本発明に係るデジタル放送受信装置は、デジタル放送を受信する放送受信手段を備え、そのデジタル放送から音声又は映像及び音声やデータを出力可能な装置であればよく、例えば、デジタルテレビ装置、レコーダ、チューナ、STB(Set Top Box)、デジタルラジオ受信装置などの様々な機器が適用できる。
以下、本発明に係るデジタル放送受信装置として、デジタルテレビ装置(以下、単に「テレビ装置」という)を挙げて説明するが、他の機器にも同様の説明が適用できる。例えば、レコーダ、チューナ、STBなど映像表示装置を備えず映像表示装置に接続する機器では、以下の説明において、映像表示装置への映像信号の出力で処理を終了させればよい。また、デジタルラジオ装置等の映像出力を行わない機器は、以下のテレビ装置において映像信号の受信・表示に関する部位の説明を除いた機器に相当する。また、映像出力を行わない機器でのメニュー画像や番組情報等の表示は、具備された表示窓等の表示部に行えばよい。
さらに、以下の説明では、放送受信手段が、BSデジタル放送を受信可能な構成をもち、BSデジタル放送を利用した地上デジタル放送の再送信も受信可能とする。但し、テレビ装置はこのような構成に限らず、BSの代わりに110度CS(Communication Satellite)を採用するなど、第1のデジタル放送の再送信を第2のデジタル放送を利用して受信するテレビ装置であってもよい。なお、第2のデジタル放送としてCATV(Common Antenna TeleVision)システムを採用してもよくその場合にも、再送信された地上デジタル放送の視聴制限にはC−CASカードではなくB−CASカードを用いるような構成を採用するのが一般的である。しかしながら、視聴制限はB−CASに限らず、どのような方式で行ってもよい。また、第1のデジタル放送も地上デジタル放送に限ったものではなく、将来、放送方式が変更される場合の移行時期などに、以下に説明する本発明が適用できる。
図1は、本発明の一実施形態に係るテレビ装置の一構成例を示すブロック図で、図中、1はテレビ装置、10はリモコンである。図1で例示するテレビ装置1は、キー入力処理部11、メニュー処理部12、選局処理部13、EPG情報処理部14、世代スキップ設定情報保存部15、チューナ16、B−CASカード読取部17、デマルチプレクサ(DEMUX)18、映像音声処理部19、映像出力部20、及び音声出力部21を備えている。なお、各部の一部、例えばメニュー処理部12、選局処理部13、及びEPG情報処理部14(及び世代スキップ設定情報保存部15)などは1つのシステムマイコンなどとして構成してもよい。また、テレビ装置1は、映像出力部20に接続された映像表示装置と音声出力部21に接続されたスピーカとを備えるものとする(図示せず)。
リモコン10は、例えば、テレビ装置1の各種設定を行うメニュー画面を表示させるメニューボタン、ワンタッチボタンの番号に対応するダイレクト選局ボタン(チャンネルボタン)、3桁チャンネル番号に対応した放送サービス(放送チャンネル)をUP/DOWNにより選局するUP/DOWN選局ボタン、3桁チャンネル番号の入力を開始するための3桁入力ボタン、EPGを表示させるためのEPGボタン、個別の番組情報を表示させるための番組情報ボタン、入力ソースを切り換える入力切換ボタン等の各種ボタン(キー)を備えている。
なお、3桁入力ボタンの押下後には、チャンネルボタンである数字ボタンにより3桁のチャンネル番号が入力可能になる。また、入力ソースの切り換えとは、例えばBSデジタル放送、地上デジタル放送、第1外部入力端子、第2外部入力端子等のテレビ装置1に具備される入力ソースの中から、映像・音声を出力するソースを選択することを指す。BSデジタル放送又は地上波デジタル放送が選択された場合、ダイレクト選局ボタン、UP/DOWN選局ボタン、3桁入力ボタン、の押下に応じて、選択された入力ソース中での選局がなされる。
リモコン10は、テレビ装置1のユーザによって操作され、テレビ装置1に対してその操作に対応した操作信号を送信する。リモコン10による操作信号はキー入力処理部11に具備される受信部で受信される。キー入力処理部11は、受信した操作信号を解析し操作信号に対応した制御信号を、メニュー処理部12、選局処理部13、及びEPG情報処理部14のいずれか1又は複数に出力する。
リモコン10及びキー入力処理部11は、放送受信手段で受信するデジタル放送に対して選局操作及び番組情報(個別の番組情報やEPG)の表示操作を、ユーザから受け付けるユーザ操作手段の一例である。テレビ装置1に具備されるユーザ操作手段の他の例としては、テレビ装置1の本体に取付けられているキー又はボタン等が挙げられる。このキー又はボタン等は、リモコン10及びキー入力処理部11と併設してもよい。
メニュー処理部12は、ユーザがリモコン10のメニューボタンを押下することにより、その制御信号をキー入力処理部11から受信する。そして、メニュー処理部12は、その制御信号に応じて映像出力部20に対してメニュー画像のOSD(On Screen Display)表示を指示する。メニュー処理部12は、メニュー画像によるメニュー画面の表示後、その表示を終了させるまで、リモコン10からの操作信号に対応した制御信号を受信し、メニュー画像の変更、及び各種設定値の変更などの処理を行う。
設定値は、メニュー処理部12の内部又は外部に設けられたEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリに、書き換え可能に格納しておけばよい。なお、後述するが、本発明に係る世代スキップ設定処理もリモコン10からのメニュー画像表示時の操作によりこのメニュー処理部12でなされ、世代スキップ設定情報保存部15にその設定値が保存される。つまり、世代スキップ設定情報保存部15で記憶する設定値も上述の各種設定値の一部となる。但し、世代スキップ設定情報保存部15は、本発明の主たる特徴であり、またこの設定値は選局処理部13やEPG情報処理部14にも関連する設定値となるため、図1では世代スキップ設定情報保存部15を別途図示している。
選局処理部13は、ユーザがリモコン10のダイレクト選局ボタン、UP/DOWN選局ボタン、3桁入力ボタン及び数字ボタンなどの操作により、視聴したい放送サービスを特定した場合に、その放送サービスのチャンネル番号を示す制御信号をキー入力処理部11から受信する。そして、選局処理部13は、その制御信号に応じたサービス番号(service_id)へ変換する。選局処理部13は、予めNIT(network information table)より取得し内部メモリに記憶しておいた、サービス番号と、周波数、TS_idとの対応表から、ユーザ操作により指示のあったサービス番号の周波数、TS_idを求める。求められた周波数とTS_idをチューナ16にセットする。これによって、セットしたTS_idのトランスポートストリーム(TS)信号がチューナ16より出力される。すると、後述するPSI(Program Specific Information)がDEMUX18から選局処理部13に出力され、選局すべきservice_idに関する音声ストリーム及び映像ストリームを指定するための情報が得られる。この値でDEMUX18を設定することで映像音声処理部19へ、選局すべきservice_idに関する音声ストリーム及び映像ストリームが出力される。選局処理部13は、これに伴った処理のスタート/ストップを映像音声処理部19へ指示することや、映像、音声の出力する/しないを映像出力部20、音声出力部21に指示を行う。
チューナ16には、例えば周波数変換器を備えたアンテナ(図示せず)に接続されており、アンテナは、BSからTSパケット形式で放送されるデジタル放送信号を受信して、周波数変換した信号をチューナ16に出力する。チューナ16は、復調回路、逆インタリーブ回路、誤り訂正回路等を備えており、映像・音声等のデータを含む高周波デジタル変調信号のうちから特定周波数(特定の伝送チャンネル)の指定したTS信号を取り出す処理を実行する。チューナ16及びアンテナは放送受信手段の一例である。また、BSデジタル放送での地上デジタル放送の再送信もこの放送受信手段で同様に受信できる。
B−CASカード読取部17は、放送受信手段で受信したデジタル放送のうち、契約情報に基づき所定の放送サービスの映像及び音声の出力に制限をかける視聴制限手段の一例である。B−CASカード読取部17は、テレビ装置1での地上デジタル放送やBSデジタル放送の契約情報が記録されたB−CASカードが挿入可能となっており、挿入されたB−CASカードに放送波から取得したECM(Entitlement Control Message)を渡すことによって、スクランブルされたサービスを復号する鍵を、DEMUX18へ渡す。これによってスクランブルされたサービスが復号される。
そして、地上デジタル放送の難視聴地域で使用されるテレビ装置1のB−CASカードには、地上デジタル放送の再送信を行うBSデジタル放送の伝送チャンネルに対し視聴を許可する情報が登録処理により記録され、一方、難視聴地域以外のB−CASカードには同伝送チャンネルに対し視聴を制限する情報が記録された状態のままになる。そのため、B−CASカードの契約情報によっては、難視聴地域以外の地域において、BSデジタル放送の伝送チャンネルを用いて再送信された地上デジタル放送の映像・音声に対しては出力制限が可能であるが、従来の構成のままではそのSI(Service Information)に対する出力制限が不可能である。
なお、難視聴地域以外の地域でも地上デジタル放送の再送信を受信可能とすることはB−CASカード内の契約情報により可能である。しかし、難視聴地域以外の地域では地上デジタル放送が各地方の地上デジタル放送の受託放送事業者によって放送されているため、全国放送となるBSで地上デジタル放送を難視聴地域以外の地域でも受信可能にしてしまうと、地方の地上デジタル放送の受託放送事業者に不利益となる。また、視聴者にとっては放送チャンネル数の増加により混乱を招くことも想定できる。
DEMUX18は、チューナ16から出力されたMPEG(Moving Picture Experts Group)−2のTSパケットのストリームを、映像(ビデオ)ストリーム、音声(オーディオ)ストリーム、データストリーム、制御ストリームに分離する。また、DEMUX18は、B−CASカード読取部17から得た契約情報で視聴が許可されている放送に対し、チューナ16で受信したTSパケットのスクランブルを解除する。放送局側では、スクランブル処理を映像及び音声のTSパケットのみに対して施して放送している。B−CASカードの契約情報はこのスクランブル処理されたTSパケットに対し、デスクランブル処理を施すか否かに用いられる。DEMUX18は、選局処理部13からの指示に従って、指定されたservice_idの音声ストリーム及び映像ストリームを映像音声処理部19に出力する。音声ストリーム及び映像ストリームの指定については、非特許文献1に記載されているので省略する。
データストリームは、SIのTSパケットでなり、このうち主としてEPG画像を生成するために用いる番組情報は、主にEIT(Event Information Table)のTSパケットとして受信される。ここでBSデジタル放送の場合、全放送局の番組情報がSIに含まれ、再送信ではない通常の地上デジタル放送の場合、各放送局の番組情報がSIに含まれる。また、制御ストリームは、PSIのTSパケットとして受信される。DEMUX18は、データストリームをEPG情報処理部14に出力し、制御ストリームを選局処理部13に出力する。PSIには、NITも含まれ、さらには、映像音声処理部19で処理すべきTSパケットの特定情報が含まれる。SI内の情報は、主にEPGを表示するために使用するためEPG情報処理部14で利用される。なお、制御ストリーム及びデータストリームは、まとめてPSI/SIと呼ぶこともある。PSI/SIのTSパケットはデスクランブル処理を施す必要がないため、DEMUX18の後段でB−CASカードの契約情報に拘わらずそのTSパケット内の情報を取得し使用することができる。
EPG情報処理部14は、ユーザがリモコン10でEPGボタンを押下するなどのEPG画像表示操作を行うことにより、その制御信号をキー入力処理部11から受信する。そして、EPG情報処理部14は、その制御信号に応じて後述するようにSIから番組情報を得て、全放送サービス分の番組情報からEPG画像を生成し、映像出力部20に対してEPG画像のOSD表示を指示する。テレビ装置1のようにBSデジタル放送が受信可能な構成では、後述する本発明の主たる特徴を備えない限り、上述のごとく難視聴地域であるか否かに拘わらず地上デジタル放送の再送信に対してもこのOSD表示が可能となる。また、EPG情報処理部14は、EPG画像によるEPG画面の表示後、その表示を終了させるまで、リモコン10からの操作信号に対応した制御信号を受信し、録画予約処理(但しテレビ装置1に録画装置が具備されるか接続される場合)や視聴予約処理をはじめ、EPG画像の変更処理などの処理を行う。
番組情報を取得するために、EPG情報処理部14は番組情報用のデコーダを有する。そして、EPG情報処理部14は、チューナ16からDEMUX18経由で出力されるTSパケットのうちSIのEITに関するTSパケットを取り込み、番組情報用のデコーダでデコードして、内部メモリに蓄積する。BSデジタル放送の場合、全ての放送サービスの番組情報が一度に送信されているため、一度に全番組情報を内部メモリに蓄積できる。このように全放送サービス分蓄積された番組情報を、以下、EPGデータベース(EPG DB)と呼ぶ。このEPG DBは例えば一日単位で書き換えられる。1つのEITには、1サービスIDに関する一定期間に放送される番組の情報が記載され、さらに、該当のサービスIDに対応するTS_idの値も記載されている。このTS_idの値についてもEPG DBに蓄積する。
また、EPG情報処理部14は、個別の番組情報を表示させるための番組情報ボタンの押下に応じた処理として、BSデジタル放送の場合には、SIから直接、或いはEPG DBから、個別の番組情報を取り出す。EPG情報処理部14は、取り出した番組情報を映像出力部20に出力すると共に、映像出力部20に対して個別の番組情報画像のOSD表示を指示する。
映像音声処理部19は、例えばMPEG−2用のビデオデコーダ(映像デコーダ)、オーディオデコーダ(音声デコーダ)、映像処理回路、音声処理回路等を内蔵している。映像音声処理部19では、入力された音声のTSパケットストリームを音声デコーダでデコードして音声信号を生成し、音声処理回路で各種音声処理を施した後にその音声信号を音声出力部21に出力する。音声出力部21はその音声信号をD/A変換し、例えば右(R)音のアナログ信号及び左(L)音のアナログ信号を生成して増幅して、スピーカに出力する。これによりスピーカから音声が発生する。
また、映像音声処理部19では、入力された映像のTSパケットストリームを映像デコーダによりデコードして映像信号を生成し、映像処理回路で各種映像処理を施した後にその映像信号を映像出力部20に出力する。この出力時には音声との同期を行うものとする。映像出力部20は、映像音声処理部19からの映像信号に基づいて映像表示装置に表示させる映像信号を生成する。そのため映像出力部20は、例えばスケーラ、OSD処理部、フレームメモリ等を内蔵しており、スケーリング、映像表示装置で表示可能な形式の映像信号(例えばコンポジット映像信号)への変換、OSD画像の生成及び重畳などの処理を行い、映像表示装置へその映像信号を出力する。
OSD処理部では、メニュー処理部12、選局処理部13、及びEPG情報処理部14などからの指示に基づきOSD画像信号を生成し、映像音声処理部19から入力された映像信号に重畳して映像表示装置に出力する。メニュー処理部12からの指示には、メニュー画面の表示、その操作に応じた表示変更などの指示が含まれる。選局処理部13からの指示には、選局された放送サービス(チャンネル)の番号の表示などの指示が含まれる。EPG情報処理部14からの指示には、EPG画像や個別の番組情報を示す画像の生成、その操作に応じた画像の表示変更などの指示が含まれる。
上述のごとき構成のテレビ装置1で実行される、本発明の主たる特徴である世代スキップ設定処理について、説明する。本発明に係るテレビ装置1は、次に説明する受託時期情報取得手段及び応答制限手段を備え、SIの出力などユーザ操作手段(リモコン10や本体操作部)での操作に対する応答処理を制限するために、放送サービスの追加時期(受託放送事業者の受託時期)を示す情報を利用する。
受託時期情報取得手段は、受信したデジタル放送から、受託放送事業者の受託時期を示す受託時期情報を取得する手段であり、主として、選局処理部13及びEPG情報処理部14で例示できる。
応答制限手段は、受託時期情報取得手段で取得した受託時期情報が所定期間内に新規委託された受託放送事業者であることを示している放送サービスに関し、リモコン10や本体操作部での操作に対する応答処理を制限する。すなわち、応答制限手段は、受託時期情報取得手段で取得した受託時期情報が所定期間内に新規委託された受託放送事業者であることを示している場合に、その放送サービスに関するリモコン10や本体操作部での操作に対する応答処理を制限する。ここで、所定期間内に新規委託された受託放送事業者とは、或る追加時期(追加委託時期)A以降であって或る追加時期B以前に新規委託された受託放送事業者を指す。ここで、BはAより後の時期とする。但し、BとAとを同じと考えても、すなわち所定期間として一つの追加時期としてもよい。
この応答制限手段は、世代スキップ設定情報保存部15、選局処理部13、EPG情報処理部14で例示できる。世代スキップ設定情報保存部15は、EEPROM等の不揮発性メモリでなり、上述の所定期間を、応答処理をスキップする世代を示す世代スキップ設定情報として保存する。ここでは、上記所定期間を新規受託された受託放送事業者の世代に対応させている。リモコン10や本体操作部での操作に対する応答処理とは、図1のテレビ装置1においては、キー入力処理部11で受信した操作信号に対して選局処理部13、EPG情報処理部14が実行する処理を指す。そして、選局処理部13及びEPG情報処理部14は、キー入力処理部11からの制御信号を受け、処理実行時にまず世代スキップ設定情報保存部15を参照し、リモコン10や本体操作部での操作に対する応答処理を制限する。
応答処理の制限としては、後述するように選局を不可にすること(例えば選局スキップ、選局のリスト自体からの消去等)、番組情報(個別の番組情報やEPG画像中の該当する番組情報)の非表示などが該当する。なお、この制限は、B−CASカード内の契約情報に依存するものではなく、上述のように受託時期情報が所定期間内に新規委託されていることを示す放送サービスに対してのみ実行される。
本発明の主たる特徴について、図2〜図7を参照して具体的な例を挙げて説明する。図2は、地上アナログ放送の停波より少し前の段階で実施されることが予想される、地上デジタル放送の難視聴地域対策の一例を説明するための図で、BSデジタル放送における周波数割り当て表の時間的推移を示す図である。なお、図2で示す推移はあくまで予想であり、本発明を有益に適用できる例の一つに過ぎない。
図2では、各時期において、トラポンに対応する伝送周波数(伝送チャンネル)毎に、「0x・・・・」で示すTS_idの放送サービスが複数、提供されることを図示している。なお、「0x」はその後に続く整数リテラル(ここでは4桁の数字)が16進数表記であることを指す。周波数割り当て表31の第1の伝送チャンネルで説明すると、第1の伝送チャンネルでは、TS_idが「0x4010」、及び「0x4011」でそれぞれ示される2つのTSが存在することを図示している。1つのTS内には、複数のサービスを入れることもできる。ここで、例えば、TS_id「0x4010」において高精細テレビジョン放送(ハイビジョン放送)の場合にはservice_id 151、152、及び153を用いて1つの放送サービスを提供し、標準放送の場合にはservice_id 151、152、及び153とで3つの異なる放送サービスを提供することもできる。
また、図3は、BSデジタル放送におけるトランスポートストリーム識別(TS_id)割り当て表を示す図である。TS_idの16ビット中のbit(11−9)の値は、bit(8)の値(=0)と合わせて、図2における「0x・・・・」の下3桁目の値に相当する。さらにbit(11−9)の値は、図3の割り当て表40に示すように、2008年以降に追加となった新規委託放送事業者のTS_idに対し、「001」を初期値として、追加時期毎に1を順次加算された値が付されるものとする。勿論、このような初期値や値の決め方は非特許文献1の規定(図3の表40)に基づくものであり、他の決め方を採用してもよい。
図2の周波数割り当て表31に示すように、2007年12月1日には第9トラポンが現行方式でデジタル化される予定であり、第1,3,9,13,15の5つの伝送チャンネル31aがデジタル化された状態となる。この5つの伝送チャンネル31aには、図3の表40に基づき、TS_idの16ビット中のbit(11−9)の値が「000」と付されている。
また周波数割り当て表32に示すように、20XX年に、難視聴対策として地上デジタル放送の再送信が第5,7,9の3つの伝送チャンネル32bで開始される。この3つの伝送チャンネル32bには、表40に基づきbit(11−9)の値が「001」と付されている。
さらに周波数割り当て表33に示すように、20ZZ年に、20XX年の段階では空き状態である第17,19,21,23の4つの伝送チャンネル33cで、BSデジタル放送サービスが開始される。この4つの伝送チャンネル33cには、表40に基づきbit(11−9)の値が、「001」に1を加算した値である「010」と付されている。なお、上述したように図2で示す推移はあくまで予想であり、この例では、20ZZ年の7つの伝送チャンネル33cが全て同時期に新規委託された受託放送事業者が提供する放送サービスであるものとしている。しかし、例えば第17,19,21の3つの伝送チャンネルが先に受託されてbit(11−9)の値が「010」と付され、第23の伝送チャンネルがより後の時期に受託されてbit(11−9)の値が「011」と付されるようなことも想定できる。
そして、同時期又はさらに後の時期に、地上デジタル放送の移行が完全に終了し地上アナログ放送が停波したとき、難視聴対策としての地上デジタル放送の再送信も終了する。さらにBSデジタル放送サービスの拡大の一環として、第5,7,9の3つの伝送チャンネル33bで新たなBSデジタル放送(地上デジタル放送の再送信ではないBSデジタル放送)も開始されることも予想できる。この3つの伝送チャンネル33bでは、20XX年から受託放送事業者は変わっておらず、bit(11−9)の値は「001」である。なお、20XX年、20ZZ年でそれぞれ示す5つの伝送チャンネル32a、33aは、共に2007年12月1日の5つの伝送チャンネル31aと同じである。
このように、BSデジタル放送の場合の受託時期情報は、受信したTS_idに含まれる。従って、上述の受託時期情報取得手段は、放送サービスの追加時期(受託放送事業者の受託時期)を示す受託時期情報として、TS_idのbit(11−9)の値を取得すればよい。応答制限手段は、放送サービスの番号(service_id)に対応付けられたTS_idのbit(11−9)を見て、応答を制限する。放送サービスの番号(service_id)とTS_idの対応付けは、前述のNITに記載されており、取得したときに周波数情報と共に選局処理部13へ保存すればよい。以下、この対応付けた情報をサービス番号データベース(サービス番号DB)と呼ぶ。
テレビ装置1の販売前に上記所定期間を世代スキップ設定情報保存部15に格納しておき、BSデジタル放送のうち所定の放送サービスに対し、その所定期間を参照してリモコン10や本体操作部での操作に対する応答処理を制限してもよいが、図2の例で説明すると、20XX年や20YY年はインフラ整備の関係上、変更される可能性がある。そのため、テレビ装置1には、この所定期間を設定する設定手段を備えることが好ましい。この設定手段は、リモコン10や本体設定部で例示したユーザ操作手段で設定を行う手段とするとよい。
図4及び図5は、図1のテレビ装置において実行される世代スキップ設定処理の一例を説明するための画面遷移図である。また、図6は、図4及び図5の世代スキップ設定処理後の、図1のテレビ装置におけるUP/DOWN選局処理の一例を説明するための図で、図7は、図4及び図5の世代スキップ設定処理後の、図1のテレビ装置におけるEPG表示処理の一例を説明するための図である。
まず、ユーザがリモコン10又は本体操作部の操作によりメニューボタンを押下したとき、キー入力処理部11でその操作信号を受信し、メニュー処理部12がメニュー画像のOSDを表示するよう映像出力部20へ指示する。これによりメニュー画像の画面(メニュー画面)が映像表示装置にOSD表示される。
このメニュー画面には、複数の設定項目の一覧が表示されており、この中から左方向キーの押下により「本体設定」を選択すると、図4(A)で例示したメニュー画面50に遷移する。なお、メニュー画面の表示変更も、同様に、ユーザ操作によりなされその変更を反映したメニュー画面が映像表示装置にOSD表示される。図4(A)のメニュー画面50には「本体設定」の中の小項目一覧51が表示されており、この中の一つとして「チャンネル設定」が表示されている。
ユーザ操作により「チャンネル設定」が選択されると、放送の一覧(例えばBSデジタル、地上デジタル、CSデジタル等)が選択可能に表示され、その中からさらにユーザが「BSデジタル」を選択すると、図4(B)のごときメニュー画面50が表示される。なお、「BSデジタル」を選択した例を示したのは、上述のごとく地上デジタル放送の再送信に使用されるBSデジタル放送の放送サービスでは、映像・音声の視聴が制限されているにも拘わらず、UP/DOWN選局や番組情報表示が可能となってしまう事態が生じるためである。本発明がこのような事態を生じさせないためのものであることは、説明した通りである。図4(B)のメニュー画面50には、「BSデジタル」が選択されたこと、並びにBSデジタル放送の受信チャンネルの設定の画面へ移行することを示す画像52が表示されている。
この状態でユーザが決定操作を行うことで、図4(C)のごときメニュー画面50が表示される。図4(C)のメニュー画面50には、スキップ設定を行いたい世代が選択可能なように、「第一世代」選択領域53a、「第二世代」選択領域53b、「第三世代」選択領域53cを含む選択用画像53が表示されている。なお、ここでは第一から第三世代と世代を分けているが、例えば年毎に分けるなど、分け方としては様々な方法が採用できる。但し、この分け方が上記所定期間の設定に係わることに留意して、少なくとも所定期間として設定する可能性のある単位の期間で分ける必要がある。
この例では、第一世代は、図2の周波数割り当て表31のうち2007年12月1日時点でデジタル化されている5つの伝送チャンネル31aに含まれる放送サービス群、すなわちbit(11−9)の値として「000」をもつ放送サービス群に対応しているものとする。同様に、第二世代は、図2の周波数割り当て表32のうち20XX年にデジタル化される3つの伝送チャンネル32bに含まれる放送サービス群、すなわちbit(11−9)の値として「001」をもつ放送サービス群に対応しているものとする。第三世代は、図2の周波数割り当て表33のうち20ZZ年にデジタル化される4つの伝送チャンネル33cに含まれる放送サービス群、すなわちbit(11−9)の値として「010」をもつ放送サービス群に対応しているものとする。そして、図4(C)では、このうち「第二世代」選択領域53bが選択された状態を示している。
この状態で、決定ボタンをユーザが押下すると、図5(A)のごときメニュー画面50が表示される。図5(A)のメニュー画面50には、「第一世代」、「第二世代」、及び「第三世代」のそれぞれの選択結果表示領域54a、54b、及び54cと共に、「はい」選択領域54d、「いいえ」選択領域54e、及び「戻る」選択領域54fも含む選択用画像54が表示されている。なお、選択結果表示領域54a〜54cとは、図4(C)の選択・決定操作によってスキップ設定の対象となった表示領域を対象となっていない表示領域と色分けして示すものであり、選択結果表示領域54bのみ選択されていることを示している。また、選択用画像54には、「UP/DOWNでスキップしますか?」といった説明文も含まれる。
この状態で「はい」選択領域54dに対して選択・決定操作がなされたときには、UP/DOWN操作においてその世代(この例では第二世代)に対してスキップを行うことを示す世代スキップ設定情報を、世代スキップ設定情報保存部15に保存する。また、この設定がなされた世代以外の世代は自動的にスキップ対象としないように保存してもよい。勿論、このようなUP/DOWN選局に対するスキップ設定を可能にするためには、その前提としてユーザ操作手段が、UP/DOWNにより選局するUP/DOWN選局ボタン等で例示したように、放送受信手段で受信するデジタル放送に対して選局する放送サービスのUP/DOWNによる選局操作をユーザから受け付ける手段を有するものとする。
UP/DOWN選局の世代スキップ設定情報の保存の方法としては、単に、(I)第二世代に対応するbit(11−9)の値「001」である放送サービスをUP/DOWN選局でスキップするとの情報(以下、UP/DOWN非選局設定データIという)を、世代スキップ設定情報保存部15に保存しておけばよい。UP/DOWN非選局設定データIとしては「001」を記憶させておけばよい。
bit(11−9)が値「001」をもつ放送サービスは、例えば20XX年では3つの伝送チャンネル32bに属する放送サービス全てであり、この全ての放送サービスに対して一括して、UP/DOWN選局で非選局とするという設定を行うことができ、放送サービス個々に設定するのに比べ、大幅にユーザの手間を省くことができる。
この保存方法(I)を採用した場合に、上述の応答制限手段が実行するUP/DOWN選局の制限処理について、図6を参照し、リモコン10又は本体操作部でUP/DOWN選局操作がなされたときのUP/DOWN選局処理の一例を挙げて説明する。まず、UP(/DOWN)選局操作がなされたとき、選局処理部13がその制御信号を受けて選局処理部13内のサービス番号DBを参照し、全てのサービス番号を読み出す(ステップS1)。以下、同様にUP選局操作時の処理について説明し、DOWN選局操作時の処理については括弧内で併記する。
次いで、選局処理部13が、その全サービス番号をサービス番号順にソートする(ステップS2)。そして、現在選局中の放送サービスの次(/前)の順番の放送サービスを決定する(ステップS3)。選局処理部13が、世代スキップ設定情報保存部15内のUP/DOWN非選局設定データIを読み出す(ステップS4)。この場合、ステップS4により「001」が特定される。次いで、選局処理部13は、「001」以外の値をもつ放送サービスを、順番に選局していく(ステップS5,S6)。より詳細には、ステップS5では、ステップS3で選局しようと決定した放送サービスのTS_idをサービス番号DBから参照し、TS_idのbit(11−9)の値と、ステップS4で読み出した「001」とを比較し、不一致か否かを判定する。そして、ステップS6では、不一致であった場合のみ、ステップS3で選局すると決定した放送サービスに対し選局処理を実行し、チューナ16、DEMUX18などを制御し選局する。
一方、ステップS5でNOの場合(両者が一致した場合)には、ステップS3へ戻り、現在選局すると決定している放送サービスの次の放送サービス(/前の放送サービス)を、選局するサービスとして決定し、以下同様の処理を行う。このようにして、応答制限手段は、所定期間を読み出し、ステップS5でNOとなる放送サービス、すなわちUP/DOWN選局を行わないと設定されている放送サービスに対しては、スキップし、次の放送サービス(/前の放送サービス)を選局することができる。以上、ステップS1〜S6で説明した処理が、UP選局(/DOWN選局)される度に実行される。
ここで、「001」以外の値をもつ放送サービスとは、2007年12月1日以降で20XX年までの場合には「000」の値をもつ5つの伝送チャンネル31aに含まれる放送サービス全てを指し、20XX年以降で20ZZ年までの場合にも「000」の値をもつ5つの伝送チャンネル32aに含まれる放送サービス全てを指す。また、20ZZ年以降の場合であって、且つ地上デジタル放送の再送信が未だ行われていた場合には、「000」か「010」の値をもつ計9つの伝送チャンネル33a,33cに含まれる放送サービス全てを指す(周波数割り当て表33を参照)。
また、他の保存方法として、(II)世代スキップ設定情報保存部15に格納された受託時期情報(この例ではbit(11−9)の値)のうち、保存対象の世代(この例では第二世代)に対応するものを抽出し、その放送サービス番号(service_id)にUP/DOWN選局でスキップすることを対応付けた情報(以下、UP/DOWN非選局設定データIIという)を、保存しておいてもよい。UP/DOWN非選局設定データIIとしては、bit(11−9)の値が「001」であるサービス番号を記憶しておけばよい。これは、サービス番号DBから、bit(11−9)の値が「001」であるサービス番号を抽出することで作成することができる。これにより、選局処理部13でUP選局やDOWN選局を行う場合に、UP/DOWN非選局設定データIIを参照して、そのデータに含まれるサービス番号で示される放送サービス以外の放送サービスを、順番に選局していけばよい。また、UP/DOWN非選局設定データIIとしては、上述のサービス番号DBにおいて各サービス番号それぞれに付した、UP/DOWN選局時に非選局とするか選局とするかを示すフラグであってもよい。この場合、UP/DOWN選局操作時に、常にフラグを確認しながら非選局フラグの放送サービスをとばして選局を実行するとよい。
以上、保存方法(I)又は(II)及びその保存されたデータI又はIIを用いたUP/DOWN選局処理で例示したように、この例での応答制限手段は、UP/DOWNによる選局操作に対し、受託時期情報取得手段で取得した受託時期情報が所定期間内に新規委託された受託放送事業者であることを示す放送サービスを、選局不可にする選局不可設定手段を有する。ここで「選局不可にする」とは、例示したように選局時にその放送サービスをスキップすることに限ったものではなく、後述するようにその放送サービスのサービス番号を削除する処理により、その放送サービスを予め選局対象から除外することであってもよい。
また、選局不可設定手段に関し、UP/DOWN選局のみを対象として説明したが、例えばリモコン10により3桁チャンネル番号(又はワンタッチ番号)の指定操作で選局がなされた場合にも、UP/DOWN非選局設定データを参照することで、選局対象外の放送サービスの選局自体を無効にしてもよい。例えば、UP/DOWN非選局データを参照し、非選局に設定された放送サービスの3桁チャンネル番号が入力されたと判定された場合、入力値をクリアして入力前の値に戻し、「選局できません」などとOSD表示させたりすると共に、入力前に映像表示・音声出力中の放送サービスをそのまま映像出力・音声出力させておくとよい。このような処理により、選局対象外の3桁チャンネル番号(又はワンタッチ番号)で選局した場合に、再度別のチャンネルを選局操作が必要となる前に、黒い画面が表示されるという段階を経ないで済む。
図5(A)を再度参照し、世代スキップ設定処理の続きを説明する。図5(A)のメニュー画面50において「いいえ」選択領域54eが選択された状態で決定操作がなされたときには、保存対象の世代(この例では第二世代)に対応するスキップ設定を解除する。若しくはメニュー処理部12が、世代スキップ設定情報保存部15を参照して、スキップ設定がなされていない世代であれば、処理を行わずそのままの状態にする。解除方法は、上述した保存方法の逆の処理であり、保存した情報を削除するなど元に戻すだけでよい。図5(A)のメニュー画面50において「戻る」選択領域54fが選択された状態で決定操作がなされたときには、図4(C)のメニュー画面50に戻る。
また、図5(A)のメニュー画面50の表示時に、メニュー処理部12が、世代スキップ設定情報保存部15を参照して、既にその世代(この例では第二世代)でスキップ設定を行っていた場合には、「UP/DOWNで非スキップにしますか?」などと表示内容を変えてもよい。このような表示を行った場合、「はい」選択領域54dの選択・決定によりスキップ設定を解除し、「いいえ」選択領域54eの選択・決定によりスキップ設定のままとすればよい。
図5(A)のメニュー画面50において「はい」選択領域54d又は「いいえ」選択領域54eが選択・決定されると、上述のごとくスキップ設定処理又はその解除処理が実行されると共に、メニュー処理部12が図5(B)のメニュー画面50の表示を行う。
図5(B)のメニュー画面50には、図5(A)のそれと同様に、「第一世代」、「第二世代」、及び「第三世代」のそれぞれの選択結果表示領域55a、55b、及び55cと共に、「はい」選択領域55d、「いいえ」選択領域55e、及び「戻る」選択領域55fも含む選択用画像55が表示されている。ここでは、選択結果表示領域55bのみ選択された場合を図示している。また、選択用画像55には、「EPGで非表示にしますか?」といった説明文も含まれる。
この状態で「はい」選択領域55dに対して選択・決定操作がなされたときには、EPG表示操作においてその世代(この例では第二世代)の番組情報を省いて表示させることを示す世代スキップ設定情報を、世代スキップ設定情報保存部15に保存する。また、この設定がなされた世代以外の世代は自動的に非表示対象としないように保存してもよい。勿論、このようなEPG表示に対する番組情報非表示設定を可能にするためには、前提としてユーザ操作手段が、EPGボタンで例示したように、放送受信手段で受信したデジタル放送の放送サービス(複数の放送サービス)に関する番組情報からEPG画像を生成して番組情報を選択可能に表示する操作を、ユーザから受け付ける手段を有するものとする。
EPG表示における番組情報の世代スキップ設定情報の保存の方法としては、単に、(i)EPG画像生成時に番組情報の読み出しをスキップして非表示にする世代のbit(11−9)の値の情報(以下、EPG非表示設定データiという)を、世代スキップ設定情報保存部15に保存しておけばよい。この例では、EPG非表示設定データiとしては第二世代に対応する「001」を記憶させておけばよい。
bit(11−9)が値「001」をもつ放送サービスは、例えば20XX年では3つの伝送チャンネル32bに属する放送サービス全てであり、この全ての放送サービスに対して一括して、対応する番組情報をEPG表示時に非表示とするという設定を行うことができ、放送サービス個々に設定するのに比べ、大幅にユーザの手間を省くことができる。
この保存方法(i)を採用した場合に、上述の応答制限手段が実行するEPG表示の制限処理について、図7を参照し、リモコン10又は本体操作部でEPG表示操作がなされたときのEPG表示処理の一例を挙げて説明する。まず、EPG表示操作がなされたとき、EPG情報処理部14がその制御信号を受けて選局処理部13内のサービス番号DBを参照し、全てのサービス番号を読み出す(ステップS11)。
次いで、EPG情報処理部14が、内部メモリに格納されたEPG DBから、一つのサービス番号に対応する番組情報(個別のEPGデータ)を読み出す(ステップS12)。そして、EPG情報処理部14が、世代スキップ設定情報保存部15内のEPG非表示設定データiを読み出す(ステップS13)。この場合、ステップS13により「001」が特定される。
続いて、EPG情報処理部14が、ステップS12で読み出し表示させようとしている放送サービスの番組情報に対し、その放送サービスのTS_idのbit(11−9)の値をEPG DBから読み出して、ステップS13で読み出したEPG非表示設定データi(すなわち「001」)と比較し、一致するか否かを判定する(ステップS14)。ここで、一致しない場合、EPG表示処理、すなわちEPG画像の生成にその放送サービスに関する番組情報を組み込む処理を行う(ステップS15)。その後、EPG情報処理部14が、全ての放送サービスに対する処理が終了したか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16で終了していない場合には、EPG DBから次のサービス番号に対応する番組情報を読み出し(ステップS17)、ステップS14へ戻る。
一方、ステップS14でYESの場合(両者が一致の場合)には、ステップS15を経ずに、ステップS16へ進む。これにより、そのサービス番号の放送サービスの番組情報を表示するはずの列又は行(EPG画像の構成に依存する)が省略されることとなる。
ステップS14へ戻った後は、以降のサービス番号に対応する番組情報に対して同様の処理を実行し、ステップS16でYESの時点で、ステップS15でEPG画像の生成が完成することになり、映像出力部20がこのEPG画像をOSD表示させるとよい。このようにして、EPG情報処理部14は、「001」以外の値をもつ放送サービスの番組情報からEPG画像を生成し、映像出力部20のOSD処理部に送信してOSD表示処理を実行させる。
また、他の保存方法として、(ii)世代スキップ設定情報保存部15に格納された受託時期情報(この例ではbit(11−9)の値)のうち、保存対象の世代(この例では第二世代)に対応するものを抽出し、その放送サービス番号(service_id)にEPG表示時に番組情報を非表示にすることを対応付けた情報(以下、EPG非表示設定データiiという)を、保存しておいてもよい。EPG非表示設定データiiとしては、bit(11−9)の値が「001」であるサービス番号を記憶しておけばよい。これは、サービス番号DBから、bit(11−9)の値が「001」であるサービス番号を抽出することで作成することができる。これにより、EPG情報処理部14でEPG表示処理を行う場合に、EPG非表示設定データiiを参照して、そのデータに含まれるサービス番号で示される放送サービス以外の放送サービスの番組情報のみから、EPG画像を生成しOSD表示すればよい。また、EPG非表示設定データiiとしては、上述のサービス番号DBにおいて各サービス番号それぞれに付した、EPG表示時に、対応する番組情報を非表示とするか表示するかを示すフラグであってもよい。この場合、EPG表示処理時に、常にフラグを確認しながらEPG画像を生成していけばよい。
以上、保存方法(i)又は(ii)及びその保存されたデータi又はiiを用いたEPG表示処理で例示したように、この例での応答制限手段は、番組情報の表示操作に対し、受託時期情報取得手段で取得した受託時期情報が所定期間内に新規委託された受託放送事業者であることを示す放送サービスに関する番組情報を非表示にする(表示を禁止する)番組情報非表示手段を有する。そして、この番組情報非表示手段は、その所定期間内に新規委託された受託放送事業者であることを示す放送サービスに関する番組情報を、EPGから除外して表示する手段を有する。また、EPG表示について例示したが、個別の番組情報を表示させるための番組情報ボタンで例示したように、個別の番組情報を表示させる操作に対しても、ステップS12〜S15のような同様に処理すればよい(但しステップS15は個別番組情報の表示処理となる)。
また、ここで「番組情報を非表示にする」とは、例示したように表示時に表示対象として選択しないようにすることに限ったものではなく、後述するようにその放送サービスのサービス番号を削除する処理により、その放送サービスを予め番組情報表示対象から除外することであってもよい。なお、EPG画像生成のための番組情報を放送として受信する例のみ示したが、ネットワークで取得したEPGデータからのEPG表示の際にも、データi又はii等を参照しながら同様に非表示処理を実行すればよい。
また、図5(B)のメニュー画面50において「いいえ」選択領域55eが選択された状態で決定操作がなされたときには、保存対象の世代(この例では第二世代)に対応する番組情報の非表示設定を解除する。若しくはメニュー処理部12が、世代スキップ設定情報保存部15を参照して、非表示設定がなされていない世代であれば、処理を行わずそのままの状態にする。解除方法は、上述した保存方法の逆の処理であり、保存した情報を削除するなど元に戻すだけでよい。図5(B)のメニュー画面50において「戻る」選択領域55fが選択された状態で決定操作がなされたときには、図5(A)のメニュー画面50に戻る。
また、図5(B)のメニュー画面50の表示時に、メニュー処理部12が、世代スキップ設定情報保存部15を参照して、既にその世代(この例では第二世代)で番組情報の非表示設定を行っていた場合には、「EPGで表示にしますか?」などと表示内容を変えてもよい。このような表示を行った場合、「はい」選択領域55dの選択・決定により番組情報の非表示設定を解除し、「いいえ」選択領域55eの選択・決定により番組情報の非表示設定のままとすればよい。また、図5(B)のメニュー画面50において「はい」選択領域55d又は「いいえ」選択領域55eが選択・決定されると、上述のごとく番組情報の非表示設定処理又はその解除処理が実行されると共に、メニュー処理部12が図4(A)のメニュー画面50などの初期画面に戻る処理を実行するか、或いはメニュー表示の消去を行えばよい。
また、UP/DOWN非選局設定データとEPG非表示設定データとを別々に説明したが、同じ所定期間(例えば上述の例では第二世代)に対して同時に一度の操作で設定を行うように、テレビ装置1を構成してもよい。この場合、これらの設定データは共通の設定データとしてよいことは言及するまでもない。さらに、このようにUP/DOWN等による非選局と番組情報非表示の設定を共通の設定とする場合に限り、別の保存方法が採用できる。すなわち、第二世代の「001」に対応する情報を世代スキップ設定情報保存部15のサービス番号DBから削除するようにしてもよい。これは、NIT取得時にTS_idのbit(11−9)を世代スキップ設定情報保存部15に格納された受託時期情報(この例ではbit(11−9)の値)と比較し、一致する場合には、サービス番号DBに登録しないことでも対応可能である。この状態から、元に戻す必要があるときには、NITをデジタル放送から再度取得し、サービス番号DBを再構築すればよい。
以上、説明したように、本発明では、放送サービスの追加時期を示す情報、BSであればTS_idのbit(11−9)を利用し、追加時期毎に「EPG表示/非表示」や「UP/DOWN選局可/不可」などを設定するユーザインタフェースを装備する。ユーザ設定が「EPG非表示」であれば、EPG表示時に放送サービスの追加時期を示す情報を確認し該当サービスであればEPGに表示しない。ユーザ設定が「UP/DOWN選局不可」であれば、UP/DOWN選局された時にサービスの追加時期を示す情報を確認し該当サービスであれば次のサービスを選局して該当サービスを選局しない。このように、TS_idのbit(11−9)の値を使用することで、開始時期(受託時期)に応じた放送サービスを表示でき、必要な情報を効率よく、従来のデジタル放送受信機能において単にbit(11−9)を抽出するだけの処理で取得することができ、さらに簡単な判定処理で操作に対する応答処理を制限することができる。
なお、上述した世代スキップ設定処理例では、UP/DOWN非選局設定データやEPG非表示設定データとして1つの所定期間のみを設定した例を示したが、所定期間としては、例えば「001以下」や「001以上」など複数の値を設定してもよいし、例えば「000」と「010」(第一世代と第三世代)など離間する複数の期間を設定してもよい。つまり、この世代スキップ設定処理では、追加時期毎に制限/非制限を設定可能にしておいてもよい。
なお、図4(C)の後、図5(A)のメニュー画面50が表示されるものとして説明したが、図5(B)のメニュー画面50が表示され、その後、「はい」選択領域55d又は「いいえ」選択領域55eが選択・決定された段階で、図5(A)のメニュー画面50への移行を行ってもよい。
以上、設定手段が、所定期間を設定するものであると説明したが、図5(A),(B)の「いいえ」選択領域54e,55eが選択された場合には、他の世代を応答制限対象としてもよい。すなわち、所定期間を設定する代わりに、応答制限手段での応答制限対象としない受託放送事業者が受託した期間として、所定期間以外の期間を設定してもよい。すなわち、所定期間に委託された受託放送事業者以外の受託放送事業者を設定してもよい。
このような設定手段を設けることで、ユーザの指定によりEPG表示サービスを追加や、UP/DOWN選局可能チャンネルの追加など、操作に対する応答処理の非制限を設定することができる。従って、受信可能な放送サービスから不要な放送サービスを削除するよりも、新規に追加された放送サービスの中からユーザが必要とする放送サービスを追加することが可能となり、ユーザにとって分かり易くなる。
さらに、所定期間以外の期間をユーザ設定し且つ設定した以外の期間には影響のないようにしておくことで、20ZZ年或いはそれ以降に、図2の第5,7,9の3つの伝送チャンネル33bで新たなBSデジタル放送(地上デジタル放送の再送信ではないBSデジタル放送)も開始された場合、応答処理の制限がなされた状態から元の状態に戻すこともできる。すなわち、この3つの伝送チャンネル33bでは20XX年から同じbit(11−9)の値「001」であったとしても、その「001」に対して応答処理の非制限に戻すことができる。
また、以上の説明では、設定手段が、ユーザ操作に基づき設定を行うものとして説明した。しかし、設定手段は、放送受信手段で受信したデジタル放送のデータ信号又は制御信号に基づき、所定期間又は所定期間以外の期間を設定するようにしてもよい。つまり、ユーザ操作だけでなく、或いはそれに代えて、デジタル放送を介したファームウェアのバージョンアップによっても所定期間の設定又は所定期間以外の期間の設定を行うことを可能にすることが好ましい。
1…テレビ装置、10…リモコン、11…キー入力処理部、12…メニュー処理部、13…選局処理部、14…EPG情報処理部、15…世代スキップ設定情報保存部、16…チューナ、17…B−CASカード読取部、18…DEMUX、19…映像音声処理部、20…映像出力部、21…音声出力部。