JP5202035B2 - 半導体集積回路とその動作方法 - Google Patents

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本発明は半導体集積回路とその動作方法に関するものであり、特に集積回路のチップ面積の削減が可能であると伴にGSM受信等の間欠受信でのDCオフセット電圧の補償とWCDMA受信等の連続受信でのDCオフセット電圧の補償とを可能するのに有効な技術に関するものである。
GSM、GPRS、EDGE、WCDMA、DCS、PCSに代表されるセルラーや無線LAN等の各種通信方式が発展しているが、近年、1つの端末で複数の通信方式や送受信周波数帯域に対応したマルチモード/マルチバンド送受信機が渇望されている。尚、GSMはGlobal System for Mobile Communicationの略であり、GPRSはGeneral Packet Radio Serviceの略である。EDGEは、Enhanced Data for GSM Evolution; Enhanced Data for GPRSの略である。WCDMAは、Wideband Code Division Multiple Accessの略である。DCSは、Digital Cellular Systemの略である。PCSは、Personal Communication Systemの略である。
携帯電話端末が有する高周波(RF)電力増幅器の動作は、位相変調のみを使用する基本的なモードのGSMでは飽和動作であり、位相変調と伴に振幅変調も使用するEDGEはGSMの飽和動作点から数dBのバックオフをとった動作点での線形動作である。また、位相変調と伴に振幅変調も使用するWCDMAおよびcdma−1xでも、RF電力増幅器の動作は線形動作である。
また、GSMおよびEDGEに対応する携帯電話端末の高周波回路部分おいて、ローノイズアンプおよびRF電力増幅器とアンテナとの間には、アンテナスイッチが配置される。アンテナスイッチは、TDMA(時分割マルチプルアクセス)方式の送信スロットと受信スロットとを切り換える機能を実行する。
WCDMAおよびcdma−1xに対応する携帯電話端末の高周波回路部分おいて、ローノイズアンプおよびRF電力増幅器とアンテナとの間には、デュプレクサが配置される。デュプレクサは、CDMA(コード分割マルチプルアクセス)方式の低いRF周波数のRF送信信号の送信と高いRF周波数のRF受信信号の受信とを並列に処理する機能を実行する。
世界中のどんな場所でも無線通信すると言う携帯電話端末等の通信端末機器の能力であるユビキタス・カバレージは、今日現実のものではなく、現在開発が進められている。これらのモバイルシステムは、GSM、GPRS、EDGE、WCDMAのセルラーと、例えばIEEE 802.11−b、−a、−g等のネットワーク、例えばブルートゥース、ジグビー等のパーソナルエリアネットワーク等とを含んでいる。これらのシステムの特性は、一定包落線と包落線変化との信号、時分割とコード分割とのマルチプレックス、高(数ワット)から低(マイクロワット)への送信出力電力の広範囲な組み合わせに及んでいる。その結果、マルチモード応用でのRF電力増幅器への要望が、大きくなっている。
下記非特許文献1には、携帯電話端末のRF部分から部品数を低減するのにダイレクト・コンバージョン・受信機が有効であるが、このアーキテキチャーを実際のシステムに適用するには、DCオフセットの問題を解決する必要があると記載されている。DCオフセットは、RFフロントエンド回路と後続のベースバンド回路(増幅器およびフィルター)とで生成される。ダイレクト・コンバージョン・受信機のアーキテキチャーは、スーパー・ヘテロダイン・受信機のような外部フィルターを含まないので、受信ミキサーを介してのRFローカル信号の漏洩によってDCオフセットとRFローカル信号の2倍の周波数である妨害信号とが生成される。
GSMベースバンド信号の周波数帯域は略135kHzであり、このような低周波ベースバンド信号においてDC遮断のための回路の実現は困難である。従って、ベースバンド・ローパスフィルター(LPF)が受信ミキサーの出力とゲインステージの入力との間に接続され、ベースバンドLPFによって高周波妨害信号が除去されるが、ゲインステージによって生成される増幅DCオフセット電圧はベースバンドLSIのA/D変換器の最大入力範囲を超える可能性がある。従って、ダイレクト・コンバージョン・受信機には、何らかのDCオフセット・キャリブレーション方式が必要とされる。DCオフセット・キャリブレーション回路はA/D変換器、レジスタ、D/A変換器によって構成され、A/D変換器の入力はゲインステージの出力に接続され、A/D変換器の出力はレジスタの入力に接続され、レジスタの出力はD/A変換器の入力に接続され、D/A変換器の出力はゲインステージに接続される。キャリブレーション・プロセスは、初段のゲインステージから次段のゲインステージに順次に実行される。
下記非特許文献2には、世界規模の使用のための2100、1900、850/800MHzのトライ・バンドの第3世代セルラートランシーバー用集積回路(IC)が記載されている。このRFトランシーバーは、トライ・バンド・WCDMAのベースバンド信号処理ICを集積化している。また、下記非特許文献2には、3GPPが提唱する下記6個の周波数帯が記載されている。尚、3GPPは、3-rd Generation Partnership Projectの略である。
バンド アップリンク ダウンリンク 単位 地域
バンドI :1920〜1980 2110〜2170 MHz 欧州
バンドII :1850〜1910 1930〜1990 MHz 米国
バンドIII :1710〜1785 1805〜1880 MHz 欧州
バンドIV :1710〜1755 2110〜2155 MHz 米国
バンドV : 824〜 849 869〜 894 MHz 米国
バンドVI : 830〜 840 875〜 885 MHz 日本
下記非特許文献2には、バンドIとバンドIIとバンドVとのマルチバンドに対応した送受信機が記載されている。その受信機は、ダイレクト・コンバージョン・ゼロIF・アーキテキチャーに基づいており、マルチバンドのRF受信信号を直交ベースバンドI、Q信号に直接変換する。I、Q信号経路は、ポスト・ミキサー・増幅器、IF増幅器、アンチ・エリエイジング・フィルター、DCオフセット補正回路を含んでいる。
また、下記非特許文献3には、WCDMAやcdma2000のFDD方式のRF受信信号を受信するダイレクト・コンバージョン・ゼロIF・アーキテキチャー・受信機が記載されている。アンテナで受信されたRF受信信号は受信信号と送信信号とを分離するデュプレクサを介して受信機のローノイズアンプの入力端子に供給され、ローノイズアンプの出力端子は帯域外の妨害波を除去するフロントエンドフィルターとしてのRFバンドパスフィルターを介して受信ミキサーの入力端子に接続されている。送信機で生成されるRF送信信号はRF電力増幅器で増幅された後、デュプレクサを介してアンテナに供給される。受信ミキサーの2個のミキサーには90°位相差のRFローカル信号が供給されることによって、受信ミキサーの出力から直交ベースバンド受信信号I、Qが生成される。直交ベースバンド受信信号I、Qの各信号は容量を介してベースバンドチャンネルフィルターとしてのローパスフィルターの入力端子に供給され、ローパスフィルターの出力信号は可変利得増幅器によって増幅され、可変利得増幅器の出力端子はDCオフセット除去ループを介して入力端子に接続されている。尚、FDD方式はWCDMA、GSM850、GSM900、DCS1800、PCS1900等の大多数の無線システムにおいて採用されているものであり、無線通信端末のRF受信帯域の周波数をRF送信帯域の周波数よりも高く設定するものである。従って、基地局とアップリンクされる多数の無線通信端末のRF送信周波数は、無線通信端末とダウンリンクされる基地局のRF送信周波数(無線通信端末のRF受信周波数)よりも低く設定することができる。その結果、無線通信端末の送信用電圧制御発振器の構成は簡単となり、多数の無線通信端末を低コストとすることが可能である。尚、FDDは、Frequency Division Duplexの略である。
また、下記非特許文献3には、EDGEのTDD方式のRF受信信号を受信するダイレクト・コンバージョン・ゼロIF・アーキテキチャー・受信機が記載されている。アンテナで受信されたRF受信信号はアンテナスイッチとRFバンドパスフィルターとを介して受信機のローノイズアンプの入力端子に供給され、ローノイズアンプの出力端子は受信ミキサーの入力端子に接続されている。送信機で生成されるRF送信信号はRF電力増幅器で増幅された後、アンテナスイッチを介してアンテナに供給される。受信ミキサーの2個のミキサーには90°位相差のRFローカル信号が供給されることによって、受信ミキサーの出力から直交ベースバンド受信信号I、Qが生成される。直交ベースバンド受信信号I、Qの各信号は直接にベースバンドチャンネルフィルターとしてのローパスフィルターの入力端子に供給され、ローパスフィルターの出力信号は可変利得増幅器によって増幅され、可変利得増幅器の出力端子はDCオフセット・キャリブレーション回路を介して入力端子に接続されている。GSM/EDGE通信のベースバンド信号帯域幅はWCDMA通信のそれよりも極めて狭いので(略135kHz)、WCDMA通信のための受信機で採用されたローパスフィルターの入力端子の容量によるAC結合はGSM/EDGE通信のための受信機では採用できないとしている。EDGE通信のための受信機で採用されたDCオフセット・キャリブレーション回路は、TDD方式の非受信タイムスロットの間に活性化されるものである。尚、TDD方式はGSM850、GSM900、DCS1800、PCS1900のTDMA方式の無線システムにおいて採用され、Time Division Duplexの略である。
また、良く知られているようにランダムな符号“0”、“1”が帯域幅の小さなチャンネルを伝送される際の符号間干渉(ISI:inter-symbol interference)を低減する方法として、送信機側ではパルス・シェーピング(ナイキスト・シグナリング)が行われ、受信機側ではイコライゼーションが行われる。ナイキスト・シグナリングにより、1つのパルスが最大値を取る時には、その他のパルスはゼロとされるものである。ナイキスト・シグナリングでしばしば用いられるパルス形状は、レイズドコサイン(RC:Raised Cosine)・スペクトラムに関するものである。レイズドコサインの関数の振幅は、時間軸上ではある時間で最大値を取り、その前後でゼロとされ、更にその前後で反対極性となると伴に次第に減衰するものである。レイズドコサインの関数の振幅は、周波数軸上ではある周波数帯域で平坦であり、この周波数帯域の外では次第に減衰するものである。このような処理は、レイズドコサインフィルターリングと呼ばれる。実際には、レイズドコサインフィルターは、2つの箇所に分割して挿入される。一方は送信機であり、他方は受信機である。伝達関数が上記の関数の平方根(square root)となるようなフィルターを用いることにより、両方の組み合わせでナイキスト・シグナリングが可能となり、受信機側のフィルターはマッチトフィルターとなる。
一方、下記非特許文献4には、符号間干渉(ISI)を低減するルートレイズドコサイン(RRC)フィルターにより、3GPP仕様に基づくFDD方式のWCDMAのためのパルス・シェーピング・フィルターを構成することが記載されている。WCDMA無線システムで、ダウンリンクで2個のRRCフィルターが存在する一方(基地局送信機で1個、端末受信機で1個)、アップリンクで2個のRRCフィルターが存在する(端末送信機で1個、基地局受信機で1個)。RRCフィルターは、ファイナイトインパルスレスポンス(FIR)フィルターによって実現されている。
また、下記非特許文献5には、WCDMA受信機の受信ベースバンドチャンネルのA/D変換器の出力に接続されるデシメーション・フィルターとチャンネル選択フィルターが記載されている。このA/D変換器には、ベースバンドからナイキスト周波数までに分布する量子化雑音を生成するオーバーサンプリングΔΣ変調器が使用される。従って、デシメーション・フィルターは、ナイキスト周波数の半分とナイキスト周波数とに位置する高いアッテネーションのストップバンドとする必要がある。アナログフィルターの容量は集積化される際に占有面積が大きく、占有面積の小さなディジタル・フィルターが好適で、ファイナイトインパルスレスポンス(FIR)フィルターが使用される。WCDMAのチャンネル選択フィルターは、符号間干渉(ISI)とストップバンド・アッテネーションの両者を最適化するために、ルートレイズドコサイン(RRC)フィルターでなければならない。
一方、下記特許文献1には、複数の規格の通信端末をわずかなハードウェアにより実現するために受信機の周波数ダウンコンバータの出力信号をΔΣA/D変換器の入力に供給して、ΔΣA/D変換器の出力信号をディジタル・フィルターに供給することが記載されている。ディジタル・フィルターの通過帯域は可変であり、受信する無線信号の規格に従って通過帯域が設定される。
Satoshi Tanaka et al, "GSM/DCS1800 Dual Band Direct−Conversion Transceiver IC With a DC Offset Calibration System", ESSCIRC 2001, Proceedings of the 27th European Solid State Circuits Conference, 18−20 Sept 2001, PP.494−497. D.L.Kaczman et al, "A Single−Chip Tri−Band (2100, 1900, 850/800 MHz) WCDMA/HSDPA Cellular Transceicer", IEEE JOURNAL OF SOLID−STATE CIRCUITS, VOL.41, NO.5, MAY 2006, PP.1122−1132. Walid Y. Ali−Ahmad, "Radio Transceiver Architectures and Design Issues for Wideband Cellular Systems", Proceedings. 2005 IEEE International Workshop on Radio−Frequency Integration Technology: Inegrated Circuits for Wideband Communication and Wireless Sensor Networks, 30 Nov.−2 Dec. 2005, PP.21−25. Inaki BERENGUER et al, "Efficient VLSI Design of a Pulse Shaping Filter and DAC interface for W−CDMA transmission" , Proceedings. 2003 IEEE International [System−on−Chip] SOC Conference, 17−20 Sept. 2003, PP.373−376. Lauri Koskinen et al, "Low−power Decimation and Channel Selection Filter for a WCDMA Receiver", NORSIG 2000, IEEE NORDIC SIGNAL PROCESSING SYMPOSIUM, JUNE 13−15 2000, SWEDEN http://www.es.isy.se/norsig2000/publ/page437_id082.pdf[平成20年1月29日検索] 米国特許 第6、697、438 B2号 明細書
本発明者等は本発明に先立って、GSM/EDGE通信と伴にWCDMA通信が可能なRFアナログ信号処理半導体集積回路の開発に従事した。
図1は、本発明に先立って本発明者等により検討されたRFアナログ信号処理半導体集積回路を示す図である。
《集積回路の全体構成》
RFアナログ信号処理半導体集積回路(以下、RFICと言う)1は、GSM通信のための受信ブロック100とWCDMA通信のための受信ブロック200とを含んでいる。
GSM受信ブロック100には、GSM850のRF受信信号Rx_GSM850、GSM900のRF受信信号Rx_GSM900、DCS1800のRF受信信号Rx_DCS1800、PCS1900のRF受信信号Rx_PCS1900が、供給される。
WCDMA受信ブロック200には、WCDMAのバンド1のRF受信信号Rx_WCDMA_Band1、WCDMAのバンド2のRF受信信号Rx_WCDMA_Band2が、供給される。
尚、GSM850のRF受信信号Rx_GSM850は869〜894MHzの周波数であり、GSM900のRF受信信号Rx_GSM900は925〜950MHzの周波数である。更に、DCS1800のRF受信信号Rx_DCS1800は1805〜1850MHzの周波数であり、PCS1900のRF受信信号Rx_PCS1900は1930〜1990MHzの周波数である。
また、WCDMAのバンド1のRF受信信号Rx_WCDMA_Band1は2110〜2170MHzの周波数であり、WCDMAのバンド2のRF受信信号Rx_WCDMA_Band2はPCS1900のRF受信信号Rx_PCS1900の周波数と同一の1930〜1990MHzの周波数である。
《GSM受信ブロック》
GSM通信のRF受信信号の受信のためのバンドパスフィルター11、12、13、14は、高性能の表面弾性波(SAW)フィルターで構成されている。従って、バンドパスフィルター11、12、13、14の出力とGSM受信ブロック100の低雑音増幅器101、102、103、104の入力との間には、入力整合回路15、16、17、18がRFICの外部で接続されている。
RF受信信号Rx_GSM850とRF受信信号Rx_GSM900とは、バンドパスフィルター11、入力整合回路15、低雑音増幅器101とバンドパスフィルター12、入力整合回路16、低雑音増幅器102とを介してそれぞれダイレクト・コンバージョン・アーキテキチャー・受信機に供給される。RF受信信号Rx_DCS1800とRF受信信号Rx_PCS1900とは、バンドパスフィルター13、入力整合回路17、低雑音増幅器103とバンドパスフィルター14、入力整合回路18、低雑音増幅器104とを介してそれぞれダイレクト・コンバージョン・アーキテキチャー・受信機に供給される。
ダイレクト・コンバージョン・アーキテキチャー・受信機は、第1受信ミキサーを構成する第1ミキサー105と第2ミキサー106と位相シフタ107とを含んでいる。第1ミキサー105の一方の差動入力端子には、RF受信信号Rx_GSM850、Rx_GSM900、Rx_DCS1800、Rx_PCS1900のいずれかのRF受信差動信号が供給される。第1ミキサー105の他方の差動入力端子には、PLL周波数シンセサイザ(図示せず)から生成される受信RFローカル差動信号Lo_Sig1が供給される。この受信RFローカル差動信号Lo_Sig1は位相シフタ107に供給されて、位相シフタ107から90°位相がシフトされた受信・位相シフト・RFローカル差動信号が生成される。第2ミキサー106の一方の差動入力端子にも、RF受信信号Rx_GSM850、Rx_GSM900、Rx_DCS1800、Rx_PCS1900のいずれかのRF受信差動信号が供給される。第2ミキサー106の他方の差動入力端子には、位相シフタ107からの受信・位相シフト・RFローカル差動信号が供給される。
RF受信信号Rx_GSM850、Rx_GSM900、Rx_DCS1800、Rx_PCS1900のいずれのRF受信信号が受信されたとしても、第1受信ミキサーを構成する第1ミキサー105の出力と第2ミキサー106の出力とから90°位相差(直交)のベースバンド受信信号I、ベースバンド受信信号Qが生成される。GSM受信ブロック100の第1受信ミキサーを構成する第1ミキサー105、第2ミキサー106の出力から生成されるGSMベースバンド受信信号I、Qの信号帯域幅は、上記非特許文献3に記載のようにWCDMA通信のそれよりも極めて狭く、略135kHzとされている。
一方、WCDMAベースバンド受信信号の信号帯域幅は1.92MHzである。
従って、GSM受信ブロック100で第1受信ミキサーの第1ミキサー105、第2ミキサー106の出力から生成されるGSMベースバンド受信信号I、Qは、容量によるAC結合ではなく上記非特許文献3に記載のようにDC結合でローパスフィルター110、120の入力端子に供給される。ローパスフィルター110、120はベースバンドチャンネルフィルターとして機能して、隣接チャンネルの妨害波のレベルを抑圧するものである。
ローパスフィルター110、120からのGSMベースバンド受信信号は、DCオフセットキャンセルのための減算器111、121を介して前段の可変利得増幅器112、122の入力端子に供給される。可変利得増幅器112、122の出力端子からのGSMベースバンド受信信号は、ローパスフィルター113、123と減算器114、124とを介して次段の可変利得増幅器115、125の入力端子に供給される。前段の可変利得増幅器112、122の差動出力端子のDC電圧成分は、DCオフセットキャンセル回路118、128の入力端子に供給される。同様に次段の可変利得増幅器115、125の差動出力端子のDC電圧成分も、DCオフセットキャンセル回路118、128の入力端子に供給される。
DCオフセットキャンセル回路118、128は、上記非特許文献1に記載のCオフセット・キャリブレーション回路に記載されたようにA/D変換器、ラッチ、D/A変換器によって構成され、上記非特許文献3に記載のようにTDMA方式の非受信タイムスロットの間に活性化されることができる。活性化期間にDCオフセットキャンセル回路118、128のA/D変換器の入力端子に前段の可変利得増幅器112、122の差動出力端子のDC電圧成分が供給され、A/D変換器から出力DCオフセットに対応するDCオフセット・ディジタル信号が生成される。DCオフセット・ディジタル信号がラッチを介してD/A変換器の入力端子に供給され、D/A変換器から前段の減算器111、121にDCオフセット補償アナログ信号が供給されるので、TDMA方式の受信タイムスロットの間に前段の減算器111、121にてDCオフセットキャンセルが実行されることができる。次段の可変利得増幅器115、125の出力DCオフセットもDCオフセットキャンセル回路118、128の第2のA/D変換器に供給され出力DCオフセットに対応するDCオフセット・ディジタル信号が生成され、DCオフセット・ディジタル信号がラッチに格納されている。ラッチにホールドされたDCオフセット・ディジタル信号の第2のD/A変換器の入力端子への供給が継続され、D/A変換器から次段の減算器114、124へのDCオフセット補償アナログ信号の供給が継続されている。このようにして、TDMA方式の受信タイムスロットの間に、次段の減算器114、124でもDCオフセットキャンセルが実行されることができる。
DCオフセットキャンセルの後に、次段の可変利得増幅器115、125からのGSM直交ベースバンド受信増幅信号は、A/D変換器116、126によってGSM直交ベースバンド受信ディジタル信号に変換される。A/D変換器116、126からのベースバンド受信ディジタル信号は、ディジタル・フィルター130とマルチプレクサー300を介してディジタルベースバンド処理ユニット(図示せず)に供給される。
《WCDMA受信ブロック》
WCDMA受信ブロック200には、WCDMAのバンド1のRF受信信号Rx_WCDMA_Band1、WCDMAのバンド2のRF受信信号Rx_WCDMA_Band2が、それぞれデュプレクサ21、22を介して供給される。
WCDMA通信のRF受信信号の受信のためのデュプレクサ21、22の出力と低雑音増幅器201、204の入力との間には、入力整合回路23、24がRFICの外部で接続されている。WCDMAのバンド1のRF受信信号Rx_WCDMA_Band1は、デュプレクサ21、入力整合回路23、低雑音増幅器201、バンドパスフィルター202、段間整合回路203を介してダイレクト・コンバージョン・アーキテクチャー・受信機に供給される。WCDMAのバンド2のRF受信信号Rx_WCDMA_Band2は、デュプレクサ22、入力整合回路24、低雑音増幅器204、バンドパスフィルター205、段間整合回路206を介してダイレクト・コンバージョン・アーキテクチャー・受信機に供給される。低雑音増幅器201、204の出力に接続されたバンドパスフィルター202、205は、帯域外の妨害波を除去するためのフロントエンドフィルターとして機能する。
ダイレクト・コンバージョン・アーキテキチャー・受信機は、第2受信ミキサーを構成する第3ミキサー207と第4ミキサー208と位相シフタ209とを含んでいる。第3ミキサー207の一方の差動入力端子には、RF受信信号Rx_WCDMA_Band1、Rx_WCDMA_Band2のいずれかのRF受信差動信号が供給される。第3ミキサー207の他方の差動入力端子には、PLL周波数シンセサイザ(図示せず)から生成される受信RFローカル差動信号Lo_Sig2が供給される。この受信RFローカル差動信号Lo_Sig2は位相シフタ209に供給されて、位相シフタ209から90°位相がシフトされた受信・位相シフト・RFローカル差動信号が生成される。第4ミキサー208の一方の差動入力端子にも、RF受信信号Rx_WCDMA_Band1、Rx_WCDMA_Band2のいずれかのRF受信差動信号が供給される。第4ミキサー208の他方の差動入力端子には、位相シフタ209からの受信・位相シフト・RFローカル差動信号が供給される。
RF受信信号Rx_WCDMA_Band1、Rx_WCDMA_Band2のいずれのRF受信信号が受信されたとしても、第2受信ミキサーを構成する第3ミキサー207の出力と第4ミキサー208の出力とから90°位相差(直交)のベースバンド受信信号I、ベースバンド受信信号Qが生成される。WCDMA受信ブロック200の第2受信ミキサーを構成する第3ミキサー207、第4ミキサー208の出力から生成されるWCDMAベースバンド受信信号I、Qの信号帯域幅は、上記非特許文献3に記載のようにGSM通信のそれよりも極めて広く、1.92MHzである。
従って、WCDMA受信ブロック200で第2受信ミキサーの第3ミキサー207、第4ミキサー208の出力から生成されるWCDMAベースバンド受信信号I、Qは、上記非特許文献3に記載のWCDMA方式の受信機のように容量C01、C11、C21、C31によるAC結合でローパスフィルター210、220の入力端子に供給される。ローパスフィルター210、220はベースバンドチャンネルフィルターとして機能して、隣接チャンネルの妨害波のレベルを抑圧するものである。
ローパスフィルター210、220からのWCDMAベースバンド受信信号は、AC結合のための容量C02、C12、C22、C32を介して前段の可変利得増幅器211、221の入力端子に供給される。可変利得増幅器211、221の出力端子からのWCDMAベースバンド受信信号は、AC結合容量C03…C34とローパスフィルター212、222とを介して次段の可変利得増幅器213、223の入力端子に供給される。
次段の可変利得増幅器213、223からのWCDMA直交ベースバンド受信増幅信号は、A/D変換器214、224によってWCDMA直交ベースバンド受信ディジタル信号に変換される。A/D変換器214、224からのベースバンド受信ディジタル信号は、ディジタル・フィルター230とマルチプレクサー300を介してディジタルベースバンド処理ユニット(図示せず)に供給される。
《本発明に先立って検討されたRFICの問題点》
上述したように図1に示した本発明に先立って本発明者等によって検討されたRFICでは、GSM通信のための受信ブロック100とWCDMA通信のための受信ブロック200とにより、GSM通信のRF受信信号とWCDMA通信のRF受信信号とを受信することが可能である。GSM通信のRF受信信号はRF受信信号Rx_GSM850、Rx_GSM900、Rx_DCS1800、Rx_PCS1900であり、WCDMA通信のRF受信信号はRF受信信号Rx_WCDMA_Band1、Rx_WCDMA_Band2である。
しかし、図1に示した本発明に先立って本発明者等により検討されたRFICは、集積回路のチップ面積が大きいと言う問題が本発明者等により明らかとされた。
その原因は、GSM受信ブロック100の第1受信ミキサーの出力より後段のGSMベースバンド受信信号増幅用のDC直結の多段可変増幅器とWCDMA受信ブロック200の第2受信ミキサーの出力より後段のGSMベースバンド受信信号増幅用のAC結合の多段可変増幅器との回路構成の相違に起因している。すなわち、GSMベースバンド受信信号の信号帯域幅が極めて狭く略135kHzであることから、GSM受信ブロック100の多段可変増幅器はDC直結によって構成された。それに対して、WCDMAベースバンド受信信号の信号帯域幅は広帯域の1.92MHzであることから、WCDMA受信ブロック200の多段可変増幅器はAC結合によって構成されたものである。
一方、TDD方式(TDMA方式)のGSM方式の携帯電話端末と基地局との間の間欠通信では、フレーム構造の通信が行われ、各フレームは4.615mSecの長さで8個のタイムスロットを含み、タイムスロットはアイドル状態、受信状態、送信状態に時分割で間欠的に設定される。従って、GSM方式での通信の大部分のフレームには、受信も送信も行われないアイドル状態のタイムスロットを含むものである。アイドル状態から受信状態もしくは送信状態に遷移するためには、PLL周波数シンセサイザ内部のRF電圧制御発振器の電源電圧の投入によるウォームアップが行われる。GSM通信の大部分のフレームのウォームアップ期間内で、携帯電話端末と基地局との間の通信距離に対応する可変利得増幅器の増幅利得の設定が可能である。それと伴に、GSM通信の大部分のフレームのウォームアップ期間内で、上記非特許文献3に記載のように非受信タイムスロットであるアイドル状態のタイムスロットでベースバンド受信信号のDCオフセット電圧のキャリブレーションを行うことができる。尚、TDMAは、Time-Division Multiple Accessの略である。
それに対してWCDMA方式の受信ではFDD方式もしくはCDMA方式で送信と並列の常時受信動作が行われ、この常時受信動作の間に可変利得増幅器の増幅利得の変化が必要とされる。また、WCDMA方式の常時受信動作の間に、携帯電話端末と基地局との間の通信距離の変化が生じると、RFICの前段の可変利得増幅器と次段の可変利得増幅器の増幅利得が変化されなければならない。すなわち、可変利得増幅器の増幅利得の変化により、可変利得増幅器の出力のWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧も変化する可能性がある。従って、WCDMA方式の常時連続受信動作時に可変利得増幅器の増幅利得変化に伴って生じる可変利得増幅器の出力のWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の変化を補償する必要があることが明らかとされた。
本発明は、以上のような本発明に先立った本発明者等の検討の結果、なされたものである。
従って、本発明の目的とするところは、集積回路のチップ面積の削減が可能であると伴に間欠受信動作でのDCオフセット電圧の補償と連続受信動作でのDCオフセット電圧の補償とが可能な半導体集積回路を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうちの代表的なものについて簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、本発明の代表的な半導体集積回路(1)は、間欠受信動作の第1の通信方式のための第1受信ブロック(100)と連続受信動作の第2の通信方式のための第2受信ブロック(200)とを具備する。
前記第1受信ブロック(100)は、第1RF受信信号を増幅する第1低雑音増幅器(101〜104)と、ダウンコンバートのための第1受信ミキサー(105、106)とを含む。
前記第2受信ブロック(200)は、第2RF受信信号を増幅する第2低雑音増幅器(201、204)と、ダウンコンバートのための第2受信ミキサー(207、208)とを含む。
前記半導体集積回路(1)は、可変増幅器(112、122、115、125)、ローパスフィルター(113、123)、DCオフセットキャンセル回路(118、128)、A/D変換器(116、126)、ディジタル・フィルター(130)を更に具備する(図2参照)。
前記第1受信ブロック(100)による前記第1の通信方式の前記第1RF受信信号の受信時の非受信スロットの間に、前記DCオフセットキャンセル回路による前記可変増幅器の出力DCオフセット電圧の低減が実行される(図6参照)。
前記第2受信ブロック(200)による前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の受信のために、前記第2RF受信信号の受信動作に移行する前に、前記DCオフセットキャンセル回路による前記可変増幅器の出力DCオフセット電圧の低減が実行される。
前記第2受信ブロックによる前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の前記受信動作の間に、前記ディジタル・フィルター(130)から前記可変増幅器(114、124)へのフィードバック制御(FB)によって前記可変増幅器の出力DCオフセット電圧の低減が実行される(図5参照)。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。すなわち、集積回路のチップ面積の削減が可能であると伴に間欠受信動作でのDCオフセット電圧の補償と連続受信動作でのDCオフセット電圧の補償とが可能な半導体集積回路を提供することができる。
《代表的な実施の形態》
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態による半導体集積回路(1)は、間欠受信動作の第1の通信方式のための第1受信ブロック(100)と連続受信動作の第2の通信方式のための第2受信ブロック(200)とを具備する。
前記第1受信ブロック(100)は、前記第1の通信方式の第1RF受信信号を増幅する第1低雑音増幅器(101〜104)と、前記第1の通信方式の前記第1RF受信信号を第1受信アナログ信号にダウンコンバートする第1受信ミキサー(105、106)とを含む。
前記第2受信ブロック(200)は、前記第2の通信方式の第2RF受信信号を増幅する第2低雑音増幅器(201、204)と、前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号を第2受信アナログ信号にダウンコンバートする第2受信ミキサー(207、208)とを含む。
前記半導体集積回路(1)は、可変増幅器(112、122、115、125)と、ローパスフィルター(113、123)と、DCオフセットキャンセル回路(118、128)と、A/D変換器(116、126)と、ディジタル・フィルター(130)とを更に具備する。
前記可変増幅器の入力端子には、前記第1受信ブロック(100)の前記第1受信ミキサー(105、106)からの前記第1受信アナログ信号と前記第2受信ブロック(200)の前記第2受信ミキサー(207、208)からの前記第2受信アナログ信号とが供給可能とされる。
前記可変増幅器の出力端子から生成される増幅信号は前記ローパスフィルター(113、123)の入力端子に供給可能とされる。
前記DCオフセットキャンセル回路(118、128)の入力には前記可変増幅器の前記出力端子のDC電圧成分が供給可能とされ、前記DCオフセットキャンセル回路の出力によって前記可変増幅器の前記出力端子の前記DC電圧成分が制御可能とされる。
前記可変増幅器の前記出力端子からの前記増幅信号はアナログ入力信号として前記A/D変換器(116、126)の入力端子に供給可能とされ、前記A/D変換器(116、126)の出力端子からのディジタル出力信号は前記ディジタル・フィルター(130)の入力端子に供給可能とされる(図2、図3参照)。
前記第1受信ブロック(100)による前記第1の通信方式の前記第1RF受信信号の非受信スロットの間に、前記DCオフセットキャンセル回路による前記可変増幅器の出力DCオフセット電圧の低減が実行可能とされる(図6参照)。
前記第2受信ブロック(200)による前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の受信のために、前記第2RF受信信号の受信動作に移行する前に、前記DCオフセットキャンセル回路による前記可変増幅器の出力DCオフセット電圧の低減が実行可能とされる。
前記第2受信ブロックによる前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の前記受信動作の間に、前記ディジタル・フィルター(130)から前記可変増幅器へのフィードバック制御(FB)によって前記可変増幅器の出力DCオフセット電圧の低減が実行可能とされる(図5参照)。
前記実施の形態によれば、半導体集積回路(1)の可変増幅器(112、122、115、125)とローパスフィルター(113、123)とA/D変換器(116、126)とディジタル・フィルター(130)とは間欠受信動作と連続受信動作とでダウンコンバートされた受信アナログ信号を共通に処理する。従って、この共通使用によって、集積回路のチップ面積の削減が可能となる。
また、前記実施の形態によれば、間欠受信動作の第1の通信方式の受信時の非受信スロットの間に可変増幅器の出力DCオフセット電圧の低減が実行され、連続受信動作の第2の通信方式の受信のために受信動作に移行する前に可変増幅器の出力DCオフセット電圧の低減が実行される。更に、前記実施の形態によれば、第2の通信方式の受信動作の間には、ディジタル・フィルター(130)から可変増幅器(114、124)へのフィードバック制御(FB)によって可変増幅器の出力DCオフセット電圧の低減が実行可能とされている。従って、第1の通信方式の受信でのDCオフセット電圧の補償と第2の通信方式の受信でのDCオフセット電圧の補償とが可能な半導体集積回路を提供することが可能となる。
好適な実施の形態によれば、前記可変増幅器(112、122、115、125)は、すくなくとも前段可変増幅器(112、122)と次段可変増幅器(115、125)とを含む(図2参照)。前記第2受信ブロックによる前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の前記受信動作の間(図5の時刻T56)に前記前段可変増幅器および前記次段可変増幅器の増幅利得が変化可能とされる。前記増幅利得の変化に際して、前記ディジタル・フィルターから前記次段可変増幅器への前記フィードバック制御によって前記次段可変増幅器の前記出力DCオフセット電圧の低減が実行可能とされる(図5参照)。
他の好適な実施の形態によれば、前記DCオフセットキャンセル回路(118、128)の他の入力には前記次段可変増幅器(114、124)の前記出力端子のDC電圧成分が供給可能とされ、前記DCオフセットキャンセル回路の他の出力によって前記次段可変増幅器の前記出力端子の前記DC電圧成分が制御可能とされる。
前記第1受信ブロック(100)による前記第1の通信方式の前記第1RF受信信号の前記受信時の前記非受信スロットの間に、前記DCオフセットキャンセル回路による前記次段可変増幅器の出力DCオフセット電圧の低減が実行可能とされる(図6参照)。
前記第2受信ブロック(200)での前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の前記受信動作に移行する前に、前記DCオフセットキャンセル回路による前記次段可変増幅器の出力DCオフセット電圧の低減が実行可能とされる(図5参照)。
より好適な実施の形態によれば、前記ディジタル・フィルター(130)でのフィードフォワード制御(FF)によって前記第2受信ブロックによる前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の前記受信動作での前記フィードバック制御(FB)による制御残余が補償される(図5参照)。
他のより好適な実施の形態によれば、前記ディジタル・フィルター(130)は前記A/D変換器(116、126)の前記出力端子からの前記ディジタル出力信号が供給されるデシメーション・フィルター(1301)を含む。
前記半導体集積回路(1)は、ディジタル・積分器(1191)とフィードバック制御部(1192)とフィードフォワード制御部(1193)とを含むディジタル・DCオフセット補償回路(119)とを更に具備する。
前記ディジタル・DCオフセット補償回路の前記ディジタル・積分器(1191)の入力端子に前記ディジタル・フィルター(130)の前記デシメーション・フィルター(1301)からの出力信号が供給される。
前記ディジタル・DCオフセット補償回路(119)では前記ディジタル・積分器(1191)からの出力信号が前記フィードバック制御部(1192)の入力端子に供給され、前記フィードバック制御部(1192)の出力によって、前記フィードバック制御(FB)による前記次段可変増幅器の前記出力DCオフセット電圧の前記低減が実行される(図5参照)。
更に他のより好適な実施の形態によれば、前記ディジタル・DCオフセット補償回路(119)では前記ディジタル・積分器(1191)からの前記出力信号に応答した前記フィードフォワード制御部(1193)の出力によって、前記フィードフォワード制御(FF)による前記フィードバック制御(FB)の前記制御残余が補償される(図5参照)。
具体的な一つの実施の形態によれば、前記デシメーション・フィルター(1301)の出力端子には符号間干渉(ISI)を低減すためのルートレイズドコサインフィルター(1302)の入力端子が接続される。
他の具体的な一つの実施の形態によれば、前記第1受信ブロック(100)の前記第1受信ミキサー(105、106)から生成される前記第1受信アナログ信号と前記第2受信ブロック(200)の前記第2受信ミキサー(207、208)から生成される前記第2受信アナログ信号とは、受信ベースバンドとローIFの受信アナログ信号とのいずれかである。
更に他の具体的な一つの実施の形態によれば、前記第1受信ブロック(100)の前記第1受信ミキサー(105、106)から生成される前記第1受信アナログ信号は、信号帯域幅が1MHz未満のベースバンド受信信号である。前記第2受信ブロック(200)の前記第2受信ミキサー(207、208)から生成される前記第2受信アナログ信号は、信号帯域幅が5MHz未満のベースバンド受信信号である。
最も具体的な一つの実施の形態によれば、前記第1の通信方式はGSM通信であり、前記第2の通信方式はWCDMA通信である。
〔2〕本発明の別の観点の代表的な実施の形態は、間欠受信動作の第1の通信方式のための第1受信ブロック(100)と連続受信動作の第2の通信方式のための第2受信ブロック(200)とを具備する半導体集積回路(1)の動作方法である。
前記第1受信ブロック(100)は、前記第1の通信方式の第1RF受信信号を増幅する第1低雑音増幅器(101〜104)と、前記第1の通信方式の前記第1RF受信信号を第1受信アナログ信号にダウンコンバートする第1受信ミキサー(105、106)とを含む。
前記第2受信ブロック(200)は、前記第2の通信方式の第2RF受信信号を増幅する第2低雑音増幅器(201、204)と、前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号を第2受信アナログ信号にダウンコンバートする第2受信ミキサー(207、208)とを含む。
半導体集積回路(1)は、前段可変増幅器(112、122、115、125)と、ローパスフィルター(113、123)と、DCオフセットキャンセル回路(118、128)と、A/D変換器(116、126)と、ディジタル・フィルター(130)とを更に具備する。
前記可変増幅器の入力端子には、前記第1受信ブロック(100)の前記第1受信ミキサー(105、106)からの前記第1受信アナログ信号と前記第2受信ブロック(200)の前記第2受信ミキサー(207、208)からの前記第2受信アナログ信号とが供給される。
前記可変増幅器の出力端子から生成される増幅信号は前記ローパスフィルター(113、123)の入力端子に供給される。
前記DCオフセットキャンセル回路(118、128)の入力には前記可変増幅器の前記出力端子のDC電圧成分が供給され、前記DCオフセットキャンセル回路の出力によって前記可変増幅器の前記出力端子の前記DC電圧成分が制御される。
前記可変増幅器の前記出力端子からの前記増幅信号はアナログ入力信号として前記A/D変換器(116、126)の入力端子に供給され、前記A/D変換器(116、126)の出力端子からのディジタル出力信号は前記ディジタル・フィルター(130)の入力端子に供給される(図2、図3参照)。
前記第1受信ブロック(100)による前記第1の通信方式の前記第1RF受信信号の非受信スロットの間に、前記DCオフセットキャンセル回路による前記可変増幅器の出力DCオフセット電圧の低減が実行される(図6参照)。
前記第2受信ブロック(200)による前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の受信のために、前記第2RF受信信号の受信動作に移行する前に、前記DCオフセットキャンセル回路による前記可変増幅器の出力DCオフセット電圧の低減が実行される。
前記第2受信ブロックによる前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の前記受信動作の間に、前記ディジタル・フィルター(130)から前記可変増幅器へのフィードバック制御(FB)によって前記可変増幅器の出力DCオフセット電圧の低減が実行される(図5参照)。
前記実施の形態によれば、半導体集積回路(1)の可変増幅器(112、122、115、125)とローパスフィルター(113、123)とA/D変換器(116、126)とディジタル・フィルター(130)とは間欠受信動作と連続受信動作とでダウンコンバートされた受信アナログ信号を共通に処理する。従って、この共通使用によって、集積回路のチップ面積の削減が可能となる。
また、前記実施の形態によれば、間欠受信動作の第1の通信方式の受信時の非受信スロットの間に可変増幅器の出力DCオフセット電圧の低減が実行され、連続受信動作の第2の通信方式の受信のために受信動作に移行する前に可変増幅器の出力DCオフセット電圧の低減が実行される。更に、前記実施の形態によれば、第2の通信方式の受信動作の間には、ディジタル・フィルター(130)から可変増幅器(114、124)へのフィードバック制御(FB)によって可変増幅器の出力DCオフセット電圧の低減が実行される。従って、第1の通信方式の受信でのDCオフセット電圧の補償と第2の通信方式の受信でのDCオフセット電圧の補償とが可能な半導体集積回路を提供することが可能となる。
好適な実施の形態によれば、前記可変増幅器(112、122、115、125)は、すくなくとも前段可変増幅器(112、122)と次段可変増幅器(115、125)とを含む(図2参照)。前記第2受信ブロックによる前記WCDMA通信の前記第2RF受信信号の前記受信動作の間(図5の時刻T56)に前記前段可変増幅器および前記次段可変増幅器の増幅利得が変化される。前記増幅利得の変化に際して、前記ディジタル・フィルターから前記次段可変増幅器への前記フィードバック制御によって前記次段可変増幅器の前記出力DCオフセット電圧の低減が実行される(図5参照)。
他の好適な実施の形態によれば、前記DCオフセットキャンセル回路(118、128)の他の入力には前記次段可変増幅器(114、124)の前記出力端子のDC電圧成分が供給され、前記DCオフセットキャンセル回路の他の出力によって前記次段可変増幅器の前記出力端子の前記DC電圧成分が制御される。
前記第1受信ブロック(100)による前記第1の通信方式の前記第1RF受信信号の前記受信時の前記非受信スロットの間に、前記DCオフセットキャンセル回路による前記次段可変増幅器の出力DCオフセット電圧の低減が実行される(図6参照)。
前記第2受信ブロック(200)での前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の前記受信動作に移行する前に、前記DCオフセットキャンセル回路による前記次段可変増幅器の出力DCオフセット電圧の低減が実行される(図5参照)。
より好適な実施の形態によれば、前記ディジタル・フィルター(130)でのフィードフォワード制御(FF)によって前記第2受信ブロックによる前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の前記受信動作での前記フィードバック制御(FB)による制御残余が補償される(図5参照)。
他のより好適な実施の形態によれば、前記ディジタル・フィルター(130)は前記A/D変換器(116、126)の前記出力端子からの前記ディジタル出力信号が供給されるデシメーション・フィルター(1301)を含む。
前記半導体集積回路(1)は、ディジタル・積分器(1191)とフィードバック制御部(1192)とフィードフォワード制御部(1193)とを含むディジタル・DCオフセット補償回路(119)とを更に具備する。
前記ディジタル・DCオフセット補償回路の前記ディジタル・積分器(1191)の入力端子に前記ディジタル・フィルター(130)の前記デシメーション・フィルター(1301)からの出力信号が供給される。
前記ディジタル・DCオフセット補償回路(119)では前記ディジタル・積分器(1191)からの出力信号が前記フィードバック制御部(1192)の入力端子に供給され、前記フィードバック制御部(1192)の出力によって、前記フィードバック制御(FB)による前記次段可変増幅器の前記出力DCオフセット電圧の前記低減が実行される(図5参照)。
更に他のより好適な実施の形態によれば、前記ディジタル・DCオフセット補償回路(119)では前記ディジタル・積分器(1191)からの前記出力信号に応答した前記フィードフォワード制御部(1193)の出力によって、前記フィードフォワード制御(FF)による前記フィードバック制御(FB)の前記制御残余が補償される(図5参照)。
具体的な一つの実施の形態によれば、前記デシメーション・フィルター(1301)の出力端子には符号間干渉(ISI)を低減すためのルートレイズドコサインフィルター(1302)の入力端子が接続される。
他の具体的な一つの実施の形態によれば、前記第1受信ブロック(100)の前記第1受信ミキサー(105、106)から生成される前記第1受信アナログ信号と前記第2受信ブロック(200)の前記第2受信ミキサー(207、208)から生成される前記第2受信アナログ信号とは、受信ベースバンドとローIFの受信アナログ信号とのいずれかである。
更に他の具体的な一つの実施の形態によれば、前記第1受信ブロック(100)の前記第1受信ミキサー(105、106)から生成される前記第1受信アナログ信号は、信号帯域幅が1MHz未満のベースバンド受信信号である。前記第2受信ブロック(200)の前記第2受信ミキサー(207、208)から生成される前記第2受信アナログ信号は、信号帯域幅が5MHz未満のベースバンド受信信号である。
最も具体的な一つの実施の形態によれば、前記第1の通信方式はGSM通信であり、前記第2の通信方式はWCDMA通信である。
《実施の形態の説明》
次に、実施の形態について更に詳述する。尚、発明を実施するための最良の形態を説明するための全図において、前記の図と同一の機能を有する部品には同一の符号を付して、その繰り返しの説明は省略する。
《RFICの全体構成》
図2は、本発明の1つの実施の形態によるRFアナログ信号処理半導体集積回路(以下、RFICと言う)1の構成を示す図である。図2のRFICにおいて、図1と同一の部品には同一の参照番号が使用されて、重複する説明を省略する。
図2に示すRFICの図1との相違点は、下記の通りである。
《GSMとWCDMAとに共通使用されるDC直結の多段増幅器》
すなわち、図2に示すRFICでは、GSM受信ブロック100の第1受信ミキサーで形成されるGSMベースバンド受信信号I、QとWCDMA受信ブロック200の第2受信ミキサーで形成されるWCDMAベースバンド受信信号I、QとはDC直結の多段増幅器によって共通に増幅される。図2でGSMとWCDMAとのベースバンド受信信号の増幅に共通に使用されるDC直結の多段増幅器は、図1のGSMベースバンド受信信号の増幅に使用されるDC直結の多段増幅器と全く同様に構成されている。すなわち、図2の共通使用されるDC直結の多段増幅器は、ローパスフィルター110、120、113、123、前段の増幅器112、122、次段の増幅器115、125、減算器111、121、114、124、DCオフセットキャンセル回路118、128によって構成されている。
すなわち、GSM受信ブロック100の第1受信ミキサーの第1ミキサー105、第2ミキサー106の出力から生成され信号帯域幅が略135kHzと狭いGSMベースバンド受信信号I、Qは、DC直結で前段のローパスフィルター110、120の入力に供給される。ローパスフィルター110、120の出力のGSMベースバンド受信信号I、Qは、前段の減算器111、121、前段の増幅器112、122、次段のローパスフィルター113、123、次段の減算器114、124、次段の増幅器115、125にDC直結で伝達される。
また、WCDMA受信ブロック200の第2受信ミキサーの第3ミキサー207、第4ミキサー208の出力から生成され信号帯域幅が1.92MHzと広いWCDMAベースバンド受信信号I、Qも、DC直結で前段のローパスフィルター110、120の入力に供給される。ローパスフィルター110、120の出力のWCDMAベースバンド受信信号I、Qは、前段の減算器111、121、前段の増幅器112、122、次段のローパスフィルター113、123、次段の減算器114、124、次段の増幅器115、125にDC直結で伝達される。
このようにして、図2に示すRFICでは、GSM受信ブロック100の第1受信ミキサーで形成されるGSMベースバンド受信信号I、QとWCDMA受信ブロック200の第2受信ミキサーで形成されるWCDMAベースバンド受信信号I、QとはDC直結の多段増幅器によって共通に増幅される。従って、RFICのチップ面積の削減が可能となる。
《DCオフセットキャンセル回路》
図1のRFICと同様に、図2のRFICにおいて、DCオフセットキャンセル回路118、128は、上記非特許文献1に記載のDCオフセット・キャリブレーション回路に記載されたようにA/D変換器、ラッチ、D/A変換器によって構成されている。
このDCオフセットキャンセル回路118、128は、TDMA方式であるGSM方式の非受信タイムスロットの間に活性化されることができる。活性化期間にDCオフセットキャンセル回路118、128のA/D変換器の入力端子に前段の可変利得増幅器112、122の差動出力端子のDC電圧成分が供給され、A/D変換器から出力DCオフセットに対応するDCオフセット・ディジタル信号が生成される。DCオフセット・ディジタル信号がラッチを介してD/A変換器の入力端子に供給され、D/A変換器から前段の減算器111、121にDCオフセット補償アナログ信号が供給されるので、TDMA方式の受信タイムスロットの間に前段の減算器111、121にてDCオフセットキャンセルが実行されることができる。次段の可変利得増幅器115、125の出力DCオフセットもDCオフセットキャンセル回路118、128の第2のA/D変換器に供給され出力DCオフセットに対応するDCオフセット・ディジタル信号が生成され、DCオフセット・ディジタル信号がラッチに格納されている。ラッチにホールドされたDCオフセット・ディジタル信号の第2のD/A変換器の入力端子への供給が継続され、D/A変換器から次段の減算器114、124へのDCオフセット補償アナログ信号の供給が継続されている。このようにして、TDMA方式の受信タイムスロットの間に、次段の減算器114、124でもDCオフセットキャンセルが実行されることができる。GSM方式の非受信タイムスロットでのDCオフセットキャンセルは、具体的には、アイドル状態(待ち受け状態)から受信動作(受信タイムスロット)に移行する前のウォームアップ期間内に行われるものである。
また更にDCオフセットキャンセル回路118、128は、FDD方式のWCDMA方式の常時受信動作のためにもDCオフセットキャンセルが実行するものである。WCDMA方式の常時受信動作のためのDCオフセットキャンセルは、具体的には、アイドル状態(待ち受け状態)からWCDMA方式の受信動作(送信と常時並列)に移行する前のウォームアップ期間内のDCオフセット・キャリブレーション期間に行われる。
《ディジタル・フィルターによるマッチトフィルター》
図2のRFICにおいて、共通使用のDC直結の多段増幅器の次段の増幅器115、125の出力に生成されるGSM受信もしくはWCDMA受信のアナログベースバンド受信信号I、Qは、A/D変換器116、126によってディジタルベースバンド受信信号に変換される。A/D変換器116、126の出力からのディジタルベースバンド受信信号は、受信機側のマッチトフィルターを含むディジタル・フィルター130に供給される。
図2のRFICのディジタル・フィルター130に含まれる受信機側のマッチトフィルターは、上記非特許文献4に記載された符号間干渉(ISI)を低減するレイズドコサイン(RC)フィルターもしくはルートレイズドコサイン(RRC)フィルターとして機能する。このフィルターはファイナイトインパルスレスポンス(FIR)フィルターによって実現されるので、RFICのチップ占有面積を低減することができる。更にまた、このディジタル・フィルター130は、上記非特許文献5に記載されたWCDMA受信の際のデシメーション・フィルターとしても機能することができる。
《ディジタル・DCオフセット補償回路》
図2のRFICのディジタル・フィルター130には、ディジタルベースバンド受信信号Iに関してのディジタル・DCオフセット補償回路119とディジタルベースバンド受信信号Qに関してのディジタル・DCオフセット補償回路129とが接続されている。
このディジタル・DCオフセット補償回路119、129はFDD方式であるWCDMA方式の受信に際して、ベースバンド受信信号に関するDCオフセット電圧を有効に低減することができる。
すなわち、FDD方式であるWCDMA方式の受信に際しては、TDD方式であるGSM方式の受信のような非受信タイムスロットが存在しない常時受信動作を図2のRFICが行っている。このWCDMA方式の常時受信動作のためにも、図2のRFICのDCオフセットキャンセル回路118、128は、WCDMA方式の受信時のベースバンド受信信号に関するDCオフセット電圧を低減する。このDCオフセットキャンセル回路118、128によるWCDMA方式ベースバンド受信信号に関するDCオフセット電圧の低減は、携帯電話端末のアイドル状態(待ち受け状態)からWCDMA方式の受信動作(送信と常時並列)に移行する前のウォームアップ期間内のDCオフセット・キャリブレーション期間に行われる。
すなわち、ウォームアップ期間内のDCオフセット・キャリブレーション期間に、DCオフセットキャンセル回路118、128のA/D変換器の入力端子に、前段の可変利得増幅器112、122の差動出力端子のDC電圧成分が供給される。A/D変換器から出力DCオフセットに対応するDCオフセット・ディジタル信号が生成され、DCオフセット・ディジタル信号がラッチに格納されている。ラッチにホールドされたDCオフセット・ディジタル信号のD/A変換器の入力端子への供給が継続され、D/A変換器から前段の減算器111、121へのDCオフセット補償アナログ信号の供給が継続されている。次段の可変利得増幅器115、125のオフセットもDCオフセットキャンセル回路118、128の第2のA/D変換器に供給され出力DCオフセットに対応するDCオフセット・ディジタル信号が生成され、DCオフセット・ディジタル信号がラッチに格納されている。ラッチにホールドされたDCオフセット・ディジタル信号の第2のD/A変換器の入力端子への供給が継続され、D/A変換器から次段の減算器114、124へのDCオフセット補償アナログ信号の供給が継続されている。このようにして、WCDMA方式の常時受信動作のために、減算器111、121、114、124にてWCDMA方式の受信時のベースバンド受信信号のDCオフセットの低減が実行されている。
一方、WCDMA方式の常時受信動作の間に、携帯電話端末と基地局との間の通信距離の変化が生じると、図2のRFICの前段の可変利得増幅器112、122と次段の可変利得増幅器115、125の増幅利得が変化されなければならない。しかし、可変利得増幅器112、122の増幅利得の変化により、可変利得増幅器112、122の出力のWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧も変化する可能性がある。
このようなWCDMA方式の常時受信動作の間の可変利得増幅器の増幅利得の変化に起因するWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の変化に際して、DCオフセットキャンセル回路118、128によるDCオフセット・キャリブレーション動作を行わせることは不可能である。それは、ウォームアップ期間内のDCオフセット・キャリブレーション期間では、WCDMA受信ブロック200の第2受信ミキサーの第3ミキサー207、第4ミキサー208の出力から前段のローパスフィルター110、120の入力へのWCDMAベースバンド受信信号の供給を停止する必要があるためである。
AC信号であるWCDMAベースバンド受信信号の供給が停止された状態で、DC電圧を前段のローパスフィルター110、120の入力に供給した状態とする必要がある。このような状態で、図2のRFICのDCオフセットキャンセル回路118、128を構成するA/D変換器、ラッチ、D/A変換器によるDCオフセット・キャリブレーション動作を行わせることとなる。
しかし、WCDMA方式の常時受信動作の間のWCDMAベースバンド受信信号の供給の停止によって、携帯電話端末での受信動作の間の受信信号の欠落が生じてしまう。WCDMA方式での受信信号の欠落は、会話の音声信号の欠落だけではなく、モバイル通信の電子データの欠落を生じる可能性がある。第3世代のWCDMA方式の受信は、HSDPAと呼ばれる基地局から携帯電話端末への高速データ受信をセールスポイントとしている。尚、HSDPAは、High Speed Downlink Packet Accessの略である。
従って、図2のRFICにおいては、WCDMA方式の常時受信動作の間の可変利得増幅器の増幅利得の変化に際して、DCオフセットキャンセル回路118、128のラッチに格納されたDCオフセット・キャリブレーション・データを変更することなく保持するものである。DCオフセット・キャリブレーション・データは、携帯電話端末がアイドル状態からWCDMA方式の受信動作に移行する前のウォームアップ期間内のDCオフセット・キャリブレーション期間にDCオフセットキャンセル回路118、128のA/D変換器とD/A変換器との間のラッチに格納されたものである。
従って、図2のRFICでは、WCDMA方式の常時受信動作の間の可変利得増幅器の増幅利得の変化に起因する可変利得増幅器112、122、115、125の出力のWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の変化は、ディジタル・フィルター130で検出される。ディジタル・フィルター130は、WCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の変化を検出するためのフィードバック・フィードフォワード制御検出部FBFF_Cntを含んでいる。
図2のRFICのディジタル・フィルター130のフィードバック・フィードフォワード制御検出部FBFF_Cntで検出されたWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の変化は、ディジタル・DCオフセット補償回路119、129のフィードバック制御部FBに供給される。DCオフセット電圧の変化に応答してディジタル・DCオフセット補償回路119、129のフィードバック制御部FBから生成されるディジタル・DCオフセット補償信号は、次段の可変利得増幅器115、125に供給される。次段の可変利得増幅器115、125の内部でディジタル・DCオフセット補償信号はアナログ・DCオフセット補償信号に変換されるので、前段および次段の可変利得増幅器112、122、115、125の利得変化に起因するWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧が補償されることができる。このようにして、図2のRFICによれば、WCDMA方式の常時受信動作の間の可変利得増幅器の増幅利得の変化に起因するWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の変化を補償するに際して、WCDMA方式での受信信号の欠落を回避することができる。
しかし、より厳密に言うと、ディジタル・DCオフセット補償回路119、129のフィードバック制御部FBによるフィードバック制御のみでは、前段および次段の可変利得増幅器の利得変化に応答するWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の変動を高精度に補償することができない。
従って、可変利得増幅器の利得変化に応答するWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の変動を高精度に補償するために、ディジタル・DCオフセット補償回路119、129はフィードフォワード制御部FFを含み、ディジタル・フィルター130はフィードフォワード制御部FFCを含むものである。
すなわち、RFICのディジタル・フィルター130のフィードバック・フィードフォワード制御検出部FBFF_Cntで検出されたWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の変化は、ディジタル・DCオフセット補償回路119、129のフィードフォワード制御部FFにも供給される。その結果、WCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の変化に応答してディジタル・DCオフセット補償回路119、129のフィードフォワード制御部FFから生成されるディジタル・DCオフセット補償信号は、ディジタル・フィルター130はフィードフォワード制御部FFCに供給される。従って、ディジタル・フィルター130のフィードフォワード制御部FFCでは、フィードバック・フィードフォワード制御検出部FBFF_Cntとディジタル・DCオフセット補償回路119、129のフィードバック制御部FBとによるフィードバック制御の制御残余である残余DCオフセットが補償されることができる。
更に、ディジタル・フィルター130のフィードフォワード制御部FFCでのフィードフォワード制御は、TDMA方式であるGSM方式の受信動作の際のDCオフセットキャンセル回路118、128を構成するA/D変換器、ラッチ、D/A変換器によるフィードバック制御の制御残余を補償することもできる。
《RFICの詳細な構成》
図3は、図2に示したRFICの可変利得増幅器112、115とDCオフセットキャンセル回路118とディジタル・フィルター130とディジタル・DCオフセット補償回路119の詳細な構成を示す図である。図2に示したRFICの他の可変利得増幅器122、124と他のDCオフセットキャンセル回路128と他のディジタル・DCオフセット補償回路129も、図3のように構成されている。
《可変利得増幅器》
図3に示すように、前段の可変利得増幅器112は、一対のバイポーラトランジスタQ1、Q2とコレクタ負荷抵抗R1、R2とエミッタ可変抵抗R3とを含んでいる。ディジタル利得制御信号によってエミッタ可変抵抗R3の抵抗値は離散的に可変設定されるので、前段の可変利得増幅器112の増幅利得が任意に設定されることができる。一対のバイポーラトランジスタQ1、Q2のベースには、GSM受信ブロック100の第1受信ミキサーからのGSMベースバンド受信相補信号I、/IとWCDMA受信ブロック200の第2受信ミキサーからのWCDMAベースバンド受信信号I、/Iとのいずれもが供給されることが可能とされている。前段の可変利得増幅器112の一対のバイポーラトランジスタQ1、Q2のコレクタから得られるベースバンド受信相補増幅信号は、ローパスフィルター113を介して次段の可変利得増幅器115に供給されるものである。
次段の可変利得増幅器115も、前段の可変利得増幅器112と同様に、一対のバイポーラトランジスタQ3、Q4とコレクタ負荷抵抗R4、R5とエミッタ可変抵抗R6とを含んでいる。ディジタル利得制御信号によってエミッタ可変抵抗R6の抵抗値は離散的に可変設定されるので、次段の可変利得増幅器115の増幅利得が任意に設定されることができる。一対のバイポーラトランジスタQ3、Q4のベースには、ローパスフィルター113を介して前段の可変利得増幅器112の一対のバイポーラトランジスタQ1、Q2のコレクタから得られるベースバンド受信相補増幅信号が供給される。次段の可変利得増幅器115の一対のバイポーラトランジスタQ3、Q4のコレクタから得られるベースバンド受信相補増幅信号はA/D変換器116の入力端子に供給され、A/D変換器116の出力端子から得られるGSM方式かWCDMA方式のディジタルベースバンド受信信号はディジタル・フィルター130の入力端子に供給される。
《DCオフセットキャンセル回路》
図3に示すように、DCオフセットキャンセル回路118は、ローパスフィルター113を介して前段の可変利得増幅器112からのベースバンド受信相補増幅信号のDC電圧成分が入力端子に供給されるA/D変換器A/D1を含んでいる。A/D変換器A/D1の出力端子からは出力DCオフセットに対応するDCオフセット・ディジタル信号が生成され、このDCオフセット・ディジタル信号が入力ラッチLatch2、出力ラッチLatch1を介してD/A変換器D/A1の入力端子に供給される。D/A変換器D/A1は、前段の可変利得増幅器112の一対のバイポーラトランジスタQ1、Q2のエミッタに接続された複数の電流源によって構成されている。出力ラッチLatch1からのディジタル信号に応答して前段の可変利得増幅器112の一対のバイポーラトランジスタQ1、Q2のエミッタのDCバイアス電流の電流値が制御されるので、一対のバイポーラトランジスタQ1、Q2のコレクタのDC電圧が互いに等しい値に制御される。
携帯電話端末のアイドル状態からWCDMA方式の受信動作に移行する前のウォームアップ期間で、AC信号であるWCDMAベースバンド受信信号の供給が停止された状態で、DCオフセットキャンセル回路118によるDCオフセット・キャリブレーション動作が実行される。DCオフセット・キャリブレーション期間でのDCオフセット・キャリブレーション動作では、等しいDC電圧が前段の可変利得増幅器112の一対のバイポーラトランジスタQ1、Q2のベースに供給される。この状態で、一対のバイポーラトランジスタQ1、Q2のコレクタのDC電圧が互いに等しい値となるように、A/D変換器A/D1と入力ラッチLatch2と出力ラッチLatch1とD/A変換器D/A1としての複数の電流源とによってトランジスタQ1、Q2のエミッタのDCバイアス電流の電流値が制御される。
更に図3のDCオフセットキャンセル回路118は、次段の可変利得増幅器115の一対のバイポーラトランジスタQ3、Q4のコレクタDC電圧が入力端子に供給されるA/D変換器A/D2を含んでいる。A/D変換器A/D2の出力端子からは出力DCオフセットに対応するDCオフセット・ディジタル信号が生成され、このDCオフセット・ディジタル信号が入力ラッチLatch4、出力ラッチLatch3を介してD/A変換器D/A2の入力端子に供給される。D/A変換器D/A2は、次段の可変利得増幅器115の一対のバイポーラトランジスタQ3、Q4のエミッタに接続された複数の電流源によって構成されている。出力ラッチLatch3からのディジタル信号に応答して次段の可変利得増幅器115の一対のバイポーラトランジスタQ3、Q4のエミッタのDCバイアス電流の電流値が制御されるので、一対のバイポーラトランジスタQ3、Q4のコレクタのDC電圧が互いに等しい値に制御される。
携帯電話端末のアイドル状態からWCDMA方式の受信動作に移行する前のウォームアップ期間の間に、前段の可変利得増幅器112のDCオフセット・キャリブレーション動作が完了する時刻にて、次段の可変利得増幅器115のDCオフセット・キャリブレーション動作が開始される。前段の可変利得増幅器112のDCオフセット・キャリブレーション動作が完了しているので、前段の可変利得増幅器112の一対のバイポーラトランジスタQ1、Q2のコレクタのDC電圧が互いに等しい値になっている。この状態で、次段の可変利得増幅器115の一対のバイポーラトランジスタQ3、Q4のコレクタのDC電圧が互いに等しい値となるように、A/D変換器A/D2と入力ラッチLatch4と出力ラッチLatch3とD/A変換器D/A2としての複数の電流源とによってトランジスタQ3、Q4のエミッタのDCバイアス電流の電流値が制御される。
《ディジタル・フィルター》
図3に示すように、A/D変換器116の出力端子から得られるディジタルベースバンド受信信号が入力端子に供給されるディジタル・フィルター130は、第1フィルター1301、第2フィルター1302、第3フィルター1303、減算器1304、ディジタル増幅器1305を含んでいる。
第1ディジタル・フィルター1301は、ディジタルデータを間引くためのデシメーション・フィルターである。また、この第1ディジタル・フィルター1301は、ファイナイトインパルスレスポンス(FIR)フィルターで構成され、上記非特許文献5と同様に、A/D変換器116からの量子化雑音を低減する機能を有することができる。
第2ディジタル・フィルター1302は、上記非特許文献4と同様に、符号間干渉(ISI)を低減するためのパルス・シェービング・フィルターとしてのルートレイズドコサイン(RRC)フィルターを含むと伴に、イコライザー(EQ)フィルターを含んでいる。イコライザー(EQ)フィルターは、通過帯域内での利得を平坦化するために高周波領域の利得を増加させるイコライザー・フィルターと、郡遅延を均一化するイコライザー・フィルターとを含んでいる。
第3ディジタル・フィルター1303は、データ補間のためのカスケーデッド・インテグレータ・コンブ(CIC)フィルターである。良く知られているように、CIC・フィルターは、ディジタルシステムで大きなサンプリングレートを実現するために使用されるマルチレートフィルターであり、間引き(デシメーション)と補間(インターポレーション)の両者を実現することができる。CIC・フィルターは、ディジタル乗算器が不必要であり、加算器と減算器とレジスタとから構成されることができる。
A/D変換器116からのディジタルベースバンド受信信号は、ディジタル・フィルター130の内部で第1フィルター1301と第2フィルター1302と第3フィルター1303とを介して減算器1304の一方の入力端子に供給される。減算器1304の他方の入力端子には、ディジタル・DCオフセット補償回路119のフィードフォワード制御部(FF)1193から生成されるディジタル・DCオフセット補償信号が供給される。減算器1304の出力端子から得られるフィードフォワードによるDCオフセット補償処理が完了したディジタルベースバンド受信信号は、ディジタル増福利得が可変設定可能なディジタル増幅器1305を介してベースバンド処理ユニット(図示せず)に供給されることができる。尚、ディジタル増福利得が可変設定可能なディジタル増幅器1305はディジタル乗算器によって構成させることができ、ディジタル増福利得が1未満のディジタル・アッテネータとしても機能するこができる。
《ディジタル・DCオフセット補償回路》
図3に示すように、ディジタル・フィルター130の第1ディジタル・フィルター1301からのディジタルベースバンド受信信号が供給されるディジタル・DCオフセット補償回路119は、ディジタル・積分器1191と、フィードバック制御部1192と、フィードフォワード制御部1193を含んでいる。
ディジタル・DCオフセット補償回路119のディジタル・積分器1191は遅延回路1191Aと加算器1191Bとを含み、ディジタル・DCオフセット補償回路119のフィードバック制御部1192はディジタル割算器1192Aとラッチ1192Bとを含んでいる。また、ディジタル・DCオフセット補償回路119のフィードフォワード制御部1193も、ディジタル増福利得が可変設定可能なディジタル増幅器1193Aとラッチ1193Bとを含んでいる。
まず、図3のRFICでは、WCDMA方式の常時受信動作の間の可変利得増幅器112、115の増幅利得は、例えば、ディジタルベースバンド処理ユニット(図示せず)からの増幅利得・ディジタル制御信号によって変更されることが可能である。このように可変利得増幅器112、115の増幅利得が変更される期間では、ディジタル・DCオフセット補償回路119に接続された制御カウンタ119´にはハイレベルの増幅利得変更信号Gv_Cntが供給される。尚、図3では示されてはいないが、制御カウンタ119´には増幅利得変更信号Gv_Cntと伴に所定の周波数を持ったクロック信号が供給される。可変利得増幅器112、115の増幅利得が変更される期間の最初に、増幅利得変更信号Gv_Cntがローレベル“0”からハイレベル“1”に変化して、制御カウンタ119´によるクロック信号のカウント動作が開始される。
図4は、可変利得増幅器112、115の増幅利得が変更される期間でのディジタル・DCオフセット補償回路119に接続された制御カウンタ119´によるクロック信号のカウント動作を説明する図である。
図4の時刻T40で、増幅利得変更信号Gv_Cntがローレベル“0”からハイレベル“1”に変化する。時刻T40から少しずつ遅延して、ディジタル・フィルター130の第1フィルター1301と第3フィルター1303の過渡応答が完了する。制御カウンタ119´は図4の時刻T40から時刻T41までの期間を計測して、制御カウンタ119´はこの期間にディジタル・DCオフセット補償回路119のディジタル・積分器1191とフィードバック制御部1192とによるDCオフセットのフィードバック補償を実行させる。
その後、制御カウンタ119´は図4の時刻T41から時刻T42までの期間を計測して、制御カウンタ119´はこの期間にディジタル・DCオフセット補償回路119のディジタル・積分器1191とフィードフォワード制御部1193とによるDCオフセットのフィードフォワード補償を実行させる。
すなわち、WCDMA方式の常時受信動作の間の可変利得増幅器112、115の増幅利得の変化に起因するWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の変化は、ディジタル・DCオフセット補償回路119のディジタル・積分器1191で検出される。すなわち、ディジタル・DCオフセット補償回路119のディジタル・積分器1191は、ディジタル・フィルター130の第1ディジタル・フィルター1301からのディジタルベースバンド受信信号の累積加算を所定回数実行する。ディジタル・積分器1191のディジタルベースバンド受信信号の累積加算結果は、フィードバック制御部1192のディジタル割算器1192Aを介してラッチ1192Bに供給される。フィードバック制御部1192のラッチ1192Bには、WCDMA方式の常時受信動作の可変利得増幅器112、115の増幅利得の変化に起因するWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧に対応するディジタル情報が格納される。フィードバック制御部1192のラッチ1192Bに格納されたWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧に対応するディジタル情報はディジタル・DCオフセット補償信号として、DCオフセットキャンセル回路118の入力ラッチLatch4に転送される。入力ラッチLatch4に転送されたディジタル・DCオフセット補償信号は、出力ラッチLatch3に転送される。従って、次段の可変利得増幅器115の一対のバイポーラトランジスタQ3、Q4のコレクタのDC電圧が互いに等しい値となるように、出力ラッチLatch3とD/A変換器D/A2としての複数の電流源とによってトランジスタQ3、Q4のエミッタのDCバイアス電流の電流値が制御される。その結果、前段および次段の可変利得増幅器112、115の利得変化に起因するWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧が、フィードバックにより補償されることができる。
また、フィードバック制御部1192のラッチ1192Bに格納されたWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧に対応するディジタル情報は、フィードフォワードによるディジタル・DCオフセット補償信号としてフィードフォワード制御部1193に供給される。フィードフォワード制御部1193のディジタル増福利得が可変設定可能なディジタル増幅器1193Aはフィードフォワードによるディジタル・DCオフセット補償信号を増幅して、増幅ディジタル信号をラッチ1193Bに格納する。
ディジタル・フィルター130の減算器1304の他方の入力端子には、ディジタル・DCオフセット補償回路119のフィードフォワード制御部1193のラッチ1193Bに格納されたフィードフォワードによるディジタル・DCオフセット補償信号としての増幅ディジタル信号が供給される。減算器1304の出力端子から得られるフィードフォワードによるDCオフセット補償処理が完了したディジタルベースバンド受信信号は、ディジタル増福利得が可変設定可能なディジタル増幅器1305を介してベースバンド処理ユニット(図示せず)に供給されることができる。
《WCDMA方式の受信動作》
図5は、図2および図3に示したRFICによるWCDMA方式の受信動作を説明する図である。
図5の時刻T50の以前はアイドル状態(待ち受け状態)であり、時刻T50の以降から時刻T55までがウォームアップ期間である。ウォームアップ期間の最初に、図2のRFICのWCDMA受信ブロック200の第2ミキサーを構成する第3ミキサー207と第4ミキサー208とに供給される受信RFローカル差動信号Lo_Sig2を形成するRF電圧制御発振器RFVCOを電源電圧の投入によって起動する。このRF電圧制御発振器RFVCOはPLL周波数シンセサイザの内部に存在するので、電源電圧の投入の後でPLLが安定化した後に、RF電圧制御発振器RFVCOから生成される受信RFローカル差動信号Lo_Sig2の周波数が所望値に到達する。従って、遅延期間RX−Delayは、RF電圧制御発振器の電源電圧の投入(RFVCO:OFF→ON)の後のPLLが安定化するまでの時間に対応する。
遅延期間RX−Delayの後の時刻T51から時刻T52まで図2および図3に示したRFICのDCオフセットキャンセル回路118、128によるウォームアップ期間内のDCオフセットキャンセル・キャリブレーション動作DC_Offse_CALが実行される(VGA:DC_CAL)。ウォームアップ期間内のDCオフセット・キャリブレーション動作DC_Offse_CALの期間では、A/D変換器A/D1とD/A変換器D/A1が活性化される(A/D:ON)。この状態で、DCオフセットキャンセル回路118、128のA/D変換器A/D1の入力端子に、前段の可変利得増幅器112、122の差動出力端子のDC電圧成分が供給される。A/D変換器A/D1から出力DCオフセットに対応するDCオフセット・ディジタル信号が生成され、DCオフセット・ディジタル信号がラッチLatch2に格納される。時刻T51から時刻T52の間はラッチLatch1にホールドされたDCオフセット・ディジタル信号のD/A変換器D/A1の入力端子への供給が継続されて、D/A変換器D/A1から減算器111、121へのDCオフセット補償アナログ信号の供給が継続されている(VGA:ON)。可変利得増幅器115、125のオフセットもA/D変換器A/D2、ラッチLatch4、Latch3、減算器114、124で低減する。このようにして、WCDMA方式の常時受信動作のために、減算器111、121、114、124でWCDMA方式の受信時のベースバンド受信信号のDCオフセットの低減が実行されている。
DCオフセットキャンセル回路118、128によるDCオフセット・キャリブレーション動作DC_Offse_CALの後の時刻T53からRFICの可変利得増幅器112、122、115、125が活性化され(VGA:CAL)、RFICのディジタル・フィルター130が活性化される(Dig−FIL:ON)。時刻T53から時刻T54まで、RFICのディジタル・フィルター130を利用したWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧のディジタル・フィードバックによる補償(FB)が実行される。ディジタル・フィードバック・補償(FB)は、可変利得増幅器112、122、115、125、A/D変換器ADC1、ディジタル・フィルター130のフィードバック・フィードフォワード制御検出部FBFF_Cnt、ディジタル・DCオフセット補償回路119、129のフィードバック制御部FBによって実行される。すなわち、RFICのディジタル・フィルター130のフィードバック・フィードフォワード制御検出部FBFF_Cntで検出されたWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の誤差は、ディジタル・DCオフセット補償回路119、129のフィードバック制御部FBに供給される。DCオフセット電圧の誤差に応答してディジタル・DCオフセット補償回路119、129のフィードバック制御部FBから生成されるディジタル・DCオフセット補償信号は、次段の可変利得増幅器115、125に供給される。次段の可変利得増幅器115、125の内部でディジタル・DCオフセット補償信号はアナログ・DCオフセット補償信号に変換されるので、WCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の誤差が補償されることができる。
その後、時刻T54からディジタル・フィルター130(Dig−FIL:CAL)を利用したWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧のディジタル・フィードフォワード・補償(FF)が実行される。ディジタル・フィルター130のフィードバック・フィードフォワード制御検出部FBFF_Cntで検出されたWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の誤差は、ディジタル・DCオフセット補償回路119、129のフィードフォワード制御部FFに供給される。ディジタル・DCオフセット補償回路119、129のフィードフォワード制御部FFから生成されるディジタル・DCオフセット補償信号は、ディジタル・フィルター130はフィードフォワード制御部FFCに供給される。従って、ディジタル・フィルター130のフィードフォワード制御部FFCでは、WCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の誤差が補償されることができる。
その後、時刻T55から図2および図3に示したRFICによるWCDMA方式の常時受信動作が開始されるので、RF電圧制御発振器RFVCO、可変利得増幅器112、122、115、125、A/D変換器ADC1、ディジタル・フィルター130が活性化される。時刻T55から時刻T58までのWCDMA方式の常時受信動作の間に時刻T56で、携帯電話端末と基地局との間の通信距離の変化が生じて、RFICの前段の可変利得増幅器112、122と次段の可変利得増幅器115、125の増幅利得が変化される(VGA:CAL)。従って、可変利得増幅器112、122の出力のWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧も変化する可能性がある。図2および図3に示したRFICでは、WCDMA方式の常時受信動作の間の可変利得増幅器の増幅利得の変化に起因する可変利得増幅器112、122、115、125の出力のWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の変化は、ディジタル・フィルター130で検出される。ディジタル・フィルター130は、WCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の変化を検出するためのフィードバック・フィードフォワード制御検出部FBFF_Cntを含んでいる。
図2および図3に示したRFICのディジタル・フィルター130のフィードバック・フィードフォワード制御検出部FBFF_Cntで検出されたWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の変化は、ディジタル・DCオフセット補償回路119、129のフィードバック制御部FBに供給される。DCオフセット電圧の変化に応答してディジタル・DCオフセット補償回路119、129のフィードバック制御部FBから生成されるディジタル・DCオフセット補償信号は、次段の可変利得増幅器115、125に供給される。次段の可変利得増幅器115、125の内部でディジタル・DCオフセット補償信号はアナログ・DCオフセット補償信号に変換されるので、前段および次段の可変利得増幅器112、122、115、125の利得変化に起因するWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧が補償されることができる。すなわち、時刻T56から時刻T57まで、RFICのディジタル・フィルター130を利用したWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧のディジタル・フィードバックによる補償(FB)が実行される。このようにして、図2および図3に示したRFICによれば、WCDMA方式の常時受信動作の間の可変利得増幅器の増幅利得の変化に起因するWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の変化を補償するに際して、WCDMA方式での受信信号の欠落を回避することができる。
更に、可変利得増幅器の利得変化に応答するWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の変動を高精度に補償するために、ディジタル・DCオフセット補償回路119、129はフィードフォワード制御部FFを含み、ディジタル・フィルター130はフィードフォワード制御部FFCを含んでいる。すなわち、RFICのディジタル・フィルター130のフィードバック・フィードフォワード制御検出部FBFF_Cntで検出されたWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の変化は、ディジタル・DCオフセット補償回路119、129のフィードフォワード制御部FFにも供給される。その結果、WCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧の変化に応答してディジタル・DCオフセット補償回路119、129のフィードフォワード制御部FFから生成されるディジタル・DCオフセット補償信号は、ディジタル・フィルター130はフィードフォワード制御部FFCに供給される。すなわち、時刻T57から、RFICのディジタル・フィルター130を利用したWCDMAベースバンド受信信号のDCオフセット電圧のディジタル・フィードフォワードによる補償(FF)が実行される。従って、ディジタル・フィルター130のフィードフォワード制御部FFCでは、フィードバック・フィードフォワード制御検出部FBFF_Cntとディジタル・DCオフセット補償回路119、129のフィードバック制御部FBとによるフィードバック制御の制御残余である残余DCオフセットが補償されることができる。
《GSM方式の受信動作》
図6は、図2および図3に示したRFICによるGSM方式の受信動作を説明する図である。
図6の時刻T60の以前はアイドル状態(待ち受け状態)であり、時刻T60の以降から時刻T65までがウォームアップ期間である。ウォームアップ期間の最初に、図2のRFICのGSM受信ブロック100の第1ミキサーを構成する第1ミキサー105と第2ミキサー106とに供給される受信RFローカル差動信号Lo_Sig1を形成するRF電圧制御発振器RFVCOを電源電圧の投入によって起動する。このRF電圧制御発振器RFVCOはPLL周波数シンセサイザの内部に存在するので、電源電圧の投入の後でPLLが安定化した後に、RF電圧制御発振器RFVCOから生成される受信RFローカル差動信号Lo_Sig2の周波数が所望値に到達する。従って、遅延期間RX−Delayは、RF電圧制御発振器の電源電圧の投入(RFVCO:OFF→ON)の後のPLLが安定化するまでの時間に対応する。
遅延期間RX−Delayの後の時刻T61から時刻T62まで図2および図3に示したRFICのDCオフセットキャンセル回路118、128によるウォームアップ期間内のDCオフセットキャンセル・キャリブレーション動作DC_Offse_CALが実行される(VGA:DC_CAL)。ウォームアップ期間内のDCオフセット・キャリブレーション動作DC_Offse_CALの期間では、A/D変換器A/D1とD/A変換器D/A1が活性化される(A/D:ON)。この状態で、DCオフセットキャンセル回路118、128のA/D変換器A/D1の入力端子に、前段の可変利得増幅器112、122の差動出力端子のDC電圧成分が供給される。A/D変換器A/D1から出力DCオフセットに対応するDCオフセット・ディジタル信号が生成され、DCオフセット・ディジタル信号がラッチLatch2に格納される。時刻T61から時刻T62の間はラッチLatch1にホールドされたDCオフセット・ディジタル信号のD/A変換器D/A1の入力端子への供給が継続されて、D/A変換器D/A1から減算器111、121へのDCオフセット補償アナログ信号の供給が継続されている(VGA:ON)。可変利得増幅器115、125のオフセットもA/D変換器A/D2、ラッチLatch4、Latch3、減算器114、124で低減する。このようにして、GSM方式の受信動作のために、減算器111、121、114、124でGSM方式の受信時のベースバンド受信信号のDCオフセットの低減が実行されている。
DCオフセットキャンセル回路118、128によるDCオフセット・キャリブレーション動作DC_Offse_CALの後の時刻T62からRFICの可変利得増幅器112、122、115、125が活性化され(VGA:ON)、RFICのディジタル・フィルター130が活性化される(Dig−FIL:ON)。時刻T62から時刻T63まで、A/D変換器ADC1とディジタル・フィルター130とのセットリング時間による遅延時間が確保されている。
この遅延時間の後の時刻T63から時刻T64まで、RFICのディジタル・フィルター130を利用したGSMベースバンド受信信号のDCオフセット電圧のディジタル・フィードフォワードによる補償(FF)が実行される。従って、ディジタル・フィルター130のフィードフォワード制御部FFCでは、DCオフセットキャンセル回路118、128によるDCオフセット・キャリブレーション動作DC_Offse_CALの制御残余である残余DCオフセットが補償されることができる。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、RFICのGSM受信ブロックのダイレクト・コンバージョン・アーキテクチャー・受信機は、GSM方式のRF受信信号をゼロIFの受信ベースバンド信号に変換するだけではなく、ローIF(低い中間周波)の受信アナログ信号に変換することもできる。また、RFICのWCDMA受信ブロックのダイレクト・コンバージョン・アーキテクチャー・受信機は、GSM方式のRF受信信号をゼロIFの受信ベースバンド信号に変換するだけではなく、ローIFの受信アナログ信号に変換することもできる。
また、GSM通信のための受信ブロックとWCDMA通信のための受信ブロックとを含むRFICは、べヘスバンド信号処理LSIと同一の統合ワンチップLSIとすることもできる。
図1は、本発明に先立って本発明者等により検討されたRFアナログ信号処理半導体集積回路(RFIC)を示す図である。 図2は、本発明の1つの実施の形態によるRFICの構成を示す図である。 図3は、図2に示したRFICの可変利得増幅器とDCオフセットキャンセル回路とディジタル・フィルターとディジタル・DCオフセット補償回路の詳細な構成を示す図である。 図4は、可変利得増幅器の増幅利得が変更される期間でのディジタル・DCオフセット補償回路に接続された制御カウンタによるクロック信号のカウント動作を説明する図である。 図5は、図2および図3に示したRFICによるWCDMA方式の受信動作を説明する図である。 図6は、図2および図3に示したRFICによるGSM方式の受信動作を説明する図である。
符号の説明
1 RFアナログ信号処理半導体集積回路(RFIC)
11〜14 バンドパスフィルター
15〜18 入力整合回路
100 GSM受信ブロック
101〜104 低雑音増幅器
105 第1ミキサー
106 第2ミキサー
107 位相シフタ
110、120 ローパスフィルター
111、121 前段の減算器
112、122 前段の可変利得増幅器
113、123 ローパスフィルター
114、124 次段の減算器
115、125 次段の可変利得増幅器
116、126 A/D変換器
118、128 DCオフセットキャンセル回路
21、22 デュプレクサ
23、24 入力整合回路
200 WCDMA受信ブロック
201、204 低雑音増幅器
202、205 バンドパスフィルター
203、206 段間整合回路
207 第3ミキサー
208 第4ミキサー
209 位相シフタ
210、220 ローパスフィルター
211、221 前段の可変利得増幅器
212、222 ローパスフィルター
213、223 次段の可変利得増幅器
214、224 A/D変換器
130、230 ディジタル・フィルター
119、129 ディジタル・DCオフセット補償回路
D/A1 D/A変換器
Latch1 出力ラッチ
Latch2 入力ラッチ
A/D1 A/D変換器
D/A2 D/A変換器
Latch3 出力ラッチ
Latch4 入力ラッチ
A/D2 A/D変換器
1301 第1ディジタル・フィルター(デシメーション・フィルター)
1302 第2ディジタル・フィルター(ルートレイズドコサインフィルター)
1303 第2ディジタル・フィルター(カスケーデッド・インテグレータ・コンブ・フィルター)
1304 減算器
1305 ディジタル増幅器
1191 ディジタル・積分器
1192 フィードバック制御部
1193 フィードフォワード制御部
119´ 制御カウンタ
Gv_Cnt 増幅利得変更信号

Claims (20)

  1. 間欠受信動作の第1の通信方式のための第1受信ブロックと連続受信動作の第2の通信方式のための第2受信ブロックとを具備して、
    前記第1受信ブロックは、前記第1の通信方式の第1RF受信信号を増幅する第1低雑音増幅器と、前記第1の通信方式の前記第1RF受信信号を第1受信アナログ信号にダウンコンバートする第1受信ミキサーとを含み、
    前記第2受信ブロックは、前記第2の通信方式の第2RF受信信号を増幅する第2低雑音増幅器と、前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号を第2受信アナログ信号にダウンコンバートする第2受信ミキサーとを含み、
    可変増幅器と、ローパスフィルターと、DCオフセットキャンセル回路と、A/D変換器と、ディジタル・フィルターとを更に具備して、
    前記可変増幅器は、少なくとも前段可変増幅器と次段可変増幅器とを含み、
    前記前段可変増幅器の入力端子には、前記第1受信ブロックの前記第1受信ミキサーからの前記第1受信アナログ信号と前記第2受信ブロックの前記第2受信ミキサーからの前記第2受信アナログ信号とが供給可能とされ、
    前記前段可変増幅器の出力端子から生成される増幅信号は前記ローパスフィルターの入力端子に供給可能とされ、前記ローパスフィルターの出力端子から生成される出力信号は前記次段可変増幅器の入力端子に供給可能とされ、
    前記DCオフセットキャンセル回路の入力と他の入力とには前記前段可変増幅器の前記出力端子のDC電圧成分と前記次段可変増幅器の出力端子のDC電圧成分それぞれ供給可能とされ、前記DCオフセットキャンセル回路の出力と他の出力とによって前記前段可変増幅器の前記出力端子の前記DC電圧成分と前記次段可変増幅器の前記出力端子の前記DC電圧成分それぞれ制御可能とされ、
    前記次段可変増幅器の前記出力端子から生成される増幅信号はアナログ入力信号として前記A/D変換器の入力端子に供給可能とされ、前記A/D変換器の出力端子からのディジタル出力信号は前記ディジタル・フィルターの入力端子に供給可能とされ、
    前記第1受信ブロックによる前記第1の通信方式の前記第1RF受信信号の非受信スロットの間に、前記DCオフセットキャンセル回路による前記可変増幅器の前記前段可変増幅器および前記次段可変増幅器の出力DCオフセット電圧を低減する第1動作が実行可能とされ、
    前記第2受信ブロックによる前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の受信のために、アイドル状態から前記第2RF受信信号の受信動作に移行する前に、前記DCオフセットキャンセル回路による前記可変増幅器の前記前段可変増幅器および前記次段可変増幅器の出力DCオフセット電圧を低減する第2動作が実行可能とされ、
    前記第2受信ブロックによる前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の前記受信動作の間に、前記ディジタル・フィルターから前記次段可変増幅器へのフィードバック制御によって前記次段可変増幅器の出力DCオフセット電圧を低減する第3動作が実行可能とされる半導体集積回路。
  2. 前記第2受信ブロックによる前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の前記受信動作の間に前記前段可変増幅器および前記次段可変増幅器の増幅利得が変化可能とされ、
    前記増幅利得の変化に際して、前記ディジタル・フィルターから前記次段可変増幅器への前記フィードバック制御によって前記次段可変増幅器の前記出力DCオフセット電圧を低減する前記第3動作が実行可能とされる請求項1に記載の半導体集積回路。
  3. 前記DCオフセットキャンセル回路の前記他の入力には前記次段可変増幅器の前記出力端子の前記DC電圧成分が供給可能とされ、前記DCオフセットキャンセル回路の前記他の出力によって前記次段可変増幅器の前記出力端子の前記DC電圧成分が制御可能とされ、
    前記第1受信ブロックによる前記第1の通信方式の前記第1RF受信信号の前記受信時の前記非受信タイムスロットの間に、前記DCオフセットキャンセル回路による前記次段可変増幅器の前記出力DCオフセット電圧を低減する前記第1動作が実行可能とされ、
    前記第2受信ブロックでの前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の前記受信動作に移行する前に、前記DCオフセットキャンセル回路による前記次段可変増幅器の前記出力DCオフセット電圧を低減する前記第2動作が実行可能とされる請求項2に記載の半導体集積回路。
  4. 前記ディジタル・フィルターでのフィードフォワード制御によって前記第2受信ブロックによる前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の前記受信動作での前記フィードバック制御による制御残余が補償される請求項3に記載の半導体集積回路。
  5. 前記ディジタル・フィルターは前記A/D変換器の前記出力端子からの前記ディジタル出力信号が供給されるデシメーション・フィルターを含み、
    ディジタル・積分器とフィードバック制御部とフィードフォワード制御部とを含むディジタル・DCオフセット補償回路とを更に具備して、
    前記ディジタル・DCオフセット補償回路の前記ディジタル・積分器の入力端子に前記ディジタル・フィルターの前記デシメーション・フィルターからの出力信号が供給され、
    前記ディジタル・DCオフセット補償回路では前記ディジタル・積分器からの出力信号が前記フィードバック制御部の入力端子に供給され、前記フィードバック制御部の出力によって、前記フィードバック制御による前記次段可変増幅器の前記出力DCオフセット電圧を低減する前記第3動作が実行される請求項4に記載の半導体集積回路。
  6. 前記ディジタル・DCオフセット補償回路では前記ディジタル・積分器からの前記出力信号に応答した前記フィードフォワード制御部の出力によって前記フィードフォワード制御による前記フィードバック制御の前記制御残余が補償される請求項5に記載の半導体集積回路。
  7. 前記デシメーション・フィルターの出力端子には符号間干渉を低減すためのルートレイズドコサインフィルターの入力端子が接続される請求項6に記載の半導体集積回路。
  8. 前記第1受信ブロックの前記第1受信ミキサーから生成される前記第1受信アナログ信号と前記第2受信ブロックの前記第2受信ミキサーから生成される前記第2受信アナログ信号とは、受信ベースバンドとローIFの受信アナログ信号とのいずれかである請求項7に記載の半導体集積回路。
  9. 前記第1受信ブロックの前記第1受信ミキサーから生成される前記第1受信アナログ信号は、信号帯域幅が1MHz未満のベースバンド受信信号であり、
    前記第2受信ブロックの前記第2受信ミキサーから生成される前記第2受信アナログ信号は、信号帯域幅が5MHz未満のベースバンド受信信号である請求項7に記載の半導体集積回路。
  10. 前記第1の通信方式はGSM通信であり、前記第2の通信方式はWCDMA通信である請求項7に記載の半導体集積回路。
  11. 間欠受信動作の第1の通信方式のための第1受信ブロックと連続受信動作の第2の通信方式のための第2受信ブロックとを具備して、
    前記第1受信ブロックは、前記第1の通信方式の第1RF受信信号を増幅する第1低雑音増幅器と、前記第1の通信方式の前記第1RF受信信号を第1受信アナログ信号にダウンコンバートする第1受信ミキサーとを含み、
    前記第2受信ブロックは、前記第2の通信方式の第2RF受信信号を増幅する第2低雑音増幅器と、前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号を第2受信アナログ信号にダウンコンバートする第2受信ミキサーとを含み、
    可変増幅器と、ローパスフィルターと、DCオフセットキャンセル回路と、A/D変換器と、ディジタル・フィルターとを更に具備する半導体集積回路の動作方法であって、
    前記可変増幅器は、少なくとも前段可変増幅器と次段可変増幅器とを含み、
    前記前段可変増幅器の入力端子には、前記第1受信ブロックの前記第1受信ミキサーからの前記第1受信アナログ信号と前記第2受信ブロックの前記第2受信ミキサーからの前記第2受信アナログ信号とが供給され、
    前記前段可変増幅器の出力端子から生成される増幅信号は前記ローパスフィルターの入力端子に供給され、前記ローパスフィルターの出力端子から生成される出力信号は前記次段可変増幅器の入力端子に供給され、
    前記DCオフセットキャンセル回路の入力と他の入力とには前記前段可変増幅器の前記出力端子のDC電圧成分と前記次段可変増幅器の出力端子のDC電圧成分それぞれ供給され、前記DCオフセットキャンセル回路の出力と他の出力とによって前記前段可変増幅器の前記出力端子の前記DC電圧成分と前記次段可変増幅器の前記出力端子の前記DC電圧成分それぞれ制御され、
    前記次段可変増幅器の前記出力端子から生成される増幅信号はアナログ入力信号として前記A/D変換器の入力端子に供給され、前記A/D変換器の出力端子からのディジタル出力信号は前記ディジタル・フィルターの入力端子に供給され、
    前記第1受信ブロックによる前記第1の通信方式の前記第1RF受信信号の受信時の非受信スロットの間に、前記DCオフセットキャンセル回路による前記可変増幅器の前記前段可変増幅器および前記次段可変増幅器の出力DCオフセット電圧を低減する第1の動作が実行され、
    前記第2受信ブロックによる前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の受信のために、前記第2RF受信信号の受信動作に移行する前に、前記DCオフセットキャンセル回路による前記可変増幅器の前記前段可変増幅器および前記次段可変増幅器の出力DCオフセット電圧を低減する第2の動作が実行され、
    前記第2受信ブロックによる前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の前記受信動作の間に、前記ディジタル・フィルターから前記次段可変増幅器へのフィードバック制御によって前記次段可変増幅器の出力DCオフセット電圧を低減する第3の動作が実行される半導体集積回路の動作方法。
  12. 前記第2受信ブロックによる前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の前記受信動作の間に前記前段可変増幅器および前記次段可変増幅器の増幅利得が変化され、
    前記増幅利得の変化に際して、前記ディジタル・フィルターから前記次段可変増幅器への前記フィードバック制御によって前記次段可変増幅器の前記出力DCオフセット電圧を低減する前記第3の動作が実行される請求項11に記載の半導体集積回路の動作方法。
  13. 前記DCオフセットキャンセル回路の前記他の入力には前記次段可変増幅器の前記出力端子の前記DC電圧成分が供給可能とされ、前記DCオフセットキャンセル回路の前記他の出力によって前記次段可変増幅器の前記出力端子の前記DC電圧成分が制御され、
    前記第1受信ブロックによる前記第1の通信方式の前記第1RF受信信号の前記受信時の前記非受信スロットの間に、前記DCオフセットキャンセル回路による前記次段可変増幅器の前記出力DCオフセット電圧を低減する前記第1の動作が実行され、
    前記第2受信ブロックでの前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の前記受信動作に移行する前に、前記DCオフセットキャンセル回路による前記次段可変増幅器の前記出力DCオフセット電圧を低減する前記第2の動作が実行される請求項12に記載の半導体集積回路の動作方法。
  14. 前記ディジタル・フィルターでのフィードフォワード制御によって前記第2受信ブロックによる前記第2の通信方式の前記第2RF受信信号の前記受信動作での前記フィードバック制御による制御残余が補償される請求項13に記載の半導体集積回路の動作方法。
  15. 前記ディジタル・フィルターは前記A/D変換器の前記出力端子からの前記ディジタル出力信号が供給されるデシメーション・フィルターを含み、
    ディジタル・積分器とフィードバック制御部とフィードフォワード制御部とを含むディジタル・DCオフセット補償回路とを更に具備して、
    前記ディジタル・DCオフセット補償回路の前記ディジタル・積分器の入力端子に前記ディジタル・フィルターの前記デシメーション・フィルターからの出力信号が供給され、
    前記ディジタル・DCオフセット補償回路では前記ディジタル・積分器からの出力信号が前記フィードバック制御部の入力端子に供給され、前記フィードバック制御部の出力によって、前記フィードバック制御による前記次段可変増幅器の前記出力DCオフセット電圧を低減する前記第3の動作が実行される請求項14に記載の半導体集積回路の動作方法。
  16. 前記ディジタル・DCオフセット補償回路では前記ディジタル・積分器からの前記出力信号に応答した前記フィードフォワード制御部の出力によって前記フィードフォワード制御による前記フィードバック制御の前記制御残余が補償される請求項15に記載の半導体集積回路の動作方法。
  17. 前記デシメーション・フィルターの出力端子には符号間干渉を低減すためのルートレイズドコサインフィルターの入力端子が接続される請求項16に記載の半導体集積回路の動作方法。
  18. 前記第1受信ブロックの前記第1受信ミキサーから生成される前記第1受信アナログ信号と前記第2受信ブロックの前記第2受信ミキサーから生成される前記第2受信アナログ信号とは、受信ベースバンドとローIFの受信アナログ信号とのいずれかである請求項17に記載の半導体集積回路の動作方法。
  19. 前記第1受信ブロックの前記第1受信ミキサーから生成される前記第1受信アナログ信号は、信号帯域幅が1MHz未満のGSMベースバンド受信信号であり、
    前記第2受信ブロックの前記第2受信ミキサーから生成される前記第2受信アナログ信号は、信号帯域幅5MHz未満のWCDMAベースバンド受信信号である請求項17に記載の半導体集積回路の動作方法。
  20. 前記第1の通信方式はGSM通信であり、前記第2の通信方式はWCDMA通信である請求項17に記載の半導体集積回路の動作方法。
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