JP5203177B2 - ブラシおよびブラシの製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、ブラシおよびブラシの製造方法に関する。
歯ブラシなどのブラシには、複数の毛を束ねた毛束を2つ折りにして、折り目部分を、平線によってブラシ柄の植毛穴に固定しているものがある。平線を用いたブラシの製造方法は、大きく分けて2種類ある。
1つ目の方法は、予め長めの毛を束にした毛束を植毛し、その後、毛先を切り揃える方法である(たとえば、特許文献1参照)。この場合、たとえば、各毛束の高さを調整するように各毛の先端を切り揃えることにより、複数の毛束全体としての先端面の形状を、平坦形状や、山形形状や、ドーム形状などにし、さらに、個々の毛の先端をやすりで擦ることで、個々の毛の先端をテーパ状や球状にする。
2つ目の方法は、毛を植毛穴に植える前に、各毛の両端を熱処理して球状に加工したり、アルカリなどの薬品で処理して先細状に加工し、予め先端加工された毛を束にして植毛穴に植毛する(たとえば、特許文献2参照)。
特開2002−172023号公報 特開2000−296024号公報
特許文献1のように、毛束を植毛した後に毛先加工を施す場合には、やすりの掛け方を調整することなどにより、比較的自由に各毛束の高さを調整することができる。しかしながら、この場合、毛先加工は、ブラシの柄に植毛された後の毛に施すものである。このため、毛先を精度よく球状や先細形状に形成する場合や、その他特殊形状に形成する場合には、植毛後の毛先加工が難しかったり、不可能であったりする。したがって、毛先加工の自由度を高め難い。
一方、特許文献2のように、ブラシに植毛する前に毛先加工する場合には、精度のよい形状や、特殊形状の毛先を形成することができる。しかしながら、ブラシに植毛する前に既に毛先加工が施されているので、植毛後に毛先をやすりで擦る先端加工を施すことができず、各毛束間で高さを変えることができない。
同様の課題は、歯ブラシ以外の他のブラシにも存在する。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、ブラシを製造するときに各毛束の高さを容易に変えることができ、かつ、各毛先の形状の自由度を高くすることのできるブラシおよびブラシの製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、複数個の植毛穴が穿設されたブラシ柄と、各植毛穴に植毛された毛束とからなり、各毛束は長さの揃った毛が両端を揃えられて長さ方向の途中を2つ折りにされ、折り目を植毛穴内に固定されて植毛されているブラシにおいて、複数の毛束には、一端が他端よりもブラシ柄から大きく突出している毛束が含まれ、上記複数の毛束には、毛束を2つ折りにする折り位置が異なっていて、毛束の一端と他端との間の段差寸法(段差寸法のないものを含む)が異なっているものが含まれており、段差寸法の大きなものは、植毛された毛束の高さが高く、段差寸法の小さなもの(段差寸法のないものを含む)は、植毛された毛束の高さが低くなっていて、植毛された複数の毛束の高さが、植毛穴の位置に応じて高低変化をつけられていることを特徴とするブラシである。
この発明によれば、複数の毛束の中に、毛束の一端と他端との間の段差寸法が異なっているものを含めるという簡易な構成により、毛束の高さを容易に変えることができる。また、ブラシ柄に植毛されていないことから加工し易い単品の毛の先端を、精度の高い球状やテーパ状や、他の複雑な形状に加工した後、この毛を束にして毛束の一端と他端との間に段差寸法をつけるようにして植毛穴に植毛することができる。つまり、植毛穴の位置に応じて、毛束を2つ折りにする折り位置を異ならしているので、植毛穴の位置に応じた毛束の高低変化をつけるのに、植毛後の毛束の切断加工が必要ない。このように、毛束を2つ折りにする折り位置を異ならせるという簡易な方法により、毛束の高さを容易に変えることができる。したがって、個々の毛先の形状の自由度を高くできる。
請求項2記載の発明は、植毛後に毛先の切断加工を行っていないことを特徴とする請求項1記載のブラシである。
この発明によれば、植毛後に毛束の切断加工を施さないので、予め毛先加工を施した毛の先端形状を崩すことがない。このため、ブラシ柄に植毛されていないことから加工し易い単品の毛の先端を、精度の高い球状やテーパ状や、他の複雑な形状に加工した後、この毛を植毛穴に植毛することができ、個々の毛先の形状の自由度を高くできる。
請求項3記載の発明は、各上記毛束の毛は、その両端に、それぞれ、球状またはテーパ状の加工が施されていることを特徴とする請求項1または2記載のブラシである。
この発明によれば、個々の毛の両端を球状にすることで、歯垢の掻き取り効果を増して歯垢をより確実に除去できるとともに、歯肉に対するマッサージ効果を発揮できる。また、個々の毛の両端をテーパ状にすることで、毛の両端を歯の間や歯周ポケットなどの狭いところに入り易くでき、狭いところに入り込んだ歯垢を掻き出し易くでき、歯垢を確実に除去できる。
請求項4記載の発明は、上記毛束は、予め定める植毛穴の位置に応じて、毛束の長さが異なる少なくとも2種類の毛束のいずれかが使用されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のブラシである。
この発明によれば、長い毛束と短い毛束のそれぞれで、高さの高低変化をつけることができるので、各毛束の高さ変化をつける自由度がより増す。その結果、歯の形状に、よりフィットするブラシ形状を実現できる。これにより、高さの高い毛束の一端を、歯の間や歯周ポケットなどの狭いところに入り込み易くでき、歯垢をより除去し易くできる。また、高さの低い毛束の一端を、歯の表面に接触させて歯の表面の歯垢をより除去し易くできる。
請求項5記載の発明は、保持部材に保持された毛束の長さ方向途中の折り目を中心に毛束を2つ折りにして、折り目をブラシ柄に植毛するに際し、上記毛束の両端を毛束の長さ方向に向かって一対の揃え板で叩いて毛束を揃え、かつ、上記保持部材による毛束の保持位置を毛束の長さ方向に所定量ずらすことによって、毛束の折り位置を変化させて、ブラシ柄に植毛されたときの毛束の高さを変化させることを特徴とするブラシの製造方法である。
この発明によれば、毛束を一対の揃え板で毛束の長さ方向に所定量ずらすという簡易な方法で、毛束の折り目の位置を調整し、ブラシ柄に植毛されたときの毛束の高さを変えることができる。また、毛束をブラシ柄に植毛した後に、やすりで毛束の先端を削って毛束の高さを調整しなくて済む。したがって、球状やテーパ状や、複雑な形状などに予め毛先加工された毛を用いる場合でも、毛先形状を崩してしまうことがない。このため、個々の毛先の形状の自由度を高くできる。
請求項6記載の発明は、上記毛束の両端を一対の揃え板で叩いて端を揃え、次いで、上記保持部材に保持された1つの毛束を、植毛補助器に穿設された先細円錐台形の孔内で2つ折りにしてブラシ柄に植毛するに際し、両端の揃った毛束の長さ方向の中点を上記孔の中心軸から毛束の長さ方向に長さA(ゼロを含む)だけ外れたところに置き、上記孔内で孔の中心軸に沿って進行する植毛針によって毛束を2つ折りにしてブラシ柄に上記1つの毛束を植毛し、次いで、上記長さAを変更して別の毛束を植毛することを特徴とする請求項5記載のブラシの製造方法である。
この発明によれば、植毛する毛束によって、毛束を2つ折りにするときの上記長さAを変えるという簡易な構成で、毛束の折り目の位置を変えることができる。これにより、毛束によって、ブラシ柄に植毛されたときの高さを容易に変えることができる。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1(a)は、この発明の一実施形態にかかる歯ブラシ1の平面図であり、図1(b)は、歯ブラシ1の側面図である。図2(a)は、図1(a)のIIA−IIA線に沿う断面図であり、図2(b)は、図1(a)のIIB−IIB線に沿う断面図であり、図2(c)は、図1(a)のIIC−IIC線に沿う断面図であり、図2(d)は、図1(a)のIID−IID線に沿う断面図であり、図2(e)は、図1(a)のIIE−IIE線に沿う断面図である。
図1(a)および図1(b)を参照して、歯ブラシ1は、ブラシ柄2と、ブラシ柄2に植毛された複数の毛束3とを備えており、歯ブラシ1をブラシ柄2の短手方向に見て、複数の毛束3の先端は、全体として、ブラシ柄2側に凹となる円弧状とされている。
ブラシ柄2は、長尺の部材であり、その一端に、平坦な植毛面4が形成されている。植毛面4は、ブラシ柄2の長手方向に長く、ブラシ柄2の短手方向に短い。
植毛面4には、複数の植毛穴5が穿設されている。植毛穴5は、植毛面4に行列状に配置されており、ブラシ柄2の短手方向に沿って複数行(たとえば、3行)並んでいるとともに、ブラシ柄2の長手方向に沿って複数列(たとえば、10列)並んでいる。
なお、以下では、1列目の植毛穴5を植毛穴5a、2列目の植毛穴5を植毛穴5b、…9列目の植毛穴5を植毛穴5i、10列目の植毛穴5を植毛穴5jといい、植毛穴を総称していうときは、単に植毛穴5という。
1行目の植毛穴5は、ブラシ柄2の他端側から一端側(図1(a)、図1(b)の右から左)に順に、1列目、2列目、…、8列目、9列目および10列目に配置されている。このうち、10列目の植毛穴5jは、ブラシ柄2の短手方向に関して2行目の植毛穴5側に寄せられている。
2行目の植毛穴5は、ブラシ柄2の他端側から一端側に順に、1列目、2列目、…、8列目および9列目に配置されている。
3行目の植毛穴5は、ブラシ柄2の他端側から一端側に順に、1列目、2列目、…、8列目、9列目および10列目に配置されている。このうち、10列目の植毛穴5jは、ブラシ柄2の短手方向に関して、2行目の植毛穴5側に寄せられている。
図2(a)を参照して、毛束3は、豚の毛や馬の毛などの獣毛や、合成樹脂製の毛などの可撓性を有する毛6を、複数(たとえば、十数本)束ねて2つ折りにしたものであり、各植毛穴5に植毛されている。なお、図2(a)においては、便宜的に、毛束3の2つ折りにされた部分の一方と他方のそれぞれの先端側が互いに離隔した状態を示している。また、図2(a)においては、1つの植毛穴に関して、3本の毛6のみを例示している。
各毛6の長さL2(全長)は、互いに等しくされている。すなわち、歯ブラシ1の毛6の長さL2は、1種類のみである。各毛6の一端および他端は、それぞれ、テーパ状に形成されて先細りとなっている。各毛6の両端をテーパ状にする加工は、アルカリなどの薬品に各毛6の両端を浸して行われるものであり、毛束3を植毛穴5に植毛する前に、この加工が施されている。各毛束3において、各毛6の一端および他端の位置がそれぞれ揃えられている。
各毛束3は、その長さ方向Yの途中を中心に2つ折りに折り畳まれ、この折り畳みによって形成された折り目7が、対応する植毛穴5に収容されて固定されていることにより、対応する植毛穴5に植毛されている。
各植毛穴5には、金属片や合成樹脂片などからなる平線8が収容されている。平線8は、毛束3の折り目7が植毛穴5から抜けないようにするものである。平線8の中間部は、毛束3の折り目7を植毛穴5の開口側から押えつけている。平線8の両端は、植毛穴5の内周面に固定されている。
図1(a)および図2(a)〜図2(e)を参照して、この歯ブラシ1では、予め定める植毛穴5の位置(列)に応じて、毛束3を2つ折りにする折り目7の位置が異なっている。その結果、2つに折り畳まれた毛束3は、折り目7から一端301までの高さとしての第1高さH1と、折り目7から他端302までの高さとしての第2高さH2とが異なり得るようにされている。これにより、第1高さH1と第2高さH2との差としての段差寸法H3(ゼロを含む)が設けられている。各毛束3のうちの一部の毛束3の一端301は、他端302よりもブラシ柄2の植毛面4から大きく突出している。以下、より具体的に説明する。
1列目の植毛穴5aの毛束3の第1高さH1は、各列の毛束3のうちで最も高くされているとともに、第2高さH2が各列の毛束3のうちで最も低くされている。これにより、1列目の植毛穴5aの毛束3は、各列の毛束3のうちで段差寸法H3および高さ(第1高さH1)が最も大きい。
2列目の植毛穴5bの毛束3は、第1高さH1が、各列の毛束3のうちで2番目に高くされているとともに、第2高さH2が、各列の毛束3のうちで2番目に低くされている。これにより、2列目の植毛穴5bの毛束3は、各列の毛束3のうちで段差寸法H3および高さ(第1高さH1)が2番目に大きい。
3列目の植毛穴5cの毛束3は、第1高さH1が、各列の毛束3のうちで3番目に高くされているとともに、第2高さH2が、各列の毛束3のうちで3番目に低くされている。これにより、3列目の植毛穴5cの毛束3は、各列の毛束3のうちで段差寸法H3および高さ(第1高さH1)が3番目に大きい。
4列目の植毛穴5dの毛束3は、第1高さH1が、各列の毛束3のうちで4番目に高くされているとともに、第2高さH2が、各列の毛束3のうちで4番目に低くされている。これにより、4列目の植毛穴5dの毛束3は、各列の毛束3のうちで段差寸法H3および高さ(第1高さH1)が4番目に大きい。
5列目の植毛穴5eの毛束3は、第1高さH1が、各列の毛束3のうちで最も低くされているとともに、第2高さH2が、各列の毛束3のうちで最も高くされている。植毛穴5eにおける毛束3の第1および第2高さH1,H2は、互いに等しくされている。これにより、5列目の植毛穴5eの毛束3は、段差寸法H3がゼロであり、高さ(第1高さH1)が最も低くされている。
図1(b)において、6列目ないし10列目の各毛束3f〜3jは、5列目ないし1列目の毛束3e〜3aと左右対称な形状とされている。
上記の構成により、1列目の植毛穴5aの毛束3から5列目の植毛穴5eの毛束3に進むに従い、毛束3の第1高さH1が次第に減少している。また、6列目の植毛穴5fの毛束3から10列目の植毛穴5jの毛束3に進むに従い、毛束3の第1高さH1が次第に増加している。このように、植毛穴5の位置(列)に応じて、毛束3の第1高さH1に高低変化がつけられて段差寸法H3(ゼロを含む)が異なるようにされている。
このような高低変化は、毛束3を2つ折りにするときの折り目7の位置を変えることによって容易に行うことが出来る。こうして、毛束3の高低変化をつけるために、毛束3を植毛穴5に植毛した後で毛先(一端301、他端302)を切断加工する必要がなくなっており、植毛後に切断加工は施されていない。
次に、歯ブラシ1を製造するための歯ブラシ製造装置について説明する。
図3は、歯ブラシ製造装置10の側面図である。図4は、図3の歯ブラシ製造装置10の要部の斜視図である。
図3および図4を参照して、歯ブラシ製造装置10は、水平な所定方向X1,X2に沿って往復移動可能なスライダ11と、スライダ11の上側に配置された毛箱12およびガイドブロック13と、ガイドブロック13の近傍に配置された植毛機構14および毛揃え機構15とを備えている。
スライダ11は、植毛する毛6を毛箱12から束にして掻き取って保持しながら毛揃え機構15に運ぶ細長い保持部材であり、断面逆U字形をなす鞘18と、鞘18内に直線移動自在に挿入された芯板19とを含んでいる。鞘18の上縁一端側には、一束の毛6を掻き取るための掻き取り溝20が形成されている。掻き取り溝20は、鞘18を厚み方向に貫通しており、毛6を水平に保持することができる。また、鞘18の上縁他端側には、操作用凹部21が形成されている。
芯板19の上縁一端側には、掻き取り溝20に対応して切欠部22が形成されており、切欠部22の一端側上部から切欠部22の上方へ突出する先鋭な毛区切突起23が設けられている。さらに、芯板19の上縁他端側には、所定方向X1の長さが操作用凹部21よりも短い嵌合用凹部24が形成されている。この嵌合用凹部24には、所定方向X1,X2に往復移動自在な操作レバー25が嵌入されている。
毛箱12は、下端開放面がスライダ11の鞘18に摺動可能に接触する箱本体26と、箱本体26内に昇降自在に配設された毛押さえブロック27と、下端が毛押さえブロック27に固定されたガイド棒28とを有している。ガイド棒28は、図示しない付勢ばねによって下側へ付勢されており、箱本体26に収容された毛6に付勢力を付与している。
ガイドブロック13には、スライダ11に保持されているときの毛束3の長さ方向Y(以下、単に長さ方向Yともいう)に往復移動可能な、平線切断用カッタ29が配設されている。また、ガイドブロック13には、上下方向に沿って縦溝30が形成されており、この縦溝30内には、植毛針としての平線押込用の押込針31が、昇降可能に配設されている。
ガイドブロック13には、縦溝30に連通する挿通孔32が形成されており、図示しないリールに巻回された帯状の平線製造中間体33の先端が挿通されている。平線製造中間体33の先端は、縦溝30まで達している。
植毛機構14は、スライダ11で保持された毛束3を、その長さ方向Yの途中の折り目7を中心に折り畳んで、折り目7をブラシ柄2の植毛穴5に押し込んで植毛するものであり、上記押込針31と、押込針31と上下方向に並ぶ植毛補助器34と、植毛補助器34を支持する昇降杵35とを含んでいる。
押込針31の側方に配置された昇降杵35は、上下方向に昇降可能とされており、この昇降杵35の下端に植毛補助器34が固定されている。図4および図9(a)を参照して、植毛補助器34は、押込針31の直下に配置された、下すぼまりの筒部36を有している。筒部36には、先細円錐台形の孔36aが穿設されている。孔36aの中心軸36bは、上下に延びている。筒部36の上端には、長さ方向Yの両端に、毛挿入溝37が形成されている。毛挿入溝37は、孔36aと連通している。また、筒部36における孔36aの内周面には、平線8が通過する平線通過溝38が形成されている。
植毛補助器34の下方には、毛束3が植毛されるブラシ柄2が配置されている。ブラシ柄2は、支持部材39によって、水平方向に移動可能に支持されており、植毛面4が植毛補助器34に対向している。
図5は、毛揃え機構15の概略構成の模式図である。図4および図5を参照して、毛揃え機構15は、スライダ11に保持された毛束3を間に挟んで、毛束3の長さ方向Yの延長線上に配置された一対の揃え板41,42と、一方の揃え板41に連結され、一方の揃え板41を長さ方向Yに沿って毛束3に向かって進退変位させる第1の揃え板進退機構71と、他方の揃え板42に連結され、他方の揃え板42を長さ方向Yに沿って毛束3に向かって進退変位させる第2の揃え板進退機構72と、第1および第2揃え板進退機構71,72を連動させて制御する進退機構制御装置44とを備えている。
一対の揃え板41,42は、それぞれ、植毛補助器34の上方に配置された円板状の部材であり、毛束3の対応する端部301,302を叩いて毛束3の両端301,302を揃える。
各揃え板41,42から、スライダ11に保持された毛束3の長さ方向Yの外側に向けて腕部45,46が延びている。一対の腕部45,46の一端は、一対の連結板47,48の一端に固定されている。一対の連結板47,48は、長さ方向Yと直交して延びる板部材である。
一対の連結板47,48のそれぞれの一端に形成された挿通穴に、対応する腕部45,46の一端が挿通されている。各腕部45,46の一端には、ねじ部が形成されて、一対のナット部材49,50が螺合されており、これら一対のナット部材49,50が対応する連結板47,48を挟んでいる。これにより、一対の腕部45,46は、一対の連結板47,48に固定されている。上記ねじ部に対する一対のナット部材49,50の位置を変更することにより、長さ方向Yに関して、揃え板41,42の位置を調整できる。
第1の揃え板進退機構71は、上記一方の腕部45と、一端に一方の腕部45が固定された一方の連結板47と、一方の連結板47の他端に接続された第1サーボシリンダ機構51とを含んでいる。
第2の揃え板進退機構72は、上記他方の腕部46と、一端に他方の腕部46が固定された他方の連結板48と、他方の連結板47の他端に接続された第2サーボシリンダ機構52とを含んでいる。
なお、各揃え板進退機構71,72の構成については同様であるため、以下では、主に第1の揃え板進退機構71について説明する。
第1の揃え板進退機構71の第1サーボシリンダ機構51は、ハウジング53と、ハウジング53に収容されたサーボモータ54と、サーボモータ54によって駆動されるねじ機構55とを含んでいる。ねじ機構55は、雄ねじ軸56と中空の雌ねじ軸57とを有しており、雄ねじ軸56に、サーボモータ54の出力軸58が固定されている。サーボモータ54の出力軸58の回転位置は、サーボモータ54に備えられるエンコーダ59によって検知される。雌ねじ軸57は、雄ねじ軸56に螺合されている。この雌ねじ軸56は、軸線方向の移動を許容されつつ、ハウジング53に対する回転運動が規制されており、雄ねじ軸56の回転に伴い、毛束3の長さ方向Yと平行な方向に変位する。
雌ねじ軸57の一端側の一部は、ハウジング53から突出している。雌ねじ軸57の一端には、連結板47の他端に固定されるねじ軸としての固定軸60が設けられている。固定軸60は、連結板47の他端に形成された挿通孔に挿通されているとともに、連結板47を挟むように配置された一対のナット部材61,62と螺合されている。固定軸60に対する一対のナット部材61,62の位置を変更することにより、長さ方向Yと平行な方向に関して、連結板47と雌ねじ軸57との間の位置を調整できる。
進退機構制御装置44は、第1および第2サーボシリンダ機構51,52の駆動を連動させて制御するものであり、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含む制御部63と、制御部63に接続されるドライバ64とを含んでいる。制御部63には、各サーボモータ54,54のエンコーダ59,59が接続されている。ドライバ64は、各サーボモータ54,54のステータに接続されている。
制御部63は、ROMに格納された制御プログラム、および各エンコーダ59,59の回転角度検知信号に基づいて、ドライバ64に所定ステップのパルス信号を出力し、第1および第2サーボシリンダ機構51,52のそれぞれのサーボモータ54,54の出力軸58,58の回転角を個別に設定することができる。このときの回転角であるステップ角は、基本ステップ角(たとえば、約1°)にステップ数を乗じた値である。
図6(a)を参照して、操作レバー25、カッタ29、押込針31、昇降杵35、および支持部材39は、それぞれ、図示しない駆動装置によって、所定のプログラムに従って駆動される。
以下、歯ブラシ製造装置10における作用について説明する。まず、鞘18の一端を、毛揃え機構15に対して所定方向X2側である待機位置に待機させる。この状態では、鞘18の掻き取り溝20が毛箱12の直下に配置され、図7(a)に示すごとく、掻き取り溝20内に複数本の毛6が入り込でいる。
この状態から、歯ブラシ製造装置10の作動スイッチ(図示せず)が入れられると、操作レバー25が所定方向X1へ移動させられる。すると、まず、図6(b)に示すように、芯板19だけが所定方向X1へ移動させられ、図7(b)に示すように、毛区切突起23が掻き取り溝20の上部に突出し、掻き取り溝20内に十数本の一束の毛6(毛束3)を残して、その毛束3と毛箱12内の毛6とを区切る。
次に、操作レバー25が嵌合用凹部24の一端面に当接し、鞘18と芯板19とが一体となって、所定方向X1へ移動させられ、毛束3が毛箱12から掻き取られる。このときの毛束3は、毛区切突起23によって掻き取り溝20に強く押し付けられ、スライダ11から落ちることはない。
続いて、図6(c)に示すように、スライダ11が所定方向X1に移動され、鞘18の一端が、植毛補助器34よりも所定方向X1側の植毛用位置P1に配置される。これにより、毛束3は、押込針31と植毛補助器34の筒部36との間に配置される。この状態で、操作レバー25が所定方向X2側に逆転移動し始め、突起23が掻き取り溝20から抜けていく。これにより、図6(d)に示すように、掻き取り溝20が毛束3を保持する力が弱くなる。
次いで、図5に示すように、進退機構制御装置44の制御によって、各サーボモータ54,54の駆動により、各雄ねじ軸56,56が所定角度回転する。これにより、各雌ねじ軸57,57、各連結板47,48および各揃え板41,42が、長さ方向Yと平行な方向に所定量変位する。このとき、図8(a)に示すように、両揃え板41,42は、互いに近接するように変位し、図8(b)に示すように、両揃え板41,42間の最小間隔Bが毛6の長さL2と実質的に同一になったときに両揃え板41,42が停止する。これにより、毛束3の両端301,302が揃えられ、毛束3の長さL1が毛6の長さL2と実質的に同一となる。その後、図8(c)に示すように、両揃え板41,42は、互いに離隔するように変位し、毛束3を揃える動作を開始するまえの位置(図8(a)に示す位置)に戻される。
また、両揃え板41,42が毛束3から離隔するのと同時に、図6(d)に示すように、カッタ29が平線製造中間体33の先端を切断し、平線8が形成される。この平線8は、ガイドブロック13に押し付けられるようになっており、ガイドブロック13から勝手には落下しない。
平線8が形成されると、図9(a)に示すように、押込針31が孔36aの中心軸36bに沿って下降させられ、平線8は、平線通過溝38内に押し込められる。これにより、毛束3は、平線8に押されて毛挿入溝37内に挿入されるとともに、筒部36の孔36a内に挿入される。
次に、図9(b)に示すように、毛束3は、孔36a内において、その長さ方向Yの途中である折り目7を中心に2つ折りされる。続いて、昇降杵35が下降し始め、押込針31と植毛補助器34が一体となって下降する。
次に、図9(c)に示すように、植毛補助器34の筒部36がブラシ柄2の植毛面4に当接するか、または極めて近接した時点で、植毛補助器34の下降が停止し、押込針31のみが下降する。これにより、平線8は、植毛補助器34の直下に予め配置された所定の植毛穴5に圧入される。毛束3の折り目7が植毛穴5に植毛された後、押込針31および植毛補助器34が上昇させられ、植毛が完了する。
上記の植毛作業が繰り返し行われて、歯ブラシ1が完成する。なお、図8(a)、図8(b)、図8(c)に示す、毛束3を揃える工程では、毛束3の折り目7の位置を調整して毛束3の高さ(第1高さH1)を変化させるために、両揃え板41,42の進変位量を変化させる。
図10は、進退機構制御装置44の制御部63による制御の流れを説明するためのフローチャートである。図11は、一対の揃え板41,42が毛束3を揃える動作と、ブラシ柄2に植毛された毛束3との関係を示す模式図である。以下、毛束3の両端301,302を揃える工程を詳述する。
図10および図11を参照して、制御部63は、まず、毛束3が、5列目または6列目の植毛穴5である植毛穴(1)に植毛されるか否かを判定する(ステップS1)。これから毛束3が植毛される植毛穴5が何列であるかは、ROMに格納された制御プログラムを参照することなどにより、判定することができる。
毛束3が植毛穴(1)に植毛される場合(ステップS1でYES)、第1サーボシリンダ機構51のサーボモータ54a(以下、第1サーボモータ54aともいう)の出力軸58は、一方の揃え板41が長さ方向Yの一方Y1側に移動されるように、回転方向の一方r1にα×50ステップ角駆動され、また、第2サーボシリンダ機構52のサーボモータ54b(以下、第2サーボモータ54aともいう)の出力軸58は、他方の揃え板42が長さ方向Yの他方Y2側に移動されるように、回転方向の一方r1にα×50ステップ角駆動される(ステップS2)。
αは、毛束3の長さL1に応じて設定される所定の係数であり、たとえば1に設定される。長さの異なる毛束を植毛するときには、毛束の長さに応じて係数αの値が変更される。歯ブラシ1については、毛束の長さはL1の1種類なので、係数αの値はどの列の植毛穴5でも同じである。一対の揃え板41,42が進変位されるとき、第1サーボモータ54aと第2サーボモータ54bは、合計でα×100ステップ角=100ステップ角駆動される。
これにより、第1サーボシリンダ機構51の雌ねじ軸57、一方の連結板47および一方の揃え板41は、待機位置(図11の左から1番目の一方の揃え板41の位置)を基準として、図11の左から2番目の揃え板41に示すように、長さ方向Yの一方Y1に進変位量A11進変位される。進変位量A11は、第1サーボモータ54aの回転角に、ねじ機構55のリードを乗じた値である。
また、第2サーボシリンダ機構52の雌ねじ軸57、他方の連結板48および他方の揃え板42は、待機位置(図11の左から1番目の揃え板42の位置)を基準として、長さ方向Yの他方Y2に進変位量A12進変位される。進変位量A12は、第1サーボモータ54aの回転角に、ねじ機構55のリードを乗じた値である。
植毛穴(1)に植毛する場合、両揃え板41,42の進変位量は等しいので、両揃え板41,42の進変位量A11,A12の合計を100%としたとき、一方の揃え板41の進変位量A11は、50%となり、他方の揃え板42の進変位量A12は、50%となる。このとき、一対の揃え板41,42は、連動して毛束3に向かって進変位しており、毛束3を両端から叩いて揃える。このとき、一対の揃え板41,42の最小間隔Bは、実質的に毛束3の長さL1(毛6の長さL2)と同一であり、上方から見た折り目7の位置は、長さ方向Yにおける毛束3の中点303と一致している。このとき、筒部36の中心軸36bは、折り目7と重なっており、また、毛束3の中点303と重なっている。長さ方向Yに関する、中点303と中心軸36bの距離A11−A12(長さ)は、ゼロである。その結果、毛束3は、折り目7で2つ折りにされ、段差寸法H3がゼロの状態で、植毛穴(1)に植毛される。
ステップS2の後、第1サーボモータ54aの出力軸58は、一方の揃え板41が待機位置に戻るように、回転方向の他方r2にα×50ステップ角、すなわちステップS2のときと反対方向に同じステップ角駆動され、また、第2サーボモータ54bの出力軸58は、他方の揃え板42が待機位置に戻るように、回転方向の他方r2にα×50ステップ角、すなわちステップS1のときと反対方向に同じステップ角駆動される(ステップS3)。
一方、毛束3が植毛穴(1)に植毛されない場合(ステップS1でNO)、この毛束3が4列目または7列目の植毛穴5である植毛穴(2)に植毛されるか否か判定される(ステップS4)。
毛束3が植毛穴(2)に植毛される場合(ステップS4でYES)、第1サーボモータ54aの出力軸58は、一方の揃え板41が長さ方向Yの一方Y1側に移動されるように、回転方向の一方r1にα(50+x2)ステップ角駆動され、また、第2サーボモータ54bの出力軸58は、他方の揃え板42が長さ方向Yの他方Y2側に移動されるように、回転方向の一方r1にα(50−x2)ステップ角駆動される(ステップS5)。なお、x2は整数であり、−50<x2<50である。後述する他の値x3,x4,x5、についても同様に、整数であり、−50<xn<50(nは3,4または5)である。
これにより、ステップS2のときと同様、一方の揃え板41は、待機位置を基準として、図11の左から3番目の揃え板41に示すように、長さ方向Yの一方Y1に進変位量A21(A21>A11)進変位される。また、他方の揃え板42は、待機位置を基準として、長さ方向Yの一方Y1に進変位量A22(A22<A12)進変位される。したがって、両揃え板41,42の進変位量A21,A22の合計を100%としたとき、一方の揃え板41の進変位量A21は、(50+x2)%となり、他方の揃え板42の進変位量A22は、(50−x2)%となる。このようにして、スライダ11による毛束3の保持位置は、一対の揃え板41,42で毛束3の長さ方向Yの一方Y1にずらされ、折り目7の位置が変化される。このとき、一対の揃え板41,42の最小間隔Bは、実質的に毛束3の長さL1と同一となっており、毛束3を両端から叩いて揃える。上方から見た折り目7の位置は、長さ方向Yにおける毛束3の中点303から(A21−A22)ずれている。このとき、筒部36の中心軸36bは、折り目7と重なっており、また、毛束3の中点303とは重なっていない。長さ方向Yに関する、中点303と中心軸36bの距離A21−A22は、ゼロより大きい値となっている。このように、長さ方向Yに関する、中点303と中心軸36bの距離が、植毛孔(1)に植毛するときのA11−A12からA21−A22に変更されている。その結果、毛束3は、折り目7で2つ折りにされ、段差寸法H3=A21−A22となるように、植毛穴(2)に植毛される。
ステップS5の後、第1サーボモータ54aの出力軸58は、一方の揃え板41が待機位置に戻るように、回転方向の他方r2にα(50+x2)ステップ角、すなわちステップS5のときと反対方向に同じステップ角駆動され、また、第2サーボモータ54bの出力軸58は、他方の揃え板42が待機位置に戻るように、回転方向の他方r2にα(50−x2)ステップ角、すなわちステップS5のときと反対方向に同じステップ角駆動される(ステップS6)。
一方、毛束3が植毛穴(2)に植毛されない場合(ステップS4でNO)、この毛束3が3列目または8列目の植毛穴5である植毛穴(3)に植毛されるか否か判定される(ステップS7)。
毛束3が植毛穴(3)に植毛される場合(ステップS7でYES)、第1サーボモータ54aの出力軸58は、一方の揃え板41が長さ方向Yの一方Y1側に移動されるように、回転方向の一方r1にα(50+x3)ステップ角駆動され、また、第2サーボモータ54bの出力軸58は、他方の揃え板42が長さ方向Yの他方Y2側に移動されるように、回転方向の一方r1にα(50−x3)ステップ角駆動される(ステップS8)。
これにより、ステップS2のときと同様、一方の揃え板41は、待機位置を基準として、図11の左から4番目の揃え板41に示すように、長さ方向Yの一方Y1に進変位量A31(A31>A21)進変位される。また、他方の揃え板42は、待機位置を基準として、長さ方向Yの一方Y1に進変位量A32(A32<A22)進変位される。したがって、両揃え板41,42の進変位量A31、A32の合計を100%としたとき、一方の揃え板41の進変位量A31は、(50+x3)%となり、他方の揃え板42の進変位量A32は、(50−x3)%となる。このとき、一対の揃え板41,42の最小間隔Bは、実質的に毛束3の長さL1と同一となっており、毛束3を両端から叩いて揃える。上方から見た折り目7の位置は、長さ方向Yにおける毛束3の中点303から(A31−A32)ずれている。このとき、筒部36の中心軸36bは、折り目7と重なっており、また、毛束3の中点303とは重なっていない。長さ方向Yに関する、中点303と中心軸36bの距離A31−A32は、ゼロより大きい値となっている。その結果、毛束3は、折り目7で2つ折りにされ、段差寸法H3=A31−A32となるように、植毛穴(3)に植毛される。
ステップS8の後、第1サーボモータ54aの出力軸58は、一方の揃え板41が待機位置に戻るように、回転方向の他方r2にα(50+x3)ステップ角、すなわちステップS8のときと反対方向に同じステップ角駆動され、また、第2サーボモータ54bの出力軸58は、他方の揃え板42が待機位置に戻るように、回転方向の他方r2にα(50−x3)ステップ角、すなわちステップS8のときと反対方向に同じステップ角駆動される(ステップS9)。
一方、毛束3が植毛穴(3)に植毛されない場合(ステップS7でNO)、この毛束3が2列目または9列目の植毛穴5である植毛穴(4)に植毛されるか否か判定される(ステップS10)。
毛束3が植毛穴(4)に植毛される場合(ステップS10でYES)、第1サーボモータ54aの出力軸58は、一方の揃え板41が長さ方向Yの一方Y1側に移動されるように、回転方向の一方r1にα(50+x4)ステップ角駆動され、また、第2サーボモータ54bの出力軸58は、他方の揃え板42が長さ方向Yの他方Y2側に移動されるように、回転方向の一方r1にα(50−x4)ステップ角駆動される(ステップS11)。
これにより、ステップS2のときと同様、一方の揃え板41は、待機位置を基準として、図11の左から5番目の揃え板41に示すように、長さ方向Yの一方Y1に進変位量A41(A41>A31)移動される。また、他方の揃え板42は、待機位置を基準として、長さ方向Yの他方Y2に進変位量A42(A42<A32)進変位される。したがって、両揃え板41,42の進変位量A41、A42の合計を100%としたとき、一方の揃え板41の進変位量A41は、(50+x4)%となり、他方の揃え板42の進変位量A42は、(50−x4)%となる。このとき、一対の揃え板41,42の最小間隔Bは、実質的に毛束3の長さL1と同一となっており、毛束3を両端から叩いて揃える。上方から見た折り目7の位置は、長さ方向Yにおける毛束3の中点303から(A41−A42)ずれている。このとき、筒部36の中心軸36bは、折り目7と重なっており、また、毛束3の中点303とは重なっていない。長さ方向Yに関する、中点303と中心軸36bの距離A41−A42は、ゼロより大きい値となっている。その結果、毛束3は、折り目7で2つ折りにされ、段差寸法H3=A41−A42となるように、植毛穴(4)に植毛される。
ステップS11の後、第1サーボモータ54aの出力軸58は、一方の揃え板41が待機位置に戻るように、回転方向の他方r2にα(50+x4)ステップ角、すなわちステップS11のときと反対方向に同じステップ角駆動され、また、第2サーボモータ54bの出力軸58は、他方の揃え板42が待機位置に戻るように、回転方向の他方r2にα(50−x4)ステップ角、すなわちステップS11のときと反対方向に同じステップ角駆動される(ステップS12)。
一方、毛束3が植毛穴(4)に植毛されない場合(ステップS10でNO)、この毛束3は、1列目または10列目の植毛穴5である植毛穴(5)に植毛されることとなる。この場合、第1サーボモータ54aの出力軸58は、一方の揃え板41が長さ方向Yの一方Y1側に移動されるように、回転方向の一方r1にα(50+x5)ステップ角駆動され、また、第2サーボモータ54bの出力軸58は、他方の揃え板42が長さ方向Yの他方Y2側に移動されるように、回転方向の一方r1にα(50−x5)ステップ角駆動される(ステップS13)。
これにより、ステップS2のときと同様、一方の揃え板41は、待機位置を基準として、図11の左から5番目の揃え板41に示すように、長さ方向Yの一方Y1に進変位量A51(A51>A41)進変位される。また、他方の揃え板42は、待機位置を基準として、長さ方向Yの一方Y1に進変位量A52(A52<A42)進変位される。したがって、両揃え板41,42の進変位量A51、A52の合計を100%としたとき、一方の揃え板41の進変位量A51は、(50+x5)%となり、他方の揃え板42の進変位量A52は、(50−x5)%となる。このとき、一対の揃え板41,42の最小間隔Bは、実質的に毛束3の長さL1と同一となっており、毛束3を両端から叩いて揃える。上方から見た折り目7の位置は、長さ方向Yにおける毛束3の中点303から(A51−A52)ずれている。このとき、筒部36の中心軸36bは、折り目7と重なっており、また、毛束3の中点303とは重なっていない。長さ方向Yに関する、中点303と中心軸36bの距離A51−A52は、ゼロより大きい値となっている。その結果、毛束3は、折り目7で2つ折りにされ、段差寸法H3=A51−A52となるように、植毛穴(5)に植毛される。
ステップS13の後、第1サーボモータ54aの出力軸58は、一方の揃え板41が待機位置に戻るように、回転方向の他方r2にα(50+x5)ステップ角、すなわちステップS13のときと反対方向に同じステップ角駆動され、また、第2サーボモータ54bの出力軸58は、他方の揃え板42が待機位置に戻るように、回転方向の他方r2にα(50−x5)ステップ角、すなわちステップS13のときと反対方向に同じステップ角駆動される(ステップS14)。
以上説明したように、この実施形態によれば、植毛穴5の位置(列)に応じて、毛束3を2つ折りにする折り目7の位置を長さ方向Yに関して異ならすという簡易な構成により、毛束3の段差寸法H3を変え、毛束3の高さ(第1高さH1)を容易に変えることができる。このため、植毛穴5の位置に応じた毛束3の高低変化をつけるのに、植毛後の毛束3の両端301,302の切断加工が必要ない。
進退機構制御装置44が、第1サーボシリンダ機構51の駆動による一方の揃え板41の進変位量と、第2サーボシリンダ機構52の駆動による他方の揃え板42の進変位量をそれぞれ設定・変更することで、毛束3の両端301,302を叩くときの一対の揃え板41,42の進変位量を異ならせ、長さ方向Yに関する毛束3の中点303と筒部36の中心軸36bとの距離を異ならせることで、折り目7の位置を長さ方向Yに異ならせる(調整する)という簡易な方法により、毛束3の第1高さH1を容易に変えることができる。
また、毛束3をブラシ柄2に植毛した後に、やすりで毛束3の先端を削って毛束3の第1高さH1を調整する構成ではなく、植毛後に毛束3の両端301,302の切断加工を施さないので、予めテーパ状に毛先加工された毛6の先端形状を崩すことがない。このため、ブラシ柄2に植毛されていないことから加工し易い単品の毛6の先端を、精度の高いテーパ状に加工した後、毛6を束にして毛束3の一端301と他端302との間に段差寸法H3をつけるようにして、毛先形状を崩すことなく、植毛穴5に植毛することができる。したがって、個々の毛6の両端の形状の自由度を高くできる。
また、進退機構制御装置44は、第1サーボシリンダ機構51の駆動による一方の揃え板41の進変位量と、第2サーボシリンダ機構52の駆動による他方の揃え板42の進変位量を個別に設定している。これにより、一方の揃え板41の進変位量と他方の揃え板42の進変位量の設定の自由度を高くでき、折り目7の位置を異ならせるときの一対の揃え板41,42の位置を容易に変更することができる。
また、個々の毛6の両端をテーパ状にすることで、毛6の両端を歯の間や歯周ポケットなどの狭いところに入り易くできるので、狭いところに入り込んだ歯垢を掻き出し易くして、歯垢を確実に除去できる。
さらに、ブラシ柄2の短手方向に見たとき、毛束3先端の全体形状が、植毛面4側に凹となる形状に形成されている。これにより、各毛束3の一端301を、歯の形状に良好にフィットさせることができ、歯垢などの汚れを落とし易くできる。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、図1(b)に示したのと異なる態様で、毛束3の第1高さH1を設定してもよい。
例として、図12に示すように、第1高さH1が相対的に高い毛束3aと、第1高さH1が相対的に低い毛束3bとを1列目の植毛穴5aから10列目の植毛穴5jにかけて互い違いに配置してもよい。第1高さH1が相対的に高い毛束3aの第1高さH1と、第1高さH1が相対的に低い毛束3bの第1高さH1との差は、1mm〜3mm程度にされているのが好ましい。この場合、歯の段差の奥まで毛束3の毛を到達し易くでき、歯垢などの汚れを落とし易くできる。
また、図13(a)および図13(b)に示すように、植毛面4の中央部の毛束3cの第1高さH1を高くし、その他の毛束3dの第1高さH1を低くしてもよい。この場合の植毛面4の中央部の毛束3cとは、図13(a)で黒丸で示した毛束3をいう。具体的には、2行目の2列目ないし9列目の植毛穴5b〜5iの毛束3である。この場合、歯と歯の隙間まで毛束3の毛を到達させることができ、歯垢などの汚れを落としやすくできる。
さらに、図14に示すように、1列目ないし10列目のうちの真ん中の列の植毛穴5(図14において、第4列ないし第7列の植毛穴5d〜5g)の毛束3eの第1高さH1を高くし、その他の列の毛束3fの第1高さH1を低くしてもよい。
また、図15に示すように、1列目ないし10列目のうちの真ん中の列の植毛穴5(図14において、第4列ないし第7列5d〜5g)の毛束3gの第1高さH1を低くし、その他の列の毛束3hの第1高さH1を高くしてもよい。
さらに、図16(a)および図16(b)に示すように、予め定める植毛穴5の位置に応じて、毛束長さが異なる複数種類(図16(a)および図16(b)では、2種類)の毛束3、3’の何れかが使用された歯ブラシ1’を製造することができる。
この場合、植毛穴(1)と植毛穴(2)のそれぞれに、長さL1が相対的に短い毛束3を植毛してあり、植毛穴(3)〜(5)のそれぞれに、長さL1’が相対的に長い毛束3’を植毛してある。
図16(a)を参照して、植毛穴(1)の毛束3は、第1高さH1と第2高さH2が等しい。植毛穴(2)の毛束3は、第1高さH1が第2高さH2よりも高い。植毛穴(2)の毛束3の第1高さH1は、植毛穴(1)の毛束3の第1高さH1よりも高い。
植毛穴(3)の毛束3’は、第1高さH1’が第2高さH2’と等しくされている。植毛穴(3)の毛束3’の第1高さH1’は、植毛穴(2)の毛束3の第1高さH1よりも高い。
植毛穴(4)、(5)の毛束3’の第1高さH1’は、それぞれ、当該植毛穴(4)、(5)の第2高さH2’よりも高くされている。植毛穴(4)、(5)の毛束3’の第1高さH1’は、各植毛穴(1)〜(5)の第1高さH1,H1’のうちで最も高い。
図17は、歯ブラシ1’を製造する歯ブラシ製造装置10’の要部の斜視図である。歯ブラシ製造装置10’については、歯ブラシ製造装置10(図4参照)と異なる点について主に説明し、同様の構成については図に同一の符号を付してその説明を省略する。
図17を参照して、歯ブラシ製造装置10’における植毛工程が歯ブラシ製造装置10の植毛工程と異なっている点は、(i)植毛穴5の位置に応じて植毛される毛束3,3’の長さL1,L1’が異なっている点と、(ii)長さの異なる毛束3,3’のそれぞれについて、植毛される植毛穴5の位置(列)に応じて、2つ折りにされる位置が変えられている点にある。
歯ブラシ製造装置10’は、毛箱12に隣接配置された毛箱12’を備えている。毛箱12は、下端開放面がスライダ11の鞘18に摺動可能に接触する箱本体26’と、箱本体26’内に昇降自在に配設された毛押さえブロック27’と、下端が毛押さえブロック27’に固定されたガイド棒28’とを有している。ガイド棒28’は、図示しない付勢ばねによって下側へ付勢されており、箱本体26’に収容された毛6’に付勢力を付与している。毛6’は、毛6より長く、毛6’が束ねられることで毛束3’が形成される。
毛箱12内の毛6を束にして掻き取るときは、図18(a)に示すように、鞘18の掻き取り溝20を毛箱12の直下に配置し、掻き取り溝20内に複数本の毛6を入り込ませる。
一方、毛箱12’内の毛6’を束にして掻き取るときは、図18(b)に示すように、鞘18の掻き取り溝20を毛箱12’の直下に配置し、掻き取り溝20内に複数本の毛6’を入り込ませる。これにより、毛6,6’(毛束3,3’)を、択一的に一対の揃え板41,42の間に運ぶことができる。
図19は、一対の揃え板41,42が対応する毛束3,3’を揃える動作と、ブラシ柄2に植毛された毛束3,3’との関係を示す模式図である。
図10および図19を参照して、毛束3の両端301,302、および毛束3’の両端301’,302’を揃える工程における、進退機構制御装置44の制御部63による制御の流れは、歯ブラシ製造装置10の場合と同様であるが、歯ブラシ製造装置10’による植毛の動作は、以下に示す点が特徴的である。
具体的には、制御部63は、毛束3が植毛穴(1)に植毛されると判定した場合(ステップS1でYES)、第1および第2サーボモータ54a,54bの出力軸58,58を、それぞれ、回転方向の一方r1にα×50ステップ角駆動させる(ステップS2)。
なお、毛束3,毛束3’のいずれが植毛されるかの判定と、1列目〜10列目のうちのどの列の植毛穴5に植毛されるかの判定は、ROMに格納された制御プログラムなどを参照することで行われる。
また、毛束3が植毛される場合には係数αは1に設定され、毛束3’が植毛される場合には、係数αは、毛束3に関する値(α=1)よりも小さな値、たとえば0.8(α=0.8)に設定される。係数αを変更することにより、各サーボモータ54a,54bの出力軸58,58の回転角の合計(α×100ステップ角)を変更できる。これにより、各サーボモータ54a,54bによって駆動される一対の揃え板41,42の進変位量の合計を変更することができ、毛束3,3’の長さL1,L1’に応じて、両揃え板41,42間の最小間隔をBとB’(B<B’)とに変えることができる。
ステップS2で各サーボシリンダ機構51,52のサーボモータ54,54がそれぞれ駆動されることにより、一方の揃え板41は、待機位置(図19の左から1番目の一方の揃え板41の位置)を基準として、図19の左から2番目の揃え板41に示すように、長さ方向Yの一方Y1に進変位量A11進変位される。また、他方の揃え板42は、待機位置(図19の左から1番目の揃え板42の位置)を基準として、長さ方向Yの他方Y2に進変位量A12進変位される。
植毛穴(1)に植毛する場合、両揃え板41,42の進変位量は等しいので、両揃え板41,42の進変位量A11,A12の合計を100%としたとき、一方の揃え板41の進変位量A11は、50%となり、他方の揃え板42の進変位量A12は、50%となる。このとき、一対の揃え板41,42の最小間隔Bは、実質的に毛束3の長さL1(毛6の長さL2)と同一であり、上方から見た折り目7の位置は、長さ方向Yにおける毛束3の中点303と一致している。このとき、筒部36の中心軸36bは、折り目7と重なっており、また、毛束3の中点303と重なっている。長さ方向Yに関する、中点303と中心軸36bの距離A11−A12は、ゼロである。毛束3は、折り目7で2つ折りにされ、段差寸法H3がゼロの状態で、植毛穴(1)に植毛される。
また、毛束3が植毛穴(2)に植毛される場合(ステップS4でYES)、第1サーボモータ54aの出力軸58は、回転方向の一方r1にα(50+x2)ステップ角駆動され、また、第2サーボモータ54bの出力軸58は、回転方向の一方r1にα(50−x2)ステップ角駆動される(ステップS5)。なお、ここでは毛束3を植毛するので、係数αは1である。
これにより、一方の揃え板41は、待機位置を基準として、図19の左から3番目の揃え板41に示すように、長さ方向Yの一方Y1に進変位量A21(A21>A11)進変位される。また、他方の揃え板42は、待機位置を基準として、長さ方向Yの一方Y1に進変位量A22(A22<A12)進変位される。したがって、両揃え板41,42の進変位量A21,A22の合計を100%としたとき、一方の揃え板41の進変位量A21は、(50+x2)%となり、他方の揃え板42の進変位量A22は、(50−x2)%となる。上方から見た折り目7の位置は、長さ方向Yにおける毛束3の中点303から(A21−A22)ずれている。このとき、筒部36の中心軸36bは、折り目7と重なっており、また、毛束3の中点303とは重なっていない。長さ方向Yに関する、中点303と中心軸36bの距離A21−A22は、ゼロより大きい値となっている。このように、長さ方向Yに関する、中点303と中心軸36bの距離が、植毛孔(1)に植毛するときのA11−A12からA21−A22に変更されている。毛束3は、折り目7で2つ折りにされ、段差寸法H3=A21−A22となるように、植毛穴(2)に植毛される。
また、毛束3’が植毛穴(3)に植毛される場合(ステップS7でYES)、第1サーボモータ54aの出力軸58は、回転方向の一方r1にα(50+x3)ステップ角駆動され、また、第2サーボモータ54bの出力軸58は、回転方向の一方r1にα(50−x3)ステップ角駆動される(ステップS8)。なお、ここでは、毛束3’を植毛するので、係数αは0.8である。
これにより、一方の揃え板41は、待機位置を基準として、図11の左から4番目の揃え板41に示すように、長さ方向Yの一方Y1に進変位量A31’(A31’<A11)進変位される。また、他方の揃え板42は、待機位置を基準として、長さ方向Yの一方Y1に進変位量A32’(A32’<A12)進変位される。したがって、両揃え板41,42の進変位量A31’、A32’の合計を100%としたとき、一方の揃え板41の進変位量A31は、(50+x3)%となり、他方の揃え板42の進変位量A32は、(50−x3)%となる。
毛束3’を植毛するときの係数αが1より小さくされていることにより、進変位量A31’<A11となり、かつ、進変位量A32’<A12’となる。したがって、両揃え板41,42の進変位量の合計A31’+A32’は、毛束3を植毛するときの両揃え板41,42の進変位量の合計A11+A12よりも少ない。このとき、一対の揃え板41,42の最小間隔B’は、実質的に毛束3’の長さL1’と同一となっており、毛束3’を両端から叩いて揃える。上方から見た折り目7’の位置は、長さ方向Yにおける毛束3’の中点303’と一致している。このとき、筒部36の中心軸36bは、折り目7’と重なっており、また、毛束3’の中点303’と重なっている。長さ方向Yに関する、中点303’と中心軸36bの距離A31’−A32’は、ゼロである。毛束3’は、折り目7’で2つ折りにされ、段差寸法H3’=A31’−A32’=0となるように、すなわち、段差寸法がつけられないように、植毛穴(3)に植毛される。
また、毛束3’が植毛穴(4)に植毛される場合(ステップS10でYES)、第1サーボモータ54aの出力軸58は、回転方向の一方r1にα(50+x4)ステップ角駆動され、また、第2サーボモータ54bの出力軸58は、回転方向の一方r1にα(50−x4)ステップ角駆動される(ステップS11)。
これにより、ステップS8のときと同様、一方の揃え板41は、待機位置を基準として、図19の左から5番目の揃え板41に示すように、長さ方向Yの一方Y1に進変位量A41’(A41’>A31’)移動される。また、他方の揃え板42は、待機位置を基準として、長さ方向Yの他方Y2に進変位量A42’(A42’<A32’)進変位される。両揃え板41,42の進変位量A41’、A42’の合計を100%としたとき、一方の揃え板41の進変位量A41’は、(50+x4)%となり、他方の揃え板42の進変位量A42’は、(50−x4)%となる。このとき、一対の揃え板41,42の最小間隔B’は、実質的に毛束3’の長さL1’と同一となっており、毛束3’を両端から叩いて揃える。上方から見た折り目7’の位置は、長さ方向Yにおける毛束3’の中点303’から(A41’−A42’)ずれている。このとき、筒部36の中心軸36bは、折り目7’と重なっており、また、毛束3’の中点303’とは重なっていない。長さ方向Yに関する、中点303’と中心軸36bの距離A41’−A42’は、ゼロより大きい値となっている。このように、長さ方向Yに関する、中点303’と中心軸36bの距離が、植毛孔(3)に植毛するときのA31’−A32’からA41’−A42’に変更されている。毛束3’は、折り目7’で2つ折りにされ、段差寸法H3’=A41’−A42’となるように、植毛穴(4)に植毛される。
また、毛束3’が植毛穴(5)に植毛される場合(ステップS10でNO)、第1サーボモータ54aの出力軸58は、回転方向の一方r1にα(50+x5)ステップ角駆動され、また、第2サーボモータ54bの出力軸58は、回転方向の一方r1にα(50−x5)ステップ角駆動される(ステップS13)。
これにより、一方の揃え板41は、待機位置を基準として、図19の左から5番目の揃え板41に示すように、長さ方向Yの一方Y1に進変位量A51(A51’=A41’)進変位される。また、他方の揃え板42は、待機位置を基準として、長さ方向Yの一方Y1に進変位量A52’(A52’=A42’)進変位される。両揃え板41,42の進変位量A51’、A52’の合計を100%としたとき、一方の揃え板41の進変位量A51’は、(50+x5)%となり、他方の揃え板42の進変位量A52’は、(50−x5)%となる。
この実施形態によれば、長い毛束3と短い毛束3’のそれぞれにおいて、高さ(第1高さH1,H1’)の高低変化をつけることができるので、各毛束3,3’の高さ変化をつける自由度がより増す。その結果、歯の形状に、よりフィットするブラシ形状を実現できる。これにより、高さの高い毛束3’の一端を、歯の間や歯周ポケットなどの狭いところに入り込み易くでき、歯垢をより除去し易くできる。また、高さの低い毛束3の一端を、歯の表面に接触させて歯の表面の歯垢をより除去し易くできる。
また、毛束3,3’の長さL1,L1’に応じて両揃え板41,42間の最小間隔B,B’を変えることができるので、長さの異なる毛束3,3’のそれぞれについて、一対の揃え板41,42が適度な強さで両端を叩いて揃えることができる。したがって、長さの異なる複数種類の毛束3,3’を植毛するときに、各種類の毛束3,3’のそれぞれの両端を揃えることができる。
また、進退機構制御装置44は、第1サーボシリンダ機構51の駆動による一方の揃え板41の進変位量と、第2サーボシリンダ機構52の駆動による他方の揃え板42の進変位量を個別に設定している。これにより、一方の揃え板41の進変位量と他方の揃え板42の進変位量の設定の自由度を高くでき、一対の揃え板41,42の最小間隔B,B’を毛束3,3’の長さL1,L1’に応じて容易に変更することができる。また、毛束3,3’のそれぞれについて、対応する折部7,7’の位置を異ならせるときの各揃え板41,42の位置を容易に変更することができる。
なお、予め定める植毛穴5の位置に応じて、長さが異なる3種類以上の毛束が使用されてもよい。
また、各毛6の両端をテーパ状に加工することに代えて、図20に示すように、各毛6の両端を球状に形成してもよい。各毛6の両端の球状の直径は、毛6の中間部の直径と比べて大きくされている。この場合、個々の毛の両端を球状にすることで、歯垢の掻き取り効果を増して歯垢をより確実に除去できるとともに、歯肉に対するマッサージ効果を発揮できる。さらに、毛6の両端の形状は、例示したものに限らず、テーパ加工や球状加工などの形状調整加工が施されていなくてもよい。毛6’についても毛6と同様の変更を施すことができる。
また、毛束3,3’を対応する植毛穴5に植毛するときに、毛束3,3’をスライダ11で水平に寝かせて保持する構成を説明したが、毛束3,3’を捕捉杵などで直立状態に保持しておき、保持された毛束3,3’の折り目7,7’を、植毛面4が上下方向と平行に向けられたブラシ柄2に植毛してもよい。
また、本発明は、歯ブラシに限らず、ヘアブラシなど、他のブラシに適用することができる。さらに、本発明は、歯ブラシ製造装置に限らず、ヘアブラシなど、他のブラシを製造するブラシ製造装置に適用することができる。
(a)は、この発明の一実施形態にかかる歯ブラシの平面図であり、(b)は、歯ブラシの側面図である。 (a)は、図1(a)のIIA−IIA線に沿う断面図であり、(b)は、図1(a)のIIB−IIB線に沿う断面図であり、(c)は、図1(a)のIIC−IIC線に沿う断面図であり、(d)は、図1(a)のIID−IID線に沿う断面図であり、(e)は、図1(a)のIIE−IIE線に沿う断面図である。 歯ブラシ製造装置の側面図である。 歯ブラシ製造装置の要部の斜視図である。 毛揃え装置の概略構成の模式図である。 (a)〜(d)は、毛箱内の毛を毛揃え装置に運ぶ工程を示す要部の側面図である。 (a)および(b)は、スライダが毛箱から複数の毛を毛束として掻き取る様子を示す側面図である。 (a)〜(c)は、毛束の両端を揃える工程を示す要部の平面図である。 (a)〜(c)は、毛束を植毛機構によって植毛する工程を示す要部の縦断面図である。 進退機構制御装置の制御部による制御の流れを説明するためのフローチャートである。 一対の揃え板が毛束を揃える動作と、ブラシ柄に植毛された毛束との関係を示す模式図である。 この発明の別の実施形態の歯ブラシの側面図である。 (a)は、この発明のさらに別の実施形態の歯ブラシの平面図であり、(b)は、図13(a)の側面図である。 この発明のさらに別の実施形態の歯ブラシの側面図である。 この発明のさらに別の実施形態の歯ブラシの側面図である。 (a)は、この発明のさらに別の実施形態の歯ブラシの要部の側面図であり、(b)は、真直ぐに延ばした状態の毛束を示す平面図である。 図16の歯ブラシを製造する歯ブラシ製造装置の要部の斜視図である。 (a)、(b)は、図17の歯ブラシ製造装置における、毛の掻き取り工程を説明するための側面図である。 一対の揃え板が対応する毛束を揃える動作と、ブラシ柄に植毛された各毛束との関係を示す模式図である。 この発明のさらに別の実施形態の歯ブラシの端部の拡大図である。
符号の説明
1,1’ 歯ブラシ(ブラシ)
2 ブラシ柄
3,3’ 毛束
5 植毛穴
7,7’ 折り目
11 スライダ(保持部材)
31 押込針(植毛針)
34 植毛補助器
36a 孔
36b 中心軸
41,42 揃え板
301,301’ (毛束の)一端
302,302’ (毛束の)他端
303,303’ 中点
A11−A12 距離(長さ)
A21−A22 距離(長さ)
A31−A32 距離(長さ)
A41−A42 距離(長さ)
A51−A52 距離(長さ)
A31’−A32’ 距離(長さ)
A41’−A42’ 距離(長さ)
H1,H1’ 第1高さ(毛束の高さ)
H3,H3’ 段差寸法
Y 長さ方向

Claims (6)

  1. 複数個の植毛穴が穿設されたブラシ柄と、各植毛穴に植毛された毛束とからなり、各毛束は長さの揃った毛が両端を揃えられて長さ方向の途中を2つ折りにされ、折り目を植毛穴内に固定されて植毛されているブラシにおいて、
    複数の毛束には、一端が他端よりもブラシ柄から大きく突出している毛束が含まれ、
    上記複数の毛束には、毛束を2つ折りにする折り位置が異なっていて、毛束の一端と他端との間の段差寸法(段差寸法のないものを含む)が異なっているものが含まれており、
    段差寸法の大きなものは、植毛された毛束の高さが高く、段差寸法の小さなもの(段差寸法のないものを含む)は、植毛された毛束の高さが低くなっていて、植毛された複数の毛束の高さが、植毛穴の位置に応じて高低変化をつけられていることを特徴とするブラシ。
  2. 毛後に毛先の切断加工を行っていないことを特徴とする請求項1記載のブラシ。
  3. 各上記毛束の毛は、その両端に、それぞれ、球状またはテーパ状の加工が施されていることを特徴とする請求項1または2記載のブラシ。
  4. 上記毛束は、予め定める植毛穴の位置に応じて、毛束の長さが異なる少なくとも2種類の毛束のいずれかが使用されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のブラシ。
  5. 保持部材に保持された毛束の長さ方向途中の折り目を中心に毛束を2つ折りにして、折り目をブラシ柄に植毛するに際し、
    上記毛束の両端を毛束の長さ方向に向かって一対の揃え板で叩いて毛束を揃え、かつ、上記保持部材による毛束の保持位置を毛束の長さ方向に所定量ずらすことによって、毛束の折り位置を変化させて、ブラシ柄に植毛されたときの毛束の高さを変化させることを特徴とするブラシの製造方法。
  6. 上記毛束の両端を一対の揃え板で叩いて端を揃え、次いで、上記保持部材に保持された1つの毛束を、植毛補助器に穿設された先細円錐台形の孔内で2つ折りにしてブラシ柄に植毛するに際し、両端の揃った毛束の長さ方向の中点を上記孔の中心軸から毛束の長さ方向に長さA(ゼロを含む)だけ外れたところに置き、上記孔内で孔の中心軸に沿って進行する植毛針によって毛束を2つ折りにしてブラシ柄に上記1つの毛束を植毛し、次いで、上記長さAを変更して別の毛束を植毛することを特徴とする請求項5記載のブラシの製造方法。
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