JP5211107B2 - レーザモジュールおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザモジュールおよびその製造方法に関し、例えば、レーザ光を高調波光に変換するレーザモジュールおよびその製造方法に関する。
レーザ光を高調波光に変換するレーザモジュールが知られている。このようなレーザモジュールにおいて、レーザダイオードと高調波変換素子とを精度よく光結合させるため、レンズを駆動させる技術が知られている(例えば、特許文献1および2)。
特開2007−109978号公報 特開平7−128546号公報
このようなレーザモジュールにおいては、レンズを用いてレーザダイオードと高調波変換素子との光結合を高精度に行なうことと製造コストの削減を両立することが求められている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、レーザダイオードと高調波変換素子との光結合を高精度に行い、かつ製造コストを削減することを目的とする。
本発明は、第1上面と、第2上面と、前記第1上面と前記第2上面との間に形成された開口を含む空間に収納される有限系である1つのレンズの上部および側部を覆い下部を覆わないように形成された囲い部と、を備えたベースを配置する工程と、レーザ光を出射するレーザダイオードを前記第1上面上に固定し、前記レーザ光を前記レーザ光の高調波に変換する高調波変換素子を前記第2上面上に固定する工程と、前記レーザダイオードと前記高調波変換素子とを固定する工程の後、前記囲い部内の前記空間に前記レンズを配置して前記ベースの下側から前記開口を介して前記レンズの下部を保持し前記レーザダイオードと前記高調波変換素子とが光結合するように、前記レンズの位置を調整する工程と、前記レンズの位置を調整する工程の後、前記レンズを前記囲い部に固定する工程と、を含むことを特徴とするレーザモジュールの製造方法である。本発明によれば、レーザダイオードと高調波変換素子との光結合を高精度に行い、かつ製造コストを削減することができる。
上記構成において、前記ベースは同じ材料を用い一体に形成されている構成とすることができる。この構成によれば、レーザダイオードと高調波変換素子との光結合のずれを抑制することができる。
上記構成において、前記レンズの位置を調整する工程は、前記レンズを前記レーザ光の光軸方向および前記光軸に直交する2つの方向に移動させることにより、前記レンズの位置を調整する工程を含む構成とすることができる。この構成によれば、レーザダイオードと高調波変換素子との光結合をより精密に行なうことができる。
上記構成において、前記レンズの位置を調整する工程は、前記レンズを前記レーザ光の光軸方向に移動させ、かつ前記レンズを前記光軸方向に直交する2つの方向に対しそれぞれ傾斜させることにより、前記レンズの位置を調整する工程を含む構成とすることができる。この構成によれば、レーザダイオードと高調波変換素子との光結合をより精密に行うことができる。
上記構成において、前記レンズを固定する工程は、前記レンズの上部および側部を前記囲い部に固定する工程を含む構成とすることができる。この構成によれば、レンズをより強固にベースに固定することができる。
本発明は、ベースと、前記ベース上面上に固定され、レーザ光を出射するレーザダイオードと、前記ベース上面上に固定され、前記レーザ光を前記レーザ光の高調波に変換する高調波変換素子と、前記ベースに固定され、前記レーザダイオードと前記高調波変換素子とを光結合させる有限系である1つのレンズと、を具備し、前記ベースは、前記レーザダイオードが固定された前記ベース上面と前記高調波変換素子が固定された前記ベース上面との間に開口を有すると共に、前記開口を含む空間に収納された前記レンズの上部および側部を覆い、下部を覆っていない囲い部を備えることを特徴とするレーザモジュールである。
上記構成において、前記ベースは同じ材料を用い一体に形成されている構成とすることができる。
上記構成において、前記レンズは、前記レンズの上部および側部において前記囲い部に固定されている構成とすることができる。
本発明によれば、レーザダイオードと高調波変換素子との光結合を高精度に行い、かつ製造コストを削減することができる。
図1(a)から図1(c)は、実施例1に係るレーザモジュールの製造方法を示す図(その1)である。 図2(a)および図2(b)は、実施例1に係るレーザモジュールの製造方法を示す図(その2)である。 図3(a)および図3(b)は、実施例1に係るレーザモジュールの製造方法を示す図(その3)である。 図4(a)および図4(b)は、実施例1に係るレーザモジュールの製造方法を示す図(その4)である。 図5(a)から図5(d)は、実施例1に係るレーザモジュールの製造方法を示す図(その5)である。 図6(a)および図6(b)は、実施例2におけるレンズの位置を調整する方法を示す図である。 図7は、実施例3におけるレーザモジュールの断面図である。
以下、図面を参照し実施例について説明する。
図1(a)から図5(d)は、実施例1に係るレーザモジュールの製造方法を示す図である。図1(a)はベース10の上面図、図1(b)はA−A断面図、図1(c)はB−B断面図である。図1(a)から図1(c)のように、ベース10はレーザダイオードを固定すべき第1上面12と高調波変換素子を固定すべき第2上面14とを備えている。第1上面12と第2上面14との間には、レンズを収納すべき空間18が設けられ、レンズの上部および側部を囲むべき囲い部16が設けられている、囲い部16の下方は開放されている。すなわち、ベース10は、レンズの上部および側部を覆い下部を覆わないように形成されている。ベース10は、例えば、アルミニウム、マグネシウムまたは亜鉛等の金属材料、液晶ポリマー等の剛性の高い樹脂材料で形成される。ベース10は、例えばダイキャスト法等を用い、一体として成形されている。実施例1においてはベース10の下面は平坦であるが、ベース10の下面に凹凸を設けることにより、放熱性を高めることもできる。また、ベース10にアルマイト処理またはメッキ処理等の表面処理加工を施すこともできる。メッキ処理は、例えば半田の濡れ性のよい処理を行うことができる。
図2(a)はベースの上面図、図2(b)はベースのA−A断面図である。図2(a)および図2(b)のように、ベース10の第1上面12上にレーザダイオード20を固定する。例えば、レーザダイオード20はサブマウント22上に半田を用い固定されている。サブマウント22を第1上面12上に接着剤28を用い固定する。接着剤28としては例えばエポキシ系接着剤を用いることができる。接着剤以外にも半田または溶接を用いることもできる。サブマウント22は、熱伝導性が高く、放熱性に優れていることが好ましい。サブマウント22として、例えば窒化アルミニウム、アルミナセラミック等を用いることができる。レーザダイオード20は、例えば1064nmの波長のレーザ光を出射するレーザダイオードである。レーザダイオード20は、DFB(分布帰還)型レーザでもよいし、ファブリペロ型レーザでもよい。また、QW(量子井戸)型レーザでもよいし、QD(量子ドット)型レーザでもよい。レーザダイオード20の上面等に形成されたパッド(不図示)が外部電源に接続されている。パッドに電流を流すことにより、レーザダイオード20は、レーザ光を出射する。
図3(a)はベースの上面図、図3(b)はベースのA−A断面図(高調波変換素子については側面図)である。図3(a)および図3(b)のように、ベース10の第2上面14上に高調波変換素子30を接着剤38を用い固定する。接着剤38としては例えばエポキシ系接着剤を用いることができる。接着剤以外にも半田または溶接を用いることもできる。高調波変換素子30は、レーザ光をレーザ光の高調波光に変換する。高調波変換素子30は、例えば擬似位相整合を用いた第2高調波変換素子であり、例えばPPLN(Periodically Poled Lithium Niobate)である。PPLNの導波路31付近をレーザ光が伝搬する。PPLNは、例えば1064nmの波長のレーザ光を532nmのグリーン光に変換する。レーザダイオード20は発光点24からレーザ光を出射する。一方、高調波変換素子30は、入射側結合点34に入射した光を高調波光に変換し、発光点36から高調波光52を出射する。高調波変換素子30を光軸に対し斜めに固定しているのは、レーザ光の反射を抑制するためである。
図4(a)はベースの下面図、図4(b)はベースのA−A断面図(レンズおよび高調波変換素子は側面図)である。図4(a)および図4(b)のように、囲い部16内の空間18(すなわちレーザダイオード20と高調波変換素子30との間)にレンズ40を配置する。レンズ40は、有限系である1つのレンズである。レンズ40は、例えば硝子レンズまたは樹脂レンズ等である。レンズ40はクランプ部42により保持されており、クランプ部42は駆動部により駆動される。レーザダイオード20が出射した光軸51に沿ったレーザ光50はレンズ40により高調波変換素子30の入射側結合点34に結合する。高調波変換素子30の発光点36から光軸54に沿って出射された高調波光の少なくとも一部は、受光素子46により電気信号に変換される。駆動部44は受光素子46の出力が最大となるように、レンズ40の位置を調整する。
例えば、レーザダイオードの光軸51の方向をZ方向74、Z方向74に直交し上下方向をX方向70、X方向70およびZ方向74にそれぞれ直交する方向をY方向72とする。駆動部44は、レンズ40をX方向70およびY方向72に移動することにより、受光素子46が検出する高調波光の強度が最大になるようにレンズ40の位置を調整する。次に、駆動部44は、レンズ40をZ方向74に移動することにより、受光素子46が検出する高調波光の強度が最大になるようにレンズの位置を調整する。これにより、最初にX方向、Y方向のレンズ40の位置を決め、その後レンズ40の焦点を合わせることができる。よって、より高精度にレンズ40の位置を決めることができる。さらに、X方向およびY方向の調整と、Z方向の調整と、を繰り返してもよい。このようにして、駆動部44は、レーザダイオード20と高調波変換素子30とが光結合するように、レンズ40の位置を調整する。レンズ40をレンズ40の側部において接着剤48を用いベース10の囲い部16に固定する。接着剤48としては、例えば紫外線硬化型樹脂または熱硬化型樹脂を用いることができる。
図5(a)は完成したレーザモジュールの上面図(カバーを透視している)、図5(b)はレーザモジュールのA−A断面図(レンズおよび高調波変換素子は側面図)、図5(c)はレーザモジュールのB−B断面図である(奥側のベース10は不図示)。図5(d)はレーザモジュールの下面図である。図5(a)から図5(d)のように、レンズ40は、側部において囲い部16に接着剤48を用い固定されている。ベース10、レーザダイオード20および高調波変換素子30を覆うようにカバー60を設ける。これにより、レーザモジュール100が完成する。
実施例1によれば、図5(a)および図5(b)のように、有限系の1つのレンズ40を用い、レーザダイオード20と高調波変換素子30とを光結合させている。このため、特許文献1および特許文献2のように、無限系レンズを用いレーザダイオード20と高調波変換素子30とを光結合させる場合に比べ、部品点数を減らし、小型化および製造コストを削減することができる。しかしながら、有限系の1つのレンズ40を用いた場合、レーザダイオード20と高調波変換素子30とを光結合の調整が難しい。そこで、レンズ40の位置の複雑な調整が行なわれる。この際、レーザダイオード20および高調波変換素子30は上側からベース10に固定し、レンズ40は下側から調整する。これにより、レーザダイオード20および高調波変換素子30を固定するツールと、レンズ40を調整する駆動部44を上下に分けて配置することができる。よって、レーザモジュールの製造装置を簡素化できレーザモジュールの製造コストを削減することができる。
また、囲い部16がレンズ40の上部および側部をカバーしているため、その後の工程において、レンズ40が損傷を受けることを抑制できる。さらに、囲い部16により、ベース10が反ることを抑制できる。これにより、レーザダイオード20と高調波変換素子30との光結合が製造工程や使用中にずれることを抑制できる。
また、実施例1によれば、ベース10は同じ材料を用い一体に形成されている。これにより、レーザダイオード20、高調波変換素子30およびレンズ40が一体に形成されたベース10に固定される。よって、レーザダイオード20と高調波変換素子30との光結合が製造工程や使用中にずれることを抑制できる。
さらに、実施例1によれば、レンズ40をレーザ光50の光軸51方向(例えばZ方向74)および光軸51に直交する2つの方向(例えばX方向70およびY方向72)に移動させることにより、レンズ40の位置を調整する。これにより、レーザダイオード20と高調波変換素子30との光結合をより精密に行なうことができる。なお、光軸に直交する2つの方向は、交差していればよいが、互いに直交していることが好ましい。これにより、光軸の調整が容易になる。
図6(a)および図6(b)は、実施例2におけるレンズ40の位置を調整する方法を示す図である。図6(a)はベースの下面図、図6(b)はベースの断面図である。図6(a)のように、X方向に対しレンズ40を傾けるようにレンズ40の角度80を調整する。また図6(b)のように、Y方向に対しレンズを傾けるようにレンズ40の角度82を調整する。その後、レンズをZ方向74に移動させ、レンズ40の位置を調整する。これにより、より高精度にレンズ40の位置を決めることができる。
実施例2のように、レンズ40を光軸51の方向に移動させ、かつレンズ40を光軸方向に直交する2つの方向に対しそれぞれ傾斜させることにより、レンズ40の位置を調整することができる。これにより、レーザダイオード20と高調波変換素子30との光結合をより精密に行なうことができる。なお、光軸に直交する2つの方向は、交差していればよいが、互いに直交していることが好ましい。これにより、光軸の調整が容易になる。
図7は、実施例3におけるレーザモジュールの断面図である(奥側のベース10は不図示)。図7のように、レンズ40の上部および両側面において、レンズ40をベース10の囲い部16に固定することができる。これにより、レンズ40をより強固にベース10に固定することができる。
以上、発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 ベース
12 第1上面
14 第2上面
16 囲い部
18 空間
20 レーザダイオード
30 高調波変換素子
40 レンズ

Claims (8)

  1. 第1上面と、第2上面と、前記第1上面と前記第2上面との間に形成された開口を含む空間に収納される有限系である1つのレンズの上部および側部を覆い下部を覆わないように形成された囲い部と、を備えたベースを配置する工程と、
    レーザ光を出射するレーザダイオードを前記第1上面上に固定し、前記レーザ光を前記レーザ光の高調波に変換する高調波変換素子を前記第2上面上に固定する工程と、
    前記レーザダイオードと前記高調波変換素子とを固定する工程の後、前記囲い部内の前記空間に前記レンズを配置して前記ベースの下側から前記開口を介して前記レンズの下部を保持し前記レーザダイオードと前記高調波変換素子とが光結合するように、前記レンズの位置を調整する工程と、
    前記レンズの位置を調整する工程の後、前記レンズを前記囲い部に固定する工程と、
    を含むことを特徴とするレーザモジュールの製造方法。
  2. 前記ベースは同じ材料を用い一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載のレーザモジュールの製造方法。
  3. 前記レンズの位置を調整する工程は、前記レンズを前記レーザ光の光軸方向および前記光軸方向に直交する2つの方向に移動させることにより、前記レンズの位置を調整する工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載のレーザモジュールの製造方法。
  4. 前記レンズの位置を調整する工程は、前記レンズを前記レーザ光の光軸方向に移動させ、かつ前記レンズを前記光軸方向に直交する2つの方向に対しそれぞれ傾斜させることにより、前記レンズの位置を調整する工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載のレーザモジュールの製造方法。
  5. 前記レンズを固定する工程は、前記レンズの上部および側部を前記囲い部に固定する工程を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載のレーザモジュールの製造方法。
  6. ベースと、
    前記ベース上面上に固定され、レーザ光を出射するレーザダイオードと、
    前記ベース上面上に固定され、前記レーザ光を前記レーザ光の高調波に変換する高調波変換素子と、
    前記ベースに固定され、前記レーザダイオードと前記高調波変換素子とを光結合させる有限系である1つのレンズと、
    を具備し、
    前記ベースは、前記レーザダイオードが固定された前記ベース上面と前記高調波変換素子が固定された前記ベース上面との間に開口を有すると共に、前記開口を含む空間に収納された前記レンズの上部および側部を覆い、下部を覆っていない囲い部を備えることを特徴とするレーザモジュール。
  7. 前記ベースは同じ材料を用い一体に形成されていることを特徴とする請求項6記載のレーザモジュール。
  8. 前記レンズは、前記レンズの上部および側部において前記囲い部に固定されていることを特徴とする請求項6または7記載のレーザモジュール。
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