JP5211630B2 - 焼結機の点火炉、点火炉の炉内温度調整方法 - Google Patents
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Description
点火炉は、上述した成分から構成される焼結原料に点火する炉であり、一対の側壁、一対の仕切壁、天井壁、及びバーナを備えて構成される。
一対の側壁は、パレットの進行方向に直交する幅方向端部に配置され、一対の仕切壁は、パレットの進行方向における、一対の側壁の前側端部同士及び後側端部同士を連結している。天井壁は、一対の側壁及び一対の仕切壁で囲まれた空間の上面を覆い、複数のバーナは、天井壁に貫通して設けられ、下方に火炎を放射して、パレット内の焼結原料を加熱する。
このため、従来、点火炉の天井壁に設置されるバーナのうち、パレットの進行方向に直交する幅方向端部に配置されるバーナを、パレット内壁の傾斜面に沿った角度に配置し、焼結原料を過不足なく加熱する構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、天井壁に設置されるバーナを天井壁に対して上下させることにより、焼結原料の加熱ムラを防止する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、天井壁の高さ位置を固定した状態でバーナを上下に移動させると、例えば、下降させたバーナの直下の原料が選択的に加熱され、却って加熱ムラを生じてしまうという可能性がある。
(1) パレット内に焼結原料を装入し、該パレットを進行させながら、前記焼結原料を焼結する焼結機の点火炉であって、
前記パレットを挟んで、該パレットの進行方向に直交する幅方向に対向配置される一対の側壁と、
前記パレットの進行方向における、前記一対の側壁の前側端部同士及び後側端部同士を連結する一対の仕切壁と、
前記一対の側壁及び前記一対の仕切壁で囲まれた空間の上面を覆う天井壁と、
前記天井壁を貫通して該天井壁と一体的に設けられ、下方に火炎を放射して、前記パレット内の焼結原料を加熱・点火する複数のバーナとを備え、
前記天井壁が上下に移動する可動壁とされ、
前記可動壁は、複数の壁ブロックを組み合わせて構成されて、各壁ブロックが独立して上下に移動可能とされ、
前記可動壁と他の壁のジョイント部、又は、隣り合う前記壁ブロックのジョイント部には、耐火シールが施され、
前記ジョイント部には、該ジョイント部で向き合う各壁又は各壁ブロックのジョイント面にセラミックファイバシートが張り付けられていることを特徴とする焼結機の点火炉。
前記ジョイント部には、側面略U字状に折り曲げられ、前記ジョイント部で向き合う各壁又は各壁ブロックのジョイント面に、端部が張り付けられた1枚のセラミックファイバシートが介在していることを特徴とする焼結機の点火炉。
(3) (1)に記載の焼結機の点火炉において、
前記ジョイント部上面には、前記セラミックファイバシートの当接面上部に、セラミックロープが設けられていることを特徴とする焼結機の点火炉。
前記天井壁には、前記点火炉内部の温度を測定する温度検出センサが設けられていることを特徴とする焼結機の点火炉。
(5) (4)に記載の焼結機の点火炉において、
前記温度検出センサは、前記天井壁の幅方向に複数配列して設けられていることを特徴とする焼結機の点火炉。
(6) (5)に記載の焼結機の点火炉において、
複数の前記温度検出センサは、前記パレットの進行方向における、前記複数のバーナの下流側に配置されていることを特徴とする焼結機の点火炉。
前記一対の仕切壁のうち、少なくともいずれかの仕切壁も、可動壁であることを特徴とする焼結機の点火炉。
(8) (1)乃至(7)のいずれかに記載の焼結機の点火炉において、
前記一対の側壁のうち、少なくともいずれかの側壁も、可動壁であることを特徴とする焼結機の点火炉。
(9) (1)乃至(8)のいずれかに記載の焼結機の点火炉において、
前記天井壁は、上面に配置される金属製の板状体と、この板状体の下面に設けられる係止片に係止され、下方に垂下する耐火物支持体と、前記耐火物支持体の周りの空間に流し込まれた不定形耐火物が硬化した耐火物硬化体とを備えていることを特徴とする焼結機の点火炉。
(10) (1)乃至(9)のいずれかに記載の焼結機の点火炉において、
前記天井壁は、上面に配置される金属製の板状体と、前記板状体の下面に設けられ、下方に垂下する金属製支持体と、前記金属製支持体の周りの空間に流し込まれた不定形耐火物が硬化した耐火物硬化体とを備えていることを特徴とする焼結機の点火炉。
前記点火炉は、
前記パレットを挟んで、該パレットの進行方向に直交する幅方向に対向配置される一対の側壁と、
前記パレットの進行方向における、前記一対の側壁の前側端部同士及び後側端部同士を連結する一対の仕切壁と、
前記一対の側壁及び前記一対の仕切壁で囲まれた空間の上面を覆う天井壁と、
前記天井壁を貫通して該天井壁と一体的に設けられ、下方に火炎を放射して、前記パレット内の焼結原料を加熱・点火する複数のバーナとを備え、
前記天井壁が上下に移動する可動壁とされ、
該可動壁は、複数の壁ブロックを組み合わせて構成されて、各壁ブロックが独立して上下に移動可能とされ、
前記可動壁と他の壁のジョイント部、又は、隣り合う前記壁ブロックのジョイント部には、耐火シールが施され、
前記ジョイント部には、該ジョイント部で向き合う各壁又は各壁ブロックのジョイント面にセラミックファイバシートが張り付けられ、
前記天井壁に温度検出センサを設置して、前記点火炉内の幅方向の炉内温度の分布を測定する手順と、
測定された炉内温度の分布に基づいて、前記可動壁を上下に移動させ、前記点火炉の炉内温度を調整する手順とを実施することを特徴とする焼結機の点火炉の炉内温度調整方法。
(12) (11)に記載の焼結機の点火炉の炉内温度調整方法において、
前記炉内温度の分布を測定する手順は、前記パレットの進行方向における、前記複数のバーナの下流側に、前記温度検出センサを幅方向に複数配列し、各温度検出センサの測定値から、前記炉内温度の分布を測定することを特徴とする焼結機の点火炉の炉内温度調整方法。
この発明によれば、一対の側壁、一対の仕切壁、天井壁のうち、少なくともいずれかの壁の少なくとも一部が上下に移動する可動壁とし、可動壁を移動させることにより、点火炉の炉内容積や放熱量を変化させることができる。従って、点火炉の内部の温度を測定して炉内の温度分布を把握し、炉内の温度分布に応じて可動壁を適切に移動させることにより、炉内の温度分布を均一に調整することができ、製品である焼結鉱の品質を安定させることができる。
また、可動壁を天井壁とすることにより、天井壁とともにバーナも上下に移動するため、バーナによる焼結原料への点火を容易にすることができる。
この発明によれば、可動壁が壁ブロックを組合せて構成されることにより、壁ブロックを必要最小限上下に移動させるだけで炉内の温度分布を調整することができ、さらには、壁全体を上下させる場合よりも、より細やかな温度分布の調整を実現できる。
ここで、耐火シールが施されるジョイント部の構成としては、ジョイント部で向き合う各壁又は各壁ブロックのジョイント面にセラミックファイバシートが張り付けられた構成を採用することができ、又は、側面略U字状に折り曲げられ、ジョイント部で向き合う各壁又は各壁ブロックのジョイント面に、端部が張り付けられた1枚のセラミックファイバシートが介在した構成を採用することができる。
この発明によれば、ジョイント部に耐火シールを施すことにより、ジョイント部から炉内の熱気が外部に放出されることを防止できるため、炉内を安定した温度分布とすることができる。
この発明によれば、温度検出センサにより、点火炉内部の温度分布を測定することができるため、測定結果に応じて可動壁の位置を調整することで、点火炉内部の温度分布を均一にすることができる。
また、焼結機では、幅方向に温度分布のバラツキが生じ易いので、温度検出センサを幅方向に複数配列して、各温度検出センサの測定値からより高精度に点火炉内部の温度分布を把握することができる。
さらに、複数の温度検出センサが複数のバーナの下流側に配置されることにより、バーナの火炎による炉内の温度分布を正確に把握することができるため、一層高精度に点火炉内部の温度分布を把握することができる。
この発明によれば、仕切壁を可動させることにより、パレット進行方向におけるバーナから放射された火炎の流れを制御することができるため、焼結原料の加熱ムラを無くして均一な品質の焼結鉱を製造することができる。
本発明では、可動壁は一対の側壁のうち、少なくともいずれかの側壁であるのが好ましく、一対の側壁いずれもが独立して上下に移動するのがより好ましい。
この発明によれば、側壁を上下に移動することにより側壁とパレット側面の重なり代を調整することができるため、パレット側面の外部から導入される空気の量を調整することで、炉内温度の分布を制御し易くなる。
また、天井壁を、上面に配置される金属製の板状体と、板状体の下面に設けられ、下方に垂下する金属製支持体と、金属製支持体の周りの空間に流し込まれた不定形耐火物が硬化した耐火物硬化体とを備えた構成としてもよい。
さらに、天井壁は、耐火物支持体及び金属製支持体を併用して構成してもよい。
この発明によれば、耐火物硬化体は、耐火物支持体及び金属製支持体の少なくともいずれかにより板状体に固定されるため、耐火物硬化体の面を、下面として天井壁に設置した際、耐火物硬化体が金属製の板状体から脱落することを防止できる。また、耐火物支持体を用いることにより、高温下でも耐火物硬化体を強固に板状体下面に保持することができる。
また、複数の温度センサを、パレットの進行方向における、複数のバーナの下流側に配置することにより、炉内温度分布の測定を一層高精度に行うことができる。
図1、図2には、本発明の実施形態に係るドワイドロイド式の焼結機1が示されている。この焼結機1は、粉末状の金属に、生石灰、酸化ケイ素、粉コークス等の凝結材を添加し、水分を加えて混練した焼結原料をパレット中に装入し、上部からバーナ火炎により加熱して焼結させ、焼結鉱を製造する装置であり、フィーダ2、パレット3、クローラ4、駆動輪5、遊動輪6、ダクト7、及び点火炉8を備えて構成される。
パレット3は複数設けられており、各パレット3は、クローラ4によって連結されている。このパレット3は、図2に示されるように、上部が開口された箱形状の金属製の容器であり、底部には、パレット3の連結方向に沿って延びるスリット状の開口が複数形成されている。
パレット3の高さは略700mmとされ、パレット3内には、400mm〜700mmの高さで焼結原料Mがフィーダ2から装入される。
ダクト7は、図示を略したが、ブロアに接続されており、ブロアを動作させると、パレット3の下方空間の空気を吸い出し、これに伴い、パレット3の上方から冷却された空気が導入され、点火炉8によって点火された焼結原料の燃焼を維持するとともに、燃焼後の焼結鉱を冷却する。
一対の側壁9は、パレット3の進行方向に沿って延びるように形成され、パレット3を挟むように対向配置され、各側壁9は、点火炉8に立設される複数本の支柱15に支持される。各側壁9の下端は、パレット3の側壁3Aの上端部を覆う位置まで延出している。
天井壁11は、一対の側壁9及び一対の仕切壁10によって囲まれる空間の上面を覆うように設けられており、仕切壁10と同様に、フレーム16に支持されている。この天井壁11には、図3のA1−A1線における断面図である図5に示されるように、天井壁11を貫通して、複数のバーナ12、13が設けられている。
また、パレット3の進行方向における、下流側のバーナ13は、図3のA3−A3線における断面図である図7に示されるように、バーナ12と同様に点火炉8の幅方向に複数配列して設けられ、幅方向両端にはバーナ14が複数設けられている。
しかしながら、点火炉8の構造は、これに限られず、例えば、図8に示されるように、バーナ12を点火炉8の幅方向に均等に配置した構成としてもよく、パレット3の進行方向に1段又は3段にバーナ12、13を配列してもよい。要するに、バーナ12、13、14の配置は、点火炉8の炉内温度が均一となるように、適宜設ければよい。
この温度検出センサ17は、バーナ12の上流側の略中央に1箇所、下流側に3箇所設けられており、下流側の複数の温度検出センサ17は、点火炉8の幅方向に複数配列して設けられている。本実施形態では、下流側の複数の温度検出センサ17は、幅方向両端及び略中央に設けられているが、より高精度に炉内温度を測定する場合には、温度検出センサ17の本数を増やせばよい。
すなわち、側壁9は、側壁ブロック19をパレット3の進行方向に3個配列して構成される(図3参照)。側壁ブロック19は、図6に示されるように、点火炉8の外周面に配置される鉄皮23と、鉄皮23の内面に溶接固定される複数の側面C字状のチャンネル材24と、各チャンネル材24に係止される複数の耐火物支持体25と、各耐火物支持体25の間の空間に不定形耐火物として流し込まれ、硬化した耐火物硬化体26とを備えている。
各天井壁ブロック21、22は、側壁ブロック19と同様に、上面に配置される鉄皮23と、鉄皮23の下面に溶接固定される側面C字状の複数のチャンネル材24と、各チャンネル材24に係止され、下方に垂下する複数の耐火物支持体25と、各耐火物支持体25の間に不定形耐火物として流し込まれ、硬化した耐火物硬化体26とを備えている。
金属製支持体27、28は、鉄皮23の下面に溶接固定される基部271、281と、この基部271、281から鉛直下方に延びる軸部272、282と、軸部272、282の中間及び先端に設けられるアンカー部273、283とを備えて構成される。アンカー部273、283は、軸部272、282の中間部分及び先端部に溶接固定される正面Y字状の部材である。尚、金属製支持体27の先端部のアンカー部273は、板状体を折り曲げて形成されたものであり、他のアンカー部273、283は、軸部272、282と同様の棒状体をY字状に折り曲げて形成される。これら金属製支持体27、28は、ステンレス製等の金属材料を加工して形成される。
まず、鉄皮23を基台に設置し、チャンネル材24、金属製支持体27、28を鉄皮23に溶接固定する。
次に、溶接固定されたチャンネル材24内に耐火物支持体25を、チャンネル材24の側方から差し込み、耐火物支持体25の基部251をチャンネル材24に係止させる。また、この際、バーナ12、13、14の火炎放射管12A、13A、14Aも鉄皮23上に設置しておく。
最後に、天井壁ブロック21、22の大きさに応じた型枠板で耐火物支持体25、金属製支持体27、28、及び火炎放射管12A〜14Aの設置された空間を囲み、必要に応じて鉄皮23の上面にセラミックス製のフェルトに水を含浸させたウェットフェルトを敷き詰め、その上に水で混練したスラリー状の不定形耐火物を流し込み、所定の雰囲気で養生し、硬化させて耐火物硬化体26とする。
一方、側壁ブロック19は、天井壁ブロック21、22の場合と略同様に、鉄皮23を基台に設置して、チャンネル材24を溶接した後、耐火物支持体25をチャンネル材24に係止させた後、不定形耐火物を流し込み、所定の雰囲気で養生し、硬化させて耐火物硬化体26とすることにより、製造される。
また、仕切壁ブロック20は、鉄皮23を基台に設置し、冷却配管部材23Aを鉄皮23に固定した後、不定形耐火物を流し込み、所定の雰囲気で養生し、硬化させて耐火物硬化体26とすることにより製造される。
具体的には、側壁ブロック19は、鉄皮23面上に流し込まれるアルミナシリカ系の断熱キャスタブルと、その上に流し込まれるアルミナ及びCaOを主成分とする耐火キャスタブルとの2層構成からなり、厚さは、略400mmに設定されている。
仕切壁ブロック20は、内部に冷却配管部材23Aが設けられているので、アルミナ及びCaOを主成分とする耐火キャスタブルのみからなり、厚さは、略300mmで設定している。
天井壁ブロック21、22は、鉄皮23の面にセラミックファイバ製のウェットフェルトを2層敷き詰め、その上にアルミナシリカ系の断熱キャスタブルを流し込み、さらにその上に流し込まれるアルミナ及びCaOを主成分とする耐火キャスタブルとの4層構成とされ、厚さは、略400mmに設定されている。
具体的に天井壁ブロック21、22間のジョイント部で説明すると、図12(A)、(B)に示されるように、ジョイント部で向き合う天井壁ブロック21のジョイント面211及び天井壁ブロック22のジョイント面221には、セラミックファイバシート29が張り付けられている。セラミックファイバシート29はアルミナ、シリカ、あるいはこれに加えてZrO2等の金属酸化物を原料とし、スピニング法で製造された繊維を積層し、ニードリングを行ってブランケット状に形成したシート状体として構成される。
また、詳しくは後述するが、セラミックファイバシート29は、図12(B)に示されるように、天井壁ブロック21、22の高さ位置を変更した場合であっても、耐火シール性能が損なわれないように、ジョイント面211、221の全面に亘って張り付けられている。
尚、セラミックファイバシート29の張り付けは、これに限られるものではなく、例えば、図13に示されるように、天井壁ブロック21、22の略2倍の高さ寸法を有するセラミックファイバシート30を、略中央部でU字状に折り曲げて、セラミックファイバシート30の端部を、各天井壁ブロック21、22のジョイント面211、221の下方部分31で接着するようにしてもよく、このような場合も、天井壁ブロック21、22の高さ位置を変更しても、耐火シール性能が損なわれることはない。
一方、天井壁ブロック21、22は、図15に示されるようなネジ締め構造により固定される。具体的には、天井壁ブロック21、22は、鉄皮23の上面に複数のスタッドボルト33が立設されており、フレーム16への固定に際しては、フレーム16に形成された孔にこのスタッドボルト33を挿通し、スタッドボルト33に螺合させた2つのナット34でフレーム16を上下で挟み込んで固定する。天井壁ブロック21、22の上下位置を調整する場合、下側のナット34を緩め、上側のナット34を回して上下位置を調整し、天井ブロック21、22が所望の位置に調整できたら、下側のナット34を回して固定する。仕切壁ブロック20も同様の構造でフレーム16に固定される。
ちなみに、仕切壁ブロック20、天井壁ブロック21、22の固定構造はこれに限られる訳ではなく、チェーンにて吊り下げて可動させることでも良い。
例えば、図16に示されるように、パレット3の進行方向下流側の仕切壁10(図15中右側)を構成する仕切壁ブロック20を下方に突出させ、バーナ12、13が一体的に設けられた天井壁11を構成する天井壁ブロック22を下方に突出させ、バーナ12、13の火炎をパレット3上の焼結原料Mに近づけるような設定が可能となる。
また、図17に示されるように、仕切壁10構成する仕切壁ブロック20を下方に突出させ、天井壁11を構成するバーナ12、13よりも上流側に設けられる天井壁ブロック21を下方に突出させることも可能である。
このように本実施形態に係る点火炉8では、側壁9、仕切壁10、及び天井壁11を構成する任意の壁ブロック19〜22を上下に移動可能となっており、壁ブロック19〜22の任意のブロックを炉内温度に応じて部分的に下方に突出させることも可能であり、天井壁11を構成する天井壁ブロック21、22を全体に下降させ、点火炉8の炉内空間全体の容積を小さくしたり、側壁9の一方を下降させ、下降させた側壁9の近傍の炉内温度を上昇させることが可能である。
まず、点火炉8を点火してバーナ12、13、14から火炎を放射した状態で、バーナ12、13、14の下流側に設置された複数の温度検出センサ17を用いて、点火炉8内部の温度分布を測定する。
例えば、点火炉8の幅方向の炉内温度の分布が、図19のグラフG1に示されるような形で検出された場合、炉内温度の分布にバラツキが生じないように天井壁11を構成する天井壁ブロック21、22の上下位置を調整する。
また、天井壁ブロック21、22を動かすことなく、側壁ブロック19を上昇させ、外気の導入量を増加させることにより、端部位置での炉内温度を降下させることで、炉内温度の分布の均一化を図ってもよい。
尚、本実施形態では、側壁9、仕切壁10、天井壁11を壁ブロック19〜22で分割形成していたが、これに限らず、側壁、仕切壁、天井壁を1つの大きな板体として構成し、これらの壁が独立して上下に移動するように構成してもよく、さらには、側壁、仕切壁、天井壁全てが独立して上下に移動しなければならないわけではなく、少なくともいずれかの壁が上下に移動可能となっていればよい。
Claims (12)
- パレット内に焼結原料を装入し、該パレットを進行させながら、前記焼結原料を焼結する焼結機の点火炉であって、
前記パレットを挟んで、該パレットの進行方向に直交する幅方向に対向配置される一対の側壁と、
前記パレットの進行方向における、前記一対の側壁の前側端部同士及び後側端部同士を連結する一対の仕切壁と、
前記一対の側壁及び前記一対の仕切壁で囲まれた空間の上面を覆う天井壁と、前記天井壁を貫通して該天井壁と一体的に設けられ、下方に火炎を放射して、前記パレット内の焼結原料を加熱・点火する複数のバーナとを備え、
前記天井壁が上下に移動する可動壁とされ、
前記可動壁は、複数の壁ブロックを組み合わせて構成されて、各壁ブロックが独立して上下に移動可能とされ、
前記可動壁と他の壁のジョイント部、又は、隣り合う前記壁ブロックのジョイント部には、耐火シールが施され、
前記ジョイント部には、該ジョイント部で向き合う各壁又は各壁ブロックのジョイント面にセラミックファイバシートが張り付けられていることを特徴とする焼結機の点火炉。 - 請求項1に記載の焼結機の点火炉において、
前記ジョイント部には、側面略U字状に折り曲げられ、前記ジョイント部で向き合う各壁又は各壁ブロックのジョイント面に、端部が張り付けられた1枚のセラミックファイバシートが介在していることを特徴とする焼結機の点火炉。 - 請求項1に記載の焼結機の点火炉において、
前記ジョイント部上面には、前記セラミックファイバシートの当接面上部に、セラミックロープが設けられていることを特徴とする焼結機の点火炉。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の焼結機の点火炉において、
前記天井壁には、前記点火炉内部の温度を測定する温度検出センサが設けられていることを特徴とする焼結機の点火炉。 - 請求項4に記載の焼結機の点火炉において、
前記温度検出センサは、前記天井壁の幅方向に複数配列して設けられていることを特徴とする焼結機の点火炉。 - 請求項5に記載の焼結機の点火炉において、
複数の前記温度検出センサは、前記パレットの進行方向における、前記複数のバーナの下流側に配置されていることを特徴とする焼結機の点火炉。 - 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の焼結機の点火炉において、
前記一対の仕切壁のうち、少なくともいずれかの仕切壁も、可動壁であることを特徴とする焼結機の点火炉。 - 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の焼結機の点火炉において、
前記一対の側壁のうち、少なくともいずれかの側壁も、可動壁であることを特徴とする焼結機の点火炉。 - 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の焼結機の点火炉において、
前記天井壁は、上面に配置される金属製の板状体と、この板状体の下面に設けられる係止片に係止され、下方に垂下する耐火物支持体と、前記耐火物支持体の周りの空間に流し込まれた不定形耐火物が硬化した耐火物硬化体とを備えていることを特徴とする焼結機の点火炉。 - 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の焼結機の点火炉において、
前記天井壁は、上面に配置される金属製の板状体と、前記板状体の下面に設けられ、下方に垂下する金属製支持体と、前記金属製支持体の周りの空間に流し込まれた不定形耐火物が硬化した耐火物硬化体とを備えていることを特徴とする焼結機の点火炉。 - パレット内に焼結原料を装入し、該パレットを進行させながら、前記焼結原料を焼結する焼結機の点火炉の炉内温度調整方法であって、
前記点火炉は、
前記パレットを挟んで、該パレットの進行方向に直交する幅方向に対向配置される一対の側壁と、
前記パレットの進行方向における、前記一対の側壁の前側端部同士及び後側端部同士を連結する一対の仕切壁と、
前記一対の側壁及び前記一対の仕切壁で囲まれた空間の上面を覆う天井壁と、
前記天井壁を貫通して該天井壁と一体的に設けられ、下方に火炎を放射して、前記パレット内の焼結原料を加熱・点火する複数のバーナとを備え、
前記天井壁が上下に移動する可動壁とされ、
該可動壁は、複数の壁ブロックを組み合わせて構成されて、各壁ブロックが独立して上下に移動可能とされ、
前記可動壁と他の壁のジョイント部、又は、隣り合う前記壁ブロックのジョイント部には、耐火シールが施され、
前記ジョイント部には、該ジョイント部で向き合う各壁又は各壁ブロックのジョイント面にセラミックファイバシートが張り付けられ、
前記天井壁に温度検出センサを設置して、前記点火炉内の幅方向の炉内温度の分布を測定する手順と、
測定された炉内温度の分布に基づいて、前記可動壁を上下に移動させ、前記点火炉の炉内温度を調整する手順とを実施することを特徴とする焼結機の点火炉の炉内温度調整方法。 - 請求項11に記載の焼結機の点火炉の炉内温度調整方法において、
前記炉内温度の分布を測定する手順は、前記パレットの進行方向における、前記複数のバーナの下流側に、前記温度検出センサを幅方向に複数配列し、各温度検出センサの測定値から、前記炉内温度の温度分布を測定することを特徴とする焼結機の点火炉の炉内温度調整方法。
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