JP5211476B2 - 出力光モニタ付光導波路型光変調器 - Google Patents
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光導波路素子などによる光変調器の出力光をモニタする方法として、従来は光導波路素子内に方向性結合器(カプラ)などを配置して、光信号出力用の光導波路とは別に、モニタ光出力用の光導波路を設ける方式が一般的に行なわれている。この方式においては、光導波路素子内に、モニタ光分岐用の光回路を新たに設ける必要があり、またモニタ出力用光ファイバを、光出力信号用光ファイバとは別に光導波路素子に接続する必要がある。
なお、以下の図2及び3については、非結合光21の記述を明確にするため、光導波路2の出力端に接続される光ファイバ3の内、キャピラリー4中に保持される部分の記載を省略してある。
図4(a)は出射光がON状態の様子を示しており、非結合光及び若干の放射モード光が観察されている。他方、図4(b)は出射光がOFF状態の様子を示しており、放射モード光及び若干の非結合光が観測されている。
また、非結合光の影響は上述した位相シフトだけでなく、本来の放射モード光が来ないときに非結合光を受光するため、波形B’の振幅値が減少し、放射モード光の検知に際しての消光比が劣化する原因ともなる。
なお、d1は光導波路の幅であり、通常は約7μm、d2は光ファイバのコア部3−1の直径であり、通常は約10μm、さらにd3は光ファイバの外径であり、通常は約125μm程度である。
なお、本発明における「キャピラリー」とは、光ファイバの接続端部分を収容する中空部を有しており、かつ放射モード光を伝搬することが可能であるなら、特に形状や材質が限定されるものではない。以下では、一例としてガラス製などの透明な材料で形成された円筒形の細管の例を例示するが、上述した機能を有するものであれば、ガラス製や円筒状以外でも、本発明に使用することが可能である。
図7は、本発明に係る出力光モニタ付光導波路型光変調器の第1の実施例を示す。
本発明は、誘電体基板1と、該誘電体基板の表面又は裏面に形成され、2つ以上の分岐光導波路部及び該分岐光導波路部の合一点から伸びる光導波路出力部を有する光導波路2とを備えた光導波路素子と、該光導波路出力部の出力端に接続される光ファイバ3と、該光導波路出力部の出力端と該光ファイバの端面との接続部を補強する光ファイバ補強部材4と、前記分岐光導波路部の合一点から放射され、かつ該光導波路出力部の両側を通って伝搬される放射モード光bの一部を、該誘電体基板及び該光ファイバ補強部材を介して受光する光検出器6とを有する出力光モニタ付光導波路型光変調器において、該光ファイバ補強部材が、該光ファイバの接続端部分を収容する中空部を有し、かつ、該放射モード光を伝搬するキャピラリー4であり、該キャピラリーの該誘電体基板側とは反対の端面には、前記放射モード光の一部を該光検出器に向かって反射させる反射手段5が形成されており、該光導波路出力部と該光ファイバとの非結合光aが該光検出器に入射することを防止する非結合光遮蔽手段31を該キャピラリー4と該光検出器6との間に配置したことが設けられていることを特徴とする。図7においては、非結合光遮蔽手段は、キャピラリー4を取り囲む円筒部材31であり、該円筒部材31の一部には、放射モード光を通過させるスリット30が形成されている。
本発明においても、ケース(筐体)7内に、LiNbO3などの強誘電体からなる基板1を固定する。例えば、その表面部分には、マッハツェンダー型光導波路2が形成されている。このマッハツェンダー型光導波路2は、光導波路入力部、それから分岐した分岐光導波路部、その分岐光導波路部の合波部、及び光導波路出力部を有し、各分岐部上に不図示の制御電極(信号電極及び接地電極など)が配置されている。基板1の入力端部(図1の右側)には、入力側キャピラリーが接合されている。キャピラリーの中空部を通して入力側光ファイバが導入され、その先端面が、光導波路入力部の入力端面に接続されている。
光波は、矢印10のように入力側光ファイバから、光導波路入力部に入り、分岐部に分配される。制御電極に、印加電気信号を、例えばケース7の側面に配置されたコネクタ(不図示)を介して印加すると、分岐光導波路部を伝搬する光波の光位相が、印加電気信号に応じて変化する。位相変化を受けた光波は、合波部において合波し、互いに干渉して信号光を発生する。この干渉後の信号光は、キャピラリー4により補強された光ファイバ3を通ってケース7の外に、矢印11のように出力される。
なお、光導波路2と光ファイバ3との結合部や、キャピラリーの外周面、さらには受光素子の受光面などで、伝搬する光波(信号光又は放射モード光)が反射し、戻り光とならないように、特許文献4又は5のように伝搬光の進行方向と境界面との成す角度を垂直状態から若干傾けて構成することが好ましい。
なお、図8に示す符号15は、基板1にキャピラリー4接着する際の補強部材を示す。
図9に示したように、スリット部材33は、非結合光aを遮断し、放射モード光bを通過させ、光検出器6に入射させている。
また、放射モード光が基板からキャピラリーに直接入射する場合には、特許文献8に開示した以下のような非結合光遮蔽手段を組み合せて用いることも可能である。
(1)キャピラリーの反射手段における光ファイバに近接する部分の一部を切除すること
(2)キャピラリーから露出した光ファイバの表面又は光ファイバの近傍に位置するキャピラリーの表面に、光吸収材を形成すること
(3)キャピラリーの中空部の内面(キャピラリーと光ファイバとの間)に、金属膜、反射膜又は光吸収膜のいずれかを配置すること
(4)キャピラリーの中空部の形状において、誘電体基板側の端面の穴を拡張すること
(5)キャピラリーと誘電体基板との間に、金属膜、反射膜又は光吸収膜のいずれかを配置すること
(6)キャピラリー内を伝搬する非結合光がキャピラリーから外部に放出される位置に、キャピラリーの切除部分を形成すること
(7)キャピラリーの中空部と光ファイバとの間に、管状挿入材を挿入すること
特に、上記(3)は、光ファイバのクラッド部に入射した非結合光が、キャピラリー内に入射するのを効率よく遮断するため、極めて効果的な方法である。
2 光導波路
3 光ファイバ
4 キャピラリー
5 反射手段
6 受光素子
7 筐体
8 接着層
9 補強板
10 入射光
11 出射光(信号光)
20 放射モード光
21 非結合光
30,32 スリット
31,33 非結合光遮蔽部材
Claims (3)
- 誘電体基板と、該誘電体基板の表面又は裏面に形成され、2つ以上の分岐光導波路部及び該分岐光導波路部の合一点から伸びる光導波路出力部を有する光導波路とを備えた光導波路素子と、
該光導波路出力部の出力端に接続される光ファイバと、
該光導波路出力部の出力端と該光ファイバの端面との接続部を補強する光ファイバ補強部材と、
前記分岐光導波路部の合一点から放射され、かつ該光導波路出力部の両側を通って伝搬される放射モード光の一部を、該誘電体基板及び該光ファイバ補強部材を介して受光する光検出器と、
を有する出力光モニタ付光導波路型光変調器において、
該光ファイバ補強部材が、該光ファイバの接続端部分を収容する中空部を有し、かつ、該放射モード光を伝搬するキャピラリーであり、
該キャピラリーの該誘電体基板側とは反対の端面には、前記放射モード光の一部を該光検出器に向かって反射させる反射手段が形成されており、
該光導波路出力部と該光ファイバとの非結合光が該光検出器に入射することを防止する非結合光遮蔽手段を該キャピラリーと該光検出器との間に配置し、
該非結合光遮蔽手段は、該光キャピラリーを取り囲む形状であるとともに、スリット、アイリス、又はアパーチャのいずれかを有し、
該非結合光遮蔽手段は、該キャピラリーの周囲に沿って、位置調整が可能となるように配置されていることを特徴とする出力光モニタ付光導波路型光変調器。 - 請求項1に記載の出力光モニタ付光導波路型光変調器において、該誘電体基板の厚さは30μm以下であることを特徴とする出力光モニタ付光導波路型光変調器。
- 請求項1又は2に記載の出力光モニタ付光導波路型光変調器において、該キャピラリーと該光ファイバとの間に金属膜、反射膜又は光吸収膜のいずれかを配置することを特徴とする出力光モニタ付光導波路型光変調器。
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