JP5205616B2 - 糖修飾粒子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、クロルシラン化糖化合物、アルコキシシラン化糖化合物およびアルコキシシラン化糖化合物と発光性物質および/または粒子状物質との複合体である糖修飾粒子、並びにそれらの製造方法に関する。
近年、生体内でさまざまな糖鎖が各種ウイルスあるいは毒素と接着することにより感染が起こることが明らかとされてきた。それらの感染を阻害および阻害機構の解明が重要な課題となっている。さらに、各種ウイルスあるいは毒素の早期検出・診断も重要な課題とされている。
このような課題を機能性糖鎖の接着力を増強することによって解決するための方法として糖鎖クラスター効果(機能性糖鎖をポリマー等に集積化することによって糖鎖単体にくらべ千倍程度の接着力が増強できる例が報告されている)が用いられる。
これまで、本発明者らはカルボシランデンドリマーを支持体としてベロ毒素(O157:H7)、インフルエンザウイルスあるはデング熱ウイルスに特異的に接着するグロボ三糖、シアリルラクトースおよびパラグロボシド糖鎖をそれぞれ担持し、クラスター効果が有効に作用する化合物を見いだしてきた。また、ベロ毒素に対して経口投与により強い阻害作用を発揮するグロボ三糖担持アクリルアミドポリマーの合成を行った。(Watanabe M. et al., J. Infect. Dis., 2004, 189, 360-368.(非特許文献1))
一方、近年、ゾルゲル法によるナノガラスの作製および色素等をナノガラス中に取り込むことにより新たな機能性(発光性)をナノガラスに付与しあらたな機能化の報告がなされている(W. Lian, et al., Anal.Biochem., 334,135-144 (2004)(非特許文献2))。
さらに、ナノガラス表面に化学的処理を行うことで蛋白質などに選択的に接着させ、その様子を可視化する試みもなされている。
さらにナノガラス粒子上に表面処理を施し、機能化した例もある(Z.Ye, et al., J. Mater. Chem., 14, 851-856 (2004) (非特許文献3))。
Watanabe M. et al., J. Infect. Dis., 2004, 189, 360-368. W. Lian, et al., Anal.Biochem., 334,135-144 (2004) Z.Ye, M. Tan, G. Wang, J. Yuan, J. Mater. Chem., 14, 851-856 (2004)
しかし、これらの方法はそれぞれの段階で明確な確認法が困難な数段階の反応を必要とする難点がある。また、これまでナノガラス表面に機能性糖鎖を担持した例は報告されていない。
表面に機能性糖鎖を担持したナノガラスが得られれば、機能性糖鎖を適切に選択することにより、各種ウイルスおよび毒素に対して選択的に接着する物質群を容易に作製でき、さらに、発光性物質を表面に機能性糖鎖を担持したナノガラス中に取り込むことができれば、各種ウイルスあるいは毒素との接着状況を可視化できる。
しかし、これまで、表面に機能性糖鎖を担持した発光性物質を含むナノガラスを簡易な工程で作製する方法は知られていない。
そこで本発明の目的は、表面に機能性糖鎖を担持した発光性物質を含むナノガラス等のナノ粒子を含む微粒子を簡易な工程で作製する方法を提供し、かつ表面に機能性糖鎖を担持した発光性物質を含むナノガラス等のナノ粒子を含む微粒子を提供することにある。さらに本発明は、上記作製する方法で使用される合成中間体も提供することを目的とする。
本発明者らは、末端にトリメトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基を有する機能性糖鎖を合成し、それを発光性物質および/または粒子状物質と反応させることにより、ゾルゲル法により表面に機能性糖鎖を担持した発光性物質を含むナノガラス等のナノ粒子を含む微粒子を得られることを見いだして本発明を完成させた。
上記課題を解決するための本発明は以下のとおりである。
[1]下記一般式(1-1)〜(1-7)のいずれか1つの式で示されるクロルシラン化糖化合物。
(式中、Aはアセチル基またはNpOC(Npはナフトイル基)基であり、Xは-(CR1H)n1-、-[(CH2)n2-O-(CH2)n3]m1-、-[(CH2)n2-S-(CH2)n3] m2 -、または-(CH2)n4-NR-(CH2)n5-であり、n1〜n5は独立に、0〜9の整数であり、m1およびm2は独立に0〜9の整数であり、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、R1は水素、炭素数1〜6のアルキル基、またはアリール基である。)
[2]下記一般式(2-1)〜(2-7)のいずれか1つの式で示されるアルコキシシラン化糖化合物の少なくとも1種と発光性物質および/または粒子状物質とを含む複合体
(式中、Aはアセチル基またはNpOC(Npはナフトイル基)基であり、Xは-(CR1H)n1-、-[(CH2)n2-O-(CH2)n3]m1-、-[(CH2)n2-S-(CH2)n3]m2-、または-(CH2)n4-NR-(CH2)n5-であり、n1〜n5は独立に、0〜9の整数であり、m1およびm2は独立に0〜9の整数であり、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、R1は水素、炭素数1〜6のアルキル基、またはアリール基である。)
[3]下記(3-1)〜(3-7)のいずれか1つの式で示されるアルコキシシラン化糖化合物の少なくとも1種と発光性物質および/または粒子状物質とを含む複合体。
(式中、Xは-(CR1H)n1-、-[(CH2)n2-O-(CH2)n3]m1-、-[(CH2)n2-S-(CH2)n3]m2-、または-(CH2)n4-NR-(CH2)n5-であり、n1〜n5は独立に、0〜9の整数であり、m1およびm2は独立に0〜9の整数であり、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、R1は水素、炭素数1〜6のアルキル基、またはアリール基である。)
[4]発光性物質が金属錯体または有機色素である[2]または[3]に記載の複合体。
[5]金属錯体の中心金属がRu(ルテニウム)、Eu(ユーロピウム)、Tb(テルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、またはCd/Se(カドミウム/セレン)である[4]に記載の複合体。
[6]有機色素がブロモピロガロールレッドまたはピロカテコールバイオレットである[4]に記載の複合体。
[7]粒子状物質が、磁性物質、金属、およびゾルゲル物質から成る群から選ばれる少なくとも1種の物質である[2]〜[6]のいずれか1項に記載の複合体。
[8]粒子状物質が、ゾルゲル物質で表面被覆された発光性物質、磁性物質および/または金属である[2]〜[6]のいずれかに記載の複合体。
[9]ゾルゲル物質がテトラアルコキシシランおよび/またはトリアルコキシシランの加水分解物である[7]または[8]に記載の複合体。
[10]アルコキシラン化糖化合物と発光性物質および/または粒子状物質との質量比が99.99〜95:0.01〜5の範囲である[2]〜[9]のいずれかに記載の複合体。
[11]複合体の平均粒子径は50nm〜500μmの範囲である[2]〜[10]のいずれかに記載の複合体。
[12][2]に記載された一般式(2-1)〜(2-7)のいずれか1つの式で示されるアルコキシラン化糖化合物の少なくとも1種と発光性物質および/または粒子状物質とを疎水性溶媒中で反応させることで、一般式(2-1)〜(2-7)のいずれか1つの式で示されるアルコキシラン化糖化合物の少なくとも1種と発光性物質および/または粒子状物質とを含む複合体を得る、[2]に記載の複合体の製造方法。
[13]テトラアルコキシシランおよび/またはトリアルコキシシランを、前記アルコキシラン化糖化合物と同時に、または前後して、発光性物質および/または粒子状物質と反応させる[12]に記載の複合体の製造方法。
[14][12]または[13]の製造方法で得られた複合体から、糖の保護基であるアセチル基またはNpOC(Npはナフトイル基)基を脱離させることを含む、[3]に記載の複合体の製造方法。
本発明によれば、機能性糖鎖を表面に配置し、発光性物質を含むナノガラス(発光性複合体)等のナノ粒子を1段階で合成できる。さらに、機能性糖鎖を適切に選択することにより、各種ウイルスおよび毒素に対して選択的に接着する物質群を容易に作製できる。加えて、表面に機能性糖鎖を担持したナノ粒子中に発光性物質を取り込んでいるので、各種ウイルスあるいは毒素との接着状況を可視化できる。また、粒子状物質として磁性物質粒子や金属粒子を用い、これら粒子状物質の表面に機能性糖鎖を配置することで、粒子状物質の特性を利用して、これらの物質を分離等することもできる。
本発明の発光性複合体は、一般式(2-1)〜(2-7)で示されるアルコキシシラン化糖化合物と発光性物質との反応により得られる。一般式(2-1)〜(2-7)で示されるアルコキシシラン化糖化合物は、公知化合物を原料として、一般式(1-1)〜(1-7)で示されるクロルシラン化糖化合物を経由して合成される。
一般式(1-1)〜(1-7)で示されるクロルシラン化糖化合物および一般式(2-1)〜(2-7)で示されるアルコキシシラン化糖化合物において、式中、Xは-(CR1H)n1-、-[(CH2)n2-O-(CH2)n3]m1-、-[(CH2)n2-S-(CH2)n3]m2-、または-(CH2)n4-NR-(CH2)n5-であり、n1〜n5は独立に、0〜9の整数であり、m1およびm2は独立に0〜9の整数であり、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、R1は水素、炭素数1〜6のアルキル基、またはアリール基である。n1は、好ましくは0〜7、より好ましくは、2〜5の整数である。n2〜n5は、好ましくは、独立に、0〜3、より好ましくは、1〜2の整数である。m1およびm2は、好ましくは0〜7、より好ましくは、2〜5の整数である。n2〜n5は、好ましくは、独立に、0〜3、より好ましくは、1〜2の整数である。Rは、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、メチル、エチル、n-プロピルまたはiso-プロピルであることができる。R1は、好ましくは、水素、炭素数1〜3のアルキル基、またはフェニル基である。
上記Xを含む-(CH2)-X-(CH2)-からなるリンカーは、例えば、メチレン鎖およびベンゼン誘導体、エチレングリコール、オリゴエチレングリコール、アミンなどであることができる。
クロルシラン化糖化合物およびアルコキシシラン化糖化合物の合成方法を一般式(1-1)および(2-1)の化合物を例に以下に説明する。
上記反応式で示される合成例は、後述する実施例に詳細に記載されている。原料化合物である1は、市販のラクトースから既知の方法。(K.Matsuoka et al., Macromolecules 28, 2961-2968 (1995))により合成できる。原料化合物1は、白金触媒の存在下、トリクロロシランを反応させることで、クロルシラン化糖化合物が得られる。次いで、得られたクロルシラン化糖化合物にアルカリ条件下(例えば、Et3N存在下)でメタノールを反応させることで、アルコキシシラン化糖化合物、この場合はメトキシシラン化糖化合物3が得られる。いずれの反応も、例えば、テトラヒドロフランのような有機溶媒中で行うことができる。得られたアルコキシシラン化糖化合物は、常法により生成して、後述する本発明の複合体の作製に用いられる。
上記反応において、原料化合物の糖の種類、保護基の種類、糖とアルコキシシランとの間のリンカーの種類を替えることで、一般式(1-1)〜(1-7)で示されるクロルシラン化糖化合物、および一般式(2-1)〜(2-7)で示されるアルコキシシラン化糖化合物を適宜合成することができる。
本発明の複合体は、一般式(2-1)〜(2-7)で示されるアルコキシシラン化糖化合物と発光性物質および/または粒子状物質とを含む複合体である。アルコキシシラン化糖化合物と発光性物質および/または粒子状物質とは、アルコキシシラン化糖化合物のアルコキシル基の少なくとも一部または全部の酸素と発光性物質および/または粒子状物質とが、結合したものであることができる。
上記一般式(2-1)〜(2-7)で示されるエトシキシラン化糖化合物と発光性物質および/または粒子状物質とを疎水性溶媒(例えば、トルエン)中で反応させることで得られる。その際、テトラアルコキシシランおよび/またはトリアルコキシシランを、前記エトシキシラン化糖化合物と同時に、または前後して、発光性物質または粒子状物質と反応させることもできる。
本発明の複合体を構成する発光性物質は、例えば、金属錯体または有機色素であることができる。発光性物質を用いれば、発光性複合体が得られる。金属錯体および有機色素以外の発光性物質であっても、一般式(2-1)〜(2-7)で示されるエトシキシラン化糖化合物のエトシキシランと反応性を有するものであれば、発光性複合体を作製することはできる。
金属錯体は、中心金属がRu(ルテニウム)、Eu(ユーロピウム)、Tb(テルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、またはCd/Se(カドミウム/セレン)であるものを例示できる。金属錯体の配位子としては、ビピリジル及びその誘導体、アセチルアセトンおよびその誘導体、ジケトン誘導体を挙げることができる。
有機色素は、水溶性であることが、発光性複合体を作製する際に好ましく、例えば、ブロモピロガロールレッド(a)またはピロカテコールバイオレット(b)を例示できる。しかし、これ以外の有機色素も用いることができる。
本発明の複合体を構成する粒子状物質は、粒子状の物質であれば特に制限なく使用でき、例えば、磁性物質、金属、およびゾルゲル物質から成る群から選ばれる少なくとも1種の物質を挙げることができる。また、粒子状物質は、ゾルゲル物質で表面被覆された発光性物質、磁性物質および/または金属であることもできる。ゾルゲル物質は、例えば、テトラアルコキシシランおよび/またはトリアルコキシシランの加水分解物であることができる。ゾルゲル物質で表面被覆された発光性物質、磁性物質および/または金属は、例えば、磁性物質および/または金属の存在下で、テトラアルコキシシランおよび/またはトリアルコキシシランを加水分解することで得られる。
アルコキシラン化糖化合物と発光性物質および/または粒子状物質との質量比は、発光性物質の場合は、通常、発光性物質の量が多すぎると濃度消光が起こることがあるため、例えば、発光性物質の量は5%以下であることが望ましい。但し、この濃度に限定される意図ではない。粒子状物質の場合、濃度消光の問題はないので、アルコキシラン化糖化合物と発光性物質および/または粒子状物質との質量比は、適宜決定出来る。アルコキシラン化糖化合物と発光性物質および/または粒子状物質との質量比は、例えば、99.99〜95:0.01〜5の範囲であることができる。但し、粒子状物質の場合は、粒子状物質の比率を上記範囲より多くすることもできる。
本発明の複合体においては、発光性物質および粒子状物質を併用することもできる。例えば、テトラアルコキシシランおよび/またはトリアルコキシシランを、前記アルコキシラン化糖化合物と同時に、または前後して、発光性物質および/または粒子状物質と反応させることで、本発明の複合体を製造することができる。
粒子状物質が、テトラアルコキシシランおよび/またはトリアルコキシシランの加水分解物であるゾルゲル物質である場合、アルコキシラン化糖化合物と発光性物質とを、テトラアルコキシシランおよび/またはトリアルコキシシランの存在下で結合させる。
アルコキシシラン化糖化合物とテトラアルコキシシランおよび/またはトリアルコキシシランとの質量比は、例えば、100〜0.01:0〜99.9の範囲であることが適当であり、好ましくは10〜90:90〜10の範囲である。テトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシキシラン、テトラエトキシキシラン等を挙げることができる。トリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
上記複合体を得るための反応には、触媒としてアンモニアを添加し、かつアルコキシシランの加水分解を促進するために少量の水を添加する。アンモニアの添加量は、触媒量であればよく、通常の実験スケールでは、極微量でよい。また、水の添加量も、アルコキシシランを加水分解できればよいので、加水分解すべきアルコキシシラン量を考慮して適宜決定でき、通常の実験スケールでは、極微量でよい。
あるいは、粒子状物質が、磁性物質(例えば、磁気ビーズ)および/または金属粒子(例えば、金コロイド)、あるいはゾルゲル物質で表面被覆された磁性物質粒子および/または金属粒子の場合、アルコキシラン化糖化合物と発光性物質とを、(ゾルゲル物質で表面被覆された)磁性物質や金属粒子の存在下で結合させることができる。
このようにして得られる本発明の複合体は、平均粒子径が50nm〜500μmの範囲である。複合体を構成する発光性物質または粒子状物質の種類によって、平均粒子径は適宜変更でき、より細かい粒子の場合には、平均粒子径は50〜500nmの範囲である、所謂ナノ粒子である。また、より大きい粒子の場合には、500nm〜500μmの範囲である。但し、平均粒子径がより大きい粒子状物質を用いれば、500μmを超える複合体を得ることもできる。
さらに、本発明の複合体の表面は、一般式(2-1)〜(2-7)で示されるエトシキシラン化糖化合物、並びにテトラアルコキシシランおよび/またはトリアルコキシシランに由来する珪酸成分を含むガラス質である。加えて、発光性物質を含む場合には、その存在を可視化することができる。
本発明は、上記(3-1)〜(3-7)で示されるアルコキシシラン化糖化合物と発光性物質および/または粒子状物質とを含む複合体を包含する。この複合体は、上記の製造方法で得られた複合体から、糖の保護基を脱離させることを含む、(3-1)〜(3-7)で示される脱保護糖化合物を表面に有する複合体を製造することもできる。糖の保護基の脱離は、公知の方法を適宜用いて実施することができる。アルコキシシラン化糖化合物と発光性物質および/または粒子状物質とは、アルコキシシラン化糖化合物のアルコキシル基の少なくとも一部または全部の酸素と発光性物質および/または粒子状物質とが、結合したものであることができる。
本発明の発光性複合体は、一般式(2-1)〜(2-7)または(3-1)〜(3-7)で示されるアルコキシシラン化糖化合物に由来する糖鎖と選択的に結合する物質の検出に使用することができる。糖鎖を選ぶことにより選択的にウイルス、毒素等の検出試薬となりうる可能性がある。即ち、例えば、一般式(2-1)または(3-1)で示されるアルコキシシラン化糖化合物由来の糖鎖を有する発光性複合体は、レクチン等蛋白と広く結合しその検出に使用できる。
一般式(2-2)または(3-2)で示されるアルコキシシラン化糖化合物由来の糖鎖を有する発光性複合体は、インフルエンザウイルスと選択的に結合し、その検出に使用できる。
一般式(2-3)または(3-3)で示されるアルコキシシラン化糖化合物由来の糖鎖を有する発光性複合体は、ベロ毒素O157:H7と選択的に結合し、その検出に使用できる。
一般式(2-4)または(3-4)で示されるアルコキシシラン化糖化合物由来の糖鎖を有する発光性複合体は、テング熱ウイルスと選択的に結合しその検出に使用できる。
以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
略語一覧
Ac アセチル
Et エチル
Me メチル
Np ナフトイル
Rubpy トリス(2, 2'-ビピリジル)ジクロロルテニウム(II)6水和物
TEOS テトラエチルオルソシリケート
THF テトラヒドロフラン
cat Pt H2PtCl6・6H2O
HEPES 2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸
実施例1
ラクトース誘導体の合成法
Trimethoxysilylpentenyl O-(2,3,4,6-tetra-O-acetyl-β-D-galactopyranosyl)-(1→4)-2,3,6- tri-O-acetyl-α-D-glucopyranoside(3)の合成
50 mlの二口ナスフラスコに同圧滴下ロート50 ml、蛇管冷却器を備えた系中をアルゴン置換した。これに、化合物1を0.50 g (0.71 mmol)入れ、dry-THF 6 mlとspeire触媒(塩化白金酸)を加え、0℃で攪拌した。(化合物1(ラクトース)は、例えば、A. Miyazawa et al., Carbohydrate Polymer 57, 441 (2004)に記載の方法に従って合成できる。)ここに、トリクロロシラン0.288 g (2.13 mmol)のDry-THF溶液4 mlを0℃下でゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で一晩攪拌した。反応終了後、常圧留去により過剰のトリクロロシラン及びdry-THFを取り除き、o-(2,3,4,6-Tetra-o-acetyl-β-D-galactopyranosyl)-(1→4)-(trichlorosilylpentenyl) 2,3,6-tri-o-acetyl-α-D-glucopyrano side(2)を得た。これに、新たにdry-THF 10 mlを加え、0℃で攪拌した。ここに、0.295 ml (2.13 mmol)のdry-triエチルamine加え、次いで0.288 ml (3.55 mmol)のdry-mエタノールをゆっくり加え、0℃で30分攪拌し、その後室温で1時間攪拌した。このとき、溶液は白濁している状態であった。これをセライトろ過して塩を取り除き、濃縮することで、薄茶色の粘り気のある液体となった。これにトルエンを加えて塩を再び析出させ、ろ過および濃縮を行い、o-(2,3,4,6-Tetra-o-acetyl-β-D-galactopyranosyl)-(1→4)-(trimethoxysilyl pentenyl) 2,3,6- tri-o-acetyl-α-D-glucopyranoside(3)を定量的に得た。
化合物3
1H-NMR (CDCl3, 200 MHz) δ:5.34 (d, 1H, J=2.6 Hz, H-4'), 5.19 (t, 1H, J=9.2 Hz , H-3), 5.09-5.13 (m, 1H, H-2), 4.94-4.98 (m, 6H, H-3'), 4.87 (t, 1H, J=8 Hz, H-2), 4.44-4.49 (m, 3H, H-1',H-6a), 4.06-4.16 (m, 3H, H-6'ab, H-6b), 3.73-3.81 (m, 9H, H-5', H-4), 3.57-3.62 (m, 1H, H-5), 3.52 (s, 6H, Si-O-CH3), 1.93-2.11 (several s, 21H, Ac), 1.4-1.7 (m, 4H, OCH2CH2), 0.5-0.6 (m, 2H, Si-CH2)
IR(KRS5);ν 2940, 1750 (Ac,C=O), 1370, 1225, 1055 (Si-O)
実施例2
Triethoxysilylpentenyl O-(2,3,4,6-tetra-O-acetyl-β-D-galactopyranosyl)-(1→4)-2,3,6- tri-O-acetyl-α-D-glucopyranoside(4)の合成
50 mlの二口ナスフラスコに同圧滴下ロート50 ml、蛇管冷却器を備えた系中をアルゴン置換した。これに、化合物1を1.00 g (1.42 mmol)入れ、dry-THF 10 mlとspeire触媒を加え、0℃で攪拌した。ここに、トリクロロシラン 0.576 g (4.26 mmol)のDry-THF溶液5 mlを0 ℃下でゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で一晩攪拌した。反応終了後、常圧留去により過剰のトリクロロシラン及びdry-THFを取り除き、化合物2を得た。これに、新たにdry-THF 5 mlを加え、0℃で攪拌した。ここに、0.98 ml (7.10 mmol)のdry-triエチルamineを加え、次いで0.83 ml (14.2 mmol)のdry-エタノールをゆっくり加え、0℃で30分攪拌し、その後室温で1時間攪拌した。このとき、溶液は白濁している状態であった。これをセライトろ過して塩を取り除き、濃縮することで、薄茶色の粘り気のある液体となった。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系/トルエン:酢酸エチル=1:1、Rf=0.51)によって精製を行い、目的とする化合物4を定量的に得た。
化合物4
1H-NMR (CDCl3, 200 MHz) δ:5.34 (d, 1H, J=2.6 Hz, H-4'), 5.19 (t, 1H, J=9.2 Hz, H-3), 5.09-5.13 (m, 1H, H-2), 4.94-4.98 (m, 6H, H-3'), 4.87 (t, 1H, J=8 Hz H-2), 4.44-4.49 (m, 3H, H-1',H-6a), 4.06-4.16 (m, 3H, H-6'ab, H-6b), 3.73-3.81 (m, 8H, H-5', H-4, SiOCH2CH3), 3.57-3.62 (m, 1H, H-5), 1.93-2.11 (several s, 21H, Ac), 1.4-1.7 (m, 4H, OCH2CH2), 1.2 (t, 9H, J=7 Hz, SiOCH2CH3) 0.5-0.6 (m, 2H, Si-CH2)
IR(KRS5);ν 2940, 1750 (Ac,C=O), 1370, 1225, 1055 (Si-O)
実施例3
実施例1と同様にして以下の化合物5〜9を合成した。なお、原料に用いた化合物1に相当する化合物は、いずれも原料化合物の糖の種類を代えた以外は、実施例1に示した化合物1の合成方法と同様の方法で合成した。尚、化合物5(ラクト-N-ネオテトラオース)の原料は、例えば、Y. Yamada et al., Carbohydrate Res., 341, 467 (2006)に記載の方法に従って合成できる。また、化合物7(シアリルラクトース(1−4)の原料は、例えば、K. Matsuoka et al., Tetrahedron Lett., 42, 3327 (2001) に記載の方法に従って合成できる。
1H NMR (CDCl3): δ: 5.47 (d, 1 H, J=8.6 Hz, NHAc), 5.33 (d, 1 H, J3''',4'''=2.9 Hz, H-4'''), 5.29 (s, 1 H, H-4'), 5.15-5.20 (m, 2 H, H-3 and H-3'' ), 5.10 (dd, 1 H, J1'''2'''=7.9 Hz, J2'''3'''=9.5 Hz, H-2'''), 4.95-4.98 (m, 2 H, H-2' and H-3'''), 4.86 (dd, 1 H, J1,2=8.0 Hz, J2,3=9.5 Hz, H-2), 4.76 (br d, 1 H, J=11.2 Hz, H-6''a), 4.66 (br d, 1 H, J1'',2''=8.0 Hz, H-1''), 4.53 (d, 1 H, J1''',2'''=7.9 Hz, H-1'''), 4.42-4.44 (m, 2 H, H-1 and H-6a), 4.33 (d, 1 H, J1',2'=8.0 Hz, H-1'), 4.00-4.10 (m, 5 H, H-6b, H-6'ab and H-6'''ab), 3.96 (br d, 1 H, J=10.8 Hz, H-6''b), 3.70-3.88 (m, 6 H, H-4, H-3', H-5', H-4'', H-5''' and one of the OCH2CH2-), 3.43-3.55 (m overlapped s, 13 H, H-5, H-2'', H-5'', one of the OCH2CH2-, SiOMe), 1.89-2.14 (several s, 39 H, Ac), 1.51-1.57 (m, 4 H, -OCH2CH2CH2CH2CH2Si), 1.36-1.37 (m, 2 H, CH2CH2CH2Si), 0.47-0.54 (m, 2 H, -OCH2CH2CH2CH2CH2Si).
1H NMR (CDCl3): δ: 5.49 (m, 1 H, H-8"), 5.39 (dd, 1 H, J6",7"= 2.8 Hz, J7",8"= 9.4 Hz, H-7"), 5.24 (t, 1 H, J2,3=J3,4= 9.4 Hz, H-3), 5.20 (d, 1 H, JNH,5"= 9.9 Hz, NH), 4.93 (dd, 1 H, J1',2'= 8.1 Hz, J2',3'= 10.3 Hz, H-2'), 4.88-4.80 (m), 4.67 (d, 1 H, H-1'), 4.52 (dd, 1 H, J3',4'=3.3 Hz, H-3'), 4.45 (d, 1 H, J1,2= 7.7 Hz, H-1), 4.50-4.36 (m), 4.25-3.92 (m), 3.84 (s, 3 H, COOCH3), 3.70-3.55 (m overlapped s, 12 H, H-6", H-5 and SiOMe), 3.46 (m, one of OCH2), 2.58 (dd, 1 H, J3"a,3"e= 12.7 Hz, J3"e,4"= 4.6 Hz, H-3"eq), 2.40-1.85 (each s, 33 H, NHAc, OAc), 1.61 (m, H-3"ax, OCH2CH2CH2CH2CH2Si), 1.40 (m, -CH2CH2CH2Si), 0.43-0.51 (m, 2 H, -OCH2CH2CH2CH2CH2Si).
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 5.81-5.71(m, 1H, CH=C), 5.57(d, 1H, J3'4''=2.5, Hz, H-4''), 5.39(dd, 1H, J2''3'''=11.0Hz, J3''4'''=3.3Hz, H-3''), 5.21-5.15(m, 2H, H-3, 2''), 5.09(dd, 1H, J1'2'=7.7Hz, J2'3'=10.8Hz, H-2'), 4.98(d, 1H, J1''2''=3.6Hz), 5.01-4.94(m, 2H, C=CH2), 4.85(dd, 1H, J12=9.6Hz, J23=1.6Hz, H-2), 4.71(dd, 1H, J2'3'=10.8Hz, J3'4'=2.6Hz, H-3'), 4.50(d, 1H, J1'2'=7.7Hz, H-1'), 4.47-4.40(m, 5H, H-1, H-1', H-5'', H-6a', 6a''), 4.18-4.07(m, 4H, H-6ab, H-6b'and H-6b''), 4.00(d, 1H, J3'4'= 2.0Hz, H-4'), 3.86-3.80(m, 1H, OCHa), 3.79-3.69(m, 2H, H-4, H-5'), 3.63-3.59(m, 1H, H-5), 3.52 (s, 9 H, SiOMe), 3.48 (m, 1H, OCHb), 2.11-1.97(m, 33H, OCH2CH2CH2, OAc), 1.68-1.58(m, 2H, OCCH2), 0.48-0.54 (m, 2 H, -OCH2CH2CH2CH2CH2Si).
1H N.M.R data:・(400 MHz, CDCl3), 5.41 (near dd, 1 H, J= 2.8 Hz, H-4'), 5.34-5.27 (m, 2 H, H-7", H-8"), 5.20 (t, 1 H, J= 10.3 Hz, H-3), 5.13 (d, 1 H, J5,NH= 9.7 Hz, NH), 5.08 (dd, 1 H, J= 7.8 Hz, H-2'), 5.03-4.95 (m, 1 H, H-3'), 4.90 (dd, 1 H, J= 8.0 Hz, H-2), 4.85 (ddd, 1 H, J3a",4"= 12.3 Hz, J3b",4"= 4.6 Hz, J(dd, 1 H, H-6b), 4.45 (d, 1 H, J1,2= 7.9 Hz, H-1), 4.29 (dd, 1 H, J= 1.6 Hz, J= 10.4 Hz, H-9"a), 4.14 (dd, 1 H, H-6a), 4.10-4.06 (m, 2 H, H-6", H-9"b), 4.00 (m, 1 H, H-5"), 3.92-3.83 (m, 3 H, H-4, H-5', one of OCH2), 3.80 (s, 3 H, COOMe), 3.74 (dd, 1 H, H-6'), 3.62 (m, 1 H, H-5), 3.48 (m, 1 H, one of OCH2), 3.37 (dd, 1 H, H-6'), 3.35 (s, 9 H, SiOMe), 2.53 (dd, 1 H, H-3"eq), 2.18, 2.14, 2.12, 2.10, 2.05(2), 2.04(2), 2.02, 1.94 (10 s, 30 H, 10 AcO), 1.89 (s, 3 H, AcN), 1.89 (m, 1 H, H-3"ax), 1.53-1.61 (m,. 4 H, OCH2CH2CH2CH2), 1.43-1.46 (m, 2 H, OCH2CH2CH2CH2), 0.25-0.40 (m, 2 H, SiCH2)
NMR : 1H (CDCl3, 400MHz)δ 5.52-5.58 (m, 1 H, H-8''), 5.53 (d, 1 H, JNH, 2=9.7 Hz, NH), 5.39 (dd, 1 H, J6'', 7''=2.6 Hz, J7'', 8''=9.3 Hz, H-7''), 5.05 (d, 1 H, JNH'', 5''=10.0 Hz, NH ''), 4.94 (dd, 1 H, J1', 2'=8.0 Hz, J2', 3'=10.0 Hz, H-2'), 4.88 (d, 1 H, J3', 4'=3.0 Hz, H-4'), 4.85-4.90 (m, 1 H, H-4''), 4.70 (d, 1 H, J1', 2'=7.9 Hz, H-1'), 4.54 (dd, 1 H, J2', 3'=10.1 Hz, J3', 4'=3.2 Hz, H-3'), 4.41-4.46 (m, 2 H, H-3, H-9''a), 4.38 (d, 1 H, J1, 2=7.9 Hz, H-1), 4.18-4.22, (m, 1 H, H-2), 3.95-4.10 (m, 5 H, H-4, H-6a, H-6b, H-5'', H-9''b), 3.81-3.92 (m, 4 H, H-5', H-6'a, H-6'b, one of OCH2CH2), 3.85 (s, 3 H, COOMe), 3.64 (dd, 1 H, J6'', 7''=2.6 Hz, J5'', 6''=10.7 Hz, H-6''), 3.59-3.64 (m, 1 H, H-5), 3.56-3.60 (m, 9 H, Si(OMe)3), 3.42-3.48 (m, 1 H, one of OCH2CH2-), 2.58 (dd, 1 H, J3''eq, 4''=4.6 Hz, J3''ax, 3''eq=12.7 Hz, H-3''eq), 2.25, 2.16, 2.09, 2.08, 2.07, 2.06, 2.01, 1.96, 1.86 (each s, 33 H, Ac), 2.07-2.15 (m, 2 H, OCH2CH2CH2-), 1.54-1.72 (m, 5 H, OCH2CH
参考例1
色素含有シリカナノ微粒子の調製法
(文献(W. Lian et.al., Analytical Biochemistry 2004, 334, 136-137)記載の方法に準じている)
25μlのTEOSが入った50 mlスクリュー管にシクロヘキサン7.5 mlを加えて室温で激しく攪拌し、TEOSを分散させた。次にTriton X-100を1.77 ml、1−ヘキサノールを1.8 ml順に加えて均一になるまで攪拌させた。このとき溶液は無色透明であった。その後あらかじめ調製した20 mMのRubpy溶液を0.12 ml加えて20分間室温で激しく攪拌させた。この時の溶液は橙色透明であった。20分後に25%アンモニア水溶液を15μl滴下して24時間室温で攪拌し続けた。反応終了後溶液は少し懸濁した橙色溶液であった。これに11.31mlの アセトンをゆっくり加えると、橙色懸濁溶液となった。この溶液を遠心分離すると、橙色の沈殿と薄橙色の上澄みに分離した。上澄み液を取り除いた後、沈殿にエタノールを加え、超音波をかけながら振り混ぜることにより橙色の懸濁溶液とした。これを遠心分離機により橙色の沈殿と、赤橙色の上澄みとに分離した。このエタノールによる洗浄をこの後2回繰り返し行った。このとき上澄みが薄くなっていった。最後に分離した沈殿を自然乾燥することにより、色素含有のナノ微粒子を得た。(収率:100%、Ruは2%含有)
蛍光特性:589 nmに蛍光が観察された。(励起波長:450 nm)
蛍光特性は、非特許文献2(W. Lian, et al., Anal.Biochem., 334,135-144 (2004))に記載の方法により測定した。
IR(KBr);ν 1070 (Si-O)
さらに、得られたナノ微粒子の粒子ザイズが50〜100nmであることを蛍光顕微鏡観察(発光部分)で行った。蛍光顕微鏡観察で得られたイメージを図1に示す。
実施例4
ラクトース担持色素含有ナノ微粒子の調製法
実施例1で合成した92 mg の化合物3が入った50 mlスクリュー管にトルエンを3 ml加えて超音波により均一に溶液中に分散させた。次にシクロヘキサンを12 ml加えて室温で激しく攪拌した。このとき、溶液は少し白濁していた。次にTriton X-100を3.54 ml、1−ヘキサノールを3.6 ml順に加えて均一になるまで攪拌させた。このとき溶液は無色透明であった。その後あらかじめ調製した20 mMのRubpy溶液を0.24 ml加えて20分間室温で激しく攪拌させた。この時の溶液は橙色透明であった。20分後、25%アンモニア水溶液を30μl滴下して24時間室温で攪拌し続けた。反応終了後溶液は少し懸濁した橙色溶液であった。(これに22.62 mlの アセトンをゆっくり加えると、橙色懸濁溶液となった。)この溶液を遠心分離すると、橙色の沈殿と薄橙色の上澄みに分離した。上澄み液を取り除いた後、沈殿にエタノールを加え、超音波をかけながら振り混ぜることにより橙色の懸濁溶液とした。これを遠心分離機により橙色の沈殿と、赤橙色の上澄みとに分離した。このエタノールによる洗浄をこの後2回繰り返し行った。このとき上澄みが薄くなっていった。最後に分離した沈殿を自然乾燥することにより、アセチル基で保護されたラクトース担持色素含有のナノ微粒子10を得た。
本化合物とラクトースを含まないTEOSのみで作製したナノ粒子(前実験項参照)のIRスペクトルを比較し、カルボニル基の吸収(1710cm-1)存在を確認したことからラクトースがガラス粒子上に担持されていることを確認した。
また、蛍光顕微鏡観察によりナノガラス微粒子は50nm〜100nm程度の粒子径を有することが確認された。(収量:48mg、収率:56%、Ruは2%含有)
IR(KBr);ν 2940, 1750 (Ac,C=O), 1370, 1225, 1070 (Si-O)
実施例5
Trimethoxysilylpentenyl O-(2,3,4,6-tetra-O-acetyl-β-D-galactopyranosyl)-(1→4)-2,3,6- tri-O-acetyl-α-D-glucopyranoside(3)の合成
50 mlの二口ナスフラスコに同圧滴下ロート50 ml、蛇管冷却器を備えた系中をアルゴン置換した。これに、化合物1を0.317 g (0.45 mmol)入れ、dry-THF 2 mlとSpeire触媒を加え、0℃で攪拌した。ここに、トリクロロシラン 0.183 g (1.35 mmol)のDry-THF溶液2 mlを0℃下でゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で一晩攪拌した。反応終了後、常圧留去により過剰のトリクロロシラン及びdry-THFを取り除き、Trichlorosilylpentenyl O-(2,3,4,6-Tetra-O-acetyl-β-D-galactopyranosyl)-(1→4)-2,3,6-tri-O-acetyl-α-D-gluco pyranoside(2)を得た。これに、新たにdry-THF 2 mlを加え、0℃で攪拌した。ここに、0.12 ml (1.49 mmol)のdry-ピリジンと0.09 ml (2.25 mmol)のdry-Mエタノールの混合溶液をゆっくり加え、室温にあげて30分攪拌した。このとき、溶液は白濁している状態であった。この後、常圧留去でdry-THFを除き、残渣にエチルアセテートを加えてセライトろ過することにより塩を取り除き、さらに濃縮することで、目的物である化合物3を得た(収量:0.372 g 収率:100 %)。
化合物2
1H-NMR (CDCl3, 200 MHz) δ:0.6 (2H, m, Si-CH2-CH2)
化合物3
1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ: 5.34 (d, 1H, J3’, 4’ =3.6 Hz, H-4’), 5.19 (t, 1H, J =9.2 Hz, H-3), 5.11 (dd, 1H, J1’, 2’ =8.0 Hz, J2’, 3’ =10.4 Hz, H-2’), 4.93-5.02 (m, 1H, H-3’), 4.89 (dd, 1H, J1, 2 =8.0 Hz, J2, 3 =9.2 Hz, H-2), 4.44-4.49 (m, 3H, H-1, H-1’, H-6b), 4.05-4.15 (m, 3H, H-6’b, H-6’a, H-6a), 3.83-3.88 (m, 2H, H-5’, OCH2a), 3.79 (t, 1H, J =9.6 Hz, H-4), 3.56-3.61 (m, 1H, H-5), 3.52 (s, 9H, Si-O-CH3), 3.44-3.50 (m, 1H, OCH2b), 1.96-2.12 (several s, 21H, OAc), 1.58-1.70 (m, 4H, CH2CH2CH2Si, OCH2CH2), 1.20-1.25 (m, 2H, CH2CH2Si), 0.5-0.6 (m, 2H, Si-CH2)
IR(KRS5);ν 2940 (C-H), 1750 (Ac,C=O), 1370 (C-CO), 1225 (CH3COO), 1055 (Si-O)
実施例6
アセチル保護発光体含有ゾルゲル微粒子(NPs(Ru)-LacOAc)の調製
50 mlスクリュー管にシクロヘキサンを6 ml、Triton X-100を1.77 ml、1-ヘキサノールを1.8 ml加えて均一になるまで攪拌させた。次いで、あらかじめ調製した20 mMのRubpy水溶液を0.24 ml加えて、超音波で均一に分散させた。186 mg の化合物3を1.5 mlのエチル アセテートに溶解させ、これを先ほどのスクリュー管のなかにゆっくり滴下させた。滴下後、超音波で均一に分散させた後、20分間室温で激しく攪拌させた。この時の溶液は橙色透明であった。20分後、25% アンモニア溶液を30μl滴下して24時間室温で攪拌し続けた。反応終了後溶液は少し懸濁した橙色溶液であった。反応終了後にアセトンを11.61 ml(反応溶液の容量に等しい)滴下し、30分攪拌させた。この溶液を遠心分離すると、薄橙色の沈殿と薄橙色の上澄みに分離した。沈殿に再度アセトンを加え、超音波で分散させたあと遠心分離を行い、上澄み液を分取した。これら遠心分離で分離させた上澄み液を減圧留去することでTriton X-100を含む橙色の沈殿物を得た。これにエタノールを加えて超音波をかけながら振り混ぜることにより再沈殿を行い、橙色の懸濁溶液とした。これを遠心分離機により橙色の沈殿と、赤橙色の上澄みとに分離した。この沈殿をエタノールで2回洗浄し、その都度遠心分離を行った。最後に分離した沈殿を自然乾燥することにより、アセチル基で保護されたラクトース担持色素含有のゾルゲル微粒子(NPs(Ru)-LacOAc)10を得た(収量:169 mg、収率:97%)。この微粒子はアセトンやクロロホルム、酢酸エチルなどの有機溶媒に溶解した。
IR(KBr);ν 2940 (C-H), 1750 (Ac,C=O), 1370 (C-CO), 1225 (CH3COO), 1070 (Si-O-Si) (備考:Ruは2%含有)
実施例7
アセチル保護発光体含有ゾルゲル微粒子(NPs(Ru)-LacOAc)の脱保護
50 mlスクリュー管に実施例6で得た化合物10を20 mg, 炭酸カリウムを30 mg及びMエタノール 10 mlを加え、室温で一晩攪拌した。*)一晩経過後懸濁した薄黄色溶液であった。その後、水を加えて完全に溶解させた。ここに、アンバーライトIR-120Bを加えて中和し、ろ過を行い、減圧留去を行ってMエタノールを取り除いた。その後、凍結乾燥により薄黄色の固体であるNPs(Ru)-LacOH (11)を得た(収量:12 mg 収率:100%)。
IR(KBr);ν 3410 (OH), 2925 (C-H), 1635, 1070 (Si-O-Si)
*)K. Loos et. al., Macromol. Chem. Phys., 202, 3210 (2001)(シロキサンに付けた糖鎖の脱保護に関する非特許論文)
参考例2
Pentenyl O-(2,3,4,6-tetra-O-naphthoyl-β-D-galactopyranosyl)-(1→4)-2,3,6- tri-O- naphthoyl -α-D-glucopyranoside(13)の合成
50 ml二口ナスフラスコ中で、0.18 gの化合物12をピリジン 4 mlに溶解させた。そこに、あらかじめ2-ナフトイルクロライド 1.17 gをピリジン 3 mlに溶解させたものをゆっくり滴下し、室温で一晩攪拌した。反応終了後氷水の上にあけて、酢酸エチルで抽出を行い、一規定塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。これを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=98:2)で精製を行うことにより、目的物13を得た(収量:1.21 g 収率:99 %)。
Rf=0.68, (v/v) Tol:EtOAc=4:1
IR(KBr);ν 3060 (Ar), 2940 (C-H), 1730 (Ac,C=O), 1280 (C-CO), 1225, 1190, 1130, 1090 (CH3COO), 775, 760
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ:7.12-8.71 (m, 49H, Ar), 6.06 (t, 1H, J=9.4 Hz , H-3), 5.99 (dd, 1H, J1',2' =8.0 Hz, J2',3' =10.2 Hz, H-2'), 5.85 (d, 1H, J=3.2 Hz, H-4'), 5.66 (dd, 1H, J1,2=8.0 Hz, J2,3 =9.6 Hz, H-2), 5.51-5.62 (m, 2H, H-3', CH=CH2), 5.16 (d, 1H, J=8 Hz, H-1'), 4.81 (d, 1H, J=8 Hz, H-1), 4.72-4,76 (m,4H, H-6'a, H-6a, CH=CH2), 4.50 (t, 1H, J=9.2 Hz , H-4), 3.99-4.03 (m, 2H, H-5', H-5), 3.82-3.95 (m, 3H, H-6'b, H-6b, O-CH2-a), 3.44-3.50 (m, 1H, O-CH2-b), 1.89-1.95 (m, 2H, CH2CH=CH2), 1.52-1.63 (m, 2H, CH2CH2CH=CH2)
実施例8
Trimethoxysilylpentenyl O-(2,3,4,6-tetra-O-naphthoyl-β-D-galactopyranosyl)-(1→4)-2,3,6- tri-O- naphthoyl -α-D-glucopyranoside(15)の合成
50 mlの二口ナスフラスコに同圧滴下ロート50 ml、蛇管冷却器を備えた系中をアルゴン置換した。これに、参考例2で得た化合物13を0.335 g (0.45 mmol)入れ、dry-THF 3 mlとSpeire触媒を加え、0℃で攪拌した。ここに、トリクロロシラン 0.091 g (1.35 mmol)のDry-THF溶液1 mlを0℃下でゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で一晩攪拌した。反応終了後、常圧留去により過剰のトリクロロシラン及びdry-THFを取り除き、Trichlorosilylpentenyl O-(2,3,4,6-Tetra-O -naphthoyl-β-D-galactopyranosyl)-(1→4)- 2,3,6-tri-O -naphthoyl-α-D-glucopyranoside(14)を得た。これに、新たにdry-THF 4 mlを加え、0℃で攪拌した。ここに、0.12 ml (1.49 mmol)のdry-ピリジンと0.09 ml (2.25 mmol)のdry-Mエタノールを混合したものをゆっくり加え、室温にあげて30分攪拌した。このとき、溶液は白濁している状態であった。この後、常圧留去でdry-THFを除き、残渣にエチル アセテートを加えてセライトろ過することにより塩を取り除き、さらに濃縮することで、目的物である化合物15得た(収量:0.371 g 収率:100 %)。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ:7.12-8.71 (m, 49H, Ar), 6.06 (t, 1H, J=9.4 Hz , H-3), 5.99 (dd, 1H, J1',2' =8.0 Hz, J2',3' =10.2 Hz, H-2'), 5.85 (d, 1H, J=3.2 Hz, H-4'), 5.66 (dd, 1H, J1,2=8.0 Hz, J2,3 =9.6 Hz, H-2), 5.51-5.62 (m, 1H, H-3'), 5.16 (d, 1H, J=8 Hz, H-1'), 4.81 (d, 1H, J=8 Hz, H-1), 4.72-4,76 (m,2H, H-6'a, H-6a), 4.50 (t, 1H, J=9.2 Hz , H-4), 3.99-4.03 (m, 2H, H-5', H-5), 3.82-3.95 (m, 3H, H-6'b, H-6b, O-CH2-a), 3.44-3.50 (m, 1H, O-CH2-b), 3.35 (s, 9H, Si-OCH3 ), 1.52-1.66 (m, 4H, CH2CH2CH2Si, O-CH2CH2), 1.20-1.25 (m, 2H, CH2CH2Si), 0.25-0.40 (m, 2H, CH2-Si)
実施例9
ナフトイル保護発光体含有ゾルゲル微粒子(NPs(Ru)-LacOCONp)の調製
50 mlスクリュー管にシクロヘキサンを6 ml、Triton X-100を1.77 ml、1-ヘキサノールを1.8 ml加えて均一になるまで攪拌させた。次いで、あらかじめ調製した20 mMのRubpy水溶液を0.24 ml加えて、超音波で均一に分散させた。実施例8で得た371 mg の化合物15を1.5 mlのエチル アセテートに溶解させ、これを先ほどのスクリュー管のなかにゆっくり滴下させた。滴下後、超音波で均一に分散させた後、20分間室温で激しく攪拌させた。この時の溶液は橙色透明であった。20分後、25% アンモニア溶液を30μl滴下して24時間室温で攪拌し続けた。反応終了後溶液は少し懸濁した橙色溶液であった。反応終了後にアセトンを11.61 ml(反応溶液の容量に等しい)滴下し、30分攪拌させた。この溶液を遠心分離すると、薄橙色の沈殿と薄橙色の上澄みに分離した。沈殿に再度アセトンを加え、超音波で分散させたあと遠心分離を行い、上澄み液を分取した。これら遠心分離で分離させた上澄み液を減圧留去することでTriton X-100を含む橙色の沈殿物を得た。これにエタノールを加えて超音波をかけながら振り混ぜることにより再沈殿を行い、橙色の懸濁溶液とした。これを遠心分離機により橙色の沈殿と、赤橙色の上澄みとに分離した。この沈殿をエタノールで2回洗浄し、その都度遠心分離を行った。最後に分離した沈殿を自然乾燥することにより、ナフトイル基で保護されたラクトース修飾色素含有のゾルゲル微粒子NPs-LacOCONp (16)を得た(収量:193 mg 収率:54 %(備考:Ruは2%含有))。この微粒子はアセトンやクロロホルム、酢酸エチルなどの有機溶媒に溶解した。
IR(KBr);ν 3060 (Ar), 2940 (C-H), 1730 (Ac,C=O), 1280 (C-CO), 1225, 1190, 1130, 1090 (Si-O-Si), 775, 760
実施例10
ナフトイル保護ゾルゲル微粒子(NPs-LacOCONp)の調製
50 mlスクリュー管にシクロヘキサンを6 ml、Triton X-100を1.77 ml、1-ヘキサノールを1.8 ml加えて均一になるまで攪拌させた。次いで、水を0.24 ml加えて超音波で均一に拡散させた。実施例8で得た371 mg の化合物15を1.5 mlのエチル アセテートに溶解させ、これを先ほどのスクリュー管のなかにゆっくり滴下させた。滴下後、超音波で均一に分散させた後、20分間室温で激しく攪拌させた。この時の溶液は白色懸濁溶液であった。20分後、25% アンモニア溶液を30μl滴下して24時間室温で攪拌し続けた。反応終了後溶液は少し懸濁した無色溶液であった。反応終了後にアセトンを11.61 ml(反応溶液の容量に等しい)滴下し、30分攪拌させた。この溶液を遠心分離すると、薄灰色の沈殿と無色の上澄みに分離した。沈殿に再度アセトンを加え、超音波で分散させたあと遠心分離を行い、上澄み液を分取した。これら遠心分離で分離させた上澄み液を減圧留去することでTriton X-100を含む灰色の沈殿物を得た。これにエタノールを加えて超音波をかけながら振り混ぜることにより再沈殿を行い、灰色の懸濁溶液とした。これを遠心分離機により灰色の沈殿と、無色の上澄みとに分離した。この沈殿をエタノールで2回洗浄し、その都度遠心分離を行った。最後に分離した沈殿を自然乾燥することにより、ナフトイル基で保護されたラクトース修飾ゾルゲル微粒子NPs-LacOCONp (17)を得た(収量:194 mg 収率:54 %)。この微粒子はアセトンやクロロホルム、酢酸エチルなどの有機溶媒に溶解した。
IR(KBr);ν 3060 (Ar), 2940 (C-H), 1730 (Ac,C=O), 1280 (C-CO), 1225, 1190, 1130, 1090 (Si-O-Si), 775, 760
実施例11
ラクトース誘導体を用いたルテニウム錯体およびマグネタイト含有ゾルゲル微粒子の一段階合成 ( 19 )
スクリュー管 ( 50 ml ) に化合物3 ( 0.319 mg, 0.39 mmol ) 、トルエン 3 mlを加え、超音波により均一に溶液中に分散させた。次にTriton X-100 1.77 ml、1-ヘキサノール 1.8 ml、シクロヘキサン 6 mlを順に加えて室温で激しく攪拌した。その後あらかじめ調製した20 mMのRubpy溶液 0.24 mlにマグネタイト 23 mgを加え、超音波により懸濁させたものを用意し、サンプル管に加え20分間室温で激しく攪拌させた。20分後、25% アンモニア水溶液を60μl滴下して24時間室温で激しく攪拌し続けた。反応終了後、11.7 mlのアセトンを加え、遠心分離 ( 4000 rpm, 10 min ) することにより沈殿物が得られる。上澄み液を取り除き、沈殿物の方にエタノールを加え超音波をかけることにより再び懸濁溶液とした。これを遠心分離 ( 4000 rpm, 10 min )することで再度沈殿物を得た。このエタノールによる洗浄を2回繰り返し、上澄み液の色が橙色から透明になることを確認した。その後、沈殿物を乾燥し、磁石で引き付けられるものだけを分け取ることによって、目的物19を得た( 75.0 mg, 23 % )。化合物19の蛍光顕微鏡による観察結果を図2に示す。
IR(KBr);ν 2939, 1751 (Ac,C=O), 1371, 1225, 1069 cm-1 (Si-O)
参考例3
TEOSを用いルテニウム錯体含有微粒子の作製
ナス型フラスコ ( 50 ml ) にエタノール20 ml、25% アンモニア水溶液 1.4 ml、6.3 mM Rubpy水溶液 1.6 mlを入れ、超音波を用いて均一にした後、TEOS 1.0 ml ( 4.48 mmol ) を加え1時間攪拌した。反応終了後、生成した沈殿物を遠心分離 ( 4000 rpm, 10 min ) によって分け取り、エタノールで十分洗浄した後、減圧乾燥 ( 減圧 50 ℃ ) することによってルテニウム錯体含有ゾルゲル微粒子30 ( 257 mg, 93 % ) を得た。
ゾルゲル微粒子30の蛍光顕微鏡による観察結果を図3に示し、ゾルゲル微粒子30の走査型電子顕微鏡による観察結果を図4に示す。
実施例12
微粒子にアセチル化したラクトースの導入
(参考例3で作製した微粒子について赤外吸収スペクトルを用いて糖鎖の導入量を評価した)
ナス型フラスコ ( 100ml ) にトルエン 60 ml、化合物3 ( 35 mg, 0.043 mmol ) 、 化合物30 60 mgおよび25% アンモニア水溶液 1.0 ml を加え、超音波を用いて均一にした後、16時間攪拌した。反応終了後、沈殿物を遠心分離 ( 4000 rpm, 10 min ) によって分け取り、酢酸エチルで十分洗浄した後、減圧乾燥 ( 減圧 50 ℃ ) することによって31 ( 75 mg, 93 % ) を得た。化合物31の蛍光顕微鏡による観察結果を図5に示し、化合物31の走査型電子顕微鏡による観察結果を図6に示す。
IRスペクトルを用いて、C=O伸縮振動のピーク ( 1750 cm-1 付近 )と、Si-O-Si ( 1100 cm-1 )の2つのピークの吸光度の比から微粒子表面上に修飾された糖鎖の導入量の定量を試みた。
以下にその定量の手順について示す。
(1)微粒子3 0 10 mgとラクトース完全アセチル体 5 mgをそれぞれ別に量り取り、乳鉢を用いて均一に混ぜた後にIRスペクトルを測定した。
(2)C=O伸縮振動とSi-O-Siのピークの吸光度を読み取り、C=O伸縮振動の吸光度をSi-O-Siの吸光度で割ることによって吸光度比を求めた。
(3)同様に、微粒子30 10 mgとラクトース完全アセチル体 10 mgを混ぜ合わせたものについても吸光度比を求めた。
(4)(2)と(3)で求めた吸光度比を縦軸、量った糖鎖の量を横軸としてグラフにプロットし、図7を得た。図7 に微粒子表面に修飾された糖鎖の導入量の検量線を示す。
(5)実際に測定するサンプル31のIRスペクトルを測定し、これまでと同様に吸光度比を求めた。続いて図7で求めた近似曲線の式 ( y ) に吸光度比を代入することにより、微粒子表面上に修飾された糖鎖の導入量 ( x ) を求めることができる。
実施例13
ナス型フラスコ ( 30 ml ) に化合物31 20 mg、メタノール3.0 ml、25% アンモニア水溶液3.0 ml を加え、3時間攪拌した。反応終了後、遠心分離 ( 4000 rpm, 10 min ) によって沈殿物を分け取り、減圧乾燥 ( 減圧 50 ℃ ) することによって化合物32( 16.7 mg, 93 % ) を得た。
図8に化合物32の蛍光顕微鏡による観察結果を示す。図9に化合物32の走査型電子顕微鏡による観察結果を示す。
参考例4
TEOSを用いてフェライトを含有した微粒子の合成
ナス型フラスコ ( 50 ml ) にエタノール 20 ml、25% アンモニア水溶液 0.6 mlを入れる。この溶液とは別に0.83 mM Rubpy水溶液 2.4 mlにFe3O4 40 mgを加え、超音波を用いて均一にした溶液を調製し、これを先のナス型フラスコに加える。TEOS 1.0 ml (4.48 mmol ) を加え1時間攪拌した。反応終了後、生成した沈殿物を遠心分離 ( 4000 rpm, 10 min ) によって分け取り、エタノールで十分洗浄した後、減圧乾燥 ( 減圧 50 ℃ ) することによってルテニウム錯体およびマグネタイト含有ゾルゲル微粒子40を得た( 294 mg, 95 % )。
実施例14
ナス型フラスコ ( 100ml ) にトルエン 60 ml、化合物3( 35 mg, 0.04 mmol )、化合物 40 55 mg および25% アンモニア水溶液0.1 mlを加え、超音波を用いて均一にした後、13時間攪拌した。反応終了後、沈殿物を遠心分離 ( 4000 rpm, 10 min ) によって分け取り、酢酸エチルで十分洗浄した後、50℃で減圧乾燥することによって化合物41 を得た( 63 mg, 72 % )。
IR(KBr);ν 1751 (Ac,C=O), 1375, 1097 cm-1 (Si-O)
実施例15
ナス型フラスコ ( 50 ml ) に化合物41 30 mg、メタノール10.0 ml、25% アンモニア水溶液10.0 ml を加え、3時間攪拌した。反応終了後、遠心分離 ( 4000 rpm, 10 min ) によって沈殿物を分け取り、50℃で減圧乾燥することによって42 ( 25 mg, 86 % ) を得た。
IR(KBr);ν 1099 (Si-O), 3400, 1653 cm-1 (H-O-H)
参考例5
TEOSのみを用いて微粒子を作製し、アセチル基保護したラクトースで表面を修飾した。
ナス型フラスコ ( 50 ml ) にエタノール20 ml、25% アンモニア水溶液 1.4 ml、蒸留水 1.6 mlを入れ、超音波を用いて均一にした後、TEOS 1.0 ml ( 4.48 mmol ) を加え1時間攪拌した。反応終了後、生成した沈殿物を遠心分離 ( 4000 rpm, 10 min ) によって分け取り、エタノールで十分洗浄した後、減圧乾燥 ( 減圧 50 ℃ ) することによってゾルゲル微粒子50 ( 246 mg, 91 % ) を得た。
実施例16
ナス型フラスコ ( 100ml ) にトルエン 60 ml、化合物3 ( 6.5 mg, 0.008 mmol )、化合物50 100 mgおよび25% アンモニア水溶液 1.0 ml を加え、超音波を用いて均一にした後、16時間攪拌した。反応終了後、沈殿物を遠心分離 ( 4000 rpm, 10 min ) によって分け取り、酢酸エチルで十分洗浄した後、減圧乾燥 ( 減圧 50 ℃ ) することによって51 ( 91 mg, 86 % ) を得た。
実施例17
ナス型フラスコ ( 30 ml ) に化合物51 20 mg、メタノール3.0 ml、25% アンモニア水溶液3.0 ml を加え、3時間攪拌した。反応終了後、遠心分離 ( 4000 rpm, 10 min ) によって沈殿物を分け取り、減圧乾燥 ( 減圧 50 ℃ ) することによって52 ( 18.2 mg, 93 % ) を得た。
実施例18
参考例3で得た微粒子に別のアセチル化した3糖を導入し脱アセチル化した。アセチル化したラクトースについても脱アセチル化した
アルゴン雰囲気下、二口ナス型フラスコ ( 50 ml )中に、化合物20 ( 0.040 g, 0.04 mmol ) 、dry THF 2 mlおよびspeire触媒を加え、0 ℃で攪拌した。ここに、トリクロロシラン 0.02 g ( 0.15 mmol )のdry THF溶液2 mlを0 ℃でゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で一晩攪拌した。反応終了後、常圧留去により過剰のトリクロロシラン及びdry THFを取り除き、化合物21を得た。これに、新たにdry THF 2 mlを加え、0℃で攪拌した。ここに、dry トリエチルアミン ( 0.02 ml, 0.15 mmol )とdry メタノール( 0.01 ml, 0.25 mmol )の混合溶液をゆっくり加え、室温にもどし1時間攪拌した。この後、常圧留去でdry THFを除き、残渣に酢酸エチルを加えてセライトろ過することにより塩を取り除き、さらに濃縮することで、目的物である化合物22を得た( 0.045 g, 100 % )。尚、化合物22(ラクトトエイアオース)の原料は、例えば、Yamada et al., Bioorganical & Medicinal Chemistry, 15, 1606 (2007)に記載の方法に従って合成できる。
1H-NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 5.45-5.50 (m, 2H, H-3'', NH), 5.33 (d, 1H, H-4'), 5.16 (t, 1H, J = 9.4Hz, H-3), 4.98-5.06 (m, 3H, H-4'', H-1'', H-2'), 4.86 (dd, 1H, J1,2 = 8.04, J2,3 = 9.52, H-2), 4.42-4.46 (m, 2H, H-6b, H-1), 4.24-4.39 (m, 2H, H-6'b, H-1'), 4.04-4.12 (m, 4H, H-6a, H-6'a, H-6''ab), 3.68-3.81 (m, 5H, H-3', H-4, H-5', H-5'', OCHa), 3.56-3.61 (m, 10H, H-5, Si-OCH3), 3.42-3.49 (m, 1H, OCHb), 3.28-3.31 (m, 1H, H-2''), 2.08-2.19 (several s, 27H, OAc), 2.01-2.04 (m, 3H, NAc), 1.54-1.72 (m, 4H, CH2CH2CH2Si, OCH2CH2), 1.22-1.25 (m, 2H, CH2CH2Si), 0.58-0.68 (m, 2H, Si-CH2)
実施例19
ナス型フラスコ ( 100ml ) にトルエン 40 ml、化合物22 ( 10 mg, 0.009 mmol )、化合物50 50 mgおよび25% アンモニア水溶液 0.1 ml を加え、超音波を用いて均一にした後、16時間攪拌した。反応終了後、沈殿物を遠心分離 ( 4000 rpm, 10 min ) によって分け取り、酢酸エチルで十分洗浄した後、減圧乾燥 (減圧50℃) することによって54 ( 56 mg, 93 % ) を得た。
実施例20
ナス型フラスコ ( 50 ml ) に化合物54 30 mg、メタノール10 ml、25% アンモニア水溶液10 ml を加え、3時間攪拌した。反応終了後、遠心分離 ( 4000 rpm, 10 min ) によって沈殿物を分け取り、減圧乾燥 ( 減圧 50 ℃ ) することによって化合物55 ( 24 mg, 87 % ) を得た。
参考例6
20 mlスクリュー管に60(金コロイド(市販品))を5 ml入れ、次いで、あらかじめ調製した40 mMのMPS/メタノール溶液を0.1 ml加えて室温で一時間攪拌した。その後、75℃で二時間加熱攪拌した。遠心分離により、上澄みの余剰ポリマーを除去し、メタノールを加えて洗浄し、そのつど遠心分離を行う操作を三回行った。得られた沈殿61にメタノールを加えて分散させたものを20 mlスクリュー管のなかに入れて、25% アンモニア溶液 を5μl滴下し、室温で一晩攪拌した。反応終了後、遠心分離により薄紫色の沈殿を得た。これをメタノールの洗浄と遠心分離による分離で精製を行い、目的物62を得た(収量:8 mg)。
IR(KBr);ν 3445 (O-H), 2930 (C-H), 1125, 1030 (Si-O-Si)
参考文献:高分子論文集、Vol. 62, No. 2, p81 (2005)
実施例21
50 mlスクリュー管に62を8 mgいれ、トルエン 10 mlを加えて溶液中に分散させた。50 mgの化合物3をトルエン 5 mlに溶かしたものを用意し、これを先ほどのスクリュー管の中に滴下した。次に25% アンモニア溶液を5μl滴下して一晩室温で攪拌し続けた。反応終了後溶液は少し懸濁した薄紫色溶液であった。この溶液を遠心分離して、紫がかった白色の沈殿と余剰のポリマーを含む懸濁した上澄み溶液に分離した。上澄み液を取り除いた後、沈殿にメタノールを加えて洗浄し、再び遠心分離により得た沈殿を自然乾燥することにより、アセチル基で保護されたラクトース修飾シリカ包摂金コロイド粒子63を得た(収量:11 mg 収率: 6 %)。
IR(KBr);ν 3400 (O-H), 2940 (C-H), 1750 (C=O), 1370 (C-CO), 1220 (CH3CO), 1080 (Si-O-Si)
実施例22
脱アセチル化した微粒子に対して、水中で蛍光標識されたタンパクを作用させ微粒子にタンパクが接着することを蛍光顕微鏡により観察した。糖鎖を修飾していない微粒子のみではこの現象が起こらないことも、併せて確認した。
レクチンと微粒子の接着
FITC-PNAと表面にラクトースを修飾した微粒子52との相互作用を:蛍光顕微鏡を用いて発光を観察することにより、ラクトースとPNAとの接着を確認した。
ナス型フラスコ ( 10 ml ) に化合物52 4 mgおよび緩衝液で0.27 μMに調製したFITC-PNA溶液 3 mlを加え、20分間撹拌する。遠心分離 ( 150 rpm, 15 min ) により微粒子を分け取り、緩衝液で十分に洗浄した。乾燥後、蛍光顕微鏡を用いて観察することにより、図10を確認することができた。図10に蛍光顕微鏡による観察結果を示す。化合物50とレクチン溶液においても同様の実験操作を行ったが、この場合は蛍光標識剤からの発光を確認することはできなかった。
緩衝液の調製
5 mM HEPES, 1 mM CaCl2, 2.7 mM KCl, 146 mM NaCl, pH 7.4となるように溶液を調製する。
本発明は、各種ウイルスあるいは毒素の阻害剤、早期検出・診断、また、それら各種ウイルスあるいは毒素などタンパクの分離・精製などの分野に有用である。
参考例1で得られたナノガラス微粒子(発光部分)のイメージ。 化合物19の蛍光顕微鏡による観察結果を示す。 ゾルゲル微粒子30の蛍光顕微鏡による観察結果を示す。 ゾルゲル微粒子30の走査型電子顕微鏡による観察結果を示す。 化合物31の蛍光顕微鏡による観察結果を示す。 化合物31の走査型電子顕微鏡による観察結果を示す。 微粒子30表面に修飾された糖鎖の導入量の検量線を示す。 化合物32の蛍光顕微鏡による観察結果を示す。 化合物32の走査型電子顕微鏡による観察結果を示す。 実施例22における蛍光顕微鏡による観察結果を示す。

Claims (14)

  1. 下記一般式(1-1)〜(1-7)のいずれか1つの式で示されるクロルシラン化糖化合物。
    (式中、Aはアセチル基またはNpOC(Npはナフトイル基)基であり、Xは-(CR1H)n1-、-[(CH2)n2-O-(CH2)n3]m1-、-[(CH2)n2-S-(CH2)n3] m2 -、または-(CH2)n4-NR-(CH2)n5-であり、n1〜n5は独立に、0〜9の整数であり、m1およびm2は独立に0〜9の整数であり、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、R1は水素、炭素数1〜6のアルキル基、またはアリール基である。)
  2. 下記一般式(2-1)〜(2-7)のいずれか1つの式で示されるアルコキシシラン化糖化合物の少なくとも1種と発光性物質および/または粒子状物質とを含む複合体
    (式中、Aはアセチル基またはNpOC(Npはナフトイル基)基であり、Xは-(CR1H)n1-、-[(CH2)n2-O-(CH2)n3]m1-、-[(CH2)n2-S-(CH2)n3]m2-、または-(CH2)n4-NR-(CH2)n5-であり、n1〜n5は独立に、0〜9の整数であり、m1およびm2は独立に0〜9の整数であり、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、R1は水素、炭素数1〜6のアルキル基、またはアリール基である。)
  3. 下記(3-1)〜(3-7)のいずれか1つの式で示されるアルコキシシラン化糖化合物の少なくとも1種と発光性物質および/または粒子状物質とを含む複合体。
    (式中、Xは-(CR1H)n1-、-[(CH2)n2-O-(CH2)n3]m1-、-[(CH2)n2-S-(CH2)n3]m2-、または-(CH2)n4-NR-(CH2)n5-であり、n1〜n5は独立に、0〜9の整数であり、m1およびm2は独立に0〜9の整数であり、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、R1は水素、炭素数1〜6のアルキル基、またはアリール基である。)
  4. 発光性物質が金属錯体または有機色素である請求項またはに記載の複合体。
  5. 金属錯体の中心金属がRu(ルテニウム)、Eu(ユーロピウム)、Tb(テルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、またはCd/Se(カドミウム/セレン)である請求項に記載の複合体。
  6. 有機色素がブロモピロガロールレッドまたはピロカテコールバイオレットである請求項に記載の複合体。
  7. 粒子状物質が、磁性物質、金属、およびゾルゲル物質から成る群から選ばれる少なくとも1種の物質である請求項2〜6のいずれか1項に記載の複合体。
  8. 粒子状物質が、ゾルゲル物質で表面被覆された発光性物質、磁性物質および/または金属である請求項2〜6のいずれか1項に記載の複合体。
  9. ゾルゲル物質がテトラアルコキシシランおよび/またはトリアルコキシシランの加水分解物である請求項7または8に記載の複合体。
  10. アルコキシラン化糖化合物と発光性物質および/または粒子状物質との質量比が99.99〜95:0.01〜5の範囲である請求項2〜9のいずれか1項に記載の複合体。
  11. 複合体の平均粒子径は50nm〜500μmの範囲である請求項2〜10のいずれか1項に記載の複合体。
  12. 請求項2に記載された一般式(2-1)〜(2-7) のいずれか1つの式で示されるアルコキシラン化糖化合物の少なくとも1種と発光性物質および/または粒子状物質とを疎水性溶媒中で反応させることで、一般式(2-1)〜(2-7) のいずれか1つの式で示されるアルコキシラン化糖化合物の少なくとも1種と発光性物質および/または粒子状物質とを含む複合体を得る、請求項に記載の複合体の製造方法。
  13. テトラアルコキシシランおよび/またはトリアルコキシシランを、前記アルコキシラン化糖化合物と同時に、または前後して、発光性物質および/または粒子状物質と反応させる請求項12に記載の複合体の製造方法。
  14. 請求項12または13の製造方法で得られた複合体から、糖の保護基であるアセチル基またはNpOC(Npはナフトイル基)基を脱離させることを含む、請求項に記載の複合体の製造方法。
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