JP5203898B2 - 苛性化工程で製造された軽質炭酸カルシウムのスラリー製造方法 - Google Patents
苛性化工程で製造された軽質炭酸カルシウムのスラリー製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5203898B2 JP5203898B2 JP2008291694A JP2008291694A JP5203898B2 JP 5203898 B2 JP5203898 B2 JP 5203898B2 JP 2008291694 A JP2008291694 A JP 2008291694A JP 2008291694 A JP2008291694 A JP 2008291694A JP 5203898 B2 JP5203898 B2 JP 5203898B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- calcium carbonate
- pulverization
- light calcium
- medium
- particle size
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Paper (AREA)
- Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
- Crushing And Grinding (AREA)
Description
一般的な重質炭酸カルシウムの粉砕方法として、粉砕容器内部に粉砕媒体(ビーズ)と、被粉砕物を液体に混ぜたスラリーを充填し、粉砕容器中央の回転軸を回転させることによりビーズと被粉砕物を衝突させることによって微粉砕を行う装置(ビーズミル)がある。従来はビーズミルで処理されたスラリーを別のタンクで受けるパス方式の横型ビーズミルを用いていたが、粗粒子及び過粉砕による超微粒子が多くなり粉砕後の粒度分布がシャープにならなかった。
たはソーダ法によるパルプ製造工程の苛性化工程で製造されたものを使用する。
[軽質炭酸カルシウムの製造方法]
軽質炭酸カルシウムの製造方法としては、(1)石灰の焼成装置その他から得られる二酸化炭素を含有したガスと石灰乳との反応、(2)アンモニアソーダ法における炭酸アンモニウムと塩化カルシウムとの反応、(3)炭酸ナトリウムの苛性化によって水酸化ナトリウムを製造する石灰乳と炭酸ナトリウムとの反応等が知られている。これらの方法のうち、(2)(3)においては、その主生産物を得る製造法が新たな方法に転換されたり、炭酸カルシウムが副産物であることから不純物含量が多いなど、その利用方法についてはあまり検討されていない。
[炭酸ガス法]
一方(1)は、反応系が比較的単純(水、消石灰、炭酸ガス)であり、様々な用途毎に目的に合った炭酸カルシウムを製造する方法等について広く研究が進み、石灰メーカーから市販されている商品もいくつか見られる。しかしながら、メーカーからの直接購入では輸送費コストがかさみ、トータルコストが高くなる欠点がある。また、オンサイト炭酸ガス法ではキルン排ガスを利用すれば、安価に高品質な炭酸カルシウムを製造できるが、設備投資に巨額の費用がかかる問題がある。
[苛性化法]
そこで考えられるのが、硫酸塩法又はソーダ法によるパルプ製造工程において、蒸解薬品を回収・再生する苛性化工程で白液を製造する際に副生する炭酸カルシウムを製紙用原料として使用する方法である。この方法であれば、既にある設備を利用でき、設備投資額が最小ですむ利点がある。
[苛性化工程]
硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造工程においては、木材の繊維素を単離するために水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムとを混合した薬液を用いて高温、高圧下で蒸解する。そして、繊維素は固層として分離精製されてパルプとなり、薬液および木材からの繊維素以外の溶出成分はパルプ廃液(黒液)として回収され、回収ボイラーで燃焼可能な濃度まで濃縮される。さらに、一連の過程で失われたナトリウム分と硫黄分を補給するために硫酸ナトリウムが添加された後、回収ボイラーで燃焼される。その際、黒液中の有機物質は熱源として、無機物質は主として炭酸ナトリウムおよび硫化ナトリウムとして回収されるが、これらの無機物はスメルトと呼ばれ溶融状態で回収ボイラーから取り出される。回収ボイラーから取り出されたスメルトは、水または弱液(炭酸カルシウムを水洗浄した後に得られる、白液成分を微量含んだ液)で溶解されて緑液となる。
[苛性化反応]
苛性化工程とは、緑液中の炭酸ナトリウムを蒸解薬品である水酸化ナトリウムに変えるための工程であり、生石灰を消石灰に変える消和反応(1)と、消石灰と緑液を混合し水酸化ナトリウムと炭酸カルシウムを生成する苛性化反応(2)よりなる。苛性化反応によって得られた液は白液と呼ばれ、炭酸カルシウムと分離、清澄化されて蒸解工程へ送られる。本発明では分離回収し、十分洗浄された炭酸カルシウムを使用する。
Ca(OH)2+ Na2CO3 → CaCO3+ 2NaOH (2):苛性化反応
[苛性化反応の特徴]
この炭酸カルシウムは主産物である白液を製造する際の副産物であるため、従来の石灰乳と炭酸ガスとの反応による方法で得られる軽質炭酸カルシウムに比べて既にある設備を利用でき、設備投資額が最小ですむ利点がある。また、従来閉鎖系にある苛性化工程のカルシウム(生石灰、消石灰、炭酸カルシウム)循環サイクルから炭酸カルシウムを系外に抜き取ることによって、系内の清浄および循環石灰の高純度化が達成され、上記(1)(2)の反応性向上や白液の清澄性の向上、さらには廃棄物の低減が期待できる。
[脱水濃縮、平均粒子径]
本発明で使用される軽質炭酸カルシウムは圧搾、吸引、遠心分離方式などの脱水装置に
よって脱水濃縮されたケーキ状、スラッジ状のものが使用される。また、苛性化工程で得られる塊状の軽質炭酸カルシウムの平均粒子径は、顔料用途で使用できる73%濃度以上まで濃縮できれば特に限定されないが、レーザー透過式粒度分布測定装置(マスターサイザー2000、マルバーン社製)の値で10〜30μmが好ましく、更に好ましくは10〜20μmが好ましい。
[スラリー化]
このようにして得られた苛性化軽質炭酸カルシウム湿り粉体をスラリー化する方法として、円筒形の容器と棒状の攪拌アームからなり、3〜10ミリのボールを充填、攪拌して分散と粉砕を同時に行えるアトライターや高速攪拌羽根を装備した高濃度分散装置等を適宜使用できる。
[分散剤]
また、分散剤と希釈水は一括または分割しながら添加することで、スラリー粘度や濃度を調整できる。顔料分散液中に使用する分散剤としては、一般に製紙用として使用されているポリアクリル酸塩、リグニンスルホン酸塩等が挙げられ、これらのうち1種類以上を必要に応じて選択して使用する。このスラリー化での軽質炭酸カルシウムの平均粒子径はビーズ径、処理時間などで任意に調整でき、この粗粉砕後の平均粒子径は、レーザー透過式粒度分布測定装置(マスターサイザー2000、マルバーン社製)の値で1〜30μmが好ましく、さらに好ましくは1〜10μmが好ましい。粗粉砕後のスラリー濃度は65〜80%が好ましい。
また、顔料分散液中に使用する分散剤としては、一般に製紙用として使用されるポリアクリル酸ソーダ、リグニンスルホン酸ソーダ、リン酸塩およびそれらの変性物等が挙げられ、これらのうち一種類以上を必要に応じて選択して使用することができ、分散剤の使用量は、顔料100重量部に対して0.7〜2.0重量部が好ましく、さらに好ましくは顔料100重量部に対して0.9〜1.8重量部が好ましい。苛性化軽質炭酸カルシウムは重質炭酸カルシウムと比較して高アルカリ性であり、凝集性、疎水性が極めて高いために顔料分散液の粘度が非常に高く、粉砕時の粉砕機負荷が大きくなり過ぎるばかりか、場合によっては粉砕機中に充填されている媒体の割れや磨耗が著しくなるなどの問題を生じてしまう。また、粉砕が進行するに従って顔料分散液粘度が急上昇するため、重質炭酸カルシウム粉砕時と比較してより多くの分散剤使用量が必要となる。
[粉砕機]
本発明に用いる粉砕機1は、連続式の媒体撹拌型湿式粉砕機であって、筒状をなすとともに両端が閉塞された粉砕容器2と、粉砕容器2の内部に回転可能に設けられるとともに、粉砕容器2の内部に位置する処理物と粉砕媒体とを撹拌する撹拌部材18a及び撹拌部材18bと、粉砕容器2の内部に設けられるとともに粉砕容器2の内部の処理物と粉砕媒体とを分離する筒状のセパレータ13とから構成されている。
[粉砕容器]
粉砕容器2は、一端が閉塞された筒状の容器本体3と、この容器本体3の他端開口部を閉塞する円盤状の蓋6とを有している。
処理物を苛性化軽質炭酸カルシウムとする場合は、粉砕容器2のL/D比が0.6より大きく1.2以下となるものを選定する。なお、Lは軸方向の長さ、Dは直径である。L/D比を1.2以下とすることにより、媒体の偏析現象を抑制する傾向となる。また、0.6よりも大きくすることにより、撹拌部材18の作用範囲を確保できるようになる。好ましくは、L/D比が0.8より大きく1.0以下とすることにより、さらに上記のそれぞれの効果は顕著となる。
[セパレータ]
セパレータ13は、筒状の内側リング14と、筒状の外側リング15と、両リング14、15間に設けられる断面が楔状の複数の棒鋼16、16…とから構成されている。棒鋼16は、内径側が大径となっていて、外側リング15と内側リング14との間に所定の間隔で設けられている。内側リング14と外側リング15との間に複数の棒鋼16、16…を設けることで、隣接する棒鋼16、16間で内径側から外径側にかけて間隔が順次大きくなるような楔状のスリット17、17…が形成され、これらのスリット17、17…を介して内側室9と外側室10との間が相互に連通するものである。なお、内側リング14および外側リング15には各スリット17に通じる複数の孔が設けられている。
[撹拌部材]
撹拌部材18は、一端が閉塞された筒状で、粉砕容器2の内側室9内に回転可能にまた軸方向に二個、撹拌部材18a及び撹拌部材18bが設けられ、撹拌部材18の筒状の部分の外周側には、全周に渡って凹部19、凸部20が交互に設けられている。各凹部19には貫通孔21が設けられ、この貫通孔21を介して撹拌部材18の径方向の内外間において処理物および粉砕媒体が相互に流動する。撹拌部材18の閉塞されている一端には複数の貫通孔22が設けられている。この貫通孔22は、撹拌部材18の軸心を中心とする同心円状に所定の間隔で位置し、この貫通孔22を介して撹拌部材18a及び撹拌部材18bの内外部間において処理物および粉砕媒体が相互に流動する。
分散部材25の頭部には全周に渡って凹部、凸部が交互に設けられ(図示せず。)、この凹部、凸部によって前記供給口11から粉砕容器2の内側室9に供給された処理物、および内側室9に位置する粉砕媒体が径方向の外方に分散される。
[処理システム]
この媒体攪拌型湿式分散機は、図2に示すような処理システムで使用されている。すなわち、処理システム140は、分散機110と処理物のサービスタンク141及び循環ポンプ142を、循環ライン143で接続したものである。サービスタンク141に投入された処理物は、循環ポンプ142によって循環ライン143を循環し、分散機110によって繰り返し分散処理を受けることになる。この結果、系内の処理物全体について分散処理が進行することになる。
[媒体充填率]
なお、粉砕媒体の充填率は出来る限り高いほうが好ましいが、充填率が高すぎる場合は粉砕室内での媒体の動きが制限されるため粉砕効率を低下させることがある。そのため、粉砕媒体の充填率は70〜90%が好ましく、さらに好ましくは、75〜85%が好ましい。
[ローター回転数]
また、ローター(撹拌部材)回転数についても出来る限り高いほうが好ましいが、ローター回転数が高すぎる場合は粉砕機の粉砕機負荷が大きくなり過ぎるばかりか、場合によっては粉砕機中に充填されている媒体の割れや磨耗が著しくなることがある。よってローター回転数は、ローター外径が196mmの場合、700〜1200min−1が好ましく、さらに好ましくは800〜1000min−1が好ましい。
ルシウムを用いた。この湿り粉体50部と重質炭酸カルシウム50部を混合した顔料分散液、または塊状軽質炭酸カルシウム100部の顔料分散液に、それぞれポリアクリル酸系分散剤を1.6〜3.6部と水を一括添加し、アトライター(三井鉱山社製)にて濃度73%、平均粒子径7μmなるよう粗粉砕した。この処理で得られた粗スラリーを7.4Lの粉砕室を有するダブルローター型SCミルLSC220(三井鉱山社製)に定量ポンプで一定量送液し湿式粉砕した。
定した。また、マスターサイザー2000(マルバーン社製)を用いて、重量累積分布の50%点を平均粒子径として算出し、また、セディグラフ(マイクロメリテックス製)を用いて粒度分布についても測定した。また、マイクロメリティックス・ジェミニ2360(島津社製)を用いてBET比表面積を測定した。
〔実施例1〕
苛性化工程で製造された軽質炭酸カルシウム(以下、苛性化軽カルという。)を50部、重質炭酸カルシウム(三共精粉、平均粒子径13μm)を50部配合した顔料分散液に
ポリアクリル酸系分散剤を1.6部添加したものを平均粒子径7μmまで粗スラリー化した後、ダブルローター型SCミルLSC220でビーズ充填率90%、ローター回転数800min−1で平均粒子径が0.4μmとなるまで湿式粉砕した。そのときの動力原単位は165kW・h/tであり、B型粘度は3900mPa・sであり、比表面積は15.7m2/
gであった。
〔実施例2〕
苛性化軽カルを100部配合した顔料分散液にポリアクリル酸系分散剤を1.6部添加したものを平均粒子径7μmまで粗スラリー化した後、ダブルローター型SCミルLSC220でビーズ充填率85%、ローター回転数800min−1で平均粒子径が0.4μmとなるまで湿式粉砕した。そのときの動力原単位は171kW・h/tであり、B型粘度は4600
mPa・sであり、比表面積は11.1m2/gであった。
〔実施例3〕
苛性化軽カルを100部配合した顔料分散液にポリアクリル酸系分散剤を1.6部添加したものを平均粒子径7μmまで粗スラリー化した後、ダブルローター型SCミルLSC220でビーズ充填率80%、ローター回転数900min−1で平均粒子径が0.4μmとなるまで湿式粉砕した。そのときの動力原単位は171kW・h/tであり、B型粘度は4900
mPa・sであり、比表面積は11.2m2/gであった。
〔実施例4〕
苛性化軽カルを100部配合した顔料分散液にポリアクリル酸系分散剤を1.6部添加したものを平均粒子径7μmまで粗スラリー化した後、ダブルローター型SCミルLSC220でビーズ充填率70%、ローター回転数1000min−1で平均粒子径が0.4μmとなるまで湿式粉砕した。そのときの動力原単位は193kW・h/tであり、B型粘度は500
0mPa・sであり、比表面積は12.4m2/gであった。
〔実施例5〕
苛性化軽カルを100部配合した顔料分散液にポリアクリル酸系分散剤を1.6部添加したものを平均粒子径7μmまで粗スラリー化した後、ダブルローター型SCミルLSC220でビーズ充填率85%、ローター回転数800min−1で平均粒子径が1.0μmとなるまで湿式粉砕した。そのときの動力原単位は111kW・h/tであり、B型粘度は900m
Pa・sであり、比表面積は7.9m2/gであった。
〔比較例1〕
苛性化軽カルを50部、重質炭酸カルシウム(三共精粉、平均粒子径13μm)を50部配合した顔料分散液にポリアクリル酸系分散剤を2.6部添加したものを平均粒子径7μmまで粗スラリー化した後、シングルローター型SCミルSC220でビーズ充填率90%、
ローター回転数800min−1で平均粒子径が0.4μmとなるまで湿式粉砕した。そのときの動力原単位は226kW・h/tであり、B型粘度は7500mPa・sであり、比
表面積は18.6m2/gであった。
〔比較例2〕
苛性化軽カルを100部配合した顔料分散液にポリアクリル酸系分散剤を2.6部添加したものを平均粒子径7μmまで粗スラリー化した後、シングルローター型SCミルSC220
でビーズ充填率85%、ローター回転数800min−1で平均粒子径が0.4μmとなるまで湿式粉砕した。そのときの動力原単位は238kW・h/tであり、B型粘度は870
0mPa・sであり、比表面積は13.1m2/gであった。
〔比較例3〕
苛性化軽カルを100部配合した顔料分散液にポリアクリル酸系分散剤を2.6部添加したものを平均粒子径7μmまで粗スラリー化した後、シングルローター型SCミルSC220
でビーズ充填率80%、ローター回転数900min−1で平均粒子径が0.4μmとなるまで湿式粉砕した。そのときの動力原単位は237kW・h/tであり、B型粘度は820
0mPa・sあり、比表面積は13.8m2/gであった。
〔比較例4〕
苛性化軽カルを100部配合した顔料分散液にポリアクリル酸系分散剤を2.6部添加
したものを平均粒子径7μmまで粗スラリー化した後、シングルローター型SCミルSC220
でビーズ充填率70%、ローター回転数1000min−1で平均粒子径が0.4μmとなるまで湿式粉砕した。そのときの動力原単位は285kW・h/tであり、B型粘度は89
00mPa・sであり、比表面積は13.5m2/gであった。
〔比較例5〕
苛性化軽カルを100部配合した顔料分散液にポリアクリル酸系分散剤を2.6部(表は1.6部)添加したものを平均粒子径7μmまで粗スラリー化した後、シングルローター型SCミルSC220でビーズ充填率85%、ローター回転数1000min−1で平均粒子径が
0.4μmとなるまで湿式粉砕した。そのときの動力原単位は247kW・h/tであり、B型粘度は10000mPa・s以上(測定不能)であり、比表面積は13.7m2
/gであった。
〔比較例6〕
苛性化軽カルを100部配合した顔料分散液にポリアクリル酸系分散剤を3.6部添加したものを平均粒子径7μmまで粗スラリー化した後、横型サンドグラインダー(三井鉱山社製)でビーズ充填率90%、ローター回転数800min−1で平均粒子径が0.4μmとなるまで湿式粉砕した。そのときの動力原単位は350kW・h/tであり、B型粘度
は7100mPa・sであり、比表面積は17.1m2/gであった。
〔試験結果〕
1.B型粘度について
表1の実施例1〜4から、本発明の粉砕機(L/D比が0.9のダブルローター)によれば、苛性化軽カルを50重量%以上配合して、平均粒子径を0.4μmとなるまで湿式粉砕しても、スラリーのB型粘度は3900〜5000mPa・sの範囲となります。
比較すると、約半減しており操業性に優れる。当然のことながら、粘度が上昇しないため、動力原単位も小さくなっている。
2.粒子径分布について
図3から、実施例2の本発明の粉砕機によるスラリーの固形分の粒子径分布は、同じ平均粒子径であっても、従来型の粉砕機によるものと比較すると、狭い粒子範囲(いわゆるシャープな粒子分布で粒子径が揃った状態)になっており、微細粒のものや粒子径大のものが少なく、塗工顔料に使用するに当って良好である。
2 粉砕容器
3 容器本体
4 ボス
6 蓋
8 軸受け
9 内側室
10 外側室
11 供給口
12 排出口
13 セパレータ
14 内側リング
15 外側リング
16 棒鋼
17 スリット
18 撹拌部材
18a 撹拌部材
18b 撹拌部材
19 凹部
20 凸部
21 貫通孔
22 貫通孔
24 駆動軸
25 分散部材
110 媒体攪拌型湿式分散機
140 処理システム
141 サービスタンク
142 循環ポンプ
143 循環ライン
Claims (5)
- パルプ製造工程の苛性化工程で製造された軽質炭酸カルシウムを湿式粉砕して塗工用顔料を得るためのスラリーの製造方法であって、
苛性化軽質炭酸カルシウムをスラリー化して平均粒子径が1〜10μmの粗スラリーを得て、その粗スラリーを媒体撹拌型粉砕装置に供給して充填率70〜90%にて粉砕媒体の存在下で粉砕処理することを特徴とし、
該媒体撹拌型粉砕装置が、筒状をなすとともに両端が閉塞した粉砕容器と、該粉砕容器の内部に、軸線をほぼ一致させた状態で設けられ、内部を径方向に2区画して内側室と外側室とを形成するとともに、両室間を連通する複数のスリットが周面の少なくとも一部に設けられている筒状のセパレータと、前記内側室の内部に粉砕容器と軸線をほぼ一致させた状態で回転可能に設けられた撹拌部材と、前記内側室に処理物を供給させるための供給口とを具えたことを特徴とし、前記粉砕容器の軸線方向の長さ(L)と直径(D)との比(L/D比)が0.6より大きく1.2以下のダブルローターとなるように構成された媒体撹拌型粉砕装置である、上記方法。 - 粗スラリー化する前の炭酸カルシウムの平均粒子径が10〜30μmである、請求項1に記載の方法。
- 媒体撹拌型粉砕装置に供給される前の前記軽質炭酸カルシウムが、全顔料の重量基準で50重量%以上含有されている、請求項1または2に記載の方法。
- 前記軽質炭酸カルシウムが、塊状でカルサイト結晶構造を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 前記L/D比が、0.8より大きく1.0以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008291694A JP5203898B2 (ja) | 2007-11-21 | 2008-11-14 | 苛性化工程で製造された軽質炭酸カルシウムのスラリー製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007301468 | 2007-11-21 | ||
JP2007301468 | 2007-11-21 | ||
JP2008291694A JP5203898B2 (ja) | 2007-11-21 | 2008-11-14 | 苛性化工程で製造された軽質炭酸カルシウムのスラリー製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009144312A JP2009144312A (ja) | 2009-07-02 |
JP5203898B2 true JP5203898B2 (ja) | 2013-06-05 |
Family
ID=40915239
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008291694A Active JP5203898B2 (ja) | 2007-11-21 | 2008-11-14 | 苛性化工程で製造された軽質炭酸カルシウムのスラリー製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5203898B2 (ja) |
CN (1) | CN101508145A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105745181A (zh) * | 2013-11-28 | 2016-07-06 | 吉野石膏株式会社 | 石膏浆、石膏硬化体、石膏系建材、石膏板、石膏浆的制造方法、石膏硬化体的制造方法、石膏系建材的制造方法、石膏板的制造方法 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5274049B2 (ja) * | 2008-02-26 | 2013-08-28 | 日本製紙株式会社 | 軽質炭酸カルシウムの粉砕方法 |
JP5274077B2 (ja) * | 2008-03-31 | 2013-08-28 | 日本製紙株式会社 | 苛性化工程で製造された軽質炭酸カルシウムのスラリーの製造方法 |
CN103706444B (zh) * | 2013-12-20 | 2016-08-17 | 广东派勒智能纳米科技股份有限公司 | 一种纳米珠磨机 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3879306B2 (ja) * | 1999-02-17 | 2007-02-14 | 日本製紙株式会社 | 軽質炭酸カルシウムの粉砕方法 |
JP2004026639A (ja) * | 2002-04-30 | 2004-01-29 | Oji Paper Co Ltd | 炭酸カルシウムの製造方法 |
JP5046557B2 (ja) * | 2006-05-22 | 2012-10-10 | 日本コークス工業株式会社 | メディア攪拌型湿式分散機及び微粒子の分散方法 |
-
2008
- 2008-11-14 JP JP2008291694A patent/JP5203898B2/ja active Active
- 2008-11-21 CN CNA2008101910920A patent/CN101508145A/zh active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105745181A (zh) * | 2013-11-28 | 2016-07-06 | 吉野石膏株式会社 | 石膏浆、石膏硬化体、石膏系建材、石膏板、石膏浆的制造方法、石膏硬化体的制造方法、石膏系建材的制造方法、石膏板的制造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN101508145A (zh) | 2009-08-19 |
JP2009144312A (ja) | 2009-07-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2389689C2 (ru) | Способ и устройство для производства продукта, содержащего карбонат кальция, данный продукт и его применение | |
US4793985A (en) | Method of producing ultrafine ground calcium carbonate | |
US10435482B2 (en) | Re-dispersed microfibrillated cellulose | |
AU747174B2 (en) | Apparatus and process for the preparation of precipitated calcium carbonate | |
JP5203898B2 (ja) | 苛性化工程で製造された軽質炭酸カルシウムのスラリー製造方法 | |
CN105000570B (zh) | 一种超细低电导率煅烧高岭土的生产方法 | |
JP2013536154A (ja) | 予備消和による石灰苛性化生成物の明度改善 | |
EP2900761B1 (en) | Method for producing basic products from ash, in particular paper ash | |
JP2008230898A (ja) | 軽質炭酸カルシウム含有スラリーの製造方法及びそれを用いた塗工紙 | |
US20150259767A1 (en) | Method for producing basic products for use as e.g. alkalizing agent (soda lye substitute), for ground stabilization or as filler/pigment | |
JP5274049B2 (ja) | 軽質炭酸カルシウムの粉砕方法 | |
FI100237B (fi) | Menetelmä ja laitteisto kalsiumkarbonaatin valmistamiseksi | |
JP5673072B2 (ja) | 軽質炭酸カルシウムの製造方法 | |
JP5274077B2 (ja) | 苛性化工程で製造された軽質炭酸カルシウムのスラリーの製造方法 | |
JP5009024B2 (ja) | 軽質炭酸カルシウムの粉砕方法 | |
JP3879306B2 (ja) | 軽質炭酸カルシウムの粉砕方法 | |
TWI460331B (zh) | And a method for producing a slurry of light calcium carbonate by a causticizing step | |
JP5203776B2 (ja) | 苛性化工程で製造された軽質炭酸カルシウムのスラリーの製造方法及び前記スラリーを含有する塗工液を塗工した紙 | |
JP2004026639A (ja) | 炭酸カルシウムの製造方法 | |
JP4698994B2 (ja) | 炭酸カルシウムスラリーの製造方法 | |
JP5117749B2 (ja) | 炭酸カルシウムの製造方法 | |
JP5314295B2 (ja) | 炭酸カルシウムの製造方法 | |
JP2010132522A (ja) | 炭酸カルシウムの製造方法 | |
JP2009243023A (ja) | 印刷用塗工紙の製造方法 | |
JP2009179520A (ja) | 炭酸カルシウムの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110810 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120925 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120927 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121115 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130116 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130214 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5203898 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160222 Year of fee payment: 3 |