JP5203403B2 - ラックマウント型のオーディオモニタ - Google Patents
ラックマウント型のオーディオモニタ Download PDFInfo
- Publication number
- JP5203403B2 JP5203403B2 JP2010027309A JP2010027309A JP5203403B2 JP 5203403 B2 JP5203403 B2 JP 5203403B2 JP 2010027309 A JP2010027309 A JP 2010027309A JP 2010027309 A JP2010027309 A JP 2010027309A JP 5203403 B2 JP5203403 B2 JP 5203403B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- speaker
- sound
- audio monitor
- bass
- emitted
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Details Of Audible-Bandwidth Transducers (AREA)
- Obtaining Desirable Characteristics In Audible-Bandwidth Transducers (AREA)
Description
例えば放送局等では、オーディオ音質等の確認,監視,チェック,分析,指示用に、オーディオモニタが使用されている。
そして、この種のオーディオモニタは、上下多段のラック内の狭小スペースにマウント収納可能となっており、高さや横幅等が、規格サイズに規制されている。
この規格サイズとしては、EIA(米国電子機械工業会)の国際標準規格が一般的であり、この規格サイズのもとオーディオモニタも、高さが40mm〜45mm程度、横幅が420mm〜450mm程度で、奥行きDが200mm〜400mm程度となっている。
さて、従来より一般的なラックマウント型のオーディオモニタにあっては、その前面パネルに、表示器類,操作部材,スピーカ等のすべてを配設しなければならず、規格サイズ規制に鑑み、スピーカサイズや個数が著しく制約されていた。
図4の(1)図は、この種のラックマウント型のオーディオモニタの従来例1を示す。この従来例1のオーディオモニタ1では、ユニットケース2の前面パネル3の左右両サイドに、中高音用スピーカ4が、直接取付けにて内部配設されていた。
すなわち、上述した規格サイズ規制もとでは、中高音用スピーカ4(例えば径35mm〜40mmの丸型スピーカや、縦横35mm×80mmの楕円スピーカ)が、全周波数用のフルレンジスピーカとして使用されており、高音域から低音域まですべての音域をカバーしていた。
図中、5はメータやランプ等の表示器類、6はスイッチ,ボリューム等の操作部材であり、これらの表示器類5や操作部材6は、前面パネル3中央部に配設されている。
他方、図4の(2)図は、ラックマウント型のオーディオモニタの従来例2を示す。この従来例2のオーディオモニタ7では、中高音用スピーカ8に加え、低音用スピーカ9が採用されていた。
そしてまず、ユニットケース10の前面パネル3の左右両サイドに、中高音用スピーカ8が直接取付けにて内部配設されている点は、上述した従来例1と同様である。
これと共に、中高音用スピーカ8の後部つまりユニットケース10内部に、低音用スピーカ9が配設されていた。
すなわち低音用スピーカ9は、規格サイズの規制上、前面パネル3にはその取付スペースが無いので内部配設されると共に、外部Aへの専用の音放出路11が左右それぞれ設けられており、又、前面パネル3左右に専用の音放出口12が、従来よりの中高音用スピーカ8用のものと並んで横に設けられていた。
《従来例1の問題点》
図4の(1)図に示した従来例1のオーディオモニタ1は、従来より多用されてきたものであるが、低音再生に難がある、という問題が指摘されていた。
すなわち、まず根本原因としては、高さや横幅等の規格サイズ規制に鑑み、この従来例1では、中高音用スピーカ4のみが採用されていたので、特に300Hz以下の低音域が再生不足となっていた。
これに加え、ユニットケース2の後部内には電子回路が内蔵されており、ジュール熱により高熱化し易いので、上面パネル13や側面パネル14に、多数の放熱孔15が形成されていた。そこで放熱孔15を介して、中高音用スピーカ4背面からの音波が外部Aへと放出され、もって、中高音用スピーカ4前面からの音波と、背面からの逆位相の音波とが、干渉して打ち消し合うので、この面も、低音が出ない原因となっていた。
このように従来例1のオーディオモニタ1は、特に300Hz以下の低音域が出にくく低音再生に難があり、音質の低音モニタ機能が低下する、という問題が提起されていた。
図4の(2)図に示した従来例2のオーディオモニタ7は、上述した従来例1の問題を解決すべく開発されたが、まず、表示器類5や操作部材6が犠牲になる、という問題が指摘されていた。
すなわち従来例2では、低音用スピーカ9が採用されており、低音再生がかなり改善されるものの、そのユニットケース10の前面パネル3に、低音用スピーカ9用の音放出口12を設けられていた。
規格サイズ規制により、極めて限られた縦横寸法(高さ寸法と横幅寸法)よりなる前面パネル3について、この従来例2では、中高音用スピーカ8のみならず、低音用スピーカ9の音の出口である音放出口12が、左右にそれぞれ設けられていた。
そこでその分、中央部に配設される表示器類5や操作部材6の面積が、削られてしまっていた。
このように、従来例2のオーディオモニタ7は、メータ,ランプ等の表示器類5の配設面積や、スイッチ,ボリューム等の操作部材6の配設面積が狭くなり、モニター機能にとって重要な表示面や操作面が制約されて犠牲になる、という問題がまず指摘されていた。
従来例2のオーディオモニタ7については、更に、次の問題も指摘されていた。まず、低音用スピーカ9用の音放出口12自体も、規格サイズ規制の関係上、広い面積では設けられず、極めて小口径(中高音用スピーカ8のものより小口径)となっていた。そこで、音放出口12を出入りする空気の振動に伴い、風切音が発生する、という問題が指摘されていた。
又、この従来例2のオーディオモニタ7において、低音用スピーカ9は、その音放出路11の形成スペースの都合上、前面からの音波ではなく背面からの音波を、外部Aへと放出する構造よりなっており、中高音用スピーカ8とは、前面からの音波が逆位相に設定されているものもあった。そして、低音用スピーカ9前面側と中高音用スピーカ8背面側とは、規格サイズ規制に鑑み、密閉された極めて小さなスピーカボックス16,17が、ぞれぞれ付設されていた。
そこでa.低音用スピーカ9のスピーカボックス16が小さな容積よりなるので、従来例2については、その分だけ低音再生が依然として十分でない、という問題が指摘されていた。
又b.従来例2は、中高音用スピーカ8のスピーカボックス17が小さな容積よりなるので、クロスオーバー周波数(fc)設定の自在性に乏しく、音質を任意に変えることができない、という指摘もあった。
更にc.従来例2では、中高音用スピーカ8と低音用スピーカ9とが、逆位相よりなるものもあり、振動タイミングが一致せず、打ち消し合ってしまう虞があり、低音再生や中高音再生上、問題となっていた。この面からも、依然として低音再生が十分でない、という指摘があった。
本発明のラックマウント型のオーディオモニタは、このような実情に鑑み、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、独自のスピーカ配置,独特の低音再生方式を採用したことにより、第1に、豊かな低音再生を実現でき、第2に、しかもこれは、表示面や操作面を制約,犠牲化することなく実現され、第3に、風切音も防止され、又、クロスオーバー周波数の自在性にも優れた、ラックマウント型のオーディオモニタを提案することを、目的とする。
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、特許請求の範囲に記載したように、次のとおりである。
請求項1については、次のとおり。
請求項1のラックマウント型のオーディオモニタは、高さや横幅が規格サイズに規制されており、上下多段のラック内の狭小スペースにマウント収納可能であり、低音再生に優れている。
そしてユニットケース内に、電子回路およびスピーカユニットが内蔵されると共に、前面パネルに、表示器類および操作部材が配設されている。該スピーカユニットは、該前面パネルより内部側に後退させた位置に配設された中高音用スピーカと、該中高音用スピーカの更に後位置側に配設された低音用スピーカとを、備えている。
そして、該中高音用スピーカからの指向性の強い音波は、前方向に直進した後、該中高音用スピーカ前方の前面パネルに対応開口形成された音放出口から、外部放出される。該低音用スピーカからの指向性の弱い音波は、湾曲導出ガイドされた後、共通の該音放出口から、外部放出される。
請求項2のラックマウント型のオーディオモニタでは、請求項1において、該音放出口は、該前面パネルに加え側面パネル前端部にかけて、広い放出面積で開口形成されること、を特徴とする。
請求項3については、次のとおり。
請求項3のラックマウント型のオーディオモニタでは、請求項1において、該中高音用スピーカと該低音用スピーカとは、放出する音波が同位相よりなると共に共通の音圧隔壁が設けられており、共通化されている分だけ容積が広くなった裏側密閉ゾーンを共用していること、を特徴とする。
請求項4については、次のとおり。
請求項4のラックマウント型のオーディオモニタでは、請求項1において、該ユニットケースは、EIA国際標準規格に基づくサイズよりなり、高さが40mm〜45mm程度、横幅が420mm〜450mm程度で、奥行きが200mm〜400mm程度よりなる。又、該中高音用スピーカは、内部側に向け20mm〜30mm程度後退させた位置に、配設されていること、を特徴とする。
請求項5については、次のとおり。
請求項5のラックマウント型のオーディオモニタでは、請求項1において、該中高音用スピーカは、前方向に向けて配設されており、該低音用スピーカは、上下方向に向けて配設されていること、を特徴とする。
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)本発明のオーディオモニタは、中高音用スピーカを後退配設し、その後位置側に低音用スピーカを配設して、両者の音放出口を共用化してなる。
(2)そして、中高音用スピーカからの指向性の強い音波は、前方向に直進した後、音放出口から外部放出される。
(3)低音用スピーカからの指向性の弱い音波は、ユニットケース内の表側ゾーンを経由して、つまり所定の上下間隔空間,内部空間,前後間隔空間を経由して、湾曲導出ガイドされた後、音放出口から外部放出される。
(4)本発明は、音の性質に基づき、このような独自のスピーカ配置,独特の低音再生方式を採用したので、高さや横幅等が規格サイズに規制されているにもかかわらず、次のa,b,c,d,eにより、豊かな低音再生が実現される。
a.低音用スピーカを採用したこと。b.その音波が、所定の上下間隔空間,内部空間,前後間隔空間を経由して湾曲導出ガイドされた後、つまり広い容積の表側ゾーンを経由した後、広い面積の音放出口から勢いよく放出されること。
c.中高音用スピーカと低音用スピーカが同位相よりなるので、音圧隔壁が共通化され、もって広い容積の裏側密閉ゾーンが形成されること。d.音圧隔壁がヒートシンク機能を発揮するので、裏側密閉ゾーンを完全密閉でき、スピーカ表裏音波の打ち消し合いがないこと。e.中高音用スピーカと低音用スピーカが同位相よりなるので、相互間で音波の打ち消し合いがないこと。
(5)そして、この豊かな低音再生は、スピーカ配置を工夫し、中高音用スピーカと低音用スピーカの音放出口を共用化することにより、実現されている。そこで、前面パネルが規格サイズに規制されているにもかかわらず、表示器類や操作部材の配設面積が、十分に確保されるようになる。
(6)音放出口は、共用化により広い面積で形成可能であり、風切音も発生しない。
(7)音圧隔壁の共通化により、広い容積の裏側密閉ゾーンが形成されるので、中高音用スピーカのクロスオーバー周波数が、ある程度自在に設定可能である。
(8)さてそこで、本発明のオーディオモニタは、次の効果を発揮する。
第1に、圧倒的に豊かな低音再生が実現され、モニタ機能が向上する。本発明のラックマウント型のオーディオモニタは、規格サイズの規制下にあるにもかかわらず、a.まず、低音用スピーカを採用したことにより、特に前述したこの種従来例1に比し、豊かな低音再生が可能となる。
b.更にこれに加え、低音用スピーカからの音波が、所定の上下間隔空間,内部空間,前後間隔空間を経由して湾曲導出ガイドされた後、つまりユニットケース内の広い容積の表側ゾーンを経由した後、広い面積の音放出口から勢いよく外部放出されるので、前述したこの種従来例1,2に比し、この面からも豊かな低音再生が可能となる。
c.中高音用スピーカと低音用スピーカについて、前述したこの種従来例2に比し、容積が広い裏側密閉ゾーン(スピーカボックス)が形成されるので、この面からも豊かな低音再生が可能となる。
d.裏側密閉ゾーンが、放熱孔を形成することなく完全密閉されており、もってスピーカ前面の音波と背面の音波が打ち消し合う虞はなく、従来例1に比し、この面からも豊かな低音再生が可能となる。
e.中高音用スピーカと低音用スピーカとは、前述したこの種従来例2のように、振動タイミングが一致せず音波が打ち消し合ってしまう虞がないので、この面からも豊かな低音再生が可能となる。
これらa,b,c,d,eにより、本発明のオーディオモニタは、規格サイズが規制されているにもかかわらず、特に300Hz以下の低音域が良く出るようになり、音楽鑑賞にも耐え得る程度まで、圧倒的に豊かな低音再生が実現される。
著しい音質改善により、高音音質のみならず低音音質のモニタ機能が、前述したこの種従来例1,2に比し大きく向上する。オーディオ音質の確認,監視,チェック,分析,指示等が、より正確かつスムーズに行えるようになる。
第2に、しかも豊かな低音再生の実現は、表示面や操作面を制約,犠牲化することなく、実現される。
本発明のラックマウント型のオーディオモニタでは、中高音用スピーカと低音用スピーカの音放出口が共用されており、前述したこの種従来例2のように、低音用スピーカ専用の音放出口は設けられない。従って、規格サイズが規制されている前面パネルにおいて、表示機器類や操作部材の配置面積が、必要なだけ十分に広く確保されるようになる。
本発明では、モニター機能にとって重要な表示や操作が、この種従来例2のように制約されてしまい、犠牲となるようなことはない。
第3に、風切音も防止され、又、クロスオーバー周波数の自在性にも優れている。本発明のラックマウント型のオーディオモニタでは、中高音用スピーカと低音用スピーカの音放出口が共用化されており、その分、音放出口を広い面積で形成できるので、前述したこの種従来例2のように、風切音が発生することはない。
又、本発明のオーディオモニタでは、中高音用スピーカと低音用スピーカについて、広い容積の裏側密閉ゾーンが形成されている。そこで中高音用スピーカは、ある程度の低音再生能力も備えており、前述したこの種従来例2に比し、クロスオーバー周波数(fc)設定の自在性に優れており、再生音質を任意に変えることが可能である。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
《本発明の概要》
まず、図1〜図3,図5を参照して、本発明のラックマウント型オーディオモニタ18の概要について、説明する。
このオーディオモニタ18は、高さHや横幅W等が規格サイズに規制されており、上下多段のラックB内の狭小スペースに、マウント収納可能となっている。そしてユニットケース19内に、電子回路Cおよびスピーカユニット20が内蔵されると共に、前面パネル3に、表示器類5および操作部材6が配設されている。
スピーカユニット20は、前面パネル3より内部側に後退させた位置に配設された中高音用スピーカ21と、中高音用スピーカ21の更に後位置側に配設された低音用スピーカ22とを、備えている。
そして、中高音用スピーカ21からの指向性の強い音波Dは、前方向に直進した後、中高音用スピーカ前方の前面パネル3に対応開口形成された音放出口23から、外部Aへと放出される。低音用スピーカ22からの指向性の弱い音波Eは、表側ゾーンFの所定の上下感覚空間L,内部空間J,前後間隔空間Kを経由して、湾曲導出ガイドされた後、共通の音放出口23から、外部Aへと放出される。
本発明の概要は、このようになっている。以下、本発明について更に詳述する。
まず、オーディオモニタ18等について、図5を参照して、一般的に説明する。例えば、放送局の調整室等では、対象オーディオについて、音質等の確認,監視,チェック,分析,指示用に、オーディオモニタ18(1,7)が、使用されている。
そしてオーディオモニタ18は、上下多段の棚であるラックB内の狭小スペースに、マウント収納されて、使用に供される(勿論、ラックB外にて使用に供することも可能である)。
このように、オーディオモニタ18のユニットケース19は、他のオーディオ用の電子機器やその他の電子機器のユニットケースと共に、ラックB内にそれぞれマウント収納されるが、その高さHや横幅W等が規格サイズに規制されている。この規格サイズとしては、EIA(米国電子機械工業会)の国際標準規格(いわゆる1RUサイズ)の規格仕様サイズが、一般的となっている。
もって、オーディオモニタ18のユニットケース19は、扁平箱状をなし、前面パネル3(フロントパネル)、両側面パネル14(シャーシ)、上面パネル13(カバー)、下面パネル24(シャーシ)、背面パネル25(リヤパネル)、等を備えている。
そして後部内に、プリアンプ,メインアンプ等の電子回路Cが内蔵されると共に、前部内に、スピーカユニット20が内臓されている。前面パネル3中央部表面には、レベルメータ,パイロットランプ等の表示器類5、および、スイッチ,ボリューム等の操作部材6が、配設されている。
オーディオモニタ18は、概略このようになっている。
次に、スピーカユニット20について、図1〜図3を参照して説明する。オーディオモニタ18は、アナログステレオモニタ方式やデジタルステレオモニタ方式よりなり、スピーカユニット20は、中高音用スピーカ21と低音用スピーカ22とを備えている。
まず中高音用スピーカ21は、ユニットケース19内の前部前側の左右両サイドコーナーに、各1個ずつ前方向に向けて配設されており、図示例では、縦横40mm×70mmの楕円スピーカが使用されている。
そして中高音用スピーカ21は、前面パネル3より内部側に後退させた位置、例えば内部側に向け20mm〜30mm程度、或いはそれ以上、後退させた位置において、垂直面縦向きの音圧隔壁26等に取付けられている。
これに対し低音用スピーカ22は、ユニットケース19内の前部後側に複数個、上下方向に向けて配設され、水平面横向きの音圧隔壁26等に取付けられている。
すなわち、低音用スピーカ22として、低音再生に有利な通常の大口径スピーカは、規格サイズ規制の関係上使用できないので、図示例では、最低共振周波数(fo)の低い径80mmの丸型スピーカが、使用されている。そして、この低音用スピーカ22は、下方向に向けられると共に、複数個図示例では4個が、相互間に小間隔を存しつつ、ユニットケース19内を左右方向に横断するように、ライン状に列設されている。
図示例の低音用スピーカ22は、後退位置の左右の中高音用スピーカ21の真後に、それぞれ1個ずつ配設されると共に、この左右の1個の間に、更に2個配設され、もって計4個が配設されている。
スピーカユニット20は、このようになっている。
次に、音圧隔壁26等について、図1〜図3を参照して説明する。まず、このスピーカユニット20において、中高音用スピーカ21と低音用スピーカ22とは、前面から放出する音波が同位相よりなる。従って、中高音用スピーカ21背面から放出される音波D’と、低音用スピーカ22背面から放出される音波E’も、同位相よりなる。
そこで、共通の音圧隔壁26を設けることができ、もって形成される裏側密閉ゾーンGを共用できるので、裏側密閉ゾーンGは極めて広い容積よりなる。すなわち、ユニットケース19内を前後に区画する縦横の音圧隔壁26により、ユニットケース19内は、前側の表側ゾーンFと後側の裏側密閉ゾーンGとに、大きく区画されており、極めて広い空間が裏側密閉ゾーンG(スピーカボックス)となっている。
このように、上面パネル13,両側面パネル14,背面パネル25,下面パネル24等で囲まれると共に、電子回路Cを内蔵した広いスペースに、裏側密閉ゾーンGが形成されている。
まず音圧隔壁26は、周知のごとくバッフル板として音波遮断機能を発揮する。すなわち音圧隔壁26は、中高音用スピーカ21前面から放出される音波Dと、背面から放出される逆位相の音波D’とを、仕切って分離,遮断する。同時に、低音用スピーカ22の前面から放出される音波Eと、背面から放出される逆位相の音波E’とを、仕切って分離,遮断する。
これと共に、音圧隔壁26は、ヒートシンク機能を発揮する。すなわち、音圧隔壁26にて区画された裏側密閉ゾーンGは、電子回路Cを内蔵しているが、この電子回路Cはアンプ等よりなり、ジュール熱にて発熱する。そこで、裏側密閉ゾーンGが温められて温度上昇し、音圧隔壁26も裏側から温度上昇する。
これに対し音圧隔壁26は、表側ゾーンFを大量に流れる空気にて、表側から冷却される。従って音圧隔壁26は、裏側密閉ゾーンG内の温度上昇した空気を冷却し、その内部温度を2℃〜3℃程度下げるヒートシンクとしての機能する。つまり、電子回路Cのヒートシンクとして機能する。
音圧隔壁26等は、このようになっている。
次に、中高音用スピーカ21や低音用スピーカ22から放出される音波D,Eについて、図1〜図3を参照して説明する。
中高音用スピーカ21前面から放出される中高音の音波Dは、スピーカ正面へ向けての放出エネルギーが極めて大であり、指向性,直進性が強い。これに対し、低音用スピーカ22前面から放出される例えば300Hz以下の低音域の音波Eは、指向性,直進性が弱い。
そこで本発明では、このような音の性質を利用して、前述したように、音源位置としてのスピーカ配置が工夫されている。
そこで前述したように、中高音用スピーカ21は、前面パネル3より内部側に後退配設されている。そして、前面から放出された音波Dは、前方向に直進した後、前面パネル3に形成された音の出口である音放出口23から、外部Aへと放出される。
なお音放出口23は、前面パネル3の左右に切欠き形成されるが、図示例では、前面パネル3に加え側面パネル14前端部にかけて、それぞれ連続的に切欠き形成されている。これにより音放出口23について、より広い開口面積そして音放出面積が得られるようになる。又、外観デザインの独創性も得られる。
そこで前述したように、低音用スピーカ22は、中高音用スピーカ21の配設位置より更に後位置側に配設されると共に、上下方向に向けられている。中高音用スピーカ21の後側や、前面パネル3の表示器類5や操作部材6の後側で、前方が遮断された位置で、しかも上下方向に向けて配置されている。
そして、このような低音用スピーカ22前面から放出された音波Eは、次のように、ユニットケース19内の表側ゾーンFを経由することにより、湾曲導出ガイドされる。
すなわちまず、ユニットケース19の下面パネル24との間に形成される上下間隔空間L、→更には、前面パネル3の表示器類5や操作部材6の裏面側に形成される内部空間J、→そして、中高音用スピーカ21と音放出口23との間に形成される前後間隔空間K等を経由して、→音放出口23から外部Aへと放出される。勿論、内部空間Jを経由することなく放出される音波Eも存在する。
すなわち、ユニットケース19内において、上下間隔空間L,内部空間J,前後間隔空間Kにて形成される表側ゾーンFは、低音用スピーカ22,中高音用スピーカ21,表示器類5,操作部材6等との寸法関係や位置関係に鑑み、広い容積で形成され大量の空気が存している。
もって、広い振動面積の低音用スピーカ22前面から放出された音波Eは、表側ゾーンFに蓄えてある大量の空気を振動させて、空気を大量に流し,出入りさせることにより、音放出口23から勢いよく放出される。音放出口23から、空気が大量に流れ,出入りして外部Aへと放出され、その空気振動が、外部Aに強力に伝えられる。
放出音波D,Eについては、以上のとおり。
本発明のラックマウント型のオーディオモニタ18は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
(1)本発明のオーディオモニタ18は、中高音用スピーカ21を、前面パネル3から内部側に例えば20mm〜30mm程度後退させた位置にて、前方向に向けて配設してなる。これと共に、その更に後位置側に低音用スピーカ22を、上下方向に向けて配設してなる。
もって、前面パネル3において、中高音用スピーカ21の音放出口23と、低音用スピーカ22の音放出口23とを、共通化可能とした。
ユニットケース19について、高さHが40mm〜45mm程度で、横幅Wが420mm〜450mm程度の規格サイズに規制されているものの、次のa,b,c,d,e等により、豊かな低音再生が可能となっている。
このように、空気が大量に流れ,出入りして、外部Aへと放出され、その空気振動が外部Aに強力に伝わるので、この面からも、豊かな低音再生が可能となる。
そこで、このように共通化された音圧隔壁26により、ユニットケース19内に、広い容積の裏側密閉ゾーンG(スピーカボックス)が形成されるので、この面からも、豊かな低音再生が可能となる。
このような完全密閉により、中高音用スピーカ21について、前面からの音波Dと背面からの逆位相の音波D’とが、干渉して打ち消し合う虞はない。低音用スピーカ22について、前面からの音波Eと背面からの逆位相の音波E’とが、干渉して打ち消し合う虞もない。もってこの面からも、豊かな低音再生が可能となる。
すなわち、本発明のオーディオモニタ18は、中高音用スピーカ21を後退配設すると共に、その後位置側に低音用スピーカ22を配設したことにより、中高音用スピーカ21と低音用スピーカ22について、各々専用の音放出口を個別に設けることなく、両者の音放出口23を共用化してなる。
そこで、ユニットケース19の高さHや横幅Wが規格サイズに規制されているにもかかわらず、前面パネル3において、表示器類5や操作部材6の配設面積が影響を受けて、削られ,狭くなるようなことはない。
このように、中高音用スピーカ21に加え低音用スピーカ22を採用したにもかかわらず、その音放出口23と併存しつつ、表示器類5や操作部材6の配設面積が、広く必要十分に確保されるようになる。
すなわち、中高音用スピーカ21が更に、高音用のツイーターと中音用のスコーカーとに分けて構成され、もってウーハーの低音用スピーカ22と共に、3ウェイスピーカシステムのスピーカユニット20とすることも、可能である。
この場合、中高音用スピーカ21を構成するツイーターとスコーカーとは、横並びで同一面、つまり垂直面縦向の音圧隔壁26に配設され、もって、前後間隔空間Kを介して共通の音放出口23と対峙している。このような3ウェイスピーカシステムのスピーカユニット20等について、その他の構成,機能,作用等は、上述してきた図示例に準じるので、その説明は省略する。
本発明の作用等については、以上の通り。
2 ユニットケース
3 前面パネル
4 中高音用スピーカ(従来例)
5 表示器類
6 操作部材
7 オーディオモニタ(従来例)
8 中高音用スピーカ(従来例)
9 低音用スピーカ(従来例)
10 ユニットケース
11 音放出路
12 音放出口
13 上面パネル
14 側面パネル
15 放熱孔
16 スピーカボックス
17 スピーカボックス
18 オーディオモニタ(本発明)
19 ユニットケース
20 スピーカユニット
21 中高音用スピーカ(本発明)
22 低音用スピーカ(本発明)
23 音放出口
24 下面パネル
25 背面パネル
26 音圧隔壁
A 外部
B ラック
C 電子回路
D 音波
D’音波
E 音波
E’音波
F 表側ゾーン
G 裏側密閉ゾーン
H 高さ
J 内部空間
K 前後間隔空間
L 上下間隔空間
W 横幅
Z 奥行き
Claims (5)
- 高さや横幅が規格サイズに規制されており、上下多段のラック内の狭小スペースにマウント収納可能な、低音再生に優れたオーディオモニタであって、
ユニットケース内に、電子回路およびスピーカユニットが内蔵されると共に、前面パネルに、表示器類および操作部材が配設されており、
該スピーカユニットは、該前面パネルより内部側に後退させた位置に配設された中高音用スピーカと、該中高音用スピーカの更に後位置側に配設された低音用スピーカとを、備えており、
該中高音用スピーカからの指向性の強い音波は、前方向に直進した後、該中高音用スピーカ前方の前面パネルに対応開口形成された音放出口から、外部放出され、該低音用スピーカからの指向性の弱い音波は、湾曲導出ガイドされた後、共通の該音放出口から、外部放出され、
該低音用スピーカからの音波は、まず、該ユニットケースの上下面パネルとの間に形成される上下間隔空間、更には、該前面パネルの該表示器類および該操作部材の裏側に形成される内部空間、そして、該中高音用スピーカと該音放出口との間に形成される前後間隔空間、
にて形成されるユニットケース内の表側ゾーンを経由して、該音放出口から外部放出されること、を特徴とするラックマウント型のオーディオモニタ。 - 請求項1において、該音放出口は、該前面パネルに加え側面パネル前端部にかけて、広い放出面積で開口形成されること、を特徴とするラックマウント型のオーディオモニタ。
- 請求項1において、該中高音用スピーカと該低音用スピーカとは、放出する音波が同位相よりなると共に共通の音圧隔壁が設けられており、共通化されている分だけ容積が広くなった裏側密閉ゾーンを共用していること、を特徴とするラックマウント型のオーディオモニタ。
- 請求項1において、該ユニットケースは、EIA国際標準規格に基づくサイズよりなり、高さが40mm〜45mm程度、横幅が420mm〜450mm程度で、奥行きが200mm〜400mm程度よりなり、
該中高音用スピーカは、内部側に向け20mm〜30mm程度後退させた位置に、配設されていること、を特徴とするラックマウント型のオーディオモニタ。 - 請求項1において、該中高音用スピーカは、前方向に向けて配設されており、該低音用スピーカは、上下方向に向けて配設されていること、を特徴とするラックマウント型のオーディオモニタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010027309A JP5203403B2 (ja) | 2010-02-10 | 2010-02-10 | ラックマウント型のオーディオモニタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010027309A JP5203403B2 (ja) | 2010-02-10 | 2010-02-10 | ラックマウント型のオーディオモニタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011166471A JP2011166471A (ja) | 2011-08-25 |
JP5203403B2 true JP5203403B2 (ja) | 2013-06-05 |
Family
ID=44596630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010027309A Active JP5203403B2 (ja) | 2010-02-10 | 2010-02-10 | ラックマウント型のオーディオモニタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5203403B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5850781U (ja) * | 1981-09-18 | 1983-04-06 | 三洋電機株式会社 | スピ−カボツクス |
JP2720459B2 (ja) * | 1988-06-22 | 1998-03-04 | ヤマハ株式会社 | 鍵盤楽器 |
JP2000152400A (ja) * | 1998-11-10 | 2000-05-30 | Sony Corp | オーディオモニタ装置 |
JP2008153716A (ja) * | 2005-03-29 | 2008-07-03 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | テレビジョン受像機 |
-
2010
- 2010-02-10 JP JP2010027309A patent/JP5203403B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011166471A (ja) | 2011-08-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11314476B2 (en) | Display apparatus | |
JP5405598B2 (ja) | スピーカ | |
US8351631B2 (en) | Bass sound amplifying enclosure, woofer including the same, and electronic device including the woofer | |
TWI519176B (zh) | 多腔室通孔式立體聲揚聲器 | |
EP1773093B1 (en) | Speaker system, and speaker cluster system | |
JP5528569B2 (ja) | フラットスピーカ | |
ES2903039T3 (es) | Altavoz en disposición con ancho de haz de ancho constante | |
JP2023545601A (ja) | スピーカユニット | |
JP5166973B2 (ja) | スピーカ装置及びその駆動方法 | |
DK2811756T3 (en) | Speaker | |
KR101201073B1 (ko) | 저음 반사포트와 드라이버 혼 및 지수함수형 혼을 결합한 스피커 장치 | |
TW201318429A (zh) | 顯示器 | |
JP5203403B2 (ja) | ラックマウント型のオーディオモニタ | |
KR200387458Y1 (ko) | 라인어레이 스피커 혼 | |
JP3957281B2 (ja) | スピーカを備えた置き台 | |
JP2014049999A (ja) | バスレフ型スピーカー装置 | |
JP2008079268A (ja) | スピーカー | |
JP2006340140A (ja) | 仮想同軸型オールホーンスピーカ装置及び仮想同軸型オールホーンスピーカシステム | |
KR20200074554A (ko) | 스피커 및 이를 구비한 전자장치 | |
JP2010063078A (ja) | スピーカ装置及びその駆動方法、2チャンネルスピーカ装置 | |
EP3013071B1 (en) | Speaker device | |
JP5112358B2 (ja) | スピーカシステムおよびテレビ | |
CN215871812U (zh) | 阵列音箱 | |
JP2008160780A (ja) | スピーカー | |
JP3816016B2 (ja) | バスレフ型スピーカー装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120821 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20120827 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20121004 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121030 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121106 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130212 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130213 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5203403 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160222 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |