JP5209418B2 - クリーニングブレード又は現像ブレード及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また近年、カラー化に伴う画質向上などの理由により略球形状のトナーである所謂球形トナーを用いる機種が増えており、この球形トナーはクリーニングエッジとロールの隙間に入り込みやすく、エッジを押し上げてすり抜けやすくなってきている。装置が高速化するに伴い、ますますそのクリーニングブレードに対する要求は複雑で厳しくなってきている。
従来、ブレードに好んで使用される一般的なポリウレタンゴムの物性のうち、tanδピーク温度は、−2〜11℃であった。一般に、低温・低湿下でのクリーニング性能を重視すると、tanδピーク温度は-2℃(低温)で有るほど良好である。一方、高温・高湿下での耐久性は、tanδピーク温度は、11℃(高温)で有るほど、良好である。従って、低温クリーニング性能と耐久性のバランスを考えたブレードとなっていた。つまりは、低温、高速、重合法トナーでクリーニング出来、かつ耐久性を兼ね備えたブレードは存在しなかった。
特許文献1(特開2007−30385号公報)では、連続成型法を用いた手法であって、外周に成形溝及び内部に加熱装置を備えた成形ドラムを用いて、合成樹脂を成形用原料とするブレードの素材を連続成形する方法において、2種以上の異なる液状合成樹脂原料を別々に注型することにより、異種材料を組み合わせたブレード素材を製造する方法を提案した。
特許文献2(特開2007−163676号公報)では、注型法を用いた手法であって、割り金型の一方の金型に、部分層を形成する液状合成樹脂をビード状に注型した後、金型を組み、ベース層を形成する液状合成樹脂を注型して、加熱硬化してブレード素材を形成するブレードの製造方法を提案した。
(1)エッジ部分とバックアップ層を形成するポリウレタンの組成が異なるポリウレタン製弾性部材を金属製支持部材に接着したクリーニングブレード又は現像ブレードであって、エッジ部分を形成するポリウレタンは、JIS−A硬度 65〜85のエステル系ポリウレタンであって、次の測定条件によるtanδピーク温度が−3℃以上15℃以下であり、バックアップ層を形成するポリウレタンは、JIS−A硬度 65〜80のエーテル系ポリウレタンであって、次の測定条件によるtanδピーク温度が−15℃以上−5℃以下であることを特徴とするクリーニングブレード又は現像ブレード。
tanδの測定条件(温度分散)
動歪:0.1%
周波数:10Hz
昇温スピード:2℃/min
(2)エッジ部分がバックアップ層とは異なる色であることを特徴とする(1)に記載のクリーニングブレード又は現像ブレード。
(3)エッジ部分とバックアップ層とを異なる組成のポリウレタンから形成されており、エッジ部分を形成するポリウレタンはJIS−A硬度 65〜85、tanδピーク温度−3℃以上15℃以下のエステル系ポリウレタンであり、バックアップ層のポリウレタンはJIS−A硬度 65〜80、tanδピーク温度−15℃以上−5℃以下のエーテル系ポリウレタンであるポリウレタン製弾性部材を金属製支持部材に接着してクリーニングブレード又は現像ブレードを製造する方法であって、成形溝を外周に備え、内部に加熱装置を備えた成形ドラムであって、該成形ドラムの外周に沿って、成形溝に合成樹脂供給手段、成形ドラムの成形溝を覆いながら成形ドラムの回転に同期して回走するエンドレスベルトを順次配置し、成形溝に供給した合成樹脂原料をエンドレスベルトと成形溝から形成される成形空間によって、所定の幅と厚さを有する帯状のブレード素材を成形ドラムの回転に従い製造する方法を用いたポリウレタン製弾性部材の製法であって、エッジ層を形成する添加剤を混入したポリウレタン材料を先に円筒状の金型に流し込み金型を回転しながら硬化させて、半硬化した後、バックアップ層を形成するポリウレタン材料を流しこみ回転させながら硬化させて2層から構成される帯状のブレード素材を取り出し、幅と長さを定寸にカットしてポリウレタン製弾性部材を成形後、該ポリウレタン製弾性部材を金属製支持部材に接着してクリーニングブレード又は現像ブレードを製造する方法。
(4)エッジ部分とバックアップ層とを異なる組成のポリウレタンから形成されており、エッジ部分を形成するポリウレタンはJIS−A硬度 65〜85、tanδピーク温度−3℃以上15℃以下のエステル系ポリウレタンであり、バックアップ層のポリウレタンはJIS−A硬度 65〜80、tanδピーク温度−15℃以上−5℃以下のエーテル系ポリウレタンであるポリウレタン製弾性部材を金属製支持部材に接着してクリーニングブレード又は現像ブレードを製造する方法であって、2枚の型部材を型組して形成されるキャビティー内へ液状のポリウレタン原料を注型し、重合硬化後脱型して製造する割型成型法を用いたポリウレタン製弾性部材の製造方法であって、型組みする前に一方の割型の壁面に筋状にエッジ部形成する液状の添加剤を混入したポリウレタンを塗布し、半硬化させた後に型組みし、バックアップ層を形成するポリウレタン原料を注入し、硬化させて脱型してポリウレタン製弾性部材を得、該ポリウレタン製弾性部材を金属製支持部材に接着してクリーニングブレード又は現像ブレードを製造する方法。
本発明はバックアップ層とエッジ部又はニップ部を別組成としたポリウレタン製のブレード部材からなり、バックアップ層は、tanδピーク温度−15℃〜−5℃、JIS−A硬度65〜80が好ましく、エッジ部又はニップ部はtanδピーク温度−3℃〜15℃、JIS−A硬度65〜85が適切である。この範囲で、バックアップ層はエッジ部あるいはニップ部を保持してクリーニング性能を保持することができ、エッジ部あるいはニップ部は低温・低湿下の走行時にエッジカケを生じることなく、耐磨耗性を保持して長期的に安定したクリーニングを維持出来る。特に、バックアップ層tanδピーク温度が−4℃以上では、クリーニング性能を維持困難であり、また、硬度65以下では、クリーニング時にエッジ部が腹当たりになり、クリーニング性能が維持出来ない。エッジ部等は、特に、tanδピーク温度が16℃以上になると、低温・低湿下の走行時にエッジカケが生じ長期的に安定したクリーニングを維持出来ず、硬度64以下では、走行時にブレードめくれが生じ使用できない。
本発明のポリウレタン製弾性部材は、連続成形手段、割型成形手段を用いることによって、工程数を増加させることなくクリーニングブレード又は現像ブレードを製造することができる。
本発明のクリーニングブレード又は現像ブレードは、例えば、図1に示すエッジ部分の部分層1とバックアップ層となるベース層2からなるポリウレタン製弾性部材を支持部材4に接着して構成される。本発明では、基本的にエッジ部にエステル系ポリウレタンを用い、ベース部にはエーテル系ポリウレタンを用いることができる。
トナーを掻き取るためにロールなどの表面に圧着当接するエッジ部分あるいはニップ部分の大きさは、厚み×幅が0.03〜0.4×0.03〜4mmが好ましい。さらには、厚み方向において、少なくとも30μm以上であって、0.4mm以内、望ましくは0.2mm以内、さらに望ましくは0.1mm以内であること、幅方向において、少なくとも30μm以上であって、4mm以内、望ましくは2mm以内、さらに望ましくは0.5mm以内とするものである。以下、特にことわり無い限りエッジ部分にはニップ部分も含まれる。
エッジ部分がバックアップ層とは異なる色とすると、エッジ部分の大きさが明瞭に識別できる。ポリウレタンを硬化させた後にエッジの大きさをトリミングして形成するのが容易になる。
本発明に用いられるブレードは、熱硬化性ポリウレタン樹脂製が適している。
ウレタンの形成材料としては、ポリイソシアネートおよびポリオールを含有するポリウレタン組成物が用いられる。
本発明の熱硬化性ポリウレタン樹脂は、バックアップ層のtanδピーク温度が、−15℃〜−5℃、JIS−A硬度が65〜80、エッジ部分がtanδピーク温度が、−3〜15℃、JIS−A硬度が65〜85が適切である。
ポリオール成分として、エッジ部層はエステル系ポリウレタンを用い、エッジ部層以外のベース部であるバックアップ層はエーテル系ポリウレタンを用いることが適している。
なお、tanδの測定条件(温度分散)は、 動歪:0.1%、 周波数:10Hz 、昇温スピード:2℃/minである。
本発明に用いられるポリウレタン原料は、非溶剤型の熱硬化性が望ましい。例えば、本出願人が、先に出願した特願2007−18162号に開示したエステル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタンを用いることができる。エッジ部分用ポリウレタン樹脂に着色剤を添加してバックアップ層とは異なる色とすると、エッジ部分の大きさが明瞭に識別できる。ポリウレタンを硬化させた後にエッジの大きさをトリミングして形成するのが容易になる。
本発明に用いるエッジ層を形成するエステル系ポリウレタンは、従来から使用されているエステル系ポリウレタンを使用することができる。ポリエステルジオール、ポリエステルトリオール等のポリエステルポリオール。tanδピーク温度を−15〜−5℃とすることにより、エステル系ポリウレタンをバックアップ層として用いることができる。
ポリエステルポリオールとしては、多塩基性有機酸とポリオールとから製造される。ε−カプロラクタムの開環重合から得られるポリカプロラクトンジオール等のポリカプロラクトンポリオールも使用できる。
多塩基性有機酸としては、特に限定するものではなく、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソセバシン酸等の飽和脂肪酸や、マレイン酸、フマル酸等の不飽和脂肪酸や、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族酸等のジカルボン酸があげられる。また、無水マレイン酸、無水フタル酸等の酸無水物や、テレフタル酸ジメチル等のジアルキルエステル等を用いることもできる。さらに、不飽和脂肪酸の二量化によって得られる、ダイマー酸を用いることもできる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
本発明では、エーテル系ウレタンをバックアップ層として用いる。
ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール。
ポリエーテルポリオールとして、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、α−メチルトリメチレンオキサイド、3,3′−ジメチルトリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキサミン等の環状エーテルがあげられる。
ポリイソシアネートとしては、特に限定するものではなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、3,3′−ビトリレン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートウレチジンジオン(2,4−TDIの二量体)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、カルボジイミド変性MDI、オルトトルイジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル等のジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート等のトリイソシアネート、ポリメリックMDI等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、耐摩耗性の観点から、MDIが好ましい。
ポリウレタン組成物には、上記ポリイソシアネートおよびポリオール以外に、鎖延長剤、界面活性剤、難燃剤、着色剤、充填剤、可塑剤、安定剤、離型剤、触媒等通常用いられている剤を配合することができる。
上記三級アミンとしては、トリエチルアミン等のトリアルキルアミンや、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン等のテトラアルキルジアミンや、ジメチルエタノールアミン等のアミノアルコールや、エトキシル化アミンや、エトキシル化ジアミンや、ビス(ジエチルエタノールアミン)アジペート等のエステルアミンや、トリエチレンジアミンや、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等のシクロヘキシルアミン誘導体や、N−メチルモルホリン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルモルホリン等のモルホリン誘導体や、N,N′−ジエチル−2−メチルピペラジン、N,N′−ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルピペラジン等のピペラジン誘導体等があげられる。
上記有機錫化合物としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)等のジアルキル錫化合物があげられる。また、2−エチルカプロン酸第1錫、オレイン酸第1錫等があげられる。
本発明で用いられる合成樹脂は、主に熱硬化性のポリウレタン樹脂である。特に、非溶剤型の2液性の熱硬化性ポリウレタンが適している。外周成型溝回転ドラムによる連続成型法は、注型から取り出しまでの時間が成形ドラムの一回転以内であり、30〜60秒程度で取り出し可能な程度に重合固化している必要がある。このような条件を満たすイソシアネートとポリオール、架橋剤、触媒を選定し設計する。取り出した後工程において、2次架橋、熟成工程を施すことができる。割型を用いる場合も、エッジ部となるエステル系ポリウレタンの初期硬化時間を短くすることが望ましい。
ウレタンプレポリマーの液状物および架橋剤との液状物のうち少なくとも一方に混合される高分子量ポリオールの成分が数平均分子量1000〜3000の2官能ポリオールと、数平均分子量92〜980の3官能ポリオールとを平均官能基数が2.02〜2.20となるポリオールにイソシアネート基の含量が5〜20%となる量のジイソシアネート化合物を混合してプレポリマーを調製し、そのプレポリマーに、OH基/NCO基の当量比が0.85〜1.00となる量の架橋剤とを40〜70℃において混合してポリウレタン液状物(未硬化ポリウレタン組成物)を調製する。
また平均官能基数(f)がf=1ではモノオールとなるため重合せず、f≧5では多官能になりすぎるために、重合物の粘度が増大し且つ物性が低下するからである。
エッジ部を形成する部分層となるポリウレタン層とベース部層(バックアップ層)のポリウレタン層の2層に形成する方法は、(a)外周に溝を形成した回転成型ドラムを利用して連続成型する方法、(b)割型による個別に成型する方法を利用することができる。この部分層を形成するポリウレタンに摩擦低下剤、研磨剤、導電剤等の添加剤を配合する。
この成型手段は、本願発明者が先に提案した特開2007−30385号公報に開示した手段を利用することができる。ブレードに使用されている合成樹脂製の弾性ゴムからなるテープの幅と同一かそれよりやや大きい幅を有する合成樹脂製のテープを連続して製造し、その長尺テープを定寸にカットし、金属製の支持体の一側縁に接合してクリーニングブレード又は現像ブレード等に仕上げる技術を基本製法とする。
この製法に用いる基本的な製造手段は、外周に成形溝を設けた成形ドラムを、水平軸を中心に回転させつつ、ポリウレタン等の液状原料を頂点付近から成形溝に連続注型し、成形ドラムの回転動作中に重合させて、注型箇所より前の位置でテープ状となったポリウレタン等の連続成型物を剥離して、成形溝から取り出し、後工程に供給するものを用いるものである。テープ状の成型物が連続して産出されるので、後工程では、一本の定尺にカット、金属支持体との接合と一連の作業を連続して実施でき、稼働に無駄が無く生産性が高い。
先行する合成樹脂を成形溝のコーナー部に注型した場合は、エッジ部に異種材料を設けたブレード素材を製造することができる。
基本構成を図2に示す。
図2に示すように、弾性ゴム部材であるブレード素材の製造装置は、外周に成型用溝が形成された成形ドラム13、樹脂を供給する供給口する第1注型機ミキシングヘッド11、第2注型機ミキシングヘッド12、スチール製の鏡面を備えたエンドレスベルト14、冷却用コンベア20、裁断装置24、搬出用のコンベア25等から構成される。
この手法においては、樹脂注型後数十秒以内(例えば、30〜60秒程度)に成形溝から取り出されること、成形のために加圧されないこと、重合硬化は回転する成型ドラムの下半部が中心であること、成形溝からの引き剥がし角度が小さくすることができる等の成形条件であるので、成形溝底面からの剥離が比較的容易であり、必ずしも離型剤を使用する必要がない。トナーが微細化やカラー化することによって、離型剤が悪影響となることがあり、本発明の一形態として、離型剤を使用しない場合は、このような不都合も生じない。また、離型剤を用いる必要がないことは、他の表面処理剤を作用させることもできることとなり積極的に表面改質に利用することも可能である。
成型課程の模式図を図3に示す。
この例は、試験的に行った実測値に基づく一例であって、これに限定されるものではない。図4は、ベース層2と弧状の部分層1を備えた弾性ゴム部材を示す。弧を模式的に円弧として扱うと次のようになる。円弧状の部分層1は、仮想の半径Rの部分弧となり、その弦Xの2倍が幅となり、高さが円弧の高さYとなるものと想定することができる。
この幅Xと高さYの関係をグラフ化して図5に示す。このようにして得られたポリウレタン弾性ゴム部材に部分層1が所定の厚みと幅になるようにトリミングして切断成形することにより、所望のエッジの大きさを備えたクリーニングブレード又は現像ブレードを製造することができる。エッジ部とベース部が異なる色に着色されていると切断位置の決定が容易である。
割型成型法は、1枚のポリウレタン製の弾性ブレードの大きさに相当するキャビティーを成型する2枚の型部材をあわせて、キャビティー内へ液状のポリウレタン原料を注型し、重合硬化後脱型して製造するものである。型組みする前に一方の割型の壁面に筋状にエッジ部を形成する液状のエステル系ポリウレタン原料を塗布し、半硬化させた後に型組みして、ベース部を形成するエーテル系ポリウレタン原料を注入して、硬化させて脱型して部分2層を形成したブレード素材を得る。
この割型による部分2層の成型方法は、本出願人が出願した特開2007−163676号公報に開示した手段を用いることができる。
即ち、次のとおりである。
部分層に相当する位置に熱硬化性樹脂である液状合成樹脂を吐出するヘッドを移動させるか、あるいは金型を移動させることにより熱硬化性樹脂をビード状に塗布するように注型した後、割り金型を組み、ベースとなる熱硬化性樹脂を注型して加熱炉で一体成形する。一体成形されたブレード素材は、割り金型を解体して取り出して所定のサイズに裁断されてブレードとして用いられる。金型を組むときに支持体の一部をキャビティー内部にセットして、ベース形成用樹脂を注型すると支持体とブレードゴム体を一体的に接合できる。この例では、ポリウレタンの硬化成形と支持体との一体化を同時に行っているが、ポリウレタン弾性部材のみを硬化成形し、その後支持体と接着接合することもできる。
図6に割金型構造の概略を断面図として示す。
金型110は、左右の分割金型110a,110bから構成される。分割金型110a,110bの中間には支持部材となる芯金AAを挟持する突出部材が形成されている。この分割型110a,110bは、ベース板113と該ベース板113の左右に立設された側壁114と傾斜側壁115の間に配置し、該傾斜側壁115側に楔状に型締め部材116を押し込むことにより、締め付けられて型組されるものである。両分割金型110a,110bの間に形成された空間にベースとなる合成樹脂を注型して、ブレードが成型される。
図6に示したものは、芯金AAを配置して、樹脂の加熱成型と芯金との接合を同時に行う例を示している。芯金AAを配置せずに樹脂を硬化したブレード素材を成型し、その後支持部材を接合して、ブレードを製造することもできる。
図7に分割金型の一方(110a又は110b)に分割層を形成する樹脂を吐出ヘッド108から長手方向、ビード状に吐出する状態を示す。部分層の注型手段は、例えば、吐出ヘッドを移動させる方法と分割金型を移動させる2つの方法を採用することができる。
ポリウレタン製弾性ゴム部材:厚さ2.0mm、幅12.3mm、長さ326mm
金属製支持体:厚さ1.2mmの鋼板
接着処理:ダイマー酸ベースのホットメルト接着剤使用
各実施例に用いるポリウレタン弾性部材は、エッジ部とベース層を構成するポリウレタンの組成をことなせた物である。
各比較例に用いるポリウレタン弾性部材は、全体に同じ組成のポリウレタン組成である。
<導電ブレードの例>
表1及び表2に示す組成のポリウレタンを用い表3〜13に示す実施例1〜25、比較例1〜96のポリウレタン弾性部材を用いたクリーニングブレードの例を示す。表1にはバックアップ層に用いるポリウレタンの組成を番号で示し、表2にはエッジ部のポリウレタンの組成をアルファベットで示す。表3〜13には表1及び表2に示されたバックアップ層とエッジ部のポリウレタン組成を組み合わせて行ったクリーニングブレードの試験例である。評価試験結果を表3〜13に示す。なお、硬度はJIS−A硬度である。
評価機:市販のプリンターを使用
評価パターン
・耐久・めくれ評価(32℃×85%)
エリアカバー5%出力で通紙10万枚まで実施。1万枚毎にハーフトーン画像を 出力しクリーニング不良の有無を確認した。
・クリーニング性能評価(10℃×15%)で実施
エリアカバー1%出力で通紙2000枚まで実施。200枚毎にハーフトーン画像を出 力しクリーニング不良の有無を確認した。
印字テスト中にエッジに欠けや割れなどの不良が生じるかを観察した。欠けなどの不良が生じるとトナーの掻き取りが不十分となり、印字不良の原因となる。
<ブレードめくれ評価>
印字テスト中にエッジの捲れ上がりが生ずるか観察した。捲れあがりが生じるとトナーのすり抜けが発生し、印字不良の原因となる。
実施例、比較例の試験結果を基に、tanδピーク温度と硬度の関係を図8に図示する。この図示化した結果から、バックアップ層はtanδピーク温度が、−15℃〜−5℃、JIS−A硬度が65〜80、エッジ部分はtanδピーク温度が、−3〜15℃、JIS−A硬度が65〜85が良好であることが分かる。
2 ベース層
3 弾性ゴム部材(クリーニングブレード)
4 支持部材
5 ブレード断面
10 外部加熱装置
11 第一注型機ミキシングベルト
12 第二注型機ミキシングベルト
13 成形ドラム
14 エンドレスベルト
15 回転軸
16 予熱ロール
17 ガイドロール
18 テンションロール
19 冷却ロール
20 冷却コンベヤ
21 冷却装置
22 弛み検知器
23 送りロール
24 裁断装置
25 コンベア
26 上側センサー
27 下側センサー
101 帯状ブレード素材
103 定尺寸法ブレード部材
108 吐出ヘッド
110 金型
110a、110b 分割金型
111 分割金型に注型する装置
112 スライド板
113 ベース板
114 側壁
115 傾斜側壁
116 型締め部材
Claims (4)
- エッジ部分とバックアップ層を形成するポリウレタンの組成が異なるポリウレタン製弾性部材を金属製支持部材に接着したクリーニングブレード又は現像ブレードであって、
エッジ部分を形成するポリウレタンは、JIS−A硬度 65〜85のエステル系ポリウレタンであって、次の測定条件によるtanδピーク温度が−3℃以上15℃以下であり、
バックアップ層を形成するポリウレタンは、JIS−A硬度 65〜80のエーテル系ポリウレタンであって、次の測定条件によるtanδピーク温度が−15℃以上−5℃以下であることを特徴とするクリーニングブレード又は現像ブレード。
tanδの測定条件(温度分散)
動歪:0.1%
周波数:10Hz
昇温スピード:2℃/min - エッジ部分がバックアップ層とは異なる色であることを特徴とする請求項1に記載のクリーニングブレード又は現像ブレード。
- エッジ部分とバックアップ層とを異なる組成のポリウレタンから形成されており、エッジ部分を形成するポリウレタンはJIS−A硬度 65〜85、tanδピーク温度−3℃以上15℃以下のエステル系ポリウレタンであり、バックアップ層のポリウレタンはJIS−A硬度 65〜80、tanδピーク温度−15℃以上−5℃以下のエーテル系ポリウレタンであるポリウレタン製弾性部材を金属製支持部材に接着してクリーニングブレード又は現像ブレードを製造する方法であって、
成形溝を外周に備え、内部に加熱装置を備えた成形ドラムであって、該成形ドラムの外周に沿って、成形溝に合成樹脂供給手段、成形ドラムの成形溝を覆いながら成形ドラムの回転に同期して回走するエンドレスベルトを順次配置し、成形溝に供給した合成樹脂原料をエンドレスベルトと成形溝から形成される成形空間によって、所定の幅と厚さを有する帯状のブレード素材を成形ドラムの回転に従い製造する方法を用いたポリウレタン製弾性部材の製法であって、
エッジ層を形成する添加剤を混入したポリウレタン材料を先に円筒状の金型に流し込み金型を回転しながら硬化させて、半硬化した後、バックアップ層を形成するポリウレタン材料を流しこみ回転させながら硬化させて2層から構成される帯状のブレード素材を取り出し、幅と長さを定寸にカットしてポリウレタン製弾性部材を成形後、
該ポリウレタン製弾性部材を金属製支持部材に接着してクリーニングブレード又は現像ブレードを製造する方法。 - エッジ部分とバックアップ層とを異なる組成のポリウレタンから形成されており、エッジ部分を形成するポリウレタンはJIS−A硬度 65〜85、tanδピーク温度−3℃以上15℃以下のエステル系ポリウレタンであり、バックアップ層のポリウレタンはJIS−A硬度 65〜80、tanδピーク温度−15℃以上−5℃以下のエーテル系ポリウレタンであるポリウレタン製弾性部材を金属製支持部材に接着してクリーニングブレード又は現像ブレードを製造する方法であって、
2枚の型部材を型組して形成されるキャビティー内へ液状のポリウレタン原料を注型し、重合硬化後脱型して製造する割型成型法を用いたポリウレタン製弾性部材の製造方法であって、
型組みする前に一方の割型の壁面に筋状にエッジ部形成する液状の添加剤を混入したポリウレタンを塗布し、
半硬化させた後に型組みし、
バックアップ層を形成するポリウレタン原料を注入し、
硬化させて脱型してポリウレタン製弾性部材を得、
該ポリウレタン製弾性部材を金属製支持部材に接着してクリーニングブレード又は現像ブレードを製造する方法。
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JP2008230411A JP5209418B2 (ja) | 2008-09-09 | 2008-09-09 | クリーニングブレード又は現像ブレード及びその製造方法 |
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