JP5202154B2 - コイン判別装置及び貯金箱 - Google Patents
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Description
このようなコイン判別装置の一例として、特許文献1(特開2004−54790号公報)は、小型のコイン判別装置を開示する。
さらに、実開昭62−46976号公報(特許文献2)は、簡単な構成で誤動作が少ない硬貨判別装置を開示する。この硬貨判別装置は、硬貨通路内を通過する硬貨が所定位置に到達した状態で該硬貨を検出する位置および検出しない位置にそれぞれ配設された第1の検出素子および第2の検出素子から成るタイミング決定手段と、上記所定位置に位置している硬貨の形状を光学的に検出する形状判別手段とを具備し、上記第1、第2の検出素子により硬貨が上記所定位置に到達したことを検出したタイミングにて上記形状判別手段により該硬貨の形状を判別することを特徴とする。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、コインを移動させることなく、コインの形状を検出するセンサを集中的に配置することができる、コイン判別装置を提供することを目的とする。さらに、このようなコイン判別装置を用いた貯金箱を提供することを目的とする。
本発明に係るコイン判別装置は、第1に、シュートに通路幅が次第に狭くなってコインを拘束するコイン拘束部を形成し、このコイン拘束部にコインの外径差で種別を判別する複数の検出センサを設け、前記コイン拘束部でコインの外周面と当接する当接面を通路から退避可能な可動部材に形成していることを特徴とする。
第2に、前記コイン拘束部は通路中心線を挟んで両側で傾斜した一対の当接面を有し、一方の当接面を形成している前記可動部材を通路からコイン肉厚方向に退避可能にしていることを特徴とする。
第4に、前記検出センサは、前記複数の外周用検出センサを中央用検出センサの上方に直線状に配置し、前記小径用検出センサを中央用検出センサから前記外周用検出センサの配列と交差する方向に配置していることを特徴とする。
これにより、略同位置でコインを拘束しつつその外径差を拡大できるため、十分な精度を保ったまま検出センサを集中的に配置できると同時に、拘束したコインの種別を判別した後、拘束されたコインを通路から退避可能な可動部材を備えているため、特許文献2のようにコイン判別のタイミングを決定するセンサが不要となる。
さらに、3種類の検出センサを備えることで、規格外のものも含めたコインの種別を確実に判別することができる。
そして、検出センサをコインの外径差が最も拡大される通路中心部付近に集中して配置できる。
これにより、貯金箱に投入されたコインを判別し、動作と音声で知らせることができる。
<コイン判別装置>
以下に、本実施形態に係るコイン判別装置100について説明する。図1にコイン判別装置100の分解斜視図を、図2にコイン判別装置100の正面図(第1ケース120を外した状態)を、図3にコイン判別装置100の左側面図をそれぞれ示す。
<コイン判別装置の構造上の特徴>
このコイン判別装置100の構造上の特徴は、(1)コインCの径の違いを、集中的に配置された検出センサで検出するために、コインCの進行方向である下に行くに従ってコインCが通過する通路幅が狭くなってコインCを拘束するコイン拘束部101を有する点、(2)このコイン拘束部101でコインCの外周面と当接する当接面131Aを構成する左右の部材の少なくとも一方の部材が、判別後のコインCをこのコイン判別装置100の通路から退避させる可動部材(後述するコイン退避部材131)としても機能する点、の少なくとも2つある。このコイン退避部材131は、例えば乾電池で動作するモータにより、コインCの面に垂直な方向(つまりコインCの肉厚方向)に進行及び退行するように動作する。なお、上述した(2)の特徴であるコイン退避部材131により、当接面を構成する左右の部材の双方が構成されていても構わない。なお、コイン拘束部101は、後述する板116と、これに対向するコイン退避部材131の当接面131Aとからなる。
<コイン判別装置の構造>
図1に示すように、このコイン判別装置100は、第1ケース120及び第2ケース130と、第1ケース120と第2ケース130とで挟まれるシュート110とで構成される。なお、コインCを判別位置まで誘導する「シュート」という意味では、シュート110だけではなく、シュート110と上述したコイン退避部材131とを組み合わせた構成が対応する。この図1においては、第1ケース120、第2ケース130及びシュート110の構造をわかりやすくするために、各々を異なる角度で見た場合の斜視図を1つの斜視図としている。このため、これらの3つの部材は1つの方向から見た斜視図ではない(すなわち、これらの3つの部材を示す斜視図の方位角及び俯角は同じでない)。
一方、このシュート110の反対側側面は、このようなコインCの厚み程度の隙間が開放されて形成されておらず、平板112と平板113とは板111により連結され、傾斜部114、115は板116により連結されて閉じられている。このような構造であるため、このシュート110を鉛直上方から見ると、断面がコの字型の形状になっている。
第2ケース130には、平板130Aと、その平板130Aに立設され第1ケース120のリブ120B及び120Cと接合されるリブ130B及びリブ130Cとを備える。平板130Aには、コイン退避部材131用の開口部(図1ではコイン退避部材131の影になり隠れている)を備える。さらに、平板130Aは、投光光源用の穴部132A〜穴部132Fを備える。
次に、図3に示すコイン判別装置100の左側面図を用いて、さらに投光光源及び検出センサについて説明する。なお、投光光源と検出センサの配置は表裏逆でも構わない。また、第5検出センサ123Eを中央用検出センサと、第1〜第4検出センサ123A〜123Dを外周用検出センサと、第6検出センサ123Fを小径用検出センサとする。
第2ケース130においては、穴部132Aには第1投光光源133Aが、穴部132Bには第2投光光源133Bが、穴部132Cには第3投光光源133Cが、さらに穴部132Dに対応する穴部には第4投光光源133D(図示しない)が、さらに穴部132Eに対応する穴部には第5投光光源133E(図示しない)が、さらに穴部132Eの幅方向に平行な位置に設けられた穴部には第6投光光源133F(図示しない)が、それぞれ設けられる。
<コイン判別装置の動作>
以上のような構造を備えたコイン判別装置100の動作について説明する。なお、投入されるコインCは、現在日本で使用される硬貨である1円硬貨、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、500円硬貨の6種類の硬貨及びこれらの6種類の硬貨の中で最も小さい径の1円硬貨よりもさらに小さい径の硬貨(例えば、1セントコイン)のうちのいずれかであるとする。
コインCは、コイン判別装置100の板116及びコイン退避部材131の当接面131Aに沿って下降してコイン拘束部101に拘束される(例えば図2のコインC(2)の位置)する。コインCの外径の大きさによって、どの位置まで下降するのかが決まる。図4の左から順に500円硬貨、10円硬貨、100円硬貨、5円硬貨、50円硬貨、1円硬貨、1セントコインの場合にどこまで下降するのかを示す。なお、図4における、黒丸は検出センサが受光していない状態(コインCにより投光光源の光線が遮光されている状態)を示し、白丸は検出センサが受光している状態(コインCにより投光光源の光線が遮光されていない状態)を示す。
無孔の10円硬貨(φ23.5mm)の場合、第1検出センサ123Aのみが投光光源の光線を受光し、第2検出センサ123B、第3検出センサ123C、第4検出センサ123D、第5検出センサ123E及び第6検出センサ123Fが、投光光源の光線を受光していない。
有孔の5円硬貨(φ22mm)の場合、第1検出センサ123A及び第2検出センサ123Bに加えて硬貨の中心の穴の位置に合致する第5検出センサ123Eが投光光源の光線を受光し、第3検出センサ123C、第4検出センサ123D及び第6検出センサ123Fが、投光光源の光線を受光していない。
無孔の1円硬貨(φ20mm)の場合、第1検出センサ123A、第2検出センサ123B、第3検出センサ123C及び第4検出センサ123Dが投光光源の光線を受光し、第5検出センサ123E及び第6検出センサ123Fが、投光光源の光線を受光していない。
なお、コインCがコイン判別装置100に到達していない場合、第1検出センサ123A、第2検出センサ123B、第3検出センサ123C、第4検出センサ123D、第5検出センサ123E及び第6検出センサ123Fの全ての検出センサが、投光光源の光線を受光する。
なお、コインCの外径差に基づいて、図4に示すように検出センサの位置が定められるが、これらの検出センサの位置について記述する。図4に示す下辺Dを12mmとして、この下辺Dを水平基準位置とすると、第1検出センサ123Aの中心位置が下辺Dから43.9mm、第2検出センサ123Bの中心位置が下辺Dから36.7mm、第3検出センサ123Cの中心位置が下辺Dから32.6mm、第4検出センサ123Dの中心位置が下辺Dから29.6mm、第5検出センサ123E及び第6検出センサ123Fの中心位置が下辺Dから24mmである。
以上のようにして、本実施形態に係るコイン判別装置100によると、コインCの周縁を板116及び当接面131Aに当接させて拘束して、複数の検出センサで径及び中心孔の有無を判別する。このようにコイン拘束部101で拘束させるので、検出センサを集中的に配置できる。さらに、コイン判別が終わると、当接面の一方はコインCの周縁に当接している状態から当接しない状態に動作されて、コインCがさらに下方に落とされて、コイン拘束部101から退避される。このため、拘束させたコインCをコイン判別装置100から退避させるための特段の部材を必要としない。
<コイン判別装置の変形例>
上述したコイン判別装置100において、板116及び当接面131Aに周縁が当接して拘束されたコインCが進行するように、左右の当接面の少なくとも一方(コイン退避部材131)をコインCが当接した状態から退避させるように説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、コイン退避部材は、コイン退避部材131の当接面131Aがほぼ鉛直下方に向くように揺動させて、コインCが当接面131Aに当接した状態から退避させるものであっても構わないし、コイン退避部材131をコインCから遠ざけるように水平方向にスライドしてコインCが当接面131Aに当接した状態から退避させるものであっても構わない。すなわち、コイン退避部材は、コインCが当接している当接面131Aの作用点をコインCから逃がすように、当接面131Aを構成要素とするコイン退避部材131を動作させるものであればよい。
<コイン判別装置の一適用例としての貯金箱>
図5に、本実施形態に係るコイン判別装置100を備えた貯金箱1の外形図を、図6に図1の貯金箱1のカバー1B(このカバー1Bは背面側のカバーであって、表面側のカバー1Aと対になっているカバーであるが図示していない)を外して、背面から見た透視図を、それぞれ示す。
この貯金箱1においては、入金口部5とコインケース200との上下方向に縦置きされ、コインCが重力により到達される、上述したコイン判別装置100が設けられている。コインケース200には、貯金箱1の底面である面にコイン排出口210が設けられており、例えばネジ式のキャップでコインケース200の内部を外部と遮断している。
なお、本実施形態に係るコイン判別装置の適用は、上述した貯金箱に留まらないことはいうまでもない。さらに、本実施形態に係るコイン判別装置で判別できるコインは日本国硬貨に限定されるものではない。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
5 入金口部
100 コイン判別装置
110 シュート
120 第1ケース
130 第2ケース
131 コイン退避部材(可動部材)
131A 当接面
200 コインケース
210 コイン排出口
C コイン
Claims (5)
- シュートに通路幅が次第に狭くなってコインを拘束するコイン拘束部を形成し、このコイン拘束部にコインの外径差で種別を判別する複数の検出センサを設け、前記コイン拘束部でコインの外周面と当接する当接面を通路から退避可能な可動部材に形成していることを特徴とするコイン判別装置。
- 前記コイン拘束部は通路中心線を挟んで両側で傾斜した一対の当接面を有し、一方の当接面を形成している前記可動部材を通路からコイン肉厚方向に退避可能にしていることを特徴とする請求項1に記載のコイン判別装置。
- 前記検出センサは、コインの孔部の有無を検出する中央用検出センサと、コインの外周部の有無を検出する複数の外周用検出センサと、規格外の小径コインを検出する小径用検出センサとを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のコイン判別装置。
- 前記検出センサは、前記複数の外周用検出センサを中央用検出センサの上方に直線状に配置し、前記小径用検出センサを中央用検出センサから前記外周用検出センサの配列と交差する方向に配置していることを特徴とする請求項3に記載のコイン判別装置。
- 運動動作可能に設けられた動作部材と、前記請求項1〜4のいずれか1項に記載のコイン判別装置と、このコイン判別装置で判別されたコイン判別信号を音声信号に変換する音声応答手段と、前記コイン判別装置で判別されたコイン判別信号を前記動作部材及び前記可動部材の動作信号に変換する動作応答手段とを有することを特徴とする貯金箱。
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