JP5211595B2 - 車両用シートバック - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートのシートバックに関する。詳しくは、シートバックの軽量化を図るために、シートバックのバックフレームとして繊維強化型プラスチックからなる樹脂ボードと発泡体を使用した車両用シートバックに関する。
車両用シートのシートバックは、主に、シートバックの強度と剛性を担保するバックフレームと、乗員の座り心地を良好に保つと共に、車両衝突時の衝撃を吸収するシートパッドとからなる。従来の車両用シートでは、バックフレームとして強度及び剛性に優れる鋼板が使用されており、シートパッドにはウレタンパッドなどが使用されていた。しかし、生産性や燃費の向上のために車両用シートの軽量化が望まれているが、従来からの鋼鉄製バックフレームでは重量が大きい。そこで、バックフレームとして、従来からの鋼鉄製部材に代えて繊維強化型プラスチックからなる樹脂ボートを使用することで、車両用シートの軽量化を図ったものが提案されている。しかし、繊維強化型樹脂ボートは、一般的な樹脂ボートと比べれば強度及び剛性に優れるが、車両用シートのように、例えば衝突時などのように大きな荷重が作用するような部材としては、信頼性に欠ける。
そこで、樹脂ボードの一部を中空状に形成し、その中空空間内に発泡材を充填することで、強度及び剛性をさらに高めたバックフレームを使用したシートバックとして、特許文献1ないし特許文献3が提案されている。特許文献1や特許文献2では、中空空間内に発泡材を充填したバックフレームの前面に、乗員に快適な着座感を与えるシートパッドを配している。特許文献3では、中空空間内に発泡材を充填したバックフレームの中央部にシートパッドが内蔵された構成となっている。
特開昭57−4427号公報 特開2003−70588号公報 特開2001−169852号公報
しかし、特許文献1ないし特許文献3のシートバックのバックフレームは、樹脂ボードの一部を中空としたうえでその内部空間に発泡体を充填する必要があり、製造が煩雑である。また、特許文献1や特許文献2のシートバックでは、バックフレームの前面にも弾性の低い樹脂ボードが存在しているので、適度な座圧(座り心地)と衝撃吸収性を得るためにはシートパッドを厚くする必要があり、バックフレームに与えられる内部空間が少なくなる。これでは、シートバック内への種々の機能部品の取り回しが制限されると共に、バックフレームの強度や剛性も低下してしまう。これを避けるためにバックフレームを厚くすることが考えられるが、これではシートバック全体の厚みが大きくなってしまう。そもそも、従来と同様の厚みのシートパッドを使用しながら、強度及び剛性を担保するためにバックフレームを厚すれば、その分重量も増加し、シートバックの軽量化という本来の目的が没却されてしまう。逆に、その前面にも樹脂ボードの存在するバックフレームをある程度の厚みとしながら、シートバック全体の厚みが大きくなることを避けるためにシートパッドを薄くすれば、座り心地や衝撃吸収性が低下する。特にシートパッドが薄くなれば、例えばリトラクタなどの機能部品をシートバック内に内蔵した場合、シートパッドが薄いことで乗員に機能部品からの異物感を与えてしまう。
これに対し特許文献3では、バックフレームの前面に樹脂ボードが存在しながらも、乗員が主に接触する中央部にシートパッドを内蔵しているので、座り心地が悪化すること、及びシートバック全体の厚みが大きくなることを避けている。しかし、換言すればバックフレームの外周部分にはシートパッドが配されていない。これでは、乗員が運転時の重力などによってシートバックの中央部からズレれば、即シートバックの硬い外周部に接触するので、さらに座り心地が悪くなってしまうという問題を有する。
また、特許文献1ないし特許文献3のシートバックは、どのような車両用シートに適用されるかまでは特定されていない。したがって、例えば上記シートバックがリクライニング機構を介してシートクッションに回動可能に連結されているだけの車両用シートに適用した場合、当該シートバックは片持ち支持されているのみである。この場合、いくらバックフレームの強度や剛性がある程度高められているとしても、車両衝突時などの荷重が負荷された場合、シートバック下方のリクライニング機構部分に応力が集中するので、バックフレームがその荷重に耐え切れず破損するおそれが高い。
そこで本発明は、シートバック全体の厚みが大きくなることなく、快適な着座感を有しながら良好な衝撃吸収性及び強度や剛性を有するとともに、車両衝突時に破損するおそれの少ない軽量な車両用シートのシートバックを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の車両用シートのシートバックは、繊維強化型プラスチックからなる非中空平板状の樹脂ボードと、前記樹脂ボードの前面に配され、衝撃吸収性及び強度を確保させるための硬質発泡体と、前記硬質発泡体の前面に配され、乗員の着座感を良好に保つための、前記硬質発泡体よりも薄肉なシートパッドと、を備える。
シートパッドと樹脂ボードとの間に配される硬質発泡体は、発泡体である点において衝撃吸収性を担保しながら、硬質である点においてある程度の強度及び剛性も兼ね備えている。したがって、本発明における硬質発泡体は、ある意味ではバックフレームとして機能し、ある意味ではシートパッドとしても機能する。したがって、硬質発泡体はシートバックの主体を成し、最も厚みが大きい。樹脂ボードは繊維強化型プラスチックからなることで、軽量でありながら良好な強度及び剛性を有し、硬質発泡体の強度及び剛性を補う役割を果たす。したがって、樹脂ボードは薄肉で構わないことから、非中空平板状となっている。また、シートパッドは、従来からシートバックのシートパッドとして使用されていたウレタンフォームなどからなる周知のものであり、主に乗員の快適な着座感(座り心地)を担保する部材である。ここで、従来のシートパッドの大きな機能の1つでもある衝撃吸収性は、硬質発泡体によって担保されている。したがって、本発明のシートパッドには乗員の座り心地を確保させるだけでよい。そのため、本発明のシートパッドは乗員に快適な座圧を与えられるだけの最低限の厚みで足りることから、薄肉に形成されている。
このとき、前記硬質発泡体をアクリロニトリルスチレン(AS)製とし、その前面を乗員の着座姿勢に合わせた形状に形成しておくとよい。
このシートバックは、車両後方にトランクルームを有する車両に搭載されるリアシートに適用する。これにより、前記シートバックは、該シートバックの下部において車両フロア側に固設されたヒンジによって車両前後方向に回動自在に支持されていると共に、前記シートバックの上部において前記トランクルームの上面を区画するリアパネルに設けられた係合手段と係合していることで、上下両持ち支持状態となる。
また、前記硬質発泡体の背面に、シートバックの上下方向に向かって並設されている複数本の溝または突条を形成しておくことが好ましい。すなわち、硬質発泡体の背面が凹凸形状となっている。
本発明によれば、シートバックのバックフレームが、維強化型プラスチックからなる非中空平板状の樹脂ボードと硬質発泡体とで構成されている。これにより、シートバック全体の軽量化を図りながら、鋼板と同等の強度及び剛性が担保される。また、衝突時の衝撃吸収性は硬質発砲体によって確保されていることから、シートパッドには着座感を良好に維持させる機能のみでよいので、シートパッドを極力薄肉にできる。したがって、シートバック全体の厚みを従来からのシートバックと同等の厚みとしながら、硬質発砲体の厚みをできるだけ大きくできる。これにより、硬質発砲体によって衝撃吸収性と強度及び剛性を良好に発揮させることができると共に、シートバック内の機能部品設置スペースを大きく取ることが出来る。硬質発砲体の厚みが大きければ、シートバック内に内設される機能部品などによって乗員に異物感を与えることも避けられる。樹脂ボードを非中空平板状としていれば、中空部が前後2枚板となっている中空板を使用するよりも軽量化し易い。
硬質発泡体の前面を乗員の着座姿勢に合わせた形状としていれば、これの前面に配される薄肉のシートパッドも硬質発砲体の形状に沿った形状となる。したがって、乗員が着座したときに、シートバックが乗員の着座姿勢に的確にフィットし、良好な座圧を確保できる。
アクリロニトリルスチレンは、剛性及び耐衝撃性に優れると共に、湿熱による強度低下や寸法変化などの影響が少なく、シートバックの硬質発泡体として好適である。
シートバックの下部が車両フロア側に固設されたヒンジによって、シートバックの上部がリアパネルに設けられた係合手段によってそれぞれ支持された、上下両持ち支持状態となっていれば、車両衝突時などにシートバックに荷重が負荷されても、シートバック下部のヒンジ部のみに応力集中することがなく、シートバックの破損可能性を確実に低減できる。
硬質発泡体の背面が複数本の溝または突条によって凹凸形状を呈していれば、車両衝突時などに当該凹凸部分が優先的に形状変化する(潰れたり座屈する)ので、より硬質発泡体の衝撃吸収性を高めることができる。その溝または突状、すなわち凹凸形状がシートバックの上下方向に向かって形成されていれば、硬質発泡体は屈曲線が左右方向となる状態では撓み難くなる。したがって、上記上下両持ち支持による効果との相乗効果により、車両衝突時などの荷重によるシートバックの変形をより小さくでき、シートバックの破損可能性をより低減できる。
(実施例1)
以下に、適宜図面を参照しながら本発明に係る車両用シートのシートバックの実施例について説明するが、これに限定されることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲において種々の変更が可能である。図1に、本実施形態のシートバックを有するリアシートの側面図を示す。図2に、シートバックの下部を支持し、該シートバックの回動支点となるヒンジブラケットの分解斜視図を示す。図3に、実施例1に係るシートバックの分解斜視図を示す。図4に、トランクルームの上面を区画するリアパネルのフックに係合される、シートバック上部のストライカの取り付け構造を示す横断平面図を示す。図5に、実施例1に係るシートバックの横断平面図を示す。図6に、実施例1に係るシートバックに、車両衝突時などの荷重が負荷された状態のシートバックの横断平面図を示す。
本実施例1のシートバック2は、自動車などの車両用シートであって、車両の後部座席となるリアシート1に適用される。図1においてこのリアシート1は、本発明に係るシートバック2の他に、シートクッション3とヘッドレスト4とを有し、シートバック2がシートクッション3上に起立した姿勢と、シートクッション3上に倒された姿勢との間で、車両前後方向に起倒可能となっている。そして、リアシート1の後部に位置するトランクルーム6に開口部7が設けられ、リアシート1を車両前方側に倒すことによって、開口部7を介してトランクルーム6側空間と車内側空間とを連通させる構造の自動車に適用されるものである。このような構造の自動車によれば、トランクルーム6に設けられた開口部7を通じて、トランクルーム6内に収納した荷物の出し入れを、車内側からもできるようになっている。なお、リアシート1は、2〜3人掛けのベンチタイプであってもよいし、1人掛け用のセパレートタイプであってもよい。ベンチタイプの場合は、1つのリアシート1に複数の着座部が左右並列して設けられている。通常は、両タイプが混合搭載される。各図面には、セパレートタイプのリアシート1を図示している。
シートクッション3は、車両フロア8に載置固定される。一方シートバック2は、これの下部において車両フロア8に予め固定されているヒンジブラケット10に組み付けられており、当該ヒンジブラケット10を回動支点として、車両前後方向に起倒可能となっている。図2においてヒンジブラケット10は、固定片11と該固定片11の一側端から上方へ向かって一体的に立設する支持片12とからなる略L形の第1ヒンジ片13と、連結片14と該連結片14から一体的に折り曲げ形成されたアーム片15とからなる略L形の第2ヒンジ片16とで構成される。連結片14には、支持片12へカシメ固定するためのバーリング14aが一体形成されている。第1ヒンジ片13は、固定片11が車両フロア8にビス留めされて不動状態となっている。この第1ヒンジ片13の支持片12に、連結片14のバーリング14aを挿通してバーリングカシメすることで、第2ヒンジ片16が第1ヒンジ片13に対して回動自在に連結されている。そして、第2ヒンジ片16のアーム片15がシートバック2にワッシャー27を介してビス留めされることで、シートバック2がヒンジブラケット10を回動支点として車両前後方向へ起倒自在となっている。シートバック2への固定方法は後述する。
図3においてシートバック2は、繊維強化型プラスチック(FRP)からなる非中空平板状の樹脂ボード20と、該樹脂ボード20の前面に配され衝撃吸収性及び強度並びに剛性を確保させるための硬質発泡体21と、該硬質発泡体21の前面に配され乗員の着座感を良好に保つためのシートパッド22と、シートパッド22の前面から被せられる表皮5とを備える。樹脂ボード20は、合成樹脂(マトリックス樹脂)に強度が優れる繊維材を混合して成形されたプラスチック成形品であって、軽量でありながら良好な強度及び剛性を有するものである。合成樹脂としては特に限定されず、代表的には不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、PPS、PEEKなどの熱可塑性樹脂を使用できる。繊維材としては良好な強度を有するものであれば特に限定されず、例えばガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維などを使用できる。本実施例1では、ポリプロプレン(PP)にガラス繊維を混合した樹脂ボードを使用した。硬質発泡体21は、加熱によって発泡させた樹脂成形品である。硬質発泡体21としては、例えば硬質ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、フェノール樹脂フォーム、硬質PVCフォーム、ポリメタクリルイミド発泡体など、衝撃吸収性を有しながらも強度及び剛性を確保できる程度の硬度を有するものであれば使用可能であるが、本実施例1では、湿熱による強度低下や寸法変化などの影響が少ないアクリロニトリルスチレン(AS)を使用した。一方、シートパッド22は、従来から車両用シートのシートパッドとして使用されている、乗員に与える着座感が良好な周知の発泡体を使用すればよい。本実施例1では、ポリウレタンフォームを使用した。
硬質発泡体21は、主にこれによってシートバック2の衝撃吸収性や強度及び剛性を確保させるための部材であるため、シートバック2の主体を成すよう厚肉に形成されている。樹脂ボード20は、硬質発泡体21の強度及び剛性を補うために配される部材であるため必要最低限の厚みがあればよく、できるだけ薄肉に形成されている。この意味において、シートバック2のバックフレームは、樹脂ボート20と硬質発泡体21とからなる。一方、シートバック2の衝撃吸収性は硬質発泡体21によって担保されているので、シートパッド22は、乗員に良好な着座感を与えられる程度の最低限の厚みで足り、硬質発泡体21よりも薄肉で、従来からのシートパッドと比べてもかなり薄く形成されている。この意味において、シートバック2のクッション材は、硬質発泡体21とシートパッド22とからなる。このように、樹脂ボート20及びシートパッド22を極力薄肉としていることで、シートバック2全体の厚みを従来と同等の範囲で硬質発泡体21の厚み、すなわちシートバック2内の部品配設空間を大きくできる。本実施例2のシートバック2は従来と同様の厚みでありながら、バックフレームが軽量な樹脂ボート20と硬質発泡体21とによって構成されているので、良好な強度及び剛性を保ちながら、有意な軽量化が可能となっている。
本実施例1では、樹脂ボード20を約2.5mm、硬質発泡体21を約60mm、シートパッド22を約37.5mmとして、シートバック2を約100mmとした。例えばこの場合と、従来使用されていたSPC270からなる厚み0.75mmの波型鋼板とを比較してみる。鋼板、硬質発泡体、樹脂ボードの各物性を表1に、バックフレームとしての鋼板と硬質発泡体+樹脂ボードとの比較を表2に示す。
Figure 0005211595
Figure 0005211595
表2の結果からも明らかなように、バックフレームとして硬質発泡体+樹脂ボードを使用すれば、鋼板を使用した場合と同等以上の強度を有しながら、その質量を鋼板に比べて約20%も減少させることができる。なお、シートパッド22の厚みは、乗員に与える着座感の程度や素材に応じて、20〜40mm、好ましくは30〜40mmの範囲で適宜変更できる。また、シートパッド22の厚みに合わせて、硬質発泡体21の厚みもシートバック2が概ね100mmとなるような範囲で適宜変更できる。
図3に示されるように、樹脂ボード20は、シートバック2の背面全体をほぼ覆うような大きさの平板部20aと、該平板部20aの左右両辺から車両前方へ向かって延びる挟持片20bとを有する。また、平板部20aの下方左右両端には、ヒンジブラケット10との固定部20cが車両前方側へ突出形成されており、平板部20aの上方左右中央部には、トランクルーム6の上面を区画するリアパネル9(図1参照)から延びるフック25へ係合される金属製のストライカ26が固定されている。フック25が、本発明の係合手段に相当する。ストライカ26は、金属製の四角枠26aの左右中央部に上下方向で溶接されており、図4に示すごとく、四角枠26aを樹脂ボード20の前面(シートバック2の内面)にあてがい、当該四角枠26aを樹脂ボード20にワッシャ27を介してビス留めすることで、設けられている。樹脂ボード20における四角枠26aの周囲は、車両前方側へ凹んだ凹部20dとなっており、四角枠26aを固定するビス18がシートバック2(樹脂ボード20)の背面へ大きく突出することがないよう設計されている。また、ワッシャ27を介してビス留めしていることで、ビス18の締結圧によって樹脂ボード20が破損することが避けられている。図3に示すように、樹脂ボード20の前面(シートバック2の内面)には、上下方向に延びるリブ28が複数本一体的に並設されている。本実施例1では、左右に2本ずつ設けている。リブ28には、斜め方向に延びるものもある。
図5に示すように、硬質発泡体21は、樹脂ボード20の平板部20aの前面であって、左右の挟持片20b・20bの間に配された状態で、樹脂ボード20に接着または溶着によって接合される。このとき、例えば図1や図4に示されるように、樹脂ボード20の前面に配されるストライカ26の固定空間及びフック25の進入空間を確保するため、硬質発泡体21の背面の適所には、適度の大きさ及び深さの凹部21aが凹み形成されている。なお、図3の分解斜視図などには図示していないが、樹脂ボード20と硬質発泡体21との間には、例えばシートベルトのリトラクタ、ランバーサポート機構、サイドサポート機構などの各種機能部品や、その他シートバック2の構成部品などが配されることがある。その場合は、これらの機能部品などが配される部位に臨む硬質発泡体21の背面に、これらの機能部品などを覆うことができるだけの所定寸法の凹部を適宜凹み形成しておく。
硬質発泡体21の前面は、乗員の着座姿勢に的確に対応した形状に形成されている。具体的には、左右中央部の着座部21bと、該着座部21bの左右において前方側へ膨出するサイドサポート部21c・21cとが形成されており、乗員がすっぽり収まるような形状となっている。そして、この硬質発泡体21の前面に、平板状のシートパッド22が接着または溶着によって接合されている。シートパッド22は、薄肉で柔軟性を有するので、硬質発泡体21に接合されたとき、当該硬質発泡体21の前面形状に追従した状態で接合される。そして、シートパッド22の外方からカバー5を覆い被せることで、シートバック2が成っている。
このシートバック2が、図1に示すごとく車両フロア8に固設されたヒンジブラケット10と、リアパネル9から延びるフック25とで上下両持ち状に支持されることになる。樹脂ボード20の固定部20cにヒンジブラケット10のアーム片15をビス留めすることで、上述のようにシートバック2の下部が、ヒンジブラケット10によって起倒可能に支持される。このとき、図2に示されるように、アーム片15の先端には細い湾曲状のフック15aが一体形成されており、このフック15aを樹脂ボード20の固定部20cに穿設された横長の溝30に引っ掛けて位置決め及び安定接触させることで、ビス18の締結作業が容易となる。ここでも、ワッシャ27を介してビス留めしていることで、樹脂ボード20の破損が回避されている。図1に戻って、ストライカ26をリアパネル9に設けられたフック25と係合させることで、上述のようにシートバック2の上部が、フック25によって支持されている。このとき、硬質発泡体21に凹部21aが形成されていることで、フック25が硬質発泡体21に接触阻害されることはない。
次に、このような構成のシートバック2の作用について説明する。図5に示すような通常運転時は、シートパッド22によって乗員へ良好な着座感が与えられ、シートバック2の保形性は、バックフレームとしての硬質発泡体21及び樹脂ボード20によって担保されている。このとき、硬質発泡体21が有意な厚みを有することから、シートバック2内に配された機能部品などによる異物感はない。また、硬質発泡体21の前面が乗員の着座姿勢に合わせた形状に形成されていることで、乗員に対して適度の座圧が与えられている。
そして、例えば車両後方から追突された場合など車両衝突時に荷重が負荷されると、図6に示すように、硬質発泡体21が圧縮変形することで衝撃が吸収されると共に、硬質発泡体21及び樹脂ボード20の強度や剛性によってシートバック2が大きく変形し破損することが防止されている。このとき、硬質発泡体21の前面が乗員の着座姿勢にあった形状に形成されていることで、乗員からの荷重は効率良く受け止め吸収される。また、シートバック2は、ヒンジブラケット10とリアパネル9のフック25とによって上下両持ち支持されていることでヒンジブラケット10のみに応力集中することがなく、さらにシートバック2が両持ち支持されていること、及び上下方向に延びる樹脂ボード20のリブ28の存在によって、シートバック2の屈曲線が水平方向となって撓むことがないことから、シートバック2の破損が確実に防がれる。なお、シートパッド22は薄肉なので、これによる衝撃吸収機能は小さい。リブ28の本数は、上記機能を発揮し得る範囲であれば特に限定されず、左右に1〜5本程度ずつあればよい。
(実施例2)
図7に、本発明の実施例2に係るシートバックの横断平面図を示す。図8に、実施例2に係るシートバックに、車両衝突時などの荷重が負荷された状態のシートバックの横断平面図を示す。本実施例2は、先の実施例1の変形例であり、その基本的構成は実施例1と同様である。したがって、以下には実施例2の特徴点を中心に説明する。
図7に示されるように、実施例2の硬質発泡体21の背面には、シートバック2の上下方向に向かう複数本の突条35が並設されている。この突条35は、硬質発泡体21の適所を溝状に削って作ってもよいし、硬質発泡体21の背面から一体的に膨出形成させてもよい。すなわち、上下方向に延びる凹凸形状が形成されていればよい。これによれば、図8によく示されるように、車両衝突時には各突条35が他の部位に優先して圧縮もしくは座屈変形するので、より硬質発泡体21による衝撃吸収性が向上する。また、各突条35(凹凸形状)が上下方向に延びるように形成されているので、シートバック2の屈曲線が水平方向となる状態での撓みもより防止される。したがって、実施例2のシートバック2は、より破損の危険性が低くなる。なお、突条35(凹凸)の高さ寸法は、各リブ28の高さ寸法よりも大きく設計されている。その他は実施例1と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
リアシートの側面図である。 シートバック下部の固定部とヒンジブラケットの分解斜視図である。 シートバックの分解斜視図である。 ストライカの取り付け構造を示す要部拡大横断平面図である。 実施例1のシートバックの横断平面図である。 車両衝突時の実施例1のシートバックの横断平面図である。 実施例2のシートバックの横断平面図である。 車両衝突時の実施例2のシートバックの横断平面図である。
符号の説明
1 リアシート
2 シートバック
3 シートクッション
4 ヘッドレスト
5 カバー
6 トランクルーム
7 開口部
8 車両フロア
9 リアパネル
10 ヒンジブラケット
13 第1ヒンジ片
16 第2ヒンジ片
20 樹脂ボード
21 硬質発泡体
21a 凹部
22 シートパッド
25 フック
26 ストライカ
28 リブ
35 突条

Claims (4)

  1. 繊維強化型プラスチックからなる非中空平板状の樹脂ボードと、
    前記樹脂ボードの前面に配され、衝撃吸収性及び強度を確保させるための硬質発泡体と、
    前記硬質発泡体の前面に配され、乗員の着座感を良好に保つための、前記硬質発泡体よりも薄肉なシートパッドと、を備え、
    前記硬質発泡体の背面には、複数本の溝または突条が並設されてなる上下方向に延びる凹凸が形成されており、
    前記樹脂ボードの前面には、上下方向に延びるリブが複数本並設されており、
    前記各リブは、前記凹凸の凹部に嵌まり込んでいる車両用シートのシートバック。
  2. 前記硬質発泡体の前面が、乗員の着座姿勢に合わせた形状に形成されている請求項1に記載のシートバック。
  3. 前記硬質発泡体が、アクリロニトリルスチレンからなる請求項1または請求項2に記載のシートバック。
  4. 前記車両用シートは、車両後方にトランクルームを有する車両に搭載されるリアシートであり、
    前記シートバックは、該シートバックの下部において車両フロア側に固設されたヒンジによって車両前後方向に回動自在に支持されていると共に、前記シートバックの上部において前記トランクルームの上面を区画するリアパネルに設けられた係合手段と係合していることで、上下両持ち支持状態となっている請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のシートバック。
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