JP5205604B2 - 眼内レンズの高次収差の矯正 - Google Patents

眼内レンズの高次収差の矯正 Download PDF

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Description

本発明は、一般的に言って眼用レンズを設計するための方法に関するものであり、より特定して言うと、ある個体数を備える個体群(以後母集団という)内における眼球のバイオメトリックパラメータ(以後の説明において眼球パラメータと記されている用語は、眼球のバイオメトリックパラメータを示すものとする)の変動を考慮に入れたこの種の方法に関するものである。
眼内レンズ(IOL)は、本来の水晶体に取って代わるために白内障手術中患者の眼に日常的に埋め込まれている。この種のレンズは、一般に、人間の眼の解剖学的構造を必ずしも正確に表さない単純化された眼球模型を採用することによって設計される。場合によって、平均的な人間の眼を表す比較的正確な眼球模型が設計プロセスのために作られる。しかし、この種の平均的な眼球模型を利用するだけでは、様々な眼の生体測定値である眼球パラメータを示す眼を持つ患者の、母集団全体におけるレンズの性能の変動を検討することはできない。
従って、眼用レンズ、特にIOLを設計するためにより良い方法が必要とされる。
本発明は、一般的に言って、眼内レンズ(IOL)の対象となる患者の眼の母集団内における眼球軸長さ、または角膜非球性など、1つまたはそれ以上の眼球パラメータの変動を考慮に入れたIOLを設計するための方法に関するものである。例えば、この種の方法は、少なくとも1つの眼球パラメータを変動させることができる眼球模型において、複数のIOL設計によって得られる(例えば、レンズの光学特性に影響を与える物理的な特性であるレンズ設計パラメータを変動させることによって得られる)視覚性能(例えば、視力及び(または)コントラスト感度)を考慮することによって最終的なIOL設計に至ることができる。場合によっては、母集団によって示される眼球パラメータの範囲の少なくとも一部において、最良適合の視覚性能をもたらすIOL設計が選択される。例えば、眼球パラメータ範囲全体において各IOL設計の加重視覚性能の平均を評価することによって、最良適合の視覚性能を決定することができる。視覚性能の重み付けは、例えば母集団全体の眼球パラメータ値の分布を基とすることができる。
1つの態様において、本発明は患者の眼の母集団における少なくとも1つの眼球パラメータの変動に対処するためにIOLを設計するための方法を提供する。この方法は、母集団によって示される範囲全体で眼球パラメータを変動させることができる少なくとも1つの眼球模型を作るステップを含むことができる。患者母集団における眼の視覚性能を矯正する際に複数のIOL設計を評価するためにこの眼球模型を用いることができる。次に、母集団によって示される範囲の少なくとも一部について最良適合の視覚性能(例えば、視力またはコントラスト感度)をもたらすIOL設計を選択することができる。例えば、このように、各個別の設計が患者の眼の母集団の一部にとって最良の視覚性能をもたらすように一連のIOL設計を選択することができる。
関連態様において、この方法は、IOL設計によって示される視覚性能に重み関数を応用することを必要とする。重み関数は、例えば、母集団内における眼球パラメータ値の分布を基とすることができる。例えば、眼球パラメータのより確率の高い値の眼球模型によって示される視覚性能に、より確率の低い値のモデルより大きい重みを与えることができる。IOL設計の中から、加重視力の最適値として最良適合の視覚性能を決定することができる。
関連態様において、少なくとも1つのレンズ設計パラメータを変動させることによってIOL設計を生み出すことができる。例えば、レンズ設計パラメータは、レンズの非球面の円錐定数、レンズの円環表面に関連付けられる2つの円錐定数、レンズ表面に配置される回折パターンのゾーン境界におけるステップ高さに関連付けられるアポディゼーション関数(apodization function)、またはその他のレンズパラメータである。
関連態様において、眼球模型の網膜における変調伝達関数を決定することによって、IOL設計を組み込む眼球模型に関連付けられる視覚性能を得ることができる。例えば、理論的には光線追跡法を用いることによって変調伝達関数を計算することができる。
別の態様において、眼球パラメータには、例えば、眼球軸長さ、角膜非球性(例えば、角膜非球性を特徴付ける円錐定数)、角膜半径及び(または)前眼房長さが含まれる。
別の態様において、少なくとも1つの生体測定値である眼のバイオメトリックパラメータを変動させることができる人の眼球模型を作るステップを含むIOLを設計するための方法が開示される。この方法は、さらに眼球模型に複数のIOL設計を組み込み、かつ患者母集団の眼によって示される範囲の少なくとも一部において、眼球パラメータを変動させることによって複数のIOL設計の光学的性能を評価することを要求する。その後IOL設計の中から最適性能をもたらす少なくとも1つを選択することができる。
眼球パラメータは、例えば、角膜半径、角膜球性、前眼房深さまたは眼球軸長さのいずれかを含むことができる。さらに、少なくとも1つのレンズ設計パラメータを変動させることによって、例えば、モンテカルロシミュレーションを採用することによってIOL設計を生み出すことができる。このようなレンズ設計パラメータの例としては、非球形レンズ表面の円錐定数、円環体レンズ表面に関連付けられる2つの円錐定数またはレンズ表面に配置される回折パターンのゾーン境界におけるステップ高さに関連付けられるアポディゼーション関数が含まれる。
関連態様において、眼球パラメータ範囲全体においてIOL設計によってもたらされる平均視覚性能(例えば、視力)を決定するために眼球模型を用いることによってIOL設計の光学的性能を評価することができる。例えば、あるIOL設計を組み込む眼球模型の網膜における変調伝達関数を計算することによって、眼球パラメータがある値のとき、このIOL設計によって示される視覚性能を決定することができる。次に対象となる範囲内の眼球パラメータの多様な値について計算された視覚性能値を平均化して、平均視覚性能を得ることができる。場合によっては、IOL設計の光学的性能の評価は、例えば、母集団によって示される範囲全体における眼球パラメータの値の確率分布に従って、この設計について決定される加重平均視力に基づく。その後、最適性能をもたらすものとして最大加重視覚性能を示すIOLを特定することができる。
別の態様において、患者の母集団によって示される範囲全体で少なくとも1つの眼球パラメータを変動させることができる、少なくとも1つの模型眼球を作るステップを含む一群の眼内レンズ(IOL)を設計するための方法が開示される。次に、患者の母集団の眼の視覚性能について複数のIOL設計を評価するために模型眼球を用いることができる。1つの設計が母集団の1つの部分にとって最良適合の視覚性能をもたらし(例えば、視力及び(または)画像コントラストに基づいて)、他の設計が母集団の別の部分にとって最良適合の視覚性能をもたらすように、IOL設計のうち少なくとも2つを選択することができる。例えば、眼球パラメータは、角膜半径、角膜非球性、前眼房深さまたは眼球軸長さである。例として、1つの実施態様において、1つのIOL設計が約−0.1ミクロンの球面収差を示し、他の2つがそれぞれ約-0.2ミクロン及び−0.3ミクロンの球面収差を示すように、各々母集団の1つの部分のために3つのIOL設計を選択することができる。
別の態様において、本発明は、眼用レンズを組み込む模型眼球を作るステップ、及びこの模型眼球の網膜平面における変調伝達関数(MTF)を決定するステップを含む、眼用レンズ、例えば、IOLの視覚性能をモデリングするための方法を提供する。低空間周波数に対応する少なくとも1つのMTF値を用いて、模型眼球のコントラスト感度を評価することができる。低空間周波数は、例えば約60 lp/mm(〜18サイクル/度または20/33レター明瞭度(letter acuity))未満である。例として、低空間周波数は約5から約60 lp/mmまで(〜1.5から18サイクル/度まで)の範囲である。さらに、高空間周波数に対応する少なくとも1つのMTF値を用いて模型眼球の視力を評価することができる。高空間周波数は、例えば、約60 lp/mm(〜18サイクル/度)を超える空間周波数である。例えば、高空間周波数は約60 lp/mmから約100 lp/mmまで(〜18から30サイクル/度まで)の範囲である。
別の態様において、本発明は、眼用レンズを組み込む模型眼球を作るステップ、及びこの模型眼球の網膜平面における変調伝達関数(MTF)を決定するステップを含む、眼用レンズ、例えば、IOLの視覚性能をモデリングするための方法が開示される。高空間周波数に対応する少なくとも1つのMTF値を用いて模型眼球の視力を評価することができる。高空間周波数は、例えば、約60 lp/mm(〜18サイクル/度)を超える空間周波数である。例えば、高空間周波数は約60 lp/mmから約100 lp/mmまで(〜18から30サイクル/度まで)の範囲である。
さらに別の態様において、1つまたはそれ以上のレンズ特性に関連する製造公差の推定値をIOL設計に組み込むことができる。これによって、視覚性能の計算が、製造中生じる可能性のある特定のレンズ特性の変動を考慮に入れることができるようにする。製造公差に起因する統計的変動を生じやすいレンズ特性の例としては、1つまたはそれ以上のレンズ表面に与えられる不規則性、1つまたはそれ以上のレンズ表面の半径、レンズ厚み、または1つまたはそれ以上の表面によって示される非球性度が含まれる。
別の態様において、母集団の患者の眼によって示される範囲内の眼球パラメータで特徴付けられる、患者の眼に埋め込むためのIOLを提供するための方法が開示される。この方法は、少なくとも1つのレンズ設計パラメータが変動する複数のIOLを用意するステップ、及び患者の眼に埋め込むために眼球パラメータ範囲の少なくとも一部について最良適合の視覚性能をもたらすIOLを選択するステップを含む。
関連態様においては、上記の方法において、IOLの選択が、さらに母集団の患者の眼によって示される値の範囲内の複数の眼球パラメータ値について各IOLによって示される視覚性能を決定するステップを含む。その後、母集団における眼球パラメータの確率分布に基づく各IOLの加重平均視覚性能を生み出すことができ、レンズ設計全体における加重平均視覚性能の最大値として最良適合の視覚性能を特定することができる。
IOLを用意するための上記の方法において変動が考慮される眼球パラメータの例としては、角膜半径、角膜非球性、前眼房深さ、眼球軸長さ及び眼の光軸からの視線の偏差が含まれるが、これに限定されない。
添付図面と関連して下の詳細な説明を参照することによって本発明をさらによく理解することができる。
本発明は、一般的に言って、患者の眼の母集団において示される眼球パラメータの変動に基づいて選択された様々な値の眼球パラメータを特徴とする模型眼球において複数のレンズの性能をシミュレートすることによって眼用レンズ(例えば、IOL)を設計するための方法を提供する。以下の実施態様において、本発明の各種態様の顕著な特徴は、眼内レンズに関して説明される。ただし、本発明の教示はコンタクトレンズなど他の眼用レンズにも応用できる。「眼内」と言う用語とその略語であるIOLは、本明細書においては、水晶体に取って代わるため、または水晶体が除去されるか否かに関係なく視力を強化するために、眼の内部に埋め込まれるレンズを指すために交換可能に使用される。角膜内レンズ及び有水晶体眼レンズ(phakic lenses)は、水晶体を除去せずに眼に埋め込むことができるレンズの例である。
図1のフローチャートを参照すると、眼内レンズ(IOL)を設計するための方法の1つの実施態様においては、初期ステップ1において、少なくとも1つの眼球パラメータ(例えば角膜半径または球性)を変動させることができる眼球模型が作られる。多くの実施態様において、眼球模型は眼球パラメータのうち1つまたはそれ以上の変動を容易にする理論モデルであるが、物理的な眼球模型を使用することもできる。次に、対象となる患者母集団における眼の視覚性能を矯正する際、複数のIOL設計を評価するために眼球模型を用いることができる(ステップ2)。IOL設計の評価に基づいて、ステップ3において、前述の患者母集団において示される眼球パラメータの値の範囲の少なくとも一部(範囲全体であることが望ましい)において最良適合の視覚性能をもたらす少なくとも1つの設計を選択することができる。
多くの実施態様において、各IOL設計が組み込まれる眼球模型に関連付けられる変調伝達関数(MTF)を計算することによって、各IOL設計の光学的性能を評価することができる。技術上既知の通り、MTFは、光学システム例えばIOLを含む眼球模型によって示される画像コントラストの定量的測度となる。より特定して言うと、物体に関連付けられるコントラストに対する光学システムによって形成される物体の画像に関連付けられるコントラストの比として画像システムのMTFを定義することができる。
人間の視覚系は、神経サンプリングによって解像可能なほとんどの空間周波数を利用する。従って、多くの実施態様において、人間の眼に埋め込まれるIOL設計の予想される光学的性能の測度を得るために、低(例えば、約20/200視力に対応する10 lp/mm)から高(例えば、20/20視力に対応する100 lp/mm)までの範囲の値が平均化される。
以下で論じられる実施態様例において、最適焦点面を決定し、モンテカルロシミュレーションにおいて特定の仮説的眼球模型の光学的質を査定するためのメリット関数(merit function)として平均MTFが採用される。
様々な患者の中から、各種の眼球パラメータの値に関連付けられるランダムな可変性をシミュレートするように、モンテカルロ分析を構成することができる。例えば、人間の眼は可変的な角膜拡大能、角膜球面収差、前眼房深さ及び眼球軸長さを示す。さらに、自然の水晶体及び(または)埋め込まれたIOLは、例えば眼の光軸に対して相対的に、様々な量の回転、脱中心化及び(または)傾斜を持つことができる。変動はランダムに、また一般に正規に分布する。多くの実施態様において、モンテカルロ分析は、対象となる母集団に属する複数の仮説的な人間の眼を生成するために、これらの変数のうち1つまたはそれ以上(例えば、複数の変数に対応する同時確率分布)に関連付けられる正規確率分布から値を選択する。次に、例えば、平均MTFによって示される各眼球模型の光学的質を計算することができる。一部の実施態様において、この母集団にとって最も適する設計として最良の平均MTFを有する眼球模型を選択することができる。さらに、平均、標準偏差、10パーセンタイル、50パーセンタイル及び90パーセンタイルなどの統計値を得るためにMTF値を集計することができる。
眼球のバイオメトリックパラメータの他に、複数のIOLの光学的性能をシミュレートする際、ミスアラインメント誤差(例えば、脱中心化、傾斜及び(または)回転)及び焦点外れなど他の要因による変動も考慮に入れることができる。
さらに本発明の様々な態様を説明するために、レンズ設計が組み込まれた眼球模型の選択された眼球パラメータを変動させることによって、複数の仮説的及び例示的レンズ設計の各々の光学的性能が評価された。図2を参照すると、各レンズは光軸24の周りに配置される前光学面20及び後光学面22を有するオプティック18を含むと想定される。前光学面は複数の回折ゾーン26aから構成される回折パターン26を含み、回折ゾーンは光軸からの距離が大きくなるに連れて高さが小さくなるステップによって相互に分離される。例えば、ステップの高さは下記の関係式に従って定義される:
ここで、
pは位相高さであり、
λは設計波長であり(例えば、550nm)、
n2はレンズを構成する材料の屈折率であり、
n1はレンズを取り巻く媒体の屈折率であり、
fapodizeはアポディゼーション関数を示す。
多様なアポディゼーション関数を採用できる。例えば、一部の実施態様において、アポディゼーション関数は下記の関数式に従って定義される:
ここで、
riは光軸と表面との交差からの各半径ゾーン境界の距離を示し、
rinはアポディゼーションゾーンの内側境界を示し、
routはアポディゼーションゾーンの外側境界を示し、
expはステップ高さに希望の減少を与えるための指数を表す。ステップ高さのアポディゼーションに関するさらなる詳細は、米国特許第5,699,142号(US−5,699,142)に示されており、これは参照によって本出願に組み込まれる。
さらに、前面のベースプロフィルは選択された度合いの非球性を特徴とする非球面ベースプロフィルを有するのに対して、後面は選択された度合いの円環性を有する。前面が球面である(すなわち、非球性を欠く)仮説的基準設計も検討された。これらの仮説的設計の各種の構造パラメータ(すなわち、前面半径(ASR)、前面非球性(ASC)、1つの子午線における後面半径(BSR1)、もっと急勾配の別の子午線における後面半径(BSR2)、中央厚み(CT)、拡大能及び円環性)が、下の表1において要約されている。
この説明のために、同時統計分布における相互関係を持たない独立の変数として上記のバイオメトリック、ミスアラインメント及び屈折誤差パラメータを検討した。各シミュレーション実行において、一般的母集団における個々の任意の眼をシミュレートする眼球模型を構成するように、これらのパラメータの様々な値がランダムに独立して選択された。MIFを計算することによって上記の仮説的IOL設計の各々を有する眼球模型の光学的性能が評価された。MTFを計算するためにZemax(登録商標)(カリフォルニア州サンディエゴZemax Development Corporation、2003年3月4日版)として市販される光学設計ソフトウェアが使用された。母集団全体について各設計の性能に関する統計値を求めるために、このランダムな選択及び光学モデリングのプロセスが200回反復された。これらのシミュレーションは例示のためにのみ示されているのであり、本発明の範囲を限定するためのものではないと解釈されるべきである。例えば、他の実施態様において、反復の回数は200より多くても良い(または200より少なくても良い)。
例えば、上記のシミュレーションにおいて、角膜半径は標準偏差±0.28mmで約7.72mmの平均値の周りに正規分布すると想定された。さらに、−0.183の平均値及び±0.160の標準偏差を有する正規分布から角膜非球性の値(円錐定数)が選択された。前眼房深さは、標準偏差±0.30mmで平均値4.60mmの周りに分布すると想定された。
例えば、図3Aは、異なる5つの角膜半径(すなわち、7.16mm(−2SD−標準偏差)、7.44(−1SD)、7.72mm(0SD)、8.00(+1SD)及び8.28(+2SD)を特徴とする眼球模型について計算された複数のMTFを示しており、眼球模型には設計#3として特定される上記仮説的IOLが組み込まれた。全ての眼球模型に−0.183の角膜非球性が用いられた。さらに、図3Bは同じ眼球模型によって示されるそれぞれのMTFを示しており、これには、基準として指定される上記仮説的IOLが組み込まれた。6.0mm入射瞳を用いることによって計算が行われた。これらの計算は、非球形前面を有するIOL(設計#3)の性能がこの種の非球形を持たない基準レンズより角膜半径の変動の影響を受けやすいことを示している。
上述の通り、角膜非球性(一般に円錐定数として表示される)は、モンテカルロシミュレーション例において変動されたもう1つのパラメータである。多くの研究は、角膜球性の分布が一般的に釣鐘曲線型であることを示している。角膜の小さい部分は実質的に収差がなく(円錐定数0.5を特徴とする)、小さい部分は球形である(円錐定数0を特徴とする)。ほとんどの前角膜は約0.183の平均値の周りで0.16の標準偏差の範囲内にある角膜球性を示す。言い換えると、一般的母集団内の角膜によって示される平均球面収差は、標準偏差約0.086ミクロンで約0.242ミクロンである。
例えば、図4Aは、異なる5つの角膜非球性(すなわち、−0.503(−2SD)、−0.343(−1SD)、−0.183(0SD)、−0.023(+1SD)及び+0.137(+2SD)を特徴とする眼球模型について計算されたMTFを示しており、眼球模型には設計#3として特定される上記仮説的IOLが組み込まれた。各眼球模型について定数角膜半径7.72mmが選択された。図4Bは、同様に、上記眼球模型について計算されたMTFを示しており、これには、基準として指定される上記の仮説的IOLが組み込まれた。図4A及び4Bに示される計算は6.0mmの入射瞳(IOL平面において5.2mm)について行われた。
角膜非球性の関数としての仮説的非球面及び仮説的球面レンズの性能の上記シミュレーションは、非球面レンズが、収差のない角膜を除いて多様な角膜非球性について球面レンズより適正に機能することを示している。ただし、一般的母集団の眼の小さな割合しか収差のない角膜を示さず(約6%)、この種の眼の場合にも、非球面レンズの性能はかなり良い。
前角膜表面と前レンズ表面との間の距離として定義される前眼房深さは、複数のIOLの性能をシミュレートする際に母集団における変動を考慮に入れることができるもう1つのパラメータである。例えば、図5Aは、前眼房深さの5つの値、すなわち4.0mm(−2SD)、4.3mm(−1SD)、4.6mm(0SD)、4.9mm(+1SD)及び5.2mm(+2SD)を特徴とする眼球模型について計算された複数のMTFを示しており、この眼球模型に、設計#3として特定される上記の仮説的IOLが組み込まれた。前眼房深さの変動の関数として設計#3レンズの性能を基準レンズの性能と比較するために、図5Bに示される通り、基準レンズが組み込まれた上記の眼球模型について同様のMTFが計算された。2組の計算には、6.0mmの瞳が採用された。
これらのシミュレーションは、2つのIOL(非球面及び球面)の光学的性能が角膜非球性、及び(または)半径ほど前眼房深さの変動の影響を受けないことを示している。前眼房深さにおける埋め込まれたIOLのポジションの予定される設計ポジションからの偏差は、理論的には残留球面収差及び乱視誤差に影響を与える可能性があるが、上記の計算は、この種の残留誤差を実際には非常に小さくできることを示している。
レンズの光学的性能に影響を及ぼす可能性のある他のパラメータは、脱中心化、傾斜及び回転などミスアラインメント効果を含む。人間の眼に配置されるレンズは、角膜に対して相対的なこのようなミスアラインメントの影響を受ける可能性がある。例えば、非球面レンズは脱中心化及び傾斜による悪影響を受ける可能性がある。さらに、円環体レンズの性能はレンズ回転の影響を受けやすく、例えばレンズ回転は乱視誤差を生じる可能性がある。例えば、図6は、脱中心化値0.0mm、0.25mm及び0.5mmの関数として眼球模型について計算されたMTFを示しており、眼球模型のうち1つには設計#3として指定される上記の仮説的非球面レンズが組み込まれ、他の眼球模型には上記の仮説的球面基準レンズが組み込まれた。6.0mm入射瞳(IOL平面において5.2mm)について計算が行われた。これらのシミュレーションは、非球面レンズが球面レンズより脱中心化の影響を受けやすいことを示している。ただし、0.5mmの脱中心化の場合でも、非球面レンズは球面レンズより適正に機能する。
さらなる例として、0、2.5、及び5の傾斜角(6.0mmの瞳サイズで)について上記の2つの非球面レンズ及び球面レンズ(すなわち、設計#3及び基準)に関して同様のMTF計算が行われた。図7において示されるこれらの計算は、非球面レンズの性能が球面レンズよりレンズの傾斜の影響を受けやすいことを示している。ただし、非球面レンズは全ての傾斜角について球面レンズの性能を凌ぐ。
眼内のレンズ回転も、例えば残留乱視を導くことによって光学的性能に影響を及ぼす可能性がある。例えば、図8は、上記の仮説的非球面/円環体設計#3レンズ並びに球面/円環体基準レンズを有する模型眼球に関して0°、2.5°及び5°のレンズ回転角(6.0mmの瞳サイズで)について計算された複数のMTFを示している。これらのシミュレーションは、非球面レンズが一般的に言って球面レンズよりよく機能することを示している。特に、非球面レンズによって生成される画像は、空間周波数の広い範囲において、たとえ5°と言うかなり大きなレンズ回転においてもかなり高いコントラストを示す。
焦点外れを生じる可能性のある屈折誤差は、IOLの光学的性能をシミュレートする際に利用することができるもう1つのパラメータを構成する。例えば、現在の手術法の場合、±1/4D程度の球面及び(または)円筒屈折誤差が生じる可能性がある。図9A及び9Bは、それぞれ、球面屈折誤差0D、±1/8D及び±4/1D(瞳サイズは6.0mmと仮定された)について上記の設計#3並びに基準仮説的レンズを有する眼球模型について行われたMTF計算の例を示している。これらの計算は、非球面レンズの性能が球面屈折誤差の影響をより受けやすいことを示している。ただし、変調コントラストの絶対等級を考慮すると、非球面レンズは約1/4Dの焦点外れまでよりよく機能する。
さらなる例として、図10は、円筒屈折誤差0D、±1/8及び±1/4D(6.0mmの瞳サイズで)の関数として上記設計#3レンズ及び仮説的基準レンズを有する模型眼球について計算されたMTFを示している。これらのシミュレーションは、円筒屈折誤差が球面レンズと非球面レンズにおいて同様のMTF低下を生じることを示している。ただし、1/4D円筒誤差があっても、非球面レンズは円筒誤差を持たない球面レンズによって示されるMTFに比べてかなり大きいMTFを示す。上述のレンズ回転によるミスアラインメントは、残留円筒誤差も引き起こす可能性がある。ただし、レンズ回転はより高次の収差も引き起こす可能性がある。
IOLの光学的性能において役割を果たす可能性のあるもう1つのパラメータは眼内におけるIOLの有効位置である。従って、本発明の一部の実施態様において、埋め込まれたIOLの第二主平面の位置の変動が引き起こす可能性のある屈折誤差を考慮に入れるためにこの変動がシミュレートされる。
図11は、上記の仮説的IOL(表1)の各々を持つ、異なる眼球のバイオメトリックパラメータ及び(または)ミスアラインメント及び屈折誤差を特徴とする200個の眼球模型のシミュレーション結果を示している。各シミュレーションのMTFはデータポイントとして示される。平均MTF、10パーセンタイル、50パーセンタイル及び90パーセンタイル、並びに平均からの基準偏差(SD)及び±2SD偏差が下の表2に示されている。
平均MTFは、レンズによって示される非球面矯正が増大するのに伴って当初増大して、水平域に達し、その後低下する。実際には、実質的に完全な球面収差矯正を与える設計オプションが母集団全体にわたって最良の全体的な光学的性能をもたらすわけではない。むしろ、平均MTFは、レンズが部分的に角膜球面収差を矯正するときピークになる。シミュレートされた母集団内の光学的性能の広がりは、レンズ設計によって与えられる球面収差の矯正の量が増大するにつれて増大する。特に、球面収差の矯正の量が増大すると、母集団に占める過剰矯正の割合が増大し、収差角膜を持つより多くの患者の利益となる。とにかく、非球面設計オプション(#1から#5まで)は球形の基準設計よりかなり有利である。
図12は、球面基準レンズを非球面レンズのうちの1つに取り替えた場合これに応じた各シミュレートされた眼球に関連付けられるMTFの変化をグラフで示している。それぞれのMTFの改善を示す眼球模型の数をカウントすることによって非球面設計の恩恵を蒙る眼球模型(シミュレートされる患者)の割合を計算することができる。非球面設計は、一般に眼球模型の大半にとって球面設計に比べて光学的性能の改善を示す。例えば、上記シミュレーションにおいて設計オプション#1−#5から恩恵を受ける眼球模型の割合は、約84%から約90%までの範囲であり、オプション#1から#3までの設計オプションはより顕著な改善をもたらす。
4.5mmの入射瞳用の上記仮説的レンズについて同様のモンテカルロシミュレーションが実施された。以前のシミュレーションと同様、各レンズ設計オプションについて200の眼球模型の検討が行われた。下の表3は、平均MTF、10、50及び90パーセンタイル、並びに平均からの標準偏差(SD)及び±2SD偏差についてのこれらのシミュレーションの結果を列記している。
図13は、上記のレンズオプションが組み込まれた様々なシミュレートされた眼球模型に対応するMTF値の分布を示している。さらに、下の表4は球面基準レンズと比べた各非球面設計のMTF改善及び非球面設計から恩恵を受けるシミュレートされた眼球のパーセンテージの要約を示している。
これらのシミュレーションは、設計#3が、シミュレートされた患者の満足の割合が最高であり(MTFで測定して)、最良の平均光学的性能をもたらすことを示唆している。特に、設計#3に関連付けられる平均MTFは基準レンズに関するMTFに比べて0.17ログユニット大きく、設計#3の場合シミュレートされた眼球模型の約89%までが基準レンズの場合より高い性能を示す。
一部の実施態様において、例えば、シミュレートされた眼球について計算された平均MTF及び(または)基準に比べて改善された性能を示す、シミュレートされた眼球のパーセンテージに基づいて対象となる母集団について、最良適合度を示す1つまたはそれ以上のレンズ設計を選択するために、模型眼球のシミュレーションを利用することができる。例えば、4mm瞳について上記のシミュレーションを利用して、より大きな平均MTF並びに基準レンズに比べて改善された性能を示す、シミュレートされた眼球のより大きなパーセンテージをもたらすものとして設計オプション#2、#3及び#4を選択することができる。6mmの瞳サイズを採用するシミュレーションの場合には、MTFの改善に基づいて設計オプション#3、#4及び#5を選択することができ、改善された性能を示すシミュレートされた眼球のパーセンテージの増大に基づいて、設計オプション#1、#2及び#3を選択することができる。いずれの場合にも、設計オプション#3は、優れた光学的性能及び球形矯正堅牢性をもたらす。
一部の実施態様において、複数のIOL設計の光学的性能の評価に基づいて、選択された各IOL設計が患者の眼の母集団の一部について最良適合の視覚性能(例えば、視力、コントラスト性能またはその組合せ)をもたらすように、一群のIOL設計を選択することができる。例えば、母集団の一部の患者のために約−0.1ミクロンの球面収差を示すIOL設計を選択し、母集団の他の2つの部分のために他の2つのIOL設計、すなわち、約−0.2ミクロンの球面収差を示す1つの設計及び約−0.3ミクロンの球面収差を示す他の設計を選択することができる。
任意の適切な基準(例えば、視力、コントラスト感度またはこの2つの組合せ)に基づいてIOLの視覚性能を評価することができる。一部の実施態様において、IOL設計の光学的性能は、このIOLによって得られるコントラスト感度をモデリングするために低空間周波数のMTF値を使用し、かつこのIOLによって得られる視力をモデリングするために高空間周波数のMTF値を使用することによって、モデリング(評価)される。例えば、約60 lp/mm(〜18サイクル/度)未満(例えば、約5から約60 lp/度まで(〜1.5から18サイクル/度まで)の範囲)の空間周波数を用いて、IOL設計が組み込まれる模型眼球によって示されるコントラスト感度を評価し、一方で、60 lp/mm(〜18サイクル/度)より大きい(例えば、約60から約100 lp/mmまで(〜18から30サイクル/度まで)の範囲)空間周波数を用いてこの模型眼球によって示される視力を評価することができる。
一部の実施態様において、模型眼球におけるIOLの性能をシミュレートする際に製造公差を考慮に入れることができる。例えば、対象となる母集団の患者の眼に埋め込むために最適のIOLを決定するために、レンズ表面半径及び非球性に関する製造公差、レンズ表面不規則性、レンズ表面脱中心化及び傾斜、レンズ厚み及び円環公差を考慮に入れることができる。例えば、モンテカルロシミュレーションにおいて、1つまたはそれ以上のレンズ設計の性能に対する公差の関与をモデリングするために、対象となるレンズの製造において一般的に認められる範囲で、この種の公差のうち1つまたはそれ以上(例えば、上記の眼球のバイオメトリックパラメータに加えて)を変動させることができる。その後、対象となる母集団に使用するのに最も適するものとして最良性能を示すレンズ設計を選択することができる。
IOLが患者の眼に組み込まれるとき、眼の視線の軸に対して相対的にIOLの光軸を偏らせることができる(例えば、傾斜及び(または)脱中心化により)。一部の実施態様において、模型眼球に組み込まれる複数のIOLの性能をシミュレートする際に、この種の偏りの効果が考慮される。例えば、図14に図式的に示される通り、模型眼球26に組み込まれるIOL32に入射するIOLの光軸に平行の1組の光線30に対して相対的に偏る1組の光線28を眼球模型26の視線と関連付けることができる。
例として、図15A及び15Bは、眼の視線に対して5°の傾斜の関数として平均的模型眼球に組み込まれる2枚のレンズすなわち非球面を有する1枚のレンズ及び球面を有するもう1枚のレンズの光学的性能を比較している。より明確に言うと、図15Aは、約−42の円錐定数を特徴とする非球面を有する非球面レンズが組み込まれた5mmの瞳の模型眼球の網膜平面で計算される多色性(波長450nm、550nm及び650nmを有する入射光)MTF曲線34、36及び38を示している。曲線34は傾斜ゼロに対応するのに対して、曲線36及び38は、レンズの光軸が模型眼球の視線に対して約5°傾斜している場合の、2つの直交する方向に沿ったMTF値を示している。図15Bも3つの多色性MTF曲線40、42及び44を示しており、曲線40は非球面レンズの光軸と眼の視線との間の傾斜ゼロに対応するのに対して、曲線42及び44は、IOLの光軸が眼の視線に対して約5度の傾斜を示す場合の直交する方向に沿ったMTF値を示している。図15A及び15Bに示されるMTF曲線を比較すると、傾斜が非球面IOLの性能により大きく影響する可能性があるが、非球面IOLの場合、球面IOLに比べてかなりコントラストが強化されることを示している。
患者の視線に対して相対的なIOLの光軸の偏りは、傾斜だけでなくIOLの脱中心化を原因とする場合もある。例として、図16Aは、約−27の円錐定数を特徴とする非球面IOLが組み込まれた5mmの瞳の平均的模型眼球の網膜で計算されたそれぞれの多色性MTF曲線46、48及び50を示している。曲線46は、傾斜及び脱中心化ゼロに対応する基準MTFであり、曲線48及び50は、瞳の中心に対してIOLの光軸の偏位0.5mm及び傾斜5°に対応する2つの直交する方向に沿ったMTF値を表す。一方、図16Bは、球面IOLが組み込まれた平均的模型眼球の網膜で計算されたMTF曲線52、54及び56を示している。曲線52及び54は、模型眼球の視線に対して相対的なIOLの光軸の傾斜ゼロ及び脱中心化ゼロに対応する基準MTFであり、曲線56及び58は、傾斜5度及び脱中心化0.5mm(すなわち、瞳の中心に対して相対的なIOL光軸の偏位)に対応する2つの直交する方向に沿ったMTF値を示す。図16A及び16Bにおいて示されるMTFの比較は、想定される傾斜及び脱中心値の場合非球面IOLが球面IOLより優れた光学的性能をもたらすことを示している。
さらに一般的に言うと、本発明の多くの実施態様において、IOLの光軸に対して相対的な視線の偏りがあるとき、性能がより健全であるようにするためにIOLの少なくとも1つの面に約−73から−27までの範囲の円錐定数で特徴付けられた非球性を与えることができる。例えば、一般に認められる偏り値の範囲について様々な非球性の値を持つレンズの光学的性能を評価することによって(例えば、モンテカルロシミュレーションを行うことによって)患者母集団の非球性の最も適切な値を得ることができる。
本発明の範囲から逸脱することなく上記の実施態様に様々な変化を加えることができることが当業者には判るだろう。
本発明の教示に従ったIOLを設計するための方法の実施態様例における各種ステップを示すフローチャートである。 眼球模型に組み込んで、模型の選択された眼球パラメータを変動させることによって、対象となる母集団全体における性能を評価することができる仮説的回折レンズの断面略図である。 仮説的IOL設計が組み込まれた異なる角膜半径で特徴付けられた複数の眼球模型について、本発明の方法の実施態様例において計算された複数のMTFを示している。 別の(基準)仮説的IOLが組み込まれた異なる角膜半径で特徴付けられた複数の眼球模型について、本発明の方法の実施態様例において計算された複数のMTFを示している。 仮説的IOL設計が組み込まれた異なる角膜球性値で特徴付けられた複数の眼球模型について、本発明の方法の実施態様例において計算された複数のMTFを示している。 別の(基準)仮説的IOLが組み込まれた異なる角膜球性値で特徴付けられた複数の眼球模型について、本発明の方法の実施態様例において計算された複数のMTFを示している。 仮説的IOL設計が組み込まれた異なる前眼房深さ値で特徴付けられた複数の眼球模型について、本発明の方法の実施態様例において計算された複数のMTFを示している。 別の(基準)IOLが組み込まれた異なる前眼房深さ値で特徴付けられた複数の眼球模型について、本発明の方法の実施態様例において計算された複数のMTFを示している。 IOLの異なる脱中心化値の関数として一方に基準IOLが、また他方に仮説的IOL設計が組み込まれた眼球模型について計算された複数のMTFを示している。 IOLの異なる傾斜値の関数として一方に基準IOLが、また他方に仮説的IOL設計が組み込まれた眼球模型について計算された複数のMTFを示している。 レンズの3つの回転角について仮説的非球性/円環IOL設計及び基準球性/円環IOLを有する眼球模型について計算された複数のMTFを示している。 多様な球面屈折誤差に関して仮説的IOL設計を有する眼球模型について、本発明の方法の実施態様において実施されたMTF計算例を示している。 多様な球面屈折誤差に関して基準IOLを有する眼球模型について、本発明の方法の実施態様において実施されたMTF計算例を示している。 多様な円筒屈折誤差に関して基準IOL及び仮説的設計IOLを有する眼球模型について計算されたMTFを示している。 異なる眼球のバイオメトリックパラメータ及び(または)ミスアラインメント及び屈折誤差で特徴付けられた200の眼球模型の平均MTFのシミュレーション結果を示しており、各眼球模型は6つの異なる仮説的IOLを有すると考えられた。 模型において球形基準レンズを多様な非球形レンズのうちの1つに取り替えた場合、これに応じた図11の各シミュレートされた眼球模型に関連付けられるMTFの変化をグラフで示している。 複数のIOL設計オプションが組み込まれた様々なシミュレートされた眼球模型に対応する算定MTF値の分布をグラフで示している。 模型眼球に関連付けられる視線と模型眼球に組み込まれるIOLの光軸との間の偏りを略図的に示している。 眼の視線に対して相対的なレンズの光軸の傾斜がゼロ及び5度の場合に非球面レンズが組み込まれている模型眼球について計算された複数の多色性MTFを表している。 眼の視線に対して相対的なレンズの光軸の傾斜がゼロ及び5度の場合に球面レンズが組み込まれている模型眼球について計算された複数の多色性MTFを表している。 眼の視線に対して相対的なレンズの光軸及び脱中心化がゼロの場合及び5度及び0.5mmの場合に非球面レンズが組み込まれている模型眼球について計算された複数の多色性MTFを表している。 眼の視線に対して相対的なレンズの光軸及び脱中心化がゼロの場合、及び5度及び0.5mmの場合に、球面レンズが組み込まれている模型眼球について計算された複数の多色性MTFを表している。

Claims (26)

  1. 患者の眼の個体群における少なくとも1つの眼の生体測定値である眼球のバイオメトリックパラメータの変動に対処するために眼内レンズ(IOL)を設計するための方法であり、
    前記個体群によって示される範囲で前記眼球のバイオメトリックパラメータを変動させることができる、少なくとも1つの眼球模型を作るステップと、
    前記個体群における少なくとも1つの眼球のバイオメトリックパラメータの分布に基いて、重み関数を決定するステップと、
    前記患者個体群における眼の視覚性能について複数のIOL設計を評価するために、前記重み関数に基いて前記眼球模型を用いるステップと、
    前記個体群によって示される前記範囲の少なくとも一部について最良適合の視覚性能をもたらすIOL設計を選択するステップと、
    を含む、方法。
  2. 該方法において、前記視覚性能が視力を含む、請求項1に記載の方法。
  3. さらに、前記IOL設計の中から前記重み関数に基いて加重された視力の最適値として最良適合の視力を決定するステップを含む、請求項2に記載の方法。
  4. さらに、少なくとも1つのレンズの光学特性に影響を与える物理的な特性であるレンズ設計パラメータの変動に基づいて前記IOL設計を生み出すステップを含む、請求項1に記載の方法。
  5. さらに、前記IOL設計によって示される前記視力を得るために、前記眼球模型の網膜における変調伝達関数を決定するステップを含む、請求項2に記載の方法。
  6. 眼内レンズ(IOL)を設計するための方法であり、
    予め測定されてデータとして記憶されている、少なくとも1つの生体測定値である眼のバイオメトリックパラメータを変動させることができる人間の眼球模型を作るステップと、
    患者の個体群における少なくとも1つの眼球のバイオメトリックパラメータの分布に基いて、重み関数を決定するステップと、
    前記眼球模型に複数のIOL設計を組み込み、患者個体群の眼によって示される範囲の少なくとも一部において、前記眼球のバイオメトリックパラメータを変動させることによって前記設計の光学的性能を評価し、前記眼球のバイオメトリックパラメータの変動結果に前記重み関数を適用するステップと、
    望ましいレベルの性能をもたらす前記IOL設計のうちの1つを選択するステップと、
    を含む、方法。
  7. さらに、少なくとも1つのレンズ設計パラメータを変動させることによって前記IOL設計を生み出すステップを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 該方法において、前記レンズ設計パラメータが非球面レンズ表面の円錐定数、円環体レンズ表面と関連付けられる2つの円錐定数、またはレンズ表面に配置される回折パターンのゾーン境界におけるステップ高さと関連付けられるアポディゼーション関数のうちいずれかを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 該方法において、IOL設計の光学的性能を評価する前記ステップが、さらに前記眼球のバイオメトリックパラメータ範囲全体において、前記設計によってもたらされる平均視力を決定するために前記眼球模型を用いるステップを含む、請求項6に記載の方法。
  10. さらに、前記視力を決定するために前記眼球模型の前記網膜における変調伝達関数を計算するステップを含む、請求項9に記載の方法。
  11. さらに、最適性能をもたらすものとして最大加重平均視力を示すIOL設計を特定するステップを含む、請求項6に記載の方法。
  12. さらに、前記眼球のバイオメトリックパラメータを変動させるためにモンテカルロシミュレーションを利用するステップを含む、請求項6に記載の方法。
  13. さらに、前記IOL設計のうち1つまたはそれ以上に、少なくとも1つのレンズ特性に関連付けられる製造公差の推定値を組み込むステップを含む、請求項6に記載の方法。
  14. 該方法において、前記レンズ特性がレンズ表面に関連する不規則性、レンズ表面の半径、レンズ表面の非球性、およびレンズ厚みの何れかを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 母集団の患者の眼によって示される範囲内の眼球のバイオメトリックパラメータを特徴とする患者の眼に埋め込むための眼内レンズ(IOL)を提供するために、コンピュータに実行させる方法であり、
    少なくとも1つのレンズ設計パラメータが変動する複数のIOLを用意するステップと、
    前記個体群における少なくとも1つの眼球のバイオメトリックパラメータの分布に基いて、重み関数を決定するステップと、
    前記患者の眼に埋め込むために、前記眼球のバイオメトリックパラメータ範囲の少なくとも一部において最良適合の視力をもたらす前記IOLのうちの1つを前記重み関数に基いて選択するステップと、
    を含む、方法。
  16. さらに、前記範囲内の複数の眼球のバイオメトリックパラメータ値について、各IOLによって示される視力を決定するステップを含む、請求項15に記載の方法。
  17. さらに、前記重み関数に基いて、各IOLについて加重平均視力を生成するステップを含む、請求項16に記載の方法。
  18. さらに、前記加重平均視力の最大値として最良適合の視力を特定するステップを含む、請求項16に記載の方法。
  19. 該方法において、前記眼球のバイオメトリックパラメータが眼の光軸からの視線の偏差を含む、請求項15に記載の方法。
  20. 該方法において、前記レンズ設計パラメータが非球面レンズ表面の円錐定数を含む、請求項15に記載の方法。
  21. 該方法において、前記レンズ設計パラメータが円環体レンズ表面に関連付けられる2つの円錐定数を含む、請求項15に記載の方法。
  22. 該方法において、前記レンズ設計パラメータがレンズ表面に配置される回折パターンのゾーン境界におけるステップ高さに関連付けられるアポディゼーション関数を含む、請求項15に記載の方法。
  23. さらに、IOLによって示される前記視力を決定するために前記IOLを組み込む人間の眼球模型の網膜における変調伝達関数を計算するステップを含む、請求項16に記載の方法。
  24. 一群の眼内レンズ(IOL)を設計するための方法であり、
    患者の眼の個体群によって示される範囲全体において少なくとも1つの眼球のバイオメトリックパラメータを変動させることができる少なくとも1つの眼球模型を作るステップと、
    前記個体群における少なくとも1つの眼球のバイオメトリックパラメータの分布に基いて、重み関数を決定するステップと、
    前記患者個体群の眼について複数のIOL設計の視覚性能を評価するために前記眼球モデルを用いるステップと、
    少なくとも2つのIOL設計を選択するステップであり、前記設計のうち1つが前記個体群の1つの部分について最良適合の視覚性能をもたらし、他の1つが前記個体群の別の部分について最良適合の視覚性能をもたらす、ステップと、
    を含む、方法。
  25. 該方法において、前記眼球のバイオメトリックパラメータが、眼球軸長さ、角膜非球性、角膜半径、および前眼房深さのいずれかを含む、請求項1,6,15,24の何れかに記載の方法。
  26. 該方法において、少なくとも2つのIOL設計を選択する前記ステップが前記母集団の3つの部分のために3つのIOL設計を選択するステップを含み、該方法において、前記IOL設計がそれぞれ約−0.1、約−0.2及び約−0.3ミクロンの球面収差を示す、請求項24に記載の方法。
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