JP5207229B2 - 偏光有機電界発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光配向層と有機電界発光層とを含む有機電界発光素子に関する。
今日、フラットパネルディスプレイとして、多くの用途に使われている液晶ディスプレイ(LCD)は、光を制御して表示を可能にする受光型のディスプレイである。そのため、その多くは背面にバックライトを有し、このバックライトからの光を偏光板を通して直線偏光とし、液晶で偏光を回転させることによって光の透過を制御している。光が偏光板を通る際には少なくとも50%の光が失われており、消費電力の増大につながっている。一方、近年、発光型の有機電界発光素子は、薄くて軽いなどの特徴を持つため、携帯電話や携帯音楽プレイヤーのディスプレイとして使われ始めている。しかしながら、大面積、高精細なディスプレイに適用していくためには、発光効率の向上など多くの課題を抱えている。
LCDにおけるバックライトを偏光を発する光源に置き換えることができれば、LCDの課題の1つである低消費電力化に対して高い効果が得られると考えられる。有機電界発光素子の特徴の1つである薄さは、LCDのバックライトに適している。もし、有機電界発光素子から偏光発光を取り出すことが可能ならば、LCDの上記課題を解決する手段として有効に作用すると考えられる。このような考えの下、いくつかの偏光発光有機電界発光素子が報告されている。しかしながら、それらにおいては、作製方法が煩雑であったり、偏光比が低いものであったり、実用上十分な性能を有していなかった。
Macromol.Rapid.Commun.2001,22,1365.
上記状況において、有機電界発光分子の配向(特に基板面内の配向)を制御して、偏光発光する有機電界発光素子が求められている。
発明者らは鋭意検討した結果、面内方向の分子配向分布に異方性を有するポリイミド光配向層を有機電界発光分子の配向テンプレートとして用いることで発光分子を配向させ、偏光有機電界発光素子を作製できることを見出し、本発明の完成に至った。本発明は下記の構成からなる。
[1] 光配向層と該光配向層上に作製された有機電界発光層とを含む有機電界発光素子であり、光配向層は光の照射による配向処理を施されたポリイミドであり、有機電界発光層は面内方向の分子配向分布に異方性を有する、有機電界発光素子。
[2] 光配向層が光の照射による配向処理を施されることにより、式(1)で表される光配向層の配向指数Δが0<Δ≦1となる、上記[1]に記載の有機電界発光素子。
Figure 0005207229
式中、A‖はポリイミドの主鎖の平均配向方向に平行な偏光成分を有する赤外光を光配向層の表面に対して垂直に入射させたとき光配向層の特性基振動による吸光度であり、A⊥はポリイミドの主鎖の平均配向方向に垂直な偏光成分を有する赤外光を光配向層の表面に対して垂直に入射させたときの光配向層の特性基振動による吸光度である。
[3] 配向処理が、アゾ基の光異性化反応を利用した配向処理である上記[1]または[2]に記載の有機電界発光素子。
[4] 配向処理が、光配向層の前駆体であるポリアミド酸層に直線偏光紫外光を照射した後に熱イミド化する配向処理である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の有機電界発光素子。
[5] 有機電界発光層が、光配向層上に溶液法により作製される、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の有機電界発光素子。
[6] 有機電界発光層が、光配向層上に真空蒸着法により作製される、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の有機電界発光素子。
[7] 有機電界発光層は、光配向層上に成膜されて面内方向の分子配向分布に異方性を形成することができる有機電界発光化合物を含有する、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の有機電界発光素子。
[8] 有機電界発光化合物が、ポリフルオレン、フルオレンオリゴマー、フルオレンおよびそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1つである、上記[7]に記載の有機電界発光素子。
[9] 光配向層の厚さが1〜30nmである、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の有機電界発光素子。
[10] 光配向層はドーピングされていないポリイミドであり、光配向層の厚さは1〜4nmである、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の有機電界発光素子。
[11] 有機電界発光層と陰極の間に電子輸送層及び/又は電子注入層を含有する、上記[1]〜[10]のいずれかに記載の有機電界発光素子。
本発明の好ましい実施態様によれば、光配向層により有機電界発光層における有機電界発光分子を配向させることにより、偏光を発光する有機電界発光素子が得られる。
本発明の有機電界発光素子は、光配向層と該光配向層上に作製された有機電界発光層とを含み、光配向層は、光の照射による配向処理を施されたポリイミドであり、有機電界発光層は、該光配向層上に成膜されて面内方向の分子配向分布に異方性を有する有機電界発光層である。
本発明の好ましい実施態様では、光を照射して配向処理を施すことにより上記式(1)で表される光配向層の配向指数Δを0<Δ≦1にした光配向層を得た後、この光配向層上に、有機電界発光化合物の分子、例えばポリフルオレン、フルオレンオリゴマー、フルオレンおよびそれらの誘導体(以下、ポリフルオレン等と略記することがある。)からなる群から選ばれる少なくとも1つの有機電界発光層を溶液法または真空蒸着法により作製し、必要に応じて適当な熱処理を施すことで、有機電界発光層の分子配向の面内異方性を制御することができる。これにより偏光を発光する有機電界発光素子が得られる。
上記式(1)中、A‖はポリイミドの主鎖の平均配向方向に平行な偏光成分を有する赤外光を光配向層の表面に対して垂直に入射させたときの光配向層の特性基振動による吸光度であり、A⊥はポリイミドの主鎖の平均配向方向に垂直な偏光成分を有する赤外光を光配向層の表面に対して垂直に入射させたときの光配向層の特性基振動による吸光度である。
ポリイミド主鎖に沿って分極した電子遷移がある場合は、その吸光度によって配向指数Δを求めることが可能である。この場合、A‖はポリイミドの主鎖の平均配向方向に平行な偏光成分を有する紫外・可視光を光配向層の表面に対して垂直に入射させたときのポリイミド主鎖に沿って分極した電子遷移による吸光度であり、A⊥はポリイミドの主鎖の平均配向方向に垂直な偏光成分を有する紫外・可視光を光配向層の表面に対して垂直に入射させたときのポリイミド主鎖に沿って分極した電子遷移による吸光度である。
上記式(1)で表される光配向層の配向指数Δにより、フルオレン分子等の有機電界発光分子の配向状態も評価できる。この場合、吸光度A‖、A⊥の代わりにフォトルミネッセンスの偏光成分の強度I‖、I⊥を用いることができる。ここで、I‖はポリイミドの主鎖の平均配向方向に平行な偏光成分のフォトルミネッセンスの強度であり、I⊥はポリイミドの主鎖の平均配向方向に垂直な偏光成分のフォトルミネッセンスの強度である。
配向層の配向処理方法としては、ラビング法、光配向法、転写法などが一般に知られているが、本発明においては光を照射して配向処理を施す方法、すなわち光配向法が用いられる。光配向法には光分解法、光異性化法、光二量化法、光架橋法など多くの配向機構が提案されているが、本発明の目的が達成される範囲内である限りどの方法であっても同様に適用することができる。
本発明において特に好ましく用いることのできる光配向法は、アゾ基等の光異性化反応を利用したものであり、アゾ基等を主鎖に含むポリアミド酸層に直線偏光紫外光を照射した後に、熱イミド化することにより配向処理を施すものである。この配向処理方法によると、従来のラビング法や転写法では困難であった大きな配向指数Δが容易に得られ、かつ耐熱性、耐光性に優れ化学的に安定な薄い光配向層が作製でき、偏光発光する有機電界発光素子を製造することができる。
より詳細に説明すると、ポリイミドは非常に良い絶縁体であるため、ポリイミドにホール輸送性の材料をドーピングしない場合は、ある程度の薄さに成膜して有機電界発光素子を作製する。このように、ある程度の薄さのポリイミド膜を配向させた状態で作製する場合、ラビング処理では配向層の表面にスクラッチ等が発生し均一な配向層が得られない。したがって、本発明において、非接触な配向処理である光配向法を用いることは、重要な条件である。
光配向層の配向指数Δは、偏光赤外光を用いた赤外線吸収分光法により評価することができる。この方法は、試料に直交する2つの直線偏光赤外光を入射したときの赤外線吸収量が分子配向方位によって異なる赤外二色性を検出して、分子配向を評価する方法である。
すなわち、赤外線分光光度計(好ましくはFT−IR)の光源と光配向層を有する試料を保持する試料ホルダーとの間に偏光子を配置し、基板面内におけるポリイミドの主鎖の平均配向方向が偏光子の偏光方向と平行になり、赤外光が基板に対して垂直に入射するようにして試料ホルダーに上記試料を固定し、赤外吸光度(A‖)を測定する。次に、試料を試料ホルダーに固定した状態で偏光子だけを90度回転させて偏光子を通過した赤外光の偏光方向が基板面内におけるポリイミドの主鎖の平均配向方向と垂直になり、赤外光が基板に対して垂直に入射するようにして赤外吸光度(A⊥)を測定する。
このようにして得られた赤外吸光度において、ポリイミドの分子軸に平行若しくは垂直に分極している分子振動に起因する吸収のピーク波長における値もしくは積分強度からΔが算出される。
なお、この方法の適用範囲は、赤外光が透過する基板、例えばシリコンやフッ化カルシウム(ホタル石:CaF2)などの基板の上に作製された試料に限られる。赤外光はガラス基板を透過しないため、この方法は、ガラス基板上に作製した試料の分子配向を測定できない。ただし、ポリイミドの主鎖に沿って分極した電子遷移がある場合は、上述したように、その紫外・可視吸収を用いて配向指数Δを評価できるため、ガラス基板を用いることができる。
本発明において「ポリイミドの主鎖の平均配向方向」とは、光配向層の表面に対して垂直な方向から光配向層を見たときにポリイミド主鎖が平均して配向している方向をいう。すなわち、前述の測定配置において偏光子を適宜回転して赤外吸光スペクトルを測定したとき、ポリイミド主鎖の分子軸に平行に分極した分子振動に起因する吸収バンドのピーク値または積分値が最大を示すときの偏光子による偏光方向がポリイミドの主鎖の平均配向方向である。
配向指数Δの評価に適した光配向層の特性基振動は、例えば1370cm-1付近で強い赤外吸収ピークを示す(CO)2NC結合のC−N伸縮振動、1503cm-1付近で強い赤外吸収ピークを示すフェニル基のC−C結合の伸縮振動、または1726cm-1付近で強い赤外吸収ピークを示すC=Oの非対称伸縮振動である。それらの吸収ピークの高さもしくは積分強度により配向指数Δを評価するのが好ましい。また、アゾベンゼンを主鎖に含むポリイミドを光配向層材料とした場合は、アゾベンゼンのπ−π*遷移に起因する350nm付近の吸収ピークの高さにより配向指数Δを評価するのが好ましい。
本発明に用いられる光配向層は、上記式(1)で表される光配向層の配向指数Δが0<Δ≦1である光配向層である。光配向層が面内異方性を有しない、すなわち無配向の場合はΔ=0であり、ポリイミド主鎖がある方向に完全に配向している場合はΔ=1となる。光配向層の配向指数Δが0よりも大きければ、面内異方性を有する有機電界発光層を該光配向層上に作製することができる。さらに光配向層の配向指数Δが大きい程、有機電界発光層の面内異方性が大きくなり、有機電界発光素子の偏光度が向上する。
本発明に用いられる光配向層の層厚は、配向剤(ポリイミド)の種類、基板の種類、基板の粗さ、成膜方法及び成膜条件などに依存する。一般的に、ポリイミドは非常に良い絶縁体であるため、電極から有機電界発光層へのホール注入が阻害されることがないように、層厚は厚すぎない方がよい。一方、例えば、石英ガラス上にポリイミドの光配向層をスピンコート法により作製した場合、ポリイミド膜が連続膜とはならずに、その上に成膜する有機電界発光層の面内異方性が低下することがないように、層厚は薄すぎない方がよい。また、有機電界発光素子の発光効率は、電子とホールのキャリア・バランスが重要であり、光配向層の厚さはこのキャリア・バランスに影響を及ぼすので、この点も考慮した厚さにすることが好ましい。その他、光配向層を構成するポリイミドは、紫外光領域から可視光の短波長領域に吸収バンドのテイルが伸びている材料が多く、さらに、本発明で好ましく用いられるアゾベンゼンを骨格構造に含むポリイミドは、アゾベンゼンの可視域の短波長側での光吸収の結果、やや赤みの外観を有する。したがって、例えば、青色の有機EL素子とする場合には、光配向層における光吸収による発光強度の低下、偏光特性の低下を最小限に抑えるため、できるだけ薄い光配向層にすることが好ましい。
したがって、光配向層の層厚は、上記種々の要件を総合的に考慮して決定する必要があるが、光配向層を有機電界発光素子の電荷注入もしくは輸送層として用いない場合(すなわち、キャリア輸送性材料をドーピングしない場合)には1〜10nmであり、好ましくは1〜6nmであり、より好ましくは1.2〜5nmであり、さらに好ましくは1.4〜4nmである。一例としては、石英ガラス上にスピンコート法で作製する場合、2nm程度で十分な配向効果が得られる。
また、光配向層自体を有機電界発光素子の電荷注入もしくは輸送層として用いることもできる。すなわち、光配向層にキャリア輸送性材料をドーピングする場合には、光配向層の層厚は1〜30nmであり、好ましくは1〜20nmであり、より好ましくは1.5〜10nmであり、さらに好ましくは2〜5nmである。
光配向層を形成することができる配向剤は、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、可溶性ポリイミド、ポリアミドイミドなどの重合体を溶剤に溶解した溶液である。この配向剤を基板上に塗布し、溶剤を乾燥したのち配向処理を施すことにより光配向層が形成される。該重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体であってもよく、複数種の重合体を併用してもよい。
光配向層を形成するための特に好ましい配向剤は、テトラカルボン酸二無水物などとジアミンとを反応させて得られるポリアミド酸、または該ポリアミド酸の脱水反応などによって得られる可溶性ポリイミドを含有する溶液である。
本発明において、光配向処理は光異性化反応、光分解反応、光二量化反応または光架橋反応等を利用する場合がある。この場合、光配向層を形成している重合体が、光照射により、このような反応を惹起させる分子構造を有する必要がある。
光異性化反応を利用して光配向処理を施す場合であって、例えば、配向剤がポリアミド酸または可溶性ポリイミドの溶液である場合には、その原料であるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1種、および/またはジアミンの少なくとも1種は、アゾ基等の光異性化反応をする構造を有することが好ましい。特に好ましくは、下記式(2)で表されるジアミンなどを使用することである。
Figure 0005207229
また、光分解反応により光配向処理を施す場合であって、例えば、配向剤がポリアミド酸または可溶性ポリイミドの溶液である場合には、その原料であるテトラカルボン酸二無水物及びジアミンは特に制限はなく使用することができる。
さらに、光二量化反応により光配向処理を施す場合であって、例えば、配向剤がポリアミド酸または可溶性ポリイミドの溶液である場合には、その原料であるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1種、および/またはジアミンの少なくとも1種は、シンナモイル基、クマリン基またはカルコン基等の光二量化反応をする構造を有することが好ましい。
さらに、光架橋反応により光配向処理を施す場合であって、例えば、配向剤がポリアミド酸または可溶性ポリイミドの溶液である場合には、その原料であるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1種、および/またはジアミンの少なくとも1種は、ベンゾフェノン基等の光架橋反応をする構造を有することが好ましい。
配向剤に含まれる重合体であるポリアミド酸または可溶性ポリイミドを与える、その他のテトラカルボン酸二無水物は、芳香環に直接ジカルボン酸無水物が結合した芳香族系(複素芳香環系を含む)、芳香環に直接ジカルボン酸無水物が結合していない脂肪族系(複素環系を含む)が利用できる。また、ジアミンについても、テトラカルボン酸二無水物と同様に、芳香環に直接アミノ基が結合した芳香族系(複素芳香環系を含む)、芳香環に直接アミノ基が結合していない脂肪族系(複素環系を含む)が利用できる。
テトラカルボン酸二無水物の具体例は以下のとおりである。
Figure 0005207229
Figure 0005207229
Figure 0005207229
これらの中で好ましいテトラカルボン酸二無水物は、式(3-1)、式(3-2)、式(3-7)、式(3-13)、式(3-17)、式(3-18)、式(3-19)、式(3-20)、式(3-27)、式(3-28)、および式(3-29)で表される化合物である。さらに好ましいテトラカルボン酸二無水物は、式(3-1)、式(3-7)、式(3-13)、式(3-17)、式(3-19)、式(3-20)、および式(3-29)で表される化合物である。
テトラカルボン酸二無水物は、これらに限定されることなく、本発明の目的が達成される範囲内で他にも種々の分子構造の化合物が存在することはいうまでもない。また、これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いることもできるが、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
脂肪族系テトラカルボン酸二無水物は特に180℃以下の低温焼成のときは配向が崩れやすいことがある。一方、芳香族系テトラカルボン酸二無水物は配向安定性に優れている。したがって、芳香族系テトラカルボン酸二無水物と脂肪族系テトラカルボン酸二無水物を併用することがより好ましい。
配向剤に用いられる重合体であるポリアミド酸または可溶性ポリイミドを与える、その他のジアミンの具体例は以下のとおりである。なお、以下に挙げる具体例は、「側鎖構造を有さないジアミン」の例である。
下記の具体例中におけるnは1〜20の整数である。シクロヘキサン環およびベンゼン環の任意の水素は、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルで置き換えられてもよい。
Figure 0005207229
Figure 0005207229
Figure 0005207229
これらの中で好ましいジアミンは、式(4-5)、式(4-6)、式(4-7)、式(4-8)、式(4-9)、式(4-10)、式(4-11)、式(4-12)、式(4-13)、式(4-14)、式(4-15)、式(4-16)、式(4-17)、式(4-18)、式(4-23)、式(4-27)、式(4-32)、式(4-33)、式(4-34)、式(4-35)、および式(4-36)で表される化合物である。これらのジアミンを用いる場合、高い配向指数Δが得られやすい。
配向剤に用いられる重合体であるポリアミド酸または可溶性ポリイミドを与える、その他のジアミンの具体例は以下のとおりである。なお、以下に挙げる具体例は、「側鎖構造を有するジアミン」の例である。
側鎖構造を有するジアミンには、アミンの主鎖から分岐する側鎖構造を有する種々のジアミンの1種または2種以上を用いることができる。側鎖構造を有するジアミンは、有機電界発光化合物の分子の配向安定性を向上させることができ、好ましくは、一般式(5)で表されるジアミンが挙げられる。
Figure 0005207229
式(5)において、2つのアミノ基はベンゼン環に結合しているが、2つのアミノ基の結合位置関係はメタまたはパラであることが好ましい。さらに2つのアミノ基はそれぞれ、「R2−R1−」の結合位置を1位としたときに3位と5位、または2位と5位に結合していることが好ましい。
式(5)中、R1は、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、または−(CH2m−であり;mは1〜6の整数であり;R2は、ステロイド骨格を有する基、下記一般式(6)で表される基、またはベンゼン環に結合している2つのアミノ基の位置関係がパラのときは炭素数1〜20のアルキル、もしくは該位置関係がメタのときは炭素数1〜10のアルキルまたはフェニルであり;該アルキルにおいて、−CH2−は独立して−CF2−、−CHF−、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、−CH3は独立して−CH2F、−CHF2または−CF3で置き換えられていてもよく;該フェニルの水素は独立して−F、−CH3、−OCH3、−OCH2F、−OCHF2または−OCF3で置き換えられていてもよい。
Figure 0005207229
式(6)中、A1及びA2はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CH=CH−または炭素数1〜20のアルキレンであり、R3及びR4はそれぞれ独立して、−Fまたは−CH3であり、環Sは1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイルまたはアントラセン−9,10−ジイルであり、R5は−H、−F、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のフッ素置換アルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、−CN、−OCH2F、−OCHF2または−OCF3であり、a及びbはそれぞれ独立して0〜4の整数を表し、aまたはbが2〜4であるとき隣り合うA1またはA2は異なる基であり、c、d及びeはそれぞれ独立して0〜3の整数を表し、eが2または3であるとき複数の環Sは同一の基であっても異なる基であってもよく、f及びgはそれぞれ独立して0〜2の整数を表し、かつc+d+e≧1である。
式(5)で表されるジアミンの具体例は、式(5-1)〜(5-11)で表される化合物である。
Figure 0005207229
式(5-1)、式(5-2)、式(5-7)及び式(5-8)中、R5は炭素数3〜12のアルキルまたは炭素数3〜12のアルコキシが好ましく、炭素数5〜12のアルキルまたは炭素数5〜12のアルコキシがさらに好ましい。また式(5-3)〜式(5-6)、式(5-9)〜式(5-11)中、R6は炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数1〜10のアルコキシが好ましく、炭素数3〜10のアルキルまたは炭素数3〜10のアルコキシがさらに好ましい。
これらのうち、好ましく用いられるジアミンは、式(5-2)、式(5-4)、式(5-5)、式(5-6)で表される化合物である。
ジアミンは式(5)で表されるジアミンを単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
さらに、本発明の目的を損なわない限り、式(5)で表されるジアミン以外の側鎖構造を有するジアミンを用いることができる。このような、側鎖構造を有するジアミンの具体例は、式(5'-1)〜式(5'-20)で表される化合物である。
Figure 0005207229
式(5'-1)〜式(5'-3)においてR7は炭素数4〜16のアルキルが好ましく、炭素数6〜16のアルキルがさらに好ましい。式(5'-4)においてR8は炭素数6〜20のアルキルが好ましく、炭素数8〜20のアルキルがさらに好ましい。
Figure 0005207229
式(5'-5)中、R9は炭素数3〜12のアルキルまたは炭素数3〜12のアルコキシが好ましく、炭素数5〜12のアルキルまたは炭素数5〜12のアルコキシがさらに好ましい。式(5'-6)〜式(5'-14)中、R10は炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数1から10のアルコキシが好ましく、炭素数3〜10のアルキルまたは炭素数3〜10のアルコキシがさらに好ましい。
Figure 0005207229
さらに、上記ジアミンと併用することができるその他のジアミンとして、シロキサン結合を有するシロキサン系ジアミンを挙げることができる。該シロキサン系ジアミンは特に限定されるものではないが、下記一般式(7)で表されるものが本発明において好ましく使用することができる。
Figure 0005207229
式中、R11およびR12は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R13はメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンである。xは1〜6の整数であり、yは1〜10の整数である。
ジアミンはこれらに限定されることなく、本発明の目的が達成される範囲内で他にも種々の分子構造の化合物が存在することはいうまでもない。また、これらのジアミンは単独で用いることもできるが、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
さらに、これらのテトラカルボン酸二無水物およびジアミン以外にポリアミド酸、可溶性ポリイミドの反応末端を形成する、モノアミン、および/またはモノカルボン酸無水物を併用することも可能である。基板への密着性をよくするために、アミノシリコン化合物を導入することもできる。
アミノシリコン化合物の例は、パラアミノフェニルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリエトキシシラン、メタアミノフェニルトリメトキシシラン、メタアミノフェニルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシランなどである。
配向剤中の重合体の濃度は、特に限定されないが0.1〜40重量%が好ましい。該配向剤を基板に塗布するときには、層厚調整のため含有されている重合体を予め溶剤により希釈する操作が必要とされることがある。重合体の濃度が40重量%以下であると、配向剤の粘度は好ましくなり、層厚調整のために配向剤を希釈する必要があるときに、配向剤に対して溶剤を容易に混合できるため好ましい。スピンナー法や印刷法などの塗布方法のときには層厚を良好に保つために、通常10重量%以下とすることが多い。その他の塗布方法、例えばディッピング法やインクジェット法ではさらに低濃度とすることもあり得る。一方、重合体の濃度が0.1重量%以上であると、得られる光配向層の層厚が好ましくなり易い。従って重合体の濃度は、通常のスピンナー法や印刷法などの塗布方法では0.1重量%以上、好ましくは0.3〜10重量%である。しかしながら、該配向剤の塗布方法によっては、さらに希薄な濃度で使用してもよい。なお、基板としては、シリコンウエハ、ガラス、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド等のプラスチックが利用できる。
配向剤において、上記重合体と共に用いられる溶剤は、重合体を溶解する能力を持った溶剤であれば格別制限なく適用可能である。かかる溶剤は、ポリアミド酸、可溶性ポリイミドなどの重合体の製造工程や用途方面で通常使用されている溶剤を広く含み、使用目的に応じて、適宜選択できる。これらの溶剤を例示すれば以下のとおりである。
ポリアミド酸や可溶性ポリイミドに対し親溶剤である非プロトン性極性有機溶剤の例として、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、及びγ−ブチロラクトンなどのラクトンを挙げることができる。
塗布性改善などを目的とした他の溶剤の例としては、乳酸アルキル、3−メチル−3−メトキシブタノール、テトラリン、イソホロン、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのジエチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキル及びフェニルアセテート、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル、マロン酸ジエチルなどのマロン酸ジアルキル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、並びにこれらグリコールモノエーテル類などのエステル化合物を挙げることができる。
これらの中で、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどを特に好ましく用いることができる。
配向剤は、必要により各種の添加剤を含むことができる。例えば、塗布性の向上を望むときにはかかる目的に沿った界面活性剤を、また基板との密着性の向上を望むときにはシランカップリング剤やチタン系のカップリング剤を配合してもよい。
配向剤塗布工程での塗布方法としてはスピンナー法、印刷法、ディッピング法、滴下法、インクジェット法などが一般に知られている。これらの方法は本発明においても同様に適用可能である。また、乾燥方法として、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法などが一般に知られている。これらの方法も本発明において同様に適用可能である。乾燥工程は溶剤の蒸発が可能な範囲内の比較的低温で実施することが好ましい。
次いで、脱水・閉環反応に必要な加熱処理をする工程および得られた塗層を配向処理する工程が施される。この加熱処理と配向処理の工程は、加熱処理に続き配向処理を施しても良いし、逆に配向処理の後に加熱処理を施してもよい。さらに加熱処理と配向処理を同時に実施することも可能である。これらの方法は配向処理方法により異なるが、適宜、最適な方法を適用する。
加熱処理工程の方法としては、前述した乾燥工程と同じ手法が適用可能であり、一般に150〜300℃程度の温度で行うことが好ましい。
本発明で用いることのできる配向処理方法は、光を照射して配向処理を施す方法すなわち光配向法である。光配向法には前述した様に光分解法、光異性化法、光二量化法、光架橋法など多くの配向機構が提案されているが、本発明の目的が達成される範囲内である限り、これ以外の方法でも同様に適用可能である。本発明において特に好ましく用いることのできる光配向法は、アゾ基等の光異性化反応を利用したものであり、アゾ基等を主鎖に含むポリアミド酸層に直線偏光紫外光を照射した後に、熱イミド化することにより配向処理を施すものである。
光配向処理条件は、本発明の目的が達成される範囲内である限り、どのようなものであってもよい。配向処理に用いる光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、Deep UVランプ、エキシマーレーザー等を使用できる。光異性化法の場合、配向処理に用いる光の波長は300〜600nm、より好ましくは340〜500nmである。300nm以上の波長の光では塗層の光分解が生じ難くなり、600nm以下の波長の光では光異性化反応が進み易くなるためである。また、長波長透過フィルターまたはバンドパスフィルター等を用いて低波長の光を除去することが好ましい。なお、紫外・可視の連続光源とバンドパスフィルターを併用し、紫外光と可視光を同時に照射する方が好ましい。光照射は、偏光フィルターや偏光プリズムを通して直線偏光とした光を基板面垂直方向から行う。また、無偏光の光であっても基板に対して斜めの方向から照射することにより、面内方向に分子配向の異方性を誘起することができる。配向処理に用いる光の照射光量は、用いる配向剤の種類、光源の波長に依存するが、照射量が大きくなるほど、光配向処理が強くなり光配向層上の有機電界発光層において高い配向指数Δが得られる。目安としては、Deep UVランプの光を340〜500nmのバンドパスフィルターを透過させた後、偏光プリズムを通して直線偏光とした光を用いて基板面垂直方向から配向処理を行う場合の光照射量は、3J/cm2以上、好ましくは30J/cm2以上である。
配向処理の際、配向剤を塗布した基板にフォトマスクを介して光を照射しても良い。この場合、配向に必要な部分だけを選択的に配向処理することができる。
有機電界発光層の作製方法は、光配向層上に面内異方性を持つ有機電界発光層が形成できればいかなる方法を用いてもよいが、好ましくは溶液法、真空蒸着法である。
溶液法は、スピンコート法、インクジェット法、浸漬法、キャスト法、バーコート法などを用いて行うことができる。さらに作製後、必要に応じて熱処理を施してもよい。
有機電界発光素子の構成は、光配向層上に有機電界発光層を形成すること以外、特に限定はないが、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層及び電子輸送層の少なくとも1つを導入することができる。
有機電界発光層に用いられる有機電界発光化合物として、光配向層上に作製した際、光配向層上で面内異方性を形成できる化合物なら特に限定はなく、少なくとも、高いアモルファス性を持ちいずれかの温度にて液晶性を示す発光性材料であれば適用可能である。このような有機電界発光化合物としては、例えばポリフルオレン、フルオレンオリゴマー、フルオレンおよびそれらの誘導体があげられ、中でも300度以下で液晶性を示す材料が好ましい。このようなポリフルオレン誘導体としては、非特許文献1記載の化合物が挙げられる。
有機電界発光層は、複数の材料から構成されていてもよく、寿命もしくは発光効率の観点から上記面内異方性を形成できる化合物に発光ドーパント材料を加えることも可能である。
ここで用いられる発光性ドーパント材料は、分子の発光分極が偏光していること、ホスト材料中でドーパント分子がゲスト・ホスト効果で配向することが望ましい。このような発光性ドーパントとして使用できる化合物は、多環芳香族化合物、ヘテロ芳香族化合物、有機金属錯体、色素、高分子系発光材料、スチリル誘導体、芳香族アミン誘導体、クマリン誘導体、ボラン誘導体、オキサジン誘導体、スピロ環を有する化合物、オキサジアゾール誘導体、フルオレン誘導体等である。
多環芳香族化合物の例は、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ナフタセン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ペリレン誘導体、コロネン誘導体、ルブレン誘導体等である。
ヘテロ芳香族化合物の例は、ジアルキルアミノ基またはジアリールアミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ピリジン誘導体、ピラン誘導体、フェナントロリン誘導体、シロール誘導体、トリフェニルアミノ基を有するチオフェン誘導体、キナクリドン誘導体等である。
有機金属錯体の例は、亜鉛、アルミニウム、ベリリウム、ユーロピウム、テルビウム、ジスプロシウム、イリジウム、白金、オスミウム、金、等と、キノリノール誘導体、ベンゾキサゾ−ル誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ピロール誘導体、ピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体等との錯体である。
色素の例は、キサンテン誘導体、ポリメチン誘導体、ポルフィリン誘導体、クマリン誘導体、ジシアノメチレンピラン誘導体、ジシアノメチレンチオピラン誘導体、オキソベンズアントラセン誘導体、カルボスチリル誘導体、ペリレン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体等の色素が挙げられる。
高分子系発光材料の例は、ポリパラフェニルビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾ−ル誘導体、ポリシラン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体等である。
スチリル誘導体の例は、アミン含有スチリル誘導体、スチリルアリーレン誘導体等である。
電子輸送材料および電子注入材料は、光導電材料において電子伝達化合物として使用できる化合物、有機EL素子の電子輸送層および電子注入層に使用できる化合物の中から任意に選択して用いることができる。
このような電子輸送材料および電子注入材料の具体例は、キノリノール系金属錯体、2,2’−ビピリジル誘導体、フェナントロリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ペリレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、チオフェン誘導体、トリアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、オキシン誘導体の金属錯体、キノキサリン誘導体、キノキサリン誘導体のポリマー、ベンザゾール類化合物、ガリウム錯体、ピラゾール誘導体、パ−フルオロ化フェニレン誘導体、トリアジン誘導体、ピラジン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、イミダゾピリジン誘導体、ボラン誘導体、イミダゾール誘導体等である。
正孔注入材料および正孔輸送材料は、光導電材料において、正孔の電荷輸送材料として従来から慣用されている化合物や、有機EL素子の正孔注入層および正孔輸送層に使用されている公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。それらの具体例は、カルバゾ−ル誘導体、トリアリールアミン誘導体、フタロシアニン誘導体、PEDOT:PSS等である。
有機EL素子を構成する各層は、各層を構成すべき材料を蒸着法、スピンコート法またはキャスト法等の方法で薄膜とすることにより、形成することができる。このようにして形成された各層の層厚については特に限定はなく、材料の性質に応じて適宜設定することができるが、通常2nm〜5000nmの範囲である。
有機EL素子は、上記のいずれの構造であっても、基板に支持されていることが好ましい。基板は機械的強度、熱安定性および透明性を有するものであればよく、ガラス、透明プラスチックフィルム等を用いることができる。陽極物質は4eVより大きな仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を用いることができる。その具体例は、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(以下、ITOと略記する)、SnO2、ZnO等である。
陰極物質は4eVより小さな仕事関数の金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物を使用できる。その具体例は、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、リチウム、マグネシウム合金、アルミニウム合金等である。合金の具体例は、アルミニウム/弗化リチウム、アルミニウム/リチウム、マグネシウム/銀、マグネシウム/インジウム等である。有機EL素子の発光を効率よく取り出すために、電極の少なくとも一方は光透過率を10%以上にすることが望ましい。電極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下にすることが好ましい。なお、層厚は電極材料の性質にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10〜400nmの範囲に設定される。このような電極は、上述の電極物質を使用して、蒸着やスパッタリング等の方法で薄膜を形成させることにより作製することができる。
次に、上述した配向剤を用いて偏光有機EL素子を作製する方法の一例として、陽極/正孔輸送層(及び/又は正孔注入層)/光配向層/有機電界発光層/電子輸送層(及び/又は電子注入層)/陰極からなる有機EL素子の作製法について説明する。ガラス基板上に、ITO薄膜をスパッタリング法により形成させて陽極を作製した後、この陽極上に正孔輸送材料(場合によっては正孔注入材料)を真空蒸着し、薄膜を形成させ、正孔輸送層(及び/又は正孔注入層)とする。この正孔層上に光配向層を形成させる。この上に有機電界発光層の薄膜を形成させる。この有機電界発光層の上に電子輸送材料(場合によっては電子注入材料)を真空蒸着し、薄膜を形成させ、電子輸送層(及び/又は電子注入層)とする。さらに陰極用物質からなる薄膜を蒸着法により形成させて陰極とすることにより、目的の有機EL素子が得られる。
このようにして得られた有機EL素子に直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−として印加すればよく、電圧2〜40V程度を印加すると、透明又は半透明の電極側(陽極又は陰極、および両方)より発光が観測できる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例で用いるテトラカルボン酸二無水物、ジアミン、溶剤およびポリフルオレンの名称を略号で示す。以降の記述にはこの略号を使用することがある。化合物PMDA、DAZは市販の化合物を精製して実験に用いた。PFOは市販の化合物をそのまま用いた。
・テトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
・ジアミン
DAZ :4,4’−ジアミノアゾベンゼン
・溶剤
NMP :N−メチル−2−ピロリドン
・ポリフルオレン
PFO :ポリ(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)
(1)重量平均分子量(Mw)
配向剤におけるポリアミド酸の重量平均分子量(Mw)はゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて、抽出液として0.6重量%リン酸含有DMFを用い、カラム温度50℃、ポリスチレンを標準溶液として測定した。
(2)配向剤の調製
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた200mlの四つ口フラスコにDAZを2.4660g、脱水NMPを30.00g入れて、乾燥窒素気流下で攪拌して溶解させた。反応系の温度を5℃に保ちながらPMDAを2.5340g加え(PMDA/DAZの原料モル比=50/50)、30時間反応させた後、脱水NMPを65.00g加えて5重量%のポリアミド酸の配向剤を調製した。前記反応中に反応熱により温度が上昇するときは、反応温度を約70℃以下に抑えて反応させた。ここで得られたポリアミド酸は、重量平均分子量がMw=24600、多分散度が2.9であった。
(3)配向剤の塗布
上記配向剤をNMPで希釈して0.1〜1.9重量%の数種類の濃度の配向剤を調製した後、それぞれ、厚さ1mmの合成石英ガラス基板上にスピンナーにて塗布した。塗布条件は3000rpm、60秒であった。塗布後、80℃に設定されたホットプレート上で2分間乾燥した。
(4)光配向処理と焼成
塗膜後、ウシオ電機株式会社製の500W Deep UVランプ(UXM−501MD)を光源とし、朝日分光社製のバンドパスフィルターを通して光の波長領域を340〜500nmとし、グランテーラー偏光プリズムを通して直線偏光とした光を基板面垂直方向から7分間照射した。試料表面での照射光強度は92mW/cm2であった。その後、窒素雰囲気中で250℃にて120分間加熱処理を行い、光配向層を焼成した。
(5)層厚の測定
光配向処理を行わず、それ以外は全く同じ条件で、1度の石英ガラスウエッジ基板上に形成された光配向層の層厚を、株式会社島津製作所製の自動偏光解析装置(APE−100)を用いて、測定波長632.8nm(He−Neレーザー)、入射角62.5度で測定した。
(6)配向指数Δの算出
光配向層の偏光紫外−可視光吸収スペクトルは、30Wの重水素ランプ光源(Hamamatsu L9893)、グランレーザー偏光プリズム、リニアCCDアレイ・スペクトログラフ(BWTEK BTC112)から構成される分光システムを用いて測定された。グランレーザー偏光プリズムを通して直線偏光とした光を光配向層表面に対して垂直方向から照射した。サンプルの配向処理方向(ポリイミド主鎖の平均配向方向)と偏光方向とを平行にして測定したときの紫外−可視光吸収スペクトル(A‖)、および垂直にして測定したときの紫外−可視光吸収スペクトル(A⊥)を測定した。アゾベンゼンのπ−π*遷移に帰属される344nm付近の吸収バンドのピーク値を用い、光配向層の吸光度の差(A‖−A⊥)および光配向層の吸光度の和(A‖+A⊥)を算出し、上記式(1)で定義される配向指数Δを決定した。図1に、一例として、層厚2.7nmの光配向層の偏光紫外−可視光吸収スペクトルを示す。
(7)ポリフルオレン層の作製
高分子発光材料として末端を3,5−ジメチルフェニルで終端したポリ(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)(American Dye Source社製 ADS129BE)を用い、上記ポリフルオレンをトルエンに溶かし、1.0重量%とした後、それぞれ層厚が異なる上記光配向層上にスピンナーにて塗布した。塗布条件は3000rpm、60秒であった。全く同じ条件で1度の石英ガラスウエッジ基板上に形成されたポリフルオレン薄膜の層厚を上記記載の方法で測定したところ、30nmであった。American Dye Source社から提供されたデータによると、上記ポリフルオレンは、重量平均分子量がMw=60000、多分散度が4.6であった。
(8)ポリフルオレン薄膜の配向処理
塗膜後、窒素雰囲気中でホットプレートを用い、上記試料を220℃にて1時間加熱処理し、さらに210℃にて10分加熱処理を行った後、上記試料をペルチエ冷却ステージ上に押しつけることによって室温まで急冷した。この配向処理により、ガラス状高配向ポリフルオレン薄膜が形成された。
(9)ポリフルオレン薄膜の配向指数Δの算出
ポリフルオレン薄膜の偏光フォトルミネッセンス・スペクトルは、蛍光分光光度計(JASCO FP777)を用いて測定された。入射角45度で波長390nmの無偏光の光をポリフルオレン薄膜に照射し、ポリフルオレン薄膜からの発光を基板法線方向に沿って、グラントムソン偏光プリズムを通してから集光し、分光した。試料の配向処理方向(ポリイミド主鎖の平均配向方向)と偏光方向とを平行にしたときのフォトルミネッセンス・スペクトルの強度(IPL‖)および垂直にしたときのフォトルミネッセンス・スペクトルの強度(IPL⊥)を測定した。ポリフルオレン骨格構造のエキシトン発光に帰属される432nm付近のシャープな発光ピークの値を用い、ポリフルオレン薄膜の発光強度の差(IPL‖−IPL⊥)およびポリフルオレン薄膜の発光強度の和(IPL‖+IPL⊥)を算出し、ポリフルオレン薄膜の配向指数Δを決定した。図2に、一例として、層厚2.7nmの光配向層上に形成したポリフルオレン薄膜の偏光フォトルミネッセンス・スペクトルを示す。
(10)光配向層の配向指数Δと光配向層の厚さの関係(図3)
光配向層の厚さが1.6nmまで増加するにつれて光配向層の配向指数Δが急激に上昇し、極大値をとった後、徐々に光配向層の配向指数Δが減少する傾向が見られた。
(11)ポリフルオレン薄膜の配向指数Δと光配向層の厚さの関係(図4)
ポリフルオレン薄膜の下の光配向層の厚さが増加するにつれて、ポリフルオレン薄膜の配向指数Δが急激に上昇し、光配向層が層厚1.6nm以上の領域でポリフルオレン薄膜の配向指数Δが0.84で飽和した。ポリフルオレンの配向性を劣化させることなく、光配向層の厚さを1.6nmまで薄くすることができることが分かった。
<実施例1>
上記配向剤(「(2)配向剤の調製」を参照)をNMPで希釈して0.6重量%とした後、幅2mmのストライプ状のITO透明電極(シート抵抗:10Ω/□)付きのガラス基板上に塗布したこと以外は上記記載の方法で光配向層、及びポリフルオレン薄膜を作製した。このときの光配向層の厚さは2.8nmであった。その試料上に、真空蒸着法により、1,3,5-トリス(N-フェニルベンズイミダゾール-2-イル)ベンゼン(TPBI)で電子輸送層(厚さ:40nm)を、LiF(厚さ:0.5nm)/Al(厚さ:80nm)で陰極を作製した。真空蒸着装置(EIKO社製EO−5)のベース圧力は5×10-5Paで、蒸着時の基板温度は室温であった。TPBI、LiF、Alの蒸着レートはそれぞれ0.4nm/sec、0.003nm/sec、0.3nm/secであった。LiF/Al陰極は幅2mmのストライプ状で、ITO透明電極に直交するようにマスク蒸着した。作製した偏光高分子電界発光素子の発光面の面積は4mm2であった。作製した素子の断面構造を図5に示す。
ケースレー社製ソースメーター2400、トプコン社製輝度計Bm−9を用いて、上記偏光高分子電界発光素子の電圧−電流密度特性、電圧−輝度特性、輝度−電流効率特性を測定した。ITO電極(正)−LiF/Al電極(負)間に電圧を0Vから〜20Vまで0.5Vづつ変化させて電流と輝度を測定した。電圧−電流密度特性を図6に、電圧−輝度特性を図7に、輝度−電流効率特性を図8に黒四角(光配向層2.8nmのデータ)で示す。発光開始電圧(1cd/m2のときの電圧)は7.5Vであり、印加電圧14Vのときの輝度は700cd/m2を越えた。電流効率は輝度の増加と共に増加し、130cd/m2のとき最大効率0.14cd/Aを示し、その後、輝度の増加とともに電流効率は徐々に減少した。
上記電界発光素子のガラス基板側から基板法線方向に沿って放射される光をグラントムソン偏光プリズムを通してから、プリンストン・インスツルメンツ社製インテンシファイアー付きCCD光検出器(PI−MAX:1K)を装着したアクトン社製分光器(SpectraPro2300i)を用いて分光し、偏光発光スペクトルを得た。試料の配向処理方向(ポリイミド主鎖の平均配向方向)と偏光方向とを平行にしたときの電界発光スペクトルの強度(IEL‖)および垂直にしたときの電界発光スペクトルの強度(IEL⊥)を測定した。定電流(0.2mA)駆動条件で測定した偏光電界発光スペクトルを図9に示す。電界発光の偏光比(IEL‖/IEL⊥)は、発光波長434nmで22、発光波長459nmで29、400nmから600nmの領域の積分発光強度で16であった。
<実施例2>
上記配向剤(「(2)配向剤の調製」を参照)をNMPで希釈して0.3重量%としたこと以外は実施例1と全く同じ条件で偏光電界発光素子を作製した。このときの光配向層の厚さは1.0nmであった。実施例1と同じ方法でその電圧−電流密度特性、電圧−輝度特性、輝度−電流効率特性を測定した。発光開始電圧(1cd/m2のときの電圧)は7Vであり、印加電圧10Vのときの輝度は103cd/m2であった。電流効率は66cd/m2のとき最大を示し、0.04cd/Aであった。
定電流駆動条件が0.3mAであることを除いては、実施例1と同じ方法で電界発光素子の偏光発光スペクトルを測定したところ、電界発光の偏光比(IEL‖/IEL⊥)は、発光波長434nmで2.4、発光波長458nmで2.9、400nmから600nmの領域の積分発光強度で2.5であった。
<実施例3>
上記配向剤(「(2)配向剤の調製」を参照)をNMPで希釈して0.4重量%としたこと以外は実施例1と全く同じ条件で偏光電界発光素子を作製した。このときの光配向層の厚さは1.6nmであった。実施例1と同じ方法でその電圧−電流密度特性、電圧−輝度特性、輝度−電流効率特性を測定した。発光開始電圧(1cd/m2のときの電圧)は7Vであり、印加電圧12Vのときの輝度は302cd/m2であった。電流効率は180cd/m2のとき最大を示し、0.09cd/Aであった。
定電流駆動条件が0.14mAであることを除いては、実施例1と同じ方法で電界発光素子の偏光発光スペクトルを測定したところ、電界発光の偏光比(IEL‖/IEL⊥)は、発光波長434nmで4、発光波長457nmで5.2、400nmから600nmの領域の積分発光強度で4.3であった。
<実施例4>
上記配向剤(「(2)配向剤の調製」を参照)をNMPで希釈して0.5重量%としたこと以外は実施例1と全く同じ条件で偏光電界発光素子を作製した。このときの光配向層の厚さは2.2nmであった。実施例1と同じ方法でその電圧−電流密度特性、電圧−輝度特性、輝度−電流効率特性を測定した。発光開始電圧(1cd/m2のときの電圧)は7Vであり、印加電圧12.5Vのときの輝度は598cd/m2であった。電流効率は167cd/m2のとき最大を示し、0.17cd/Aであった。
実施例1と全く同じ方法で電界発光素子の偏光発光スペクトルを測定したところ、電界発光の偏光比(IEL‖/IEL⊥)は、発光波長433nmで14、発光波長456nmで20、400nmから600nmの領域の積分発光強度で12であった。
<実施例5>
上記配向剤(「(2)配向剤の調製」を参照)をNMPで希釈して0.7重量%としたこと以外は実施例1と全く同じ条件で偏光電界発光素子を作製した。このときの光配向層の厚さは3.5nmであった。実施例1と同じ方法でその電圧−電流密度特性、電圧−輝度特性、輝度−電流効率特性を測定した。発光開始電圧(1cd/m2のときの電圧)は7.5Vであり、印加電圧13.5Vのときの輝度は347cd/m2であった。電流効率は64cd/m2のとき最大を示し、0.07cd/Aであった。
実施例1と全く同じ方法で電界発光素子の偏光発光スペクトルを測定したところ、電界発光の偏光比(IEL‖/IEL⊥)は、発光波長434nmで26、発光波長457nmで33、400nmから600nmの領域の積分発光強度で18であった。
<実施例6>
上記配向剤(「(2)配向剤の調製」を参照)をNMPで希釈して0.8重量%としたこと以外は実施例1と全く同じ条件で偏光電界発光素子を作製した。このときの光配向層の厚さは4nmであった。実施例1と同じ方法でその電圧−電流密度特性、電圧−輝度特性、輝度−電流効率特性を測定した。発光開始電圧(1cd/m2のときの電圧)は8Vであり、印加電圧13Vのときの輝度は91cd/m2であった。電流効率は47cd/m2のとき最大を示し、0.04cd/Aであった。
実施例1と全く同じ方法で電界発光素子の偏光発光スペクトルを測定したところ、電界発光の偏光比(IEL‖/IEL⊥)は、発光波長434nmで48、発光波長457nmで57、400nmから600nmの領域の積分発光強度で30であった。
<比較例1>
上記配向剤(「(2)配向剤の調製」を参照)をNMPで希釈して1.6重量%としたこと以外は実施例1と全く同じ条件で偏光電界発光素子を作製した。このときの光配向層の厚さは11nmであった。実施例1と同じ方法でその電圧−電流密度特性、電圧−輝度特性、輝度−電流効率特性を測定した。それらの結果を図6,7,8に白四角(光配向層11nmのデータ)で示す。発光開始電圧(1cd/m2のときの電圧)は10Vであり、印加電圧15.5Vのときの輝度は10cd/m2であった。電流効率は非常に低く、0.008cd/A以下であった。
定電流駆動条件が1.0mAであることを除いては、実施例1と同じ方法で上記電界発光素子の偏光発光スペクトルを測定したところ、電界発光の偏光比(IEL‖/IEL⊥)は、発光波長434nmで26、発光波長459nmで33、400nmから600nmの領域の積分発光強度で20であった。比較例1では、光配向層の厚さが実施例1〜6よりも増加したことにより、著しい発光強度の減少、電流効率の減少が観測された。
<比較例2>
光配向層を形成しないこと以外は全く同じ条件で電界発光素子を作製し、実施例1と同じ方法でその電圧−電流密度特性、電圧−輝度特性、輝度−電流効率特性を測定した。それらの結果を図6,7,8に白丸(光配向層0nmのデータ)で示す。発光開始電圧(1cd/m2のときの電圧)は6.0Vであり、印加電圧11Vのときの輝度は183cd/m2であった。電流効率は輝度の増加と共に増加し、76cd/m2のとき最大効率0.034cd/Aを示し、その後、輝度の増加とともに電流効率は徐々に減少した。
実施例1と同じ方法で上記電界発光素子の偏光発光スペクトルを測定しところ、偏光比(IEL‖/IEL⊥)は1で、偏光発光は観測されなかった。
実施例1〜6及び比較例1、2の結果から、実施例で用いた系では、およそ層厚4nm以下の光配向層をITO電極とPFO発光層の間に形成することによって、電流効率を向上させた偏光電界発光素子を作製できることがわかる。
層厚2.7nmの光配向層の偏光紫外−可視光吸収スペクトル。 層厚2.7nmの光配向層上に形成したポリフルオレン薄膜の偏光フォトルミネッセンス・スペクトル。 光配向層の配向指数Δと光配向層の厚さの関係。 ポリフルオレン薄膜の配向指数Δと光配向層の厚さの関係。 実施例1で作製した偏光電界発光素子の断面構造。 光配向層なし(白丸:0nm)、厚さ2.8nmの光配向層(黒四角)あり、厚さ11nmの光配向層(白四角)ありの電界発光素子の電圧−電流密度特性。 光配向層なし(白丸:0nm)、厚さ2.8nmの光配向層(黒四角)あり、厚さ11nmの光配向層(白四角)ありの電界発光素子の電圧−輝度特性。 光配向層なし(白丸:0nm)、厚さ2.8nmの光配向層(黒四角)あり、厚さ11nmの光配向層(白四角)ありの電界発光素子の輝度−電流効率特性。 定電流(0.2mA)駆動条件で測定した、厚さ2.8nmの光配向層を有する素子の偏光電界発光スペクトル。

Claims (8)

  1. 光配向層と該光配向層上に作製された有機電界発光層とを含む有機電界発光素子であって、光配向層は光照射によるアゾ基の光異性化反応を利用して配向処理されたドーピングされていないポリイミドで形成されていて1〜4nmの厚さを有し、有機電界発光層は、光配向層上に成膜されて面内方向の分子配向分布に異方性を形成することができる有機電界発光化合物を含有していることで、面内方向の分子配向分布に異方性を有する、有機電界発光素子。
  2. 光配向層が光の照射による配向処理を施されることにより、式(1)で表される光配向層の配向指数Δが0<Δ≦1となる、請求項1に記載の有機電界発光素子。
    Figure 0005207229
    式中、A‖はポリイミドの主鎖の平均配向方向に平行な偏光成分を有する赤外光を光配向層の表面に対して垂直に入射させたとき光配向層の特性基振動による吸光度であり、A⊥はポリイミドの主鎖の平均配向方向に垂直な偏光成分を有する赤外光を光配向層の表面に対して垂直に入射させたときの光配向層の特性基振動による吸光度である。
  3. 光配向層が2.2〜4nmの厚さを有する、請求項1または2に記載の有機電界発光素子。
  4. 配向処理が、光配向層の前駆体であるポリアミド酸層に直線偏光紫外光を照射した後に熱イミド化する配向処理である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  5. 有機電界発光層が、光配向層上に溶液法により作製される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  6. 有機電界発光層が、光配向層上に真空蒸着法により作製される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  7. 有機電界発光化合物が、ポリフルオレン、フルオレンオリゴマー、フルオレンおよびそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  8. 有機電界発光層と陰極の間に電子輸送層及び/又は電子注入層を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
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