JP5196498B2 - 生分解性水溶性ポリマー - Google Patents

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Description

過去10年、生物医学用途のための生分解性、生物吸収性ポリマーがますます関心を引いている。最近記載されたように、α-アミノ酸、脂肪族ジオール、および脂肪ジカルボン酸に基づく脂肪族PEAが、生体適合性、低い毒性、および生分解性のために、生物医学用途のための良好な候補であることがわかってきた(K. DeFife et al. Transcatheter Cardiovascular Therapeutics-TCT 2004 Conference. Poster presentation. Washington, DC. 2004(非特許文献1); G. Tsitlanadze, et al. J. Biomater. Sci. Polymer Edn. (2004).15:1-24)(非特許文献2)。
非常に万能な活性重縮合(APC)法は、溶液中、温和な温度で主に実施され、そのような規則的な直鎖の、高分子量を有する多官能性PEA、ポリ(エステル-ウレタン)(PEUR)およびポリ(エステル尿素)(PEU)の合成を可能とする。APCの合成多様性のために、これらのポリマーにおいて、高分子バックボーンを作製する構成ブロックとして使用される3成分-α-アミノ酸、ジオールおよびジカルボン酸を変動させることにより、広範囲の材料特性が達成できる(R. Katsarava, et al., J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem(1999)37:391-407(非特許文献3))。
ペンダントヒドロキシル基が存在すると、脂肪族ポリマーの生分解性が増強されることは周知である(M. Acemoglu et al., Macromolecules (1996), 28, 3030-3037(非特許文献4)および本明細書で引用した文献)。さらに、ペンダント官能基は、様々な官能性を介して、複数の生物活性剤の共有結合による付着を促進し、事実上、プロドラッグを形成することができるので、特に重要である。ペンダント官能基はまた、他の官能基の付着のために使用することができる。
当技術分野におけるこれらの進歩にかかわらず、生分解性で、ならびに水および他の水性条件、例えば、生物学的条件下、例えば血液中などにおいて可溶性である、新規の、より良好なポリマーが必要である。
K. DeFife et al. Transcatheter Cardiovascular Therapeutics-TCT 2004 Conference. Poster presentation. Washington, DC. 2004 G. Tsitlanadze, et al. J. Biomater. Sci. Polymer Edn. (2004).15:1-24) R. Katsarava, et al., J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem(1999)37:391-407 M. Acemoglu et al., Macromolecules (1996), 28, 3030-3037
発明の概要
本発明は、水および他の水性条件、例えば、生物学的条件下、例えば血液中などにおいて可溶性である、新規生分解性ポリ(エステルアミド)(PEA)、ポリ(エステルウレタン)(PEUR)およびポリ(エステル尿素)(PEU)を提供する。本発明の水溶性PEA、PEURおよびPEUポリマーは、ポリマー上に水溶性を付与するための構成ブロックとしての非毒性の天然由来成分またはそれらの誘導体の非毒性親水性残基-親水性、荷電または非荷電α-アミノ酸、グリセロールまたは炭化水素誘導ジオールおよび短鎖脂肪族二酸の使用に基づき設計された。
より特定的には、水溶性PEA、PEURおよびPEUを得るために、ポリマーの繰り返しユニットは非荷電の(例えば、グリシン、L-セリン、L-トレオニン)、正電荷を有する(例えば、アルギニン、ヒスチジン、リシン)、または負電荷を有する(例えば、アスパラギン酸およびグルタミン酸)のいずれかである親水性α-アミノ酸およびジオールまたはポリオール(例えば、グリセロール、ジアンヒドロソルビトール、1,4-アンヒドロエリトリロール、など)の同様の残基および短鎖脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸およびジグリコール酸)の残基から構成される。
脂肪族PEA、PEURおよびPEUポリマーの親水性は、ポリマーが誘導される構成ブロックの親水性を賢明に選択することにより、変動させ、制御することができる。ペンディング親水性基、例えば、極性であるが非荷電の一級または二級ヒドロキシルを有するモノマーを使用すると、本発明のポリマーの水中での溶解度を増加させることができる。
したがって、1つの態様では、本発明は、下記のうちの少なくとも1つを含み、生分解性および水溶性である組成物を提供する:
一般構造式(I)により記載される化学式を有するPEAポリマー、
Figure 0005196498
式中、nは約5〜約150の範囲であり;R1は独立して(C2〜C4)アルキレンまたはCH2OCH2から選択され;個々のnユニットのR3は独立して、水素、CH2OH、CH(OH)CH3、(CH2)4NH3 +、(CH2)3NHC(=NH2 +)NH2、4-メチレンイミダゾリニウム、CH2COO-、(CH2)2COO-およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;ならびに、R4は独立して、CH2CH(OH)CH2またはCH2CH(CH2OH)、構造式(II)
Figure 0005196498
の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環フラグメント、1,4-アンヒドロエリトリトールの残基およびそれらの組み合わせからなる群より選択される;
または構造式(III)により記載される化学式を有するPEAポリマー、
Figure 0005196498
式中、nは約5〜約150の範囲であり、mは約0.1〜0.9の範囲であり;pは約0.9〜0.1の範囲であり;R1は独立して(C2〜C4)アルキレンまたはCH2OCH2から選択され;各R2は独立して水素、または保護基であり;個々のユニットのR3は独立して、水素、CH2OH、CH(OH)CH3、(CH2)4NH3 +、(CH2)3NHC(=NH2 +)NH2、4-メチレンイミダゾリニウム、CH2COO-、(CH2)2COO-およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;R4は独立して、CH2CH(OH)CH2またはCH2CH(CH2OH)、構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環フラグメント、1,4-アンヒドロエリトリトールの残基およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;ならびに、R5は独立して(C1〜C4)アルキルからなる群より選択される;
または構造式(IV)により記載される化学式を有するポリ(エステルウレタン)(PEUR)ポリマー、
Figure 0005196498
式中、nは約5〜約150の範囲であり;個々のnユニットのR3は独立して、水素、CH2OH、CH(OH)CH3、(CH2)4NH3 +、(CH2)3NHC(=NH2 +)NH2、4-メチレンイミダゾリニウム、CH2COO-、(CH2)2COO-およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;R4は独立して、CH2CH(OH)CH2またはCH2CH(CH2OH)、構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環フラグメント、1,4-アンヒドロエリトリトールの残基およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;ならびに、R6は独立してCH2CH(OH)CH2、CH2CH(CH2OH)、1,4-アンヒドロエリトリトールの残基およびそれらの組み合わせからなる群より選択される;
または一般構造式(V)により記載される化学構造を有するPEURポリマー、
Figure 0005196498
式中、nは約5〜約150の範囲であり、mは約0.1〜約0.9の範囲であり;pは約0.9〜約0.1の範囲であり;R2は独立して水素または保護基から選択され;個々のnユニットのR3は独立して、水素、CH2OH、CH(OH)CH3、(CH2)4NH3 +、(CH2)3NHC(=NH2 +)NH2、4-メチレンイミダゾリニウム、CH2COO-、(CH2)2COO-およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;R4は独立して、CH2CH(OH)CH2またはCH2CH(CH2OH)、構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環フラグメント、1,4-アンヒドロエリトリトールの残基およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;R6は独立してCH2CH(OH)CH2、またはCH2CH(CH2OH)、1,4-アンヒドロエリトリトールの残基およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;ならびに、R5は独立して(C1〜C4)アルキルからなる群より選択される;
または一般構造式(VI)により記載される化学式を有するポリ(エステル尿素)、(PEU)ポリマー、
Figure 0005196498
式中、nは約10〜約150の範囲であり;個々のnユニットの各R3は独立して、水素、CH2OH、CH(OH)CH3、(CH2)4NH3 +、(CH2)3NHC(=NH2 +)NH2、4-メチレンイミダゾリニウム、CH2COO-、(CH2)2COO-およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;ならびに、R4は独立して、CH2CH(OH)CH2またはCH2CH(CH2OH)、1,4-アンヒドロエリトリトールの残基およびそれらの組み合わせからなる群より選択される;
または構造式(VII)により記載される化学式を有するPEUポリマー、
Figure 0005196498
式中、mは約0.1〜1.0の範囲であり;pは約0.9〜約0.1の範囲であり;nは約10〜約150の範囲であり;各R2は独立して水素または保護基から選択され;個々のnユニットのR3は独立して、水素、CH2OH、CH(OH)CH3、(CH2)4NH3 +、(CH2)3NHC(=NH2 +)NH2、4-メチレンイミダゾリニウム、CH2COO-、(CH2)2COO-またはそれらの組み合わせからなる群より選択され;R4は独立して、CH2CH(OH)CH2またはCH2CH(CH2OH)、1,4-アンヒドロエリトリトールの残基およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;ならびに、R5は独立して(C1〜C4)アルキルからなる群より選択される。
発明の詳細な説明
本発明は、疎水性薬物を可溶化し、またはタンパク質もしくは他の生物製剤に対し有益な薬物動態プロファイルを作成するための、生物活性剤の付着に対する新規非荷電または荷電脂肪族水溶性PEAポリマー組成物の発見に基づく。
ビス(α-アミノ酸)-α,ω-アルキレン-ジエステルは、活性重縮合(APC)のために有用な、ある型のジアミンモノマーであり、本質的に2つの脂肪族エステルコンジュゲーションを含む。そのようなエステル基は酵素により認識され、様々なエステラーゼにより加水分解される。例えば、活性二酸エステルとの、ジアミンモノマーの縮合により、エステルおよびアミドコンジュゲーションを有する生分解性PEA高分子が得られる。二酸として、非毒性脂肪酸を使用することができる。さらに、発明のPEAポリマー組成物は任意で、ペンディングC末端を有する第2のモノマー、例えばL-リシン系モノマーを含んでポリマーに、例えば生物活性剤の付着に対するフレキシビリティおよび追加の点の増加などの様々な性質を導入することができる。
本発明は、本明細書で記載されるような、少なくとも1つの水溶性ポリ(エステルアミド)(PEA)、ポリ(エステルウレタン)(PEUR)またはポリ(エステル尿素)(PEU)、ならびに、それらの混合物およびブレンドを含む、新しい型の生分解性、水溶性組成物を提供する。本発明の水溶性PEA、PEURおよびPEUポリマーは、ポリマーに水溶性を付与するために、非毒性の天然由来成分またはそれらの誘導体の親水性残基を、構成ブロックとして使用することに基づいて設計した。
より特定的には、水溶性PEA、PEURおよびPEUを得るために、ポリマーの繰り返しユニットは、親水性非荷電α-アミノ酸(例えば、グリシン、L-セリン、L-トレオニン)、正電荷を有するα-アミノ酸(アルギニン、ヒスチジン、リシン)、または負電荷を有するα-アミノ酸(アスパラギン酸およびグルタミン酸)、ジオールまたはポリオール(例えば、グリセロール、ジアンヒドロソルビトール、1,4-アンヒドロエリトリトール、など)および短鎖脂肪族ジカルボン酸(例えば、コハク酸、グルタル酸およびジグリコール酸、など)から構成される。
脂肪族PEA、PEURおよびPEUポリマーの親水性は、これらの構成ブロックの親水性を賢明に選択することにより、変動させ、制御することができる。例えば、非電荷α-アミノ酸を導入する場合に水溶性を確保するために、ポリマーの他の構成ブロックは、水溶性を付与する、または増強するように選択してもよい。2つまたは3つの炭素のジオールまたはポリオール(とりわけグリセロール)の残基および2つまたは3つの炭素の脂肪族ジカルボン酸(例えば、コハク酸およびグルタル酸)の残基は、ポリマーの水溶性に寄与し、その中に含まれる非荷電アミノ酸を補償するために使用される可能性がある。本発明のポリマー組成物のバックボーン中の脂肪族セグメントが短いほど、ポリマーはより水溶性となる。さらに、ペンディング親水性基(例えば、極性であるが非荷電の一級または二級ヒドロキシル)を有するモノマーを使用すると、本発明のポリマーの水中での溶解度を増加させることができる。
本発明では、水溶性にするために、本発明のポリマー送達組成物で使用されるポリマーには親水性部分はコンジュゲートされない。その代わり、使用されるポリマーは2つの異なる型のものである。第1の型は、ポリマーのバックボーンに含まれるモノマー上に存在するペンディング極性基(非荷電または荷電)を有する。第2の型は、ペンディング水溶性基を有さず、完全に親水性モノマーから構成される。どちらの型も水溶性であり、付着された水溶性生物活性剤を安定化し、またはこれにコンジュゲートされた疎水性生物活性分子を可溶化し、本発明のポリマー組成物を生分解性ポリマー送達系において使用するのに適したものとする。
したがって、1つの態様では、本発明は、下記のうちの少なくとも1つを含み、生分解性および水溶性である、生分解性ポリマー組成物を提供する:
一般構造式(I)により記載される化学式を有するPEAポリマー、
Figure 0005196498
式中、nは約5〜約150の範囲であり;R1は独立して(C2〜C4)アルキレンまたはCH2OCH2から選択され;個々のnユニットのR3は独立して、水素、CH2OH、CH(OH)CH3、(CH2)4NH3 +、(CH2)3NHC(=NH2 +)NH2、4-メチレンイミダゾリニウム、CH2COO-;(CH2)2COO-からなる群より選択され;ならびに、R4は独立して、CH2CH(OH)CH2またはCH2CH(CH2OH)、構造式(II)
Figure 0005196498
の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環フラグメント、1,4-アンヒドロエリトリトールの残基およびそれらの組み合わせからなる群より選択される;
または構造式(III)により記載される化学式を有するPEAポリマー、
Figure 0005196498
式中、nは約5〜約150の範囲であり、mは約0.1〜0.9の範囲であり;pは約0.9〜0.1の範囲であり;R1は独立して(C2〜C4)アルキレンまたはCH2OCH2から選択され;各R2は独立して水素、または保護基であり;個々のユニットのR3は独立して、水素、CH2OH、CH(OH)CH3、(CH2)4NH3 +、(CH2)3NHC(=NH2 +)NH2、4-メチレンイミダゾリニウム、CH2COO-、(CH2)2COO-およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;R4は独立して、CH2CH(OH)CH2またはCH2CH(CH2OH)、構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロ-ヘキシトールの二環フラグメント、1,4-アンヒドロエリトリトールの残基およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;ならびに、R5は独立して(C1〜C4)アルキルからなる群より選択される;
または構造式(IV)により記載される化学式を有するポリ(エステルウレタン)(PEUR)ポリマー、
Figure 0005196498
式中、nは約5〜約150の範囲であり;個々のnユニットのR3は独立して、水素、CH2OH、CH(OH)CH3、(CH2)4NH3 +、(CH2)3NHC(=NH2 +)NH2、4-メチレンイミダゾリニウム、CH2COO-、(CH2)2COO-およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;R4は独立して、CH2CH(OH)CH2またはCH2CH(CH2OH)、構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環フラグメント、1,4-アンヒドロエリトリトールの残基およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;ならびに、R6は独立してCH2CH(OH)CH2、CH2CH(CH2OH)、1,4-アンヒドロエリトリトールの残基およびそれらの組み合わせからなる群より選択される;
または一般構造式(V)により記載される化学構造を有するPEURポリマー、
Figure 0005196498
式中、nは約5〜約150の範囲であり、mは約0.1〜約0.9の範囲であり;pは約0.9〜約0.1の範囲であり;R2は独立して水素または保護基から選択され;個々のnユニットのR3は独立して、水素、CH2OH、CH(OH)CH3、(CH2)4NH3 +、(CH2)3NHC(=NH2 +)NH2、4-メチレンイミダゾリニウム、CH2COO-、(CH2)2COO-およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;R4は独立して、CH2CH(OH)CH2またはCH2CH(CH2OH)、構造式(II)の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環フラグメント、1,4-アンヒドロエリトリトールの残基およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;R6は独立してCH2CH(OH)CH2、またはCH2CH(CH2OH)、1,4-アンヒドロエリトリトールの残基およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;ならびに、R5は独立して(C1〜C4)アルキルからなる群より選択され;ならびに、対イオンと結合されたPEUR組成物は生分解性であり、水溶性である;
または一般構造式(VI)により記載される化学式を有するポリ(エステル尿素)、(PEU)ポリマー、
Figure 0005196498
式中、nは約10〜約150であり;個々のnユニットの各R3は独立して、水素、CH2OH、CH(OH)CH3、(CH2)4NH3 +、(CH2)3NHC(=NH2 +)NH2、4-メチレンイミダゾリニウム、CH2COO-、(CH2)2COO-およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;ならびにR4は独立して、CH2CH(OH)CH2またはCH2CH(CH2OH)、1,4-アンヒドロエリトリトールの残基およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;ならびに、対イオンと結合されたPEU組成物は生分解性であり、水溶性である;
または構造式(VII)により記載される化学式を有するPEUポリマー、
Figure 0005196498
式中、mは約0.1〜約1.0であり;pは約0.9〜約0.1であり;nは約10〜約150であり;各R2は独立して水素または保護基であり;個々のnユニットのR3は独立して、水素、CH2OH、CH(OH)CH3、(CH2)4NH3 +、(CH2)3NHC(=NH2 +)NH2、4-メチレンイミダゾリニウム、CH2COO-、(CH2)2COO-またはそれらの組み合わせからなる群より選択され;R4は独立して、CH2CH(OH)CH2またはCH2CH(CH2OH)、1,4-アンヒドロエリトリトールの残基およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;ならびに、R5は独立して(C1〜C4)アルキルからなる群より選択される。ある態様では、組成物中のポリマーはその中の荷電基と結合された1つまたは複数の対イオンを有することができる。別の態様では、組成物はポリマーに結合した1つまたは複数の保護基を有することができる。
式(IおよびIII〜VII)におけるR5は作製の容易さのために好ましくは(CH2)4であるが、R5における炭素数は、組成物の水溶性を増強させるために減少させてもよい。
したがって、別の態様では、本発明は、一般構造式(IまたはIII)により記載される化学式を有するPEAポリマー、一般構造式(IVまたはV)により記載される化学式を有するPEURポリマー、一般構造式(VIまたはVII)により記載される化学式を有するPEUポリマー、またはそのようなポリマーのブレンドもしくは混合物とコンジュゲートされた少なくとも1つの生物活性剤を含む生分解性ポリマー組成物を提供する。
本発明の実施において使用するのに適した二酸の公知の例としては、コハク酸(R1が(CH2)2である場合)、グルタル酸(R1が(CH2)3である場合)、アジピン酸(R1が(CH2)4である場合)およびジグリコール酸(R1がCH2OCH2である場合)が挙げられる。コハク酸およびグルタル酸が非荷電α-アミノ酸を含む本発明の組成物の調製において使用するのに好ましい二酸である。二酸の残基がポリマーに組み入れられる。
「糖-ジオール」とも呼ばれる1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの二環フラグメントはデンプン、例えばD-グルシトール、D-マンニトール、またはL-イジトールから誘導される。例えば、イソソルビド(1,4:3,6-ジアンヒドロソルビトール)および1,4-アンヒドロエリトリトールが、本発明の水溶性ポリマーにおいて使用するのに適している。
式(IおよびIII〜VII)のポリマーに組み入れるのに適したα-アミノ酸の公知の例としてはグリシン(R3が水素である場合)、L-セリン(R3がCH2OHである場合)、L-トレオニン(R3がCH(OH)CH3である場合)、L-リシン(R3が(CH2)4NH2である場合)、D-またはL-アルギニン(R3が(CH2)3NHC(=NH)NH2である場合)、L-ヒスチジン(R3が4-メチレンイミダゾリニウムである場合)、アスパラギン酸(R3がCH2COOHである場合)およびグルタミン酸(R3が(CH2)2COOHである場合)が挙げられる。
本発明の組成物中のポリマーと結合するのに適した対イオンの公知の例はカチオン、例えば、治療薬として使用される生物活性剤中のもの、例えば、Na+、K+、Ca++、NH4 +、正電荷を有する薬物分子などである。さらに、Cl-、F-、Br-、CH3COO-、CF3COO-、CCl3COO-、TosO-、または負電荷を有する生物活性剤(例えば薬物分子)などの対イオンが、本発明の組成物中のポリマーと結合することができる。
本明細書で使用されるように、本発明のポリマー組成物に適用される「水溶性」および「水溶性の」という用語は、ポリマーの飽和点での脱イオン水1mlあたりの濃度を意味する。水溶性は、各異なるポリマーに対し異なっているが、溶媒と溶質との間の分子間力および溶媒和に伴うエントロピー変化のバランスにより決定される。pH、温度および圧力などの因子がこのバランスを変化させる。溶解度はまた、pH、温度、および圧力依存性である。
一般に規定されるように、水溶性ポリマーは、真に可溶なポリマー〜ヒドロゲルを含むことができる(G. Swift, Polymer Degr. Stab. 59:(1998)19-24)。発明の水溶性ポリマーはほとんど溶解することができず(例えば、約0.01mg/mL)、または水を含むことができ、高湿雰囲気に暴露されると、直ちに水を吸収し、最終的には、溶液中のポリマー/水を無限に変動させることができる粘性溶液を形成することができる。
大気圧での脱イオン水中での本発明のポリマー組成物の溶解度の範囲は、約18℃〜約55℃、好ましくは約22℃〜約40℃の範囲の温度で約0.01mg/ml〜400mg/mlの範囲である。ポリマーの定量的溶解度は、Braun法により視覚的に評価することができる(D.Braun et al., in Praktikum der Makromolekularen Organischen Chemie, Alfred Huthig, Heidelberg, Germany, 1966)。当業者には公知のように、Flory-Huggins溶液理論は、ポリマーの溶解度を説明する理論モデルである。Hansen溶解度パラメータおよびHildebrand溶解度パラメータは溶解度を予測するための経験法である。融解エンタルピーなどの他の物理定数から溶解度を予測することも可能である。
低分子量電解質を、脱イオン水に溶解したポリマー溶液に添加すると4つの応答のうちの1つを誘発することができる。電解質は鎖収縮、鎖拡張、キレーションによる凝集(立体配座遷移)、または沈殿(相分離)を誘発することができる。応答の正確な性質は、様々な因子、例えば、化学構造、濃度、分子量、ポリマー組成および電荷した電解質の性質に依存する。それにもかかわらず、本発明のポリマー組成物は、血液、血清、組織などの水性生理学的条件において見られるものを含む、様々な水性条件で溶解することができる。
発明のポリマーおよび生物活性剤の発明のポリマーとのコンジュゲートの水溶性はまた、当技術分野で公知であり、本明細書の実施例で説明されている、1H NMR、13C NMR、ゲル透過クロマトグラフィー、およびDSCなどのアッセイ法を用いて特徴づけることもできる。
アミノ酸は全て、末端アミノおよびカルボキシラート基のために、荷電種として存在することができるが、サブセットのアミノ酸だけが、適した条件下で、荷電することができる側鎖を有する。アミノ残基は、アミノ酸モノマーを重合させてポリマー、例えばタンパク質または発明のポリマーとした後に残っているアミノ残基であり、式(IおよびIII〜VII)のR3はアミノ酸残基のペンダント側鎖を示す。
ある本発明のポリマーを説明するために本明細書で使用されているような「荷電アミノ酸」という用語は、その中のR3基が、側鎖が弱酸または塩基として機能することができる天然アミノ酸残基のもの-水に溶解すると完全にイオン化されないものであることを意味する。荷電アミノ酸群は、アルギニン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、ヒスチジンおよびリシンを含む。
イオン化特性は、ヘテロ原子に共有結合されたプロトンからなるイオン化部分の存在により、これらのR3基に付与され、ヘテロ原子はアスパラギン酸、グルタミン酸およびチロシンでは酸素;システインでは硫黄;ならびにアルギニンおよびリシンでは窒素電子である。適した水性条件、例えば別のイオン性分子または基の近傍では、イオン性プロトンは供与水素イオンとしてR3から解離し、R3を塩基として、これが、今度は、水素イオンを受容することができる。プロトンの酸形態からの解離、または塩基形態によるその受容は、水性環境のpHに強く依存する。電離度はまた、環境感受性であり、水性環境の温度およびイオン強度、ならびにポリマー内のイオン性基の微小環境に依存する。
イオン化定数、pK値を、天然アミノ酸残基XにおけるR3に対する関連するpH範囲の参考として、下記表に示す。
Figure 0005196498
このように、本発明のポリマーのいくつかを記載するために本明細書で使用されるように、「荷電α-アミノ酸」という用語は、その中のアミノ酸残基のR3基が適した周囲の水性条件下で、「荷電可能」、すなわち「イオン化可能」であることを意味する。そのような荷電アミノ酸の対イオンは、上記例および/または適した水性条件下でイオン化可能である他の生物活性剤とすることができる。
本明細書で使用されるように、「二酸の残基」という用語は、二酸の2つのカルボキシル基を除外し、発明のポリマー組成物のバックボーンに組み入れられるジカルボン酸の部分を意味する。本明細書で使用されるように、「ジオールの残基」という用語は、残基が発明のポリマー組成物のバックボーンに組み入れられる点での、2つのヒドロキシル基を除外する、ジオールまたはポリオールの部分を意味する。ポリオールの別のヒドロキシルは保護することができ、または非保護とすることができる。その「残基」を含む対応する二酸またはジオールを、本発明の水溶性ポリマー組成物の合成に使用する。
本明細書で使用されるように、「α-アミノ酸を含む」、および「α-アミノ酸」という用語は、アミノ基、カルボキシル基および本明細書で規定されるR3基を含む化学化合物を意味する。本明細書で使用されるように、「生物学的α-アミノ酸を含む」、および「生物学的α-アミノ酸」という用語は、合成で使用されるα-アミノ酸が、グリシン、L-セリン、L-トレオニン、L-リシン、D-またはL-アルギニン、L-ヒスチジン、アスパラギン酸およびグルタミン酸またはそれらの混合物から選択されることを意味する。
本明細書で使用されるように、「生物活性剤」という用語は、哺乳類に投与した時に治療または緩和様式で、哺乳類個体、例えばヒトの生物過程に影響し、ポリマーバックボーンに組み入れられない活性薬剤を意味する。生物活性剤としては、小分子薬、ペプチド、タンパク質、DNA、cDNA、RNA、糖、脂質および全細胞が挙げられるが、それらに限定されない。1つまたは複数のそのような生物活性剤は任意で本発明の水溶性ポリマー組成物にコンジュゲートされてもよく、生物活性剤をインビボで制御された速度で送達するためのプロドラッグが形成される。例えば、生物活性剤は約1時間〜約1か月の期間にわたり送達させることができる。また、生物活性剤は、本発明の水溶性ポリマー組成物を介して異なる型の担体コンストラクト、例えばリポソーム、粒子などに繋ぎ止めて、コンジュゲートされた生物活性剤の水溶性を増強することができる。
1つの態様では、構造式(I)のPEAはグリセロールを含み、自由一級および二級ペンディングヒドロキシルを含有し、構造式(VIII)により記載される別の化学式を有し、
Figure 0005196498
式中、n、R1およびR3は上記の通りであり、各ランダムセグメントにおいて、R7がCH2Oである場合、R8=OHであり、および/または、R7がで-O-ある場合、R8=CH2OHである。
α-アミノ酸およびジオールのジエステルのジアリールスルホン酸塩は、α-アミノ酸、例えば、p-アリールスルホン酸一水和物、およびジオールをトルエン中で混合し、水発生が中止するまで、還流温度まで加熱し、その後冷却することにより調製することができる。
ジカルボン酸の飽和ジ-p-ニトロフェニルエステルおよびビス-α-アミノ酸エステルの飽和ジ-p-トルエンスルホン酸塩は、米国特許第6,503,538 B1号において記載されているように調製することができる。
別の態様では、本発明は、PEA、PEURまたはPEUポリマー分子が、任意でリンカーによりこれらに付着された、または分子間の架橋剤に組み入れられた薬剤および生物製剤(本明細書ではDと示す)を含む少なくとも1つの生物活性剤を有する水溶性送達組成物を提供する。ポリマー-薬物コンジュゲーションはエステル、ジエステル、ウレタン、カルボナート、アミド、二級または三級アミン、エーテル、などであってもよく、これらのいくつかは、有効な一級または二級OHを-NH2または-SHに変換させた後に付着される。例えば、1つの態様では、ポリマーは、構造式(IX)を有するポリマー-生物活性剤コンジュゲートに含まれ、
Figure 0005196498
式中、n、R1、R3、R7およびR8は上記の通りであり;rは約0.001〜約0.9の範囲であり;qは約0.999〜約0.1の範囲であり;ただし、R7が-CH2O-である場合、R9が-XR13-であり;R7がで-O-ある場合、R9が-CH2XR13-であり;ここで、Xは-O-または-S-から選択されるヘテロ原子であり;R13は-C=O-、-COO-、-CO-NH-、-S-、-S(O)-、および-S(O2)-からなる群より選択され;ならびにDは生物活性剤である。
本発明の水溶性送達組成物のさらに別の態様では、構造式(IX)のポリマーの2つの分子を架橋させることができ、-R9-D-R9-コンジュゲートが得られる。さらに別の態様では、下記構造式(X)に示されるように、少なくとも1つの生物活性剤(例えば、生物製剤)は、-R9-D-R9-コンジュゲートを介して構造式(IX)の単一ポリマー分子の2つの部分に共有結合され、ここでR9は上記で規定される通りである。
Figure 0005196498
また、下記構造式(XI)に示されるように、リンカー、-Z-Y-を、構造式(VIII)の分子内でR9と生物活性剤Dとの間に挿入することができ、ここで、Zは非置換または置換(C1〜C8)アルキレン、(C3〜C8)シクロアルキレン、O、NおよびSの群から選択される1〜3のヘテロ原子を含む5〜6員複素環系、(C2〜C8)アルケニル、アルキニル、(C2〜C20)アルキルオキシ(C2〜C4)アルキル、C6およびC10アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アリールアルキニル、アリールアルケニルからなる群より選択され、ここで、任意の置換基は、H、F、Cl、Br、I、(C1〜C6)アルキル、-CN、-NO2、-OH、-CF3、-O(C1〜C4)アルキル、-S(C1〜C6)アルキル、-S[(=O)(C1〜C6)アルキル]、-S[(O2)(C1〜C6)アルキル]、-C[(=O)(C1〜C6)アルキル]、-O[(CO)-(C1〜C6)アルキル]、-S(O2)[N(R14R10)]、-NH[(C=O)(C1〜C6)アルキル]、-NH(C=O)N(R14R10)、-N(R14R10);ここで、R14およびR10は独立してHまたは(C1〜C6)アルキルであり;-S-、-S(O)-、-S(O2)-、-NR13-、-C(=O)-、-OC(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)NH-、-C(=O)NR11-としての基からなる群より選択され;ならびに、Yは-O-、-S-、-S-S-、-S(O)-、-S(O2)-、-NR11-、-C(=O)-、-OC(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)NH-、-NR11C(=O)-、-C(=O)NR12-、-NR12C(=O)NR12-、-NR12C(=O)NR12-、および-NR12C(=S)NR12-からなる群より選択され、ここで、R12はHまたは(C1〜C8)アルキルである。
Figure 0005196498
さらに別の態様では、単一の高分子の2つの部分が、-R9-D-Y-Z-R9-架橋を介して生物活性剤に共有結合され(式(XII))、
Figure 0005196498
式中、Zは(C1〜C8)アルキレン、置換アルキレン、(C3〜C8)シクロアルキレン、置換シクロアルキレン、O、NおよびSの群から選択される1〜3のヘテロ原子を含む5〜6員複素環系、非置換および置換複素環、(C2〜C8)アルケニル、アルキニル、(C2〜C20)アルキルオキシ(C2〜C4)アルキル、(C6〜C10)アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アリールアルキニル、アリールアルケニルからなる群より選択され、ここで、置換基は、次からなる群より選択される:H、F、Cl、Br、I、(C1〜C6)アルキル、-CN、-NO2、-OH、-O(C1〜C6)アルキル、-S(C1〜C6)アルキル、-S[(=O)(C1〜C6)アルキル]、-S[(O2)(C1〜C6)アルキル]、-C[(=O)(C1〜C6)アルキル]、CF3、-O[(CO)-(C1〜C6)アルキル]、-S(O2)[N(R14R10)]、-NH[(C=O)(C1〜C6)アルキル]、-NH(C=O)N(R14R10)、ここで、R14およびR10は独立してHまたは(C1〜C6)アルキルである、および-N(R11R12)、ここでR11およびR12は独立して(C2〜C8)アルキレンおよび(C2〜C8)アルケニレンである。
本明細書で開示されるように、「官能化可能な」水溶性生分解性PEAの例示的な例としては、下記が挙げられるが、それらに限定されない。
一級、二級または混合ペンディングヒドロキシルを有するグリセロール系PEA化合物3.1〜3.3:
1a. 本明細書で記載されるように、ベンジル化前駆体PEA化合物3.1.1から調製することができる、ペンディング一級ヒドロキシルを有する、グリシン、グリセロールおよびアジピン酸に基づく、PEA、化合物3.1
Figure 0005196498
1b. 本明細書で記載されるように、ベンジル化前駆体PEA化合物3.2.1から調製することができる、ペンディング二級ヒドロキシルを有する、グリシン、グリセロールおよび脂肪族二酸(アジピン酸)に基づく、PEA化合物3.2
Figure 0005196498
Figure 0005196498
1c. PEA化合物3.3は、ペンディング一級および二級グリセロールヒドロキシルを有するランダムコポリマーである;
化合物3.3
水溶性PEA化合物3.4は、本明細書で記載されるように、1,4:3,6-ジアンヒドロソルビトール(イソソルビド)、グリシンおよびコハク酸から調製することができる。
Figure 0005196498
水溶性PEA化合物3.5は、1,4-アンヒドロエリトリトール、グリシンおよびコハク酸から調製することができる。
Figure 0005196498
本発明のポリマーの親水性を増加させる他に、ヒドロキシルはまた、様々な型の生物活性剤とのコンジュゲーションのためにポリマーを修飾するのに適した(または潜在的な)反応部位を提供する。例えば、化学療法薬の本発明のポリマーへのコンジュゲーションは全身毒性を軽減し、生物活性剤の治療指数を改善するのに魅力的なアプローチである。ポリマー-薬物コンジュゲートは、持続放出のための薬物デポーとして作用することができ、腫瘍細胞を化学療法薬に長期にわたって暴露させることになる。さらに、本発明の水溶性ポリマーは、様々な型の生物活性剤を安定化する、ならびに、そうでなければ、不溶性生物活性剤を可溶化するのに使用することができる。このように、本発明のポリマーは、本明細書で記載されるように、ポリマー内のヒドロキシル反応部位の少なくともいくつかにおいてポリマーに標的分子ならびに治療薬、例えば有機または無機薬物分子をコンジュゲートさせることにより、標的および部位特異的薬物送達において担体を水溶性とするものとしての有用性を有する。
荷電α-アミノ酸を有するものを含む、負電荷または正電荷を有する水溶性ポリマーは、保護基化学を用いて調製することができる。例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸およびグリセロールに基づく、ポリアニオンにより負電荷を有する式(IおよびIII〜VII)の水溶性ポリマーの合成のためのビス(α-アミノアシル)-ジエステル型モノマーは、図1に示した反応スキームにより調製することができる。この実施例では、ベンジルにより保護された基が適用される。保護モノマーはAPC前またはポリマー構築後のいずれかで脱保護される。保護基化学において使用される適した保護試薬および反応条件は、例えば、Protective Groups in Organic Chemistry, Third Edition, Greene and Wuts, Wiley & Sons, Inc. (1999)において見出すことができ、これらの内容は参照により全体が本明細書に組み入れられる。
ヒドロキシル基を欠如した本発明の水溶性PEA、PEURおよびPEUはまた、生物活性剤とのコンジュゲーションのために適したポリマーの反応末端に、本質的に、ある官能基(すなわち、アミノまたは活性化エステル末端基)を含む。このように、生物活性剤は、ポリマー高分子鎖のいずれか一端または両端で容易に付着させることができ、一点または二点付着ポリマーが得られる。そのため、当業者であれば、ヒドロキシル基を欠如した本発明の水溶性PEA、PEURおよびPEUはまた、容易に生物活性剤と、ポリマーの反応末端でコンジュゲートすることができることを理解するであろう。
1つの態様では、本明細書で記載されるように、本発明の水溶性送達組成物を製造するために使用するポリマーは、1つまたは複数の生物活性剤をポリマーに直接結合させ、生物活性剤のための送達組成物またはプロドラッグを形成させる。ポリマーの残基は、1つまたは複数の生物活性剤の残基に結合させることができる。例えば、ポリマーの1つの残基は、生物活性剤の1つの残基に直接結合させることができる。ポリマーおよび生物活性剤はそれぞれ1つの空原子価(open valence)を有することができる。また、1を超える生物活性剤、複数の生物活性剤または異なる治療または緩和活性を有する生物活性剤混合物をポリマーに、例えばその中のペンダントヒドロキシル基または活性化エステル基を介して、直接結合させることができる。しかしながら、各生物活性剤の残基はポリマーの対応する残基に結合させることができるので、1つまたは複数の生物活性剤の残基の数は、ポリマー残基上の空原子価数に対応することができる。
本明細書で使用されるように、「ポリマー残基」という用語は、1つまたは複数の空原子価を有するポリマーのラジカルを示す。本発明のポリマーの任意の合成的に実現可能な1つの原子、複数の原子、または官能基(例えば、ポリマーバックボーンまたはペンダント基上)を除去して空原子価を提供することができるが、ただし、ラジカルが生物活性剤の残基に付着された時に生物活性が実質的に保持されることを条件とする。さらに、任意の合成的に実現可能な官能基(例えば、カルボキシル)をポリマー上(例えば、ポリマーバックボーンまたはペンダント基)上で生成させ空原子価を提供することができるが、ただし、ラジカルが生物活性剤の残基に付着された時に生物活性が実質的に保持されることを条件とする。望ましいコンジュゲーションに基づき、当業者であれば、本発明のポリマーから当技術分野で公知の手順を用いて誘導することができる、適当に官能化させた出発物質を選択することができる。
本明細書で使用されるように、「構造式(*)の化合物の残基」は1つまたは複数の空原子価を有する、本明細書で記載されるポリマー式(I)および(III〜VII)の化合物のラジカルを示す。化合物の任意の合成的に実現可能な1つの原子、複数の原子、または官能基(例えば、ポリマーバックボーンまたはペンダント基上)を除去して空原子価を提供することができるが、ただし、ラジカルが生物活性剤の残基に付着された時に生物活性が実質的に保持されることを条件とする。さらに、任意の合成的に実現可能な官能基(例えば、カルボキシル)を式(I)および(III〜VII)の化合物(例えば、ポリマーバックボーンまたはペンダント基)上で生成させ空原子価を提供することができるが、ただし、ラジカルが生物活性剤の残基に付着された時に生物活性が実質的に保持されることを条件とする。望ましいコンジュゲーションに基づき、当業者であれば、式(I)および(III〜VII)の化合物から当技術分野で公知の手順を用いて誘導することができる、適当に官能化させた出発物質を選択することができる。
例えば、生物活性剤の残基は、構造式(I)または(III〜VII)の化合物の残基に、アミド(例えば、-N(R)C(=O)-または-C(=O)N(R)-)、エステル(例えば、-OC(=O)-または-C(=O)O-)、エーテル(例えば、-O-)、アミノ(例えば、-N(R)-)、ケトン(例えば、-C(=O)-)、チオエーテル(例えば、-S-)、スルフィニル(例えば、-S(O)-)、スルホニル(例えば、-S(O)2-)、ジスルフィド(例えば、-S-S-)、または直接(例えば、C-C結合)コンジュゲーションを介して結合させることができ、ここで、各Rは独立してHまたは(C1〜C6)アルキルである。そのようなコンジュゲーションは適当に官能化させた出発物質から、当技術分野で公知の合成手順を用いて合成することができる。望ましいコンジュゲーションに基づき、当業者であれば、構造式(I)または(III〜VII)の化合物の残基および生物活性剤またはアジュバントのある残基から、当技術分野で公知の手順を用いて誘導することができる、適当に官能化させた出発物質を選択することができる。生物活性剤またはアジュバントの残基は、構造式(I)または(III〜VII)の化合物の残基上の任意の合成的に実現可能な位置に結合させることができる。さらに別の例では、生物活性剤は、式(I)または(III〜VII)の荷電水溶性ポリマーとイオン(非共有結合)相互作用を介して結合させることができる。さらに、本発明はまた、構造式(I)または(III〜VII)の化合物に直接結合された生物活性剤またはアジュバント生物活性剤の1つより多い残基を有する化合物を提供する。
ポリマー分子に結合させることができる生物活性剤の数は典型的には、ポリマーの分子量に依存し得る。例えば、構造式(I)の化合物では、nは約5〜約150、好ましくは約5〜約70であり、約50までの生物活性剤分子(すなわち、それらの残基)がポリマー(すなわち、それらの残基)に、生物活性剤とポリマー側基とを反応させることにより直接結合され得る。不飽和ポリマーでは、生物活性剤はまた、ポリマー中の二重(または三重)結合と反応させることができる。
別の態様では、生物活性剤は、構造(IおよびIII〜VII)のポリマーのいずれかに、アミノ、ヒドロキシル(アルコール)またはチオールコンジュゲーションを介して結合させることができる。そのようなコンジュゲーションは、適当に官能化させた出発物質から、当技術分野において公知の合成手順を用いて形成させることができる。
例えば、1つの態様では、ポリマーは生物活性剤に、ポリマーのカルボキシル基(例えば、COOH)を介して結合させることができる。具体的には、構造(I)および(III)の化合物は、生物活性剤のアミノ官能基またはヒドロキシル官能基と反応し、それぞれ、アミドコンジュゲーションまたはカルボン酸エステルコンジュゲーションを介して付着された生物活性剤を有する生分解性水溶性ポリマーを提供することができる。別の態様では、ポリマーのカルボキシル基は、ベンジル化することができ、またはハロゲン化アシル、アシル無水物/「混合」無水物、または活性エステルに変換させることができる。別の態様では、ポリマー分子の自由-NH2末端をアシル化し、確実に、生物活性剤が、ポリマーの自由端ではなく、ポリマーのカルボキシル基を介してのみ、付着するようにすることができる。
直鎖ポリマーポリペプチドコンジュゲートは、ポリペプチドバックボーン上の潜在的求核種を保護し、1つの反応基のみをポリマーまたはポリマーリンカーコンストラクトに結合させることにより生成される。ペプチドの脱保護に対する当技術分野で周知の方法(例えば、BocおよびFmoc化学)に従い、脱保護を実施する。
本発明の1つの態様では、ポリペプチド生物活性剤は、レトロ-インベルソまたは部分レトロ-インベルソペプチドとして示される。したがって、本明細書で使用されるように、「ペプチド」および「ポリペプチド」は、ペプチド、全ペプチド誘導体(例えば、分枝ペプチド)およびペプチドの共有結合ヘテロ-(例えば、グリコ-、リポ-およびグリコリポ-)誘導体を含む。
本明細書で記載されるペプチドは、当技術分野で公知の任意の技術を用いて合成することができる。ペプチドおよびポリペプチドはまた、「ペプチド模倣薬(peptide mimetics)」を含むことができる。ペプチド類自体は、テンプレートペプチドの特性と類似の特性を有する非ペプチド生物活性剤として薬学業界で普通に使用される。これらの型の非ペプチド化合物は、「ペプチド模倣薬」と呼ばれ、Fauchere, J.(1986)Adv. Bioactive agent Res., 15:29;Veber and Freidinger(1985) TINS p.392;およびEvans et al.(1987)J.Med.Chem.,30:1229;および、通常、コンピュータ分子モデリングの助けにより開発される。一般に、ペプチド模倣薬は、パラダイムポリペプチド(すなわち、生化学的特性または薬理活性を有するポリペプチド)に構造的に類似するが、当技術分野で公知であり、下記引用文献で詳細に説明されている方法により-CH2NH-、-CH2S-、-CH2-CH2-、-CH=CH-(シスおよびトランス)、-COCH2-、-CH(OH)CH2-、および-CH2SO-からなる群より選択されるコンジュゲーションにより任意で置換された1つまたは複数のペプチドコンジュゲーションを有する:Spatola, A.F. in “Chemistry and Biochemistry of Amino Acids, Peptides, and Proteins,”B. Weinstein, eds., Marcel Dekker, New York, p.267(1983);Spatola, A.F., Vega Data (March 1983)、Vol.1,Issue 3, “Peptide Backbone Modifications”(general review);Morley, J.S., Trends. Pharm. Sci.,(1980)pp.463-468(general review);Hudson, D. et al., Int. J. Pept. Prot. Res., (1979)14:177-185(-CH2NH-、-CH2CH2-);Spatola, A.F. et al.,Life Sci.,(1986)38:1243-1249(-CH2-S-);Harm, M.M., J. Chem. Soc. Perkin Trans I(1982)307-314(-CH=CH-、シスおよびトランス);Almquist,R.G. et al., J. Med. Chem.,(1980)23:2533(-COCH2-);Jennings-Whie, C. et al., Tetrahedron Lett.,(1982)23:2533(-COCH2-);Szelke, M. et al., European Appln., EP 45665(1982)CA:97:39405(1982)(-CH(OH)CH2-);Holladay, M. W. et al.,Tetrahedron Lett.,(1983)24:4401-4404(-C(OH)CH2-);およびHruby, V.J., Life Sci.,(1982)31:189-199(-CH2-S-)。そのようなペプチド模倣薬はポリペプチド態様に比べ、例えば下記を含む重大な利点を有する可能性がある:より経済的な製造、より大きな化学安定性、増強した薬理特性(半減期、吸収、力価、有効性)、変更された特異性(例えば、広範囲の生物活性)、減少した抗原性、など。
さらに、ペプチドまたはポリペプチド内の1つまたは複数のアミノ酸の置換(例えば、L-リシンの代わりにD-リシンを有する)を使用して、より安定なペプチドおよび内在性プロテアーゼに対して耐性のあるペプチドを生成させてもよい。また、例えば、生分解性ポリマーに共有結合された、合成ペプチドまたはポリペプチドはまた、D-アミノ酸から調製することができ、インベルソペプチドと呼ばれる。天然のペプチド配列の反対方向でペプチドが組み立てられる場合、レトロペプチドと呼ばれる。一般に、D-アミノ酸から調製されたペプチドは酵素加水分解に対し非常に安定である。レトロ-インベルソまたは部分レトロ-インベルソペプチドに対する保存された生物活性の多くの場合が報告されている(米国特許第6,261,569 B1号および本明細書における引用文献;B.Fromme et al, Endocrinology(2003)144:3262-3269)。
ポリマー-生物活性剤コンジュゲーション
また、1を超える生物活性剤、複数の生物活性剤、または生物活性剤および異なる治療または緩和活性を有する別の生物活性剤の混合物を直接ポリマーに結合させることができる。しかしながら、各生物活性剤の残基はポリマーの対応する残基に結合させることができるので、1つまたは複数の生物活性剤の残基数はポリマー残基上の空原子価数に対応することができる。
本明細書で使用されるように、「生物活性剤」は、ポリマーを担体として、または粒子、リポソームまたはミセルなどの別の担体に生物活性剤を付着させるためのテザーとして使用する場合、構造式(IまたはIII〜VII)の本発明の生分解性水溶性ポリマーにコンジュゲートされる治療、緩和または診断薬を示す。具体的には、そのような別の生物活性剤としては、下記のうちの1つまたは複数が挙げられるが、それに限定されない:ポリヌクレオチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、遺伝子治療薬、ヌクレオチド類似体、ヌクレオシド類似体、ポリ核酸デコイ、治療抗体、アブシキシマブ、抗炎症薬、血液調整剤、抗血小板薬、抗凝固薬、免疫抑制薬、抗悪性腫瘍薬、抗癌薬、抗細胞増殖薬、および一酸化窒素放出薬。
ポリヌクレオチドは、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、二本鎖DNA、二本鎖RNA、二本鎖DNA/RNA、アンチセンスポリヌクレオチド、機能性RNAまたはその組み合わせを含むことができる。1つの態様では、ポリヌクレオチドはRNAとすることができる。別の態様では、ポリヌクレオチドはDNAとすることができる。別の態様では、ポリヌクレオチドはアンチセンスポリヌクレオチドとすることができる。別の態様では、ポリヌクレオチドはセンスポリヌクレオチドとすることができる。別の態様では、ポリヌクレオチドは少なくとも1つのヌクレオチド類自体を含むことができる。別の態様では、ポリヌクレオチドはホスホジエステル結合3’-5’および5’-3’ポリヌクレオチドバックボーンを含むことができる。また、ポリヌクレオチドは、非ホスホジエステルコンジュゲーション、例えばホスホチオアート型、ホスホロアミダートおよびペプチド-ヌクレオチドバックボーンを含むことができる。別の態様では、部分はポリヌクレオチドのバックボーン糖に結合させることができる。そのようなコンジュゲーションを生成する方法は当業者に周知である。
ポリヌクレオチドは一本鎖ポリヌクレオチドまたは二本鎖ポリヌクレオチドとすることができる。ポリヌクレオチドは任意の適した長さを有することができる。具体的には、ポリヌクレオチドは約2〜約5,000ヌクレオチドの長さ;約2〜約1,000ヌクレオチドの長さ;約2〜約100ヌクレオチドの長さ;または約2〜約10ヌクレオチドの長さとすることができる。
アンチセンスポリヌクレオチドは典型的には、標的タンパク質をコードするmRNAに対し相補的であるポリヌクレオチドである。例えば、mRNAは癌促進タンパク質、すなわち、癌遺伝子産物をコードすることができる。アンチセンスポリヌクレオチドは一本鎖mRNAに対し相補的であり、二本鎖を形成し、これにより標的遺伝子の発現を阻害し、すなわち、癌遺伝子の発現を阻害する。本発明のアンチセンスポリヌクレオチドは、標的タンパク質をコードするmRNAと二本鎖を形成することができ、標的タンパク質の発現を無効とする。
「機能性RNA」はリボザイムまたは翻訳されない他のRNAを示す。
「ポリ核酸デコイ」は、細胞因子がポリ核酸デコイに結合すると、細胞因子の活性を阻害するポリ核酸である。ポリ核酸デコイは細胞因子に対する結合部位を含む。細胞因子の例としては、転写因子、ポリメラーゼおよびリボソームが挙げられるが、それらに限定されない。転写因子デコイとして使用するためのポリ核酸デコイの例は、転写因子に対する結合部位を含む二本鎖ポリ核酸である。また、転写因子に対するポリ核酸デコイは、それ自体にハイブリダイズし、標的転写因子に対する結合部位を含むスナップバック二本鎖を形成する一本鎖核酸とすることができる。転写因子デコイの例はE2Fデコイである。E2Fは細胞周期調節に関連し、細胞を増殖させる遺伝子の転写において役割を果たす。E2Fを制御すると、細胞増殖が調節される。例えば、損傷(例えば、血管形成、外科的処置、ステント術)後、平滑筋細胞は損傷に応答して増殖する。増殖は治療領域の再狭窄を引き起こす可能性がある(細胞増殖による動脈の閉鎖)。そのため、E2F活性の調節は、細胞増殖の制御を可能にし、これを使用して増殖を減少させ、動脈の閉鎖を避けることができる。他のそのようなポリ核酸デコイおよび標的タンパク質の例としては、ポリメラーゼを阻害するためのプロモータ配列およびリボソームを阻害するためのリボソーム結合配列が挙げられるが、それらに限定されない。本発明は任意の標的細胞因子を阻害するために構成されたポリ核酸デコイを含むことが理解される。
「遺伝子治療薬」は標的細胞に遺伝子を導入した後、発現させることにより標的細胞において遺伝子産物の発現を引き起こす薬剤を示す。そのような遺伝子治療薬の例は、細胞に導入されると、インスリンなどのタンパク質の発現を引き起こす遺伝子コンストラクトである。また、遺伝子治療薬は、標的細胞での遺伝子の発現を減少させることができる。そのような遺伝子治療薬の例は、標的遺伝子内に組み入れられ、その遺伝子の発現を妨害するポリ核酸セグメントの細胞への導入である。そのような薬剤の例としては、相同組換えにより遺伝子を阻害することができる、ウィルスおよびポリヌクレオチドが挙げられる。細胞に遺伝子を導入し、阻害する方法は当業者に周知である。
本発明のオリゴヌクレオチドは、任意の適した長さを有することができる。具体的には、オリゴヌクレオチドは約2〜約100ヌクレオチドの長さ;約20ヌクレオチドまでの長さ;または約15〜約30ヌクレオチドの長さとすることができる。オリゴヌクレオチドは一本鎖または二本鎖とすることができる。1つの態様では、オリゴヌクレオチドは一本鎖とすることができる。オリゴヌクレオチドはDNAまたはRNAとすることができる。1つの態様では、オリゴヌクレオチドはDNAとすることができる。1つの態様では、オリゴヌクレオチドは一般に知られている化学法により合成することができる。別の態様では、オリゴヌクレオチドは市場の供給者から獲得することができる。オリゴヌクレオチドとしては、少なくとも1つのヌクレオチド類似体、例えばブロモ誘導体、アジド誘導体、蛍光誘導体またはそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。ヌクレオチド類似体は、当業者に周知である。オリゴヌクレオチドは連鎖停止剤を含むことができる。オリゴヌクレオチドはまた、例えば架橋剤または蛍光タグとして使用することができる。多くの普通のコンジュゲーションを使用して、オリゴヌクレオチドを別の部分、例えばホスフェート、ヒドロキシルなどに結合させることができる。さらに、1つの部分を、オリゴヌクレオチドに組み入れられたヌクレオチド類似体を介してオリゴヌクレオチドに結合させてもよい。別の態様では、オリゴヌクレオチドはホスホジエステル結合3’-5’および5’-3’オリゴヌクレオチドバックボーンを含むことができる。また、オリゴヌクレオチドは非ホスホジエステルコンジュゲーション、例えば、ホスホチオアート型、ホスホロアミダートおよびペプチド-ヌクレオチドバックボーンを含むことができる。別の態様では、部分はポリヌクレオチドのバックボーン糖に結合させることができる。そのようなコンジュゲーションを生成する方法は当業者に周知である。
ヌクレオチドおよびヌクレオシド類似体は当技術分野において周知である。そのようなヌクレオシド類似体の例としては、サイトベン(Cytovene(登録商標))(Roche Laboratories)、エピビル(Epivir(登録商標))(Glaxo Wellcome)、ゲムザー(Gemzar(登録商標))(Lilly)、ヒビド(Hivid(登録商標))(Roche Laboratories)、レベトロン(Rebetron(登録商標))(Schering)、ヴィデックス(Videx(登録商標))(Bristol-Myers Squibb)、ゼリット(Zerit(登録商標))(Bristol-Myers Squibb)、およびゾビラックス(Zovirax(登録商標))(Glaxo Wellcome)が挙げられるが、それらに限定されない。Physician’s Desk Reference, 2005 Editionを参照されたい。
本発明の生分解性水溶性ポリマーにおいてポリマーに付着される追加の生物活性剤として機能するポリペプチドは任意の適した長さを有することができる。具体的には、ポリペプチドは、約2〜約5,000アミノ酸の長さ;約2〜約2,000アミノ酸の長さ;約2〜約1,000アミノ酸の長さ;または、約2〜約100アミノ酸の長さとすることができる。
1つの態様では、本発明の生分解性水溶性ポリマー組成物中のポリマー、または別の担体へのテザーとして使用される時のポリマーに付着された生物活性剤ポリペプチドは抗体とすることができる。1つの態様では、抗体は細胞接着分子、例えばカドヘリン、インテグリンまたはセレクチンに結合することができる。別の態様では、抗体は細胞外基質分子、例えばコラーゲン、エラスチン、フィブロネクチンまたはラミニンに結合することができる。さらに別の態様では、抗体は受容体、例えばアドレナリン受容体、B-細胞受容体、補体受容体、コリン受容体、エストロゲン受容体、インスリン受容体、低密度リポタンパク質受容体、成長因子受容体またはT-細胞受容体に結合することができる。本発明の医療装置においてポリマーに付着された抗体(直接またはリンカーによる)はまた、血小板凝集因子(例えば、フィブリノーゲン)、細胞増殖因子(例えば、成長因子およびサイトカイン)、ならびに血液凝固因子(例えば、フィブリノーゲン)に結合することができる。別の態様では、抗体は活性薬剤、例えば、トキシンにコンジュゲートすることができる。別の態様では、抗体はアブシキシマブ(Abciximab)(ReoProR)とすることができる。アブシキシマブはβ(3)インテグリンに結合するキメラ抗体のFabフラグメントである。アブシキシマブは例えば血液細胞上の血小板糖タンパク質IIb/IIIa受容体に対し特異的である。ヒト大動脈平滑筋細胞はα(v)β(3)インテグリンをその表面に発現する。β(3)発現平滑筋細胞を処置すると、別の細胞の接着を阻止し、細胞移動または増殖を減少させる可能性があり、このため、経皮的冠動脈形成術(CPI)、例えば、狭窄、血管形成、ステント術後の再狭窄が減少する。アブシキシマブはまた、血液血小板の凝集を阻害する。
1つの態様では、ペプチドはグリコペプチドとすることができる。「グリコペプチド」は、サッカリド基で置換されてもよい、多環ペプチドコアにより特徴付けられるオリゴペプチド(例えば、ヘプタペプチド)抗体、例えばバンコマイシンを示す。この規定に含まれるグリコペプチドの例は、Raymond C. RaoおよびLouise W. Crandallによる“Glycopeptides Classification, Occurrence, and Discovery”(Ramakrishnan Nagarajanにより編集され、Marcal Dekker, Inc.により出版された“Bioactive agents and the Pharmaceutical Sciences”Volume 63)において見出される可能性がある。グリコペプチドの別の例は米国特許第4,639,433号;同第4,643,987号;同第4,497,802号;同第4,698,327号、同第5,591,714号;同第5,840,684号;および同第5,843,889号;EP 0 802 199;EP 0 801 075;EP 0 667 353;WO 97/28812;WO 97/38702;WO 98/52589;WO 98/52592;ならびにJ.Amer.Chem. Soc., 1996, 118, 13107-13108;J.Amer.Chem. Soc., 1997, 119, 12041-12047;およびJ.Amer.Chem. Soc., 1994, 116, 4573-4590において開示されている。代表的なグリコペプチドは、A477、A35512、A40926、A41030、A42867、A47934、A80407、A82846、A83850、A84575、AB-65、アクタプラニン、アクチノイジン、アルダシン、アボパルシン、アズレオマイシン、バルヒミエイン、クロロオリエンチエイン、クロロポリスポリン、デカプラニン、-デメチルバンコマイシン、エレモマイシン、ガラカルジン、ヘルベカルジン、イズペプチン、キブデリン、LL-AM374、マンノペプチン、MM45289、MM47756、MM47761、MM49721、MM47766、MM55260、MM55266、MM55270、MM56597、MM56598、OA-7653、オレンチシン、パルボジシン、リストセチン、リストマイシン、シンモニシン、テイコプラニン、UK-68597、UD-69542、UK-72051、バンコマイシンなどとして同定されたものを含む。本明細書で使用されるように、「グリコペプチド」または「グリコペプチド抗生物質」はまた、その上の糖部分が存在しない、上記で開示した一般クラスのグリコペプチド、すなわち、グリコペプチドのアグリコンシリーズを含むものとする。例えば、穏やかな加水分解によりバンコマイシン上のフェノールに付加された二糖部分を除去すると、バンコマイシンアグリコンが得られる。上記で開示したグリコペプチドの一般クラスの合成誘導体も「グリコペプチド抗生物質」という用語に含まれ、アルキル化およびアシル化誘導体も含まれる。さらに、バンコサミンと同様の様式で追加のサッカリド残基がさらに付着されたグリコペプチド、とりわけアミノグリコシドはこの用語の範囲内にある。
「脂質化グリコペプチド」という用語は、具体的には、脂質置換基を含むように合成的に修飾されているグリコペプチド抗生物質を示す。本明細書で使用されるように、「脂質置換基」という用語は、5つまたはそれ以上の炭素原子、好ましくは10〜40の炭素原子を含む任意の置換基を示す。脂質置換基は任意で、ハロ、酸素、窒素、硫黄、およびリンから選択される1〜6のヘテロ原子を含んでもよい。脂質化グリコペプチド抗生物質は当技術分野において周知である。例えば、開示内容が参照により全体として本明細書に組み入れられる、米国特許第5,840,684号、同第5,843,889号、同第5,916,873号、同第5,919,756号、同第5,952,310号、同第5,977,062号、同第5,977,063号、EP 667,353、WO 98/52589、WO 99/56760、WO 00/04044、WO 00/39156号を参照されたい。
本発明の組成物のポリマーへの付着に有用な抗炎症薬としては、例えば、鎮痛剤(例えば、NSAIDSおよびサリシクラート)、抗リウマチ薬、胃腸薬、痛風薬、ホルモン(グルココルチコイド)、点鼻薬、点眼薬、耳薬(例えば、抗生物質およびステロイドの組み合わせ)、呼吸器薬、および皮膚&粘膜製剤が挙げられる。Physician’s Desk Reference, 2005 Editionを参照されたい。具体的には、抗炎症薬はデキサメタゾンを含むことができ、これは化学的には、(11▲j▼,16I)-9-フルオロ-11,17,21-トリヒドロキシ-16-メチルプレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオンと示される。また、抗炎症薬はシロリムス(ラパマイシン)を含むことができ、これはストレプトマイセス・ヒグロスコピカス(Streptomyces hygroscopicus)から単離されたトリエンマクロライド抗生物質である。
抗血小板または抗凝固薬としては、例えば、クマジン(Coumadin(登録商標))(DuPont)、フラグミン(Fragmin(登録商標))(Pharmacia & Upjohn)、ヘパリン(Heparin(登録商標))(Wyeth-Ayerst)、ロベノックス(Lovenox(登録商標))、ノルミフロ(Normiflo(登録商標))、オルガラン(Orgaran(登録商標))(Organon)、アグラスタット(Aggrastat(登録商標))(Merck)、アグリリン(Agrylin(登録商標))(Roberts)、エコトリン(Ecotrin(登録商標))(Smithkline Beecham)、フロラン(Flolan(登録商標))(Glaxo Wellcome)、ハーフプリン(Halfprin(登録商標))(Kramer)、インテグリリン(Integrillin(登録商標))(COR Therapeutics)、インテグリリン(Integrillin(登録商標))(Key)、ペルサンチン(Persantine(登録商標))(Boehringer Ingelheim)、プラビックス(Plavix(登録商標))(Bristol-Myers Squibb)、レオプロ(ReoPro(登録商標))(Centecor)、チクリド(Ticlid(登録商標))(Roche)、アボキナーゼ(Abbokinase(登録商標))(Abbott)、アクチベース(Activase(登録商標))(Genentech)、エミナーゼ(Eminase(登録商標))(Roberts)、およびストレパース(Strepase(登録商標))(Astra)が挙げられる。Physician’s Desk Reference, 2005 Editionを参照されたい。具体的には、抗血小板または抗凝固薬はトラピジル(アバントリン)、シロスタゾール、ヘパリン、ヒルジン、またはイルプロストを含むことができる。
トラピジルは化学的にはN,N-ジメチル-5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,-5-a]ピリミジン-7-アミンと示される。
シロスタゾールは化学的には6-[4-(1-シクロヘキシル-1H-テトラゾール-5-イル)-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンと示される。
ヘパリンは抗凝固活性を有するグリコサミノグリカン;D-グルコサミンおよびL-イズロン酸またはD-グルクロン酸のいずれかの繰り返しユニットから構成される、可変的にスルホン化された多糖鎖の不均一混合物である。
ヒルジンはヒル、例えばヒルドメディシナリス(Hirudo medicinalis)から抽出した抗凝固タンパク質である。
イロプロストは化学的には5-[ヘキサヒドロ-5-ヒドロキシ-4-(3-ヒドロキシ-4-メチル-1-オクテン-6-イルニル)-2(1H)-ペンタレニリデン]ペンタン酸と示される。
免疫抑制薬としては、例えば、アザチオプリン(Azathioprine(登録商標))(Roxane)、ベイリョ-D(BayRho-D(登録商標))(Bayer Biological)、セルセプト(CellCept(登録商標))(Roche Laboratories)、イムラン(Imuran(登録商標))(Glaxo Wellcome)、MiCRhoGAM(登録商標)(Ortho-Clinical Diagnostics)、ネオラン(Neoran(登録商標))(Novartis)、オルトクローン(Orthoclone)OKT3(登録商標)(Ortho Biotech)、プログラフ(Prograf(登録商標))(Fujisawa)、PhoGAM(登録商標)(Ortho-Clinical Diagnostics)、サンドイミュン(Sandimmune(登録商標))(Novartis)、シミュレクト(Simulect(登録商標))(Novartis)、およびゼナパックス(Zenapax(登録商標))(Roche Laboratories)が挙げられる。
具体的には、免疫抑制薬は、ラパマイシンまたはサリドマイドを含むことができる。ラパマイシンはストレプトマイセス・ヒグロスコピカス(Streptomyces hygroscopicus)から単離されたトリエンマクロライドである。
サリドマイドは化学的には2-(2,6-ジオキソ-3-ピペリジニル)-1H-イソ-インドール-1,3(2H)-ジオンと示される。
本発明の組成物において生物活性剤として使用することができる抗癌剤または抗細胞増殖剤としては、例えば、ヌクレオチドおよびヌクレオシド類似体、例えば、2-クロロ-デオキシアデノシン、補助抗悪性腫瘍薬、アルキル化剤、ナイトロジェンマスタード、ニトロソ尿素、抗生物質、代謝拮抗薬、ホルモンアゴニスト/アンタゴニスト、アンドロゲン、抗アンドロゲン、抗エストロゲン、エストロゲン&ナイトロジェンマスタードの組み合わせ、生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GNRH)類似体、プロゲストリン、免疫調節薬、ミセル抗悪性腫瘍薬、光感作薬、ならびに皮膚および粘膜薬が挙げられる。Physician’s Desk Reference, 2005 Editionを参照されたい。
適した補助抗悪性腫瘍薬としては、アンゼメット(Anzemet(登録商標))(Hoeschst Marion Roussel)、アレジア(Aredia(登録商標))(Novartis)、ジドロネル(Didronel(登録商標))(MGI)、ジフルカン(Diflucan(登録商標))(Pfizer)、エポゲン(Epogen(登録商標))(Amgen)、エルガミソール(Ergamisol(登録商標))(Janssen)、エチオール(Ethyol(登録商標))(Alza)、キトリル(Kytril(登録商標))(SmithKline Beecham)、ロイコボリン(Leucovorin(登録商標))(Immunex)、ロイコボリン(登録商標)(Glaxo Wellcome)、ロイコボリン(登録商標)(Astra)、ロイキン(Leukine(登録商標))(Immunex)、マリノール(Marinol(登録商標))(Roxane)、メスネクス(Mesnex(登録商標))(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、ノイポゲン(Neupogen)(Amgen)、プロクリット(Procrit(登録商標))(Ortho Biotech)、サラゲン(Salagen(登録商標))(MGI)、サンドスタチン(Sandostatin(登録商標))(Novartis)、ジンカード(Zinecard(登録商標))(Pharmacia and Upjohn)、ゾフラン(Zofran(登録商標))(Glaxo Wellcome)およびジロプリム(Zyloprim(登録商標))(Glaxo Wellcome)が挙げられる。
適したミセルアルキル化剤としては、ミレラン(Myleran(登録商標))(Glaxo Wellcome)、パラプラチン(Paraplatin(登録商標))(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、プラチノール(Platinol(登録商標))(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)およびチオプレックス(Thioplex(登録商標))(Immunex)が挙げられる。
適したナイトロジェンマスタードとしてはアルケラン(Alkeran(登録商標))(Glaxo Wellcome)、サイトキサン(Cytoxan(登録商標))(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、イフェックス(Ifex(登録商標))(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、ロイケラン(Leukeran(登録商標))(Glaxo Wellcome)およびマスタージェン(Mustargen(登録商標))(Merck)が挙げられる。
適したニトロソ尿素としては、BiCNU(登録商標)(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、CeeNU(登録商標)(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、グリアデル(Gliadel(登録商標))(Rhone-Poulenc Rover)およびザノサール(Zanosar(登録商標))(Pharmacia and Upjohn)が挙げられる。
適した抗生物質としてはアドリアマイシン(Adriamycin)PFS/RDF(登録商標)(Pharmacia and Upjohn)、ブレノキサン(Blenoxane(登録商標))(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、セルビジン(Cerubidine(登録商標))(Bedford)、コスメゲン(Cosmegen(登録商標))(Merck)、ダウノキソム(DaunoXome(登録商標))(NeXstar)、ドキシル(Doxil(登録商標))(Sequus)、ドキソルビシンヒドロクロリド(Doxorubicin Hydrochloride(登録商標))(Astra)、イダマイシン(Idamycin(登録商標))PFS(Pharmacia and Upjohn)、ミトラシン(Mithracin(登録商標))(Bayer)、ミタマイシン(Mitamycin(登録商標))(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、ニペン(Nipen(登録商標))(SuperGen)、ノバントロン(Novantrone(登録商標))(Immunex)およびルベックス(Rubex(登録商標))(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)が挙げられる。
適した代謝拮抗薬としては、サイトスター-U(Cytostar-U(登録商標))(Pharmacia and Upjohn)、フルダラ(Fludara(登録商標))(Berlex)、ステリルFUDR(Sterile FUDR(登録商標))(Roche Laboratories)、ロイスタチン(Leustatin(登録商標))(Ortho Biotech)、メトトレキサート(Methotrexate(登録商標))(Immunex)、パリネトール(Parinethol(登録商標))(Glaxo Wellcome)、チオグアニン(Thioguanine(登録商標))(Glaxo Wellcome)およびキセローダ(Xeloda(登録商標))(Roche Laboratories)が挙げられる。
適したアンドロゲンとしてはニランドロン(Nilandron(登録商標))(Hoechst Marion Roussel)およびテスラク(Teslac(登録商標))(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)が挙げられる。
適した抗アンドロゲンとしてはキャソデクス(Casodex(登録商標))(Zeneca)およびオウレキシン(Eulexin(登録商標))(Schering)が挙げられる。
適した抗エストロゲンとしてはアリミデクス(Arimidex(登録商標))(Zeneca)、ファレストン(Fareston(登録商標))(Schering)、フェマラ(Femara(登録商標))(Novartis)およびノルバデクス(Nolvadex(登録商標))(Zeneca)が挙げられる。
適したエストロゲンおよびナイトロジェンマスタードの組み合わせとしては、エムシト(Emcyt(登録商標))(Pharmacia and Upjohn)が挙げられる。
適したエストロゲンとしてはエストレース(Estrace(登録商標))(Bristol-Myers Squibb)およびエストラブ(Estrab(登録商標))(Solvay)が挙げられる。
適した生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GNRH)類似体としては、ロイプロンデポー(Leupron Depot(登録商標))(TAP)およびゾラデックス(Zoladex(登録商標))(Zeneca)が挙げられる。
適したプロゲスチンとしてはデポ-プロベラ(Depo-Provera(登録商標))(Pharmacia and Upjohn)およびメガス(Megace(登録商標))(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)が挙げられる。
適した免疫調節薬としては、エルガニソール(Erganisol(登録商標))(Janssen)およびプロロイキン(Proleukin(登録商標))(Chiron Corporation)が挙げられる。
適したミセル抗悪性腫瘍薬としては、カンプトサー(Camptosar(登録商標))(Pharmacia and Upjohn)、セレストーン(Celestone(登録商標))(Schering)、DTIC-Dome(登録商標)(Bayer)、エルスパー(Elspar(登録商標))(Merck)、エトポフォス(Etopophos(登録商標))(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、エトポキシド(Etopoxide(登録商標))(Astra)、ゲムザー(Gemzar(登録商標))(Lilly)、ヘキサレン(Hexalen(登録商標))(U.S.Bioscience)、ハイカンチン(Hycantin(登録商標))(SmithKline Beecham)、ハイドリア(Hydrea(登録商標))(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、ヒドロキシウリア(Hydroxyurea(登録商標))(Roxane)、イントロンA(Intron A(登録商標))(Schering)、リソドレン(Lysodren(登録商標))(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、ナベルビン(Navelbine(登録商標))(Glaxo Wellcome)、オンカスパー(Oncaspar(登録商標))(Rhone-Poulenc Rover)、オンコビン(Oncovin(登録商標))(Lilly)、プロロイキン(Proleukin(登録商標))(Chiron Corporation)、リツキサン(Rituxan(登録商標))(IDEC)、リツキサン(Rituxan(登録商標))(Genentech)、ロフェロン-A(Roferon-A(登録商標))(Roche Laboratories)、タキソール(Taxol(登録商標))(パクリタキソール/パクリタキセル、Bristol-Myers Squibb Oncology(登録商標)/Immunology)、タキソテレ(Taxotere(登録商標))(Rhone-Poulenc Rover)、TheraCys(登録商標)(Pasteur Merieux Connaught)、Tice BCG(登録商標)(Organon)、ベルバン(Velban(登録商標))(Lilly)、ベペシド(VePesid(登録商標))(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)、ベサノイド(Vesanoid(登録商標))(Roche Laboratories)、およびブモン(Vumon(登録商標))(Bristol-Myers Squibb Oncology/Immunology)が挙げられる。
適した光感作薬としてはフォトフリン(Photofrin(登録商標))(Sanofi)が挙げられる。
具体的には、抗癌剤または抗細胞増殖剤としては、タキソール(登録商標)(パクリタキソール)、一酸化窒素様化合物、またはNicOX(NCX-4016)が挙げられる。タキソール(登録商標)(パクリタキソール)は化学的には、(2R,3S)-N-ベンゾイル-3-フェニルイソセリンを有する5β,20-エポキシ-1,2α4,7β,10β,13α-ヘキサヒドロキシタクス-11-エン-9-オン4,10-ジアセタート2-ベンゾアート13-エステルと示される。
一酸化窒素様薬剤は、一酸化窒素放出官能基を含む任意の生物活性剤を含む。適した一酸化窒素様化合物は、ウシまたはヒト血清アルブミンのS-ニトロソチオール誘導体(付加物)であり、例えば、米国特許第5,650,447号において開示されている通りである。例えば、David Marks et al., “Inhibition of neointimal proliferation in rabbits after vascular injury by a single treatment with a protein adduct of nitric oxide”J. Clin. Invest. (1995) 96:2630-2638を参照されたい。NCX-4016は化学的には2-アセトキシ-ベンゾアート2-(ニトロキシメチル)-フェニルエステルと示され、抗血栓剤である。
当業者であれば、本発明で有用な生物活性剤または追加の生物活性剤が、上記で開示した生物活性剤または薬剤のいずれかに存在する生物活性物質であることを理解することが、認識される。例えば、タキソール(登録商標)は、典型的には注射可能な、わずかに黄色の粘性溶液として入手可能である。しかしながら、生物活性剤は、化学名が、(2R,3S)-N-ベンゾイル-3-フェニルイソセリンを有する5β,20-エポキシ-1,2α,4,7β,10β,13α-ヘキサヒドロキシタクス-11-エン-9-オン4,10-ジアセタート2-ベンゾアート13-エステルである結晶粉末である。Physician’s Desk Reference(PDR), Medical Economics Company (Montvale, NJ),(53rd Ed.),pp.1059-1067を参照されたい。
本明細書で使用されるように、「生物活性剤の残基」は、1つまたは複数の空原子価を有する、本明細書で開示されるような生物活性剤のラジカルである。生物活性剤の任意の合成的に実現可能な1つの原子、複数の原子を除去して空原子価を提供することができるが、ただし、ラジカルが本明細書で記載されるポリマーの残基に付着された時に生物活性が実質的に保持されることを条件とする。望ましいコンジュゲーションに基づき、当業者であれば、生物活性剤から当技術分野で公知の手順を用いて誘導することができる、適当に官能化させた出発物質を選択することができる。
本明細書で開示されているように、生物活性剤または追加の生物活性剤の残基は、任意の適した試薬および反応条件を使用することにより形成させることができる。適した試薬および反応条件は、例えば、Advanced Organic Chemistry, Part B:Reactions and Synthesis, Second Edition, Carey and Sundberg (1983);Advanced Organic Chemistry, Reactions, Mechanisms and Structure, Second Edition, March(1977);およびComprehensive Organic Transformations, Second Edition, Larock(1999)において開示されている。
ある態様では、ポリマー-生物活性剤コンジュゲーションは、分解して適した有効量の自由生物活性剤を提供することができる。当業者により認識されるように、生物活性剤の化学および治療特性により、ある別の態様では、ポリマーに付着された生物活性剤は、依然として、ポリマーに付着されたままその治療効果を実行するが、例えば、本明細書で「生物リガンド」として公知であり、標的分子をポリマーに近接して保持するようにポリマーに付着したまま機能する「粘着性」ポリペプチドタンパク質Aおよびタンパク質Gの場合、ならびに標的分子上の受容体に接触する(例えば、ぶち当たる)ことにより機能するブラジキニンおよび抗体の場合である。任意の適した、有効量の生物活性剤を放出させることができ、これは典型的には、例えば、選択した特定のポリマー、生物活性剤、およびポリマー/生物活性剤コンジュゲーションに依存する。典型的には、ポリマーバックボーンおよびポリマー/生物活性剤コンジュゲーションの分解により、ポリマーから約100%までの生物活性剤を放出させることができる。具体的には、約90%まで、75%まで、50%まで、または25%までの生物活性剤をポリマーから放出させることができる。ポリマーから放出される生物活性剤の量に典型的に影響する因子は、ポリマー/生物活性剤コンジュゲーションの型、ならびに製剤中に存在する追加の物質の性質および量である。
ポリマー-生物活性剤コンジュゲーションは一定期間にわたり分解し、適した、有効量の生物活性剤を持続放出させることができる。任意の適した、有効期間を選択することができる。典型的には、適した、有効量の生物活性剤は、約24時間で、約7日で、約30日で、約90日で、または約120日で放出させることができる。生物活性剤がポリマーから放出される時間の長さに典型的に影響する因子としては、例えば、ポリマーの性質および量、生物活性剤の性質および量、ポリマー/生物活性剤コンジュゲーションの性質、ならびに製剤中に存在する追加の物質の性質および量が挙げられる。
そのような水溶性組成物を提供するために、任意の適したサイズのポリマーおよび生物活性剤を使用することができる。例えば、ポリマーは約1×10-4メートル未満、約1×10-5メートル未満、約1×10-6メートル未満、約1×10-7メートル未満、約1×10-8メートル未満、または約1×10-9メートル未満のサイズを有することができる。
本発明の組成物は分解して、適した、有効量の生物活性剤を提供することができる。任意の適した、有効量の生物活性剤を放出させることができ、これは典型的には、例えば、選択した特定の製剤に依存する。典型的には、約100%までの生物活性剤を組成物から放出させることができる。具体的には、約90%まで、75%まで、50%まで、または25%までの生物活性剤を組成物から放出させることができる。組成物から放出される生物活性剤の量に典型的に影響する因子としては、例えば、ポリマーの性質および量、生物活性剤の性質および量、ならびに組成物中に存在する追加の物質の性質および量が挙げられる。
本発明の組成物は一定期間にわたり分解し、適した、有効量の生物活性剤を提供することができる。任意の適した、有効期間を選択することができる。典型的には、適した、有効量の生物活性剤は、約1時間で、約6時間で、約24時間で、約7日で、約30日で、約90日で、または約120日で放出させることができる。生物活性剤が組成物から放出される時間の長さに典型的に影響する因子としては、例えば、ポリマーの性質および量、生物活性剤の性質および量、ならびに組成物中に存在する追加の物質の性質および量が挙げられる。
複数の付着部位を有する本発明の水溶性PEA、PEURおよびPEUの生物学的用途は、有効な2つの官能化可能な末端基のみを有する加水分解に安定なポリエチレングリコール(PEG)の用途よりもさらに広い。例えば、本発明の水溶性PEA、PEURおよびPEUは様々なタンパク質およびポリヌクレオチドにコンジュゲートさせ、薬物用途のためのプロドラッグを形成させることができる。本発明の水溶性PEAおよびPEURへのコンジュゲーションによる小分子製薬の修飾を使用して、溶解性を改善し、生物学的障壁を通る透過性の制御を増強させ、血流中での半減期を増加させ、プロドラッグからの製薬の放出速度を制御することができる。
産業的処理において使用するために、本発明の水溶性PEA、PEURおよびPEUを酵素にコンジュゲートさせることができる。そのようなポリマー-酵素コンジュゲートを使用して、化合物の水溶性を増加させることができる。この特徴は、例えば、タンパク質の水性二相分配を増強するのに、および細胞精製において、産業副産物の腎臓クリアランス速度を減少させ、産業廃棄物の毒性を減少させるのに有用である。
特に、本発明の水溶性ポリマー組成物を用いた化合物、粒子、リポソームまたはミセルの表面の修飾により、タンパク質および細胞は修飾された実体を拒絶する。例えば、1つの態様では、本発明の水溶性ポリマー組成物は、薬物または生物製剤のためのリポソーム、ミセルまたはポリマー粒子担体の表面修飾として(例えば、コーティングとして、またはテザーとして官能化表面に付着させることにより)適用され、担体への血液タンパク質接着が減少し、そのため、カーゴ薬または他の生物製剤の血液循環時間が増加する。
別の態様では、本発明の水溶性ポリマー組成物の分子を、ポリマー粒子、リポソームまたはミセル担体の官能化表面に付着させ、担体を可溶化し、および/または標的分子、例えば抗体、親和性リガンド、または補助因子を、生物標的または信号伝達のためにそのような担体に繋ぎ止めることができる。本発明の水溶性ポリマー組成物の分子を、適した官能基を有するそのような担体の表面に付着させ、生物分子、親和性リガンドおよび補助因子の合成を補助することもできる。例えば、官能化表面を有する任意の担体、例えば、ポリマー粒子、96-ウエル組織培養プレートの表面などを本発明の水溶性ポリマー組成物の分子で、テザーとして修飾することができ、生物分子、例えばポリヌクレオチドおよびタンパク質の合成の制御(例えば、残基×残基)が補助される。合成自体は水溶液中で起こる当技術分野で公知の任意の方法により進行することができる。さらに、本発明の水溶性ポリマー組成物の個々の水溶性生物製剤への保護コンジュゲーションにより、生物製剤の半減期が、水性条件における水溶性を維持したまま増加される。
例えば、本発明の水溶性ポリマー組成物をPEA、PEURまたはPEUポリマーを含む粒子の表面修飾のために使用することができる。ある水溶性分子のそのような粒子の表面への付着は、2007年1月31日に出願され、その写しが参照により全体として本明細書に組み入れられる、米国特許出願第11/344,689号に記載されている。
本発明の水溶性ポリマーを本明細書に記載されているように使用すると、これにコンジュゲートされた生物活性剤の水溶性を約50倍〜約6,000倍、または約100倍〜約3,000倍だけ増加させることができる。例示的な下記実施例3で示されるように、疎水性抗癌剤パクリタキセル(タキソール)をポリマーのペンダントヒドロキシル基を介してPEAポリマー(本明細書では化合物3.3)とコンジュゲートさせると、水中でのパクリタキセルの溶解度が約5508倍増加した。
下記実施例は、本発明を説明するように意図されたものであり、制限するものではない。
実施例1
この実施例は、本発明の水溶性ポリマーの作製において使用されるモノマーの合成を説明する。
A.材料および方法
材料
化学物質グリセロール、2-O-ベンジルグリセロール、(±)-1-ベンジルグリセロール、グリシン、Boc-グリシン、トリフルオロ酢酸(TFA)、p-トルエンスルホン酸一水和物、ベンジルアルコール、アジピン酸クロリド、塩化グルタリル、塩化スクシニルおよび塩化ジグリコリル、1,6-ヘキサンジオール、p-ニトロフェノール、トリエチルアミン、4-N,N-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、無水N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、無水ジクロロメタン(DCM)はAldrich Chemicalsから購入し、そのまま使用した。他の無水溶媒:エーテル、酢酸エチル(EtOAc)およびテトラヒドロフラン(THF)をFisher Scientificから購入した。
キャラクタリゼーション手順
モノマーおよびポリマーの化学構造を、標準化学法により特徴づけた。1H NMR分光法では、500MHzで動作するBruker AMX-500分光計(Numega R. Labs Inc. San Diego, CA)によりNMRスペクトルを記録した。重水素化溶媒CDCl3またはDMSO-d6(Cambridge Isotope laboratories, Inc.から)を内標準としてのテトラメチルシラン(TMS)と共に使用した。
合成したモノマーの融点を、自動Mettler Toledo FP62 Melting Point Apparatusを用いて決定した。合成したモノマーおよびポリマーの熱特性をMettler Toledo DSC822e示差走査熱量計(DSC)を用いて特徴づけした。試料をアルミニウム皿に入れた。測定を10℃/分の走査速度で窒素流下、実行した。
合成したポリマーの数および重量平均分子量(MwおよびMn)ならびに分子量分布を、高圧液体クロマトグラフ用ポンプ、Waters2414屈折率検出器を備えたゲル浸透クロマトグラフィー(Model 515、Waters Associates Inc. Milford, USA)により決定した。DMAcに溶解した0.1% LiCl溶液を溶離剤として使用した(1.0mL/分)。Watersからの2つのStyragel HR 5E DMF型カラムを連結させ、ポリスチレン標準を用いて較正させた。
B.モノマー合成のための方法
1) ビス-求核剤または一般式(XIII)のビス(α-アミノ酸)-ジオール-エステルを、DCC技術またはp-トルエンスルホン酸の存在下でのジオールのαアミノ酸との直接縮合および発生した水の共沸除去のいずれかにより合成した。TFAまたはTosOH酸のいずれかを用いて、ジアミンを塩形態に導入し、重縮合反応させた。
Figure 0005196498
ビス(グリシン)-1,3-ジグリセリドのジ-TFA塩(化合物1.1)の合成
カルボジイミド技術を用いて合成を実施し、ベンジル-保護モノマーをPEAバックボーンに導入した(図2)。Boc-グリシン(5.25g、30.0mmol)を乾燥ジクロロメタン(50.0ml)に溶解し、2-O-ベンジルグリセロール(1.82g、10.0mmol)、続いてDCC(6.18g、30.0mmol)を添加し、混合物を5分間、室温で撹拌した。4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.24g、0.2mmol)をジクロロメタン(4.0mL)に溶解し、徐々に0℃、窒素下で添加した。反応物をさらに15分、0℃で撹拌し、室温で3日間撹拌し続けた。化合物2-O-ベンジルグリセロールの消費が完了した後(TLC、6:4の体積比のヘキサン:酢酸エチル)、形成した尿素誘導体を、ガラスフリットを通して除去し、ジクロロメタン(3×25ml)で洗浄し、濾液を合わせ、真空下で濃縮した。油状生成化合物をカラムクロマトグラフィーにより、溶離剤としてヘキサン/酢酸エチル(体積比8:2、その後7:3)を用いて精製した。全ての画分を合わせ、濃縮、乾燥させると、4.8g(96.7%)の純粋な生成物(化合物1.1a)が得られた。Boc-基の脱保護を0℃、アルゴン下、撹拌しながら、ジクロロメタン(25ml)中、徐々にTFA(25ml)を添加することにより実施した。添加が完了すると、氷浴を除去し、撹拌を2時間室温で続けた。出発物質の消費をTLC(体積比6:4のヘキサン:酢酸エチルを用いる)によりモニタした。反応混合物を冷エーテル中に注ぎ入れると白色固体が得られ、これをヘキサンで洗浄し、濾過し、その後、再びエーテル(2×20mL)で洗浄した。化合物を真空下、35℃で乾燥させた。精製したモノマー塩(化合物1.1)の収率は85.28%(4.23g)であった。
ビス-(グリシン)-1,2-ジグリセリドのジ-TFA塩(化合物1.2)の合成
化合物(1.2)を、化合物(1.1)に対して記載した手順と類似の手順を用いて、図3で示したスキームに従うDCC技術を用いて合成した。粘性の液体を最小量の2-プロパノールに溶解し、続いてジエチルエーテルを5×過剰で添加することにより、TFA塩の再結晶化を達成した。溶媒をデカントし、粘性生成物を、その後スパチュラを用いてスクラッチすると白色固体が形成し、これを真空で約2日間乾燥させた。純粋なモノマー塩の収率は81.3%(15.0g)であった。
Figure 0005196498
グリセロール-ビス(グリシン)ジエステルジトシラート(化合物1.3(図4))の異性体混合物の合成
1リットルの三ツ口丸底フラスコにグリセロール(10.0g、0.109mol)、p-トルエンスルホン酸一水和物(46.5g、0.244mol)、およびグリシン(16.7g、0.223mol)を入れた。オーバーヘッド撹拌機を使用して確実によく混合しながら、ベンゼン(250mL)を添加した。反応を還流しながら48時間続けた。Dean-Stark装置を使用して発生した水(8.3mL、0.462mol)を収集した。反応混合物を室温まで冷却し、ベンゼンをフラスコからデカントさせた。エーテル(100mL)を使用して、反応フラスコの底に形成された、得られた固い白色固体をすすいだ。アモルファスの吸湿性固体としてのモノマー(異性体混合物)をイソプロパノール/エーテルから2度再結晶化し、真空下で48時間45℃で乾燥させた。収率;得られたモノマー混合物の1H NMRは1,2-および1,3-ジエステルのバッチ間比率差を示す。Mank APJらにより記載されているように(Chem. Phys. Lipids (1976)16:107-114)、50℃で7日後、異性体混合物の固相異性化は観察されなかった。二酸塩異性体またはそれらの自由ジアミンのカラムクロマトグラフィーまたは真空蒸留による分離は失敗した。
ビス-グリシン-1,4-アンヒドロエリトリトールジエステルのジ-p-トルエンスルホン酸塩(化合物1.3)の合成
前に発表された方法(Gomurashvili, Z, et al., J.M.S.-Pure Appl. Chem.(2000), 37:215-227)を用いて、化合物1.3を下記スキームで示されるように合成した。
Figure 0005196498
トルエン300mLに溶解したグリシン(24.92g、0.332mol)、p-トルエンスルホン酸一水和物(69.46g、0.365mol)および1,4-アンヒドロエリトリトール(17.28g、0.165mol)を、Dean-Stark装置およびオーバーヘッド撹拌機を備えたフラスコに入れた。12.6mL(0.697mol)の水が発生するまで、不均一反応混合物を約24時間加熱し還流させた。反応混合物をその後室温まで冷却し、濾過し、アセトンで洗浄し、1:2の体積比のメタノール/2-プロパノール混合物から2度再結晶化させた。mp=224℃の白色粉末が収率62%で収集された。
Figure 0005196498
2).ビス-求電子剤
二酸(アジピン酸、グルタル酸、コハク酸、ジグリコール酸)のジ-p-ニトロフェニルエステル(一般式XIV)を、p-ニトロフェノールとの二酸塩化物の反応により調製した。
Figure 0005196498
ジグリコール酸のジ-p-ニトロフェニルエステルの合成
下記例示的手順は、グリコール酸のジ-p-ニトロフェニルエステルの合成を説明する。トリエチルアミン(61.6mL、0.442mol)を乾燥アセトン(350mL)に溶解したp-ニトロフェノール(61.5g、0.442mol)の撹拌溶液に添加した。溶液を4℃まで冷却し、塩化ジグリコリル(25mL、0.21mol)を溶液に30分にわたり、アルゴン下で滴下した。その後、冷却浴を除去し、撹拌を一晩中、室温で続けた。反応混合物を水(450mL)で希釈し、10分間撹拌した。得られた固体を濾過により収集し、最初に0.1N HCl水溶液(500mL)、その後に水(500mL)で洗浄した。得られたジエステルをアセトン中で再結晶化し、その後、60℃、真空下で20時間乾燥させると、32.8gの生成物が得られた。濾液を3日間4℃で維持すると、追加の11.4gの生成物が得られた。総収量を合わせると44.2g(55.9%)となり、融点は166.8℃であり、文献値は166〜167℃であった(Zimmer, H et al., J. Org. Chem. (1975) 40:2901-06)。
Figure 0005196498
本発明の水溶性ポリマーの作製のために合成した二酸の他のジエステルは下記の通りであった:
1.ジ-p-ニトロフェニルアジパート(式IV、式中、R1=(CH2)4):アセトンから再結晶化、収率85%、mp=123℃
Figure 0005196498
2.ジ-p-ニトロフェニルグルタラート(式IV、式中、R1=(CH2)3):アセトンから再結晶化、収率82%、mp=140℃
Figure 0005196498
および、
3.ジ-p-ニトロフェニルスクシナート(式IV、式中、R1=(CH2)2):合成は-40℃で4時間実施し、その後、徐々に室温まで温めた。アセトンから再結晶化、mp=183.0℃、mp文献値=180〜182℃(Katsarava R.D. et al. Izv. Akad. N. Gruz. SSR. Khim Ser.(1982), 8(2):102-109)
Figure 0005196498
式(IVおよびV)のPEURポリマーの合成に有用なビス-求電子剤(化合物XV)を、上記US 6,503,538 B1において記載されているのと同様の様式で調製した;式(XV)のビス-クロロホルマートを、酸受容体としての第三アミンの存在下、2当量のp-ニトロフェニルクロロホルマートとのジオール(1,3-プロパンジオール、1,4-アンヒドロエリトリトール)の反応により調製する。
Figure 0005196498
PEUポリマー合成(式VIおよびVII)のためのビス-求核剤として、一量体、二量体または三量体ホスゲンを使用することができる。モノマーXIIIとの重縮合反応は、当業者に公知のように、例えば水およびジクロロメタン系において、界面様式で実施される。
実施例2
溶液重縮合によるポリマーの合成
PEAを、Arabuli, N, et al.(Macromol. Chem. Phys. (1994), 195:2279-2289)により前に記載された方法に従い合成した。簡単に言うと、ジアミンの塩を、下記スキームに示されるように、有機塩基の存在下、脂肪族二酸の活性ジエステルと反応させた。
Figure 0005196498
反応は主にDMF中、60℃で24時間実施した。形成したPEAは複数の再沈殿により完全に精製した。ペンディングベンジル化ヒドロキシルを有するポリマーをその後、Pd媒介水素化分解に供した。
一般合成手順は、下記の通り、ポリマー化合物3.2.1のベンジル化前駆体の合成のために記載されている通りである。
Figure 0005196498
化合物1.1(12.902g、24.6mmol)(ビス(グリシン)-1,3-ジグリセリドのジ-TFA塩)およびビスp-ニトロフェニルアジパート(9.555g、24.6mmol)を量り、100mLの一ッ口丸底フラスコに入れた。トリエチルアミン(7.54ml)および乾燥DMF 13.0mlを反応フラスコに添加し、60℃まで24時間加熱した。反応物をその後、室温まで冷却し、DMF 20mLで希釈し、激しく撹拌しながら、水500mL中で沈殿させた。形成したポリマーをDMFに再溶解し、冷メタノール中で3×沈殿させた。生成物白色ポリマー7.5g(収率75.3%)を収集した。
Figure 0005196498
PEA(化合物3.1.1)の合成
Figure 0005196498
Figure 0005196498
ベンジル-保護PEAの脱保護:
触媒水素化によるベンジル化基の脱保護よりヒドロキシル含有PEAが得られた。水素化のために使用される触媒はPd-黒であり、操作は水素雰囲気下、またはギ酸存在下のいずれかで実施された。一級ヒドロキシルからのベンジル化基の脱保護は室温で円滑に進んだ。
典型的な手順は下記の通りであった:PEA化合物3.2.1の1.78gをDMF 15mLに溶解し、Pd黒880mgおよびギ酸1.78mLが添加されたメタノール15mLで希釈した。反応混合物を18時間撹拌し、遠心分離して固体を除去し、濾過し、その後、ポリマーを含む溶液をエーテル300mLに注ぎ入れ、ポリマーを沈殿させた。脱保護したPEAの1H NMRスペクトルから、ベンジルプロトンシグナル(7.3および5.2ppm)の消失が示された。GPCスペクトルは予測した高分子の存在を記録し、鎖開裂が起きなかったことが証明された。
ベンジル保護二級ヒドロキシルを有するPEAの水素化分解はより困難であった:室温では、より高いPd対ポリマー比(重量比1:1)を適用しても脱保護は起こらず、ギ酸または自由水素が存在しても同じであった。文献に記載されている条件を使用すると:60℃の溶媒系DMF/MeOH(体積比1:1)([Wang XL, et al. J. Polym. Sci. Part A:Polym. Chem, (2002)40:70-75])、PEAポリマーは開裂し、24時間後、GPCを使用するとオリゴマのみが検出された。
より良好な結果がDMF/酢酸エチル(体積比1:1)、60〜70℃で達成された:75%のベンジル-保護基が60℃で8時間後に開裂され、24時間後には、1H NMRにより芳香族基は観察されなかった。ポリマー溶液を遠心分離し、固体触媒を除去し、ガラスフィルタを通して濾過し、エーテル300mLに注ぎ入れ、ポリマーを沈殿させると、収率78%であった。得られたPEA化合物3.1はDSCトレースで融解吸熱を有した:Tm=123℃およびTg=8℃。
PEA化合物3.5の重縮合
上記手順を使用すると、ポリマー生成物収率は68%であった。
Figure 0005196498
混合された一級および二級ヒドロキシルを含むPEA化合物3.3の重縮合
吸湿性が非常に高いので、予め風袋を計った反応フラスコにモノマーを量って入れた。フラスコをアジパートモノマーと共に、真空オーブン中で24時間、40℃で乾燥させた。グリセロール-ジ-グリシン-ジエステルジトシラートモノマー混合物(22.312g、40.523mmol)を含む反応フラスコに、ジ-p-ニトロフェノールアジパート(15.7363g、40.523mmol)を添加した。その後、DMF(21.3mL、1.2M)およびトリエチルアミン(12.4ml、89.151mmol)を反応フラスコに添加した。反応物を60℃で24時間、撹拌した。得られたポリマー溶液をDMF 20mLで希釈し、アセトン中で沈殿させた。固体を収集し、再びDMF中に溶解し、繰り返し、冷アセトン中で再沈殿させた。ポリマーの収率は分子量によって35〜70%まで変動した。化合物3.3の型のPEAでは、GPCにより決定されるように18,000〜82,000の分子量範囲、1.8〜2.5の多分散性が達成された。
実施例3
PEA-タキソールコンジュゲートの合成
パクリタキセル(タキソール)を分解性(エステル)コンジュゲーションを介してPEAに付着させ、活性薬剤がポリマー担体から確実に放出されるようにする。第1に、タキソールを2’-位でコハク酸と結合させたが、これはさらに、PEAと薬物との間のリンカーの役割を果たした。
Figure 0005196498
タキソール-2’-ヘミスクシナート(タキソール-SA)(化合物4.1の合成)
従った合成手順は前に公表された通りであった(Yi Luo and Glenn D. Prestwich, Bioconjugate Chem.(1999)10:755-763)。ジクロロメタン(4.3mL)に溶解したタキソール(90mg、105μmol)、無水コハク酸(12.6mg、126μmol、1.2当量)およびピリジン(148μmol、1.4当量)を室温で3日間撹拌した。溶媒をロータリーエバポレータで除去し、残渣を水(10mL)と共に20分間撹拌し、焼結漏斗上で濾過した。固体をアセトン(7mL)に溶解し、水(5mL)を添加して沈殿させた。沈殿を濾過し、水(5mL)で洗浄し、その後、真空、40℃で一晩中乾燥させると、85mgの固体が得られた(収率85%)。1H NMRおよびMSは文献で報告されているものと同一であった。
タキソールのPEAとのコンジュゲーション(PEA-タキソール)
PEAポリマー(化合物3.3)(200mg、Mw=16kDa、繰り返しユニットFW=317)を真空下、40℃で48時間乾燥させ、その後DMF(0.5mL)に溶解し、モレキュラーシーブ上で24時間乾燥させ、その後、タキソール-2’-ヘミスクシナート(20mg、21μmol)を含むガラスバイアルに移した。モレキュラーシーブを追加の0.5mlのDMFですすぎ、洗浄生成物を反応バイアルに添加した。このバイアルに、DCC(4.28mg、21μmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.8mg、21μmol、MW=135.12)、DMAP(2.5mg、21μmol)およびピリジン1mLを添加し、混合物を室温で5日間撹拌した。反応混合物をアセトン(20mL)から沈殿させた。
残渣を2度、DMF(1mL)に再溶解し、アセトン(20mL)から沈殿させた。沈殿をその後、真空下で一晩中乾燥させると、64mgの固体が得られた(収率29%)。1H NMR分析の結果に従い、PEA上のタキソール負荷は、5.91% w/wであり、GPC測定からコンジュゲートの分子量が34kDaまで増加したことが示された。予備UV測定から、PEA-タキソールプロドラッグはタキソールよりも約5508倍、水への溶解度が高い(1377μg/mL)ことが示された(M. Vyas et al. Bioorg. Med. Chem. Lett. (1993)3:1357-1360によれば、自由タキソールは水に対し0.25μg/mLの溶解度を有する)。二級ヒドロキシルでのPEA-タキソールコンジュゲートの示唆された化学構造を下記に示す。
Figure 0005196498
実施例4
インビトロ細胞培養細胞毒性
この実施例は、実施例3で調製した水溶性PEA-タキソールコンジュゲートが、試験細胞へ細胞毒性量のタキソールを送達させる能力を説明する。内皮細胞および平滑筋細胞を用いてインビトロアッセイ法を実施した。
PEA-タキソールコンジュゲートの細胞毒性を決定するために、1000細胞/ウエルを96-ウエル組織培養プレートに播種し、37℃のCO2インキュベータに24時間入れ、細胞付着させた。その後、細胞に再び、新たな培地(内皮増殖培地、EGM-2 BulletKit、Cambrex)を与え、増加させた用量の試験物質を下記濃度で導入した:0.1、0.5、1、2、8および40ng/mlを3通り。これらの実験で試験した物質はPEAのみ、PEA-タキソールコンジュゲート、タキソール-SA、タキソールのみ、アッセイ法において存在するDMSOの最高濃度に匹敵するDMSOビヒクル、陽性対照としての培地のみであった。PEA-タキソールおよびPEAの最終濃度は、各ウエルで試験した最終タキソール濃度(タキソールの〜6%負荷)に基づく。その後細胞生存率%を、標準ATPアッセイ法(ViaLight Plusアッセイキット、Cambrex)を使用して、試験物質に暴露した後24、48および72時間で決定した。
(表1)72時間暴露後の%細胞生存率
Figure 0005196498
表1は、PEA-タキソールコンジュゲートに暴露した内皮細胞の細胞生存率%を試験する代表的アッセイ法から得られたデータを示す。同じ試験物品を平滑筋と共にインキュベートした時に、同様の結果が見られた。
コハク酸をタキソールにコンジュゲートさせても、タキソール-SAの細胞への細胞毒性は変化しないように思われる。PEA化合物3.3単独では、これらのアッセイ法で使用した濃度のいずれにおいても細胞への毒性は見られなかった。最後に、これらのデータから、PEA-タキソールコンジュゲートは、タキソール濃度の増加に伴い細胞生存率が減少することに基づき、内皮細胞に送達されることが証明される。
本発明について上記実施例を参照して記載してきたが、改変および変更が本発明の精神および範囲内に含まれることは理解されるであろう。したがって、本発明は下記特許請求の範囲によってのみ制限される。
保護基化学を用いた、本発明の負電荷または正電荷を有する水溶性ポリマーの合成を示す化学反応スキームである。 ビス(グリシン)-1,3-ジグリセリドのDi-TFA塩(化合物1.1)の合成を示す化学反応スキームである。 ビス(グリシン)-1,2-ジグリセリドのDi-TFA塩(化合物1.2)の合成を示す化学反応スキームである。 グリセロール-ビス(グリシン)ジエステルジトシラートの異性体混合物(化合物1.3)の合成を示す化学反応スキームである。

Claims (11)

  1. 下記のポリマーのうちの少なくとも1つを含む組成物:
    一般構造式(I
    Figure 0005196498
    式中、nは5〜150の範囲であり;Rは独立して(C〜C)アルキレンまたはCHOCHから選択され;個々のnユニットのR、COH、CH(OH)CH 、(CHNH 、(CHNHC(=NH )NH4−メチレンイミダゾリニウム、CHCOO よび(CHCOOからなる群より選択され;ならびに、Rは独立して、CHCH(OH)CHまたはCHCH(CHOH)、構造式(II)
    Figure 0005196498
    の1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの二環フラグメント、1,4−アンヒドロエリトリトールの残基およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。]
    により記載される化学式を有するPEAポリマー、または
    一般構造式(III
    Figure 0005196498
    式中、nは5〜150の範囲であり、mは0.1〜0.9の範囲であり;pは0.9〜0.1の範囲であり;Rは独立して(C〜C)アルキレンまたはCHOCHから選択され;各Rは独立して水素、または保護基であり;個々のユニットのR、COH、CH(OH)CH 、(CHNH 、(CHNHC(=NH )NH4−メチレンイミダゾリニウム、CHCOO よび(CHCOOからなる群より選択され;Rは独立して、CHCH(OH)CHまたはCHCH(CHOH)、前記構造式(II)の1,4:3,6−ジアンヒドロ−ヘキシトールの二環フラグメント、1,4−アンヒドロエリトリトールの残基およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;ならびに、Rは独立して(C〜Cアルキレンからなる群より選択される。]
    により記載される化学式を有するPEAポリマー。
  2. 前記ポリマーが、繰り返しユニット1つあたり、極性であるが非荷電の少なくとも1つの一級または二級ヒドロキシルペンダント基を含む、請求項1記載の組成物。
  3. 前記が、(CHNH 、(CHNHC(=NH )NH、および4−メチレンイミダゾリニウムからなる群より選択される、請求項1記載の組成物。
  4. 前記が、CHCOOまたは(CHCOO から選択される、請求項1記載の組成物。
  5. 前記ポリマーが、繰り返しユニット1つあたり、極性であるが非荷電の少なくとも1つの一級または二級ヒドロキシルペンダント基、および正電荷または負電荷を有する少なくとも1つのペンダント基を含む、請求項1記載の組成物。
  6. 経時的な制御放出のために前記ポリマーにコンジュゲートされた少なくとも1つの生物活性剤をさらに含む、請求項1記載の組成物。
  7. 前記ポリマーの繰り返しユニット1つあたり、前記ポリマーの少なくとも1つのペンダント親水性官能基にコンジュゲートされる生物活性剤をさらに含む、請求項1記載の組成物。
  8. 水溶液中での前記組成物の分散物が、粒子内に隔離された前記生物活性剤を有する自由遊泳性の完全に溶解するナノ粒子を自然に形成する、請求項記載の組成物。
  9. 少なくとも1つの生物活性剤を請求項1記載の組成物のペンダント反応基またはポリマー高分子鎖のアミンもしくはカルボキシル末端基を介して前記ポリマーにコンジュゲートさせることによりプロドラッグを形成する工程を含、そのように形成されたプロドラッグ中の生物活性剤の水溶性を、生物活性剤単独の水溶性と比べて増加させる、生物活性剤の水溶性を増加させるための方法。
  10. 生物活性剤の水溶性が、50倍〜5000倍増加する、請求項記載の方法。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物の、薬物または生物製剤のためのリポソーム、ミセルまたはポリマー粒子担体の表面修飾のための使用。
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