JP5210663B2 - 有機el素子 - Google Patents

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本発明は、有機EL素子に関するものである。
有機EL素子は、少なくとも一方が透明である一対の電極間に、有機化合物を主体とする発光層を挟み、電流を流してこの層を発光させ、透明な電極側から光を取り出す自発光素子である。応答速度に優れ、低電圧駆動・面発光が可能であるため、薄型・軽量化が希求されているディスプレイ、バックライト等への適用が非常に期待されている。しかし、有機EL素子は発光層で発光した光の取り出し効率が低いことが問題である。これは出光面となる透明基板に入射した光が全反射や散乱などで、出光面から側面へ逃げてしまうことが原因の一つとなっている。
この問題を解決する手段として、出光面側に入射光の波長に対応する規則的な凹凸パターンを設けたガラス層を設置する手段(特許文献1)が開示されている。しかし、この場合、出光面側の基板に規則的な凹凸を設けられているため、視野面にモアレが発生しやすくなり、斑の無い発光面を提供する事が難しくなる。これに対して、透明ガラス基板に微細な凹凸による光散乱部を設ける手段(特許文献2)、出射面に、散乱物質を分散させた拡散シートを設置する手段(特許文献3)等が提案されている。
特開2007−114266号公報 特開2000−231985号公報 特開2003−109747号公報
しかしながら、特許文献2、3に記載の方法では、十分に光取り出し効率は向上させることができない。また、素子の寿命を十分に確保できないという課題があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、光取り出し効率が高く、また、素子の長寿命化を達成することができる有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明の有機EL素子は、透明基板と、該透明基板上に形成された透明電極と、該透明電極上に形成された有機化合物からなる発光層と、該発光層上に形成された電極とを有する有機EL素子において、前記透明基板は、平板ガラス又は樹脂平板と、前記平板ガラス又は樹脂平板の表面に設けられ非平面スペックル構造を有する表面層又は透明樹脂フィルムとを有し、前記非平面スペックル構造は、凹凸のピッチが0.7μm〜30μmでランダムな値をとり、凹凸の高さが0.7μm〜20μmでランダムな値をとるスペックルパターンを有し、前記透明基板の法線方向から平行光線を入射させたときの出射光の形状を前記透明基板の法線方向から観察したときの形状が円形又は楕円形となることを特徴とする。
本発明の有機EL素子においては、前記透明基板は、拡散角度が下記式(1)を満たすために十分な形状を有することが好ましい。
0.015≦πtan(α/2)tan(β/2)≦35・・・・(1)
α:基板の最小拡散角、60°≦α<180°
β:最小拡散角αを与える測定方向に略直交する測定方向での拡散角、60°≦β<180°
本発明の有機EL素子は、透明基板と、該透明基板上に形成された透明電極と、該透明電極上に形成された有機化合物からなる発光層と、該発光層上に形成された電極とを有する有機EL素子において、前記透明基板は、平板ガラス又は樹脂平板と、前記平板ガラス又は樹脂平板の表面に設けられ非平面スペックル構造を有する表面層又は透明樹脂フィルムとを有し、前記非平面スペックル構造は、凹凸のピッチが0.7μm〜30μmでランダムな値をとり、凹凸の高さが0.7μm〜20μmでランダムな値をとるスペックルパターンを有し、前記透明基板の法線方向から平行光線を入射させたときの出射光の形状を前記透明基板の法線方向から観察したときの形状が円形又は楕円形となるので、有機EL素子の光取り出し効率が向上し、素子の長寿命化も達成することができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
まず、透明基板について述べる。
本発明の有機EL素子に用いられる透明基板は、基板の光線全透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上あることが更に好ましい。これは材料夫々の透過率ではなく、積層体全ての透過率を指す。
この透明基板は、発光層から入射した光を円形、楕円形型、あるいは略矩形に拡散または集光する機能を有する。ここでいう略矩形とは、角が丸くなった矩形を指す。拡散・集光の概念を図1に示す。透明基板の下面から入射した光1が、制光機能を有する透明基板2によって、ある一定の範囲内に拡散・集光される。この拡散・集光の度合いを定義するために本発明では拡散角というパラメータを用いる。拡散角とは、透明基板に垂直な方向から入射し、透明基板2内を通過して点Oから出光された光の、入射角に対する角度を出射角と定義し、その出射角における輝度を測定し、この輝度が、ピーク輝度の半分に減衰する角(半値角)の2倍の角度(FWHM:Full Width Half Maximum)をいう。この測定方法では、透明基板2の平面上の点Oを中心とし、該平面と直交する円周上で等角度毎に輝度を測定するので、平面上では、平面と測定円周の交線の直線が測定方向となる。そして、測定円周の中心Oを通る直線で、方向を一定角度毎で変えて輝度を測定する。本発明の場合では、この角度は最大10°毎と、測定方向は最低で180°方向とする。すなわち、図1の半球面S上にある各点の輝度を測定したことと同義である。そして、各測定方向で、輝度がピーク輝度の1/2になる角度(即ち拡散角)を決定する。拡散角は、例えば日本電色工業(株)製の変角色差計GC−5000L等を用いて、法線角度が0°より入射した光の出光分布を測定してFWHMを求めることができる。
次に、これらの測定値のうちで、最小値となる拡散角をαとし、このαを与える測定方向と略直交する方向の拡散角をβと定義する。拡散角βは、測定数値の中では必ずしも最大値とはならない場合も有り得るが、少なくともα以上である。図1では、3aと3a’の角度がα、3bと3b’の角度がβである。
レーザーのような平行光線を本発明の透明基板に照射した場合、出射される光を、該透明基板の出光面の法線に平行な視線で出光面側から観察したときの拡散光の形状は、円または楕円となる場合と、矩形となる場合とがある。この各々の場合について、拡散角α、βとの関係式を説明する。
光像が円または楕円となる場合を先ず説明する。図1の点4a,4a’,4b,4b’は、半球面Sと拡散角αを与える光の方向3a,3a’と、拡散角βを与える光の方向3b,3b’との交点である。これらを通り、半球面Sと法線Hとの交点を中心とする楕円の中は、ピーク輝度の1/2以上の輝度を有する光束が集光される範囲である。
この楕円内の光束が、半球面Sに接し、透明基板2に平行な平面Pに投影されると、その光像は、拡散角αを与える光の方向3a,3a’と、拡散角βを与える光の方向3b、3b’との交点5a,5a’,5b,5b’を通り、平面Pと法線Hとの交点を中心とする楕円となる。透明基板からの距離を1とすると、この楕円の面積はπtan(α/2)tan(β/2)で与えられる。この面積が狭いほど集光性が高く、広いほど拡散性が高い。
本発明の場合においては、上記楕円面積が下記式(5)の範囲内にあるものが使用できる(但し0<α≦β<180)。
0.015≦πtan(α/2)tan(β/2)≦35・・・・(5)
なお、拡散の状態は、等方拡散と異方拡散がある。等方拡散はα=βの場合であり、平面Pに投影された光像は円形となり、その面積はπtan(α/2)となる。特に光像が円の場合、測定全方向において拡散角がほぼ同じとなる。一方、異方拡散は、α<βの場合であり、平面Pに投影された光像は楕円形となり、その面積はπtan(α/2)tan(β/2)で与えられる。
次に、光像が略矩形となる場合を説明する。略矩形とは、角が若干丸くなった矩形を意味する。矩形には長方形、正方形も含まれる。平行四辺形、台形は本発明の範疇には属さない。平面Hに投影された光像が長方形の場合、2tan(α/2)が長方形の短辺の長さであり、これに直交する長辺は2tan(β/2)となり、この長方形の面積は4tan(α/2)tan(β/2)で与えられる。正方形の場合、面積は4tan(α/2)となる。
本発明の場合は、上記略矩形面積が下記式(6)の範囲内にあるものが使用できる(但し0<α≦β<180)。
0.015≦4tan(α/2)tan(β/2)≦35・・・・(6)
なお、αとβの差が大きく、光像が殆ど線状になる場合も、本発明の範疇に属する。
光像が円、楕円、略矩形のいずれの場合でも、拡散と集光機能との関係や輝度を考慮して、望ましい範囲を規定している。好ましい範囲は0.015以上20以下、さらに好ましい範囲は0.015以上10以下、より好ましくは0.01以上4以下、それより好ましいのは0.015以上1.1以下である。
上記のような拡散・集光機能を透明基板に付与する手段としては、透明基板の表面構造を光学的に制御することが挙げられる。表面構造の光学的制御方法としては、表面に非平面スペックル構造を設ける事が好ましい。前述のとおり、無秩序な表面凹凸や、散乱剤を分散した基板では、集光・拡散を精密に制御することは不可能であり、内部損失も大きくなる。プリズムのように周期的な凹凸を形成すれば、モアレが生じやすくなる。
非平面スペックル構造とは、微細な3次元構造をもつ凹凸形状である。この微細な3次元構造は、複数の凹凸構造で構成されており、前記凹凸形状の高さ及びピッチが不規則である。そのパターンは、コヒーレント照射光がランダムに散乱され、散乱波がさらに重ね合わさって生じるランダムな干渉光のパターンであるが、このパターンの寸法、形状及び方向を調節することにより、そのパターンを表面に有する透明基板の拡散角の範囲を制御することができる。
本発明で用いられる透明基板は、拡散角の範囲が非平面スペックル構造によって制御された透明基板が好適である。一般に、拡散角度の範囲は、スペックルの平均サイズ及び形状に依存する。スペックルが小さければ角度範囲が広い。また、スペックルが横方向の長円形であれば、角度分布の形は縦方向の長円形となる。このように所望する指向角度や拡散角度に応じてスペックルパターンを決定することができる。拡散角は凹凸構造のピッチ、高さ、アスペクト比を変えて制御しても良く、非平面スペックル構造を形成する材質の屈折率を変えて制御しても良い。なお、所定の拡散角を与える非表面スペックル構造の詳細な制御方法については、特許第3390954号公報及び特表平11−513814号公報に開示されている。
スペックルパターンの形成方法は、干渉露光で発生するスペックルパターンを光反応性樹脂で記録する手段が一般的である。この記録された最初のパターンを最終製品としてそのまま用いてもよいが、通常はこのパターンのマスタ型を作成して、そのコピーを使用する。具体的には、このパターンを記録したサブマスタ型を作製し、このサブマスタ型に電鋳などの方法で金属を被着してこの金属にスペックルパターンを転写してマスタ型を作製する。そして、上記マスタ型を用いて紫外線による腑形を行ってスペックルパターンを転写する。このサブマスタ型の詳細な製造方法については、特許第3413519号公報に開示されている。この内容はすべてここに含めておく。
本発明の非平面スペックル構造を透明基板の表面に付与するためには、次の方法が挙げられる。
(1)ガラス基板または樹脂平板の表面を加熱で軟化させ、そこにスペックルパターンのマスタ型を押圧して、表面にスペックルパターンを形成する。この方法については、特表2002−523792号公報に詳細な製造方法が記載されている。
(2)ガラス基板または樹脂平板の表面に硬化前のポリマーを積層し、そこにスペックルパターンのマスタ型を押圧して、表面にスペックルパターンを形成する。ポリマーに関しては、透明であり、熱硬化性、光硬化性のものから選択される。ガラス基板の場合は、シロキサン系の有機無機ハイブリッドポリマーを使用してもよい。この方法については、特表2001−512245号公報に詳細な製造方法が記載されている。
(3)ガラス基板または樹脂平板の表面に、光反応性樹脂層を積層し、これを干渉露光することによって、スペックルパターンを記録する。
(4)スペックルパターンが予め形成された樹脂フィルムを平板表面に積層する。
本発明で用いられる透明基板のスペックルパターンの大きさは、山と山の間隔が0.7μm〜30μmでランダムな値をとり、山の高さが0.7μm〜20μmでランダムな値をとるものであり、干渉による素子の呈色や、目視での表面粗さ(素子の精細度)を考慮して範囲を定めている。
次に、透明基板の材質について述べる。
透明基板のベースとなる平板ガラスの材質としては、石英ガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス等、光学製品に適用可能なガラスが好適に用いられる。
樹脂平板である場合は、光学製品に適用可能な樹脂が好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン類、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル或いはポリアリレート類、ポリメチルペンテン、またはアートン(商品名、JSR社製)、アペル(商品名、三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等のフィルムが挙げられる。スペックルパターンが形成された樹脂フィルムそのものを透明基板として用いる場合は、フィルムが上記材質であることが好ましい。
透明基板にガラス平板が介在しない場合は、樹脂平板または樹脂フィルムの少なくともいずれか一方に、ガスバリア層が1層以上存在することが必要である。有機ELの発光層は酸素や水分で極めて容易に劣化するため、これらのガスの侵入を防止するのがガスバリア層の機能である。要求されるバリア性の程度は、水蒸気透過度が0.01g/m・day・atm以下であることが好ましい。更に好ましくは、酸素透過度10−3g/m/day以下、水蒸気透過度10−5g/m/day以下である。バリア層の材質としては、SiOx、SiNx、SiOxNy等の無機酸化物、あるいは金属アルコキシドの加水分解・縮合反応によって形成される有機無機ハイブリッド化合物、ポリシラザン、層状珪素化合物(分散液)等が挙げられる。
バリア層の形成方法としては、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等が用いられる。また、分散液の塗工で膜を形成できるものはその手法をとる。バリア層は、複数層あってもよい。またバリア層の間にバインダー樹脂などのバッファ層を設けることで屈曲耐久性が向上する。樹脂フィルムまたは樹脂平板の両面に設けられていてもよく、樹脂フィルムと樹脂平板の双方を用いる場合、その双方にバリア層が設けられていてもよい。バリア層の厚みは通常0.01μm〜0.2μmの範囲である。薄すぎるとバリア性が不足し、厚すぎると曲げたときにバリア層が破壊しやすくなり、フレキシビリティが期待できなくなる。
スペックルパターンを形成する光反応性樹脂としては、ポリケイ皮酸ビニルやポリビニルアジドベンザルなどの光架橋反応により露光部が難溶性となり、あるいは、アクリルアミドなどの光重合反応により露光部が難溶性となるネガ型のもの、o−キノンジアジドノボラック樹脂のようなキノンジアジド基が光分解によりカルボン酸を生じて易溶性となるポジ型のものなどを用いることができる。
透明基板が全て樹脂製であると、有機EL素子はフレキシブルで軽量になり、かつ破損しにくくなるのでモバイル用途に好適である。
次に透明電極について述べる。
透明電極としては、ITO(インジウム・スズ酸化物)膜、あるいはIZO(インジウム・亜鉛酸化物)膜等が用いられる。電極層の形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な成膜方法が用いられる。透明電極層の厚みは、0.01μm〜1μmの範囲で適宜選択されるが、好ましくは0.03μm〜0.5μmである。
次に発光層について述べる。
発光物質は、次のようなものが挙げられる。低分子系発光物質としては、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス[8−(パラ−トシル)アミノキノリン]亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレンなどである。
また、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポリフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光体等、Ir錯体等の燐光性発光体などの低分子系発光物質を、高分子中に分散させたものも使用可能である。
高分子発光物質としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール、ポリ(2−デシルオキシ−1,4−フェニレン)、ポリ[2,5−ビス−[2−(N,N,N−トリエチルアンモニウム)エトキシ]−1,4−フェニル−アルト−1,4−フェニルレン]ジブロマイド、ポリ[2−(2’−エチルヘキシルオキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[5−メトキシ−(2−プロパノキシサルフォニド)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[2,5−ビス−(ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレン)]、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ビフェニル、ポリスピロフルオレンなどが挙げられる。
発光層の形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法の他に、溶剤に溶解してディッピング、スピンコーティング、キャスティング、バーコート、ロールコート等によって塗布する方法も用いられる。発光層の厚みは、0.01μm〜1μmの範囲で適宜選択されるが、好ましくは0.05μm〜0.2μmである。
発光効率を向上させるために、発光層と電極との間に更に別の化合物層を挿入することも可能である。発光層が高分子系化合物である場合、発光層と電極との間に正孔注入層や電子注入層を設けることが好ましい。正孔注入層は、陽極と発光層の間に、電子注入層は陰極と発光層の間に設けられる。これは、キャリア移動度が高く、かつ電極とのマッチングが好適である物質が選択される。正孔注入層材料の具体例としてはポリアニリン、ポリチオフェン等であり、電子注入層材料の具体例としてはBa、Ca等が挙げられる。
発光層が低分子系化合物である場合、発光層と注入層の間に、更に輸送層を設けることが好ましい。輸送層としては、キャリアの移動度が高い物質が選択される。正孔輸送層材料の具体例としては、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPDと略記)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(α−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPDと略記)等のジアミン誘導体、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)−トリフェニルアミン、スターバースト型アミン等が挙げられる。電子輸送層の具体例としては、トリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体(Alq3)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ビス{2−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール}−m−フェニレン等のオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、キノリノール系の金属錯体等が挙げられる。注入層、輸送層の厚みは大体0.01μm〜0.1μm程度で適宜決められる。
次に金属電極について述べる。
金属電極の材料は、Au、Pt、Ni、W、Cr、Mo、Fe、Co、Cu、Pd、Al、およびこれらの中から選ばれる元素から成る合金が挙げられる。電極膜を形成するには、スパッタや蒸着法等を用いられる。厚みは0.01μm〜1μmの範囲で適宜選択されるが、好ましくは0.05μm〜0.2μmである。
本発明の有機EL素子は、前述の層を順次積層してなるものである。即ち、一番下に、表面が光学的に制御された透明基板を配し、その上に透明電極、発光層、金属電極が積層される。発光層と電極の間に輸送層・注入層が適宜挿入される。光学的に制御された表面は最表面に存在する。周囲はパッシベーション膜で封止してガスの侵入を防止する。パッシベーション膜の材料としては、前述のガスバリア膜の材質とほぼ同様で、SiOx、SiNx、SiOxNy等の無機酸化物、あるいは金属アルコキシドの加水分解・縮合反応によって形成される有機無機ハイブリッド化合物、ポリシラザン、層状珪素化合物(分散液)等が挙げられる。
次に、本発明の有機ELの効果について述べる。
有機EL素子は、寿命が短いため、これを長寿命化することも重要な課題である。本発明者らは、鋭意検討の結果、表面が光学的に制御された透明基板を用いることによって、光取り出し効率が向上しただけでなく、素子の長寿命化を達成することができた。
実施例でも説明するが、透明基板となるガラスの表面にランダムな凹凸を設けた有機EL素子と、本発明に属する、透明ガラス基板の表面に非平面スペックル構造を有する樹脂シートを積層した有機EL素子とを比較した場合、同電流密度での輝度は本発明の有機EL素子が高かった。この理由は明らかではないが、仮説の一つとして、微小なダークスポットの形成による輝度低下を相殺する作用が挙げられる。ダークスポットとは、水分や酸素の透過によって、発光層の有機化合物が分解して発光しなくなることにより現れる、黒い非発光点である。ダークスポットは微小領域であるうちは非発光部として認識されないが、極僅かな輝度低下が生じる。本発明で用いる透明基板は、集光性と拡散性のバランスがよく、微小ダークスポットが発生しても、周囲の光を拡散・集光することによって、正面輝度低下への影響を低減し、これが結果として素子寿命を長くさせたと考えられる。
以下、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
[実施例]
輝度の測定はコニカミノルタ製の2次元色彩輝度計(CA2000)を使用した。白色発光する有機EL素子を下記のように作成した。
透明無アルカリガラス基板(厚み1.0mm)上に、陽極の透明電極としてITOをスパッタにて0.01μmの厚みで成膜した。このときのシート抵抗値は20Ω/cmであった。次に、正孔注入材料として4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミンを用い、正孔注入材料を膜厚60nmまで蒸着して、正孔注入層を形成した。同様にして、ホストとして4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル、ドーパントとしてルブレンを用い、これらを共蒸着して、膜厚20nmの第1の発光層を形成した。
次いで、ホストとして4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ビフェニル、ドーパントとして1,4−ビス[4−(N,N−ジフェニルアミノスチリルベンゼン)]を用い、これらを共蒸着して、膜厚40nmの第2の発光層を形成した。これにより白色発光層を形成した。その後、トリス(8−キノリノール)アルミニウムを20nm厚まで蒸着して成膜することにより電子注入層とした。次いで、真空蒸着法によりマグネシウムと銀とを同時に蒸着して成膜し、陰極とした。この積層体の周囲をパッシベーション膜で封止して、有機EL素子を作成した。
本発明の素子として、出光面に、米国Luminit社製の拡散シートLight Shaping Diffusersの60°等方拡散のものを、空気層を介さずに貼付したものを作成した(πtan(α/2)tan(β/2)=1.05)。
[比較例1]
実施例と同様にして有機EL素子を作成し、ガラス基板の最表面に何も貼付しない素子を用意した。
[比較例2]
実施例と同様にして有機EL素子を作成し、ガラス基板の最表面に、サンドブラストで平均表面粗さRa=35μmのランダムな凹凸を形成して拡散面とした素子を用意した。
これらの素子について、電流密度100mA/cmでの透明基板正面からの輝度量を測定した。その結果、輝度は、実施例の素子が一番高く、次が比較例2、次が比較例1となった。また、100mA/cm定電流密度で、各素子の初期輝度の半減期を測定したところ、実施例の素子が一番長く、次が比較例2、次が比較例1となった。
本発明は、バックライトユニット、照明器具等の面発光光源に好適に使用することができる。
本発明で用いる拡散角の定義を示す図である。
符号の説明
1 入射光
2 基板
3a,3a’ 最小拡散角αを与える出射光
3b,3b’ 最小拡散角αを与える方向に略直交する拡散角βを与える出射光
4a,4a’ 半球面Sと、拡散角αを与える光の方向3a,3a’との交点
4b,4b’ 半球面Sと、拡散角βを与える光の方向3b,3b’との交点
5a,5a’ 平面Pと、拡散角αを与える光の方向3a,3a’の延長線との交点
5b,5b’ 平面Pと、拡散角βを与える光の方向3b,3b’の延長線との交点

Claims (2)

  1. 透明基板と、該透明基板上に形成された透明電極と、該透明電極上に形成された有機化合物からなる発光層と、該発光層上に形成された電極とを有する有機EL素子において、
    前記透明基板は、平板ガラス又は樹脂平板と、前記平板ガラス又は樹脂平板の表面に設けられ非平面スペックル構造を有する表面層又は透明樹脂フィルムとを有し、前記非平面スペックル構造は、凹凸のピッチが0.7μm〜30μmでランダムな値をとり、凹凸の高さが0.7μm〜20μmでランダムな値をとるスペックルパターンを有し、前記透明基板の法線方向から平行光線を入射させたときの出射光の形状を前記透明基板の法線方向から観察したときの形状が円形又は楕円形となることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記透明基板は、拡散角度が下記式(1)を満たすために十分な形状を有することを特徴とする請求項1記載の有機EL素子。
    0.015≦πtan(α/2)tan(β/2)≦35・・・・(1)
    α:基板の最小拡散角、60°≦α<180°
    β:最小拡散角αを与える測定方向に略直交する測定方向での拡散角、60°≦β<180°
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