JP5204322B2 - 表示ユニット及びテレビジョン受像機 - Google Patents

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Description

本発明は,光ディスクドライブやハードディスクドライブなどのディスクドライブユニットを搭載したテレビジョン受像機などのディスクドライブ搭載型表示装置に関し,特に,ディスクドライブユニットが表示ユニットの背面側筐体の外側に載置されたディスクドライブ搭載型表示装置に関するものである。
昨今,液晶パネル等の映像表示パネルを備えた液晶テレビジョン受像機などの表示ユニットは薄型化が益々進み,厚みが数十mm程度のものが一般的となり,厚みが10mm未満の製品も提供されつつある。
そして,このような薄型の表示ユニットは,薄型化によってユニット内における部品密度が高くなり,一般に通気性が良くない。そのため,表示ユニットにおいて,内部温度は70℃程度まで上昇する場合があり,それに応じて,背面側の外装を形成する背面側筐体の温度は60℃程度まで上昇する場合がある。
また,液晶テレビジョン受像機などの表示ユニットに,光ディスクドライブやハードディスクドライブなどのディスクドライブユニットが搭載されることによりディスクドライブ搭載型表示装置が構成されることがある。このディスクドライブユニットは,光ディスクやハードディスク等の記録メディアに放送番組等のコンテンツを録画する録画機能及び録画データに基づく再生機能を実現する。なお,光ディスクドライブには,DVD(Digital Versatile Disc)を用いるDVDドライブやブルーレイディスクを用いるブルーレイディスクドライブ等がある。
但し,ディスクドライブユニットに設けられ,ディスクメディアにアクセスして信号の読み書きを行うピックアップ部の特性は,表示ユニット内部に設けられる他の電子部品に比べて環境温度に対して敏感に変化する。そのため,ディスクドライブユニットの使用条件として,例えば環境温度が60℃以下であることが必要となる場合がある。ここで,内部温度が70℃程度まで達するおそれのある薄型の表示ユニットの筐体内にディスクドライブユニットを収納すると,該ディスクドライブユニットの使用条件が満たされない状況が想定される。
そこで,表示ユニットの背面側筐体の外側にディスクドライブユニットを載置させることが考えられる。これにより,表示ユニットからディスクドライブユニットへの熱の影響を少なくすることができ,該ディスクドライブユニットのピックアップ部に要求される環境温度についての使用条件を満たすことができる。
ところで,ディスクドライブユニットでは,その動作によって発生する電磁波の外部への輻射(不要電磁波輻射)を抑制するために,その電磁波を吸収するシールドケースを設ける等の措置が講じられる。例えば,特許文献1では,撮像ユニットの撮像素子の外側に導電性部材を配置することにより,該撮像素子からの不要電磁波輻射を抑制している。
ここで,ディスクドライブユニットが表示ユニット内に収容される場合には,各々のグランドをハーネス(配線)によって接続するだけでなく,ディスクドライブユニットのシールドケースを該表示ユニットのシャーシに直接接触させることによってディスクドライブユニット及び表示ユニットのグランド間のインピーダンスを低下させることができる。例えば,特許文献2では,VTR一体型ビデオカメラにおいてVTR基板のシールドケースとCCD基板のシールドケースとを直接接触させることが提案されている。
しかし,前述したようにディスクドライブユニットを表示ユニットの背面側筐体の外側に配置する構成では,該ディスクドライブユニットのシールドケースを該表示ユニットのシャーシなどに直接連結させることができないため,ディスクドライブユニット及び表示ユニットのグランドがハーネスのみで接続されることになる。
そのため,ディスクドライブユニットを表示ユニットの外側に配置する構成では,表示ユニットにディスクドライブユニットを内蔵させる場合に比べて,表示ユニット及びディスクドライブユニットの間の接地インピーダンスが高くなり,該ディスクドライブユニットからの不要電磁波輻射の抑制効果が低下する。
特開2005−12327号公報 特開平6−14225号公報
しかしながら,我が国のみならず米国を始めとする世界各国の厳しい不要電磁波輻射の基準に対応するためには,ディスクドライブユニットからの不要電磁波輻射をできるだけ抑制することが望ましい。
そこで,ディスクドライブユニットを表示ユニットの外側に配置する構成においても,表示ユニットのシャーシの一部をその背面側筐体から露出させておき,その露出したシャーシにディスクドライブユニットに直接接触させることによって表示ユニット及びディスクドライブユニットの間の接地インピーダンスを低下させることが考えられる。
ところが,表示ユニットのシャーシをディスクドライブユニットに直接接触させると,表示ユニット及びディスクドライブユニットの間の導電率のみならず熱伝導率も高まることになる。そのため,表示ユニットからディスクドライブユニットへの伝熱量が多くなり,ディスクドライブユニットが高温に達するおそれがあるという弊害が生じる。即ち,ディスクドライブ搭載型表示装置において,表示ユニット及びディスクドライブユニットの間の接地インピーダンスと表示ユニットからディスクドライブユニットへの伝熱量とはトレードオフの関係にある。また,前記表示ユニットからシャーシの一部を露出させる場合には,ディスクドライブユニットを取り外したときに,高温に達するシャーシの一部が露出することになるため安全対策上の課題も生じる。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,表示ユニット及びディスクドライブユニットの間の接地インピーダンスの低下と表示ユニットからディスクドライブユニットへの伝熱量の抑制との両方の効果をバランスよく達成することのできるディスクドライブ搭載型表示装置に用いられる表示ユニット及びテレビジョン受像機を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は,映像を表示する映像表示パネルを有する表示ユニットと,ディスクドライブユニットとを備えてなり,前記ディスクドライブユニットが,前記表示ユニットの背面側の外装を形成する非導電性部材からなる背面側筐体の外側に載置されてなるディスクドライブ搭載型表示装置に適用されるものである。そして,本発明に係るディスクドライブ搭載型表示装置は,導電性及び弾性を有し,且つ熱伝導性が制限された一又は複数の導電性弾性部材を備えており,前記導電性弾性部材が,前記表示ユニット及び前記ディスクドライブユニットの間に介在して,前記表示ユニットのグランドに接続された導電性を有する表示ユニット側接地部材と前記ディスクドライブユニットのグランドに接続された導電性を有するドライブ側接地部材とを電気的に接続するものであることを特徴とする。
具体的に,前記導電性弾性部材は,非導電性及び弾性を有する芯材が導電性を有する被覆部材で被覆されて形成されることによって導電性及び弾性を有し,且つ熱伝導性が制限された導電性ガスケットであることが考えられる。例えば,前記芯材がスポンジ状の発泡性樹脂であって,前記被覆部材が金属繊維であることが考えられる。また,前記被覆部材は,例えばポリエステル繊維にニッケルや銅などによる金属メッキが施されたものである。
本発明に係る前記ディスクドライブ搭載型表示装置では,前記導電性弾性部材によって前記表示ユニット側接地部材と前記ドライブ側接地部材とを適度な導電率及び熱伝導率で接続することができ,前記表示ユニット及び前記ディスクドライブユニットの間の接地インピーダンスの低下と前記表示ユニットから前記ディスクドライブユニットへの伝熱量の抑制との両方の効果をバランスよく達成することができる。
例えば,前記導電性弾性部材は,前記表示ユニット側接地部材と前記ドライブ側接地部材とに挟まれて弾性変形することにより前記表示ユニット側接地部材及び前記ドライブ側接地部材各々に密着し,前記表示ユニット側接地部材と前記ドライブ側接地部材とを電気的に接続するように配置される。
ところで,前記表示ユニットの前記背面側筐体から前記表示ユニット側接地部材の一部が露出していると,前記ディスクドライブユニットを取り外した状態で前記表示ユニットを稼働させたときに,その露出した前記表示ユニット側接地部材の一部が高温になるという製品の安全対策上の課題が残る。
そこで,前記背面側筐体における前記ディスクドライブユニットの装着部に一又は複数の開口を形成しておき,前記導電性弾性部材を,前記装着部に前記ディスクドライブユニットが装着されたときに前記開口を通じて前記背面側筐体の内側の前記表示ユニット側接地部材と前記背面側筐体の外側の前記ドライブ側接地部材とに接触するように配置することが望ましい。これにより,高温に達する前記表示ユニット側接地部材を露出させる必要がなく安全対策上の課題をも解消することができる。
ここで,前記導電性弾性部材は,前記表示ユニット側接地部材と前記ドライブ側接地部材とに挟まれて,或いは前記表示ユニット側接地部材と前記背面側筐体とに挟まれて弾性変形することにより前記背面側筐体の開口を閉塞するものであることが望ましい。これにより,前記表示ユニット内の高温の空気が前記背面側筐体の開口から前記ディスクドライブユニット側に流れることによる該ディスクドライブユニットの温度上昇を防止することができる。
さらに,前記開口が,前記背面側筐体の外側から内側に向けて拡開するように傾斜及び段差を有するものであることが望ましい。これにより,前記導電性弾性部材による前記開口の密閉度を高めることができる。
ところで,本発明は,前記ディスクドライブ搭載型表示装置を構成する表示ユニットの発明として捉えることも可能である。即ち,本発明は,映像を表示する映像表示パネルを有してなり,当該表示ユニットの背面側の外装を形成する非導電性部材からなる背面側筐体の外側にディスクドライブユニットが載置される表示ユニットであって,導電性及び弾性を有し,且つ熱伝導性が制限された一又は複数の導電性弾性部材を備え,前記導電性弾性部材が,前記表示ユニット及び前記ディスクドライブユニットの間に介在して,前記表示ユニットのグランドに接続された導電性を有する表示ユニット側接地部材と前記ディスクドライブユニットのグランドに接続された導電性を有するドライブ側接地部材とを電気的に接続するものであることを特徴とする表示ユニットとして捉えてもよい。
なお,当該表示ユニットは,前記ディスクドライブユニットを構成要素に含まないことを除けば,前述した前記ディスクドライブ搭載型表示装置と同様である。例えば,前記背面側筐体における前記ディスクドライブユニットの装着部に一又は複数の開口が形成されており,前記導電性弾性部材が,前記装着部に前記ディスクドライブユニットが装着されたときに前記開口を通じて前記背面側筐体の内側の前記表示ユニット側接地部材と前記背面側筐体の外側の前記ドライブ側接地部材とに接触するように配置されている。
本発明によれば,前記導電性弾性部材によって前記表示ユニット側接地部材と前記ドライブ側接地部材とを適度な導電率及び熱伝導率で接続することができ,前記表示ユニット及び前記ディスクドライブユニットの間の接地インピーダンスの低下と前記表示ユニットから前記ディスクドライブユニットへの伝熱量の抑制との両方の効果をバランスよく達成することができる。
本発明の実施形態に係る液晶テレビジョン受像機Xの背面側からの斜視図。 液晶テレビジョン受像機Xの要部模式図。 液晶テレビジョン受像機Xにおけるディスクドライブユニット21の取り付け構造を説明するための図。 液晶テレビジョン受像機Xで用いられるガスケット31の被覆部材31bの電界シールド特性の一例を示す図。 液晶テレビジョン受像機Xにおけるディスクドライブユニット21の取り付け構造の他の例(実施例1)を説明するための図。 液晶テレビジョン受像機Xにおけるディスクドライブユニット21の取り付け構造の他の例(実施例2)を説明するための図。 液晶テレビジョン受像機Xにおけるディスクドライブユニット21の取り付け構造の他の例(実施例3)を説明するための図。 液晶テレビジョン受像機Xにおけるディスクドライブユニット21の取り付け構造の他の例(実施例4)を説明するための図。
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
まず,図1に示される斜視図を参照しつつ,本発明の実施の形態に係る液晶テレビジョン受像機X(以下,「液晶テレビX」と略称する)の外観について説明する。ここに,前記液晶テレビXは,以下に説明する構成の他,一般的な液晶テレビと同様の構成を有するが,それらについては従来と特に異なるところがないため,ここではその説明を省略する。なお,前記液晶テレビXは,本発明に係るディスクドライブ搭載型表示装置の一例に過ぎず,ディスクドライブユニットが搭載された液晶モニターなども本発明に係るディスクドライブ搭載型表示装置及び表示ユニットの一例である。
図1に示すように,前記液晶テレビXは,受信したテレビジョン放送の映像や後述のディスクドライブユニット21で再生される映像などを表示する液晶パネル1(映像表示パネルの一例)がその前面側に設けられている。一方,前記液晶テレビXの背面側には,該液晶テレビXの外装を形成する非導電性部材(樹脂など)からなる背面側筐体10が設けられている。前記液晶テレビXは,その厚み(ディスクドライブユニット21除く)が10mm〜数十mm程度の薄型表示装置である。
また,前記液晶テレビX内には,前記液晶パネル1を背後から照明するバックライトやそのバックライトに電力を供給するインバータ回路などの各種電子部品が設けられている。薄型の前記液晶テレビX内では,これらの部品密度が高くなるため内部温度が高温に達しやすい。そのため,前記液晶テレビXの内部温度の上昇に伴って前記背面側筐体10の温度も高くなりやすい。例えば,前記液晶テレビXの内部温度は70℃程度,前記背面側筐体10の温度は60℃程度まで上昇することがある。
そして,前記液晶テレビXは,前記背面側筐体10の外側に載置されたディスクドライブユニット21及び該ディスクドライブユニット21をカバーする非導電性部材(樹脂など)からなるカバー部材22を備えている。
具体的に,図1に示す例では,前記ディスクドライブユニット21は,前記背面側筐体10の上下方向におけるほぼ中央から上方側に配置されている。なお,前記ディスクドライブユニット21が装着される前の前記液晶テレビXが,本発明に係る表示ユニットに相当する。
前記ディスクドライブユニット21は,前記液晶テレビXからの電源供給によって作動するものであって,図1における左方向から内部に挿脱されるブルーレイディスクやDVDなどのディスクメディア(情報記録媒体)の情報の再生やディスクメディアの情報の再生/記録を行うブルーレイディスクドライブやDVDドライブである。前記ディスクドライブユニット21は,ディスクメディアにレーザ光を照射することによって該ディスクメディアにアクセスするピックアップ部などを有している。
前述したように,前記ディスクドライブユニット21のピックアップ部には,使用条件として前記液晶テレビX内の温度よりも低いピックアップ部使用規格内の温度環境(以下「規格内温度環境」という)が必要である。そのため,前記ディスクドライブユニット21は,前記液晶テレビXの内部に収納されておらず,前記背面側筐体10の外部に載置されている。これにより,前記液晶テレビX内に前記ディスクドライブユニット21を収納する場合に比べて,前記液晶テレビXから前記ディスクドライブユニット21への熱の影響を抑制することができ,該ディスクドライブユニット21の規格内温度環境を実現し得る。
ここで,前記ディスクドライブユニット21の外装(ドライブ側接地部材の一例)は,導電性を有する鉄やアルミなどの金属材料で形成されており,該ディスクドライブユニット21からの電磁波を吸収するためのシールドケースの機能を兼ねている。以下,前記ディスクドライブユニット21の外装をドライブシャーシと称する。
前記ドライブシャーシは,前記ディスクドライブユニット21のグランドに接続されており,該グランドは,電源ラインや信号ラインと共にハーネスによって前記液晶テレビXの電気回路に接続されている。
これにより,前記ディスクドライブユニット21で発生する電磁波は,前記ドライブシャーシ及び前記ハーネスを介して前記液晶テレビXのグランドに吸収され,該ディスクドライブユニット21から外部への不要電磁波輻射が抑制される。
しかしながら,前記ドライブシャーシや前記ハーネスの前記液晶テレビXのグランドへの接地インピーダンスが高い場合や,前記ディスクドライブユニット21で発生する電磁ノイズが大きい場合には,そのディスクドライブユニット21からの不要電磁波輻射を十分に抑制することができないことが懸念される。一方,前記液晶テレビXのシャーシを前記背面側筐体10から露出させて前記ドライブシャーシと直接接触させると,該液晶テレビXから前記ディスクドライブユニット21への熱の影響が大きくなり,該ディスクドライブユニット21の規格内温度環境を阻害するおそれがある。また,高温に達する前記液晶テレビXのシャーシを露出させることは安全対策上にも問題を生じる。
そこで,本発明の実施の形態に係る前記液晶テレビXでは,前記液晶テレビXの背面側筐体10の外側に前記ディスクドライブユニット21を載置する構成において,該液晶テレビXからの熱の影響(伝熱量)を抑制しつつ,前記液晶テレビX及び前記ディスクドライブユニット21の間の接地インピーダンスを低下させるため,以下で説明する構成を採用している。
以下,図2及び図3を参照しつつ,前記液晶テレビXにおける前記ディスクドライブユニット21の取り付け構造について詳説する。
ここに,図2(a),(b)は前記液晶テレビXから前記ディスクドライブユニット21及び前記背面側筐体10を取り外した状態を示す要部模式図,図2(c)は前記液晶テレビXに設けられたガスケット31の部品図,図2(d)は前記背面側筐体10の要部模式図,図2(e),(f)は前記液晶テレビXに前記背面側筐体10を装着した状態を示す要部模式図である。
図2(a),(b)に示すように,前記液晶テレビXから前記背面側筐体10及び前記ディスクドライブユニット21を取り外すと,該液晶テレビX内部に設けられたシャーシ11やシールドケース12(表示ユニット側接地部材の一例)が露出する。
前記シャーシ11は,前記液晶テレビX全体の構造を決定するものであって,鉄やアルミなどの導電性を有する金属材料で形成されている。そして,前記シャーシ11は,前記液晶テレビX全体における共通グランドとして用いられ,該液晶テレビX内の電気回路のグランドに接続されている。
前記シールドケース12は,鉄やアルミなどの導電性を有する金属材料で形成されており,前記液晶テレビX内に設けられた電気回路を覆うように配置されている。そして,前記シールドケース12は,前記シャーシ11に直接接触した状態で固定されることにより,前記液晶テレビXにおける共通グランドに電気的に接続されている。従って,前記液晶テレビXでは,前記電気回路で発生する電磁波を前記シールドケース12で吸収し,外部への不要電磁波輻射を抑制することができる。
ここで,前記シールドケース12には,前記背面側筐体10に形成された後述の開口10a(図2(d)参照)各々に対応する位置に導電性ガスケット31(導電性弾性部材の一例,以下「ガスケット31」と略称する)が取り付けられている。ここでは5つの開口10aに対応して5つの前記ガスケット31が設けられている場合を例に説明するが,これに限られず前記開口10a及び前記ガスケット31は一又は複数の適宜の数であってよい。
前記ガスケット31各々は,図2(c)に示すように,導電性及び熱伝導性が低く,弾性を有する芯材31aが導電性を有する被覆部材31bで被覆されることによって形成されている。これにより,前記ガスケット31は,スポンジなどの弾性体部材が有する弾力性と金属などの導電体が有する導電性とを共に有している。なお,前記ガスケット31全体の寸法は,縦10mm,横40mm,厚み5.5mmであることが一例として考えられる。
例えば,前記芯材31aは,スポンジ状の発泡性樹脂であって,前記被覆部材31bは,ポリエステル繊維にニッケルや銅などによる金属メッキが施された金属繊維である。具体的に,前記被覆部材31bは,ポリエステル織布にニッケル及び銅による金属メッキが施されることにより0.05[Ω/sq]の表面抵抗率を有するものであって,KEC法による測定結果として図4に示す電界シールド効果が得られるものであることが考えられる。
このように,薄層の熱伝導層及び導電層を被膜として有する前記ガスケット31は,前記液晶テレビXのシャーシ11や前記シールドケース12,前記ディスクドライブユニット21のドライブシャーシを構成する鉄やアルミなどの金属材料に比べて熱伝導率が低い。即ち,前記ガスケット31は,導電性及び弾性を有するが,熱伝導性が制限されたものである。
また,前記ガスケット31の長手方向の端面は,前記被覆部材31bによって被覆されていない。従って,前記ガスケット31への厚み方向の加圧により該ガスケット31は弾性変形し得る。
なお,前記ガスケット31の前記シールドケース12への取り付けは,該ガスケット31の被覆部材31b及び前記シールドケース12が電気的に接続され得る手法であればよく,例えば前記ガスケット31の一部に一般的な両面テープ又は導電性を有する導電性両面テープを貼り付けて前記シールドケース12に接着させることが考えられる。また,前記シールドケース12及び前記ガスケット31の被覆部材31bが接触する状態で該ガスケット31を支持する所定の支持部材(ホルダ)を設けておくことも考えられる。
なお,ここでは前記ガスケット31を導電性弾性部材の一例として説明するが,前記ガスケット31に換えて,導電性及び弾性を有し,且つ熱伝導性が制限された導電性ゴムや導電性スポンジを用いることも考えられる。前記導電性ゴムや前記導電性スポンジには前記ガスケット31と同等の導電性を有するものもあり,前記導電性ゴムや前記導電性スポンジを用いることが前記ガスケット31を用いる場合に比べてコスト的に有利な場合があるためである。
ここに,前記導電性ゴムは,例えばフッ素ゴム,ウレタン,シリコーンゴムなどの非導電性及び弾性を有するゴムに,カーボンブラック,金属粉末,金属繊維などの導電性充てん剤(導電性材料)を混合することによって形成されたものである。前記導電性ゴムには,体積抵抗率が0.004[Ω/mm3]程度の製品もある。
また,前記導電性スポンジは,非導電性及び弾性を有するスポンジ状の発泡性樹脂に導電性材料が混合されて形成されたものである。例えば,前記導電性スポンジは,フッ素ゴム,ウレタン,シリコーンゴムなどのゴムに導電性充てん剤(導電性材料)を混合すると共に,熱分解性の化学発泡剤を配合し加熱するなどの方法によって形成される。前記導電性スポンジには,体積抵抗率が0.05[Ω/mm3]程度の製品もある。
このように形成された前記導電性ゴム及び前記導電性スポンジは,基本素材がゴムであるため金属よりも熱伝導率が低く制限されているが,導電性材料を含有しているため導電性を有している。そのため,前記ガスケット31に換えて前記導電性ゴム及び前記導電性スポンジを用いても同様の効果を得ることができる。
一方,図2(d)に示すように,前記背面側筐体10には,前記ディスクドライブユニット21を装着するための装着部13が形成されている。なお,本実施の形態では,前記背面側筐体10の一部に前記装着部13が形成されている場合を例に挙げて説明するが,前記装着部13は,前記背面側筐体10に着脱し得るものであってもよい。
前記背面側筐体10の装着部13には,該背面側筐体10を前記液晶テレビXに装着したときに,該液晶テレビXのシールドケース12に取り付けられた前記ガスケット31各々が貫挿されるように,該ガスケット31各々の位置に対応する5つの開口10aが形成されている。ここに,前記開口10aの内径は,前記ガスケット31の外径よりも若干大きく形成されている。
また,前記背面側筐体10の装着部13の厚みと前記ガスケット31の厚みとは,前記背面側筐体10が前記液晶テレビXに装着されたときに前記装着部13の開口10aから前記ガスケット31の一部が外部に突出するように,少なくとも前記ガスケット31の厚みが前記装着部13の厚みよりも大きい関係にある。
従って,前記液晶テレビXでは,図2(e),(f)に示すように,前記背面側筐体10が装着されると,前記シールドケース12は前記背面側筐体10に覆われるため外部に露出しないが,前記ガスケット31は前記背面側筐体10の開口10aを通じてその一部が外部に突出した状態となる。
次に,図3を用いて,前記背面側筐体10への前記ディスクドライブユニット21の装着について説明する。
ここに,図3(a)は前記背面側筐体10に前記ディスクドライブユニット21及び前記カバー部材22を装着した状態を示す要部模式図である。また,図3(b)及び図3(c)は,図3(a)におけるA−A矢視断面図であって,図3(b)は前記ディスクドライブユニット21及び前記カバー部材22を前記背面側筐体10に装着する前の状態,図3(c)は前記ディスクドライブユニット21及び前記カバー部材22を前記背面側筐体10に装着した後の状態を示している。
図3(b)に示すように,前記ディスクドライブユニット21は,取付金具23を介して,ビス24,25により前記カバー部材22に取り付けられている。即ち,前記ディスクドライブユニット21は,前記背面側筐体10に取り付けられる前に前記カバー部材22に取り付けられ,そのカバー部材22と一体となっている。具体的に,図3(b)に示される例では,前記ディスクドライブユニット21に対して前記取付金具23が前記ビス24によって固定され,その取付金具23が,前記ビス25によって前記カバー部材22の一部であるビス受部22aに固定されている。
ここで,前記ディスクドライブユニット21は,前記背面側筐体10に装着されたときに,前記装着部13から突出した前記ガスケット31に接触して該ガスケット31を弾性変形させるため,前記ドライブシャーシの前記背面側筐体10側の端面が前記カバー部材22の前記背面側筐体10側の端面と略同一面内となる状態で該カバー部材22に固定されている。もちろん,これに限られず,前記ディスクドライブユニット21が前記背面側筐体10に装着されたときに該ディスクドライブユニット21が前記ガスケット31に接触し得る構成であれば,例えば前記ドライブシャーシの端面が前記カバー部材22の端面よりも突出する構成,或いはその逆の構成であってもかまわない。
そして,前記ディスクドライブユニット21と一体となった前記カバー部材22は,該カバー部材22に形成された厚肉部22bの貫通孔にビス30を挿通させ,該ビス30を前記装着部13に形成されたネジ孔に螺着することによって前記背面側筐体10に固定される。
このようにして前記液晶テレビXの背面側筐体10に前記ディスクドライブユニット21及びカバー部材22が装着されると,図3(c)に示すように,前記液晶テレビX及び前記ディスクドライブユニット21の間に介在する前記ガスケット31は,前記開口10aを通じて前背面側筐体10の内側の前記シールドケース12と前記背面側筐体10の外側の前記ドライブシャーシとに接触する。このとき,前記ガスケット31は,前記ディスクドライブユニット21のドライブシャーシと前記液晶テレビXのシールドケース12との間に挟まれて弾性変形することにより前記ドライブシャーシ及び前記シールドケース12に密着する。これにより,前記シールドケース12及び前記ドライブシャーシが前記ガスケット31を介して電気的に接続されることになり,即ち前記液晶テレビX及び前記ディスクドライブユニット21各々のグランドが前記ガスケット31によって電気的に接続されることになる。
以上説明したように,前記液晶テレビXでは,前記ドライブシャーシ及び前記シールドケース12が前記ガスケット31を介して電気的に接続されるため,前記ハーネスだけで前記ディスクドライブユニット21及び前記液晶テレビX各々のグランドが接続される場合に比べて,前記ディスクドライブユニット21及び前記液晶テレビXの間の接地インピーダンスを低下させることができ,前記ディスクドライブユニット21からの不要電磁波輻射を効果的に抑制することができる。
また,前記ガスケット31による熱伝導率は,前記ディスクドライブユニット21のドライブシャーシや前記液晶テレビXのシールドケース12に比べて低いため,これらを直接接触させる場合に比べて,前記液晶テレビXから前記ディスクドライブユニット21への熱の影響(伝熱量)を抑制することができ,該ディスクドライブユニット21の使用条件である規格内温度環境を確保することも可能である。
さらに,熱伝導率が高く高温に達する前記液晶テレビXのシールドケース12の一部を外部に突出させる必要がなく,熱伝導率の低い前記ガスケット31だけを露出させておけばよい。そのため,仮に前記ディスクドライブユニット21を取り外した状態で前記液晶テレビXを稼働させた場合であっても,ユーザやサービスマンが火傷などを負う危険を回避することができ,安全対策上の観点から好適である。
本実施例1では,前記液晶テレビXから前記ディスクドライブユニット21への高温の空気の流れを防止するための構造について説明する。ここに,図5は,本実施例2に係る前記液晶テレビジョン受像機Xにおけるディスクドライブユニット21の取り付け構造を説明するための図である。なお,以下の実施例1〜4では,前記実施の形態において図1〜図3を用いて説明した構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付してその説明を省略する。
図5(a)に示すように,前記ディスクドライブユニット21を前記液晶テレビXの背面側筐体10の装着部13に装着したときに,該装着部13に形成された前記開口10aが前記ガスケット31によって閉塞されず,該開口10aに隙間が形成される場合には,前記液晶テレビXから前記ディスクドライブユニット21に向けて高温の空気が流れることになる。この場合には,前記液晶テレビXから前記ディスクドライブユニット21への熱の影響を抑制する効果が低くなる。
そこで,図5(b),(c)に示すように,前記ガスケット31が,前記ディスクドライブユニット21及び前記液晶テレビXのシールドケース12によって挟まれることにより弾性変形して前記開口10aを閉塞するように十分な厚みを有することが望ましい。
これにより,前記ディスクドライブユニット21が前記背面側筐体10の装着部13に装着されると,前記ガスケット31の弾性変形によって前記開口10aが閉塞されるため,前記液晶テレビXから前記ディスクドライブユニット21への高温の空気の流れを防止することができる。従って,前記液晶テレビXから前記ディスクドライブユニット21への熱の影響を,より効果的に抑制することができる。
本実施例2では,前記ガスケット31を弾性変形させて前記開口10aを閉塞するための構造の他の例について説明する。ここに,図6は,本実施例3に係る前記液晶テレビジョン受像機Xにおけるディスクドライブユニット21の取り付け構造を説明するための図である。
図6(a)に示すように,本実施例3に係る取り付け構造では,前記背面側筐体10の装着部13に形成された開口10aの内径が前記ガスケット31の外径よりも小さい。
従って,前記背面側筐体10が前記液晶テレビXに装着されると,図6(b)に示すように,前記ガスケット31は,前記装着部13の開口10aの縁部と前記シールドケース12との間に挟まれることによって弾性変形し,その一部が前記開口10aを通じて外部に突出することになる。
そして,前記背面側筐体10の開口10aから突出した前記ガスケット31の一部は,前記ディスクドライブユニット21が前記背面側筐体10に装着されることによって該ディスドライブ21のドライブシャーシに接触し,該ドライブシャーシと前記液晶テレビXのシールドケース12とを電気的に接続する。このような構成においても,前記ディスクドライブユニット21及び前記液晶テレビXの間の接地インピーダンスを低下させることができる。
さらに,当該構成では,前記ガスケット31が,前記装着部13の開口10aの縁部と前記シールドケース12との間に挟まれて弾性変形することにより前記開口10aを閉塞することになるため,前記液晶テレビXから前記ディスクドライブユニット21への高温の空気の流れを防止することができ,前記液晶テレビXから前記ディスクドライブユニット21への熱の影響を効果的に抑制することができる。
本実施例3では,前記実施例1及び前記実施例2に係る構造の変形例について説明する。
前記実施例1や前記実施例2のように前記ガスケット31を弾性変形させて前記装着部13の開口10aを閉塞する構造では,図7(a)又は図7(c)に示すように,前記開口10aが,前記背面側筐体10の外側から内側に向けて拡開するように傾斜10b又は段差10cを有するものであることが望ましい。即ち,前記背面側筐体10の開口10aが該背面側筐体10の内側に向けて徐々に拡がるように形成されている。もちろん,前記段差10cは更に多段の段差であってもよい。
これにより,図7(b)又は図7(d)に示すように,前記背面側筐体10及び前記ディスクドライブユニット21が前記液晶テレビXに装着され,前記ガスケット31が前記背面側筐体10と前記シールドケース12との間に挟まれて弾性変形し,前記開口10aを閉塞するとき,該ガスケット31と前記開口10a内面との接触面積が広くなる。従って,前記開口10aの密閉度を高めることができ,前記液晶テレビXからの高温の空気の漏れをより確実に防止し得る。
特に,前記実施例3の構造においては,前記開口10aが前記傾斜10b又は前記段差10cを有することにより,前記ガスケット31の弾性変形がその傾斜10bや段差10cに沿ってなされ,前記ガスケット31の一部が前記開口10aから外部に突出しやすくなるという効果を奏する。
本実施例4では,前記液晶テレビXから前記ディスクドライブユニット21への熱の影響をより効果的に抑制するための取り付け構造について説明する。
ここに,図8は液晶テレビジョン受像機Xにおけるディスクドライブユニット21の取り付け構造の他の例を説明するための模式断面図であって,図8(a)はディスクドライブユニット21及びカバー部材22を背面側筐体10に装着する前の状態,図8(b)はディスクドライブユニット21及びカバー部材22を背面側筐体10に装着した後の状態を示している。また,図8(c)は背面側筐体10を背面側から見たときの断熱用の窪み13aとディスクドライブユニット21との重なり合いの関係の一例を表している。
図8(a)に示すように,本実施例1に係る背面側筐体10の装着部13には,前記ディスクドライブユニット21に対向する面に断熱用の窪み13aが形成されている。これにより,前記ディスクドライブユニット21が前記背面側筐体10の装着部13に取り付けられたときには,図8(b)に示すように,前記ディスクドライブユニット21と前記背面側筐体10の装着部13における前記断熱用の窪み13aよりも1段隆起した部分とが接することにより,該断熱用の窪み13aが密閉されることになる。
具体的に,図8(c)に示す例では,前記断熱用の窪み13aの面積が,前記ディスクドライブユニット21における前記背面側筐体10の装着部13への対向面の面積の約3/4の領域を占めている。即ち,前記ディスクドライブユニット21における前記対向面の残りの約1/4の部分のみが,前記背面側筐体10の装着部13における前記断熱用の窪み13aの周囲の部分に接する。これにより,密閉された前記断熱用の窪み13aには,例えば空気が充填された状態となる。なお,密閉された前記断熱用の窪み13aに,空気よりも熱伝導率の低い物質が充填されることも考えられる。
このように構成された本実施例1に係る取り付け構造によれば,前記ディスクドライブユニット21で密閉された前記断熱用の窪み13aの領域が,前記背面側筐体10と前記ディスクドライブユニット21との間に形成される断熱層となるため,高温な前記液晶テレビX内部から前記ディスクドライブユニット21への熱伝達が大幅に遮られる。
また,図8(a)に示すように,前記ディスクドライブユニット21が前記液晶テレビXに装着されたときに該ディスドライブ21が前記ガスケット31に接触するように,前記ガスケット31として,該ガスケット31の一部が前記装着部13における前記窪み13aの周囲の部分よりも外部に突出するような十分な厚みを有するものが採用される。これにより,前記ディスドライブ21が前記液晶テレビXに装着されたとき,該ディスドライブ21が前記ガスケット31に接触することとなるため,前記ディスドライブ21及び前記液晶テレビXの間の接地インピーダンスを低下させるという効果も維持される。
本発明は,液晶テレビジョン受像機などのディスクドライブ搭載型表示装置への利用が可能である。
X :液晶テレビジョン受像機
1 :液晶パネル
10 :背面側筐体
10a:開口
10b:傾斜
10c:段差
11 :シャーシ
12 :シールドケース
13 :装着部
13a:断熱用の窪み
21 :ディスクドライブ
22 :カバー部材
22a:ビス受部
22b:厚肉部
23 :取付金具
24,25,30:ビス
31 :導電性ガスケット
31a:芯材
31b:被覆部材

Claims (4)

  1. 映像を表示する映像表示パネルと、導電性を有する接地部材と、該接地部材を覆う非導電性の筐体とを備える表示ユニットにおいて、
    導電性及び弾性を有し、しかも金属材料よりも熱伝導率が低い一又は複数の導電性弾性部材を備え、
    前記筐体は、他の機器が装着されるための装着部を有し、
    該装着部には、一又は複数の開口が形成されており、
    前記導電性弾性部材は、前記開口の位置に配置され、前記接地部材に接触しており、前記機器が前記装着部に装着された場合は一部分が前記開口から突出して前記機器に接触するような大きさであり、
    前記開口は、前記筐体の外側から内側に向けて拡開する形状に形成されてあること
    を特徴とする表示ユニット。
  2. 前記導電性弾性部材は、前記機器が前記装着部に装着された場合は弾性変形により前記開口を閉塞するような大きさであること
    を特徴とする請求項1に記載の表示ユニット。
  3. 前記導電性弾性部材は、非導電性で弾性を有する芯材を導電性の被覆部材で被覆して形成されてあること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の表示ユニット。
  4. 請求項1からまでの何れか一つに記載の表示ユニットと、
    テレビジョン放送を受信する手段と
    を備えることを特徴とするテレビジョン受像機。
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