片露出部の腐食について、断面方向に孔食状の腐食深さが大きな点を5点取って、腐食深さを測定した。結果を表Hに示した。また、塗膜剥離の有り無しを顕微鏡で観察した結果について表Iに示した。
以上の試験結果より、タールエポキシ塗膜に欠陥がある場合、鉄が露出している場合、鉄腐食性メタン生成古細菌と硫酸塩還元菌の作用によって、塗膜欠陥部で鉄の腐食が起こると共に、塗膜剥離が起こった。一方、鉄とタールエポキシ塗膜の間に厚さ5μmの亜鉛を含む層を設けた亜鉛メッキした試験片では、亜鉛メッキ層厚が薄いため、鉄腐食性メタン生成古細菌と硫酸塩還元菌の作用によって、塗膜欠陥部で鉄の腐食が起こり始めていることが判る。しかし、鉄とタールエポキシ塗膜の間に厚さ10μm又は200μmの亜鉛を含む層を設けた亜鉛メッキした試験片では、塗膜欠陥部においても鉄の腐食は防止することができた。さらに、塗膜の剥離も防止されることが確認できた。
Figure 0005212205
Figure 0005212205

Claims (4)

  1. 表面の一部又は全面をエポキシ樹脂の塗膜で覆われてなる鉄鋼材料の表面が、メタン生成菌と硫酸塩還元菌を共に含む水含有液体と接触している際における前記鉄鋼材料の腐食及び塗膜剥離の防止方法であって、
    前記表面と接する水含有液体において、
    (1) 溶存酸素濃度を1mg/L未満、
    (2) 酸化還元電位を−100mV(飽和塩化カリウム/銀塩化銀電極基準)未満、
    (3) pHが5以上9.5未満、
    (4) 塩素イオン濃度を10mg/L超、
    (5) 炭酸水素イオン濃度が10mg/L超、
    (6) 温度が15℃超50℃未満、
    の(1)〜(6)の群の全ての条件を満たす場合において、鉄鋼材料とエポキシ樹脂塗膜の間に亜鉛を含む層を設け
    前記亜鉛を含む層が、亜鉛のみからなる層、若しくは、亜鉛を85質量%以上含み、他の構成元素としてニッケル、アルミニウム、マグネシウム、鉄のいずれかを含む合金からなる層であることを特徴とする鉄鋼材料の腐食及び塗膜剥離の防止方法。
  2. 前記亜鉛を含む層の厚さが10μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の鉄鋼材料の腐食及び塗膜剥離の防止方法。
  3. 前記エポキシ樹脂が、タールエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄鋼材料の腐食及び塗膜剥離の防止方法。
  4. 前記鉄腐食性メタン生成菌が金属鉄を電子供与体として、二酸化炭素、炭酸、炭酸水素イオン、炭酸イオンを炭素源として培養可能な鉄腐食性のメタン生成菌であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の鉄鋼材料の腐食及び塗膜剥離の防止方法。
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